特許第6013681号(P6013681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013681
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】サーボプレス装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/14 20060101AFI20161011BHJP
   B30B 15/28 20060101ALI20161011BHJP
   B30B 15/00 20060101ALI20161011BHJP
   B30B 1/18 20060101ALN20161011BHJP
【FI】
   B30B15/14 N
   B30B15/28 A
   B30B15/00 B
   !B30B1/18 B
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-111098(P2012-111098)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-237062(P2013-237062A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】木暮 進
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−260598(JP,A)
【文献】 特開2004−133678(JP,A)
【文献】 特開2000−056833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/00
B30B 1/18
H02P 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸を備えるサーボモータと、前記サーボモータにより作動するプレス機構と、前記プレス機構のプレス荷重を検出するロードセルと、前記サーボモータのモータ軸の回転位置を検出する回転位置センサと、前記ロードセルおよび前記回転位置センサからの検出信号に基づき前記サーボモータに制御電力を供給する制御装置と、を備えるサーボプレス装置において、
前記制御装置は、
荷重指令信号と前記ロードセルからの荷重検出信号とに基づき、荷重偏差信号を演算する減算器と、
前記荷重偏差信号に対応したプレス荷重を生ずべく、前記荷重偏差信号とあらかじめ定められた位置比例ゲインの逆数から、前記サーボモータのモータ軸を所定の角度回転させる回転制御信号を演算する荷重制御器と、
前記回転制御信号と前記回転位置センサからの回転位置検出信号に基づき、前記サーボモータのモータ軸を所定の回転位置に向けて回転すべく回転位置指令信号を演算する加算器と、
前記回転位置指令信号に対応する回転位置に前記サーボモータのモータ軸を回転すべく制御電力を前記位置比例ゲインを用いて演算し、前記サーボモータに供給するサーボモータドライバと、を備えることを特徴とするサーボプレス装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたサーボプレス装置において、
前記制御装置は、
前記プレス機構の遅れ伝達特性を補償するフィルタ特性が構成され、前記フィルタ特性により前記回転位置指令信号を修正し、修正された修正回転位置指令信号を出力する出力フィルタを備え、
前記サーボモータドライバは、
前記修正回転位置指令信号に対応した回転位置に前記サーボモータのモータ軸を回転すべく制御電力を前記サーボモータに供給することを特徴とするサーボプレス装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたサーボプレス装置において、
前記出力フィルタのフィルタ特性は、前記プレス機構の遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性、または、前記プレス機構の遅れ伝達特性を2次遅れ系に近似した近似遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に構成されていることを特徴とするサーボプレス装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーボプレス装置において、
前記プレス機構は、
前記サーボモータにより回転されるボールスクリューと、
前記ボールスクリューに螺合するスクリューナットと、
前記ボールスクリューの一端を回転自在に支持するベースプレートと、
前記ベースプレートに一端が固定されるメインシャフトと、
前記スクリューナットに一体に取付けられるとともに、前記メインシャフトに沿って直動する第1直動部材と、
前記メインシャフトの前記第1直動部材と前記ベースプレートの間に配置される第2直動部材と、
を有し、
前記サーボモータの回転作動によって前記第1直動部材が直動運動し、プレス荷重を発生することを特徴とするサーボプレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーボモータにより作動するサーボプレス装置に関し、特に、サーボモータの制御方法に特徴を有する制御装置を備えるサーボプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工を実施する多くの工場において、サーボモータにより作動するサーボプレス装置(例えば、特許文献1)が用いられている。ここで、サーボプレス装置が多くの工場に用いられている理由としては、空圧設備又は油圧設備等の大型の設備が不要である、プレス動作の制御性が高い、などの利点が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−115835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなサーボプレス装置において、一般に、プレス装置のプレス機構を作動させるサーボモータは電流制御により制御される。そして、この電流制御では、プレス機構のプレス荷重を検出するロードセルからの荷重検出信号に対応した電流指令信号が形成され、この電流指令信号に基づきサーボモータの駆動が制御される。
