【実施例】
【0027】
〔実施例1〕
エラストマーとして「低スチレンSIS(スチレン含有量:16重量%、日本ゼオン社製クインタック3433)」80重量部及び「高スチレンSIS−3(スチレン含有量:48重量%、日本ゼオン社製・クインタック3390)」20重量部に、充填剤として「炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製・スーパー#1500)」115重量部、粘着付与樹脂として「脂肪族石油樹脂(日本ゼオン社製・クイントンA−100)」40重量部、「テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製・YSレジンPX−1150)」10重量部、老化防止剤として「BASF社製・イルガノックス1010」0.65重量部をトルエン/n−ヘキサンの50:50混合溶剤中で溶解混合することによりゴム系粘着剤を得た。
【0028】
厚さ43μmのポリプロピレンフィルムにコロナ処理後、プライマー効果を有する印刷処理を行い、その上に粘着剤層の厚みが20μmになるよう塗布して、幅10mmの粘着テープを調製した。
【0029】
〔実施例2〜8、比較例1〜2〕
表1に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0030】
〔実施例9〜16、比較例3〜4〕
「高スチレンSIS−3(スチレン含有量:48重量%)」を「高スチレンSIS−2(スチレン含有量:30重量%、日本ゼオン社製・クインタックSL−165)」に替え、各成分の配合割合を表2に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0031】
〔実施例17〜23、比較例5〕
「低スチレンSIS(スチレン含有量:16重量%)」を80重量部から50重量部に、「高スチレンSIS−3(スチレン含有量:48重量%)」20重量部から50重量部に変更し、炭酸カルシウムの配合割合を表3に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0032】
〔実施例24〜31、比較例6〕
「低スチレンSIS(スチレン含有量:16重量%)」を80重量部から50重量部に、「高スチレンSIS−3(スチレン含有量:48重量%)」を「高スチレンSIS−2(スチレン含有量:30重量%)」に替えて20重量部から50重量部に変更し、炭酸カルシウムの配合割合を表4に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0033】
〔実施例32、33〕
「高スチレンSIS−3(スチレン含有量:48重量%)」を「高スチレンSIS−1(スチレン含有量:25重量%、日本ゼオン社製・クインタック3460)」に変更し、各成分の配合割合を表5に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0034】
〔比較例7,1,3、8〕
エラストマーを「低スチレンSIS(スチレン含有量:16重量%)」100重量部に変更し、炭酸カルシウムの配合割合を表5に示す配合処方に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを作製した。
【0035】
(試験)
上記実施例及び比較例の特性、性能を調べるために、以下に示す自着力試験、対SUS粘着力試験、プローブタック試験、自着保持特性の試験(23℃・1000g)、自着保持特性の試験(40℃・500g)を行った。
【0036】
〔自着力試験〕
23℃・50%RHの条件下、実施例及び比較例のテープ(幅10mm)を試験片とし、試験片の粘着面を内側として、貼り合わせ長さが100mm以上になるように重ね、幅50mmの2kgのローラーにより、300mm/minの速度で1往復圧着し、30分間放置した。その後、上記試験片をインストロン型引張り試験機に固定し、剥離速度300mm/minでT型剥離し、そのとき得られた剥離力(N/10mm)を測定した。
【0037】
〔対SUS粘着力試験〕
23℃・50%RHの条件下、実施例及び比較例のテープ(幅10mm)を試験片とし、JIS Z0237に準じて、鏡面仕上げのSUS304鋼板の表面に、試験片を貼付し、幅50mmの1kgのローラーで圧着した後、1分以内に試験板に対して180°の方向に300mm/minで試験片を剥離し、そのとき得られた剥離力(N/10mm)を測定した。
なお、対SUS粘着力において「<0.1」の表記は、測定器の検出限界値以下であったことを示す。
【0038】
〔プローブタック試験〕
23℃・50%RHの条件下、実施例及び比較例のテープ(幅10mm)を試験片とし、ASTM D2979に準じて、試験片をウエイトリングにたるみの無いようにはり付け、直径5mmの円柱プローブを試験片の粘着面に0.98±0.001N/cm
