(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013800
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】光ループバックコネクタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-144197(P2012-144197)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-10157(P2014-10157A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】池谷 謙一
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 知弘
【審査官】
佐藤 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−240968(JP,A)
【文献】
特開2010−107717(JP,A)
【文献】
実開昭57−079806(JP,U)
【文献】
特開2011−221153(JP,A)
【文献】
特開2002−350682(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0058772(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0123838(US,A1)
【文献】
特開2001−083353(JP,A)
【文献】
特開2003−161842(JP,A)
【文献】
特開2006−208738(JP,A)
【文献】
特開平10−096834(JP,A)
【文献】
特開2011−237762(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/012069(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
6/255−6/27
6/30−6/34
6/36−6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列配置された一対のフェルールと、この一対のフェルールに両端が挿入された光ファイバとを備えた光ループバックコネクタであって、
前記一対のフェルールを収容しプラグコネクタが嵌合可能なインラインコネクタと、このインラインコネクタに組付けられ前記光ファイバを収容するファイバ保持部が設けられたループバックハウジングとを有し、
前記インラインコネクタは、前記一対のフェルールを収容するインラインハウジングと、このインラインハウジングに組付けられ前記一対のフェルールを係止するスペーサとを有し、
前記スペーサは、前記一対のフェルールを前記インラインハウジング内に挿入可能とする仮係止位置と、前記一対のフェルールを係止して前記インラインハウジングからの抜け止めを行う本係止位置とを有し、
前記ループバックハウジングは、前記インラインコネクタに組付けられて前記スペーサの本係止位置で前記スペーサを覆う取付部が設けられていることを特徴とする光ループバックコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の光ループバックコネクタであって、
前記ファイバ保持部には、前記光ファイバを収容するファイバ押込用凹部が設けられ、このファイバ押込用凹部の開口側には、前記光ファイバを保持する複数のファイバ保持突起が設けられていることを特徴とする光ループバックコネクタ。
【請求項3】
請求項2記載の光ループバックコネクタであって、
前記複数のファイバ保持突起は、前記ファイバ保持部の内外周にそれぞれ設けられていることを特徴とする光ループバックコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ループバックコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ループバックコネクタとしては、並列配置された一対のフェルールとしての第1フェルール及び第2フェルールと、この一対のフェルールに両端が挿入された光ファイバとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光ループバックコネクタでは、光ファイバの両端を第1フェルール及び第2フェルールに挿入して接着剤で固定された後、2連コネクタに組み入れられてループバック回路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−39310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のような光ループバックコネクタでは、一対のフェルール及び光ファイバを収容する部材として光結合専用部品としての2連コネクタを適用しているので、部品コストが高コスト化してしまっていた。
【0006】