【0005】
しかしながら、このように電流制御によりサーボモータを制御する場合、制御装置内外の異常により所定の電流指令信号が出力され続けてしまうおそれが懸念される。そして、上記のように所定の電流指令信号が出力され続けた場合、サーボプレス装置は作動し続けてしまうことなり安全性が保障されない。
【0006】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、安全に作動することが保障されるサーボプレス装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載されたサーボプレス装置は、モータ軸を備えるサーボモータと、サーボモータにより作動するプレス機構と、プレス機構のプレス荷重を検出するロードセルと、サーボモータのモータ軸の回転位置を検出する回転位置センサと、ロードセルおよび回転位置センサからの検出信号に基づきサーボモータに制御電力を供給する制御装置と、を備える。そして、このサーボプレス装置において、上記の制御装置は、減算器と、荷重制御器と、加算器と、サーボモータドライバと、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、上記の制御装置における減算器は、荷重指令信号とロードセルからの荷重検出信号とに基づき、荷重偏差信号を演算する。また、荷重制御器は、荷重偏差信号に対応したプレス荷重を生ずべく、前記荷重偏差信号とあらかじめ定められた位置比例ゲインの逆数から、サーボモータのモータ軸を所定の角度回転させる回転制御信号を演算する。また、加算器は、回転制御信号と前記回転位置センサからの回転位置検出信号に基づき、前記サーボモータのモータ軸を所定の回転位置に向けて回転すべく回転位置指令信号を演算する。そして、サーボモータドライバは、回転位置指令信号に対応する回転位置に前記サーボモータのモータ軸を回転すべく制御電力を前記位置比例ゲインを用いて演算し、前記サーボモータに供給する。
【0009】
このように、請求項1に記載されたサーボプレス装置は、サーボモータに供給する制御電力を制御するサーボモータドライバへの制御信号として、回転位置指令信号を用いている。そのため、制御装置内外の異常により所定の回転位置指令信号が出力され続けた場合であっても、所定の回転位置にサーボモータのモータ軸が回転した後に安全に停止する。従って、請求項1に記載のサーボプレス装置は、安全に作動することが保障される。
【0010】
また、請求項1に記載されたサーボプレス装置は、上述のようにサーボモータドライバへの制御信号として回転位置指令信号が用いられている。ここで、回転位置指令信号は、荷重制御装置にて時間的に平滑化された回転制御信号に基づき生成されるものであり、回転位置指令信号も時間的に平滑化された信号である。したがって、このように平滑化された制御信号によりサーボモータドライバが作動することにより、サーボモータドライバからは乱雑でなく安定した制御電流が出力される。そのため、請求項1に記載されたサーボプレス装置は、安定性の高いモータ制御を実現することができる。
【0011】
次に、請求項2に記載されたサーボプレス装置は、請求項1に記載されたサーボプレス装置において、プレス装置の制御装置は、出力フィルタを備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、この出力フィルタは、プレス機構の遅れ伝達特性を補償するフィルタ特性が構成され、このフィルタ特性により回転位置指令信号を修正し、修正された修正回転位置指令信号を出力する。そして、制御装置のサーボモータドライバは、この修正回転位置指令信号に対応した回転位置にサーボモータのモータ軸を回転すべく制御電力をサーボモータに供給する。
【0013】
このように、請求項2に記載されたプレス装置は、プレス機構の遅れ伝達特性を補償するフィルタ特性が構成された出力フィルタを備える。そして、この出力フィルタにより、回転位置指令信号を修正し、修正された修正回転位置指令信号をサーボモータドライバに出力する。このように、プレス機構の機械的な遅れの動特性(伝達特性)を補償することができる指令信号をサーボモータドライバに出力することにより、サーボモータドライバは上記の動特性を補償することができる制御電流をサーボモータに供給することができる。そのため、請求項2に記載されたプレス装置は、遅れ伝達特性を不可避的に有するプレス機構の作動遅れを相殺することができ、応答性の高い装置となる。
【0014】
次に、請求項3に記載されたサーボプレス装置は、請求項2に記載されたサーボプレス装置において、出力フィルタのフィルタ特性は、プレス機構の遅れ伝達特性の逆伝達特性、または、前記プレス機構の遅れ伝達特性を2次遅れ系に近似した近似遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に対応する特性に構成されている。
