(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の面および前記第3の面に形成される接続電極の少なくとも1つは、前記ケーブルの導体を収容する溝状をなすことを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
前記異形回路基板の第2の面および第3の面は対向する面であって、前記第2の面および前記第3の面の各々は、前記撮像素子の光軸方向の基端側で互いに近づく階段状をなし、前記階段部に前記接続電極がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
前記接続電極は千鳥格子状に配置され、複数の前記ケーブルのうち外径が大きいケーブルが光軸方向の基端側となる接続電極に接続されることを特徴とする請求項3に記載の撮像ユニット。
前記異形回路基板の第2の面および第3の面は対向する面であって、前記第2の面および前記第3の面の各々が、前記撮像素子の光軸方向の基端側で近接するような勾配を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
前記電子部品は、前記異形回路基板の第1の面に形成された凹部内に収容され、前記第2の面および前記第3の面の接続電極の一部は、光軸方向において前記凹部と重複する位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
前記電子部品を実装する実装ランドの光軸方向の投影領域内に、前記半導体パッケージの接続電極の少なくとも一部および前記回路基板の表面の接続電極と裏面の実装ランドとを接続するビアが配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜5では、電子部品が撮像素子と離れた位置、特に撮像素子の中央部付近から離れた位置に実装されるため、インピーダンスが高くなりノイズが発生する。そのため、撮像素子を安定して駆動できない場合が発生し、画質低下の要因となっている。特に撮像素子が高速化した場合に顕著となる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、細径化を図りながら、高画質の画像を得ることのできる撮像ユニット、撮像モジュールおよび内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像ユニットは、撮像素子を有し、裏面に接続電極が形成された半導体パッケージと、表面および裏面に接続電極がそれぞれ形成され、表面側の接続電極が前記半導体パッケージの接続電極と電気的および機械的に接続される回路基板と、少なくとも第1の面、第2の面、および第3の面に接続電極がそれぞれ形成され、前記第1の面の接続電極が前記回路基板の接続電極と電気的および機械的に接続される異形回路基板と、前記回路基板の裏面に実装される電子部品と、前記異形回路基板の第2の面および第3の面の接続電極に電気的および機械的に接続される複数のケーブルと、を備え、前記電子部品は、前記回路基板の裏面または前記異形回路基板の第1の面に形成された凹部内に収容され、前記回路基板、前記異形回路基板、ならびに前記第2の面および前記第3の面の接続電極にそれぞれ接続された複数の前記ケーブルは、前記半導体パッケージの光軸方向の投影面内に収まることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記異形回路基板の前記第2の面および前記第3の面に形成される接続電極の少なくとも1つは、前記ケーブルの導体を収容する溝状をなすことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記異形回路基板の第2の面および第3の面は対向する面であって、前記第2の面および前記第3の面の各々は、前記撮像素子の光軸方向の基端側で互いに近づくような階段状をなし、前記階段部に前記接続電極がそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記接続電極は千鳥格子状に配置され、複数の前記ケーブルのうち外径が大きいケーブルが光軸方向の基端側となる接続電極に接続されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記第2の面および前記第3の面には、前記接続電極の光軸方向の前後方向に溝部が形成されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記異形回路基板の第2の面および第3の面は対向する面であって、前記第2の面および前記第3の面の各々は、前記撮像素子の光軸方向の基端側で近接するような勾配を