【実施例】
【0046】
特徴化
X.I.の確認
ポリマー2.5g及びo−キシレン250mlを、冷却器及び還流凝縮器を備えた丸底フラスコに入れ、窒素下で維持させた。得られた混合物を135℃で加熱し、攪拌下で約60分間維持させた。最終溶液を連続的な攪拌下で25℃に冷却されるようにし、その後、不溶性ポリマーをろ過した。その後、ろ過液を140℃で窒素流で蒸発させ、一定の重量に達するようにした。前記キシレン−可溶性分画の含量は本来の2.5gの百分率として表した後、差、X.I.%により表した。
【0047】
供与体の確認
電子供与体の含量をガス−クロマトグラフィーを介して求めた。固体成分を酸性水に溶解させた。溶液をエチルアセテートを用いて抽出し、内部標準を添加した後、有機相サンプルをガスクロマトグラフで分析し、出発触媒化合物に存在する供与体の量を確認した。
【0048】
溶融流速(MFR)
ポリマーの溶融流速MILをISO 1133(230℃、2.16Kg)に従い確認した。
【0049】
実施例1.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
【0050】
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの合成
【0051】
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2,5−ジメチルフェノール(20g、0.11mol)を、硫黄0.37gを含むトルエン120mLで溶解させる。トルエン50mL中のS
2Cl
2 4.9mL(0.062mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。これが完了するとき、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。反応混合物を低真空下で濃縮させ約60mLの残余量を有するようにした。得られた懸濁液をEt
2O 180mL中のLiAlH
4 5.38g(0.14mol)の懸濁液に徐々に添加する。
【0052】
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機溶液を分離し、水層をEt
2Oで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させ、残余物をヘプタンから結晶化する。収率5.76g(49%)。
【0053】
第2ステップ.2−(ベンゾイルチオ)−4−(tert−ブチル)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートの合成
【0054】
トルエン(290mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノール(10g、0.048mol)の溶液を0℃でベンゾイルクロリド(11.8mL、0.10mol)及びEt
3N(20.0mL)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに注ぎ、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを95%EtOH(50mL)から再結晶化する。収率15.5g(78%)。
【0055】
実施例2.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
【0056】
第1ステップ.4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
【0057】
反応をアルゴン雰囲気下で行う。4−tert−ブチル−2−メチルフェノール(90g、0.5mol)を、硫黄0.5gを含むトルエン250mLに溶解させる。トルエン100mL中のS
2Cl
2 22mL(0.55mol)の溶液を、反応温度が30℃を超えない速度で連続して効率よく攪拌しながら滴下ロートを介して徐々に添加する。その後、溶液を75℃で1時間加熱し、室温に冷却されるようにする。トルエンを低真空下で除去し、残余物をEt
2O 200mLに溶解させる。得られた溶液をEt
2O 600mL中のLiAlH
4 24g(0.63mol)の懸濁液に徐々に添加する。
【0058】
反応混合物を6時間還流し、一晩中攪拌した後、5%HClで注意深く処理する。有機層を分離し、水層をEt
2Oで数回抽出する。組み合わされた有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させ、蒸留する。収率50.1g(47%)。
【0059】
第2ステップ.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルエチルカルボネートの合成
【0060】
トルエン(150mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(7.88g、0.0342mol)の溶液を攪拌して冷却しながら(0℃)ピリジン(12mL)及びエチルクロロホルメート(7.19mL、0.0752mol)で順次に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を水で処理し、トルエン(100mL)で希釈させる。有機層を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後、蒸発させ、真空(165℃/0.5mmHg)で蒸留させる。収率8.9g(73%)。
【0061】
実施例3.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルエチルカルボネートの合成
【0062】
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例2で用いるものと同様である。蒸留後の収率73%。
【0063】
実施例4.4−(tert−ブチル)−2−((ジエチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット(one−pot)合成
【0064】
ピリジン(40mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.82g、0.05mol)の溶液を攪拌して冷却させながら(−30℃)ジエチルカルバモイルクロリド(7.0g、0.05mol)で30分以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(9.1g、0.05mol)で処理する。室温でさらに16時間攪拌した後、反応混合物を、濃HCl 80mLを含む水−氷混合物に注ぐ。その後、これをCH
2Cl
2で抽出し、有機相を水性HCl、水、5%NaOH溶液、水で順次に洗浄してから、MgSO
4で乾燥させた後、濃縮させる。生成物を、トルエン/ヘキサン混合物(1/2)を溶出剤として用いて中性Al
2O
3でカラムクロマトグラフィーにより精製する。収率10.0g(46%)。
【0065】
実施例5.4−(tert−ブチル)−2−((ジメチルカルバモイル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
【0066】
ジメチルカルバモイルクロリドをジエチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率72%。
【0067】
実施例6.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートのワンポット合成
【0068】
エチルクロロホルメートを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例4で用いるものと同様である。収率59%。
