特許第6013674号(P6013674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6013674
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】粒状材料検出装置及びマウンド築造方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 15/10 20060101AFI20161011BHJP
   E02D 15/06 20060101ALI20161011BHJP
   E04G 21/02 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   E02D15/10
   E02D15/06
   E04G21/02 103Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-549586(P2016-549586)
(86)(22)【出願日】2016年4月15日
(86)【国際出願番号】JP2016062178
【審査請求日】2016年8月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 匠
【審査官】 竹村 真一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−19241(JP,A)
【文献】 特開昭57−158417(JP,A)
【文献】 特開平10−169195(JP,A)
【文献】 特開2013−19119(JP,A)
【文献】 特開平4−16620(JP,A)
【文献】 特開平11−131807(JP,A)
【文献】 特開2008−75333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 15/00−15/10
E04G 21/00−21/10
C04B 28/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレミー管の内壁面を構成し、互いに向かい合う位置に設けられた2つの透明部材と、
一方の前記透明部材の外側に配置された発光手段と、
他方の前記透明部材の外側に配置された受光手段と、
前記発光手段によって発せられた光のうち前記受光手段が受光した光の光量子または照度に基づいて、前記トレミー管の投入口に搬送された粒状材料が前記発光手段及び前記受光手段の位置に達しているか否かを検出する検出手段と
を有することを特徴とする粒状材料検出装置。
【請求項2】
前記受光手段及び前記検出手段は、光量子センサで構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の粒状材料検出装置。
【請求項3】
前記受光手段及び前記検出手段は、照度センサで構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の粒状材料検出装置。
【請求項4】
前記トレミー管の径より短い幅で、前記トレミー管の外周から突出する突出部を備え、
前記2つの透明部材は、前記突出部の幅方向において互いに向かい合う位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状材料検出装置。
【請求項5】
前記2つの透明部材、前記発光手段及び前記受光手段の組は、前記トレミー管の軸方向において複数設けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒状材料検出装置。
【請求項6】
トレミー管の投入口へ粒状材料を搬送し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状材料検出装置を用いて前記粒状材料を検出し、前記トレミー管の排出口から前記粒状材料を排出して、水中にマウンドを築造するマウンド築造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トレミー管に投入される粒状材料を検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トレミー管に投入されるコンクリートの量を検出するために、コンクリートから受ける圧力を検出する圧力センサをトレミー管の内壁面に設けるものや(特許文献1参照)、トレミー管の上端から上面までの距離をレーザ光で計測するもの(特許文献2,3参照)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−180666号公報
