(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態のグリル扉1は、
図1に示されるように、グリル付きの加熱調理器に用いられる。グリル扉1は、加熱調理器のグリル部7に開閉自在に取り付けられる。
【0015】
加熱調理器としては、例えば、こんろバーナ56を備えたガスこんろや、電熱線等を用いた加熱部を有する電気こんろや、電磁調理器(IH(Induction Heating)調理器)であってもよく、また、ビルトイン型のこんろや、テーブルこんろや、こんろ部を備えない単独のグリル調理器であってもよく、特に限定されない。なお、本実施形態の加熱調理器は、複数のこんろバーナ56を備えたビルトイン型のガスこんろである。
【0016】
加熱調理器は、機器本体5と、天板6とを備えている。機器本体5は、当該機器本体5の外郭を形成するケーシング50と、ケーシング50内に配置された複数のこんろバーナ56と、ケーシング50内に配置されたグリル部7とを有している。
【0017】
ケーシング50は、前面・後面・両側面・底面を有する有底箱形状に形成されている。また、ケーシング50は、前面の上端から後方に向かって延出した天面前部51と、天面前部51の後方側の先端から上方に向かって延出した縦面部52と、上方開口部53とを備えている。上方開口部53は、縦面部52の上端と、両側面部の上端と、後面の上端とにより構成されており、平面視矩形枠状に形成されている。ケーシング50の前面には、
図2に示されるように、グリル扉1が取り付けられるグリル部用開口54と、グリル部用開口54の左右両側に設けられた操作部55とが設けられている。操作部55は、ユーザーがこんろバーナ56やグリル部7を操作するために用いられる。
【0018】
天板6は、ケーシング50の上方開口部53を塞ぐようにして取り付けられる。天板6は、排気口部61と、バーナ設置部62とを備えている。排気口部61は、天板6の後部に配置されている。排気口部61は、平面視矩形状の開口により構成されており、天板6を上下方向に貫通している。排気口部61には、網状の排気カバー63が取り付けられている。排気口部61は、グリル部7に連通しており、グリル部7からの排気を加熱調理器の外部に排出する。バーナ設置部62は、複数の貫通孔(本実施形態では3つ)を有している。バーナ設置部62には、ケーシング50の内部に収容配置されたこんろバーナ56が取り付けられる。天板6は、例えば、ガラスや、ステンレス板により構成されるが、特に限定されない。
【0019】
加熱調理器がキャビネットに設置されると、機器本体5は前面が露出した状態でキャビネット内に埋設され、天板6はキャビネットの上面に載設される。
【0020】
機器本体5の内部には、グリル部7が設けられている。グリル部7は、被加熱物を内部に収容して、被加熱物を上下両側から加熱する。グリル部7は、
図3に示されるように、グリル庫71と、グリル庫71の上方に設けられた断熱用間隙74とを備えている。
【0021】
グリル庫71は、筐体72と、熱源となるグリルバーナ(図示せず)とを備えている。筐体72は、前方に向かって開口した前方開口を有している。この前方開口は、ケーシング50の前面のグリル部用開口54に接続されている。この筐体72の前方開口の周縁部には、扉当接部73が設けられている。扉当接部73には、閉じた状態のグリル扉1の背面が当接または近接対向するようになっている。
【0022】
グリル庫71の下部後方には、グリル受皿(図示せず)が設けられている。グリル受皿には、被加熱物を載置するための焼き網(図示せず)が設置される。これにより、被加熱物をグリルバーナにて加熱できるようになっている。また、グリル庫71の後部には、排気通路(図示せず)が接続されている。排気通路は、グリル庫71の後部から上方に向かって延出し、天板6の排気口部61に接続されている。言い換えると、排気通路は、一端がグリル庫71に連通接続され、他端が排気口部61に連通接続されている。排気通路は、グリルバーナの燃焼排ガスを排気口部61に導き、これにより、グリル庫71内の燃焼排ガスをグリル庫71外に排気させる。
【0023】
グリルバーナは、上バーナ(図示せず)と、下バーナ(図示せず)とを備えている。上バーナは、グリル庫71の上部に配置されており、グリル庫71内に収容された被加熱物の上面を加熱する。下バーナは、グリル庫71の下部に、左右一対設けられている。下バーナは、グリル庫71内に収容された被加熱物の下面を加熱する。
【0024】
