(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の電力変換装置を図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態の車両用電力変換装置の全体構成図である。
図2は、第1の実施形態の車両用電力変換装置のフランジのA矢視図である。
図3は、第1の実施形態の車両用電力変換装置の第1ラッチ部の拡大図である。
図4は、第1の実施形態の車両用電力変換装置の筐体凹部のA矢視図である。
図5は、第1の実施形態の車両用電力変換装置のフランジと第1ラッチ部の取り付け図である。
図6は、第1の実施形態の車両用電力変換装置のフランジ取り付け後の図である。
図1乃至
図6を用いて第1の実施形態について説明する。
【0012】
(構成)
図1には、車体100、電力変換装置50、筐体51、実装部52、フランジ53、冷却フィン54、第1ラッチ55が示されている。車体100は車輪が図示しないレール上を回転することによって走行している。車体100のレール側の面である車体床下100aの外部側には電力変換装置50が設置されている。
【0013】
電力変換装置50は矩形の筐体51を外箱として構成され、その筐体51のレール側中
央部には凹部が設けられている。該凹部の底面である筐体凹部底面51aの筐体51内面
側に半導体素子やその他の電気品等が実装される実装部52を有している。また筐体凹部
底面51aの外面側かつ実装部52に対向する位置には冷却フィン54が取り付けられて
いる。冷却フィン54は、固定枠となるフランジ53の内周部に固定されて取り付けられ
、冷却フィン54が取り付けられたフランジ53は、筐体51と
ボルト等で固定される。
【0014】
図2に示すようにフランジ53は、4つの切欠き部(フランジ切欠き部53a、53b
、53c、53d)が設けられている。一端部側にフランジ切欠き部53a、53b設け
られる。そのフランジ切欠き部53a、53bが設けられた端部と対向するフランジ53
の端部にフランジ切欠き部53c、53dが設けられる。
図2では、フランジ切欠き部5
3aとフランジ切欠き部53dが、各端部において対向するように位置し、フランジ切欠
き部53bとフランジ切欠き部53cが、各端部において対向するように位置する。ただ
し、各フランジ切欠き部の位置や数においてはこの限りでない。
【0015】
次に、
図3に示すように、断面がL字状の板、第1ラッチ55(落下防止部品)は、筐体51の凹部の筐体凹部底面51a以外の側面である筐体凹部側面51bに設けられている。
図4に示すように、4つの第1ラッチ55が筐体51の凹部側面である筐体凹部側面51bに設けられている。そのとき第1ラッチ55a、第1ラッチ55bが1つの筐体凹部側面51bに設けられ、第1ラッチ55c、第1ラッチ55dが前述した第1ラッチ55aと第1ラッチ55bが設けられている筐体凹部側面51bと対向する位置にある筐体凹部側面55bに設けられる。
【0016】
(作用)
次に本実施形態の電力変換装置の構成を用いて、電力変換装置50にフランジ53を取り付ける取付け方法について説明する。
図5に示すように、第1ラッチ55aとフランジ切欠き部53aを、第1ラッチ55bとフランジ切欠き53bを、第1ラッチ55cとフランジ切欠き53cを、第1ラッチ55dとフランジ切欠き53dが合わさるように、フランジ53を配置する。第1ラッチ55a、55b、55c、55dとフランジ切欠き部53a、53b、53c、53dの位置を合わせた後、フランジ53を筐体凹部底面51a方向に押し上げる。フランジ53を筐体凹部底面51aに方向に押し上げると、フランジ53全体が、第1ラッチ53よりも筐体凹部底面51a側に位置することになる。つまり、
図3のような状態となる。フランジ53全体が第1ラッチ53よりも筐体凹部底面51a側に位置した際に、
図6に示すように第1ラッチ55a、55b、55c、55dとフランジ切欠き部53a、53b、53c、53dが異なる位置となるように、フランジ53を移動させる。フランジ53を移動させることで、各弟1ラッチ55がフランジ53のフランジ切欠き部53a、53b、53c、53dのない部分と重なることになる。
【0017】
(効果)
上記のような構成を有する本実施形態の電力変換装置は、フランジ53と筐体51を接
続している
ボルト等の固定器具が破損し場合、第1ラッチ55上部にフランジ53の外周
部が接触することになる。そのため、フランジ53が落下した場合においても筐体51内
においてフランジ53及び冷却フィン54が留まることになる。フランジ53と冷却フィ
ン54が筐体51外まで落下することないため、車両走行に重大な影響を及ぼすことがな
