(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
層Cが、コア層、及び/又は同一であるか異なるコア層ホモポリマーで作られ、より厚く圧縮成形されるか共同押出された支持層で構成される、請求項1に記載の双方向多層構造。
【背景技術】
【0002】
プロピレンと他のオレフィン(主にエチレン、ブテン−1又は両方)のコポリマー、又はこれらのコポリマーと他のオレフィンポリマーの混合物は先行技術分野で加熱−封止性物質として公知されている。
【0003】
これらコポリマーは、配位触媒の存在下でプロピレンを少量の他のオレフィンコモノマーと重合することで得られる。
【0004】
重合されたコモノマー単位は、生成されるコポリマーに統計学的に分布され、上記コポリマーの融点は結晶質プロピレンホモポリマーの融点より低くなる。また、上記コポリマーの封止開始温度(以後詳細に定義される)は好ましく低くなる。
【0005】
しかし、形成及び充填パッケージングのようなフィルムの適用に特に要求されるものは低い封止開始温度(以下、「S.I.T.」と称される)だけでなく、良好な「熱縫合」を要求する。US4725505で説明されているように、熱縫合は測定可能な結合強度であり、一方フィルムの加熱封止された部位のポリマーは依然として半溶融された/固体化状態にある。
【0006】
上記形成及び充填パッケージングは、食品パッケージングに普遍的に適用され、特に固体及び/又は液体製品に用いられるバッグの製造に適用される。バッグが垂直位置又は水平位置に存在するとき、バッグはバッグの底部の縫い目を封止してこれを充填するパッケージング機械を用いて製造される。よって、封止は依然として半溶融された/固体化状態にありながらも、バッグに導入される製品の重量に耐えることができず、一般的に製品の輸送をアシストするのに用いられる空気の圧力にも耐えられなければならない。
【0007】
上記US4725505によると、熱縫合はブテン−1−プロピレンコポリマー40重量%以上をプロピレン−エチレンコポリマーに添加することで向上する。空気圧力下で試験を行うことで測定される熱縫合強度値は水の10インチないし15インチの範囲にある。
【0008】
US2005/0142367によると、相対的に高い熱縫合強度値はプロピレン−ブテン−1−エチレンターポリマーをメタロセン触媒化されたエチレンポリマーと混和することで達成される。実施例で用いられるターポリマーは、コモノマーを相対的に高い量で含有するが、すなわち、エチレン1.7モル%及びブテン−1 16.2モル%を含有する。得られた熱縫合強度値は250g(約2.5N)さらに低い。210°F(約99℃)で、これは200より低い。これは200°F(約93℃)より低い温度では不十分なものと思われる。
【0009】
WO2011/064124及びWO2011/064119は、フィルム、特に多層フィルムの製造に有用なポリオレフィン組成物を開示しており、ここで、少なくとも1つの層は向上した封止開始温度(S.I.T.)及び熱縫合特性を提供するポリオレフィン組成物を含む。上記組成物を含む層は、S.I.T.及び熱縫合試験で封止層(最外層)として作用する。
【0010】
WO2007/047133において、多層フィルム構造は厚みが25ミクロン以下のタイ層を含むことで開示され、ここで、この発明の「コア層」に存在する第1ポリマーはまた、選択的にさらなるタイ層ポリマーと混和されて「タイ層」に存在する。第1ポリマーは、コントロール実施例より封止強度の向上及び多層構造の減少された最小封止温度に寄与する。上記第1ポリマーは、プロピレン又はエチレン系プラストマ又はエラストマ又はブテン−1ポリマー(ホモポリマー又はコポリマー)であってもよい。
【0011】
多層構造において熱縫合及び封止強度を向上させることの必要性は依然として体感されている。現在驚くべきことに、このような特性及び特に加熱−封止性(十分に低いS.I.T.)、及び熱縫合、封止強度(力)の価値のある均衡の向上は双方向ポリプロピレン(BOPP)多層構造から得られ、ここで、1つ以上の内部層(タイ層)は実質的にブテン−1コポリマーエラストマ又はプラストマに製造されるということが確認されている。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明は、少なくとも下記を含む双方向ポリプロピレン(BOPP)多層構造を提供する。
A)下記のa)及びb)(重量%)を含む結晶質プロピレンコポリマー組成物で実質的に構成されたスキン(外部、封止)層。
a)エチレン1〜5重量%を含有する、プロピレンとエチレンとのコポリマー20〜60重量%、及び
b)エチレン含量が1〜5重量%であり、C4−C8アルファ−オレフィン含量が6〜15重量%である、プロピレンとエチレン及びC4−C8アルファ−オレフィンとのコポリマー40〜80重量%
組成物内のエチレンの総含量は1〜5重量%であり、組成物内のC4−C8アルファ−オレフィンの総含量は2.4〜12重量%である。
【0013】
C4−C8アルファ−オレフィンは、好ましくはブテン−1、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンである。特に好ましいくはブテン−1である。上記コモノマー含量(エチレン又はアルファオレフィン)は重合されたコモノマー由来のポリマー鎖内の単位に称される。
