(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る内視鏡システムの構成を示す図であり、
図2は、第1の実施形態に係る内視鏡システムのカメラヘッド及びカメラコントロールユニットの詳細な回路構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、内視鏡システム1は、例えば光学式の内視鏡2と、この内視鏡2の接眼部3に着脱自在に接続されるカメラヘッド4と、カメラヘッド4が着脱自在に接続されるカメラコントロールユニット(以下、CCUという)5と、内視鏡2に照明光を供給する光源装置6と、CCU5の後述する画像処理部で生成された映像信号が入力されて観察画像を表示するモニタ7と、後述するコンペア試験の開始の指示、コンペア試験の結果の表示、及び、コンペア試験の結果の記録等を行うパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)8とを有して構成されている。
【0012】
パソコン8は、コンペア試験の結果等を表示する表示部8aと、コンペア試験の開始の指示等を行うためのキーボード8b及びマウス8cとを有する。また、パソコン8は、コンペア試験の結果を記録する図示しない記録部を有する。
【0013】
ヘッド分離型カメラ装置としてのカメラヘッド4は、接眼部3に接続されるヘッド部4aと、ヘッド部4aから延出するケーブル4bと、ケーブル4bの基端部に設けられたコネクタ部4cとを有する。カメラヘッド4は、このコネクタ部4cを介してCCU5に接続される。
【0014】
なお、内視鏡2には、カメラヘッド4が接続されるものとして説明するが、例えば、拡大率等の仕様が異なる他のカメラヘッドも接続することができる。また、CCU5には、医療機器である手術具等も接続することができる。
【0015】
図2に示すように、ヘッド部4aは、CMOSセンサにより構成される撮像素子10と、制御信号受信部11と、テスト信号生成部12と、切替部13と、パラシリ/LVDS送信部14とを有して構成されている。なお、撮像素子10は、CMOSセンサに限定されることなく、CCDセンサ等であってもよい。
【0016】
また、コネクタ部4cは、シリパラ/LVDS受信部20と、コンペア部21と、テスト信号生成部22と、制御信号送受信部23と、テスト信号生成部24と、切替部25と、パラシリ/LVDS送信部26とを有して構成されている。
【0017】
また、CCU5は、シリパラ/LVDS受信部30と、コンペア部31と、テスト信号生成部32と、制御信号送受信部33と、画像処理部34と、CCU制御部35とを有して構成されている。
【0018】
光源装置6からの照明光は、図示しないライトガイドを介して内視鏡2に伝送され、挿入部内の図示しないライトガイドを介して、挿入部の先端面から被写体に照射される。被写体からの戻り光は、ヘッド部4aの撮像素子10により撮像される。撮像素子10により撮像された撮像信号は、切替部13に出力される。
【0019】
切替部13は、通常の内視鏡観察時には、撮像素子10からの撮像信号を、コネクタ部4cのパラシリ/LVDS送信部14に出力する。なお、切替部13は、後述するコンペア試験を実施する場合、制御信号受信部11からの切替信号に基づいて、テスト信号生成部12により生成されたテスト信号をパラシリ/LVDS送信部14に出力する。
【0020】
パラシリ/LVDS送信部14は、入力された撮像信号をパラレルからシリアルに変換し、LVDS(低電圧差動信号)としてシリパラ/LVDS受信部20に送信する。シリパラ/LVDS受信部20は、受信した撮像信号をシリアルからパラレルに変換し、切替部25に出力する。
【0021】
切替部25は、通常の内視鏡観察時には、シリパラ/LVDS受信部20からの撮像信号をパラシリ/LVDS送信部26に出力する。なお、切替部25は、後述するコンペア試験を実施する場合、制御信号送受信部23からの切替信号に基づいて、テスト信号生成部24により生成されたテスト信号をパラシリ/LVDS送信部26に出力する。
【0022】
パラシリ/LVDS送信部26は、入力された撮像信号をパラレルからシリアルに変換し、LVDSとしてシリパラ/LVDS受信部30に送信する。シリパラ/LVDS受信部30は、受信した撮像信号をシリアルからパラレルに変換し、画像処理部34に出力する。
【0023】
画像処理部34は、入力された撮像信号に所定の画像処理を施して映像信号を生成し、生成した映像信号をモニタ7に出力することで、モニタ7に観察画像を表示する。
【0024】
ここで、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送のコンペア試験の手順の一例について説明する。
【0025】
