(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置測定手段は、複数の発信源から発信される電波を受信し、前記複数の発信源の夫々からの電波の受信結果と、前記複数の発信源の夫々についての当該発信源の位置情報とに基づき、前記現在位置を測定する機能を少なくとも備えること
を特徴とする請求項7又は請求項8記載の電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したシステムでは、一つの路線に着目した場合、通過駅を、現在位置と基準地点との距離に基づいて判定している程度である。従って、この判定技術では、GPS受信機等の位置測定手段によって測定された誤差を含む位置と、その周辺の基準地点群との位置関係によっては、適切でない基準地点が最寄り地点として特定されてしまいがちである。また、この判定技術によれば、路線図データベースに、駅の位置座標の他、駅間の中間地点の位置座標を多数登録しておかなければ、実用的な通過駅の判定を行うことが難しく、情報量の多さからデータベースの構築及び管理に多くの労力を伴う。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、路線上の地点に対する車両の通過判定を、少ない情報量で高精度に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた第一の発明は、路線内の予め定められた地点について、この地点を車両が通過したか否かを判定する判定システムであって、位置測定手段と、判定手段と、を備える。
【0009】
位置測定手段は、車両の現在位置を測定する。判定手段は、上記地点を基点とする第一のベクトルと第二のベクトルとがなす角度に基づき、車両が上記地点を通過したか否かを判定する。第一のベクトルは、上記地点から位置測定手段により測定された現在位置へのベクトルである。第二のベクトルは、上記地点から路線に沿う車両の進行方向前方へのベクトルである。第二のベクトルを特定可能な情報は、例えば、システムの構築段階で予め記憶手段に記憶させておくことができる。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた第二の発明は、路線内の予め定められた複数地点の夫々について、この地点を車両が通過したか否かを判定する判定システムであって、位置測定手段と、設定手段と、判定手段と、を備える。
【0011】
位置測定手段は、車両の現在位置を測定する。設定手段は、上記複数地点の少なくとも一つを、車両の通過/非通過を判定する対象の地点である判定対象地点に設定する。そして、判定手段は、設定手段により設定された判定対象地点の夫々に関して、第一のベクトルと第二のベクトルとがなす角度に基づき、車両が判定対象地点を通過したか否かを判定する。
【0012】
第一のベクトルは、判定対象地点から位置測定手段により測定された現在位置へのベクトルである。第二のベクトルは、判定対象地点から車両の進行方向前方へのベクトルである。第二のベクトルとしては、判定対象地点から、複数地点の内、当該判定対象地点よりも車両の進行方向前方に隣接する地点へのベクトルを採用することができる。
【0013】
判定手段は、上記角度が所定値より小さい場合に、車両が判定対象地点を通過したと判定し、上記角度が所定値より大きい場合に、車両が判定対象地点を通過していないと判定する構成にすることができる。更に言えば、判定手段は、上記角度が90度より小さい場合に、車両が判定対象地点を通過したと判定し、角度が90度より大きい場合に、車両が判定対象地点を通過していないと判定する構成にすることができる。
【0014】
上述した第一及び第二の発明に係る判定システムによれば、ベクトル間の角度を指標に、車両の通過判定を行う。従って、これらの発明によれば、従来技術のように距離に基づく一次元的な通過判定よりも、路線上の特定地点に対する車両の通過判定を、少ない情報量で高精度に行うことができる。例えば、判定対象地点に設定され得る地点の中間点の位置座標がなくても、路線上の各地点に対する車両の通過判定を高精度に行うことができる。
【0015】