B)下記を有するブテン−1ポリマーで実質的に構成されたタイ層。
−80重量%以上、好ましくは84重量%以上の、ブテン−1由来単位の含量、
−75MPa以下、好ましくは40MPa以下、より好ましくは10MPaないし30MPaの屈曲弾性率(MEF)、
C)メルトフローレートが2g/10min超過、好ましくは5g/10min超過、より好ましくは5g/10minないし10g/10minであり、室温(約25℃)においてキシレンで不溶性である画分の含量が95重量%以上である、ポリプロピレンホモポリマーで実質的に構成されたコア層。
【0014】
タイ層Bはスキン層とコア層との間で共同押出される。
【0015】
コア層ポリマーは、管状の二重バブルライン及びキャストフィルムで二軸配向されたポリプロピレンフィルム(BOPP)の製造のために設計された高流動性ポリプロピレンホモポリマーである。
【0016】
スキン層ポリマー、すなわち上記結晶質プロピレンコポリマー組成物は、立体特異性チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒のように適した触媒の存在下で、プロピレン及び選択的に上記に言及されたアルファ−オレフィンを重合する従来の工程によって製造できる。スキン層ポリマーは、EP 674 991に記述された工程によって製造できる。封止層ポリマー(A)は、好ましくは下記の特性のうち少なくとも1つを有する低封止開始温度ポリマーである。
−約126℃ないし147℃の融点、
−90℃ないし114℃の封止開始温度(下記の定義と同様)、及び
−50℃、n−ヘキサンで可溶性である画分5.5重量%未満、好ましくは3.5〜4.5重量%。
【0017】
「封止開始温度」又はS.I.T.(加熱−封止温度とも称される)は、封止層ポリマーの組成物から製造される1つのフィルム層に対して1つのポリプロピレンフィルム層の封止を形成し、したがって封止が失敗しない、すなわち、2N荷重がこの多層フィルムに適用される場合、フィルム層が封止部から分離しないために必要な最小温度である。微粒子は実施例で与えられる。
【0018】
タイ層ポリマーは、好ましくは下記の特性のうち少なくとも1つを有する、ブテン−1ポリマー、すなわち、ブテン−1のホモポリマー又はブテン−1と少なくとも1つの他のアルファ−オレフィンのコポリマーである。
−100.000超過、より好ましくは200.000超過、さらに好ましくは300.000超過である分子量(Mw)、
−0.895g/cm
3以下、より好ましくは0.865g/cm
3ないし0.895g/cm
3である密度、
−190℃、2.16kgで0.3g/10minないし10g/10min、特に0.3g/10minないし5g/10minであるMFR。
【0019】
好ましくは、タイ層ブテン−1ポリマーは下記からなる群より選択される。
(b1)下記を有する、ブテン−1ホモポリマー、又はブテン−1と少なくとも1つの他のアルファ−オレフィン、好ましくはコモノマーとしてプロピレンのコポリマー。
−アイソタクチックペンタッド(mmmm)形態のブテン−1単位の含量が25%ないし55%、
−135℃でテトララインから測定された固有粘度[η]が1〜3dL/g、
−0℃でのキシレン不溶性画分の含量が60重量%未満、好ましくは3〜60重量%、及び好ましくは
−Tm(II)100℃以上、
(b2)下記の特性を有する、ブテン−1/エチレンコポリマー又はブテン−1/エチレン/プロピレンターポリマー。
−GPCによって測定される分子量(Mw/Mn)の分布が3未満、
−本願の下記に記述されたDSC方法によって測定されるDSCで検出可能な融点(TmII)がなく、好ましくは
−135℃でテトラヒドロナフタレン(THN)から測定された固有粘度(I.V.)>1.2dL/g、より好ましくは
−イソタクティックペンタド(mmmm)>90%。
【0020】
成分(b1)は好ましくは、(b1)でコモノマー含量(プロピレン由来単位)がコモノマーの3〜5重量%、さらに好ましくは3.5〜4.5重量%であるコポリマーである。
【0021】
成分(b2)は好ましくは、老化後測定可能な溶融エンタルピーを有する。特に、室温において10日間老化した後の測定時、(b2)の溶融エンタルピーは25J/g未満、好ましくは4J/gないし20J/gであってもよい。ブテン−1コポリマー(b2)は溶融直後に、ポリブテン−1結晶度と関連された融点を示さないが、決定可能であり、すなわち、溶融されてから約10日後、ポリマーはDSCによって測定される測定可能な融点及び溶融エンタルピーを示す。すなわち、ブテン−1ポリマーは、実験パートで本願の下記に記述されたDSC方法によってサンプルの熱履歴を取り消した後に測定されるポリブテン結晶度(TmII)DSCに起因する融点を有しない。(b2)においてコモノマー(エチレン由来単位)の量は、好ましくはコモノマーの0.2モル%ないし15モル%、さらに好ましくは5モル%ないし13モル%であり、0.1〜8重量%、さらに好ましくは2.5〜7重量%に相応する。