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記第2の面および前記第3の面には段差部が設けられ、前記段差部に前記接続電極がそれぞれ配置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記電子部品は、前記異形回路基板の第1の面に形成された凹部内に収容され、前記第2の面および前記第3の面の接続電極の一部は、光軸方向において前記凹部と重複する位置に形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記電子部品は、前記回路基板の裏面に形成された凹部内に実装され、前記回路基板の裏面の凹部を除く面に前記接続電極が形成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の撮像ユニットは、上記発明において、前記電子部品が実装される実装ランドの光軸方向の投影領域内に、前記半導体パッケージの接続電極の少なくとも一部および前記回路基板の表面の接続電極と裏面の実装ランドとを接続するビアが配置されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の撮像モジュールは、撮像素子を有し、裏面に接続電極が形成された半導体パッケージと、表面および裏面に接続電極がそれぞれ形成され、表面側の接続電極が前記半導体パッケージの接続電極と電気的および機械的に接続される回路基板と、少なくとも第1の面、第2の面、および第3の面に接続電極がそれぞれ形成され、前記第1の面の接続電極が前記回路基板の接続電極と電気的および機械的に接続されるとともに、前記第2の面および前記第3の面の接続電極には複数のケーブルが電気的および機械的に接続される異形回路基板と、前記回路基板の裏面に実装される電子部品と、を備え、前記電子部品は、前記回路基板の裏面または前記異形回路基板の第1の面に形成された凹部内に収容され、前記回路基板、および前記異形回路基板は、前記半導体パッケージの光軸方向の投影面内に収まることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の内視鏡システムは、上記のいずれか一つに記載の撮像ユニットが先端に設けられた挿入部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮像素子に近接する回路基板を介して、撮像素子の直近に電子部品を配置することにより、撮像素子の高速駆動が可能となり、細径化を図りながら高画質の画像を得ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)として、撮像ユニットを備えた内視鏡システムについて説明する。また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる内視鏡システムの全体構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、本実施の形態1にかかる内視鏡システム1は、被検体内に導入され、被検体の体内を撮像して被検体内の画像信号を生成する内視鏡2と、内視鏡2が撮像した画像信号に所定の画像処理を施すとともに内視鏡システム1の各部を制御する情報処理装置3と、内視鏡2の照明光を生成する光源装置4と、情報処理装置3による画像処理後の画像信号を画像表示する表示装置5と、を備える。
【0024】
内視鏡2は、被検体内に挿入される挿入部6と、挿入部6の基端部側であって術者が把持する操作部7と、操作部7より延伸する可撓性のユニバーサルコード8と、を備える。
【0025】
挿入部6は、照明ファイバ(ライトガイドケーブル)、電気ケーブルおよび光ファイバ等を用いて実現される。挿入部6は、後述する撮像ユニットを内蔵した先端部6aと、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部6bと、湾曲部6bの基端部側に設けられた可撓性を有する可撓管部6cと、を有する。先端部6aには、照明レンズを介して被検体内を照明する照明部、被検体内を撮像する観察部、処理具用チャンネルを連通する開口部および送気・送水用ノズル(図示せず)が設けられている。
【0026】
操作部7は、湾曲部6bを上下方向および左右方向に湾曲させる湾曲ノブ7aと、被検体の体腔内に生体鉗子、レーザメス等の処置具が挿入される処置具挿入部7bと、情報処理装置3、光源装置4、送気装置、送水装置および送ガス装置等の周辺機器の操作を行う複数のスイッチ部7cと、を有する。処置具挿入部7bから挿入された処置具は、内部に設けられた処置具用チャンネルを経て挿入部6先端の開口部から表出する。
【0027】
