(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミ受けは通常、屋根上の軒樋や谷樋に取り付けられているが、竪樋に取り付けることで高所作業を無くすことができる。しかしながら、上記特許文献1に記載されている考案は、竪樋とゴミ受け部との間に開放された空間があるため、ゴミがゴミ受け部に溜まった場合、竪樋を流れる雨水が溢れ出る恐れがある。また、例えば、継手樋及びゴミ受け部に溜まったゴミが大きいと、継手樋を上下動させ取り外すことが困難な場合がある。また、継手樋又はゴミ受け部に溜まったゴミを取り除くことが容易でない場合がある。特に、鉄道の駅などのように不特定多数の人が行き交う公共施設では、雨樋の内部に大きなゴミが詰まる場合がある。そこで、本発明は、屋根にのぼることなく、より確実にゴミを取り除くことができ、かつ雨水が溢れ出る可能性をより少なくした樋部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の樋部材によれば、円管状及び多角管状のいずれかをなし、その内部に雨水を上方から下方に流す主管部と、主管部の内部に配置され、雨水を通過させつつ、主管部の内部を雨水と共に流れる固形物を捕捉可能な網部と、円管状及び多角管状のいずれかをなし、網部の上方で主管部から斜め上方に分岐し、その内部は主管部の内部に通じている分岐管部と、分岐管部の端部を密閉及び開放自在な取出口部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、雨水が部材の主管部内を流れる際、網部は雨水と一緒に流れる固形物を捕捉する。分岐管部は固形物を捕捉する網部の上方で、主管部から斜め上方に分岐し、取出口部は分岐管部を密閉及び開放自在なため、取出口部を開放した後に分岐管部を介して、網部の上方から網部に捕捉された固形物をより確実に取り出すことが可能となる。また、固形物が網部に詰まった場合であっても雨水が取出口部により密閉された主管部及び分岐管部に貯まるため、雨水が漏れ出ることを防ぐことが可能となる。
【0007】
この場合、網部の上方に主管部及び分岐管部に貯まった雨水を排水可能な排水口部を備えることができる。
【0008】
このように構成すると、固形物が網部に詰まり主管部及び分岐管部に雨水が貯まった場合でも、主管部及び分岐管部に貯まった雨水を排水することができる。このため、雨水を排水することにより、雨水が溢れ出ることを防止しつつ、網部の上方に捕捉された固形物を取り出しやすくすることができる。
【0009】
また、排水口部は分岐管部の側面に具備されていてもよい。
【0010】
このように構成すると、主管部に対して、取出口部と排水口部とが同じ側になる。このため、主管部及び分岐管部に貯まる雨水を排水する操作及び取出口部より固形物を取り出す操作の操作性がよくなる。
【0011】
また、主管部及び分岐管部の少なくともいずれか一方は透明部材で形成されていてもよい。
【0012】
このように構成すると、主管部又は分岐管部内に貯まった雨水の量を外から容易に知ることが可能となる。また、主管部又は分岐管部内の固形物の量を外から容易に知ることが可能となる。
【0013】
また、分岐管部の下方側の内面は、取出口部から分岐管部の内部に向けて下方に湾曲する曲面を有していてもよい。
【0014】
このように構成すると、取出口部から固形物を取り出す場合、曲面に沿って固形物を取り出すことにより、固形物が主管部又は分岐管部に引っかかりにくくなるため、固形物を容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の樋部材によれば、より確実かつ容易にゴミを取り出すことができ、かつ雨水が溢れ出る可能性をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る樋部材の斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る樋部材の分岐管部内の斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る樋部材が適用される既存の雨樋を示した側面図である。
【
図8】本実施形態に係る樋部材を配置するために、既存の樋の一部を切除した状態を示した側面図である。
【
図9】本実施形態に係る樋部材を配置した状態を示した側面図である。
【