なお、グリルバーナは、上下方向のうちのいずれか一方のバーナにより構成されたものであってもよく、特に限定されない。また、グリル庫71の熱源として、グリルバーナに替えて、通電により発熱し輻射熱を放射するヒータが用いられてもよい。
【0025】
断熱用間隙74は、グリル庫71の熱がケーシング50に向かって熱伝導するのを抑制する。断熱用間隙74は、
図3に示されるように、グリル庫71の筐体72の上面と、ケーシング50の天面前部51との間の空隙により構成されている。言い換えると、断熱用間隙74は、グリル庫71の上面とケーシング50との間に設けられている。また、断熱用間隙74は、正面視において、グリル部用開口54の左右方向の略全長に亙って形成されている。断熱用間隙74は、前方に開口している。また、断熱用間隙74は、ケーシング50の内部に連通しており、また、天板6の下方を介して排気口部61に連通している。
【0026】
グリル扉1は、グリル部用開口54にレールを介して引き出し自在に取り付けられる。つまり、グリル扉1は、グリル部7に開閉自在に設けられている。
【0027】
グリル扉1は、
図5に示されるように、扉本体2と、扉本体2の上端に取り付けられた庇金具3と、扉本体2の上端部を覆う断熱部4とを備えている。グリル扉1は、
図3に示されるように、グリル庫71の前方開口を閉じた状態では、庇金具3の一部が断熱用間隙74に挿通されるようになっている。
【0028】
扉本体2は、グリル庫71の前方開口を開閉自在に閉塞する。扉本体2は、
図4に示されるように、上下方向に幅(高さ)を有し、左右方向に長さを有し、これにより正面視矩形状をしている。扉本体2は、窓部21(
図1,2,5参照)と、把持部22とを備えている。窓部21は、扉本体2の上下方向の中央部よりも上方に形成されている。窓部21には、ガラス等の透光性を有する透明部材が嵌め込まれている。把持部22は、扉本体2の前面に、左右方向の略全長に亙って設けられている。扉本体2の上端面には、庇金具3が載設される。
【0029】
庇金具3は、
図3,5に示されるように、扉本体2の上端面に固着具9を介して固定されている。庇金具3は、扉本体2の後面よりも後方に向かって突出している。庇金具3は、金属により構成されている。庇金具3は、扉本体2の上端に固定される固定部31と、固定部31の後方側の先端から後方に向かって延出した庇部32とを備えている。固定部31は、前方側の先端が下方に屈曲しており、断面略横倒しL字状をしている。固定部31は、前方側の先端が扉本体2の前面に当接した状態で、扉本体2の上端面に固定される。庇部32は、後方側の先端が上方に向かって屈曲しており、断面略横倒しL字状をしている。固定部31と庇部32とは、プレス加工等により一体成形されている。
【0030】
断熱部4は、庇金具3の上面および扉本体2の上端部を覆う。言い換えると、断熱部4は、庇部32および扉本体2の上端部を覆う。断熱部4は、樹脂断熱部41と、化粧部47とを備えている。断熱部4は、樹脂断熱部41と化粧部47とが一体成形されているが、製造に当たっては、予め樹脂断熱部41の樹脂成形を行った上で、化粧部47を成形するための金型8内にこの樹脂断熱部41をインサートして成形するものである。
【0031】
樹脂断熱部41は、高耐熱性樹脂により構成されている。また、樹脂断熱部41は、硬質樹脂により構成されており、例えば、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)により構成されている。この樹脂断熱部41は、例えば、射出成形や注型成形等により一体成形される。
【0032】
図7,8には、化粧部47が成形される前の樹脂断熱部41が記載されている。化粧部47が成形される前の樹脂断熱部41は、前後方向に幅を有すると共に左右方向に長さを有しており、平面視矩形状(帯状)をしている。この樹脂断熱部41は、前端部に設けられた保持凹所42と、前端部の上面に設けられた覆い片収容凹部43と、左右方向の両端に設けられた側方覆い部44とを備えている。
【0033】
保持凹所42は、樹脂断熱部41の前端縁に沿って設けられている。保持凹所42は、化粧部47との接続部分に設けられている。保持凹所42は、樹脂断熱部41の表面から下方に向かって凹没している。具体的に保持凹所42は、樹脂断熱部41を上下方向に貫通した貫通孔により構成されている。貫通孔には、左右方向に並ぶように複数並設された縦片421が設けられている。
【0034】
覆い片収容凹部43は、