くなる。
【0018】
以上述べた実施形態の電力変換装置によれば、冷却部が落下した際に筐体内に留まる落下防止部品を設けることにより、簡易的な構造で電力変換装置の脱落を防止することが可能となる。なお
図1に記載された枕木方向はレール方向でもよい。
【0019】
また上述したもの以外に脱落の危険性があるものとして冷却部の他に、冷却部と電気品で構成されるユニット、カバー等の構造部品が考えられるが、それらの落下防止についても本実施形態の構成は適用可能である。
【0020】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。
図7は、第2の実施形態の車両用電力変換装置の第2ラッチ部の取り付け前図である。
図8は、第2の実施形態の車両用電力変換装置の第2ラッチ部の取り付け後図である。
【0021】
本実施形態は、第1の実施形態とは、落下防止部品であるラッチ部分の構造が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0022】
(構成)
図7及び
図8に示すように、本実施形態の第2ラッチ(落下防止部品)60は第2ラッ
チ固定部61、第2ラッチ留め部62、第2ラッチ可動部63を有している。第2ラッチ
固定部61は、第2ラッチ固定部61の一側面が筐体凹部側面51bに溶接等により固定
されている。第2ラッチ固定部61と第2ラッチ可動部63は第2ラッチ留め部62によ
って可動可能なように支持されている。このとき第2ラッチ留め部62は、例えば第2ラ
ッチ固定部61と第2ラッチ可動部63を貫通するような棒状のもので、第2ラッチ固定
部61と第2ラッチ可動部63から突出している部分を
ボルト等で固定することによって
第2ラッチ固定部61と第2ラッチ可動部63が接続している。また、例えば第2ラッチ
可動部63と第2ラッチ固定部61がバネによって構成される。
【0023】
(作用)
上記のような本実施形態の電力変換装置は、
図7に示すようにフランジ53を筐体51外から筐体凹部底面51a方向に押し上げると、フランジ53の外周部が第2ラッチ可動部63と接触する。フランジ53の外周部と第2ラッチ可動部63が接触した状態で、フランジ53を筐体凹部底面51a方向に更に押し上げると、第2ラッチ可動部63は第2ラッチ固定部61と同様に、第2ラッチ可動部63の広い一側面が筐体凹部側面51bに沿って位置することになる。つまり第2ラッチ60全体の長手方向が筐体凹部側面51bとほぼ並行しているような状態となる。
【0024】
その後、
図8に示すようにフランジ53が筐体凹部底面51aに接触し、取り付けられる。その際に、フランジ53は第2ラッチ可動部63よりも筐体凹部底面51a側に位置している。そのため、第2ラッチ可動部63は可動可能な領域で、筐体凹部側面51bに対して傾斜を有することになる。
【0025】
(効果)
上記のような構成を有する本実施形態の電力変換装置は、フランジ53と筐体51を接続しているボトル等の固定器具が破損した場合、第2ラッチ可動部63上部にフランジ53の外周部が接触することになる。そのため、フランジ53が落下した場合においても筐体51内においてフランジ53及び冷却フィン54が留まることになる。フランジ53と冷却フィン54が筐体51外まで落下することないため、車両走行に重大な影響を及ぼすことがなくなる。
【0026】
以上述べた少なくとも1つの実施形態の電力変換装置によれば、冷却部が落下した際に筐体内に留まる落下防止部品を設けることにより、簡易的な構造で電力変換装置の脱落を防止することが可能となる。
【0027】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。
図9は、第3の実施形態の車両用電力変換装置の第3ラッチ部の取り付け前図である。
図10は、第3の実施形態の車両用電力変換装置の第3ラッチ部の取り付け後図である。尚、
図1乃至8と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0028】
本実施形態は、第1の実施形態とは、落下防止部品であるラッチ構造が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0029】
(構成)
図9、