【特許文献2】特開2008−75333号公報
【特許文献3】特開2009−83353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレミー管の内壁面に圧力センサを設けるような構造では、投入される粒状材料(本願において粒状材料とは、「土」「砂」「砂利、砕石」「石」に例示される多数の粒状物からなる材料、またはそれらの2以上の混合物を意味する)によって圧力センサの検出面が破損する恐れがある。また、トレミー管に粒状材料を投入して水底にマウンドを築造するような場合に、水分を含んでスラリー化した粒状材料をトレミー管に投入すると気泡や汚濁が発生する。このような気泡や汚濁は、上述したようなトレミー管の上端から粒状材料の上面までのような比較的長い距離をレーザ光で計測する場合には、誤検出の要因となることがある。トレミー管に投入される材料を、超音波により上面から、もしくは側面から検出する方法においても、粒状材料の投入により発生した気泡や汚濁により正確な検出が困難である。
【0005】
そこで、この発明は、投入される粒状材料による破損の恐れが小さく、精度の高い検出が可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を解決するため、この発明は、トレミー管の内壁面を構成し、互いに向かい合う位置に設けられた2つの透明部材と、一方の前記透明部材の外側に配置された発光手段と、他方の前記透明部材の外側に配置された受光手段と、前記発光手段によって発せられた光のうち前記受光手段が受光した光の光量子または照度に基づいて、前記トレミー管の投入口に搬送された粒状材料が前記発光手段及び前記受光手段の位置に達しているか否かを検出する検出手段とを有することを特徴とする粒状材料検出装置を提供する。
【0007】
前記受光手段及び前記検出手段は、光量子センサで構成されていてもよい。
【0008】
前記受光手段及び前記検出手段は、照度センサで構成されていてもよい。
【0009】
前記トレミー管の径より短い幅で、前記トレミー管の外周から突出する突出部を備え、前記2つの透明部材は、前記突出部の幅方向において互いに向かい合う位置に設けられていてもよい。
【0010】
前記2つの透明部材、前記発光手段及び前記受光手段の組は、前記トレミー管の軸方向において複数設けられていてもよい。
【0011】
また、本発明は、トレミー管の投入口へ粒状材料を搬送し、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粒状材料検出装置を用いて前記粒状材料を検出し、前記トレミー管の排出口から前記粒状材料を排出して、水中にマウンドを築造するマウンド築造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投入される粒状材料による破損の恐れが小さく、精度の高い検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】粒状材料投入設備1の構造を概略的に示す斜視図。
図2】粒状材料検出装置50の構成を示す図。
図3】トレミー管20に粒状材料Sが投入されるときの様子を示す図。
図4】変形例に係る粒状材料検出装置509aの構造を示す図。
図5】比較例としての発光部511及び受光部512の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の好ましい形態について、以下、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、粒状材料投入設備1の構造を概略的に示す斜視図である。走行台車10には、粒状材料投入経路として鉛直方向に延びるトレミー管20が設けられている。この走行台車10は、第1ガイド部30に沿って矢印X方向に移動可能であり、図示せぬ駆動手段によって矢印X方向における任意の位置へと移動する。走行台車10及び第1ガイド部30は、第2ガイド部40に沿って、矢印X方向に直交する矢印Y方向に移動可能であり、図示せぬ駆動手段によって矢印Y方向における任意の位置へと一体となって移動する。第2ガイド部40は、水底方向に向って延びるスパットと呼ばれる複数本の脚部(図示略)により、水底に対して固定される。
【0015】
トレミー管20は、例えば二重構造の筒体であり、これらの筒体が相対的にスライドすることにより、鉛直方向に伸縮可能である。粒状材料投入時において、トレミー管20下端の排出口21は水底付近に位置し、上端の投入口22は水上にある。水分を含んでスラリー化した粒状材料は、図示せぬ材料供給船からホース配管等の搬送経路を経由してトレミー管の投入口22へと投入され、トレミー管20の内部を通って水底へと落下する。もしくは、材料供給船から、直接トレミー管内へ粒状材料が投入されてもよい。
