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前記凹凸成型用硬化性材料は、1分子中にアルキレンオキサイド単位を15〜50単位含むアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1に記載の凹凸成型用硬化性材料。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔凹凸成型用硬化性材料〕
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料(以下、単に「硬化性材料」という場合がある。)は、凹凸を有する型からの転写により凹凸(特にナノオーダー〜マイクロオーダーの凹凸)を成型するためのものであり、当該凹凸成型用硬化性材料を硬化させた厚さ20μmの硬化物が、ダイナミック超微小硬度計による試験力10mNでの負荷−除荷試験における負荷時の最大深さをD1、除荷時の最小深さをD2としたときに、以下の式[1]および式[2]を満たすものである。
[1]D1−D2≧1.3μm
[2]D2≦1.0μm
なお、上記厚さ20μmの硬化物は、凹凸を転写することなく、凹凸成型用硬化性材料の層をそのまま硬化させた、平滑な表面を有する硬化物である(以下「硬化物S」という場合がある)。
【0018】
式[1]のD1−D2は、弾性変形量を示し、この値が大きいと、弾性変形し易いことを示す。式[2]のD2は、塑性変形量を示し、この値が小さいと、変形から復元し易く、塑性変形し難いことを示す。
【0019】
上記硬化性材料に対して、凹凸を有する型から凹凸を転写するとともに、当該硬化性材料を硬化させて得られる硬化物(凹凸成型硬化物;一例として後述する凹凸成型層が該当)は、硬化物Sの弾性変形量(D1−D2)が1.3μm以上であり、かつ、塑性変形量(D2)が1.0μm以下であることにより、凹凸成型硬化物に外力が加わった場合でも、凹凸の凸部が折れたり、曲がったままになったりせず、凹凸構造が破壊され難くなるため、耐擦傷性に優れる。弾性変形量(D1−D2)が小さい(1.3μm未満である)と、硬化物は硬くて脆くなり、外力によって凹凸構造が破壊され易くなる。また、塑性変形量(D2)が大きい(1.0μm超である)と、外力により変形した凹凸構造が復元しないため、結果として耐擦傷性が低いものとなる。なお、従来は耐擦傷性を向上させるために、硬化物をできるだけ硬く、すなわち弾性変形量を小さくしようとしていたが、本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、従来と反対のアプローチにより、優れた耐擦傷性を実現するものである。
【0020】
弾性変形量(D1−D2)は、1.3〜5.0μmであることが好ましく、特に1.5〜4.0μmであることが好ましい。また、塑性変形量(D2)は、0.0〜1.0μmであることが好ましく、特に0.0〜0.8μmであることが好ましい。
【0021】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、上記の式[1]および式[2]を満たすものであれば特に限定されないが、1分子中にアルキレンオキサイド単位を15〜50単位含むアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートを含有するものであることが好ましく、かかる材料によれば、上記の式[1]および式[2]を満たすことができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
【0022】
上記アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートを含有する凹凸成型用硬化性材料の硬化物によれば、樹脂中のアルキレンオキサイド部分が、架橋点間の距離を長くして硬化物に弾性を付与する(弾性変形量を大きくする)とともに、硬化物を変形から復元し易くする(塑性変形量を小さくする)ため、上記の式[1]および式[2]を満たすことができ、耐擦傷性に優れたものとなる。
【0023】
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとは、例えば、アルキレンオキサイド(ポリアルキレンオキサイドを含む)を含むポリオール化合物のいずれかの一箇所または複数箇所に(メタ)アクリレートを含むものをいい、当該アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが多官能の場合、各(メタ)アクリロイル基に対応してアルキレンオキサイドが存在してもよいし、一部の(メタ)アクリロイル基のみに対応してアルキレンオキサイドが存在してもよい。
【0024】
本実施形態におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、1分子中にアルキレンオキサイド単位を15〜50単位含み、好ましくは20〜40単位含み、特に好ましくは25〜35単位含む。「アルキレンオキサイド単位」とは、1つのアルキレンオキサイドを意味し、ポリアルキレンオキサイドは含まない。また、ここでいう単位数は、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート1分子中におけるアルキレンオキサイド単位の合計単位数である。
【0025】
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが、アルキレンオキサイド単位を上記の範囲で含むことにより、前述したアルキレンオキサイド部分による弾性付与作用および復元作用が得られる。なお、アルキレンオキサイド単位が50単位を超えると、架橋点間の距離が長くなり過ぎるため、外力が加わったときに、復元し難くなってしまうおそれがある。
【0026】
本実施形態におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの官能基数は、一分子中に3〜10個であることが好ましく、特に3〜8個であることが好ましく、さらには3〜5個であることが好ましい。官能基数が上記範囲内にあることにより、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが硬化したときに良好な架橋構造を形成し、凹凸成型硬化物として好ましい強度を有するものとなる。なお、官能基数が10個を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて凹凸成型硬化物が硬くなり過ぎることにより、柔軟性が低くなり、耐擦傷性が低下するおそれがある。
【0027】