図10に示すように、本実施形態の第3ラッチ70は第3ラッチ補助部71、第3ラッチ留め部72、第3ラッチ可動部73を有している。矩形の第3ラッチ補助部71は、第3ラッチ補助部71の一側面が筐体凹部側面51bに溶接等により固定されている。略L字型の第3ラッチ可動部73は、第3ラッチ留め部72によって、第3ラッチ可動部73の一端部がフランジ53と可動可能なように接続されている。このとき例えば第3ラッチ留め部72は、ボルト等によって構成される。第3ラッチ可動部73は開口部を有しており、フランジ53側に凹部がある場合、第3ラッチ可動部73の開口部側からフランジ53の凹部に向けてネジ状になった棒を挿入する。第3ラッチ可動部73側に突出しているネジ状の棒端部はナットによって固定される。そのため、フランジ53と第3ラッチ可動部73はボルトを介して接続している。また、例えば第3ラッチ可動部73はバネによって構成される。
【0030】
(作用)
上記のような本実施形態の電力変換装置は、
図9に示すようにフランジ53を筐体51外から筐体凹部底面51a方向に押し上げる際に、第3ラッチ可動部73をフランジ53の冷却フィン側に収納する。フランジ53の内側に第3ラッチ可動部73が収納された状態で、フランジ53を筐体凹部底面51a方向に更に押し上げると、
図10に示すようにフランジ53が筐体凹部底面51aに接触し、取り付けられる。その際に、第3ラッチ可動部73の固定されていない側の端部は、フランジ53よりも筐体凹部側面51b側に突出する。突出した第3ラッチ可動部73の端部のレール側(下側)には、第3ラッチ補助部71が設けられている。
【0031】
(効果)
上記のような構成を有する本実施形態の電力変換装置は、フランジ53と筐体51を接
続している
ボルト等の固定器具が破損し場合、第3ラッチ可動部73の一端部と第3ラッ
チ補助部71が接触することになる。そのため、フランジ53が落下した場合においても
筐体51内においてフランジ53及び冷却フィン54が留まることになる。フランジ53
と冷却フィン54が筐体51外まで落下することないため、車両走行に重大な影響を及ぼ
すことがなくなる。
【0032】
以上述べた少なくとも1つの実施形態の電力変換装置によれば、冷却部が落下した際に筐体内に留まる落下防止部品を設けることにより、簡易的な構造で電力変換装置の脱落を防止することが可能となる。
【0033】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。
図11は、第4の実施形態の車両用電力変換装置の第4ラッチ部の全体構成図である。
図12は、第4の実施形態の車両用電力変換装置の第4ラッチ部の第1取り付け前図である。
図13は、第4の実施形態の車両用電力変換装置の第4ラッチ部の第2取り付け前図である。
図14は、第4の実施形態の車両用電力変換装置の第4ラッチ部の取り付け後図である。尚、
図1乃至10と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態は、第1の実施形態とは、落下防止部品であるラッチ構造が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0035】
(構成)
図11、
図12、
図13、
図14に示すように、本実施形態の第4ラッチ80は、円筒状の第4ラッチ固定部81と、板状の第4ラッチ引掛け部82を有している。第4ラッチ固定部81は、フランジ53の筐体凹部底面51a側に取り付けられている。第4ラッチ引掛け部82は、第4ラッチ固定部81内の一端部側に収納可能な状態で取り付けられている。このとき、第4ラッチ引掛け部82に何も力が加わっていない状態の場合は、第4ラッチ引掛け部82は第4ラッチ固定部81の外側に一部突出した状態となっている。
【0036】
(作用)
上記のような本実施形態の電力変換装置は、
図12に示すようにフランジ53を筐体51外から筐体凹部底面51a方向に押し上げる際に、
図13に示すように、第4ラッチ固定部81が筐体凹部底面51aに開口している筐体開口部51cと同位置となるように配置する。第4ラッチ固定部81が筐体開口部51cを通過する際、第4ラッチ引掛け部82は、筐体開口部51cの側面と接触することで第4ラッチ固定部81内に一部または全てが収納される状態となる。フランジ53を筐体凹部底面51a方向に更に押し上げると、
図14に示すようにフランジ53が筐体凹部底面51aに接触し、取り付けられる。その際に、第4ラッチ固定部81のフランジ53と固定されていないほうの端部は筐体凹部底面51aより筐体51内部に突出することになる。該端部に設けられている第4ラッチ引掛け部82は、外部からの圧力が何もないため、第4ラッチ固定部81より外に突出することになる。
【0037】
(効果)
上記のような構成を有する本実施形態の電力変換装置は、フランジ53と筐体51を接
続している
ボルト等の固定器具が破損し場合、第4ラッチ引掛け部82の一部と筐体凹部
底面51aの一部が接触することになる。そのため、フランジ53が落下した場合におい
