特許第6013704号(P6013704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6013704-電動アクチュエータ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013704
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/04 20060101AFI20161011BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H02K16/04
   H02K5/173 A
   H02K5/173 B
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2010-549243(P2010-549243)
(86)(22)【出願日】2009年3月5日
(65)【公表番号】特表2011-514132(P2011-514132A)
(43)【公表日】2011年4月28日
(86)【国際出願番号】IB2009050911
(87)【国際公開番号】WO2009109935
(87)【国際公開日】20090911
【審査請求日】2012年3月5日
【審判番号】不服2015-9361(P2015-9361/J1)
【審判請求日】2015年5月20日
(31)【優先権主張番号】0804220.2
(32)【優先日】2008年3月6日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】504186747
【氏名又は名称】アイティーダブリュ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ヘイフォード,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ミード,グラハム
(72)【発明者】
【氏名】ジェッペセン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】バハマン,トマス
(72)【発明者】
【氏名】シェラー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,トマス
【合議体】
【審判長】 藤井 昇
【審判官】 久保 竜一
【審判官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−82998(JP,A)
【文献】 特開2001−165271(JP,A)
【文献】 特開平11−347873(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/023227(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動アクチュエータにおいて、
出力シャフトと、
前記出力シャフトの少なくとも一部を包囲するハウジングであって、該ハウジングの内面から半径方向内側に突出すると共に軸方向に互いに離間させて配置された端フランジを有したハウジングと、
夫々が別個の電機子を有する第1と第2のモータであって、前記第1のモータは、前記ハウジング内において前記端フランジの間に配置され出力シャフトを軸方向に移動させるリニア電動モータであり、前記第2のモータは、前記ハウジング内に配置され前記出力シャフトを回転させるように構成されている第1と第2のモータと、
前記第1のモータの磁界の外部で前記端フランジに取り付けられ前記出力シャフトを回転自在に支持する第1と第2の回転軸受と、
前記第1と第2の回転軸受に支持され、前記第1のモータの磁界の外部に配置された第1と第2のリニア軸受と、
電力がない場合の前記シャフトの移動を阻止する機械式ブレーキとを具備し、
前記第1と第2のリニア軸受の一方が前記第2のモータのロータに結合されている電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1のモータは、ダイレクトドライブ・モータであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記第2のモータは、ダイレクトドライブ・モータであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記第2のモータは、前記出力シャフトの出力端から離れた第1のモータの端部に配置されている請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1と第2のリニア軸受の一方は、前記第2のモータの電機子の近傍に配置されている請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記第2のリニア軸受は、前記第2のモータのロータと、電動アクチュエータの前記出力シャフトの間に配置されている請求項5に記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1と第2の一方のリニア軸受はボールスプライン軸受である請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項8】
前記第2のモータは、中空シリンダの形態のロータを有する請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項9】
