【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、本発明の実施形態によるデバイス及び方法によって達成される。
【0013】
本発明の特定の且つ好ましい態様は、添付する独立請求項及び従属請求項において詳説する。従属請求項からの特徴は、独立請求項の特徴及び他の従属請求項の特徴と、適切に且つ単に請求項に明記されただけでないものとして組み合わせてもよい。
【0014】
第1の態様で、本発明の実施形態は、ソース−チャネル−ドレイン構造、ゲート電極及びゲート誘電体とを備えたトンネル電界効果トランジスタ(TFET)を開示する。ソース−チャネル−ドレイン構造は、少なくとも1つのドープされたソース領域と、少なくとも1つのドープされたドレイン領域と、ソース領域とソース−チャネル界面を、ドレイン領域とドレイン−チャネル界面を形成するようにソース領域とドレイン領域との間に位置する、少なくとも1つのチャネル領域とを有する。ソース領域は、第1ドーピング型のドーパント元素を用いた、第1ピーク濃度を有する第1ドーピングプロファイルでドープされた第1ソースサブ領域を含む。さらに、ソース領域は、ソース−チャネル界面に近接し、該界面から0以上5nm以下の位置に境界を有する第2ソースサブ領域を含む。第2ソースサブ領域は、第1ドーパント元素と同じドーピング型を有する第2ドーパント元素を用い、第2ピーク濃度を有する第2ドーピングプロファイルでドープされる。第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面が規定され、第2ドーピングプロファイルの第2ピーク濃度は、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の、界面の位置又は該界面に近接する位置(例えば界面から第1ソースサブ領域に向かって最大5nmの距離の位置)での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルより充分高い。第1ドーピングプロファイルを有するソースサブ領域と第2ドーピングプロファイルを有するソースサブ領域との間の界面は、第1ドーピングプロファイルと第2ドーピングプロファイルとが同じドーピングレベルを有するソース領域での面位置又は深さ位置として規定される。
【0015】
ゲート電極は、チャネル領域及びドレイン領域が該ゲート電極に覆われないように、ソース領域の少なくとも一部を長手方向に沿って覆う。
【0016】
ゲート誘電体は、ゲート電極とソース領域との間で、その長手方向に延在している。
【0017】
第2ソースサブ領域はまた、ソース領域のポケット領域と呼ぶこともできる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面に近接する位置での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルは、界面から第1ソースサブ領域に向かって最大5nmの距離での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルである。
【0019】
本発明の実施形態によれば、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面に近接する位置での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルは、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面での第1ドーピングプロファイルのドーピングレベルである。
【0020】
本発明の実施形態によれば、第1ドーパント元素のドーピング元素と第2ドーパント元素のドーピング元素とは同じでもよい。n−TEFTの場合、第1ドーパント元素及び/又は第2ドーパント元素は、好ましくは、ボロン(B)、アルミニウム(Al)を含む群から選択することができる。p−TEFTの場合、第1ドーパント元素及び/又は第2ドーパント元素は、好ましくは、リン(Ph)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)を含む群から選択することができる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、TFETのソース領域、即ち第1ソースサブ領域及び第2ソースサブ領域は、p型ドープ又はn型ドープされた半導体材料で作成されてもよい。
【0022】