ても筐体51内においてフランジ53及び冷却フィン54が留まることになる。フランジ
53と冷却フィン54が筐体51外まで落下することないため、車両走行に重大な影響を
及ぼすことがなくなる。
【0038】
以上述べた少なくとも1つの実施形態の電力変換装置によれば、冷却部が落下した際に筐体内に留まる落下防止部品を設けることにより、簡易的な構造で電力変換装置の脱落を防止することが可能となる。
【0039】
(変形例)
次に、前述した第4ラッチと同様の構造を有する第5ラッチの取り付け位置が異なる場合について説明する。
図15は、第4の実施形態の変形例の車両用電力変換装置の第5ラッチ部の第1取り付け前図である。
図16は、第4の実施形態の変形例の車両用電力変換装置の第5ラッチ部の第2取り付け前図である。
図17は、第4の実施形態の変形例の車両用電力変換装置の第5ラッチ部の取り付け後図である。尚、
図1乃至14と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0040】
本実施形態は、第4の実施形態とは、落下防止部品であるラッチの取り付け場所が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0041】
(構成)
図15に示すように、第5ラッチ90は筐体凹部底面51aの外面に設けられている。また、フランジ53には第5ラッチ90の取り付け位置と合わせてフランジ開口部53eが設けられている。前述した第4ラッチ80と同様の構成を有する第5ラッチについての説明は省略する。
【0042】
(作用)
上記のような本実施形態の電力変換装置は、
図15に示すようにフランジ53を筐体51外から筐体凹部底面51a方向に押し上げる際に、第5ラッチ固定部91がフランジ開口部53eと同位置となるように配置する。
図16に示すように、第5ラッチ固定部91がフランジ開口部53eを通過する際、第5ラッチ引掛け部92は、フランジ開口部53eの側面と接触することで第5ラッチ固定部91内に一部または全てが収納される状態となる。フランジ53を筐体凹部底面51a方向に更に押し上げると、
図17に示すようにフランジ53が筐体凹部底面51aに接触し、取り付けられる。その際に、第5ラッチ固定部81の筐体凹部底面51aと固定されていないほうの端部はフランジ53より冷却フィン54側に突出することになる。該端部に設けられている第5ラッチ引掛け部92は、外部からの圧力が何もないため、第5ラッチ固定部91より外に突出することになる。
【0043】
(効果)
以上のような構成は、前述した第4の実施形態と同様の構成を有するだけでなく、フランジ53を筐体51から取り外す際に、例えば筒状のラッチ解除器具を使用することによって、第5ラッチ引掛け部92を容易に第5ラッチ固定部91内に収納することが可能となる。そのため、安全性に加えて装置の脱着性が向上することになる。
【0044】
(第の5実施形態)
第5の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。
図18は、第2の実施形態の車両用電力変換装置の第2ラッチを解除するラッチ解除器具斜視図である。
図19は、第2の実施形態の車両用電力変換装置の第2ラッチを解除するラッチ解除器具拡大図である。尚、
図1乃至17と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施形態は、第2の実施形態のラッチ機能(落下防止機能)を解除するための道具である。以下、その点について詳細に説明する。
【0046】
(構成)
図18に示すラッチ解除器具110は、受け板111、ラッチ解除棒112、調整部113、台座114を有している。板状の台座114上には、上下の高さ調整が可能な調整部113が取り付けられている。調整部113の台座114と接続してないもう一方の端部には、板状の受け板111が取り付けられている。受け板111と台座114は、それぞれの広い面が対向するように位置している。また、受け板111の調整部113と接続されていないほうの面にはコの字上のラッチ解除棒112が取り付けられている。このとき、ラッチ解除棒112の端部は両方ともに受け板111と接続している。
【0047】
(作用)
このような構成のラッチ解除器具は、
図19に示すように、例えば第2ラッチ
図8のようなフランジ53を筐体51に取り付けた後の状態となっていた場合、ラッチ解除器具110を筐体51の凹部に合わせて配置させる。その後、調整部113によって筐体凹部底面51a方向にラッチ解除器具110の受け板112を押し上げる。受け板112を押し上げると受け板112に取り付けられているラッチ解除棒112も筐体凹部底面51a側に押し上げられる。その際に、ラッチ解除棒112の一部が第2ラッチ可動部63のレール側の面に接触する。