【0022】
ブテン−1(コ)ポリマー(b1)及び(b2)に対する重合工程は、公知された技術、例えば希釈剤として液体不活性炭化水素を用いるスラリー重合、又は例えば反応媒質として液体ブテン−1を用いる溶液重合によって行うことができる。さらに、1つ以上の流動体化された又は機械的に攪拌された層反応器で作動する気体上で重合工程を行うことがさらに可能である。反応媒質として液体ブテン−1で行われる重合が非常に好ましい。
【0023】
一般的に、重合温度は−100℃ないし+200℃、好ましくは20℃ないし120℃、より好ましくは40℃ないし90℃、最も好ましくは50℃ないし80℃に含まれる。
【0024】
重合圧力は一般的に0.5barないし100barに含まれる。
【0025】
重合は分子量調節剤の濃度、コモノマー濃度、温度、圧力などのような同一であるか異なる反応条件下で作用することができる1つ以上の反応器で行うことができる。
【0026】
本発明のブテン−1(コ)ポリマー(b1)は、(A)Ti化合物、及びMgCl
2上に支持された内部電子−供与体化合物を含む固体成分、(B)アルキルアルミニウム化合物、及び選択的に、(C)外部電子−供与体化合物を含む低い立体特異性チーグラー・ナッタ触媒の存在下でモノマーの重合によって製造できる。本発明の(コ)ポリマー製造工程の好ましい側面において、外部電子供与体化合物は触媒の立体規則能力を増加させないために用いられない。外部供与体が用いられる場合、使用量及び使用様相は国際出願WO2006/042815A1に記述のように非常に立体規則的なポリマーを非常に多い量で生成しないようにしなければならない。よって、得られるブテン−1コポリマーは、典型的にイソタクティックペンタド(mmmm)形態のブテン−1単位の含量を25%ないし56%で有する。
【0027】
ブテン−1コポリマー(b2)は、下記を接触させることで得ることができるメタロセン触媒システムの存在下でモノマーを重合させることで得ることができる。
−立体硬直性メタロセン化合物、
−アルミノキサン、又はアルキルメタロセン陽イオンを形成することができる化合物、及び選択的に、
−有機アルミニウム化合物。
ブテン−1コポリマーb2を得るためにこれらの触媒システムを用いる上記触媒システム及び重合工程の例は、WO2004/099269で確認することができる。他の例として、ブテン−1コポリマー(b2)でも適したものはWO2009/000637に記述されたような工程及び条件によって得ることができるより高いコモノマー含量を有するものである。
【0028】
上記のようなブテン−1コポリマーはまた、高分子量が付与され、固有粘度(IV)で表現したとき、これは1dl/g超過、好ましくは1.5dl/g超過である。固有粘度(IV)は好ましくは3dl/g以下である。より高いIVはコポリマーの加工性の低下と関連がある。
【0029】
本発明によって用いるのに適したブテン−1コポリマーはX−線で測定のとき、35%未満、好ましくは20%ないし30%の相対的に低い結晶度を有する。
【0030】
好ましくは、タイ層ブテン−1ポリマー(b)はDMTAを通じての測定時、−5℃以下、より好ましくは−10℃ないし−5℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0031】
タイ層ポリマーは、ブテン−1コポリマープラストマの他にも、選択的に、プラストマ(例えば、Lyondell Basell社によって販売されるADSYL 5 C 30F、MIL 5.50g/10min@230℃/2.16kg)の特性プロファイルを多く変更することなく、プラストマの加工性を向上させて接着性を減少させるため、(例えば、インラインコンパウンディングによって)添加される結晶質プロピレンポリマーを少量、好ましくは3〜10重量%、より好ましくは6〜8重量%で含むことができる。
【0032】
核化剤、接着防止剤、加工補助剤、(熱、光、UVに対する)安定化剤、及びフィルム適用に典型的な他の添加剤、例えば可塑剤、制酸剤、帯電防止剤及び撥水剤、スリップ剤、アンチブロキング剤と共に、普遍的にオレフィンポリマーに用いられる従来の添加剤が添加されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
特定の事項は、本発明を制限しないながら、例示されようと与えられる下記の実施例及び詳細な説明に与えられる。
【0034】
本発明によるフィルムは上記記述のようにA/B/C3層構造を少なくとも含む。3層(A/B/C)フィルムは、厚みが100μmないし500μm、典型的に約150μmである(例えば、層の厚み比が50/50/50である場合を含み、層の異なる厚み比を有することも本発明の範囲を脱することなく可能である)。本発明によるフィルムは、3つの押出機の押出機ライン上で共同押出によって得ることができ、その後、共同押出されたフィルムは厚みが約1000μmであるホモポリマーフィルムと共に圧縮成形され得る。厚みが約1000μmである上記ホモポリマーフィルムは二軸配向されたポリプロピレンの製造のために設計されたポリプロピレンホモポリマーに製造され、これはコア層ポリマーCと同一であるか、異なっていてもよい。圧縮成形後、厚い3層複合シートが作製される(約1100μm厚み)。よって、圧縮成形後複合フィルム内のコア層は実質的に、上記定義されたように層C及び付加的なさらに厚いホモポリマーフィルム(支持体)に合わせられる。さらに厚いコア+支持層(例えば、層の厚み比が50/50/1000である)を押出するに適した用量の押出機ラインを用いて、共同押出によって直接このような複合シートを得ることに相応する。よって、圧縮成形ステップを避ける。