ユニバーサルコード8は、照明ファイバ、ケーブル等を用いて構成される。ユニバーサルコード8は、基端で分岐しており、分岐した一方の端部がコネクタ8aであり、他方の基端がコネクタ8bである。コネクタ8aは、情報処理装置3のコネクタに対して着脱自在である。コネクタ8bは、光源装置4に対して着脱自在である。ユニバーサルコード8は、光源装置4から出射された照明光を、コネクタ8b、および照明ファイバを介して先端部6aに伝播する。また、ユニバーサルコード8は、後述する撮像ユニットが撮像した画像信号を、ケーブルおよびコネクタ8aを介して情報処理装置3に伝送する。
【0028】
情報処理装置3は、コネクタ8aから出力される画像信号に所定の画像処理を施すとともに、内視鏡システム1全体を制御する。
【0029】
光源装置4は、光を発する光源や、集光レンズ等を用いて構成される。光源装置4は、情報処理装置3の制御のもと、光源から光を発し、コネクタ8bおよびユニバーサルコード8の照明ファイバを介して接続された内視鏡2へ、被写体である被検体内に対する照明光として供給する。
【0030】
表示装置5は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示ディスプレイ等を用いて構成される。表示装置5は、映像ケーブル5aを介して情報処理装置3によって所定の画像処理が施された画像を含む各種情報を表示する。これにより、術者は、表示装置5が表示する画像(体内画像)を見ながら内視鏡2を操作することにより、被検体内の所望の位置の観察および性状を判定することができる。
【0031】
次に、内視鏡システム1で使用する撮像ユニットについて詳細に説明する。
図2は、
図1に示す内視鏡先端部に配置される撮像ユニットの斜視図である。
図3は、
図2に示す撮像ユニットの分解図である。
図4は、
図2の撮像ユニットで使用する異形回路基板の底面側の斜視図である。
【0032】
撮像ユニット10は、撮像素子を有し、裏面であるf2面に接続電極21が形成された半導体パッケージ20と、表面であるf3面および裏面であるf4面に接続電極がそれぞれ形成され(f3面の接続電極は図示しない。33はf4面の接続電極)、f3面の接続電極が半導体パッケージ20の接続電極21と電気的および機械的に接続される第1の回路基板30と、第1の面であるf5面、第2の面であるf6面、および第3の面であるf7面に、接続電極41および42がそれぞれ形成され、第1の面であるf5面の接続電極41が回路基板30の接続電極33と電気的および機械的に接続される異形回路基板40と、回路基板30の裏面であるf4面に実装される電子部品51、52と、異形回路基板40の第2の面であるf6面および第3の面であるf7面の接続電極42に電気的および機械的に接続される複数のケーブル60と、を備える。
【0033】
実施の形態1において、電子部品51および52は、異形回路基板40のf5面に形成された凹部43内に収容され、回路基板30、異形回路基板40、ならびにf6面およびf7面の接続電極42にそれぞれ接続された複数のケーブル60は、半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収まる大きさである。
【0034】
半導体パッケージ20は、ガラス20aが撮像素子20bに貼り付けられた構造となっている。レンズユニットが集光した光はガラス20aの表面であるf1面を介して、受光部を備える撮像素子20bのf0面(受光面)に入射する。撮像素子20bのf2面(裏面)には接続電極21、および、はんだ等からなるバンプ22が形成されている。半導体パッケージ20は、ウエハ状態の撮像素子チップに、配線、電極形成、樹脂封止、およびダイシングをして、最終的に撮像素子チップの大きさがそのまま半導体パッケージの大きさとなるCSP(Chip size package)であることが好ましい。
【0035】
回路基板30は、配線が形成された複数の基板が積層されて板状をなしている(f3面およびf4面に平行な基板が複数積層)。積層される基板は、セラミックス基板、ガラエポ基板、フレキシブル基板、ガラス基板、シリコン基板等が用いられる。回路基板30の内部には、積層される基板上の配線を導通させる複数のビア32が形成されている(
図7参照)。また、回路基板30のf4面には、電子部品51および52を実装する実装ランド35が設けられ、f4面の接続電極33および実装ランド35と、f3面の接続電極とは、ビア32で接続される。電子部品51および52としては、コンデンサ、抵抗、コイル等の受動部品、ドライバIC、波形成形回路IC、水晶発振器、VCSEL、PD等の能動部品が例示される。実施の形態1では、
図3に示すように、3つの電子部品51と1つの電子部品52が実装されているが、実装される電子部品51、52の種類および個数はこれに限定されるものではない。