【0016】
例えば、水底に広範囲に平坦なマウンドを築造する工事の場合には、トレミー管20の下端の排出口21の位置を移動させ、マウンドの出来形(天端高さ)が所定の基準内となるように、トレミー管内の粒状材料の蓄積量を検出して管理することが重要である。
【0017】
そこで、トレミー管20の軸方向の複数の位置に、粒状材料の有無を検出する粒状材料検出装置50がそれぞれ設けられている。図1では、3つの粒状材料検出装置50−1,50−2,50−3を例示しているが、その数や設置位置は任意である。トレミー管20の内部空間において粒状材料が水底から上方へと徐々に蓄積していくと、複数の粒状材料検出装置50−1〜50−3のうち、下方にあるものから上方にあるものへと順番に粒状材料を検出することになる。
【0018】
図2は、粒状材料検出装置50の構造を示す図である。図2において、(A)がトレミー管20の軸方向の断面図であり、(B)がトレミー管20の径方向の断面図である。トレミー管20の内壁面において、トレミー管20の断面円の径を通る直線上の互いに向かい合う位置には、トレミー管20の内部から外部へと貫通する穴部201,202が設けられている。例えばポリカーボネイド等からなる2つの透明部材501,502が、この穴部201,202を塞ぐようにして、例えばネジ止めなどの固定具でトレミー管20に取り付けられている。つまり、透明部材501,502は、トレミー管20の内壁面を構成し、互いに向かい合う位置に設けられている。
【0019】
一方の透明部材501の外側には、例えばハロゲンライトなどの、様々な波長を含む光を発する発光部503が配置され、他方の透明部材502の外側には、例えばフォトダイオードなどの受光部504が配置されている。発光部503及び受光部504の上方には、保護カバー505,506がそれぞれ設けられている。この保護カバー505,506は、例えば投入口22からトレミー管20の内部に投入されずにトレミー管20の外周近傍に落下してくる粒状材料等によって発光部503及び受光部504が破損することを防いでいる。これらの透明部材501,502、発光部503、受光部504及び保護カバー505,506を1組とし、この組がトレミー管20の軸方向において複数設けられている。
【0020】
受光部504に接続された検出部507は、発光部503によって発せられた光のうち受光部504が受光した光の光量に基づいて、トレミー管20に投入された粒状材料が発光部503及び受光部504の位置に達しているか否かを検出する。受光部504及び検出部507はいわゆる光量子センサを構成している。光量子センサとは、所定の波長領域にわたって受光した光の光量子に基づく検出を行うセンサである。
【0021】
ここで、本実施形態において光量子センサを用いている理由について説明する。一般に、人間の目は、555nmの緑色付近の波長の光を感じる感度が最も良く、波長が赤や紫に近づくほど感度が鈍くなる。つまり、人間の目は、橙、黄、緑あたりの感度が良く、赤、青、紫などの感度は低い。このため、人間の目の感度に合わせたカーブ(比視感度曲線)を持った明るさの単位が必要であり、これを照度という。照度を検出する照度センサは、人間の目の波長別感度特性に合わせたセンサであり、人間の目に見える可視光として最も重要な555nm付近に感度のピークが設定されている。
【0022】
これに対し、光量子センサは、光の粒子である光量子の数を検出する。この光量子センサは、主に植物の光合成の状態を調べるため、葉緑素の吸収波長域である400nmから700nmの波長域において単位時間・単位面積あたりに入射する光量子の個数を計測する。つまり、照度センサが555nm付近の波長の光エネルギーを計測するのに対し、光量子センサは、400nmから700nmの波長という、照度センサの感度幅よりも広い波長域において感度幅が設定されており、その波長域全域において受光した光量子の数を計測する。
【0023】