【0035】
したがって、本発明の追加的な目的は、3層(A/B/C)複合フィルムであり、ここで、層Cは上記定義されたようなコア層、及び/又はさらに厚い圧縮成形されるか共同押出された支持層に製造される。上記支持層は上記定義されたような、BOPP用に設計された同一であるか異なるコア層ホモポリマーに製造され得る。
【0036】
その後、最終的な多層複合フィルムは回分式工程を通じて一定のサイズで切断して配向される。双方向性は当該技術分野に公知された工業的な連続工程、例えば管状フィルム工程技術及び扁平フィルム(キャスト)工程技術を通じて得ることができる。
【0037】
最終的な多層構造は一般的に、100μm未満、好ましくは20μmないし50μmの総厚みを特徴とする。
【0038】
一般には、本発明のフィルムは公知された技術、例えば押出及びケルリンドリング、後続して配向によって製造できる。本発明のフィルムの具体的な例は以下、封止開始温度(S.I.T.)及び熱縫合を確認するための試験で開示される。
【0039】
下記の分析方法を用いて、詳細な説明及び実施例で記録された特性を確認した。
【0040】
−
コモノマー含量:IR分光法又はNMR(明示される場合)によって確認される。
【0041】
プロピレンコポリマーに対して、コモノマーの含量をデュー補正後FT−IRを通じて確認し、分析波長は下記の通りであった。
C2 732cm
−1
C4 765cm
−1
【0042】
タイ層ブテン−1コポリマー成分(b)の場合、コモノマーの量は実施例のコポリマーの
13C−NMRスペクトルより計算した。測定は二重重水素化された1,1,2,2−テトラクロロ−エタン中のポリマー溶液(8〜12重量%)で120℃で行った。
13C NMRスペクトルを、
1H−
13Cカップリングを除去するためにCPD(WALTZ16)、90゜パルス、パルス間の遅延時間15秒を用いて、Fourierトランスフォームモード、120℃、150.91MHzで作動するBruker AV−600分光計で獲得した。約1500のトランジェントを、60ppm(0ppmないし60ppm)のスペクトル窓を用いて32Kデータポイントに保管した。
【0043】
コポリマー組成物
ダイアド分布を下記の関係式を用いて
13C NMRスペクトルから計算する。
PP=100I
1/Σ
PB=100I
2/Σ
BB=100(I
3−I
19)/Σ
PE=100(I
5+I
6)/Σ
BE=100(I
9+I
10)/Σ
EE=100(0.5(I
15+I
6+I
10)+0.25(I
14))/Σ
ここで、Σ=I
1+I
2+I
3−I
19+I
5+I
6+I
9+I
10+0.5(I
15+I
6+I
10)+0.25(I
14)。
【0044】
モル含量を下記の関係式を用いてダイアドから得る。
P(m%)=PP+0.5(PE+PB)
B(m%)=BB+0.5(BE+PB)
E(m%)=EE+0.5(PE+BE)
【0045】
I
1、I
2、I
3、I
5、I
6、I
9、I
10、I
14、I
15、I
19は
13C NMRスペクトルでピークの積分である(参照として29.9ppmからEEEシーケンスのピーク)。これらピークの指定は、J.C.Randal、Macromol.Chem Phys.、C29、201(1989)、M.Kakugo、Y.Naito、K.Mizunμma and T.Miyatake、Macromolecules、15、1150、(1982)、及びH.N.Cheng、Journal of Polymer Science、Polymer Physics Edition、21、57(1983)によってなる。これらは表Aに収集されている(C.J.Carman、R.A.Harrington and C.E.Wilkes、Macromolecules、10、536(1977)による命名法)。
【表A】
【0046】
−
N−ヘキサン抽出物:過量のヘキサン中の分析されなければならない組成物の100μm厚みフィルム標本を過量のヘキサンに、オートクレーブ、50℃で2時間懸濁することで確認する。次いて、ヘキサンを蒸発させて、乾燥した残留物を秤量する。
【0047】
−
メルトフローレートMFR
プロピレンポリマーの場合230℃、2.16kg荷重において、ブテン−1及びエチレンポリマーの場合190℃、2.16kg荷重において、ISO 1133によって確認する。
【0048】
−
固有粘度[η]:135℃でテトラヒドロナフタレン(THN、テトラライン)から測定する。
【0049】
−
屈曲弾性率:ISO8986によって製造した圧縮成形されたプラークでISO方法178によって確認する。
【0050】
−