まず、ユーザがパソコン8のキーボード8bまたはマウス8cを操作し、パソコン8からCCU制御部35にコンペア試験開始を指示するコマンドを送信する。CCU制御部35は、パソコン8から送信されたコマンドを制御信号送受信部33に送信する。制御信号送受信部33は、CCU制御部35から送信されたコマンドをコネクタ部4cの制御信号送受信部23に送信し、制御信号送受信部23は、制御信号送受信部33から送信されたコマンドをヘッド部4aの制御信号受信部11に送信する。
【0026】
ヘッド部4aの制御信号受信部11は、コンペア試験開始を指示するコマンドを受信すると、テスト信号生成部12にテスト信号発生開始信号を送信するとともに、切替部13にテスト信号送信モードに切り替えるための切替信号を送信する。第1のテストパターン生成部としてのテスト信号生成部12は、テスト信号発生開始信号が入力されると、ビットエラーレート試験を行うためのテスト信号を生成し、切替部13に出力する。
【0027】
切替部13は、制御信号受信部11から切替信号が入力されると、テスト信号生成部12により生成されたテスト信号をパラシリ/LVDS送信部14に出力する。第1の送信部としてのパラシリ/LVDS送信部14は、切替部13から入力されたテスト信号をパラレルからシリアルに変換し、LVDSとしてコネクタ部4cのシリパラ/LVDS受信部20に送信する。
【0028】
第1の受信部としてのシリパラ/LVDS受信部20は、パラシリ/LVDS送信部14からのテスト信号を受信し、シリアルからパラレルに変換し、コンペア部21に出力する。コンペア部21は、入力されたテスト信号から所定のデータパターンを検出すると、テスト信号生成部22にテスト信号の生成を開始する生成開始信号を出力する。第2のテストパターン生成部としてのテスト信号生成部22は、生成開始信号が入力されると、テスト信号生成部12で生成されたテスト信号と同じパターン信号であるテスト信号を生成し、生成したテスト信号をコンペア部21に出力する。
【0029】
コンペア部21は、シリパラ/LVDS受信部20からのテスト信号と、テスト信号生成部22からのテスト信号とを比較し、比較結果を制御信号送受信部23に出力する。比較結果が一致している場合、すなわち、シリパラ/LVDS受信部20からのテスト信号と、テスト信号生成部22からのテスト信号とが一致している場合、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送にエラーがないと判定される。一方、比較結果が一致していない場合、すなわち、シリパラ/LVDS受信部20からのテスト信号と、テスト信号生成部22からのテスト信号とが一致していない場合、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送にエラーがあると判定される。
【0030】
制御信号送受信部23は、コンペア部21からの比較結果をCCU5の制御信号送受信部33を送信する。制御信号送受信部33は、受信した比較結果をCCU制御部35に送信する。パソコン8は、CCU制御部35にアクセスすることで比較結果を取得し、取得した比較結果を表示部8aに表示したり、メモリ等の記録部に記録する。
【0031】
次に、コネクタ部4cとCCU5との間のデータ伝送のコンペア試験の手順の一例について説明する。
【0032】
まず、ユーザがパソコン8のキーボード8bまたはマウス8cを操作し、パソコン8からCCU制御部35にコンペア試験開始を指示するコマンドを送信する。CCU制御部35は、パソコン8から送信されたコマンドを制御信号送受信部33に送信し、制御信号送受信部33は、CCU制御部35から送信されたコマンドをコネクタ部4cの制御信号送受信部23に送信する。
【0033】
コネクタ部4cの制御信号送受信部23は、コンペア試験開始を指示するコマンドを受信すると、テスト信号生成部24にテスト信号発生開始信号を送信するとともに、切替部25にテスト信号送信モードに切り替えるための切替信号を送信する。第3のテストパターン生成部としてのテスト信号生成部24は、テスト信号発生開始信号が入力されると、ビットエラーレート試験を行うためのテスト信号を生成し、切替部25に出力する。
【0034】
切替部25は、制御信号送受信部23から切替信号が入力されると、テスト信号生成部24により生成されたテスト信号をパラシリ/LVDS送信部26に出力する。第2の送信部としてのパラシリ/LVDS送信部26は、切替部25から入力されたテスト信号をパラレスからシリアルに変換し、LVDSとしてCCU5のシリパラ/LVDS受信部30に送信する。
【0035】
第2の受信部としてのシリパラ/LVDS受信部30は、パラシリ/LVDS送信部26からのテスト信号を受信し、シリアルからパラレルに変換し、コンペア部31に出力する。コンペア部31は、入力されたテスト信号から所定のデータパターンを検出すると、テスト信号生成部32にテスト信号の生成を開始する生成開始信号を出力する。第4のテストパターン生成部としてのテスト信号生成部32は、生成開始信号が入力されると、テスト信号生成部24で生成されたテスト信号と同じパターン信号であるテスト信号を生成し、生成したテスト信号をコンペア部31に出力する。