本実施形態におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートにおけるアルキレンオキサイドは、炭素数2〜4個のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)であることが好ましく、特に炭素数2〜3個のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)であることが好ましく、さらには炭素数2個のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド)であることが好ましい。
【0028】
本実施形態におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、具体的には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、エチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0029】
また、得られる硬化物に好ましい弾性および柔軟性を付与する観点から、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの分子量は、1000〜5000程度であることが好ましく、特に1200〜3000程度であることが好ましく、さらには1500〜2000であることが好ましい。
【0030】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、上記のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとともに、ウレタン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。このウレタン(メタ)アクリレートをさらに含有すると、形状変化の復元効果が向上し、得られる凹凸成型硬化物の耐擦傷性がさらに優れたものとなる。また、ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、凹凸成型用硬化性材料のぬれ性が向上し、型の凹部に入り込み易くなるため、型からの凹凸の転写をより精確に行うことができる。
【0031】
ウレタン(メタ)アクリレートとは、ウレタン結合を介して(メタ)アクリロイル基が結合されている化合物である。当該ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオールと、ジイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物が挙げられる。
【0032】
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられ、中でもポリエステルポリオールが好ましい。また、ポリオールは、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール等が挙げられ、中でも脂肪族ポリオールが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが好ましく挙げられる。
【0033】
ジイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられ、中でも脂肪族ジイソシアネートまたは脂環族ジイソシアネートが好ましい。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートの単量体又は多量体などが好ましく挙げられる。
【0034】
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシアリール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロぺニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが好ましく挙げられる。
【0035】
本実施形態におけるウレタン(メタ)アクリレートの官能基数は、3〜10個であることが好ましく、特に3〜8個であることが好ましく、さらには4〜6個であることが好ましい。官能基数が上記範囲内にあることにより、ウレタン(メタ)アクリレートが硬化したときに良好な架橋構造を形成し、ウレタン(メタ)アクリレート添加による耐擦傷性向上効果がより確実に発揮される。
【0036】
本実施形態におけるウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、具体的には、共栄社化学社製のUA−306H、UA−306I、UA−306T;日本合成化学社製のUV1700B、UV6300B、UV765B、UV7640B、UV7600B;新中村化学工業社製のU4HA、U6HA、U15HA;荒川化学工業社製のビームセット577等が挙げられる。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を混合して使用することもできる。
【0037】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料中におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートとの質量比は、95:5〜50:50であることが好ましく、特に90:10〜60:40であることが好ましく、さらには85:15〜70:30であることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの質量比が小さ過ぎると、当該ウレタン(メタ)アクリレートによる耐擦傷性向上効果が得られ難く、ウレタン(メタ)アクリレートの質量比が大き過ぎると、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートによる基本的な耐擦傷性付与効果が得られ難い。
【0038】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、上記のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとともに、側鎖に活性エネルギー線硬化性基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体(以下、「活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)」という。)を含有してもよい。このとき、ウレタン(メタ)アクリレートも含有してもよい。この活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)をさらに含有すると、得られる凹凸成型硬化物の耐擦傷性がより優れたものとなる。活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(a1)と、その官能基に結合する置換基を有する不飽和基含有化合物(a2)とを反応させて得られるものが好ましい。