引張特性(破断引張応力、破断延伸率、降参応力、降参延伸率):ISO8986によって製造した圧縮成形されたプラークでISO527−1,−2によって確認する。
【0051】
−
緊張セット:ISO8986によって製造した圧縮成形されたプラークでISO 2285によって確認する。
【0052】
−
硬度(ショアA):ISO8986によって製造した圧縮成形されたプラークでISO 868によって確認する。
【0053】
−
DMTA分析を通じるTg確認
76mm×13mm×1mmの圧縮成形された標本を引張応力用DMTA機械に固定する。サンプルの緊張及び弛緩の頻度を1Hzで固定する。DMTAは、−100℃から130℃に出発する標本の弾性反応を翻訳する。このような方式で、温度に対する弾性反応のグラフを描くことができる。点弾性物質に対する弾性率は、E=E’+iE”として定義される。DMTAは、2つの成分E’及びE”をこれらの共鳴によって分割し、温度に対するE’及び温度に対するE’/E”=tan(δ)のグラフを描くことができる。
【0054】
ガラス転移温度Tgは、温度に対するE’/E”=tan(δ)曲線の最大値での温度であることに仮定される。
【0055】
−
X−線結晶度の確認
X−線結晶度を、固定された分割でCu−Kα1放射線を用いて、回折角2Θ=5゜と回折角2Θ=35゜間のスペクトルを収集するX−線回折粉末回折計を用いて測定し、ステップは6秒ごとに0.1゜である。
【0056】
厚みが約1.5mmないし2.5mmであり、直径が2.5cmないし4.0cmであるディスク形態の圧縮成形された標本で測定を行った。これら標本を、10分間任意の適切な適用圧力なく、200℃±5℃の温度で圧縮成形プレスで得る。その後、約10Kg/cm
2の圧力を約数秒間適用し、この最後の作動を3回繰り返す。
【0057】
回折パターンを用いて、全体スペクトルに対する適した線形ベースラインを定義し、スペクトルプロファイルとベースライン間の総面積(Ta)を計算して係数/sec・2Θで表現することで、結晶度に必要な全ての成分を誘導した。
【0058】
その後、適した非晶質プロファイルを、二相モデルによって結晶質領域から非晶質領域を分離する、全体スペクトルと共に定義した。よって、非晶質プロファイルとベースライン間の領域であり係数/sec・2Θで表現される非晶質領域(Aa)、及びCa=Ta−Aaであり、係数/sec・2Θで表現される結晶質領域(Ca)を計算するのが可能である。
【0059】
その後、サンプルの結晶度を下記式によって計算した、
%Cr=100xCa/Ta
【0060】
−
プロピレンポリマーの溶融温度(Tm)−(ISO 11357−3)
示差走査熱量計(DSC)によって確認する。重量が6±1mgであるサンプルを20℃/minの速度で200±1℃に加熱し、窒素ストリームで2分間200±1℃で維持して、以後これを20℃/minの速度で40±2℃に冷却させることで、この温度で2分間維持して、サンプルを結晶質化する。その後、サンプルをまた20℃/minの温度上昇速度で200℃±1まで加熱する。加熱スキャンを記録し、温度記録図を修得して、今後ピークに相応する温度を判読する。融点は、第1加熱進行又は第2加熱進行、又は2つの進行ともに確認することができる。これは好ましくはプロピレンポリマーの場合第2進行で確認される。関連加熱進行の間に記録される最も強い溶融ピークに相応する温度は溶融温度として取られる。
【0061】
タイ層(b)ブテン−1ポリマー溶融温度(TmII)を下記の方法によってPerkin Elmer DSC−7装備で示差走査熱量計(D.S.C.)によって測定した。
【0062】
重合から得た秤量されたサンプル(5mgないし10mg)をアルミニウムファンの中に封止して、20℃/分に相応する走査速度を用いて200℃で加熱した。サンプルを200℃から5分間維持させ、決定物全てが完全に溶融されるようにした。続いて、10℃/分に相応する走査速度を用いて−20℃に冷却させた後、ピーク温度を結晶質温度(Tc)として取った。−20℃で5分間放置した後、サンプルを10℃/分に相応する走査速度を用いて200℃で二番目に加熱した。この二番目の加熱進行のとき、ピーク温度を結晶質形態2(最も初めて形成されることは動力学的に選好されることである)の溶融温度(TmII)として取り、面積を総溶融エンタルピー(ΔHfII)として取った。
【0063】
−
10日後溶融エンタルピーを下記のようにPerkin Elmer DSC−7装備で示差走査熱量計(D.S.C.)によって測定した。
【0064】
重合から得た秤量されたサンプル(5mgないし10mg)をアルミニウムファンの中に封止して、20℃/分に相応する走査速度を用いて200℃で加熱した。サンプルを200℃から5分間維持させ、決定物全てが完全に溶融されるようにした。その後、サンプルを室温で10日間保管した。10日後、サンプルに対してDSCを行って、−20℃に冷却させた後、10℃/分に相応する走査速度を用いて200℃に加熱した。この加熱進行のとき、ピーク温度を溶融温度(Tm)として取り、面積を10日後の総溶融エンタルピー(ΔHf)として取った。
【0065】
−
分子量及び分子量分布(MWD):