2の荷重を接触速さ10±0.1mm/秒で、1.0±0.01秒間接触させた後、接触速さと同じ速度でプローブを粘着面から垂直方向に引き剥がすのに要する力(N/5mmφ)を測定した。
なお、後記の実施例8及び比較例2において「−」と表示してあるのは、プローブを試験片に接触させた時に、試験片がウエイトリングから剥離したために測定できなかったことを示す。
【0039】
〔自着保持特性の試験(23℃・1000g)〕
幅10mm、長さ100mmの自着性粘着テープの両端部の長さ20mmの粘着剤の部分(2)を残して、中央部の60mmの粘着剤部分に長さ60mmの前記自着性粘着テープと同じ自着性粘着テープを貼付して非粘着化し、自着性粘着テープの試験片(1)とした。
図1に示すように、この試験片(1)の両端部の長さ20mmの粘着剤の部分同士を合掌貼りにし、できたループ(3)に直径15mmの金属製の支持棒(5)を挿通して支持し、重さ1000g(1kg)の錘(5)を吊下げ、温度を23℃、相対湿度(RH)を50%とした状態に24時間保持した後に錘の落下状態を観察した。試験片のサンプル数は4個とした。
評価基準 ○ : 錘の落下が見られない。
△ : 落下しなかった錘が4個中2個以上である。
× : 全ての錘が落下した。
【0040】
〔自着保持特性の試験(40℃・500g)〕
上記自着保持特性の試験(23℃・1000g)と同様にした試験片に、重さ500gの錘を吊下げ、温度を40℃、相対湿度(RH)を75%とした状態に24時間保持した後の状態を観察した。試験片のサンプル数は4個とした。
自着保持特性の試験(40℃・500g)の試験条件は、上記した自着保持特性の試験(23℃・1000g)よりも厳しい条件となっている。
評価基準は、上記自着保持特性の試験(23℃・1000g)の場合と同様である。
【0041】
〔総合評価〕
上記各種の試験に基づいて総合評価を行った。
総合評価の評価基準は次のとおりである。
○(良) : 自着保持特性の試験(23℃・1000g)及び自着保持特性の試験(40℃・500g)においていずれも「○」の評価を得たもので、更に、粘着特性として対SUS粘着力が2.0N/10mm未満、プローブタックが2.0N/5mmφ未満、自着粘着が10.0N/10mm以上の条件を満たすもの。
△(可) : 自着保持特性の試験(23℃・1000g)及び自着保持特性の試験(40℃・500g)においていずれも「○」の評価を得たものであるが、粘着特性として対SUS粘着力が2.0N/10mm未満、プローブタックが2.0N/5mmφ未満、自着粘着が10.0N/10mm以上の条件を満たさないもの。
又は、自着保持特性の試験(23℃・1000g)において「○」の評価を得、自着保持特性の試験(40℃・500g)においては「△」の評価を得たものであって、粘着特性として対SUS粘着力が2.0N/10mm未満、プローブタックが2.0N/5mmφ未満、自着粘着が10.0N/10mm以上の条件を満たしているもの。
×(不可) : 自着保持特性の試験(40℃・500g)において「×」の評価となったもの。
【0042】
(結果)
上記各試験の結果及びこれらの試験の結果に基づく総合評価を表1〜表5に記載した。
【0043】
(考察)
表1に示されているように、実施例1〜8は、比較例1、2に比較して自着保持特性(23℃・1000g)と自着保持特性(40℃・500g)において好成績が得られており、特に実施例1〜7のものが一層好ましい。
表2に示す実施例9〜16は、比較例3、4に比較して自着保持特性(23℃・1000g)において好成績が得られている。自着保持特性(40℃・500g)において実施例9の成績が若干劣るが実施例10〜16は好成績が得られている。
【0044】
表3に示す実施例17〜23は、比較例5に比べて自着保持特性(40℃・500g)において好成績が得られている。更に、実施例19〜23は、粘着特性(対SUS粘着力が2.0N/10mm未満、プローブタックが2.0N/5mmφ未満、自着粘着が10.0N/10mm以上)においても優良な評価が得られている。
表4に示す実施例24〜31は、比較例6に比べて、自着保持特性(23℃・1000g)及び自着保持特性(40℃・500g)において好成績が得られている。中でも、実施例26〜31は、上記粘着特性においても好ましい結果が得られている。
【0045】
表5の実施例32、33は自着保持特性(40℃・500g)がやや劣っているものの、自着保持特性(23℃・1000g)で良好な結果が得られ、総合評価は「可」の評価が得られている。これに対して、比較例7、1、3、8は、自着保持特性(23℃・1000g)及び自着保持特性(40℃・500g)のいずれにおいても満足な結果が得られていない。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】