ところで、設定手段は、位置測定手段による現在位置の測定結果に基づき、複数地点の夫々に関して、車両と該当地点との間の距離を算出し、算出された距離が所定基準より小さい地点を判定対象地点に設定する構成にすることができる。この設定手段を備える判定システムによれば、上記判定手段を通じて、車両の現在位置周辺の地点に対する通過判定を行うことができる。
【0016】
この他、設定手段は、位置測定手段による現在位置の測定結果に基づき、複数地点の夫々に関して、車両と地点との間の距離を算出し、算出された距離が最も短い地点を判定対象地点に設定すると共に、複数地点の内、算出された距離が最も短い地点を基準に、路線において車両の進行方向の前後に位置する所定個の地点を判定対象地点に設定する構成にできる。
【0017】
更に言えば、設定手段は、複数地点の内、算出された距離が最も短い地点である最短地点、車両の進行方向前方において最短地点に隣接する地点、及び、車両の進行方向後方において最短地点に隣接する地点の合計3つを判定対象地点に設定することができる。このように、判定対象地点を設定すれば、車両の直近の通過地点や次の通過地点等を効率的に特定することができる。
【0018】
また、効率的な通過判定のために、判定手段については、次のように構成することも可能である。即ち、判定手段は、設定手段により設定された判定対象地点の夫々を、車両の進行方向前方の先頭に位置する地点から後方に向けて順に選択し、選択した地点である選択地点に対して、上記角度に基づき車両が選択地点を通過したか否かを判定する処理を実行し、この処理にて車両が通過したと判定された選択地点が現れた時点で、未選択の地点についての処理を実行せずに、未選択の地点を車両が通過した地点であると判定する構成にすることができる。
【0019】
同様に、判定手段は、設定手段により設定された判定対象地点の夫々を、車両の進行方向後方の末尾に位置する地点から前方に向けて順に選択し、選択した地点である選択地点に対して、上記角度に基づき車両が選択地点を通過したか否かを判定する処理を実行し、この処理にて車両が通過していないと判定された選択地点が現れた時点で、未選択の地点についての処理を実行せずに、未選択の地点を車両が通過していない地点であると判定する構成にすることもできる。
【0020】
路線を一方向に走行する車両によれば、その路線内の一点より進行方向前方が当該車両の非通過区間となり、進行方向後方が通過区間となる。よって、上述の順序で通過判定を行えば、効率的に、各地点に対する車両の通過/非通過を判定することができる。尚、上記未選択の地点に対する判定動作は、選択された地点についての判定結果に基づき、最終通過地点又は次に通過する地点を特定する動作により実現できる。
【0021】
また、上記判定システムに関する技術的思想は、線路上を走行する列車の当該線路上の地点に対する通過判定を行うシステムに適用することができる。このシステムによれば、例えば、判定対象地点に設定され得る地点に駅を含ませることにより、列車の各駅に対する通過判定を行うことが可能である。
【0022】
また、判定システムの具体的な形態としては、位置測定手段が車両に設けられ、判定手段(及び設定手段)が、位置測定手段と無線通信可能な状態で遠隔地に設けられた形態や、位置測定手段及び判定手段(及び設定手段)が一つの電子機器に搭載された形態を一例に挙げることができる。
【0023】
換言すると、上記判定システムとしては、予め定められた路線に沿って走行する車両内で用いられる電子機器であって、現在位置を測定する位置測定手段と、上記判定手段(及び設定手段)と、を備える電子機器の形態を採用し得る。
【0024】
この他、位置測定手段は、複数の発信源から発信される電波を受信し、複数の発信源の夫々からの電波の受信結果と、複数の発信源の夫々についての当該発信源の位置情報とに基づき、現在位置を測定する機能を少なくとも備える構成にすることができる。例えば、位置測定手段は、上記発信源としてのGPS衛星から発信される電波を受信して、現在位置を測定するGPS受信機としての機能を備えた構成にすることができる。別の形態として、位置測定手段は、地上の基地局から発信される電波を受信して、現在位置を測定する機能を有した構成にすることも可能である。