【0039】
アクリル系共重合体(a1)は、官能基含有モノマーから導かれる構成単位と、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位とを含有する。
【0040】
アクリル系共重合体(a1)が構成単位として含有する官能基含有モノマーは、重合性の二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基とを分子内に有するモノマーであり、好ましくはヒドロキシル基含有不飽和化合物またはカルボキシル基含有不飽和化合物が用いられる。
【0041】
このような官能基含有モノマーのさらに具体的な例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシル基含有アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0042】
アクリル系共重合体(a1)が構成単位として含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。これらの中でも、特に好ましくはアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が用いられる。
【0043】
アクリル系共重合体(a1)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を通常3〜100質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%の割合で含有し、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を通常0〜97質量%、好ましくは60〜95質量%、特に好ましくは70〜90質量%の割合で含有してなる。
【0044】
アクリル系共重合体(a1)は、上記のような官能基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とを常法で共重合することにより得られるが、これらモノマーの他にも少量(例えば10質量%以下、好ましくは5質量%以下)の割合で、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン等が共重合されてもよい。
【0045】
不飽和基含有化合物(a2)が有する置換基は、アクリル系共重合体(a1)が有する官能基含有モノマー単位の官能基の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、官能基がヒドロキシル基、アミノ基または置換アミノ基の場合、置換基としてはイソシアネート基またはエポキシ基が好ましく、官能基がカルボキシル基の場合、置換基としてはアジリジニル基、エポキシ基またはオキサゾリン基が好ましく、官能基がエポキシ基の場合、置換基としてはアミノ基、カルボキシル基またはアジリジニル基が好ましい。このような置換基は、不飽和基含有化合物(a2)1分子毎に一つずつ含まれている。
【0046】
また不飽和基含有化合物(a2)には、エネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合が、1分子毎に1〜5個、好ましくは1〜2個含まれている。このような不飽和基含有化合物(a2)の具体例としては、例えば、アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
【0047】
不飽和基含有化合物(a2)は、上記アクリル系共重合体(a1)の官能基含有モノマー100当量当たり、通常20〜100当量、好ましくは40〜100当量、特に好ましくは60〜100当量の割合で用いられる。
【0048】
活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)は、アクリル系共重合体(a1)と、不飽和基含有化合物(a2)とを、有機溶媒中にて常法で反応させることにより得られる。活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、10,000〜100,000であることが好ましく、特に20,000〜80,000であることが好ましく、さらには30,000〜60,000であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
【0049】
凹凸成型用硬化性材料中におけるアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートと活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)との質量比は、10:90〜50:50であることが好ましく、特に20:80〜45:55であることが好ましく、さらには30:70〜40:60であることが好ましい。活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の質量比が小さ過ぎると、当該活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)による耐擦傷性向上効果が得られ難く、活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の質量比が大き過ぎると、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートによる基本的な耐擦傷性付与効果が得られ難い。
【0050】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、さらに光重合開始剤を含有するものであることが好ましい。このように光重合開始剤を含有することにより、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート(並びにウレタン(メタ)アクリレート及び/又は活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A))を効率良く光重合(硬化)させることができ、また重合硬化時間および活性エネルギー線の照射量を少なくすることができる。
【0051】
このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、(2,4,6−トリメチルベンジルジフェニル)フォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】