【0069】
実施例7.S−(5−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジエチルカルバモチオエートのワンポット合成
【0070】
ジエチルカルバモイルクロリドをジメチルカルバモイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例6で用いるものと同様である。収率57%。
【0071】
実施例8.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
【0072】
トルエン(160mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(9.0g、0.043mol)及びピリジン(16mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(30mL)中のエチルクロロホルメート(4.64g、0.043mol)の溶液で3時間以内に処理する。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)3−クロロベンゾイルクロリド(7.53g、0.043mol)で処理する。室温で16時間攪拌した後、これを水性HClに振り入れ、トルエン(100mL)により希釈させる。有機層を水、2%水性NaOH、水で順次に洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後、蒸発させ、得られたオイルを石油エーテルから再結晶化する。収率11.6g(64%)。
【0073】
実施例9.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
【0074】
ベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。ヘプタンからの結晶化後の収率54%。
【0075】
実施例10.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
【0076】
4−メチルベンゾイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率56%。
【0077】
実施例11.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル3−クロロベンゾエートのワンポット合成
【0078】
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例8で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率46%。
【0079】
実施例12.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルベンゾエートのワンポット合成
【0080】
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例9で用いるものと同様である。石油エーテル/CHCl
3(約1/1)混合物からの結晶化後の収率34%。
【0081】
実施例13.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニル4−メチルベンゾエートのワンポット合成
【0082】
4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノールを4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−3,6−ジメチルフェノールの代りに用いる点を除いては、手順は実施例10で用いるものと同様である。石油エーテルからの結晶化後の収率38%。
【0083】
実施例14.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−3,6−ジメチルフェニルフラン−2−カルボキシレートのワンポット合成
【0084】
2−フロイルクロリドを3−クロロベンゾイルクロリドの代りに用いる点を除いては、手順は実施例11で用いるものと同様である。石油エーテル及びEtOHからの結晶化後の収率56%。
【0085】
実施例15.4−(tert−ブチル)−2−((エトキシカルボニル)チオ)−6−メチルフェニルジエチルカルバメートのワンポット合成
【0086】
トルエン(350mL)中の4−(tert−ブチル)−2−メルカプト−6−メチルフェノール(18.83g、0.096mol)及びピリジン(27mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)トルエン(50mL)中のエチルクロロホルメート(9.15mL、0.097mol)の溶液で4時間以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)ジエチルカルバモイルクロリド(20mL、0.158mol)及びEt
3N(20mL)で処理した。室温で48時間攪拌した後、これを水性HClでクエンチし、トルエン(100mL)で希釈させた。有機層を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後、蒸発させ、得られた残余物を真空(180℃ないし182℃/0.3mmHg)で蒸留させた。収率8.4g(24%)。
【0087】
実施例16.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
【0088】
第1ステップ:4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノールの合成
【0089】
トルエン(250mL)中のS
2Cl
2(20mL、0.25mol)の溶液を攪拌下でトルエン(250mL)中の4−シクロヘキシル−2−メチルフェノール(47.6g、0.25mol)の溶液で処理した。添加後、溶液をさらに2時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残余物を95%EtOH(400mL)で溶解させた後、亜鉛粉末(50g、0.79mol)を添加し、次いで濃HCl(190mL)を0℃で攪拌しながら滴下した。添加後、混合物をさらに2時間攪拌した。反応混合物を水(900mL)に注ぎ、CH
2Cl
2で数回抽出した。組み合わされた有機相をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させた後、残余物を真空下で(133℃ないし136℃/0.5mmHg)蒸留させた。収率26.7g(48%)。
【0090】
第2ステップ.S−(5−シクロヘキシル−2−((エトキシカルボニル)オキシ)−3−メチルフェニル)ジメチルカルバモチオエートの合成
【0091】
トルエン(180mL)中の4−シクロヘキシル−2−メルカプト−6−メチルフェノール(16.68、0.075mol)及びピリジン(19mL)の溶液を攪拌して冷却させながら(0℃)ジメチルカルバモイルクロリド(8.47g、0.082mol)で30分以内に処理した。室温で16時間攪拌した後、反応混合物を同様に攪拌して冷却させながら(0℃)エチルクロロホルメート(9.77mL、0.09mol)で処理した。室温で16時間さらに攪拌した後、反応混合物を濃HCl 30mLを含む水−氷混合物に注いだ。その後、これをCH
2Cl
2で抽出し、有機相を水性HCl及び水で順次に洗浄し、MgSO
4で乾燥させた後、蒸発させ、残余物を真空下で(212℃ないし215℃/0.4mmHg)蒸留させた。収率11.4g(42%)
【0092】
実施例17.syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