1,2,4−卜リクロロベンゼンでゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。全てのサンプルに対する分子量パラメータ
及び分子量分布(例えば、MWD=Mw/Mn)を、4つのPLgel Olexis混合型−ゲルのカラムセット及びIR4赤外線検出器が備えられているWaters GPCV 2000装置を用いて測定した。カラムの寸法は300×7.5mmであり、これらの粒子サイズは13μmであった。用いられた移動相は1−2−4−卜リクロロベンゼン(TCB)であり、これの流速は1.0mL/分で維持した。全ての測定を150℃で行った。溶液濃度は、TCBで0.1g/dLであり、2,6−ジターブチル−p−クレゾール0.1g/Lを添加して分解を防止した。GPC計算のために、包括的な補正曲線をPolymer Laboratories(ピーク分子量は580ないし8500000の範囲)によって供給される10つのポリスチレン(PS)標準サンプルを用いて得た。実験データを挿入し、関連する補正曲線を得るために3次多項適合を用いた。データ獲得及び処理は、Empower(Waters)を用いて行った。マーク−ハウインク関係式を用いて、分子量分布及び関連する平均分子量を確認した。K値はPS及びPBの場合、それぞれK
PS=1.21×10
−4dL/g及びK
PB=1.78×10
−4dL/gである一方、マーク−ハウインク指数はPSに対してα=0.706及びPBに対してα=0.725を用いた。
【0066】
ブテン/エチレンコポリマーの場合、データ評価に係っている限り、それぞれのサンプルに対して組成物は全体分子量範囲で一定しており、マーク−ハウインク関係式のK値は、下記記録されたような線形組合を用いて計算することで仮定した。
【0067】
【数1】
上記式で、K
EBはコポリマーの定数であり、K
PE(4.06×10
−4dL/g)及びK
PB(1.78×10
−4dL/g)はポリエチレン及びポリブテンの定数であり、x
E及びx
Bはエチレン及びブテンの重量%含量である。マーク−ハウインク指数α=0.725をこれらの組成物とは独立的にブテン/エチレンコポリマー全てに用いた。
【0068】
ブテン/プロピレンコポリマーの場合、PP及びPBが非常に類似のKを有するため、いずれの補正も適用されず、コポリマーはPBのK値及びα値を用いて積分した。
【0069】
−
密度:ISO 1183による密度。方法ISOは、試験標本が密度勾配を示す液体カラムで沈む水準の観察を土台とする。
【0070】
標準標本をグレーダ(MFR測定)から押出したストランドから切断する。ポリブテンの変換相を加速化するため、ポリブテン−1標本を室温、2000barで、10分間オートクレーブに入れる。以後、標本を、密度がISO 1183によって測定される勾配カラムに挿入する。
【0071】
−
キシレン可溶性画分及びキシレン不溶性画分−プロピレンポリマー
下記のように確認する。
【0072】
ポリマー2.5g及びキシレン250cm
3を、冷蔵庫及び磁気攪拌器が備えられたガラスフラスコに取り入れる。温度を30分以内に溶媒の沸点まで上昇させる。その後、結果的に得られた透明な溶液を還流下で維持させ、30分さらに撹拌する。その後、密閉されたフラスコを氷及び水が入った水槽で30分間維持させて、同様に25℃の恒温水槽で30分間維持させる。結果的に形成された固体を迅速な濾過紙で濾過する。濾過された液体100cm
3を以前に秤量したアルミニウム容器に注ぎ、窒素の流れ下で加熱プレートで加熱して、溶媒を蒸発によって除去する。その後、一定重量が得られるまで、容器を真空下で80℃、オーブンに維持させる。
【0073】
−
0℃でキシレン可溶性画分及びキシレン不溶性画分−ブテン−1ポリマー
下記のように確認する。
【0074】
ポリマー2.5gを135℃で攪拌下でキシレン250mlで溶解させる。20分後、溶液を攪拌下で0℃に冷却させた後、30分間沈降するように放置する。沈殿物を濾過紙を用いて濾過し、溶液を窒素の流れ下で蒸発させて、一定の重量に到逹するまで残留物を真空下で140℃で乾燥する。その後、0℃でキシレンで可溶性であるポリマーの重量%を計算する。
【0075】
−
13C−NMRイソタクティシティ指数−ブテン−1ポリマー
それぞれのサンプル40mgをC
2D
2Cl
40.5mLに溶解させる。
13C NMRスペクトルを低温探針が備えられたBruker AV−600で獲得する(150.91Mhz、90゜パルス、パルス間の15秒遅延)。約512個のトランジェントをそれぞれのスペクトルに対して保管し、mmmmペンタドピーク(27.73ppm)を参照として用いる。
【0076】
微細構造分析を文献に記述のように行う(Macromolecules1991、24、2334−2340、by Asakura T.etAl.及びPolymer、1994、35、339、by ChujoR.etAl.)。
【0077】
ペンタドタクティシティの百分率値(mmmm%)は、分岐型メチレン炭素のNMR領域(BBBBBイソタクティックシーケンスに指定された約27.73ppm)で関連ペンタド信号(ピーク領域)から計算したような、アルファ−オレフィンコモノマーによる立体規則性ペンタド(イソタクティックペンタド)の百分率であり、立体規則性ペンタドと同一の領域に属するこれらの信号間の重畳を当然考慮する。