本発明の実施形態によれば、TFETのドレイン領域は、p型ドープ又はn型ドープされた半導体材料で作成されてもよい。
【0023】
第2ソースサブ領域を構成する半導体材料は、好ましくは、第1ソースサブ領域を構成する材料と同じ半導体材料である。
【0024】
本発明の実施形態によれば、第2ソースサブ領域は、幅Wによって規定され、該第2ソースサブ領域の幅Wは、好ましくは単分子層以上10nm以下の範囲にある。第2ソースサブ領域の幅Wは、さらに好ましくは2nm以上6nm以下の範囲にある。第2ソースサブ領域の幅Wは、第2ドーピングプロファイルの幅によって規定されてもよい。例えば、第2ドーピングプロファイルがガウシアンプロファイルである場合、幅Wは、ガウシアンプロファイルの半値全幅(FWHM)によって規定されてもよい。
【0025】
ソース領域は、ゲート誘電体に隣接する面を有する。本発明の実施形態によれば、第2ソースサブ領域は、ゲート誘電体に隣接する面から距離Tを隔てた場所に位置し、該距離Tは長手方向に垂直に測定され、該距離Tは好ましくは0以上10nm以下であり、例えば0以上5nm以下である。
【0026】
本発明の実施形態によれば、第2ソースサブ領域、例えばソース−チャネル界面に最近接した第2ソースサブ領域のエッジは、ソース−チャネル界面から距離Dのところに位置し、該距離Dは好ましくは0以上10nm以下であり、例えば0以上5nm以下である。
【0027】
ドーピングプロファイルは、ピークドーピング濃度によって規定され、また、ドーピング傾度又はドーピング勾配によって規定されてもよい。
【0028】
TFET内の第1ソースサブ領域の第1ソースピーク濃度は、10
18/cm
3以上10
21/cm
3以下でもよく、例えば第1ソースサブ領域のピークドーピング濃度(即ち、第1ドーピングレベル)は、10
19/cm
3以上5×10
20/cm
3以下でもよい。
【0029】
TFET内のドレイン領域のドレインピーク濃度は、10
17/cm
3以上10
21/cm
3以下でもよい。
【0030】
第2ドーピングプロファイルは、第2ピークドーピング濃度によって規定されてもよい。第2ドーピングプロファイルについての最適ピーク濃度は、さまざまなパラメータ、例えば第2ソースサブ領域の第2ドーピングプロファイルの形状(即ち、幅W、距離D及び距離W)、第2ソースサブ領域のドーピング元素、第1ソースサブ領域の第1ドーピングプロファイル(即ち、第1ピークドーピング濃度、第1ドーピング元素及びソース−チャネル界面に向かっての第1ドーピング勾配)、TFETデバイスの所望のオン電流等に依存する。
【0031】
実施形態によれば、第2ピーク濃度は、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面の位置で、又は該界面に近接する位置での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルより4倍高い。
【0032】
本発明の実施形態によれば、TFET内のチャネル領域は、アンドープ又は低度にドープされた(nドープ又はpドープされた)半導体材料で作成され、ソース領域とドレイン領域との間に位置してもよい。
【0033】
TFET内のチャネル領域のドーピングレベルは、アンドープ状態から最大10
17/cm
3の範囲でもよく、例えばチャネル領域のドーピングレベルは、アンドープ状態から最大5×10
15/cm
3の範囲でもよい。
【0034】
本発明の実施形態によるTFETでは、全体的な半導体材料、即ち(第1及び第2)ソースサブ領域、チャネル領域及びドレイン領域を形成する材料は、Si、Ge、CのようなIV族材料及びその二元化合物、並びに、In、Ga、As、Sb、Al、P、B、NのようなIII/V族材料及びその二元化合物、三元化合物及び四元化合物、並びに、Cd、Zn、S、Se、Te、OのようなII/VI族材料及びその二元化合物、三元化合物及び四元化合物、並びにカーボンナノチューブの少なくとも1つから選択されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態によれば、ゲート電極は、部分的に又は完全にソース領域を覆ってもよい。ソース領域を部分的にのみ覆うゲート電極についてさまざまな実施例が可能である。実施形態によれば、ゲート電極に覆われないソース領域の長さとして規定されるアンダーラップL
underlapが存在してもよい。このアンダーラップL
underlapは、ゲート電極の片側又は両側に存在してもよい。つまり、ソース−チャネル界面側での第1アンダーラップ及び/又はソース−電極側での第2アンダーラップが存在してもよい。