「港湾技研資料 No.769 Mar.1994 濁水中におけるレーザの減衰に関する実験 高橋英俊 佐藤栄治 運輸省港湾技術研究所」の第11頁右欄第2行〜第5行の記載によれば、純水中では波長500nmのブルーグリーン帯のレーザ光が最も減衰が少ないが、濁水中では、粒子の径に応じて、ブルーグリーン帯のレーザ光が赤色のレーザ光よりも減衰が大きい場合がある。この事実を本実施形態に当てはめると、スラリー化した粒状材料をトレミー管20に投入したときに、水中に含まれる粒子の組成によっては、減衰が大きい波長域が変わる可能性があるということになる。本実施形態では、555nmという特定の狭い波長域に対して感度を合わせた照度センサではなく、400nm〜700nmという比較的広い波長域において一定の感度を有する光量子センサを用いることで、仮に水中の粒子径に応じて減衰波長域が変動したとしても、その変動に関わらず、発光部503によって発せられた光のうち受光部504が受光した光の光量をより正確に特定することができるようになっている。
【0024】
図3は、トレミー管20に粒状材料が投入されるときの様子を示す図である。トレミー管20の内部において、粒状材料Sが水底Bから上方へと徐々に蓄積していくと、まず、最も下方にある発光部503及び受光部504において、発光部503から発せられた光Fが粒状材料Sによって妨げられて受光部504に届かなくなり、受光部504の受光する光の光量子の数が恒常的に閾値未満となる。
【0025】
一方、これよりも上方にある発光部503及び受光部504においては、発光部503から発せられた光は、蓄積された粒状材料Sによっては妨げられない。このとき、トレミー管20の内部を落下していく粒状材料Sや、粒状材料投入時における水中の気泡や濁りの影響を受けて、受光部504によって受光される光の光量子数が一時的に上記閾値未満となることはあっても、恒常的に閾値未満となることはない。検出部507は、予め決められた或る期間以上にわたって、受光部504によって受光された光の光量子の数が閾値未満となった場合には、トレミー管20に投入された粒状材料Sがその受光部504の位置に達したことを検出する。
【0026】
このように、下方にあるものから上方にあるものへと順番に、発光部503ら発せられた光が粒状材料Sによって妨げられて受光部504に届かなくなることで、受光部504の受光する光の光量子数が或る期間以上にわたって閾値未満となる。これにより、この時点におけるトレミー管20内の粒状材料の上端の位置が特定できるから、作業者は、所望の位置に到達したと思われる時点で粒状材料の投入を停止する作業を行えばよい。そして、作業者は、次の投入地点へと走行台車10を移動させ、ふたたび上記と同じようにして粒状材料の投入量を調整しながらその投入作業を行う。
【0027】
以上説明した実施形態によれば、発光部503及び受光部504は、トレミー管20の内部に対して透明部材501,502を隔てた位置に設置されるから、投入される粒状材料そのものによって例えばその発光面や受光面が破損することはない。また、発光部503及び受光部504の上方には保護カバー505,506が設けられているから、例えばトレミー管20の外周近傍に落下してくる粒状材料等による破損も防止できる。さらに、粒状材料の有無を検出するために光量子センサを用いているから、例えば水中の粒子組成によって特定波長域の光が減衰したとしても、高精度の検出が可能となる。また、例えば粒状材料の蓄積状態を撮像して画像認識により粒状材料の有無を検出したり、超音波を用いて粒状材料の有無を検出したりする方法も考えられるが、これらの方法は、粒状材料投入時の気泡や濁りの影響を受けやすいと考えられるのに対し、本実施形態では或る期間にわたって受光する光の光量子を用いているので、気泡や濁りの影響を比較的受けにくい。
【0028】
<変形例>
上記の実施形態を以下のように変形してもよい。
【0029】
<変形例1>
実施形態の構成の場合、トレミー管20断面円の径を通る直線上に発光部503及び受光部504を配置していた。ただし、トレミー管20の径が長い場合には、発光部503から発せられた光が受光部504に届くまでに大きく減衰していまい、誤検出となる可能性もある。ここで、図4は、変形例に係る粒状材料検出装置50aの構造を示す図である。粒状材料検出装置50aは、トレミー管20の径より短い幅で、トレミー管20の外周からさらに外部に向って突出する突出部508を備えている。透明部材501,502は、この突出部508の幅方向において互いに向かい合う位置に設けられており、一方の透明部材501の外側には発光部503が配置され、他方の透明部材502の外側には受光部504が配置されている。発光部503及び受光部504の上方には、保護カバー(図示略)が設けられている。これらの透明部材501,502、発光部503、受光部504及び保護カバー505,506を1組とし、この組がトレミー管20の軸方向において複数設けられている。このようにすれば、トレミー管20の径が長くて光の減衰が危惧される場合であっても、突出部508の幅をそれよりも短い幅に調整すれば、検出精度は低下しない。