図8に示されるように、保持凹所42よりも上方に設けられている。覆い片収容凹部43は、樹脂断熱部41の左右方向の略全長に亙って設けられている。覆い片収容凹部43は、化粧部47から延出した覆い片472(
図3参照)が入り込む部分である。覆い片収容凹部43は、樹脂断熱部41の上面から凹没した連通部431と、連通部431よりも下方に凹没した凹溝部432とを備えている。覆い片収容凹部43は、断面略L字状をした凹部を形成している。
【0035】
連通部431は、左右方向の略全長に亙って設けられている。連通部431は、前後方向に幅を有している。連通部431の底面は、
図8(d)に示されるように、樹脂断熱部41の上面よりも下方に位置している。連通部431は、樹脂断熱部41の厚み内において、保持凹所42よりも上方に位置している。凹溝部432は、左右方向の略全長に亙って設けられている。言い換えると、凹溝部432は、樹脂断熱部41の上面に、左右方向に沿って設けられている。凹溝部432は、連通部431の後端から下方に向かって連設されている。凹溝部432の底面は、連通部431の底面よりも下方に凹没している。
【0036】
側方覆い部44は、庇金具3の側方を覆う部分である。側方覆い部44は、樹脂断熱部41の左右方向の両端に設けられている。側方覆い部44の下端は、庇金具3の下面よりも下方に位置する。
【0037】
また、樹脂断熱部41の下面には、下方に向かって突出する突起部46が設けられている。これにより、樹脂断熱部41は、庇金具3に固定された状態では、
図3,5に示すように、庇部32の上面との間に、一定の隙間42を形成するようになっている。また、樹脂断熱部41には、複数の固着具挿通孔45が設けられている。固着具挿通孔45は、左右方向に並ぶよう所定のピッチで配置されている。固着具挿通孔45は、凹溝部432よりも後方に配置されている。断熱部4は、
図3〜5に示されるように、固着具挿通孔45に固着具9が挿通され、これにより庇金具3と共に扉本体2の上端面に固定される。
【0038】
化粧部47は、扉本体2の前面上縁に設けられる。この化粧部47は、樹脂断熱部41の前端部に一体成形される。化粧部47は、低耐熱性樹脂により構成されている。言い換えると、化粧部47は、樹脂断熱部41よりも耐熱温度が低い。化粧部47は、硬質樹脂により構成されており、例えば、PET/PBT樹脂(ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとの複合樹脂)により構成されている。
【0039】
化粧部47は、扉本体2の上端部において左右方向の略全長に亙って設けられている。化粧部47は、上下方向に幅(高さ)を有し、左右方向に長さを有している。化粧部47の上端面は、グリル扉1が閉じた状態では、
図3に示すように、ケーシング50の天面前部51の下面に近接対向するようになっている。化粧部47は、扉本体2の前面から前方に向かって突出している。
【0040】
化粧部47は、化粧部本体471と、覆い片472と、係合片473と、支持部474とを備えている。化粧部本体471は、扉本体2の前面の上端縁に沿って設けられている。覆い片472は、化粧部本体471の後面から後方に向かって突出している。覆い片472の上面は、樹脂断熱部41の上面と略面一となっている。覆い片472は、樹脂断熱部41の連通部431に入り込んでおり、樹脂断熱部41の一部を覆っている。係合片473は、覆い片472の後方側の先端から下方に向かって突出している。係合片473は、凹溝部432に入り込む。係合片473は、覆い片472の左右方向の略全長に亙って設けられている。
【0041】
なお、本実施形態の凹溝部432は、樹脂断熱部41の前側に設けられているが、樹脂断熱部41の後端部に沿って設けられたものであってもよい。この場合、化粧部47の覆い片472は、樹脂断熱部41の上面の略全部を覆うことになる。
【0042】
支持部474は、化粧部本体471の裏面から後方に向かって延出している。化粧部47は、樹脂断熱部41を金型8内にインサートして射出成形したものであるため、支持部474が樹脂断熱部41の保持凹所42内に、隙間なく充填されている。支持部474には、保持凹所42の縦片421が埋設されている。
【0043】
化粧部47の成形には、例えば、
図9に示されるような射出成形用の金型8が用いられる。
【0044】
金型8は、上型81と、下型82とを備えている。金型8内には、予め成形された樹脂断熱部41がインサートできるようになっている。下型82に樹脂断熱部41を配置し、この状態で下型82に上型81を型締めすると、