【0036】
本発明の実施形態によれば、ゲート電極材料は、導電性材料で作成されてもよい。ゲート電極材料は、ポリシリコン、ポリゲルマニウム、Al、W、Ta、Ti、Ru、Pd、Rh、Re、Ptのような金属及びこれらの合金、TaN及びTiNのような金属窒化物、TaSiNのような金属シリコン窒化物、RuO
2及びReO
3のような導電性酸化物、CoSi
2、NiSi及びTiSi
2のようなFUSI(fully silicided metal)、FUGE(fully germanided metal)の少なくとも1つから選択された材料でもよい。ゲート電極材料は、特定のゲート仕事関数が得られるように選択してもよい。
【0037】
本発明の実施形態によるTFETは、さらに第1ソースサブ領域及びドレイン領域への電気的コンタクトを含んでもよい。第1ソースサブ領域上及びドレイン領域上の電気的コンタクトは、シリサイド含有構造(NiSi、CoSi
2、TiSi
2等)、ゲルマニド含有構造、金属含有構造、ポリシリコン又はこれらの組み合わせの少なくとも1つから選択された導電性材料でもよい。前記ソース領域上及びドレイン領域上の電気的コンタクトは、金属とシリサイドとの化合物でもよい。
【0038】
本発明の特定の実施形態によれば、ソース−チャネル−ドレイン構造は、プレーナ構造でもよい。これらの実施形態では、TFET内のゲート電極は、プレーナ型ソース−チャネル−ドレイン構造のソース領域の上部に位置するシングルゲート構造でもよい。
【0039】
本発明の別の実施形態によれば、ソース−チャネル−ドレイン構造は、水平構造、即ち、基板平面内に横たわる構造でもよい。また、ゲート電極は、前記水平ソース−チャネル−ドレイン構造のソース領域の側壁に位置するダブルゲート構造でもよい。
【0040】
本発明の別の実施形態によれば、TFETは、トリプルゲートFET(例えばFinFET)でもよい。これらの実施形態では、ゲート電極は、トリプルゲートFETのソース−チャネル−ドレイン構造のソース領域の側壁及び上部に位置するトリプルゲート構造でもよい。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ソース−チャネル−ドレイン構造は、水平構造又は垂直構造でもよい。これらの実施形態では、ゲート電極は、水平又は垂直ソース−チャネル−ドレイン構造のソース周囲のオールアラウンド型ゲート構造でもよい。
【0042】
本発明の実施形態によれば、TFETは、ナノワイヤを備えてもよく、これはNW−TFETとも呼ばれる。長手軸に直交するナノワイヤの直径は、1nm以上500nm以下でもよく、例えばナノワイヤの直径は、2nm以上200nm以下でもよい。使用する長手軸に沿ったナノワイヤの長さは、5nm以上50μm以下でもよく、例えば本発明のTFET内で使用するナノワイヤの長さは、10nm以上1μm以下でもよい。
【0043】
本発明の実施形態によれば、TFETは、ヘテロ部分(heterosection)又はヘテロ構造を有するNW−TFETでもよい。ヘテロ部分又はヘテロ構造の長さは、1nm以上50nm以下でもよく、例えばヘテロ部分の長さは2nm以上10nm以下でもよい。本発明のTFETのヘテロ部分のドーピングレベルは、1×10
18/cm
3以上1×10
21/cm
3以下でもよく、例えばヘテロ部分のドーピングレベルは1×10
19/cm
3以上5×10
20/cm
3以下でもよい。ヘテロ部分又はヘテロ構造は、第2ソースサブ領域を含む。
【0044】
第2の態様で、本発明の実施形態は、トンネル電界効果トランジスタ(TFET)の製造方法を開示する。該方法は、半導体基板上に、ドレイン領域、ソース領域及びチャネル領域を設けることを含む。ドレイン領域は、ドレイン半導体材料で作成される。チャネル領域は、低度にドープされた、又はアンドープのチャネル半導体材料で作成され、前記ドレイン領域と接触し、ドレイン領域とチャネル領域との間にドレイン−チャネル界面を形成する。ソース領域は、ソース半導体材料で作成され、チャネル領域と接触し、ソース領域とチャネル領域との間にソース−チャネル界面を形成する。該方法はさらに、ソース領域の少なくとも一部を長手方向に沿って覆うゲート電極を設けることを含み、チャネル領域及びドレイン領域が該ゲート電極に覆われないようにする。該方法はさらに、ゲート電極とソース領域の覆われる部分との間にゲート誘電体を設けることを含む。該方法はさらに、ソース領域及びドレイン領域をドープすることを含む。ソース領域をドープすることは、第1ソースサブ領域と呼ばれるソース領域の第1領域を、第1ドーピング型を有する第1ドーパント元素を用いて、第1ピーク濃度を有する第1ドーピングプロファイルでドープすることと、ソース−チャネル界面に近接する、第2ソ−スサブ領域とも呼ばれるソース領域の第2領域を、第1ドーピング型と同じドーピング型を有する第2ドーパント元素で、第1ソースサブ領域と第2ソースサブ領域との間の界面の位置又は該界面に近接する位置での最大ドーピングレベルより充分高い第2ピーク濃度を有する第2ドーピングプロファイルでドープすることとを含む。