【0015】
このように、出力フィルタのフィルタ特性をプレス機構の遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に構成することにより、遅れ伝達特性を不可避的に有するプレス機構の作動遅れを効果的に相殺することができ、上記出力フィルタを有するプレス装置は、応答性の高い装置となる。また、出力フィルタのフィルタ特性をプレス機構の遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に構成することにより、遅れ伝達特性を不可避的に有するプレス機構の作動遅れを効果的に相殺することができ、上記出力フィルタを有するプレス装置は、応答性の高い装置となる。
【0016】
次に、請求項4に記載されたサーボプレス装置は、前記プレス機構が前記サーボモータにより回転されるボールスクリューと、前記ボールスクリューに螺合するスクリューナットと、前記ボールスクリューの一端を回転自在に支持するベースプレートと、前記ベースプレートに一端が固定されるメインシャフトと、前記スクリューナットに一体に取付けられるとともに、前記メインシャフトに沿って直動する第1直動部材と、前記メインシャフトの前記第1直動部材と前記ベースプレートの間に配置される第2直動部材と、有し、前記サーボモータの回転作動によって前記第1直動部材が直動運動し、プレス荷重を発生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、安全に作動することが保障されるサーボプレス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態のサーボプレス装置を示すモデル図である。
図2】本発明の第1の実施形態のサーボプレス装置を示すシステムブロック図である。
図3】本発明の第2の実施形態のサーボプレス装置を示すシステムブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、この発明の第1の実施形態のサーボプレス装置1を図1および図2に基づいて説明する。ここで、図1は、本発明の第1の実施形態のサーボプレス装置を示すモデル図であり、図2は、本発明の第1の実施形態のサーボプレス装置を示すシステムブロック図である。
【0021】
図1に示すように、サーボプレス装置1は、プレス機構20と、プレス機構20を作動するサーボモータ5と、サーボモータ5に制御電力を供給する制御装置30と、プレス機構20のプレス荷重を検出するロードセル4と、回転位置センサ6と、を備える。ここで、サーボモータ5は、モータ回転を出力するモータ軸5aを備え、回転位置センサ6は、モータ軸5aの回転位置を検出する。
【0022】
制御装置30には電力が供給される電源PSが給電線L1により接続されているとともに、ロードセル4および回転位置センサ6がそれぞれ信号線(L2,L3)により接続されている。また、サーボモータ5は電力線L3により制御装置30に接続されている。そして、制御装置30は、ロードセル4および回転位置センサ6からの検出信号に基づきサーボモータ6に制御電力を供給する。
【0023】
次に、図1に基づきプレス装置1に備わるプレス機構20について説明する。
【0024】
図1に示すようにプレス機構20は、ベースプレート21、ボールスクリュー22、スクリューナット23、従動プーリ24、駆動プーリ25、ベルト26、メインシャフト27、第1および第2直動部材(28,29)を備える。
【0025】
ここで、ベースプレート21には、ボールスクリュー22の一端が回転自在に支持されるとともに、メインシャフト27の一端が固固定配置されている。そして、ボールスクリュー22の他端には従動プーリ24が取り付けられ、サーボモータ5のモータ軸5aには駆動プレート25が取り付けられている。そして、従動プーリ24と駆動プーリ25にはベルト26が掛け回されており、モータ5の回転作動により、ベルト26を介してボールスクリュー22が回転される。
【0026】
また、メインシャフト27には第1直動部材28が軸方向に直動自在に支持されており、この第1直動部材28にボールスクリュー22に螺合するスクリューナット23が取り付けられている。上記の構成により、サーボモータ5の回転作動により第1直動部材28が上下直動運動し、プレス荷重を発生する。
【0027】
また、メインシャフト27には、第1直動部材28の下側(第1直動部材28とベースプレート21の間)において第2直動部材28が軸方向に直動自在に支持されている。そして、第1直動部材28の下側に可動治具3が、第2直動部材29の上側に固定治具2が、
それぞれ取り付けられている。そして、固定治具2に配されたワークwは、直動運動する第1直動部材28に取り付けられた可動治具3によりプレス加工される。
【0028】
ここで、第2直動部材28とベースプレート21との間にはロードセル4が配置されており、ロードセル4によりプレス機構20のプレス荷重が検出される。
【0029】
次に、図2に基づきサーボプレス装置1に備わる制御装置30について説明する。
【0030】
制御装置30は、減算器31と、荷重制御器32と、加算器33と、サーボモータドライバ34と、を備える。ここで、減算器31には、パーソナルコンピュータ等の外部装置(図示せず)からの荷重指令信号と、ロードセル4からの荷重検出信号が供給される。そして、荷重指令信号から荷重検出信号を減算する処理が実行され、荷重指令信号と荷重検出信号とに基づき荷重偏差信号を演算する。なお、制御装置30内に荷重指令信号を記録したメモリを設け、このメモリから荷重指令信号を供給してもよい。