【0048】
ラッチ解除棒110の一部と第2ラッチ可動部63が接触した状態で、ラッチ解除棒110を筐体凹部底面51a方向に更に押し上げると、第2ラッチ可動部63は第2ラッチ固定部61と同様に、第2ラッチ可動部63の広い一側面が筐体凹部側面51bに沿って位置することになる。つまり第2ラッチ60全体の長手方向が筐体凹部側面51bとほぼ並行しているような状態となる。
【0049】
(効果)
上記のような構成を有するラッチ解除器具は、少なくとも1つの実施形態のラッチの落下防止機能を容易に解除することが可能となる。
【0050】
(第6の実施形態)
次に、第1乃至第4の実施形態と組み合わせ可能な車両用電力変換装置の周辺構造について
図20を用いて説明する。
図20(A)は、第6の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造示す第1図である。
図20(B)は、第6の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造を示す第2図である。尚、
図1乃至19と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0051】
(構成)
図20には、車体100の車体床下100a、電力変換装置50、筐体51、51a
筐体凹部底面、51c筐体底面、実装部52、フランジ53、冷却フィン54、点検部120、第1点検部用ラッチ121、ヒンジ122、第1点検扉123、電気品150が示されている。
【0052】
車体床下100aには進行方向に沿って、電力変換装置50の筐体51の両側に電気品1
50が設置されている。筐体51の電気品150に対向している面には、筐体51内に設
置されている実装部52を点検するための開口部を有する点検部120が設けられている
。点検部
120の開口部には、該開口部を覆うようなカバーが設けられていてもよい。ま
た、点検部
120の下部(車体床下100aよりも図示しないレール側に位置する筐体底
面51c側)には、断面がL字型となる長板の第1点検部用ラッチ121が、筐体51の
側面に取り付けられている。このとき、第1点検部用ラッチ121は、そのL字の一端部
側面が筐体51の側面と接合しており、また他端部が筐体51から電気品150方向に延
出している。筐体51と対向する電気品150面上で、第1点検部用ラッチ121と略対
向する位置にヒンジ122が設けられている。ヒンジ122は、第1点検扉123が可動
可能なように第1点検扉の一端部と接続され、支持している。このとき、第1点検扉12
3の他端部は、第1点検部用ラッチ121のL字延出部分の車両床下100aに対向する
側面上(L字延出部上面)と接触可能となる。
【0053】
(作用)
このような本実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の作用を説明する。
【0054】
図20(A)に示すように、第1点検扉123は第1点検部用ラッチ121のL字延出部上面に引っかかるようにして接触する。このとき、電気品150及び電力変換装置50、第1点検扉123で囲まれた内部空間124が保持される。つまり、内部空間124は外部と第1点検扉123で仕切られている。
【0055】
次に、
図20(B)を用いて、第1点検扉123が上方向に可動した場合について説明する。図に示すように、第1点検扉123はヒンジ122と一端部が接続することによって、ヒンジ122と接続していない端部が少なくとも90度は可動可能なように設けられている。
図20(A)の第1点検扉123の端部が約90度、電気品150側に移動したのが
図20(B)の第1点検扉となる。90度移動後の第1点検扉123は、電気品150に設けられている固定具によって固定されることも可能である。またヒンジ123の回転をロックするような固定具によって固定することも可能である。このとき、電気品150と電力変換装置50間は、開口部を有することになる。
【0056】
(効果)
上記のような構成を有する実施形態は、第1点検扉をヒンジ及び第1点検部用ラッチによって容易に開閉することが可能となる。つまり、点検扉を移動させた後の開口部より、第1点検部を介して筐体内に容易にアクセスするできるため、点検部からの保守作業の簡易化が可能となる。また、通常の車両の走行時は、第1点検扉によって外部から筐体内への粉塵の流入を防止することが可能となる。
【0057】
以上のことから本実施形態の車両用電力変換装置は、第1乃至5の実施形態の効果に加え、電力変換装置外部から内部への粉塵等の流入を軽減しながらもメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0058】