光重合開始剤は、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートおよび活性エネルギー線硬化性(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の合計100質量部に対して、2〜15質量部、特に5〜12質量部の範囲の量で用いられることが好ましい。
【0053】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に、各種添加剤、溶剤等の第三成分を含有するものであってもよい。各種添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、消泡剤、有機系充填材、濡れ性改良剤、塗面改良剤等が挙げられる。
【0054】
溶剤としては、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のために使用することができ、上記(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤が溶解するものであれば、特に限定なく使用できる。
【0055】
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。
【0056】
本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料は、例えば、所望の基材に対して塗布することにより塗膜を形成する。当該塗膜は、そのまま後述の硬化性層として使用してもよいし、必要に応じて、溶剤等の乾燥除去、予備硬化等の少なくとも1つの処理操作を行うことにより硬化性層としてもよい。
【0057】
次に、上記硬化性層と、凹凸を有する型とを重ね合わせることにより、型の凹凸形状を硬化性層に転写する。そして、凹凸形状が転写された硬化性層を、型と密着させた状態のまま硬化させることにより、または、型を取り除いた後に硬化させることにより、型からの転写により凹凸が成型された凹凸成型層を形成する。なお、型への硬化性層の付着等を防止し、精確な凹凸形状を有する凹凸成型層を得る観点からは、硬化性層は型と密着させた状態で硬化させることが好ましい。
【0058】
硬化性層の硬化は、熱の印加または活性エネルギー線の照射により行うことができる。短時間で硬化を完了させる観点から、活性エネルギー線の照射により硬化を行うことが好ましい。なお、乾燥や硬化の条件は後述する。
【0059】
上記のようにして、本実施形態に係る凹凸成型用硬化性材料用いて得られる凹凸成型層は、凹凸構造が破壊され難く、耐擦傷性に優れる。
【0060】
基材としては、例えば、透明なプラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、不透明な材料や、シート状・板状でない材料、あるいは剥離シート等であってもよい。これらの中で、基材として光学用途に使用可能な透明基材を選択した場合、得られる透明基材と凹凸成型層との積層体は、後述する実施形態に係る光学部材となる。
【0061】
〔光学部材〕
図1に、本発明の一実施形態に係る光学部材を示す。本実施形態に係る光学部材1は、透明基材2と、透明基材2の一方の面に形成された凹凸成型層3とからなる。
【0062】
透明基材2としては、透明なプラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等が挙げられるが、光学部材1が例えばディスプレイ表面への外光の写り込みを防止する(ディスプレイ表面の法線方向への反射光を低減させる)光学フィルムとして使用される場合には、プラスチックフィルムが好ましい。
【0063】
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等が挙げられ、中でも、機械的強度等の面から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系重合体フィルム等が好ましい。
【0064】
上記プラスチックフィルムにおいては、その表面に設けられる層(凹凸成型層3、後述する粘着剤層等)との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、プライマー処理、酸化法、凹凸化法等により表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。
【0065】
上記プラスチックフィルムの厚さは、光学部材1の用途に応じて適宜決定されるが、通常は15〜300μm程度であり、好ましくは30〜200μm程度である。
【0066】
凹凸成型層3は、前述した凹凸成型用硬化性材料を透明基材2に対して塗布して硬化性層を形成し、その硬化性層と、凹凸を有する型とを重ね合わせ、その状態で硬化性層を硬化させて型から分離して得られるもの、または硬化性層を型から分離した後に硬化させることにより得られるものであり、型からの転写により凹凸が成型されてなる。
【0067】
凹凸成型用硬化性材料の塗布は、常法によって行えばよく、例えば、バーコート法、ナイフコート法、マイヤーバー法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法によって行えばよい。なお、凹凸成型用硬化性材料が溶剤を含有する場合、当該硬化性材料を塗布したら、塗膜を50〜120℃程度で乾燥させることが好ましい。このようにして形成する硬化性層の厚さは、目的とする凹凸形状の凸部の高さ/凹部の深さに応じて適宜決定する。
【0068】
凹凸を有する型は、凹凸成型層3が当該型からの転写によって所望の凹凸形状を有するように、当該凹凸形状を反転させた凹凸形状を有するものであれば、特に限定されるものではない。そのような型としては、例えば、平板状またはロール状の金属部材の表面に、ブラスト処理、エッチング処理、酸化処理等によって微細な凹凸を形成した金型や、そのような金型から転写して得られた樹脂製または無機材料製の型、あるいは、プラスチックフィルムに微粒子を含有するコート層を形成した賦型フィルムや、プラスチックフィルムを加熱収縮させて表面に凹凸を形成した賦型フィルムなどが挙げられる。これらの型の凹凸表面に、シリコーン系やフッ素系等の離型剤を塗布して使用してもよい。
【0069】
硬化性層の硬化は、当該硬化性層に対して活性エネルギー線等を照射することによって行うことができる。活性エネルギー線としては、紫外線や電子線等が挙げられるが、中でも紫外線が好ましい。紫外線の照射量は、光量で100〜1000mJ/cm
2程度が好ましい。紫外線照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができる。
【0070】
凹凸成型層3の厚さは、凹凸形状の凸部の高さ/凹部の深さにもよるが、0.5〜30μmであることが好ましく、特に2〜25μmであることが好ましく、さらには5〜20μmであることが好ましい。