【0036】
コンペア部31は、シリパラ/LVDS受信部30からのテスト信号と、テスト信号生成部32からのテスト信号とを比較し、比較結果をCCU制御部35に出力する。判定方法は、上述したヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送時と同様であり、比較結果が一致している場合、コネクタ部4cとCCU5との間のデータ伝送にエラーがないと判定され、比較結果が一致していない場合、コネクタ部4cとCCU5との間のデータ伝送にエラーがあると判定される。
【0037】
パソコン8は、CCU制御部35にアクセスすることで比較結果を取得し、取得した比較結果を表示部8aに表示したり、メモリ等の記憶部に記憶部する。
【0038】
なお、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送のコンペア試験を指示するコマンドと、コネクタ部4cとCCU5との間のデータ伝送のコンペア試験を指示する個マントとは、同一のコマンドであってもよいし、それぞれ異なるコマンドであってもよい。すなわち、1つのコマンドにより2つのコンペア試験を行ってもよいし、第1のコマンドによりヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のデータ伝送のコンペア試験を行い、第2のコマンドによりコネクタ部4cとCCU5との間のデータ伝送のコンペア試験を行ってもよい。
【0039】
ここで、
図3から
図6を用いて、コンペア試験の動作について説明する。
【0040】
図3は、コンペア部21の詳細な回路構成を説明するための図であり、
図4は、比較回路におけるコンペア試験の開始動作の例を説明するための図であり、
図5は、比較回路におけるコンペア試験のテスト合格(Pass)時における終了動作の例を説明するための図であり、
図6は、比較回路におけるコンペア試験のテスト不合格(Fail)時における終了動作の例を説明するための図である。なお、コンペア部21とコンペア部31は、同一の構成及び同一のコンペア試験の動作を行うため、以下では代表してコンペア部21について説明する。
【0041】
図3に示すように、コンペア部21は、検出回路40と、遅延回路41と、比較回路42とを有して構成されている。ヘッド部4aのテスト信号生成部12では、テスト信号として、高速なデジタル信号の伝送品質を評価するために用いられるPRBS(Pseudo Random Bit Sequence)23信号が生成され、生成されたPRBS23信号が切替部13、パラシリ/LVDS送信部14、及び、シリパラ/LVDS受信部20を介してコンペア部21の検出回路40及び遅延回路41に入力される。
【0042】
検出回路40は、入力されたPRBS23信号から所定のデータパターンを検出すると、テスト信号の生成を開始するための生成開始信号(トリガ信号)をテスト信号生成部22に送信する。
図4の例では、検出回路40は、入力されたPRBS23信号から“FFF”“7FF”の連続したデータパターンを検出し、生成開始信号を生成している。
【0043】
テスト信号生成部22は、コンペア部21の検出回路40から生成開始信号が入力されると、コンペア部21に入力されるPRBS23信号と同一の順序でデータパターン(PRBS23信号)を生成し、生成したPRBS23信号を比較回路42に出力する。
【0044】
また、遅延回路41は、入力されたPRBS23信号を所定の期間、例えば、2クロック遅延させて、2クロック遅延させたPRBS23信号を比較回路42に出力する。
【0045】
比較回路42は、
図4に示すように、検出回路40において生成開始信号が生成された後、テスト信号生成部22により生成されたPRBS23信号と、遅延回路41から入力されたPRBS23信号とを比較し、所定のデータ量で一致するか否かを確認する。
【0046】
比較回路42は、比較したデータ数をカウントするカウンタ、比較したデータの一致数をカウントするカウンタ、及び、比較したデータ数から一致数を減算することで、エラー数をカウントするエラーカウンタを備える。
【0047】
比較回路42は、エラーカウンタのエラー数が0か否かを検出し、検出結果を0(Low)または1(High)で示した判定信号(比較結果)として出力する。比較回路42は、例えば、エラー数が0の場合、テストが合格(Pass)したことを示す1(High)の判定信号を出力し、エラー数が1以上の場合、テストが不合格(Fail)したことを示す0(Low)の判定信号を出力する。
【0048】
なお、比較回路42は、エラー数が0か否かでテストの合格(Pass)または不合格(Fail)を判定しているが、これに限定されることなく、所定の閾値を用いて判定するようにしてもよい。具体的には、比較回路42は、例えば、エラーカウンタのエラー数が所定のエラー数(所定の閾値)未満の場合、テストが合格(Pass)したと判定し、エラー数が所定のエラー数(所定の閾値)以上の場合、テストが不合格(Fail)したと判定する。