【0036】
回路基板30のf3面には図示しない接続電極が形成され、半導体パッケージ20の接続電極21とバンプ22を介して電気的、および機械的に接続されている。f3面の接続電極とf2面の接続電極21との接続部は、封止樹脂23により封止されている(
図7参照)。
【0037】
異形回路基板40は、セラミックス基板、ガラエポ基板、ガラス基板、シリコン基板等からなり、配線が形成された複数の基板が積層されて異形をなしている(f5面およびf8面に平行な基板が複数積層)。異形回路基板40のf5面には、
図4に示すように、凹部43が形成され、凹部43はf9面からf10面まで貫通している。凹部43は、回路基板30のf4面に実装された電子部品51および52を収容する大きさである。本実施の形態1では、半導体パッケージ20の裏面であるf2面と回路基板30のf3面を接続し、回路基板30の中央付近に電子部品51および52を実装することにより、撮像素子と電子部品との距離を短くできるため、インピーダンスを小さくでき、撮像素子の安定的な駆動が可能となることで高画質の画像を得ることができる。また、異形回路基板40のf5面に凹部43を設け、電子部品51および52を収容するので、硬質部長(撮像ユニット10の光軸方向の硬質部分の長さ)を短くすることができる。なお、異形回路基板40の凹部43は、
図4に示すものに限定されるものではなく、
図5に示すように、一面(f9面)のみに開口を有する凹部43Aや、
図6に示すように、f5面以外に開口を有しない凹部43Bのような形状であってもよい。また、実施の形態1では、凹部43は、f9面とf10面に開口するが、接続電極42が形成されるf6面およびf7面に開口する物であってもよい。凹部43の形状は、電子部品51および52の形状や実装位置等により適宜選択すればよい。
【0038】
また、撮像ユニット10において、電子部品51または52の実装ランド35の光軸方向の投影面内に、半導体パッケージ20の接続電極21の少なくとも一部および回路基板30のf3面の接続電極31と実装ランド35を接続するビア32が配置されている。
図7は、
図3の撮像ユニットの一部断面図である。
図7に示すように、電子部品51の実装ランド35の光軸方向の投影領域38内には半導体パッケージ20の接続電極21が配置されている。また、回路基板30のf3面の接続電極31と実装ランド35を接続するビア32が配置されている。実施の形態1において、直線状のビア32および接続電極21を介して、電子部品51は半導体パッケージ20内の撮像素子と直線的に接続されるため、撮像素子と電子部品51との間のインピーダンスを小さくでき、ノイズを低減できる。なお、投影領域38内に配置されるビア32は、
図8に示すような構造であってもよい。
図8では、電子部品51の実装ランド35の光軸方向の投影領域38A内に複数のビア32Aが配置されている。実装ランド35の直下の第1層と次の第2層にはそれぞれ2つのビア32A−1、32A−2が配置され、最終層で1つのビア32A−3に導通された後、接続電極31に接続されている。またこのとき、電子部品51の実装ランド35の光軸方向の投影領域38A内に半導体パッケージ20の接続電極21が配置されている。
図8の構造では、複数のビア32Aが配置されるため、ビアが1本の場合と比較してインピーダンスを小さくでき、ノイズを低減できる。
【0039】
異形回路基板40のf5面の凹部43以外の残りの部分には接続電極41が形成され、回路基板30の接続電極33と、はんだによる接合や、超音波を用いたAu−Au接合等で、接続されている。なお、回路基板30と異形回路基板40の接続部、および電子部品51および52が収容された凹部43内は、図示しない封止樹脂により封止される。
【0040】
異形回路基板40の第2の面であるf6面および第3の面であるf7面には、ケーブル60を接続する接続電極42が設けられている。ケーブル60は、一端部の絶縁性の外皮62が剥離され、露出した導体61が図示しないはんだにより接続電極42に電気的および機械的に接続される。第2の面であるf6面と第3の面であるf7面は対向する面であり、対向する面に接続電極42を設けることにより、ケーブル60の接続が容易となる。実施の形態1では、f6面とf7面に接続電極42を形成するが、f9面とf10面に接続電極42を形成してもよい。
【0041】
実施の形態1では、電子部品51、52およびケーブル60を実装する基板を、回路基板30および異形回路基板40に分割し、撮像素子に近接する回路基板30の中央付近に電子部品51、52を実装するので、撮像素子と電子部品51、52とのインピーダンスを低下することができる。また、撮像素子の各端子において、撮像素子中央付近の端子であっても、撮像素子外周の端子であっても、状況に応じて電子部品51、52の端子を近接できる自由度を有する。また、電子部品51、52は、回路基板の裏面に実装し、異形回路基板40の表面(f5面)に形成した凹部43に収容することで、電子部品51、52の配置構成をより簡易かつ安価に変更することができる。