【0071】
凹凸成型層3の凹凸形状における凸部の高さ/凹部の深さは、0.1〜20μmであることが好ましく、特に0.1〜15μmであることが好ましく、さらには0.1〜10μmであることが好ましい。前述した凹凸成型用硬化性材料を使用して成型した凹凸成型層3は、上記の凸部の高さ/凹部の深さを有する凹凸形状を良好に形成することができる。
【0072】
凹凸成型層3の凹凸形状は、凸部の先端部の平面視形状が点状となる凹凸形状、または凸部の先端部の平面視形状が線状となる凹凸形状のいずれであってもよい。
【0073】
凹凸成型層3の凹凸形状は、JIS B0601:2001に規定される算術平均粗さ(Ra)が0.005〜2.500μmであることが好ましく、特に0.1〜2.000μmであることが好ましく、さらには0.3〜1.500μmであることが好ましい。また、JIS B0601:2001に規定される輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)が、0.05〜500μmであることが好ましく、特に2〜200μmであることが好ましく、さらには7.5〜100μmであることが好ましい。さらに、上記輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)に対する上記算術平均粗さ(Ra)の比(Ra/RSm)が、0.005〜0.1であることが好ましく、特に0.010〜0.050であることが好ましく、さらには0.015〜0.040であることが好ましい。なお、上記値の測定は、凹凸の形状や大きさに応じて適切な測定機を用いて行えばよい。測定機としては、具体的には、接触式(触針を使用)または非接触式(レーザセンサ、光干渉方式等を利用)の表面粗さ測定機が好ましく挙げられる。
【0074】
上記のように規定される凹凸形状は、凹凸成型層3の表面の法線方向への反射光を低減し、当該表面への外光の写り込みを防止することができるため、かかる凹凸形状を有する凹凸成型層3を備えた光学部材1は、例えば、テレビ、コンピュータ、携帯電話等の電子機器などに用いられる液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス等の表示装置用の防眩性フィルムや低反射フィルム(反射防止フィルム)として好適に使用される。また、算術平均粗さ(Ra)および輪郭曲線要素の平均長さ(RSm)から算出されるRa/RSm値を上記の範囲とする凹凸形状は、前述した凹凸成型用硬化性材料による耐擦傷性の効果がより顕著なものとなる。
【0075】
本実施形態に係る光学部材1が例えば防眩性フィルムや低反射フィルム(反射防止フィルム)として使用される場合、凹凸成型層3の表面における60度鏡面光沢度(JIS Z8741−1997)は、5〜100であることが好ましく、特に10〜80であることが好ましく、さらには15〜60であることが好ましい。60度鏡面光沢度が上記範囲であれば、凹凸成型層3の表面の法線方向への反射光が少なく、上記の用途において好ましいものとなる。前述した凹凸成型用硬化性材料を使用すれば、かかる60度鏡面光沢度を達成することができる。
【0076】
本実施形態に係る光学部材1は、透明基材2と凹凸成型層3とからなるものであるが、透明基材2の凹凸成型層3の反対面には、粘着剤層が形成されていてもよいし、さらには粘着剤層に剥離シートが積層されていてもよい。
【0077】
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、アクリル系、ゴム系、シリコーン系など公知の粘着剤を使用することができる。
【0078】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例】
【0079】
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
【0080】
〔実施例1〕
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「ATM−35E」,EO35単位含有,4官能,固形分濃度100質量%)80質量部と、ウレタンアクリレート(共栄社化学社製,商品名「UA−306H」,6官能,固形分濃度100質量%)20質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0081】
透明基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製,商品名「コスモシャインA4300」,厚さ100μm)の表面に、上記凹凸成型用硬化性材料をマイヤーバー#20で塗工し、70℃のオーブンで1分間乾燥させて、硬化性層を形成した。
【0082】
次いで、片面に凹凸を有する賦型フィルム(オプティカルソリューションズ社製,商品名「LSD60(1PC10−F12)」,凸部の先端部の平面視形状は線状)を用意し、その凹凸面に対し離型剤(日本合成化学社製,商品名「紫光UV−AF100」)を用いて離型処理を行った。そして、離型処理した賦型フィルムの凹凸面と上記硬化性層とを重ね合わせ、PETフィルム側から、高圧水銀ランプで600mJ/cm
2の紫外線を照射し、硬化性層を硬化させて、凹凸が成型された凹凸成型層(厚さ15μm)を形成した。その後、賦型フィルムを剥離して、凹凸成型層と透明基材とからなる光学フィルム(光学部材の一例)を得た。なお、凹凸成型層の厚みは、簡易型デジタル側長システム(ニコン社製,商品名「デジマイクロMH−15M」)により測定した。
【0083】
〔実施例2〕
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「ATM−35E」,EO35単位含有,4官能,固形分濃度100質量%)60質量部と、ウレタンアクリレート(共栄社化学社製,商品名「UA−306H」,6官能,固形分濃度100質量%)40質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0084】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0085】
〔実施例3〕
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「ATM−35E」,EO35単位含有,4官能,固形分濃度100質量%)100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0086】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0087】
〔実施例4〕