【0078】
−
熱縫合強度の確認及び封止強度の確認及びSIT
熱縫合強度測定のために、下記の方法が後続される(ASTM F 1921)。
【0079】
それぞれの試験のために、幅が15mmであるフィルム標本を整列して重畳し、接した層は特定試験組成物の層である。
【0080】
15mmサイドに沿って上記重畳された標本の1つの末端からブレステフロン(登録商標)にコーティングされた封止バーが備えられたJ&B熱縫合試験器3000縫合器を用いて増加する温度(5℃ステップ)で封止を行って、熱縫合強度を標本を100mm/secの速度で剥離することで測定する。
【0081】
封止条件は下記の通りである。
−0.1MPa(14.5psi)の封止圧力、
−0.5秒の滞留時間
【0082】
封止直後(0.2秒)試験を行う。熱縫合強度は、封止された標本を分離するのに必要な荷重によって与えられる。
【0083】
封止強度測定のために、重畳された標本をRDM HSE−35個のバーシーラータイプを有する15mmサイドのうち1つに沿って封止する。封止時間は0.1MPa(14.5psi)の圧力で0.5秒である。封止温度は、それぞれの封止に対して5℃のステップで十分な低い温度から始まって増加し、相当の水準の封止力を確認することを可能とさせる。封止されたサンプルを24時間冷却するようにした後、これらの封止されていない末端をInstron機械(4301モデル)に付着し、ここで、これらを100mm/分(グリップ距離50mm)のクロスヘッド速度で試す。参照は標準ASTM F 88である。
【0084】
S.I.T.(封止開始温度)は、封止が上記試験条件で2.0ニュトーンの封止力を示す最小封止温度である。封止温度はそれぞれの封止に対して2℃のステップで増加する。
【0085】
実施例1及び2、及び比較例3C、4C及び参照例
下記の物質を層A)、B)及びC)及び付加的な支持層に対するポリマー成分として用いる(コア層Cの自由表面上で上記と共に共同押出されるか圧縮成形されるかカレンダーされたホモポリマーフィルム)。
【0086】
A)封止層ポリマー
−WO0674991の実施例1の工程及び手順によって製造した、230℃/2.16kgでMFR5.50g/10min、溶融温度DSCTm132。3℃、封止開始温度105℃、エチレン由来単位の総含量3.2重量%、及びブテン−1由来単位の総含量約6重量%を有するPP−1 low S.I.T.結晶質プロピレンターポリマー混和物。PP−1は、エチレン由来単位3.2重量%を有するプロピレン−エチレンコポリマー35重量%、及びエチレン由来単位3.3重量%及びブテン−1由来単位9.2重量%を有するプロピレンエチレンブテン−1ターポリマー65重量%に製造される。
【0087】
B)タイ層ポリマー
−PB1は、国際出願WO2006/042815A1で記述された工程によって外部供与体の不在下でチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたプロピレンとのブテン−1コポリマーである。
【0088】
−PB2は、WO2004/099269に記述された工程によって製造されたブテン−1/エチレンコポリマーである。
【0089】
実施例のブテン−1コポリマーをペレット化して、流動性を向上させるために商業的であり、組成物の加工性に寄与する添加剤、接着防止剤を用いて乾燥した。仕上げ処理は、最終ペレット内の添加剤の総量を典型的に10重量%未満、好ましくは1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、さらに好ましくは0.2重量%(添加剤当たり約100ppmないし1500ppm以下)未満となるようにした。このような仕上げ処理の例は国際特許出願PCT/EP2010/056159で確認することができる。
【0090】
表1は、本発明によるタイ層(b)に対する実施例に用いられたブテン−1コポリマーの構造及び特性を記録したものである。
【0092】
Nd=検出されない
Na=データが利用不可能
*第2加熱進行で収集したDSC温度記録図より(サンプルの熱履歴を取り消した後)
**IR分析波長約727cm−1
【0093】
C)コア層ポリマー
PP−2は、メルトフローレート(MFR)が8.0g/10min(230℃/2.16Kg)であり、室温(25℃)でキシレンで可溶性画分(SX)の含量が3.8重量%であるポリプロピレンホモポリマーである。
PP−3は、さらにホモポリマー支持層として用いられる(層Cの外部表面上で共同押出されるか圧縮成形される)。PP−3は、メルトフローレート(MFR)が2g/10min(230℃/2.16Kg)であり、室温(25℃)でキシレンで可溶性画分(SX)の含量が4重量%であるポリプロピレンホモポリマーである。
【0094】
フィルムの製造
BOPPフィルムを多段階工程を用いて製造した。