図10】本実施形態に係る樋部材が雨水を貯留する様子を表した概略図である。
【
図11】本実施形態に係る排水口部の排水操作を説明する概略図である。
【
図12】本実施形態に係る排水口部の排水操作の一変形例を説明する概略図である。
【
図13】本実施形態に係る排水口部の排水操作の他の変形例を説明する概略図である。
【
図14】本実施形態に係る取出口部より固形物を取り出す操作を表した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
まず
図1から
図3を用いて樋部材10について説明する。
図1に示すように、樋部材10は、上側接続部12、主管部15、下側接続部14、分岐管部16、網部20、取出口部24、及び排水口部28で構成されている。本実施形態の樋部材10は、後述するように、既存の雨樋の一部を切除した後の上側雨樋200aと下側雨樋200bとの間に取り付けられるものである。本実施形態の樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、下側接続部14、及び分岐管部16は円管状である。樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、及び下側接続部14は、既存の部材を用いて構成してもよい。例えば、主管部15及び分岐管部16は、Y字管などを用いてもよい。また、上側接続部12又は下側接続部14は、継手部材などを用いてもよい。樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、及び下側接続部14の内径は、既存の雨樋と同程度の内径である60mmから150mmとできる。あるいは、樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、下側接続部14の内径は、ゴミが取出しやすいように、既存の雨樋より大きな径とできる。樋部材10を構成する部材は、部材を通して対象を視認可能な程度に光透過率が高い部材で形成されている。樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、下側接続部14は、例えば、アクリルやポリカーボネードなどの合成樹脂で形成されていてもよい。
【0019】
図2及び
図3に示すように、主管部15は、主管部15の上方と上側接続部12の下方とが繋ぎ合うように接続する。また主管部15は、主管部15の下方と下側接続部14の上方とが繋ぎ合うように接続する。主管部15の上方と上側接続部12の下方との接合部、又は主管部15の上方と上側接続部12の下方との接合部は、回転自在であってもよい。上側接続部12は、既存の雨樋の一部を切除した後の上側雨樋200aに接続可能とされている。下側接続部14は、既存の雨樋の一部を切除した後の下側雨樋200bに接続可能とされている。なお、下側接続部14の側面には、下側接続部14の内部に外部から雨水Wを導入するための開閉自在な迂回口14hが設けられている。主管部15の下端部はその上部よりも小径とされた段差部18が設けられている。網部20は、主管部15の内部に形成された段差部18の上に載置される。網部20は、主管部15の内部で一定の高さに配置される。また、図中に破線で示すように、網部20は、主管部15から上方に取り外し自在である。後述するように、網部20は雨水Wを通過可能でありかつ固形物Tを捕捉可能な構造を有している。
【0020】
分岐管部16は、網部20の例えば80mmから400mm上方で、主管部15から斜め上方に分岐している。分岐管部16の内部は、主管部15の内部に通じている。分岐管部16の中心線は、例えば、主管部15の中心線に対して斜め上方に30°から80°の角度をなして分岐している。分岐管部16は端部に至るにつれて水平方向に伸びるように湾曲している。分岐管部16の端部はゴミを取り出しやすいように、水平方向を向いている。分岐管部16の端部は密閉及び開放自在な取出口部24を備えている。
【0021】
さらに、分岐管部16の下方側の内面は、取出口部24から分岐管部16の内部に向けて下方に湾曲する曲面22を有している。曲面22は、例えば、主管部15又は分岐管部16の内径の2/5から2/3、好ましくは1/2の曲率半径を有する。あるいは、曲面22は、主管部15の側面から取出口部24に至るまで一様に湾曲する曲面でできている。
【0022】
閉口栓26は、取出口部24に装着することができる。例えば、閉口栓26に形成されるネジによって、取出口部24に装着してもよい。