そこで、この発明は、低コスト化することができる光ループバックコネクタの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、並列配置された一対のフェルールと、この一対のフェルールに両端が挿入された光ファイバとを備えた光ループバックコネクタであって、前記一対のフェルールを収容しプラグコネクタが嵌合可能なインラインコネクタと、このインラインコネクタに組付けられ前記光ファイバを収容するファイバ保持部が設けられたループバックハウジングとを有し
、前記インラインコネクタは、前記一対のフェルールを収容するインラインハウジングと、このインラインハウジングに組付けられ前記一対のフェルールを係止するスペーサとを有し、前記スペーサは、前記一対のフェルールを前記インラインハウジング内に挿入可能とする仮係止位置と、前記一対のフェルールを係止して前記インラインハウジングからの抜け止めを行う本係止位置とを有し、前記ループバックハウジングは、前記インラインコネクタに組付けられて前記スペーサの本係止位置で前記スペーサを覆う取付部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この光ループバックコネクタでは、一対のフェルールを収容しプラグコネクタが嵌合可能なインラインコネクタと、このインラインコネクタに組付けられ光ファイバを収容するファイバ保持部が設けられたループバックハウジングとを有するので、一対のフェルールを収容する部材として中間接続用のインラインコネクタを適用することで、2連コネクタなどの光結合専用部品を用いる必要がない。
【0009】
従って、このような光ループバックコネクタでは、中間接続用のインラインコネクタを適用しているので、光結合の精度を低下させることなく、低コスト化することができる。
【0011】
この光ループバックコネクタでは、インラインコネクタが一対のフェルールを収容するインラインハウジングと、このインラインハウジングに組付けられ一対のフェルールを係止するスペーサとを有するので、インラインコネクタに一対のフェルールを確実に保持させることができる。
【0013】
この光ループバックコネクタでは、ループバックハウジングにインラインコネクタに組付けられてスペーサを覆う取付部が設けられているので、外力などによってスペーサによる一対のフェルールの係止が外れることを防止することができる。
【0014】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載の光ループバックコネクタであって、前記ファイバ保持部には、前記光ファイバを収容するファイバ押込用凹部が設けられ、このファイバ押込用凹部の開口側には、前記光ファイバを保持する複数のファイバ保持突起が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この光ループバックコネクタでは、ファイバ保持部に光ファイバを収容するファイバ押込用凹部が設けられ、このファイバ押込用凹部の開口側に光ファイバを保持する複数のファイバ保持突起が設けられているので、ファイバ保持突起によって光ファイバをファイバ押込用凹部に確実に保持させることができる。
【0016】
また、ファイバ押込用凹部によって、光ファイバをファイバ保持部に収容させるときに、ファイバ保持突起に光ファイバを押し込み易くすることができ、組付性を向上することができる。
【0017】
請求項
3記載の発明は、請求項
2記載の光ループバックコネクタであって、前記複数のファイバ保持突起は、前記ファイバ保持部の内外周にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0018】
この光ループバックコネクタでは、複数のファイバ保持突起がファイバ保持部の内外周にそれぞれ設けられているので、インラインコネクタから導出される光ファイバの長さにバラツキが生じても、ファイバ保持部に光ファイバを確実に保持させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低コスト化することができる光ループバックコネクタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタの斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタの分解斜視図である。
【
図4】(a)は本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのインラインコネクタにプラグコネクタを嵌合する前の斜視図である。(b)は本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのインラインコネクタにプラグコネクタを嵌合したときの斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのフェルールアッシーを研磨するときの正面図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのループバックハウジングの斜視図である。
【
図7】(a)は本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのループバックハウジングをインラインコネクタに組付ける前の斜視図である。(b)は本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのループバックハウジングをインラインコネクタに組付けるときの斜視図である。