まず、厚みが約150μm(50/50/50)である3層(A/B/C)フィルムを3つの押出機Dr.Collin押出機ラインで共同押出して、その後、共同押出されたフィルムを厚みが約1000μmであるホモポリマーフィルムと共に圧縮成形した。プロピレンホモポリマーフィルムをPP−3で製造して、厚い3層複合シート(約1100μm)を作製した(PP−2及びPP−3層は実質的に、圧縮成形後1つの均一なコア/支持層として数えられる)。その後、これら複合シートをBrukner KARO IVフィルム延伸器を用いて回分式工程を通じて一定のサイズで切断し、配向した。Brukner KARO IVフィルム延伸器は、実験室規模延伸装置である。類似の配向条件をそれぞれの物質に用いる。押出、圧縮成形及び延伸条件は下記に提供される。
【0095】
押出条件:
−Dr.Collin押出機ライン、30mm、30L/D(層A)。
シリンダー#1(セット) 180℃、
シリンダー#2(セット) 190℃、
シリンダー#3(セット) 200℃、
シリンダー#4(セット) 210℃、
アダプダ#1(セット) 220℃、
スクリューの回転数 90rpmないし95rpm
溶融温度 210℃ないし220℃
【0096】
−Dr.Collin押出機ライン、30mm、30L/D(層C)。
シリンダー#1(セット) 180℃、
シリンダー#2(セット) 190℃、
シリンダー#3(セット) 200℃、
シリンダー#4(セット) 210℃、
アダプダ#1(セット) 220℃、
スクリューの回転数 90rpmないし95rpm
溶融温度 210℃ないし220℃
【0097】
−Dr.Collin押出機ライン、45mm、30L/D(層B)。
シリンダー#1(セット) 190℃、
シリンダー#2(セット) 210℃、
シリンダー#3(セット) 230℃、
シリンダー#4(セット) 230℃、
アダプダ#1(セット) 230℃、
スクリューの回転数 20rpmないし26rpm
溶融温度 175℃ないし236℃
【0098】
キャストロール単位の速度 7−8m/min、
キャストロール表面温度 20℃、
【0099】
圧縮成形条件:
PHI圧縮成形機を用いた。
・上記ホモポリマーPP−3及び加熱封止物質の3層A/B/Cフィルムの重畳されたフィルムをMylarフィルムのシートの間に入れた後、2つの鋼鉄圧盤の間に入れた、
・3トンの圧力、200℃から2分間圧盤サンドイッチをPHIプレスに挟みこむ、
・圧盤サンドイッチをプレスから除去し、3トンの圧力、22℃ないし25℃からさらに2分他のプレスに挿入する、
・圧盤を分離し、サンプルを除去する。
【0100】
延伸条件
KARO IVフィルム延伸器を用いた。
・サンプルを圧縮成形されたシートから切断する、
・サンプルを160℃でKARO IVフィルム延伸器内にローディングして、30秒間予熱するようにした後、84%/secの速度で6X×6Xで延伸させた、
・サンプルを単位から除去し、冷却するようにする。
【0101】
最終的な複合多層フィルムは、A/B/C構造を有し、ここで、
実施例1及び2のフィルムで層BはそれぞれPB1又はPB2で製造し、一方層AはPP−1で製造し、層CはPP−3に製造されたPP−2+厚い支持層で製造した。(延伸後)双方向フィルムの最終的な厚みは約30μmであり、層厚み比は約4/4/92である。
【0102】
比較例において、タイ層ポリマーのみ変わる。
フィルムA(参照例)、同一のPP−2ホモポリマーをタイ層ポリマーとして用いる。
フィルムD(比較例3C)、バラ付き相ポリプロピレンソフト組成物HECO1をタイ層として用いる。HECO1は、下記に製造されてMFRが5.2g/10min(230℃/2.16Kg)であるポリマー組成物(反応器混和物)である。
【0103】
−MFRが65g/10min(230℃/2.16Kg)、Tm(DSC)が138℃、エチレン由来単位の量が3.5重量%であるプロピレンマトリックスのランダムコポリマー46重量%、及び
−固有粘度が2.1dl/gであるプロピレン/エチレンコポリマーゴム(bipo)54重量%。
【0104】
フィルムE(比較例4C)、ポリマーPP−4をタイ層として用いる。PP−4は、メルトフローレート(MFR)が5.5g/10min(230℃/2.16Kg)、Tm溶融温度が137℃であり、SIT封止開始温度が112℃であり、下記の成分を含むランダムプロピレン/ブテン−1コポリマー組成物である、
−プロピレンブテン−1コポリマー70重量%、ブテン−1由来単位の量9.5重量%
−プロピレンブテン−1コポリマー30重量%、ブテン−1由来単位の量16.0重量%。
【0105】
結果的に得られたフィルムの特性を表2に記録する。
表2から、本発明のタイ層ポリマーは参照例(タイ層の不在をシミュレーションする)及び比較例3C及び4C(タイ層で異なる低SITソフト物質)に関してSIT値の満足するような減少を提供する。
【0106】
封止強度は、少なくとも110℃ないし130℃の温度範囲で適合し高い(4N超過)。熱縫合強度値は、また115℃ないし140℃の範囲で満足するに値するもので、このような値はPB1及びPB2を含んで最小の変化のみ(封止窓で安定性)を受ける。
【0107】
特に、タイ層としてPB1を含む多層構造(ZN触媒を用いて得られたプラストマ)は優秀な挙動、封止強度安全性(110℃から5N超過)及び110℃ないし140℃の範囲でより高い値の熱縫合強度(2N超過)を示す。