【0023】
閉口栓26を取出口部24に装着することにより、取出口部24は密閉及び開放自在にすることができる。さらに、閉口栓26は閉口栓把持部26aを備えている。閉口栓26が閉口栓把持部26aを備えることにより、閉口栓26は持ちやすくなる。このため、閉口栓26はより容易かつより確実に取出口部24に装着することができ、取出口部24をより容易かつより確実に密閉することができる。
【0024】
排水口部28は、網部20の上方であって、分岐管部16の曲面22の外側に具備されている。排水口部28の内部は、分岐管部16の内部に通じている。止水栓30が排水口部28の端に装着される。止水栓30を排水口部28の端に装着することにより、排水口部28は密閉及び開放自在にすることができる。例えば、止水栓30は、止水栓30に形成されるネジによって、排水口部28に装着してもよい。
【0025】
次に、
図4から
図6を用いて網部20の詳細について説明する。上側接続部12の上方から樋部材10を見た
図4に示すように、主管部15の内部において、網部20は雨水Wを通過させつつ、雨水Wと一緒に樋部材10の中を通過する固形物Tを捕捉することができるように配置されている。なお、主管部15に形成される網部20を配置するための段差部18は、主管部15の内側の側面の少なくとも一部に形成されていればよい。一方、
図5に示すように、取出口部24より分岐管部16の内部を通して覗くと、主管部15に配置された網部20が見える。取出口部24から曲面22に沿って手を入れると、網部20まで手が届く。このため、分岐管部16を介して、網部20の上方に堆積された固形物Tや網部20を取出口部24から取り出すことができる。
【0026】
網部20は、
図6に示すように、側部20aと、挟持軸部20bと、受軸20cと、軸端20dとで構成されている。網部20の側部20aは内筒状であり、側部20aの筒の直径は、主管部15の内径より小さく、段差部18の内径より大きい。側部20aの直径は、分岐管部16の内径及び取出口部24の内径より小さい。網部20の挟持軸部20bは、網部20の中心から突起している軸上の部材である。挟持軸部20bを挟持することにより、網部20を樋部材10の外へ取り出すなどの操作をすることができる。網部20の受軸20cは、側部20aと挟持軸部20bとを連結するように挟持軸部20bより側部20aへ放射状に形成されている軸である。受軸20cにより、網部20は雨水Wと一緒に流れる固形物Tを捕捉する。網部20の軸端20dは、挟持軸部20bの端に形成されている。軸端20dを把持することにより、網部20を主管部15から取り出すことができる。なお、受軸20cの軸の数は、固形物Tを捕捉する目的において、任意に設定することができる。また、受軸20cの軸と軸の間隔も、固形物Tを捕捉する目的において、任意に設定することができる。さらに、網部20は雨水Wを通過可能かつ固形物Tを捕捉可能な構造を有していて、主管部15内の段差部18に載置でき、分岐管部16の取出口部24より取り出すことができる部材であれば、受軸20cの代わりに網などを用いてもよい。
【0027】
次に、
図7から
図9を用いて、樋部材10の配置について説明する。
図7に示すように、樋部材10は既存の雨樋200に適用される。既存の雨樋では、一般的に、雨樋200を介して、屋根100に降った雨水Wが地上へ排水されるように設計されている。屋根100に降った雨水Wは、谷樋120へ集められ、谷樋120に形成された集水口140を通り、雨樋200へと流れる。集水口140には屋根に落下した空き缶等のゴミを捕捉する落口網160が配置されている。
【0028】
樋部材10を配置するため、
図8に示すように、雨樋200の一部210が切除され、落口網160が外される。雨樋の一部210が切除されると、雨樋200は上側雨樋200aと下側雨樋200bとに分断される。切除される一部210の高さは、任意であるが、例えば、一般的に立った人の手が届く範囲では、地上から0.8mから1.2m程度である。
【0029】
図9に示すように、樋部材10を配置するために、上側接続部12と上側雨樋200aとが接続され、下側接続部14と下側雨樋200bとが接続される。樋部材10の配置後、屋根100に降った雨水Wは、上側雨樋200a、樋部材10、下側雨樋200bを介して、地上へと排水される。
【0030】
さらに、