【
図8】(a)は本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタのループバックハウジングの上面図である。(b)は
図8(a)のX−X断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜
図8を用いて本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタについて説明する。
【0022】
本実施の形態に係る光ループバックコネクタ1は、並列配置された一対のフェルール3,5と、この一対のフェルール3,5に両端が挿入された光ファイバ7とを備えている。
【0023】
そして、一対のフェルール3,5を収容しプラグコネクタ9が嵌合可能なインラインコネクタ11と、このインラインコネクタ11に組付けられ光ファイバ7を収容するファイバ保持部13が設けられたループバックハウジング15とを有する。
【0024】
また、インラインコネクタ11は、一対のフェルール3,5を収容するインラインハウジング17と、このインラインハウジング17に組付けられ一対のフェルール3,5を係止するスペーサ19とを有する。
【0025】
さらに、ループバックハウジング15は、インラインコネクタ11に組付けられてスペーサ19を覆う取付部21が設けられている。
【0026】
また、ファイバ保持部13には、光ファイバ7を収容するファイバ押込用凹部23が設けられ、このファイバ押込用凹部23の開口側には、光ファイバ7を保持する複数のファイバ保持突起25が設けられている。
【0027】
さらに、複数のファイバ保持突起25は、ファイバ保持部13の内外周にそれぞれ設けられている。
【0028】
図1〜
図8に示すように、一対のフェルール3,5は、並列に配置され、それぞれに光ファイバの両端が挿入され、フェルールアッシー27となる。このフェルールアッシー27は、フェルールアッシー27を保持する研磨治具29と、一対のフェルール3,5の先端面を研磨する研磨盤31によって、光ファイバ7の端面が研磨される。
【0029】
なお、このようにフェルールアッシー27の状態で研磨を行うことにより、大型な2連コネクタにフェルールアッシー27を収容した状態で研磨治具29に2連コネクタを保持して研磨する場合に比較して、研磨治具29を小型化することができる。加えて、一回に加工できる数量を増やすことができる。
【0030】
このようなフェルールアッシー27の一対のフェルール3,5側は、インラインコネクタ11に収容配置される。
【0031】
ここで、インラインコネクタ11は、
図4に示すように、プラグコネクタ9が嵌合可能な中間接続用のコネクタからなる。このインラインコネクタ11は、プラグコネクタ9と嵌合することにより、プラグコネクタ9内のフェルール(不図示)と一対のフェルール3,5とが接続され、相手光ファイバ33と光ファイバ7とが光結合される。このように中間接続用のコネクタを適用することにより、光結合の精度を中間接続と同じにすることができる。
【0032】
このようなインラインコネクタ11は、インラインハウジング17と、スペーサ19とを備えている。インラインハウジング17は、直方体の筒状に形成され、内部に一対のフェルール3,5が並列配置されて収容される。このインラインハウジング17には、スペーサ19が組付けられる。
【0033】
スペーサ19は、インラインハウジング17の一対のフェルール3,5が収容された部分の上面側から組付けられ、上方に位置する仮係止位置と、下方に位置する本係止位置とを移動可能に配置されている。
【0034】
このスペーサ19は、仮係止位置でフェルールアッシー27の一対のフェルール3,5側をインラインハウジング17内に挿入可能とし、本係止位置で一対のフェルール3,5を係止してインラインハウジング17からのフェルールアッシー27の抜け止めを行う。
【0035】
このようなインラインコネクタ11に収容されたフェルールアッシー27は、光ファイバ7側がインラインコネクタ11から導出され、この導出された光ファイバ7は、インラインコネクタ11に組付けられるループバックハウジング15によって保持される。
【0036】
ループバックハウジング15は、取付部21と、ファイバ保持部13とを備えている。取付部21は、直方体の筒状に形成され、インラインコネクタ11のスペーサ19側に係止部を介してインラインコネクタ11と一体的に固定される。
【0037】
この取付部21は、インラインコネクタ11に組付けられた状態で、スペーサ19の外周を覆うように配置される。このため、外力などによってスペーサ19が仮係止位置に移動しようとしても、その移動が取付部21によって規制され、一対のフェルール3,5の係止が外れることがない。
【0038】
このような取付部21は、インラインコネクタ11への組付時に、インラインコネクタ11から導出された光ファイバ7が挿通され、この取付部21から導出された光ファイバ7は、ファイバ保持部13によって保持される。
【0039】