前記出力シャフトには、少なくとも前記第2のモータの1つの領域に形成されたスプラインを有しており、前記電機子は該スプラインを介してシャフトに回転方向の力を付与する請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項10】
請求項1に記載の電動アクチュエータを組み込んだ材料試験装置。
【請求項11】
2本の垂直材と、該2本の垂直部材間に延在する横断ヘッドを備え、前記電動アクチュエータの出力シャフトが前記横断ヘッドに形成された孔を通って突き出すように、該電動アクチュエータを鉛直姿勢の状態で据え付けるフレームを具備し、
電動アクチュエータは試験下にあるサンプルに結合するように構成された出力端を有している請求項10に記載の装置。
【請求項12】
分離型回転リニアエンコーダ装置が、前記横断ヘッドと前記出力シャフトの出力端との間の領域において、前記出力シャフトに結合されている請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクチュエータに関し、特に試験サンプルの2つの異なった軸に対し力を付与しなければならない試験装置において使用されるための電磁アクチュエータの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リニアモータなどの電磁アクチュエータには多くの用途があるが、近時は、ピストン-シリンダ型装置として油圧ラムに代えてリニアモータを使用ことが注目されている。そのような使用の1つに、モータの電機子が試験片に力を付与するように、電磁ラムとしてのリニアモータを配向した試験装置の分野がある。通常、ラムの方向は鉛直方向である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】英国特許出願公開第0618209.1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡便かつ費用対効果がよい方法で、試験片に対し2つの異なった軸方向に力を付与できる電磁アクチュエータを提供することにある。これらの軸は、望ましくは同軸の直線軸と回転軸である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、高い軸力を提供する電動2軸アクチュエータを提供する。この電動2軸アクチュエータは、独立の電機子を持つ第1と第2のモータを具備し、第1のモータは出力軸を軸方向に移動させるリニア電気モータであり、第2のモータは前記出力軸を回転運動させる。
【0006】
アクチュエータの好ましい用途は、アクチュエータを鉛直に配向、つまり共通シャフトの軸線を鉛直に配向して据え付けるようにした材料試験装置における使用である。2軸アクチュエータによって、2個の独立したモータを試験に供される試料の異なる端部に設ける必要がなくなり、更にそれに伴う短所を回避でき、より単純な構造をもたらすことになる。1つの特別な利点としては、アクチュエータと共に使用するにあたりスラスト軸受が不要となることである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による電磁アクチュエータの概略的断面斜視図である。
図2図1に示したアクチュエータを組み込んだ材料試験装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して説明する実施形態から、本発明はより良く理解されるであろう。
1つのモータによって試験片の一端に直線方向の力を付与しつつ、それとは別個のモータを使って同試験片の他端に回転方向の力を付与するようにして材料試験装置に電気モータを使用することがこれまで可能であった。しかしながら、これは、別個の電気モータのためのスラスト軸受か、或いは試験片のための特別なマウント構造のどちらかを必要とする複雑な機構である。
【0009】
本発明の好ましい実施形態は、直線方向の力と回転方向の力の双方をシャフトに配分することができる電磁アクチュエータである。材料試験装置で使用する場合、通常、アクチュエータは、シャフトを鉛直に配向するように据え付けられ、試験片はこのシャフトの一端に結合される。その結果、直線方向の力または回転方向の力、或いは、その双方を組み合わせた力を試験片に印加することができる。このような試験装置では通常、高い軸力が必要となる。
【0010】
図面を参照すると、アクチュエータの好ましい形態が概略的に示されており、それの全体が参照番号10で示されている。該アクチュエータは、直線駆動部11と、回転駆動部12と、該直線駆動部および回転駆動部を貫通して延び、出力端部14を備えた共通シャフト13とを有する。シャフト13の他方の端部15もまた、アクチュエータを超えて突出し、場合によってはブレーキを設けてもよい。該ブレーキは、我々の同時係属中の英国特許出願公開第0618209.1号に記載された形態をとることが好ましい。尚、回転駆動部12は、シャフトの出力端部14から離間するように直線駆動部11の一端に取付けられている。
【0011】
直線駆動部の構造を更に詳細に説明する。直線駆動部は、全体を参照番号21で指示する複数のステーターコイルを包囲する円筒状ハウジング20からなるリニア電気モータを有する。ステーターコイルは電機子22に作用し、該電機子は、本実施形態では磁性材料から形成した中空円筒部材から成り、従来のリニアモータの原理に従って駆動部11内で直線移動するように配置される。電機子22は参照番号24で示したような何らかの簡便手段を用いてシャフト13に固定される。該シャフトは、端フランジ26a、26bに設けられたリニア軸受25a、25bによって直線駆動部11内に位置決めされる。望ましくは、この軸受はボール・スプライン軸受である。該直線駆動部は、軸方向移動を可能にする送りネジとスラスト軸受(或いは、別のスラスト軸受機構)によって回転モータを組み合わせた他のシステムよりも有利である。ここに説明する好適実施形態は、ダイレクトドライブ機構を提供することができる。