【0042】
また、回路基板30、異形回路基板40、およびケーブル60は、半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収まる大きさとしているので、撮像ユニット10の細径化が可能であるとともに、回路基板30、異形回路基板40は、ファインピッチな配線形成が可能な、積層する基板面と平行な面、f3面、f4面、f5面で、半導体パッケージ20との接続や、回路基板30と異形回路基板40との接続を行うため、小型化、かつ信頼性の高い撮像ユニット10を得ることができる。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる撮像ユニットにおいて、異形回路基板の第2の面および第3の面は半導体パッケージの光軸方向の基端側で近接するような階段状をなしている。
図9は、本発明の実施の形態2にかかる撮像ユニットの斜視図である。
図10は、
図9に示す撮像ユニットの分解図である。
図11は、
図9に示す撮像ユニットを基端側から見た図である。
【0044】
実施の形態2にかかる撮像ユニット100では、
図9〜11に示すように、異形回路基板140の第2の面であるf6面および第3の面であるf7面が、半導体パッケージ20の光軸方向の基端側で近接するような階段状、すなわち、f6面およびf7面には、階段部S1、S2、およびS3が形成されている。
【0045】
f6面の階段部S2およびS3には、接続電極42a、42b、42c、42d、42e、および42fが形成され、接続電極42a、42b、42c、42d、42e、および42fは、千鳥格子状(ジグザグ状)に配置されている。また、f7面の階段部S2およびS3には、接続電極42g、42h、42i、42j、42k、および42mが形成され、接続電極42g、42h、42i、42j、42k、および42mは、千鳥格子状(ジグザグ状)に配置されている。接続電極42a、42b、42c、42d、42e、および42fには、ケーブル60a、60b、60c、60d、60e、および60fがそれぞれ接続され、接続電極42g、42h、42i、42j、42k、および42mには、ケーブル60g、60h、60i、60j、60k、および60mがそれぞれ接続されている。
【0046】
接続電極42eおよび42kは、異形回路基板140を刳り貫いた溝状をなす。溝状の接続電極42eおよび42kには、ケーブル60eおよび60kの導体が収容される。接続電極42eおよび42kを溝状とし、ケーブル60eおよび60kの導体を収容させて接続することにより、ケーブル60eおよび60kが大径である場合でも、ケーブルを半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収めることができ、撮像ユニット100の細径化が可能となる。また、接続電極42eおよび42kを溝状とすることにより、異形回路基板140を構成する積層された基板内層で、ケーブル接続用のはんだがアンカーされるため、ケーブルの接続強度が向上し、大径のケーブルでもケーブル外れが発生しにくい。
【0047】
ケーブル60a〜60mは外径が異なるケーブルであるが、ケーブル60a〜60mの中で外径が最も大きい60eおよび60kは、光軸方向の基端側である階段部S3に設けられた接続電極42eおよび42kに接続される。第2の面であるf6面および第3の面であるf7面は、半導体パッケージ20の光軸方向の基端側で近接、すなわち階段部S1より基端側の階段部S2の幅R2は階段部S1の幅R1より狭く、階段部S2より基端側の階段部S3の幅R3は、階段部S2の幅R2より狭い。したがって、外径が最も大きい60eおよび60kを、最も幅が狭い階段部S3の接続電極に接続することにより、ケーブルを半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収めることができ、撮像ユニット100の細径化が可能となる。また、階段部S1およびS2の側面は、階段部S2およびS3に接続されるケーブル60a〜60mの位置決め部としても機能する。
【0048】
また、階段部S2とS3との間、換言すれば、接続電極42a、42c、および42eと、接続電極42b、42d、および42fとの間、および接続電極42g、42i、および42kと、接続電極42h、42j、および42mとの間に溝部44が設けられている。さらに、接続電極42a、42c、および42eの光軸方向の基端側、ならびに接続電極42g、42i、および42kの光軸方向の基端側に溝部45が設けられている。溝部44および45を設けることにより、ケーブルを接続電極に接続する際のはんだ流れを防止でき、ショート等のリスクを低減できる。また、溝部44にアルミナコートすることにより、はんだ流れをより防止することができる。