【0045】
ドレイン領域は、ソース領域、即ち、第1,第2ソースサブ領域それぞれの第1,第2ドーピング型に対して反対のドーピング型を有するドーパント元素でドープする。
【0046】
第1ソースサブ領域及びドレイン領域は、所定のドーピングレベル(所定の第1ピーク濃度)まで所定のドーパント型に選択的にドープする。例えば、第1ソースサブ領域をp型領域にドープして、ドレイン領域をn型領域にドープしてもよく、或いはその逆でもよい。
【0047】
本発明の実施形態によれば、第1ドーパント元素のドーピング元素及び第2ドーパント元素のドーピング元素は、同じでもよい。n−TFETの場合には、好ましくは、第1ドーパント元素及び/又は第2ドーパント元素はホウ素(B)、アルミニウム(Al)を含む群のいずれかから選択することができる。p−TFETの場合には、好ましくは、第1ドーパント元素及び/又は第2ドーパント元素は、リン(Ph)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)を含む群から選択することができる。
【0048】
本発明の実施形態によれば、TFETのソース領域、即ち第1及び第2ソースサブ領域は、p型又はn型ドープした半導体材料で作成してもよい。
【0049】
本発明の実施形態によれば、TFETのドレイン領域は、p型又はn型ドープした半導体材料で作成してもよい。
【0050】
好ましくは、第2ソースサブ領域の半導体材料は、第1ソースサブ領域の半導体材料と同じ半導体材料である。
【0051】
TFET内の第1ソースサブ領域の第1ソースピーク濃度は、1×10
18/cm
3以上1×10
21/cm
3以下でもよく、例えば第1ソースサブ領域のピークドーピング濃度(即ち第1ドーピングレベル)は、1×10
19/cm
3以上5×10
20/cm
3以下でもよい。
【0052】
TFET内のドレイン領域のドレインピーク濃度は、10
17/cm
3以上10
21/cm
3以下でもよい。
【0053】
本発明の実施形態によれば、TFET内のチャネル領域は、アンドープ又は低度にドープした(n又はpドープした)半導体材料で作成してもよく、ソース領域とドレイン領域との間に位置してもよい。TFET内のチャネル領域のドーピングレベルは、アンドープ状態から最大10
17/cm
3の範囲内でもよく、例えばチャネル領域のドーピングレベルは、アンドープ状態から最大5×10
15/cm
3の範囲内でもよい。
【0054】
第2ソースサブ領域はまた、ポケット領域と呼んでもよい。第2の発明の態様の実施形態によれば、第2ソースサブ領域(ポケット領域)の第2ピーク濃度は、第1ピークドーピングプロファイルと第2ピークドーピングプロファイルとの間の界面の位置又は該界面に近接する位置での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルより4倍高い必要がある。
【0055】
本発明の実施形態によれば、ソースコンタクト及びドレインコンタクトを設けてもよい。
【0056】
さらに、ナノワイヤTFET(NW−TFET)半導体デバイスの製造方法を開示している。前記方法は、選択的に触媒を堆積し、基板に少なくとも1つのドレインコンタクトを設ける工程と、半導体材料で作成されるナノワイヤ構造を成長させる工程と、ソースサブ領域の第1サブ領域を所望の第1ドーピングレベルまで、第1ドーパント型で選択的にドープする工程と、ソース−チャネル界面に近接するソース領域の第2サブ領域(第1領域とは異なる)を、第1ドーパント元素と同じドーピング型を有する第2ドーパント元素で、第1ドーピングプロファイルと第2ドーピングプロファイルとの間の界面の位置又は該界面に近接する位置での第1ドーピングプロファイルの最大ドーピングレベルより充分に高い第2ピーク濃度でドープする工程と、任意に(選択的に)チャネル領域をドープする工程と、ナノワイヤのソース領域の側壁の少なくとも一部にゲート誘電体(例えば酸化物)を堆積する工程と、ゲート誘電体(例えば酸化物)の上部にゲート電極を堆積する工程と、ナノワイヤのソース領域の上部にソースコンタクトを形成する工程とを含み、前記ゲート電極は、前記ゲート誘電体を超えて広がらないように前記ゲート誘電体上に位置し、ゲート電極は、チャネル領域及びドレイン領域が該ゲート電極によって覆われないように、ソース−チャネル−ドレイン構造の少なくとも1つのソース領域の少なくとも一部を長手方向に沿って覆う。