【0025】
また、上記判定手段(及び設定手段)としての機能は、プログラムにより、現在位置を測定する位置測定手段を備える電子機器のコンピュータに実現させることも可能である。コンピュータに、上記判定手段(及び設定手段)としての機能を実現させるためのプログラムについては、磁気ディスクや光ディスク、半導体装置等の記録媒体に記録して、ユーザに提供することも可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
本実施例の情報処理システム1は、
図1に示すように、通信機能を有した携帯型の電子機器である携帯端末10と、サーバ装置20と、が広域ネットワークを通じて互いに通信可能に構成されたものである。携帯端末10としては、スマートフォンを一例に挙げることができる。
【0028】
この携帯端末10は、メインユニット11と、通信ユニット13と、入力ユニット14と、表示ユニット15と、音出力ユニット16と、GPS受信機18と、各種センサ19と、を備える。メインユニット11は、携帯端末10内部を統括制御するものであり、CPU11A、RAM11B、及び、電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリとしてのNVRAM11C(例えばフラッシュメモリ)を備える。このメインユニット11によれば、CPU11Aが、NVRAM11Cに記録された各種プログラムに従う処理を実行する。このプログラムに従う処理により、携帯端末10内部は統括制御されて、例えばスマートフォンとしての機能が実現される。RAM11Bは、CPU11Aによる処理実行時に作業領域として使用される。
【0029】
通信ユニット13は、広域ネットワークを通じて外部装置と通信可能な通信インタフェースとして、セルラー網を通じて外部装置と通信可能な通信インタフェースと、無線LANを通じて外部装置と通信可能な通信インタフェースと、を備える。携帯端末10によれば、この通信ユニット13を通じて、メインユニット11が外部装置と通信することにより、広域ネットワークとしてのインターネットを介したサーバ装置20とのデータ通信が実現される。
【0030】
また、入力ユニット14は、ユーザからの携帯端末10に対する操作を受付可能なユーザインタフェースである。入力ユニット14は、例えば、機械式スイッチやタッチパネルにより構成される。入力ユニット14に対する操作情報は、メインユニット11に入力される。
【0031】
表示ユニット15は、メインユニット11に制御されて、各種情報をカラー表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される。この表示ユニット15に対しては、画面上に上記タッチパネルを設けることができる。表示ユニット15にタッチパネルが設けられた携帯端末10によれば、ユーザは、画面に対するタッチ操作により携帯端末10を操作することができる。また、音出力ユニット16は、スピーカ等を備え、メインユニット11に制御されて各種音声をユーザに向けて出力する。
【0032】
この他、GPS受信機18は、周知のように、GPS衛星からの発信電波に基づき、現在位置を測定(測位)するものである。即ち、GPS受信機18は、複数のGPS衛星から発信される電波であるGPS信号を受信し、これらGPS衛星の夫々からのGPS信号の受信時刻と、各GPS信号に含まれるGPS衛星の位置情報(軌道情報)及び時刻情報とに基づき、現在位置を測定する。GPS受信機18による測定された現在位置の情報は、メインユニット11に入力される。
【0033】
また、携帯端末10は、各種センサ19として、磁気センサの他、ジャイロセンサ及び加速度センサ等の慣性センサを備え、これらのセンサ出力は、メインユニット11に入力される。磁気センサは、地磁気を感知して方位を検出可能なセンサである。磁気センサ及び慣性センサの出力は、例えば、携帯端末10の向きや姿勢を検出するために用いられる。
【0034】
続いて、
図2〜