【0012】
直線駆動部のリニア電気モータは、歯車機構を介在させることなく電流を用いて直接負荷に作用する磁力を発生する「ブラシレス電気モータ」として定義されるダイレクトドライブ装置である。分離型回転リニアエンコーダ16がフランジ26aに取り付けられており、モータ本体やシャフト13の熱膨張に左右されないシャフト位置を測定する。リニアエンコーダ16からの出力は、ステーターコイルへの電流供給を制御してシャフト13の移動を制御する制御装置で用いることができる。
【0013】
回転駆動部12をより詳細に説明する。回転駆動部はダイレクトドライブ電気モータから成る。該ダイレクトドライブ電気モータは円筒状ハウジング30を有し、該円筒状ハウジング内には、回転駆動部の電機子を形成するステーターコイル31および中空円筒状のロータ32が収納されている。回転駆動部12は、シャフト13が回転駆動部12の回転軸線に沿って延在するように、フランジ26bに取り付けられる。シャフト13は回転駆動部12の近傍で、望ましくはボールスプライン軸受から成るリニア軸受25bにスプライン結合され、該リニア軸受はロータ32に取り付けられている。ボールスプライン軸受はシャフト13と協働し、ロータ32が回転するとシャフト13も回転するが、軸受25bやロータ32を移動させることなく、シャフト13が軸受内で独立して軸方向移動できるようなっている。更に、リニア軸受25bはまた、回転軸受35bによってフランジ26bの端部に取り付けられる。この構造形態により、単一の軸受機構をシャフトの回転駆動部12の部分に使用することができ、それはロータ32のための主軸受を提供する。望ましい場合には、追加の軸受を、エンドプレート36に取り付けた状態で組み込んでも良い。図1に示す配置構造では、エンドプレート36とロータ32の間に間隙が存在する。材料試験装置において使用される場合、回転駆動部内に形成される回転モータは、該回転モータよりもリニアモータの方が試験片に近くなるように、リニア電気モータの後端部に取り付けられる。スラストはリニアモータの支持部を通過し、スラスト軸受は必要ではない。回転駆動部12における軸受機構による回転を可能にしつつ、高い直線方向の力をリニアモータのシャフト13から付与することができる。
【0014】
ロータ32は軸受25bに結合され、シャフトのスプラインを介して回転方向の力をシャフト13に付与する。これにより、シャフト13は、該シャフトの中心軸線沿いに直線方向の力と回転方向の力の双方を受ける。各駆動部の個々の電機子は制御回路を介してそれぞれ別個に制御でき、電機子の各々は共通シャフトに作用することになる。これにより、シャフトを駆動するためのコンパクトでかつ左右対称の機構が形成される。
【0015】
望ましい場合には、そしてリニア軸受25aとしてボールスプライン軸受が使用される場合には、リニア軸受25aは回転軸受35aを使用するフランジ26aに取付けられることになる。
【0016】
回転駆動部12には、ロータ32の回転を検出可能にするため、好ましくはベルト駆動されるロータリーエンコーダ37が設けられる。ロータリーエンコーダ37からの出力は回転駆動部12を駆動する制御装置(図示せず)で使用される。
【0017】
望ましい場合には、同軸リニア可変変位変換器を、中空シャフトを通してシャフト13の端部15に結合しても良い。
【0018】
上述した構造は、アクチュエータがコンパクトであることに加え、試験片と結合したシャフトが正確に制御可能であるという利点がある。
【0019】
図2を参照すると、試験すべきサンプルを固定するテーブル40を有する材料試験装置が示されている。「サンプル」との用語は、試験が実行されることになる材料や構造物や部品を網羅することを意図している。垂直材41と横断ヘッド42からなる形態のフレームが、上述した電磁アクチュエータ10を支持する。横断ヘッド42には穴が形成されており、該穴を通してシャフト13が垂下される。シャフトの出力端14には試験すべきサンプルに固定される把持部が設けられる。センサ16は、より正確な結果を提供する理由から、横断ヘッド42に対して、試験すべきサンプルと同じ側にシャフト13上に配置されるのが好ましい。上述した構造により、何らリニアスラスト軸受を必要とすることなく、サンプルには直線方向の力と回転方向の力の双方が印加されるであろう。特に、そのような機構は大きい力を必要する材料検査装置に適している。リニアアクチュエータを備えた電磁アクチュエータ10は、材料試験装置において役に立つ瞬発的な力の付与と除去を提供すべく制御可能である。更に、ダイレクトドライブ・モータを備えた電磁アクチュエータ10の使用することで、軸力を供給する部品への摩耗を最小限にとどめつつ、同時に回転方向の力を供給できる状態で何千もの軸方向疲労テストを実施することができる。
【符号の説明】
【0020】
10 アクチェータ
11 直線駆動部
12 回転駆動部
13 共通シャフト
14 出力端部
15 他方の端部
16 分離型回転リニアエンコーダ
20 円筒状ハウジング
21 ステーターコイル
22 電機子
24 簡便手段
25a、25b リニア軸受
26a、26b 端フランジ
30 円筒状ハウジング
31 ステーターコイル
32 ロータ
35b 回転軸受
36 エンドプレート
37 ロータリーエンコーダ
40 テーブル
41 垂直材
42 横断ヘッド
図1
図2