【0049】
また、異形回路基板140のf8面には、実装ランド47が設けられ、電子部品53および54が実装されている。電子部品は回路基板30に実装されることが好ましいが、実装する電子部品数が多い場合はf8面に実装することができる。例えば、撮像素子と近接させてインピーダンスを抑えたいデカップリングコンデンサ等は回路基板30に実装し、撮像素子と近接させてインピーダンスを抑える必要のないカップリングコンデンサ等はf8面に実装することができる。
【0050】
実施の形態2では、異形回路基板140の第2の面および第3の面を、半導体パッケージ20の光軸方向の基端側で近接するような階段状としているため、太径のケーブル60eおよび60k等を使用する場合でも、基端側の階段部S3にケーブル60eおよび60kを接続すれば、ケーブル60eおよび60kを半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収めることができ、撮像ユニット100の細径化が可能となる。
【0051】
なお、実施の形態2では、階段部S2に配置される接続電極42b、42d、および42f、ならびに接続電極42h、42j、および42mは、凹部43の底面より基端側に形成されるが、接続電極42b、42d、42f、42h、42j、および42mは、光軸方向において凹部43と重複する位置に形成されていてもよい。
図12は、本発明の実施の形態2の変形例にかかる撮像ユニットの側面図である。
図12においては、ケーブル60aおよび60gのみ示している。
【0052】
図12(b)に示すように、変形例にかかる撮像ユニット100Aにおいて、階段部S1の光軸方向の長さh1を短くすることにより、階段部S2に配置される接続電極42b、42d、42f、42h、42j、および42mの一部は、光軸方向において凹部43と重複する位置に形成されている。これにより、変形例における接続電極42b、42d、42f、42h、42j、および42mの配置位置は、
図12(a)に示す実施の形態2よりもh2だけf5面方向に移動でき、撮像ユニット100Aの硬質部長もh2分短くすることができる。
【0053】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる撮像ユニットにおいて、電子部品は回路基板に形成された凹部内に実装される。
図13は、本発明の実施の形態3にかかる撮像ユニットの斜視図である。
図14は、
図13に示す撮像ユニットの分解図である。
【0054】
実施の形態3にかかる撮像ユニット110では、
図13および
図14に示すように、回路基板130の裏面であるf4面に凹部36が設けられている。電子部品51は、凹部36内の実装ランド35に実装される。
【0055】
半導体パッケージ120は、裏面であるf2面に接続電極21、および、はんだ等からなるバンプ22が配置され、回路基板130の表面であるf3面に形成された、図示しない接続電極と接続される。回路基板130の凹部36を除くf4面には接続電極33が設けられ、異形回路基板141のf5面に形成された図示しない接続電極と接続される。
【0056】
異形回路基板141は、f9面とf10面に階段部S1、S2、S3、およびS4が設けられる。実施の形態3において、f9面が第2の面、f10面が第3の面となる。f9面とf10面は半導体パッケージ120の光軸方向の基端側で互いに近づくように階段部S1〜S4が設けられる。
【0057】
f9面の階段部S2には接続電極142aおよび142b、階段部S3には接続電極142cおよび142d、階段部S4には接続電極142eおよび142fが配置されている。f10面の階段部S2には図示しない接続電極142gおよび142h、階段部S3には図示しない接続電極142iおよび142j、階段部S4には図示しない接続電極142kおよび142mが配置されている。
【0058】
また、接続電極142a、142b、142c、142d、142eおよび142fには、ケーブル63a、63b、63c、63d、63eおよび64fがそれぞれ接続され、接続電極142g、142h、142i、142j、142kおよび142mには、ケーブル63g、63h、63i、63j、63kおよび63mがそれぞれ接続される。
【0059】