図4を用いて、メインユニット11がCPU11Aにて実行するプログラム間の対応関係、及び、これらプログラムによって実現される処理の内容について説明する。本実施例の携帯端末10によれば、メインユニット11において、駅通過判定プログラムPR1、及び、その他のアプリケーションプログラムPR2が実行される。アプリケーションプログラムPR2としては、車両(列車)の走行案内に係る処理を実行可能なプログラムや、後述する車窓から見える名所を案内する処理を実行可能なプログラムを一例に挙げることができる。
【0035】
メインユニット11は、アプリケーションプログラムPR2に従う処理プロセスにおいて、駅通過判定プログラムの実行命令が発せられると、駅通過判定プログラムに従って
図3に示す駅通過判定処理を開始する。
【0036】
駅通過判定処理を開始すると、メインユニット11は、命令元から、携帯端末10を所有するユーザの乗車車両が走行する路線を特定可能な情報である路線情報、及び、この車両の方向区分情報を取得し、この取得情報に基づいて、乗車車両の路線及び方向区分を特定する(S110)。ここで言う方向区分情報は、乗車車両が対応する路線の起点から終点への方向(下り)、及び、終点から起点への方向(上り)のいずれの方向に走行しているかを特定可能な情報である。即ち、S110では、乗車車両の路線に加え、方向区分として、上り/下りを特定する。
【0037】
更に、メインユニット11は、GPS受信機18から当該GPS受信機18により測定された現在位置の座標情報(緯度及び経度の情報)を取得し、この取得情報に基づいて、携帯端末10の現在位置を特定する(S120)。そして、S120で特定した現在位置を、S110において路線及び方向区分の特定された車両の現在位置とみなして、S130以降の処理を実行する。即ち、
図3に示す駅通過判定処理は、S110で特定された路線及び方向区分の車両に携帯端末10が持ち込まれていることを前提として正しく機能する。
【0038】
S130において、メインユニット11は、上記特定された路線内の駅毎に、この駅と上記特定された現在位置との距離(直線距離)を算出する。算出に必要な駅の位置座標については、S130においてサーバ装置20から取得することができる。システムの運営者側で、各路線における駅の位置座標を記述した駅データベースを格納したサーバ装置20を広域ネットワーク上に設置し、携帯端末10では、通信ユニット13を通じて上記算出に必要な駅の位置座標をサーバ装置20から通信により取得するといった具合である。
【0039】
別の実施形態としては、駅データベースを携帯端末10のNVRAM11Cに予めインストールしておく形態も考えられる。更に言えば、駅の位置座標については、S130での処理とは別に、逐次通信ユニット13を通じてサーバ装置20から収集する例も考えられる。
【0040】
S130での処理を終えると、メインユニット11は、S130で算出された距離が最も短い駅を中心に、上記路線において車両の進行方向前後所定個の駅を、通過判定対象駅に設定する(S140)。ここで言う車両の進行方向とは、S110で特定された方向区分に従う路線に沿う車両進路前方のことを示す。
【0041】
S140では、例えば、上記算出された距離が最も短い駅、進行方向前方において当該最短駅に隣接する駅、及び、進行方向後方において当該最短駅に隣接する駅の合計3つの駅を通過判定対象駅に設定することができる。
【0042】
図5には、東海道新幹線下りを車両が走行しているケースを想定して、東京から名古屋までの各駅と現在位置との距離の例を示す。この例によれば、通過判定対象駅を3つ設定する場合、最短駅である掛川駅と、進行方向前方において当該最短駅に隣接する浜松駅と、進行方向後方において当該最短駅に隣接する静岡駅とを、通過判定対象駅に設定することになる。
【0043】
その後、メインユニット11は、通過判定対象駅に設定された駅群の内、最も進行方向前方に位置する先頭の駅を、注目駅として選択し(S150)、この注目駅に関するS160〜S180の処理を実行する。上述したように、掛川駅、浜松駅及び静岡駅の計3つを、通過判定対象駅に設定した場合、S150においては、浜松駅を注目駅として選択することになる。
【0044】