【0093】
第1ステップ:syn−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
【0094】
250mL反応容器にsyn 2,4−ペンタンジーオル(10g、95.1mmol)及びピリジン(70g)を充填する。混合物を−10℃に冷却させ、p−トルエンスルホニルクロリド(40.3g、2.2eq)を徐々に添加する。混合物を周囲温度で15時間攪拌するようする。エチルアセテート(100mL)を反応混合物に添加し、生成される有機層を飽和NH
4Cl水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄した後、MgSO
4で乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物をヘルイエロー(hell yellow)固体として得た。
【0095】
第2ステップ:syn S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジベンゾチオエートの合成
【0096】
100mL反応容器にsynペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(5.6g、13.4mmol)、ベンゼンカルボチオS−酸(4.13g、2eq)、NaHCO
3(2.28g、2eq)及びDMF(25mL)を充填する。混合物を80℃で2時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(50mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO
3水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機層をMgSO
4で乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO
2)−シクロヘキサン/エチルアセテート:40/1により精製する。収率:2g(43.3%)。
【0097】
実施例18.S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
【0098】
第1ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエートの合成
【0099】
250mL反応容器にペンタン−2,4−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(19g、45.6mmol)ポタシウムチオアセテート(15.78g、3eq)及びDMF(70mL)を充填する。混合物を周囲温度で12時間攪拌するようする。赤色溶液をエチルアセテート(200mL)で希釈させ、生成される溶液を飽和NaHCO
3水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を赤色オイルとして得た。これを蒸留により精製する。収率:8.1g(80%)−黄色のオイル。
【0100】
第2ステップ:S,S’−ペンタン−2,4−ジイルビス(4−プロピルベンゾチオエート)の合成
【0101】
100mL反応容器にS,S’−ペンタン−2,4−ジイルジエタンチオエート(5g、22.5mmol)及びメタノール(50mL)を充填する。その後、ナトリウムメトキシド(2.57g、2.1eq)を周囲温度で徐々に添加する。混合物を2時間攪拌するようする。メタノールを蒸留により除去し、生成される橙色オイルをピリジン(50mL)で希釈させる。これを0℃に冷却させ、4−n−プロピル−ベンゾイルクロリド(11.08g、2.7eq)を徐々に添加した後、12時間攪拌する。ピリジンを蒸留により除去し、生成されるオイルをエチルアセテート(100mL)で希釈させる。生成される溶液を飽和NaHCO
3水溶液と、飽和NaCl水溶液で洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、ろ過した後、回転蒸発器上で濃縮させ、粗生成物を黄色のオイルとして得た。これをクロマトグラフィー(SiO
2)−シクロヘキサン/エチルアセテート:60/1により精製する。収率:4.4g(45.6%)。
【0102】
実施例1ないし17の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl
4 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、内部供与体及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填された内部供与体の量は、Mg/供与体のモル比を6に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。以後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiCl
4を添加し、再び初期液量にした。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
【0103】
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
【0104】
実施例18の供与体を用いる固体触媒成分の製造手順
機械的攪拌器、冷却器及び温度計が備えられた500mLの丸底フラスコに、TiCl
4 250mLを窒素雰囲気下で室温で導入した。0℃に冷却させた後、攪拌しながら、エチルベンゾエート及び球状の付加物(前述されたように製造される)10.0gをフラスコ内に順次に添加した。充填されたエチルベンゾエートの量は、Mg/EBのモル比を4に充填する量であった。温度を100℃に上昇させ、2時間維持させた。その後、攪拌を中断し、固体生成物が沈降するようにした後、上澄み液を100℃で吸い上げた。上澄み液を除去した後、さらに新たなTiCl
4を添加し、再び初期液量にした後、内部供与体をMg/供与体の比を6にして添加した。その後、混合物を120℃で加熱し、この温度で1時間維持させた。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。120℃で1時間この最後の熱処理をもう一度繰り返す。攪拌を再び中断し、固体が沈降するようにした後、上澄み液を吸い上げた。
【0105】
固体が、無水ヘキサンで、60℃に下降する温度勾配で6回(6x100mL)洗浄され、室温で1回(100mL)洗浄された。その後、得られた固体を真空下で乾燥させ、分析した。
【0106】
一般的なプロピレン重合手順
攪拌器、圧力ゲージ、温度計、触媒供給システム、モノマー供給ライン及び温度調節ジャケットが備えられた4−リットル鋼鉄オートクレーブを70℃で窒素流で1時間パージした。その後、プロピレンの流れ下の30℃で、無水ヘキサン75ml、AlEt
3 0.76g、ジシクロペンチルジメトキシシラン(D供与体)0.076g及び固体触媒成分0.006÷0.010gを順次に充填した。オートクレーブを密閉させ;その後、水素2.0Nlを添加した。その後、攪拌下で、液体プロピレン1.2kgを供給した。温度を70℃に5分以内に上昇させ、重合をこの温度で2時間行った。重合終了時、未反応のプロピレンを除去し;ポリマーを回収した後、70℃の真空下で3時間乾燥した。その後、ポリマーを秤量して、o−キシレンを用いて分画し、キシレン不溶性(X.I.)分画の量を確認した。
【0107】
例示された触媒の組成物及び性能
【0108】
【表1-1】
【0109】
【表1-2】
【0110】
【表1-3】
【0111】
【表1-4】
【0112】
【表1-5】
【0113】
ED:外部供与体。
D:ジシクロペンチルジメトキシシラン