【0030】
ここで、図5は、変形例1に対する比較例としての発光部511及び受光部512の構成を示す図である。発光部511から受光部512までの距離をトレミー管20の径より短くしたい場合には、図5に示すように、トレミー管20断面円の径を通らない直線上に発光部511及び受光部512を配置する例も考えられる。しかし、この場合には、発光部511及び受光部512の光軸方向Lと、トレミー管20の内壁面を構成する透明部材513,514の各表面の法線方向d1,d2とが一致しないため、発光部511から発せられた光が透明部材513,514に対して斜めに(入射角が0度よりも大きい状態で)入射し、透明部材513,514の表面で一部反射してしまう。これにより、光量のロスが生じて検出精度の低下の要因となってしまう恐れがある。これに対し、変形例1によれば、このような問題は生じない。
【0031】
<変形例2>
実施形態では、水中の粒子径に応じて減衰波長域が変動したとしても、受光部504が受光した光の光量をより正確に特定することができるように、555nmという波長域に感度を合わせた照度センサではなく、400nm〜700nmという波長域において一定の感度を有する光量子センサを用いていた。ただし、水中の粒子径やその他の条件によっては、必ずしも光量子センサを用いる必要はなく、受光部504が受光した光の光量を十分に照度センサによって特定できるならば、本発明に係る受光部及び検出部を、光量子センサよりも感度の幅が狭い照度センサによって構成してもよい。また、本発明に係る受光部及び検出部を、光量子センサまたは照度センサ等を含む光電センサで構成してもよい。
【0032】
<変形例3>
粒状材料を用いた工種はどのようなものであってもよい。
【0033】
<変形例4>
本発明は、作業者が上記の粒状材料検出装置50によって粒状材料の蓄積量を管理しながら水中にマウンドを築造するマウンド築造方法として実施されてもよい。すなわち、本発明は、トレミー管20の投入口22に粒状材料を搬送し、上述の粒状材料検出装置50を用いて当該粒状材料を検出し、トレミー管20の排出口21から当該粒状材料を排出して、水中にマウンドを築造するマウンド築造方法を提供する。
【0034】
上記のマウンド築造方法を実施する際、作業者は、上記の粒状材料検出装置50によってトレミー管20内の粒状材料の上端の位置(つまりトレミー管20内の粒状材料の蓄積量)を特定し、粒状材料の上端がオーバーフローしないように上限として設定した所定の位置に到達したと思われる時点で粒状材料の投入を停止するなど、粒状材料の投入量を調整すればよい。そして、作業者は、次の投入地点へと走行台車10を移動させ、ふたたび粒状材料の投入量を調整しながらその投入作業を行えばよい。
【0035】
また、トレミー管20の排出口22にバルブを設けておき、作業者が上記の粒状材料検出装置50によってトレミー管20内の粒状材料の蓄積量を検出し、この量に応じて上記バルブを操作してトレミー管20の排出口21からの排出量を調整してもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 粒状材料投入設備、10 走行台車、20 トレミー管、201,202 穴部、30 第1ガイド部、40 第2ガイド部、50 粒状材料検出装置、501,502,513,514 透明部材、503,511 発光部、504,512 受光部、505,506 保護カバー、507 検出部、508 突出部。
【要約】
本発明は、投入される粒状材料による破損の恐れが小さく、精度の高い検出を可能とする仕組みを提供する。本発明において、トレミー管20の内壁面には、トレミー管20の断面円の径を通る直線上の互いに向かい合う位置に、トレミー管20の内部から外部へと貫通する穴部201,202が設けられている。例えばポリカーボネイド等からなる2つの透明部材501,502がこの穴部201,202を塞ぐようにして、例えばネジ止めなどの固定具でトレミー管20に取り付けられている。一方の透明部材501の外側には、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光部503が配置され、他方の透明部材502の外側には、例えばフォトダイオードなどの受光部504が配置されている。これらの透明部材501,502、発光部503、受光部504及び保護カバー505,506を1組とし、この組がトレミー管20の軸方向において複数設けられている。上記の構成により、トレミー管に投入された粒状材料がいずれの組の発光部503及び受光部504の位置に達しているかが検出される。
図1
図2
図3
図4
図5