図10に示すように、雨水Wと一緒に固形物Tが流れる場合、網部20は固形物Tを捕捉する。網部20によって捕捉された固形物Tの量が増えるにつれ、上側接続部12から下側接続部14へ流れる雨水Wの量は減少する。捕捉された固形物Tの量が所定量を超えると、雨水Wは主管部15を流れることなく、主管部15の内部に溜まり始める。そして、主管部15及び分岐管部16は、透明であり固形物Tを発見しやすく、完全に詰まる前に固形物Tを除去することにより、樋からの雨漏れ防止をはかることが可能である。降雨では、捕捉された固形物Tの量が所定量を超えた場合であっても、主管部15及び分岐管部16の内部に雨水Wが貯まるため、雨水Wが樋の外に溢れ出にくくなる。
【0031】
そして、
図11に示すように、雨水Wが主管部15及び分岐管部16に貯まった場合、排水口部28から排水する。排水口部28に具備されている止水栓30を開栓することにより、排水口部28から、主管部15及び分岐管部16に貯まった雨水Wを排水することができる。
【0032】
本実施形態の一変形例では、
図12に示すように、排水口部28付近に漏斗50を近づける。漏斗50はホース52が具備されている。ホース52の端部は、例えば、地上の排水溝や排水口などに挿入する。そして、排水口部28から排水される雨水Wを漏斗50で受ける。このようにすると、樋部材10の内部に貯まった雨水Wを地上の排水溝や排水口などに排水することが可能である。
【0033】
また、本実施形態の他の変形例では、
図13に示すように、排水口接続部62が排水口部28と接続される。排水口接続部62は迂回管60及び迂回口接続部64を有している。排水口接続部62と迂回口接続部64は迂回管60を介して内部がつながっている。そして、迂回口接続部64は、下側接続部14に形成された迂回口14hに接続される。排水口接続部62と排水口部28とは、排水口接続部62が排水口部28に着脱可能な部材で形成されていてもよい。このように構成すると、樋部材10の内部に貯まった雨水Wを迂回させて下側接続部14より排水することが可能である。
【0034】
そして、排水口部28から雨水Wが排水されると、主管部15又は分岐管部16の内部の雨水Wの量が少なくなる。貯まった雨水Wが少なくなってから、取出口部24を開放する。このようにすると、
図14に示すように、開放した取出口部24より固形物Tを取り出すことができる。取出口部24を開放するのは、雨水Wの液面が取出口部24より下方であればよく、雨水Wが必ずしも完全に排水される必要はない。取出口部24より固形物Tを取り出すとき、排水口部28には止水栓30が装着されていてもよい。また、取出口部24より固形物Tを取り出すとき、排水口部28に止水栓30が装着されていなくてもよい。
【0035】
上述したように、本実施形態に係る樋部材10によれば、上側接続部12から入った雨水Wは、主管部15の内部を通り、下側接続部14へ流れる。雨水Wが主管部15を流れる際、網部20は、雨水Wと一緒に流れる固形物Tを捕捉する。樋部材10が、透明部材すなわち光透過率が高い部材で構成されている場合は、捕捉された固形物Tの量を外から容易に知ることが可能となる。取出口部24を開放した後に分岐管部16を介して、網部20の上方から網部20に捕捉された固形物Tをより確実に取り出すことが可能となる。分岐管部16には曲面22が形成されているため、取出口部24から固形物Tを取り出す場合、曲面に沿って固形物Tを取り出すことにより、固形物Tが主管部15又は分岐管部16に引っかかりにくくなるため、固形物Tを容易に取り出すことができる。
【0036】
よって、樋部材10を配置することにより、固形物Tが網部20の上部に堆積するため、固形物Tを容易に取り出すことができる。さらに、樋部材10が設置される高さが、立った人の手が届く範囲であるとき、より容易に固形物Tを取り出すことができる。
【0037】
このため、屋根に清掃員が上って、直に集水口140に堆積するゴミを除く作業をする必要性が減り、高所での作業を省略することができる。
【0038】
また、雨水Wは取出口部24により密閉された主管部15及び分岐管部16に貯まるため、雨水Wが溢れ出ることを防ぐことが可能となる。なお、樋部材10が、透明部材すなわち光透過率が高い部材で構成されているため、雨水Wが貯まる前に点検、清掃を行い、雨水Wが溢れることを未然に防止することが可能となる。
【0039】