S160に移行すると、メインユニット11は、注目駅からS120で特定された現在位置へのベクトルGを、この現在位置の座標と注目駅の位置座標(二次元座標)との差により算出する。更に、注目駅からS110で特定された路線における車両の進行方向前方に隣接する駅へのベクトルRを、この隣接する駅の位置座標と注目駅の位置座標との差により算出する。
【0045】
図4には、注目駅が駅CであるときのベクトルG,Rを、ベクトルGc,Rcで表す。同様に、注目駅が駅BであるときのベクトルG,Rを、ベクトルGb,Rbで表し、注目駅が駅AであるときのベクトルG,Rを、ベクトルGa,Raで表す。駅Cが浜松駅である場合、駅Bは掛川駅に該当し、駅Aは静岡駅に該当する。また、駅Dは、豊橋駅に該当する。
【0046】
また、S170では、S150で算出した注目駅を基点とするベクトルG,Rがなす角度θのコサイン値cosθを算出する。具体的には、ベクトルG,Rの単位ベクトルの内積<R/|R|,G/|G|>を算出することにより、ベクトルG,Rがなす角度θのコサイン値cosθを算出する。
図4には、ベクトルGc,Rcがなす角度θをθcで表し、ベクトルGb,Rbがなす角度θをθbで表し、ベクトルGa,Raがなす角度θをθaで表す。
【0047】
そして、S180では、S170で算出されたコサイン値cosθがゼロ以上であるか否かを判断することにより、ベクトルG,Rのなす角度が90度以下であるか否かを判断する。ここで、コサイン値cosθがゼロ未満であると判断すると(S180でNo)、ベクトルG,Rのなす角度が90度より広角であり、幾何学的には、車両が注目駅を通過している可能性が小さいため、メインユニット11は、注目駅を未だ車両が通過していない非通過駅であると判定し(S190)、S195に移行する。
【0048】
また、S195では、通過判定対象駅の一群の内、現注目駅よりも進行方向後方に隣接する駅を新たな注目駅として選択する。そして、この新たな注目駅について、S160〜S180の処理を実行する。
【0049】
そして、S180において、コサイン値がゼロ以上であると判断すると、ベクトルG,Rのなす角度が90度未満であり、幾何学的には、車両が注目駅を通過している可能性が高いため、メインユニット11は、S200に移行して、この注目駅を、車両の現時点における最終通過駅と判定する。
【0050】
即ち、本実施例によれば、通過判定対象駅の夫々を、車両の進行方向前方の先頭に位置する駅から後方に向けて順に注目駅として選択し、この注目駅に関して、上記コサイン値を指標に車両が当該注目駅を通過したか否かを判定する処理(S160〜S180)を実行する。そして、この処理にて車両が通過したと判定された注目駅が現れた時点で(S180でYes)、未選択の駅についてのS160〜S180の処理を実行せずに、現注目駅を最終通過駅と判定することで(S200)、実質的には、未選択駅を車両が通過した駅であると判定する。
【0051】
S200での処理を終えると、メインユニット11は、S210に移行し、駅通過判定処理の実行結果としての最終通過駅の情報を、上記命令元に出力(提供)する処理を実行する。その後、当該駅通過判定処理を終了する。この最終通過駅の情報を受ける命令元の処理としては、例えば、乗車車両情報として、駅通過判定処理から得られた最終通過駅の情報を表示ユニット15を通じてユーザに提供する処理を一例に挙げることができる。
【0052】
以上、本実施例における駅の通過判定手法について説明したが、本実施例によれば、ベクトルR,G間の角度を指標に、乗車車両の通過判定を行う。従って、従来技術のように距離に基づく一次元的な通過判定よりも、路線上の各駅に対する車両の通過判定を、少ない情報量で高精度に行うことができる。即ち、駅間の中間点の位置座標がなくても、路線上の各駅に対する車両の通過判定を高精度に行うことができる。
【0053】
また、本実施例によれば、路線内の一点より進行方向前方が、この車両の非通過区間となり、進行方向後方が通過区間となることを利用して、各通過判定対象駅についての車両の通過判定を、車両の進行方向前方の先頭に位置する駅から後方に向けて順に行うようにし、上述したように、車両が通過したと判定された駅が現れた時点で、S160〜S180の処理を止めて、未選択の駅を車両が通過した地点であると判定するようにした。従って、本実施例によれば、駅の通過/非通過を効率的に判定することができる。