階段部S2とS3との間、および階段部S3とS4との間、換言すれば、接続電極142aおよび142bと接続電極142cおよび142dとの間、接続電極142cおよび142dと接続電極142eおよび142fとの間、接続電極142gおよび142hと接続電極142iおよび142jとの間、接続電極142iおよび142jと接続電極142kおよび142mとの間に、溝部44が設けられている。さらに、接続電極142eおよび142fの光軸方向の基端側、ならびに接続電極142kおよび142mの光軸方向の基端側に溝部45が設けられている。溝部44および45を設けることにより、ケーブルを接続電極に接続する際のはんだ流れを防止でき、ショート等のリスクを低減できる。
【0060】
実施の形態3では、回路基板130の裏面(f4面)に凹部36を形成し、凹部36内に電子部品51等を実装する。実施の形態3では、撮像素子に近接する回路基板130の中央付近に電子部品51等を実装するので、撮像素子と電子部品51等とのインピーダンスを低下することができる。また、電子部品51等は、回路基板130の凹部36に実装されるため、電子部品51等の配置構成をより簡易かつ安価に変更することができる。またさらに、異形回路基板141に凹部を形成する場合には基板が高価になるが、実施の形態3では異形回路基板141に凹部を形成する必要がないため、安価な撮像ユニットを提供できる。またさらに、回路基板130に凹部36を形成した場合には半導体パッケージ20にかかる応力を低減させることができるため、信頼性の高い撮像ユニットを提供できる。
【0061】
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる撮像ユニットにおいて、異形回路基板の第2の面および第3の面の各々は、半導体パッケージの光軸方向の基端側で近接するような勾配を有する。
図15は、本発明の実施の形態4にかかる撮像ユニットの斜視図である。
図16は、
図15に示す撮像ユニットの分解図である。
図17は、
図15に示す撮像ユニットを基端側から見た図である。
【0062】
実施の形態4にかかる撮像ユニット200では、
図15〜17に示すように、異形回路基板240の第2の面であるf9面および第3の面であるf10面が、半導体パッケージ20の光軸方向の基端側で近接するような勾配を有している。実施の形態4において、異形回路基板240は、射出成形により立体配線が形成されたMID(Molded Interconnect Device)基板である。本実施の形態4では、異形回路基板240としてMID基板を使用するため、簡易かつ安価に製造可能となる。MID基板の基材としては、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリカーボーネート等が例示される。
【0063】
回路基板230の裏面であるf4面には、接続電極33a、33b、33c、33e、33f、33g、33h、33i、33j、33kおよび33mが設けられるとともに、電子部品55および56を実装する実装ランドが設けられている。
【0064】
異形回路基板240のf5面には、凹部243と、図示しない接続電極241a、241b、241c、241e、241f、241g、241h、241i、241j、241kおよび241mが形成され、回路基板230の接続電極33a、33b、33c、33e、33f、33g、33h、33i、33j、33kおよび33mとそれぞれ接続される。
【0065】
異形回路基板240のf9面とf10面は、半導体パッケージ20の光軸方向の基端側で近接するような勾配、好ましくは、f9面およびf10面を延長した際、二等辺三角形を形成するような勾配を有している。また、f9面およびf10面には、段差部S1、S2が設けられ、f9面およびf10面全体に接続電極242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、242h、242i、242j、242kおよび242mが配置されている。また、f8面には、接続電極242c、242d、および242jと接続されるグランドパターン46が形成されている。
【0066】
接続電極242a、242b、242e、242f、242g、242h、242i、242j、242kおよび242mは、f5面の接続電極241a、241b、241e、241f、241g、241h、241i、241j、241kおよび241mからf9面またはf10面にそれぞれ延長されたものであり、接続電極242cおよび242dは、接続電極241cがf9面の段差部S2で分岐されたものである。
【0067】
ケーブル64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、64kおよび64mは、段差部S2において接続電極242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、242h、242i、242j、242kおよび242mにそれぞれ接続される。
【0068】