図9に示されるように、上型81と下型82と樹脂断熱部41との間に、キャビティ83が形成される。このキャビティ83内に、化粧部47を形成するための低耐熱性樹脂が溶融した状態で充填される。
【0045】
キャビティ83内に溶融した状態の樹脂(以下、溶融樹脂という)が充填されると、この溶融樹脂は、保持凹所42内に充填され、また、連通部431を通って凹溝部432にも充填される。この溶融樹脂は、保持凹所42内の縦片421の周囲にも回り込み、最終的にキャビティ83内に隙間なく充填される。溶融樹脂は、この状態で金型8と共に冷却されて硬化する。
【0046】
充填された樹脂が硬化した後、金型8を型開きする。これにより、断熱部4が形成される。この断熱部4は、
図3,4,5に示されるように、扉本体2の上端に、庇金具3と共に固着具9を介して固定される。
【0047】
このような構成のグリル扉1は、グリル部7に取り付けられる。
図3に示されるように、グリル扉1を閉じると、グリル扉1の後面から後方に向かって突出した庇部32が断熱用間隙74内に挿通される。また、グリル扉1の後面が、グリル庫71の前方開口の周縁部の扉当接部73に当接する。このとき、扉当接部73とグリル扉1とが隙間なく当接すれば、扉当接部73とグリル扉1との間から熱気が溢れ出るのを防ぐことができるが、扉当接部73とグリル扉1との間には、構造上、僅かな隙間ができる。
【0048】
この熱気は、扉当接部73とグリル扉1との間の隙間90を通過し、グリル庫71の上面と庇部32との間の隙間91を通り、断熱用間隙74内に流通する。断熱用間隙74は、グリル庫71よりも温度が低くなっているため、流入した熱気の温度を低下させる。
【0049】
断熱用間隙74に流入した熱気は、大部分が、天板6に設けられた排気口部61を介して外部に放出される。また、排気口部61に向かわなかったその他の熱気は、庇部32の下方を通過した後、樹脂断熱部41の上方側に回りこんで、ケーシング50の天面前部51の下面と化粧部47との間の隙間92に向かって移動する。このとき、化粧部47に至る熱気の温度は、断熱用間隙74を移動する際に、熱交換して低下しているため、化粧部47は、高熱の熱気に晒され難くなっている。そして、この熱気は、化粧部47の上端と天面前部51の下面との間の隙間92を介して、外部に放出される。
【0050】
また、庇部32と樹脂断熱部41との間には、一定の隙間42が介在しているため、庇部32が高温になったとしても、樹脂断熱部41への熱伝導を低減させることができる。しかも、樹脂断熱部41に触れる熱気は、庇部32に沿って迂回して、一旦、断熱用間隙74内を流通した熱気であるため、ある程度、温度低下している。このため、樹脂断熱部41として、高耐熱性樹脂でなく、低耐熱性樹脂を用いた場合であっても、耐熱性に関する問題は生じにくい。
【0051】
なお、グリル扉1に庇部32が設けられていない場合、グリル部7を使用すると、扉当接部73とグリル扉1との間の隙間90を通過した熱気の大部分は、化粧部47の上端と天面前部51の下面との間の隙間92に流れ込み、外部に放出される。つまり、庇部32が設けられていないグリル扉1を使用した場合に、化粧部47の上端と天面前部51の下面との間の隙間92から放出される熱気は、本実施形態のように、グリル庫71から溢れ出した熱気のうち、庇部32に衝突した後に回り込んだ僅かな量の熱気ではないため、化粧部47の上端と天面前部51の下面との間の隙間92から放出される熱気の量が多くなり、したがって、庇部32が設けられていないグリル扉1では、上端部における温度が高くなってしまうことになる。
【0052】
つまり、断熱用間隙74に没入する庇部32および樹脂断熱部41を備えたグリル扉1を用いた場合には、庇部32および樹脂断熱部41を備えないグリル扉1を用いた場合に比べて、グリル扉1の上端部における温度が低減される。
【0053】