【0031】
また、荷重制御器32には、減算器31からの荷重偏差信号が供給され、この荷重偏差信号に基づき所定の回転制御信号を演算する。ここで、回転制御信号は、荷重偏差信号に対応したプレス荷重を生ずべく、サーボモータ5のモータ軸5aを所定の角度追加的に回転させる(追加回転角の分、回転させる)指令信号である。なお、所定の角度追加的に回転させる当該指令信号は、サーボモータドライバ34の位置比例ゲインの逆数により、変換された指令信号である。
【0032】
また、加算器33には、荷重制御器32からの回転制御信号および回転位置センサ6からの回転位置検出信号が供給される。ここで、回転位置検出信号は、モータ5のモータ軸5aの現在の回転位置を示す位置信号である。そして、加算器33は、回転位置検出信号に回転制御信号を加算し、回転位置指令信号を演算する。ここで、回転位置検出信号は、サーボモータ5のモータ軸5aを所定の回転位置(現在の回転位置+追加回転角)に向けて回転すべく回転位置指令信号を演算する。
【0033】
また、サーボモータドライバ34には、電源PSからの電力並びに加算器33からの回転位置指令信号および回転位置センサ6からの回転位置検出信号が供給される。そして、サーボモータドライバ34は、回転位置指令信号に対応する回転位置にサーボモータ5のモータ軸5aを回転すべく制御電力を、回転位置指令信号および回転位置検出信号に基づき演算し、演算された制御電力をサーボモータ6に供給する。
【0034】
次に、この発明の第2の実施形態のサーボプレス装置100を図3に基づいて説明する。ここで、図3は、本発明の第2の実施形態のサーボプレス装置を示すシステムブロック図である。なお、第2の実施形態のサーボプレス装置100は、第1の実施形態のサーボプレス装置1に比して、制御装置のみ異なりその他の部分は同一である。よって、制御装置40について説明し、その他の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0035】
制御装置40は、減算器41と、荷重制御器42と、加算器43と、サーボモータドライバ44と、出力フィルタ45と、を備える。ここで、減算器41には、パーソナルコンピュータ等の外部装置(図示せず)からの荷重指令信号と、ロードセル4からの荷重検出信号が供給される。そして、荷重指令信号から荷重検出信号を減算する処理が実行され、荷重指令信号と荷重検出信号とに基づき荷重偏差信号を演算する。なお、制御装置40内に荷重指令信号を記録したメモリを設け、このメモリから荷重指令信号を供給してもよい。
【0036】
また、荷重制御器42には、減算器41からの荷重偏差信号が供給され、この荷重偏差信号に基づき所定の回転制御信号を演算する。ここで、回転制御信号は、荷重偏差信号に対
応したプレス荷重を生ずべく、サーボモータ5のモータ軸5aを所定の角度追加的に回転させる(追加回転角の分、回転させる)指令信号である。
【0037】
また、加算器43には、荷重制御器42からの回転制御信号および回転位置センサ6からの回転位置検出信号が供給される。ここで、回転位置検出信号は、モータ5のモータ軸5aの現在の回転位置を示す位置信号である。そして、加算器43は、回転位置検出信号に回転制御信号を加算し、回転位置指令信号を演算する。ここで、回転位置検出信号は、サーボモータ5のモータ軸5aを所定の回転位置(現在の回転位置+追加回転角)に向けて回転すべく回転位置指令信号を演算する。
【0038】
そして、出力フィルタ45には、加算器43からの回転位置指令信号が供給され以下の処理がなされる。
【0039】
出力フィルタ45は、プレス機構20の遅れ伝達特性を補償するフィルタ特性が構成され、このフィルタ特性により回転位置指令信号を修正し、修正された修正回転位置指令信号を出力する。上記の遅れ伝達特性は、プレス機構20内に不可避的に伸縮するベルト26等の動力伝達要素によるものである。
【0040】
ここで、出力フィルタ45のフィルタ特性は、プレス機構の遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に構成されてよい。また、出力フィルタ45のフィルタ特性は、プレス機構20の遅れ伝達特性を2次遅れ系に近似した近似遅れ伝達特性として表現し、この2次遅れ系に表現された近似遅れ伝達特性の逆伝達特性に対応する特性に設定されてもよい。
【0041】
そして、サーボモータドライバ44には、電源PSからの電力並びに出力フィルタ45からの修正回転位置指令信号および回転位置センサ6からの回転位置検出信号が供給される。そして、サーボモータドライバ44は、修正回転位置指令信号に対応する回転位置にサーボモータ5のモータ軸5aを回転すべく制御電力を、回転位置指令信号および回転位置検出信号に基づき演算し、演算された制御電力をサーボモータに供給する。
【0042】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【符号の説明】
【0043】
1 サーボプレス装置、2 固定治具、3 可動治具
4 ロードセル、5 サーボモータ、5a モータ軸
6 回転位置センサ
20 プレス機構、21 ベースプレート
22 ボールスクリュー、23 スクリューナット
24 従動プーリ、25 駆動プーリ、26 ベルト
27 メインシャフト、28 第1直動部材、29 第2直動部材
30,40 制御装置、31,41 減算器
32,42 荷重制御器、33,43 加算器
34,44 サーボモータドライバ、45 出力フィルタ
100 サーボプレス装置、w ワーク、PS 電源
図1
図2
図3