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性グリセリントリアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「A−GLY−20E」,EO20単位含有,3官能,固形分濃度100質量%)100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0088】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0089】
〔実施例5〕
主モノマーとしての2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)25質量部と、官能基含有モノマーとしての4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA)75質量部とをトルエン溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量40,000のアクリル系共重合体(a1)を生成した。このアクリル系共重合体(a1)の固形分100質量部と、不飽和基含有化合物(a2)としてのアクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製,商品名「カレンズAOI」)74質量部(アクリル系共重合体(a1)の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して100当量)とを反応させ、固形分約40質量%の活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液を得た。
【0090】
得られた活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「ATM−35E」,EO35単位含有,4官能,固形分濃度100質量%)27質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)2質量部と、希釈溶剤としてのトルエン40質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0091】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0092】
〔実施例6〕
実施例5で調製した活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしてのエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学工業社製,商品名「ATM−35E」,EO35単位含有,4官能,固形分濃度100質量%)17質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)1.7質量部と、希釈溶剤としてのトルエン25質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0093】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0094】
〔比較例1〕
アクリレートモノマー(新中村化学工業社製,商品名「A−DPH」,EO非含有,固形分濃度100質量%)100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0095】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0096】
〔比較例2〕
主モノマーとしてのアクリル酸ブチル(BA)85質量部と、官能基含有モノマーとしての2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)15質量部とをトルエン溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量60,000のアクリル系共重合体(a1)を生成した。このアクリル系共重合体(a1)の固形分100質量部と、不飽和基含有化合物(a2)としてのアクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製,商品名「カレンズAOI」)20質量部(アクリル系共重合体(a1)の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して100当量)とを反応させ、固形分約40質量%の活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液を得た。
【0097】
得られた活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)1.2質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0098】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0099】
〔比較例3〕
比較例2で調製したアクリル系共重合体(a1)の固形分100質量部と、不飽和基含有化合物(a2)としてのメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製,商品名「カレンズMOI」)20質量部(アクリル系共重合体(a1)の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して100当量)とを反応させ、固形分約40質量%の活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液を得た。
【0100】
得られた活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)1.2質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0101】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0102】
〔比較例4〕
主モノマーとしてのアクリル酸ブチル(BA)70質量部と、官能基含有モノマーとしての2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)30質量部とをトルエン溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量54,000のアクリル系共重合体(a1)を生成した。このアクリル系共重合体(a1)の固形分100質量部と、不飽和基含有化合物(a2)としてのアクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製,商品名「カレンズAOI」)36質量部(アクリル系共重合体(a1)の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して100当量)とを反応させ、固形分約40質量%の活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液を得た。