【0057】
トンネル電界効果トランジスタデバイスに応用する場合、NW−TFET内のナノワイヤは、トンネル電界効果トランジスタのチャネルを形成してもよく、また、ソース領域及びドレイン領域を形成することができる可能性がある。或いは、トンネル電界効果トランジスタのソース領域及びドレイン領域のどちらかは、基板内に位置する。前記基板は、ソース領域及びドレイン領域として機能する高ドープ領域を含む。
【0058】
本発明の実施形態のTFETの概念、並びに本発明の他の特性、特徴及び利点は、プレーナTFET、ダブルゲートTFET、トリゲートTFET(FinFET等)及びオールアラウンドTFETを含むがこれらに限定されず、また、全水平及び全垂直TFETの実装を含むがこれらに限定されず、さらに、バルクコンタクトを含むものと含まないものの両方を含む、すべての種類のTFETの実装に適用可能である。
【0059】
本発明の実施形態のTFETの概念、並びに本発明の他の特性、特徴及び利点はさらに、p型チャネルドーピング、n型チャネルドーピング及び真正ドーピングを含むチャネルドーピングに依存しないすべてのTFETに適用可能である。
【0060】
本発明の実施形態のTFETの概念、並びに本発明の他の特性、特徴及び利点はさらに、チャネル材料とは異なるソース材料及び/又はドレイン材料とは異なるソース材料を有するTFETを含み、また、チャネル材料とは異なるドレイン材料を有するTFETを含む、ソース材料、チャネル材料及びドレイン材料として使用される半導体材料に依存しないすべてのTFETの実装に適用可能である。可能な半導体材料は、Si、Ge、CのようなIV族材料若しくはその二元化合物、又は、In、Ga、As、Sb、Al、P、B、NのようなIII/V族材料若しくはその二元化合物、三元化合物若しくは四元化合物、又は、Cd、Zn、S、Se、Te、OのようなII/VI族材料若しくはその二元化合物、三元化合物若しくは四元化合物、又は、カーボンナノチューブを含むが、これらに限定されない。
【0061】
本発明の実施形態のTFETの概念、並びに本発明の他の特性、特徴及び利点はさらに、ゲート誘電体の材料及び厚さに依存しないすべてのTFETの実装に適用可能である。可能な誘電体材料は、シリコンベースの酸化物(例えば二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素)、酸化アルミニウム、high−k酸化物(Hf、Ta、Ti、Nb、V、Y、Zrのような遷移金属の酸化物、窒化酸化物、ケイ酸塩及び窒化ケイ酸塩)を含むが、これらに限定されない。
【0062】
本発明の上記の、及び、他の特性、特徴及び利点は、例によって本発明の原理を説明する添付の図面と関連して、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。この説明は、本発明の技術的範囲を制限することなく、単なる例として与えられる。以下で引用される参照符号は、添付の図面を参照する。
【0063】
特定の発明の態様によるTFETデバイスについて達成される高い性能は、先行技術と比較した場合の利点である。
【0064】
特に本発明の実施形態による小さいゲート誘電体厚さ(即ち、小さい等価酸化膜厚EOT)を有する半導体デバイスの場合に、ソース−ドレイン電圧V
DSを変化させたときの開始電圧V
onset(即ち、BTBTトンネリングが発生する位置でのゲート電圧)の広がりを大きく低減できることは、本発明の利点である。
【0065】
本発明及び先行技術に対して達成される利点を要約する目的で、本発明の特定の目的及び利点を本明細書で上記の通り説明した。もちろん、かかる目的又は利点のすべてを、本発明の特定の実施形態によって達成することができるわけではないと理解すべきである。したがって、例えば、当業者は、本明細書で教示又は提示される他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される利点を達成又は最適化する方法で具現又は実行することができると認識するであろう。
【0066】
本発明の上記の態様又は他の態様は、以下で説明する実施形態から明らかとなり、実施形態を参照して明瞭になるであろう。