【0049】
図5に示すように、n個のデータ比較を行う場合、n個のデータ比較を実行した後に、比較動作完了信号が比較回路42に入力される。なお、この比較動作完了信号は、データ数をカントするカウンタがnとなった際に、このカウンタから出力される。比較回路42は、比較動作完了信号が入力されると、エラーカウンタのエラー数を確認する。
図5に示す例の場合、比較回路42は、エラーカウンタのエラー数が0のため、テストが合格(Pass)したことを示す1(High)の判定信号を出力する。一方、
図6に示す例の場合、比較回路42は、エラーカウンタのエラー数が1のため、テストが不合格(Fail)したことを示す0(Low)の判定信号を出力する。
【0050】
以上のように、内視鏡システム1は、コンペア部21においてカメラヘッド4のヘッド部4aとコネクタ部4cとの間のビットエラーレート試験を実施し、コンペア部31においてコネクタ部4cとCCU5との間のビットエラーレート試験を実施するようにしている。これにより、内視鏡システム1は、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間に伝送エラーがあるか否か、及び、コネクタ部4cとCCU5との間に伝送エラーがあるか否かを判定する。
【0051】
よって、本実施形態の内視鏡システムによれば、伝送エラーが発生した場合、エラーが発生している個所を確実に判別することができる。
【0052】
また、内視鏡システム1は、ヘッド部4aとコネクタ部4cとの間、及び、コネクタ部4cとCCU5との間でビットエラーレート試験を行うことができるため、撮像信号の送信時にエラーがあった場合に、エラーが発生している個所を確実に判別することができる。
【0053】
なお、実施形態はパソコン8からビットエラーレート試験を実行する例で記載したが、CCU5にビットエラーレート試験の仕様を仕込み、CCU5のメニューからビットエラーレート試験を選択し、テスト実行、結果表示、記録できるような構成としても良い。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0055】
図7は、第2の実施形態に係る内視鏡システムのカメラヘッド及びカメラコントロールユニットの詳細な回路構成を示す図である。なお、
図7において、
図2と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図7に示すように、本実施形態に内視鏡システム1aは、
図2のコネクタ部4cに代わり、コネクタ部4dを用いて構成されている。コネクタ部4dは、シリパラ/LVDS受信部20の前段にアンプ27を有して構成されている。
【0057】
通常、ケーブル4bは、数メートルの長さを有しているため、パラシリ/LVDS送信部14から送信された信号がケーブル4bを伝送している間に劣化する。アンプ27は、ケーブル4bを伝送している間に劣化した信号を増幅してシリパラ/LVDS受信部20に出力する。
【0058】
なお、コネクタ部4dがアンプ27を有する構成であるが、これに限定されることなく、例えば、ヘッド部4aがアンプ27を有する構成であってもよい。より具体的には、パラシリ/LVDS送信部14の後段にアンプ27を設け、パラシリ/LVDS送信部14から送信された信号を増幅してからケーブル4bによる伝送を行うようにする。その他の構成及び動作は、第1の実施形態と同様である。
【0059】
ここで、コネクタ部4dの構成について説明する。
図8は、コネクタ部4dの構成を説明するための図である。
【0060】
図8に示すように、コネクタ部4dには、CCU5と電気的に接続するための複数の接続ピン50a、50b、50c、・・・、を有している。複数の接続ピン50a、50b、50cには、ESD(静電気放電)が印加されることがあり、このESDから内部の回路やIC等を保護するためのESD保護部材が設けられる。
【0061】
図8に示すように、接続ピン50bは、回路部51に接続されているため、ESDから回路部51を保護するために、接続ピン50bの直近に、ESD保護用ダイオードまたはバリスタ等により構成されるESD保護部材52が設けられている。
【0062】
近年、デジタル伝送の高速化に伴い、ESD保護部材52の容量が小さくなっているため、大きなESDが接続ピン50bに印加されると、回路部51を保護できない虞がある。また、未使用の接続ピン50aに印加されたESDが接続ピン50bと回路部51とを接続する接続ラインに回り込むことがある。
【0063】