【0103】
得られた活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)1.2質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0104】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0105】
〔比較例5〕
主モノマーとしてのアクリル酸ブチル(BA)50質量部と、官能基含有モノマーとしての2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)50質量部とをトルエン溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量35,000のアクリル系共重合体(a1)を生成した。このアクリル系共重合体(a1)の固形分100質量部と、不飽和基含有化合物(a2)としてのアクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製,商品名「カレンズAOI」)61質量部(アクリル系共重合体(a1)の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して100当量)とを反応させ、固形分約40質量%の活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液を得た。
【0106】
得られた活性エネルギー線硬化性アクリル酸エステル共重合体(A)のトルエン溶液100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)1.2質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0107】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0108】
〔比較例6〕
ウレタンアクリレート(亜細亜工業社製,商品名「RUA−048」,3官能,固形分濃度100質量%)100質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0109】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0110】
〔比較例7〕
ウレタンアクリレート(亜細亜工業社製,商品名「RUA−048」,3官能,固形分濃度100質量%)90質量部と、アクリレートモノマー(新中村化学工業社製,商品名「A−DPH」,EO非含有,固形分濃度100質量%)10質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0111】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0112】
〔比較例8〕
ウレタンアクリレート(亜細亜工業社製,商品名「RUA−048」,3官能,固形分濃度100質量%)90質量部と、アクリレートモノマー(新中村化学工業社製,商品名「A−TMMT」,EO非含有,固形分濃度100質量%)10質量部と、光開始剤(BASF社製,商品名「Lucirin TPO」,固形分濃度100質量%)3質量部と、希釈溶剤としてのトルエン150質量部とを均一に混合し、固形分約41質量%の凹凸成型用硬化性材料を得た。
【0113】
上記凹凸成型用硬化性材料を使用する以外、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0114】
〔試験例1〕(負荷−除荷試験)
実施例および比較例で調製した凹凸成型用硬化性材料を、透明基材としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績社製,商品名「コスモシャインA4300」,厚さ100μm)の表面に、上記凹凸成型用硬化性材料をマイヤーバー#20で塗工し、70℃のオーブンで1分間乾燥させて、硬化性層を形成した。この硬化性層に対して、硬化性層の露出面側から、高圧水銀ランプで600mJ/cm
2の紫外線を照射し、硬化性層を硬化させて、厚さ20μmの硬化層とした。
【0115】
上記のようにして形成した硬化層について、ダイナミック超微小硬度計(島津製作所社製,商品名「DUH−W201S」)を使用して、以下の測定条件で負荷−除荷試験を行い、負荷時の最大深さD1(μm)および除荷時の最小深さD2(塑性変形量;μm)を測定するとともに、D1−D2(弾性変形量;μm)を算出した。結果を表1および
図2に示す。
【0116】
<ダイナミック超微小硬度計測定条件>
圧子:三角錐圧子 稜間角115°
試験モード:負荷−除荷モード
試験力:10mN
負荷速度:0.142mN/sec
保持時間:5sec
測定温度:室温
【0117】
〔試験例2〕(耐擦傷性試験)
実施例および比較例で得られた光学フィルムについて、#0000のスチールウールを用いて、100g/cm
2の荷重で凹凸成型層の表面を10往復擦り、2cm×5cmの範囲において傷の有無を目視にて確認し、以下の基準で評価した。結果を表1および
図2に示す。
◎ :傷が全く入っていない
○ :傷の本数が5本未満である
× :傷の本数が5本以上、10本未満である
××:傷の本数が10本以上である
【0118】
〔試験例3〕(表面粗さ)
実施例および比較例で得られた光学フィルムにおける凹凸成型層の表面の算術平均粗さRa(μm)および輪郭曲線要素の平均長さRSm(μm)を、接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製,製品名:SV3000S4)を用いて、JIS B0601:2001に準拠して測定した。また、得られた測定結果から、Ra/RSmを算出した。結果を表1に示す。
【0119】
〔試験例4〕(60度鏡面光沢度)
実施例および比較例で得られた光学フィルムにおける凹凸成型層の表面の60度鏡面光沢度を、光沢度計(日本電色社製,商品名「VG2000」)を用いて、JIS Z8142−1997に準拠して測定した。結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
表1および
図2から分かるように、実施例で得られた光学フィルムの凹凸成型層は、前述した式[1]および式[2]を満たし、優れた耐擦傷性を有しており、また、60度鏡面光沢度の測定値により、表面の法線方向への反射光が少ないものであった。