(第7の実施形態)
次に、第1乃至第4の実施形態と組み合わせ可能な車両用電力変換装置の周辺構造について
図21を用いて説明する。
図21(A)は、第7の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造を示す第1図である。
図21(B)は、第7の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造を示す第2図である。尚、
図1乃至20と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0059】
(構成)
本実施形態の構成は、第6の実施形態の構成と点検扉と点検部用ラッチの接触構造が異なっている。以下、その点について説明する。
【0060】
第2点検扉133の一端部は電気品150に取り付けられているヒンジ132と接続し、他端部は筐体51側まで延在している。第2点検扉133の延在側端部は、筐体51の側面に取り付けられている第2点検部用ラッチのL字延出部の下側(筐体底面51c側)に位置する。このとき、第2点検扉133の延在側端部と、第2点検部用ラッチのL字延出部は、互いに重なる側面部分を有することになる。該重複面部分において、第2点検扉133の延在側端部と第2点検部用ラッチ131のL字延出部は、双方が貫通するような貫通孔135を有している。貫通孔135には、ネジやボルト等の取付け具134を差し込むことが可能である。取付け具134によって、第2点検扉133は第2点検部用ラッチ131に固定される。
【0061】
(作用)
このような構成を有する本実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の作用について説明する。
【0062】
図21(A)に示すように、第2点検扉133は第2点検部用ラッチ131のL字延出部下面に接触するように取付け具134で固定される。このとき、電気品150及び電力変換装置50、第2点検扉133で囲まれた内部空間134が保持される。つまり、内部空間134は外部と第2点検扉133で仕切られている。
【0063】
次に、
図21(B)を用いて、第2点検扉133が下方向に可動した場合について説明する。図に示すように、第2点検扉133の一端部がヒンジ132と接続することによって、ヒンジ132と接続していない端部が少なくとも90度は可動可能なように設けられている。
図21(A)の第2点検扉133の端部が約90度、下方向(筐体底面側)から電気品150側に移動したのが
図21(B)の第2点検扉133となる。90度移動後の第2点検扉133は、電気品150に設けられている固定具によって固定されることも可能である。またヒンジ133の回転をロックするような固定具によって固定することも可能である。このとき、電気品150と電力変換装置50間は、開口部を有することになる。
【0064】
(効果)
上記のような構成を有する実施形態は、第2点検扉をヒンジ、第2点検部用ラッチ、取付け具によって容易に開閉・固定することが可能となる。そのため、第2点検扉を移動させた後の開口部より、点検部を介して筐体内に容易にアクセスできるため、点検部からの保守作業の簡易化が可能となる。また、通常の車両の走行時は、第2点検扉によって外部から筐体内への粉塵の流入を防止することが可能となる。さらに、第2点検扉が下方開閉することで、第2点検扉により点検作業中であることが容易に認識可能であり、また認識可能であることから第2点検扉の閉め忘れ防止効果もある。
【0065】
以上のことから本実施形態の車両用電力変換装置は、第1乃至5の実施形態の効果に加え、電力変換装置外部から内部への粉塵等の流入を軽減しながらもメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0066】
(第8の実施形態)
次に、第1乃至第4の実施形態と組み合わせ可能な車両用電力変換装置の周辺構造について
図22を用いて説明する。
図22は、第8の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造を示す図である。尚、
図1乃至21と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0067】
(構成)
本実施形態の構成は、第6の実施形態の電気品と筐体の大きさが異なることによって点検扉と点検部用ラッチの接触構造が異なっている。以下、その点について説明する。
【0068】