また、開閉自在の排水口部28が分岐管部16に設けられているため、固形物Tが網部20に詰まり主管部15及び分岐管部16に雨水Wが貯まった場合でも、排水口部28により、主管部15及び分岐管部16に貯まった雨水Wを排水可能である。このため、雨水Wを排水することにより、雨水Wが溢れ出ることを防止しつつ、網部20の上方に捕捉された固形物Tを取出しやすくすることができる。
【0040】
このため、例えば、駅のホームなどに樋部材10を用いた場合、網部20に空き缶等の大きな固形物Tが詰まった場合でも、雨水Wがホーム上に流出することを防ぐことができる。
【0041】
また、排水口部28は分岐管部16の曲面22の外側に配置されている。本実施形態では、主管部15に対して、取出口部24と排水口部28とが同じ側になるように配置する。このため、主管部15及び分岐管部16に貯める雨水Wを排水する操作及び取出口部24より固形物Tを取り出す操作の操作性がよくなる。
【0042】
上述した実施形態は、本発明に係る樋部材10の一例を示すものであり、実施形態に係る樋部材に限られるものではなく、変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0043】
本実施形態において、樋部材10を構成する、上側接続部12、主管部15、下側接続部14、及び分岐管部16は円管状の部材を用いたが、樋部材10を構成する部材は、円管状に限らず多角管状の部材を用いてもよい。この場合であっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0044】
また、上述した実施形態では、屋根100に降った雨水Wは、谷樋120へ集められ、谷樋120に形成された集水口140を通り、雨樋200へと流れる。そして集水口140には落口網160が配置されている。しかし、樋部材10の適用において、谷樋120、集水口140、落口網160は必ずしも必要としない。
【0045】
また、上述した実施形態では、下側接続部14に迂回口14hが形成されているとしたが、網部20より下方であれば、迂回口14hが形成されるのは、主管部15又は分岐管部16であってもよい。このように構成した場合であっても、主管部15及び分岐管部16に貯まった雨水Wを排水することができる。
【0046】
また、例えば、閉口栓26は、ゴム等の弾性部材を取出口部24との間に介在させることで、止水してもよい。このように構成すると、ネジで締めることや、溶接等の技術が不要となり、容易に、開閉自在かつ密閉可能な構成となる。
【0047】
また、例えば、堆積する固形物Tの種類に応じて、樋部材10において、排水口部28と主管部15又は分岐管部16とがつながる部分に、網などの部材を備えていてもよい。このように構成すると、貯まった雨水Wの中を浮いている小さい葉などが詰まることなく、排水することが可能となる。また、この網などは、樋部材10の内径方向に凸形状の網であってもよい。このように構成すると、貯まった雨水Wの中を浮いている葉等の詰まりを防ぐ面積が大きくなるため、より効率的に排水することが可能となる。
【0048】
また、例えば、樋部材10は、異なる内径を有する円管状、又は異なる断面積を有する多角管状を多層に用いて構成した部材であってもよい。すなわち、例えば、ある内径を持つ第1管に対して、第1管より大きい内径を持つ第2管を同心かつ多層に接続した部材であってもよい。このように構成すると、固形物Tは第1管内の網部20に捕捉することができ、捕捉された固形物Tによって溢れた雨水Wは、第1管と第2管の間に流れる。このため、ゲリラ豪雨等の局地的に短時間の降雨量が増大した場合であっても、排水量を増やすことができる。
【0049】
また、例えば、樋部材10の、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、及び下側接続部14をあらかじめ接続させておいてもよい。これにより、樋部材10を雨樋200の近くで組み立てることなく、少ない操作により、樋部材10を雨樋200へ配置することができる。また、樋部材10の、上側接続部12、主管部15、分岐管部16、及び下側接続部14が、接続及び分離可能な場合、樋部材10を設置するまで、それぞれの部材を分離させておいてもよい。
【0050】
また、例えば、上側接続部12と上側雨樋200aとを接続させる操作、及び下側接続部14と下側雨樋200bとを接続させる操作の順序は、何れが先であってもよい。そして、樋部材10と雨樋200との配置方法は、ケンドン式であってもよい。