ケーブル64a〜64mは、複数のケーブルが束ねられて外皮シールドおよび外皮で覆われた複合ケーブルを構成するケーブルであり、接続電極に接続する際、複合ケーブルの一端部の外皮シールドおよび外皮を剥離した後、個々のケーブル64a〜64mにばらして接続される。本実施の形態4では、f9面およびf10面が光軸方向の基端側で近接するような勾配を有しているので、水平である場合より、ケーブル64a〜64mの接続電極242a〜242mへの接続を容易に行うことができる(ケーブル64a〜64mの接続用治具へのセットが容易)。また、ケーブル64a〜64mは、f9面およびf10面に沿うように配設されるため、外皮シールドから露出するケーブル64a〜64mが短くなり、外部からの影響を低減することができる。
【0069】
また、図示しないf5面の接続電極241a、241b、241c、241e、241f、241g、241h、241i、241j、241kおよび241mは、f5面の端部まで形成され、f9面またはf10面の接続電極242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、242h、242i、242j、242kおよび242mとなるため、接続電極33a、33b、33c、33e、33f、33g、33h、33i、33j、33kおよび33mとそれぞれ接続される際、はんだフィレットが形成され、回路基板230と異形回路基板240との間の接続強度を向上することができる。
【0070】
なお、異形回路基板の第2の面または第3の面には、ケーブルだけでなく、電子部品を実装することも可能である。
図18は、本発明の実施の形態4の変形例にかかる撮像ユニットの斜視図である。
図19は、
図18に示す撮像ユニットの下方から見た斜視図である。
図20は、
図18に示す撮像ユニットの分解図である。
図21は、
図18に示す撮像ユニットを基端側から見た図である。
【0071】
実施の形態4の変形例にかかる撮像ユニット200Aでは、第3の面であるf10面に電子部品160を実装している。
【0072】
回路基板230Aの裏面であるf4面には、接続電極233a、233b、233c、233d、233g、233h、233i、233j、233kが設けられるとともに、電子部品57および58を実装する実装ランドが設けられている。
【0073】
異形回路基板240Aのf5面には、凹部243と、図示しない接続電極245a、245b、245c、245d、245g、245h、245i、245j、241kが形成され、回路基板230Aの接続電極233a、233b、233c、233d、233g、233h、233i、233j、233kとそれぞれ接続される。
【0074】
異形回路基板240Aのf9面とf10面は、半導体パッケージ120の光軸方向の基端側で近接するような勾配を有するとともに、段差部S1、S2およびS3が設けられる。また、f9面およびf10面全体に接続電極244a、244b、244c、244d、244g、244h、244i、244j、244kが配置されている。また、f9面の段差部S3に接続電極244eが形成されている。
【0075】
接続電極244a、244b、244c、244d、244g、244h、244i、244j、244kは、f5面の接続電極245a、245b、245c、245d、245g、245h、245i、245j、245kからf9面またはf10面にそれぞれ延長されたものである。
【0076】
ケーブル65a、65b、65d、65e、65g、65h、65i、65j、および65kは、段差部S2またはS3において接続電極244a、244b、244d、244e、24dg、244h、244i、244j、244kにそれぞれ接続される。ケーブル65c−1、65c−2は、接続電極244cの段差部S2、S3にそれぞれ接続される。
【0077】
変形例では、実施の形態4と同様の効果を得ることができるとともに、電子部品の実装位置も適宜選択可能である。
挿入部先端の細径化を図りながら、高画質の画像を得ることのできる撮像ユニット、撮像モジュールおよび内視鏡システムを提供する。本発明における撮像ユニット10は、撮像素子を有し、接続電極21が形成された半導体パッケージ20と、f3面で半導体パッケージ20と接続される回路基板30と、少なくともf5面、f6面、およびf7面に接続電極が形成され、f5面で回路基板30と接続される異形回路基板40と、回路基板30のf4面に実装される電子部品51、52と、異形回路基板40のf6面、f7面の接続電極に接続される複数のケーブル60と、を備え、電子部品51、52は、異形回路基板40のf5面に形成された凹部43内に収容され、回路基板30、異形回路基板40、および複数のケーブル60は、半導体パッケージ20の光軸方向の投影面内に収まることを特徴とする。