第3点検扉143の一端部は電気品151に取り付けられているヒンジ142と接続し、他端部は筐体51側まで延在している。第3点検扉143の延在側端部は、筐体51の側面に取り付けられている第3点検部用ラッチ141のL字延出部の上面側(車体底面100a側)に位置する。このとき、第3点検部用ラッチ141は第1点検部用ラッチ121及び第2点検部用ラッチ131よりも大きい内角を有する。また、第3点検扉143の延在側端部と、第3点検部用ラッチ141のL字延出部は、互いに重なる側面部分を有することになる。このとき、電気品151の底面(電気品底面152)は、筐体51よりも図示しないレール方向の下方に位置している。そのため、第3点検扉143は、電気品151側端部から筐体51側端部にかけて傾斜を有して位置している。
【0069】
(作用)
このような構成を有する本実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造は、第6の実施形態と同様の作用を有する。
【0070】
(効果)
上記のような構成を有する実施形態は、第3点検扉をヒンジ及び第3点検部用ラッチによって容易に開閉することが可能となる。そのため、第3点検扉を移動させた後の開口部より、点検部を介して筐体内に容易にアクセスできるため、点検部からの保守作業の簡易化が可能となる。また、通常の車両の走行時は、第3点検扉によって外部から筐体内への粉塵の流入を防止することが可能となる。
【0071】
以上のことから本実施形態の車両用電力変換装置は、第1乃至5の実施形態の効果に加え、電力変換装置外部から内部への粉塵等の流入を軽減しながらもメンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態の構成を第7の実施形態の構成と組みあせて第3点検扉を第3点検部用ラッチのL字延出部下側からボルトやネジ等の取付け具で固定することも可能である。その際も第7実施形態と本実施形態と同様の作用を得ることが可能である。
【0073】
(第9の実施形態)
次に、第1乃至第4の実施形態と組み合わせ可能な車両用電力変換装置の周辺構造について
図23、
図24、
図25を用いて説明する。
図23は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造を示す図である。
図24(A)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第1冷却風整流板C矢視図である。
図24(B)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第1冷却風整流板D矢視図である。
図24(C)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第2冷却風整流板のC矢視図である。
図24(D)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第2冷却風整流板D矢視図である。
図25(A)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第3冷却風整流板のC矢視図である。
図25(B)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第3冷却風整流板D矢視図である。
図25(C)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第4冷却風整流板C矢視図である。
図25(D)は、第9の実施形態の車両用電力変換装置の周辺構造の第4冷却風性整流板D矢視図である。
【0074】
尚、
図1乃至22と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0075】
(構成)
本実施形態は第6の実施形態とは、第1点検扉123に第1冷却風整流板が取り付けられている点が異なっている。以下、その点について説明する。
【0076】
図23に示すように、第1冷却風整流板125は、第1点検扉123の下面(車体床下100aと対向する面と反対側の面)に設けられている。
【0077】
図24(A)に
図23のC方向からの第1冷却風整流板125を示し、
図24(B)に
図23のD方向からの第1冷却風整流板125を示す。
図24に示すように、第1冷却風整流板125は、複数枚の長板が等間隔かつ、広い面が互いに対向するように設置される。
【0078】
次に、冷却風整流板の変形例を
図24(C)(D)及び
図25(A)(B)(C)(D)を用いて説明する。
【0079】
図24(C)に
図23のC方向からの第2冷却風整流板を示し、(D)に