ファイバ保持部13は、取付部21と連続する一部材で環状に形成され、ファイバ押込用凹部23と、複数のファイバ保持突起25とを備えている。ファイバ押込用凹部23は、底壁と、内周壁と、内周壁より高く形成された外周壁との間に設けられ、光ファイバ7が収容される。
【0040】
このファイバ押込用凹部23の開口側には、光ファイバ7を保持する複数(ここでは3つ)のファイバ保持突起25が設けられている。
【0041】
複数のファイバ保持突起25は、ファイバ押込用凹部23の開口側で周方向等間隔に、内周壁に2つ、外周壁に1つ設けられている。この複数のファイバ保持突起25は、上方からファイバ押込用凹部23に押し込まれた光ファイバ7の外周に係合され、光ファイバ7をファイバ押込用凹部23内に保持する。
【0042】
このような複数のファイバ保持突起25を内外周に設けることにより、インラインコネクタ11から導出される光ファイバ7の長さにバラツキが生じても、その長さに応じて保持することができる。
【0043】
詳細には、例えば、導出される光ファイバ7が短い場合、光ファイバ7は内周壁に設けられたファイバ保持突起25に保持され、導出される光ファイバ7が長い場合、光ファイバ7は外周壁に設けられたファイバ保持突起25に保持される。
【0044】
このように構成された光ループバックコネクタ1の組付は、まず、並列配置された一対のフェルール3,5に光ファイバ7の両端を挿入し、フェルールアッシー27を組み立てる。
【0045】
次に、フェルールアッシー27を研磨治具29に保持し、研磨盤31によって一対のフェルール3,5の端面を研磨し、光ファイバ7の端面を研磨する。
【0046】
次に、研磨されたフェルールアッシー27の一対のフェルール3,5を仮係止位置のスペーサ19側からインラインコネクタ11内に収容配置させ、スペーサ19を本係止位置に移動して一対のフェルール3,5を係止する。
【0047】
次に、インラインコネクタ11から導出された光ファイバ7を取付部21に挿通させ、取付部21をインラインコネクタ11に係止させてループバックハウジング15をインラインコネクタ11に組付ける。
【0048】
そして、ファイバ保持部13に位置する光ファイバ7をファイバ押込用凹部23に押し込み、複数のファイバ保持突起25によって光ファイバ7を保持させ、光ループバックコネクタ1の組付を完了する。
【0049】
このような光ループバックコネクタ1では、一対のフェルール3,5を収容しプラグコネクタ9が嵌合可能なインラインコネクタ11と、このインラインコネクタ11に組付けられ光ファイバ7を収容するファイバ保持部13が設けられたループバックハウジング15とを有するので、一対のフェルール3,5を収容する部材として中間接続用のインラインコネクタ11を適用することで、2連コネクタなどの光結合専用部品を用いる必要がない。
【0050】
従って、このような光ループバックコネクタ1では、中間接続用のインラインコネクタ11を適用しているので、光結合の精度を低下させることなく、低コスト化することができる。
【0051】
また、インラインコネクタ11は、一対のフェルール3,5を収容するインラインハウジング17と、このインラインハウジング17に組付けられ一対のフェルール3,5を係止するスペーサ19とを有するので、インラインコネクタ11に一対のフェルール3,5を確実に保持させることができる。
【0052】
さらに、ループバックハウジング15は、インラインコネクタ11に組付けられてスペーサ19を覆う取付部21が設けられているので、外力などによってスペーサ19による一対のフェルール3,5の係止が外れることを防止することができる。
【0053】
また、ファイバ保持部13には、光ファイバ7を収容するファイバ押込用凹部23が設けられ、このファイバ押込用凹部23の開口側には、光ファイバ7を保持する複数のファイバ保持突起25が設けられているので、ファイバ保持突起25によって光ファイバ7をファイバ押込用凹部23に確実に保持させることができる。
【0054】
さらに、ファイバ押込用凹部23によって、光ファイバ7をファイバ保持部13に収容させるときに、ファイバ保持突起25に光ファイバ7を押し込み易くすることができ、組付性を向上することができる。
【0055】
また、複数のファイバ保持突起25は、ファイバ保持部13の内外周にそれぞれ設けられているので、インラインコネクタ11から導出される光ファイバ7の長さにバラツキが生じても、ファイバ保持部13に光ファイバ7を確実に保持させることができる。
【0056】
なお、本発明の実施の形態に係る光ループバックコネクタでは、複数のファイバ保持突起が内周に2つ、外周に1つ設けられているが、複数のファイバ保持突起を内周のみ、或いは外周のみに設ける、内周に2つ以上、外周に1つ以上設けるなど、その総数やその配置における数などは、適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…光ループバックコネクタ
3,5…一対のフェルール
7…光ファイバ
9…プラグコネクタ
11…インラインコネクタ
13…ファイバ保持部
15…ループバックハウジング
17…インラインハウジング
19…スペーサ
21…取付部
23…ファイバ押込用凹部
25…ファイバ保持突起