また、化粧部47は、上述のように、低耐熱性樹脂により構成されている。このため、着色が自由に行いやすいものとなっている。なお、高耐熱性樹脂により形成された樹脂断熱部41は、黒色や灰色等の限定的な色にしかすることができず、着色の自由度は小さいものとなる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のグリル扉1は、グリル部7に開閉自在に設けられるものである。グリル部7は、ケーシング50の内部に設けられている。グリル部7は、グリル庫71と、断熱用間隙74とを備えている。グリル庫71は、前方に開口している。断熱用間隙74は、グリル庫71の上面とケーシング50との間に設けられており、前方に開口している。グリル扉1は、扉本体2と、庇部32と、樹脂断熱部41と、化粧部47とを備えている。扉本体2は、グリル庫71の前方開口を開閉自在に閉塞する。また、庇部32は、グリル庫71の前方開口を閉じた状態において、扉本体2の上端から後方に向かって突出しており、断熱用間隙74内に挿通されるものである。樹脂断熱部41は、庇部32の上面に隙間を介した状態で、この庇部32を覆うよう設けられている。化粧部47は、扉本体1の前面上縁に設けられている。また、化粧部47は、樹脂断熱部41に一体成形されている。化粧部47が成形される前の樹脂断熱部41は、化粧部47との接続部分に表面から凹没した保持凹所42が設けられている。化粧部47は、射出成形のための金型8内に予め成形された樹脂断熱部41をインサートし、この金型8と樹脂断熱部41とで形成されるキャビティ83内に、樹脂断熱部41よりも耐熱温度が低い溶融した状態の樹脂を充填し、この溶融樹脂を保持凹所42内に入り込ませた状態で硬化させたものである。
【0055】
このため、本実施形態のグリル扉1によれば、ユーザーが、グリル庫71内に収容された被加熱物を取り出そうとした際に、誤って、グリル扉1の上端部や庇部32の上面部分に触れてしまったとしても、ユーザーが感じる熱さを低減させることができる。特に、本実施形態のグリル扉1は、庇部32の上面が、樹脂断熱部41に隙間42を介して覆われているため、樹脂断熱部41に伝導する熱を低減させることができる。
【0056】
しかも、本実施形態のグリル扉1は、グリル部7を閉じた状態で、庇部32が断熱用間隙74に挿通されるため、グリル扉1の上端と、ケーシング50の前端との間の隙間92から漏れ出す熱気の量を減らすことができ、これにより、グリル扉1の上端の温度が熱くなるのを防ぐことができる。
【0057】
また、本実施形態のグリル扉1は、断熱部4が、予め成形された樹脂断熱部41をインサートして化粧部47を成形したものである。このため、化粧部47として、低耐熱性樹脂を用いることができる。この低耐熱性樹脂は、自由な着色がしやすいものであるため、種々の色に着色でき、設計上の自由度を向上させることができる。この結果、グリル扉1の前面に露出する断熱部4を良好な意匠とすることができ、意匠性を向上させることができる。
【0058】
しかも、化粧部47は、樹脂断熱部41を金型8内にインサートして射出成形により成形されたものであるため、保持凹所42内に隙間なく充填されており、樹脂断熱部41との結合力が強い。つまり、樹脂断熱部41が高耐熱樹脂により形成され、化粧部47が低耐熱樹脂により形成されたとしても、両者の結合力が強いものであるため、化粧部47が樹脂断熱部41から簡単に外れてしまうのを防ぐことができる。
【0059】
また、本実施形態の樹脂断熱部41の上面には、左右方向に沿って凹溝部432が設けられている。化粧部47は、化粧部本体471と、覆い片472と、係合片473とを備えている。化粧部本体471は、扉本体2の前面の上端縁に沿って設けられている。覆い片472は、化粧部本体471から後方に向かって突出し樹脂断熱部41の一部または略全部を覆う。係合片473は、覆い片472の後端に設けられ凹溝部432に入り込んでいる。
【0060】
一般的に、樹脂は射出成型後、硬化する際に収縮してしまうため、樹脂断熱部41の上面を覆う化粧部47の覆い片472は、化粧部本体471側に収縮しようとする。しかしながら、本実施形態の覆い片472には、凹溝部432に入り込む係合片473が設けられているため、覆い片472が収縮してしまうのを防ぐことができる。
【0061】
仮に、覆い片472に係合片473が設けられていないと、断熱部4は、射出成形後、硬化する際に、覆い片472が収縮して、この覆い片472の後方側の端部が化粧部本体471側に移動してしまう。すると、覆い片472の後方側の端部と、樹脂断熱部41との間に隙間が生じてしまう。このように、覆い片472の後方側の端部と樹脂断熱部41との間に隙間が生じると、美観を損ねたり、この隙間に異物が入り込んだりするおそれがある。つまり、本実施形態の係合片473と凹溝部432によれば、覆い片472と樹脂断熱部41との間に隙間ができるのを防止し、意匠性を良好に保つことができる。
【0062】
なお、本実施形態のグリル扉1は、樹脂断熱部41が高耐熱性樹脂により構成され、化粧部47が低耐熱性樹脂により構成されていたが、本発明においては、このものに限定されない。