図23のD方向からの第2冷却風整流板を示す。第2冷却風整流板126は、断面がマス目状となる形状を有している。詳細には、第1冷却風整流板125の複数枚の長板と直交し、貫通するように長板を追加する構成となる。
【0080】
図25(A)に
図23のC方向からの第3冷却風整流板を示し、(B)に
図23のD方向からの第3冷却風整流板を示す。第3冷却風整流板127は、断面が波状となる長板である。このとき、一方向の波の頂点部分が第1点検扉123と接合されることで、第3冷却風整流板127は第1点検扉123に固定される。また、この波状となる長板が第1点検扉と一体化した構造も可能である。そのときは第3冷却風整流板と同様に、一端部はヒンジと接続し、他端部は点検部用ラッチと接触可能な構造である。
【0081】
図25(C)に
図23のC方向からの第4冷却風整流板を示し、(D)に
図23のD方向からの第4冷却風整流板を示す。第4冷却風整流板128は第3冷却風整流板127が2枚重なった構成を有している。詳細には、第4冷却風整流板128は、断面が波状のなる長板の第4冷却風整流板128aと第4冷却風整流板128bを有している。第4冷却風整流板128aは、一方向の波の頂点が第1点検扉123と接合している。また第4冷却風整流板128bは、第4冷却風整流板128aが第1点検扉123と接合している波の頂点部とは反対側の波の頂点部と接合する。このとき、第4冷却風整流板128aの波の頂点部と第4冷却風整流板128bの波の頂点部はずれて位置している。そのため、第4冷却風整流板128は、第4冷却風整流板128aと第4冷却風整流板128bに囲まれた空洞を複数個、有することになる。
【0082】
(作用)
本実施形態の作用について以下に説明する。
【0083】
まずは、
図23及び
図24(A)(B)の第1冷却風整流板125時の作用を説明する。車両が走行すると電気品150及び筐体51の底面を外気が流動する。例えば
図23において左方向から右方向に外気が流れていた場合、電気品150の底面に沿って流れている外気は、第1冷却風整流板125の長板間を通過する際に整流され、冷却フィン54へ向かって流れることになる。
【0084】
次に、
図24(C)(D)の第2冷却風整流板126時の作用について説明する。車両が走行すると電気品150及び筐体51の底面を外気が流動する。電気品150の底面に沿って流れている外気は、第2冷却風整流板126と第1点検扉123で構成するマス目を通過する際に整流され、冷却フィンへ向かって流れることになる。
【0085】
次に、
図25(A)(B)の第3冷却風整流板127時の作用について説明する。車両が走行すると電気品150及び筐体51の底面を外気が流動する。電気品150の底面に沿って流れている外気は、第3冷却風整流板127と第1点検扉123の間及び、第3冷却風整流板間を通過する際に整流され、冷却フィン54へ向かって流れることになる。
【0086】
次に、
図25(C)(D)の第4冷却風整流板128時の作用について説明する。車両が走行すると電気品150及び筐体51の底面を外気が流動する。電気品150の底面に沿って流れている外気は、第4冷却風整流板128aと第1点検扉123間、第4冷却風整流板128aと第4冷却風整流板128b間、第4冷却風整流板128b間を通過する際に整流され、冷却フィン54へ向かって流れることになる。
【0087】
(効果)
このように構成された本実施形態の車両用電力変換装置は、第1点検扉に冷却風整流板が取り付けられていることにより、車両の床下を流れる多くの乱流が含まれる外気を冷却風整流板によって整流し、乱流を持たない外気を冷却フィンに流すことになるため、
より多くの外気が冷却風として冷却フィンを通過することになる。
【0088】
またこのとき、第2乃至4の冷却風整流板はよりおおくの風洞を有数する構成のため、整流効果が高く、冷却フィンへ流入する冷却風量の増加効果が考えられる。
【0089】
なお、本実施形態の構成は第6乃至第8の実施形態と組み合わせることが可能である。各実施形態と組み合わせた際は、各実施形態と本実施形態と双方の効果が得られる。
【0090】
また、第6乃至第9の実施形態に記載された点検扉は電気品または筐体のどちらにでも接続可能である。
【0091】
また第6乃至第9の実施形態に記載された筐体と電気品間に距離がある場合は、筐体と電気品間に車体に梁を取り付けることで、該梁と筐体間で上記実施形態の構成を取ることも可能である。
【0092】
上記で説明された全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。そのため、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。