そのため、本実施形態では、大きさESDが接続ピン50bに印加された場合、あるいは、未使用の接続ピン50aに印加されたESDが接続ラインに回り込んだ場合にも、回路部51を保護できるように、回路部51に直近にもESD保護部材53を設けている。また、未使用の接続ピン50aに印加されたESDが接続ラインに回り込むことを防ぐために、例えば、未使用の接続ピン50cにもESD保護部材54を設けるようにしている。なお、図示は省略しているが、未使用の接続ピン50aにも、接続ピン50cと同様にESD保護部材を設けるようにしてもよい。
【0064】
次に、本実施形態のカメラヘッド4のケーブル4bの構成について説明する。
図9Aは、ツイストペアケーブルの構成について説明するための図であり、
図9Bは、同軸ケーブルの構成について説明するための図である。
【0065】
一般的に、LVDS等のデジタル差動信号をケーブル4bにより伝送する場合、
図9Aに示すように、2本の単線を撚ってペアにしたツイストペアケーブル4b1を使用している。このツイストペアケーブル4b1は、ペアの一方にPch、他方にNchを接続し、ペア間の差動インピーダンスを100Ωに設計している。また、ツイストペアケーブル4b1は、Pch及びNchの2本の線に加え、単線のGND線が必要となる。
【0066】
ヘッド部4aからの撮像信号は、デジタル差動信号によりコネクタ部4d及びCCU5に伝送されるが、近年、撮像素子10の高画素化や多板化によって伝送レートの高速化が顕著となっており、伝送の技術的ハードルが高くなっている。高速伝送に対応するためには、ケーブル自体を太くするか、伝送するデータを分割し、レーン数を増やし、1本当たりの伝送レートを落とすことが慣例技術となっている。
【0067】
しかしながら、ツイストペアケーブル4b1は撚ってあるため、撚りピッチが緩いと、ツイストペアケーブル4b1が曲がった際にペア間の距離に変化が生じて、差動インピーダンスを保てなくなってしまう。一方、ツイストペアケーブル4b1の撚りピッチが細かいと、ペア間の距離に変化が生じないが、ツイストペアケーブル4b1自体が固くなり、取り回しが悪くなってしまう。
【0068】
また、多レーン化してペア数を増やすと、その分、ツイストペアケーブル4b1の本数が増えるため、総合ケーブル径が太くなってしまう。総合ケーブル径が太くなると、総合ケーブルが固くなり、取り回しが悪くなる。医療現場では、ケーブル4bの取り回しの良さも重要視されるため、取り回しが悪くなることはユーザーデメリットに繋がってしまう。そのため、ケーブル4bを固定せずに、曲げたり動かしたりするカメラヘッド4では、ツイストペアケーブル4b1では、十分な性能を発揮できない虞がある。
【0069】
そこで、本実施形態では、ケーブル4bに
図9Aのツイストペアケーブル4b1にかわり、
図9Bに示す同軸ケーブル4b2を用いて差動伝送を行う。すなわち、カメラヘッド4のデジタル差動伝送をツイストペアケーブル4b1に代わり、2本の同軸ケーブル4b2により行うようにしている。同軸ケーブル4b2は、曲げても単独の特性インピーダンスが乱れることはない。また、同軸ケーブル4b2は、1本毎にシールドされているため、ツイストペアケーブル4b1よりも外乱耐性が高い。
【0070】
また、高速伝送が必要になり多レーン化する場合は、同軸ケーブル4b2を用いることで同軸ケーブル4b2が有するシールドによりGNDを確保できるため、ツイストペアケーブル4b1の単線のGND線を削除することができる。この結果、多レーン化してもケーブル4bの総合径への影響も少なく、取り回し性を確保することができる。
【0071】
このように、差動デジタル信号を多レーンの分割差動信号により伝送る際に、同軸ケーブル4b2を用いることで、ツイストペアケーブル4b1の単線のGND線を削除することができ、高速伝送とケーブル4bの細径化を同時に実現することができる。
【0072】
多レーン伝送のような構成において、各伝送レーンごとにビットエラーレート試験を実行することで、各伝送レーン個々のエラー特定が可能となる。
【0073】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0074】
本出願は、2015年3月26日に日本国に出願された特願2015−64540号公報を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
内視鏡システム1は、ヘッド部4aと、コネクタ部4cと、CCU5と有する。ヘッド部4aは、第1のテストパターン信号を生成するテスト信号生成部12を有する。コネクタ部4cは、第1のテストパターンと同じパターン信号である第2のテストパターン信号を生成するテスト信号生成部22と、第1のテストパターン信号と第2のテストパターン信号とを比較した比較結果を出力する第1の比較回路と、第3のテストパターン信号を生成するテスト信号生成部24とを有する。CCU5は、第3のテストパターンと同じパターン信号である第4のテストパターン信号を生成する津と信号生成部32と、第3のテストパターン信号と第4のテストパターン信号とを比較した比較結果を出力する第2の比較回路とを有する。