【0054】
<利用例>
続いて、アプリケーションプログラムPR2として、車窓から見える名所を案内する処理である車窓案内処理を実行可能なプログラムを携帯端末10に搭載した場合の駅通過判定プログラムの利用例について説明する。携帯端末10のメインユニット11は、入力ユニット14に対するユーザの操作により、車窓案内処理の実行指示が入力されると、当該アプリケーションプログラムPR2に従って
図6に示す車窓案内処理を開始する。
【0055】
図6に示すように、車窓案内処理を開始すると、メインユニット11は、まずユーザが乗車している又は乗車する予定の列車に関する乗車駅及び降車駅の情報を、入力ユニット14を通じて入力可能な入力画面を、表示ユニット15の画面上に出力する(S310)。その後、メインユニット11は、乗車駅及び降車駅の入力が完了するまでS320〜S335の処理を繰り返し実行する。
【0056】
具体的に、上記入力画面を表示すると、メインユニット11は、この入力画面に設けられた「最寄り駅探索」ボタンの押下操作により、ユーザから最寄り駅探索指示が入力されたか否かを判断し(S320)、最寄り駅探索指示が入力されたと判断すると(S320でYes)、S325に移行する。
【0057】
そして、S325では、GPS受信機18により計測された現在位置の座標情報を取得し、現在位置の座標と、サーバ装置20が有する駅データベースに記述された各駅の位置座標とに基づき、所定のアルゴリズムにより最寄り駅を探索し、当該探索された最寄り駅を乗車駅に決定する。
【0058】
一方、最寄り駅探索指示が入力されていないと判断すると(S320でNo)、メインユニット11は、乗車駅及び降車駅の入力が完了したか否かを判断し(S330)、完了していないと判断すると(S330でNo)、ユーザの操作に対応した情報処理(入力画面の更新処理等)を実行して、乗車駅及び降車駅の入力操作を受け付ける(S335)。
【0059】
そして、乗車駅及び降車駅の入力が完了したと判断すると(S330でYes)、この乗車駅から降車駅までを走行する列車をリストアップした画面であって、入力ユニット14を通じて当該列車の一つを選択可能な選択画面を表示ユニット15の画面上に出力する(S340)。
【0060】
その後、メインユニット11は、選択画面から列車の一つが選択されたか否かを判断し(S350)、選択されていないと判断すると、ユーザの操作に対応した情報処理を実行して、選択画面に対する操作を受け付ける(S355)。
【0061】
そして、列車が選択されたと判断すると(S350でYes)、選択された列車に関して、上記乗車駅から降車駅までの区間内で、この列車の車窓から見える名所をリストアップした画面であって、入力ユニット14を通じて名所の一つ又は複数を選択可能な選択画面を表示ユニット15の画面上に出力する(S360)。この選択画面には、名所毎に、名所の名前の他、該当する列車が定刻運転されているときの名所の通過時刻や、名所に対応する地域の天気を付属情報として表示することができる。
【0062】
この選択画面の表示を実現するためには、例えば、サーバ装置20に、各駅間で車窓から確認できる名所のリストを記述した名所データベースを設けておき、携帯端末10からの広域ネットワークを通じた要求に応じて名所のリストを当該要求元の携帯端末10に提供するように、サーバ装置20を構成しておくことができる。
【0063】
また、名所データベースには、路線及び方向区分毎に、各駅間の名所のリストを、その位置情報と関連付けて登録しておくことができる。尚、上記列車の選択により、ユーザが乗車する列車の路線及び方向区分は一意に特定される。また、名所データベースには、列車毎に、定刻運転時の各名所の通過時刻を登録しておくことができる。この他、天気の情報については、天気情報を配信するサーバ装置から取得することができる。
【0064】
S360で選択画面を表示すると、メインユニット11は、この選択画面から案内する対象の名所の一つ又は複数が選択されたか否かを判断し(S370)、選択されていないと判断すると(S370でNo)、ユーザによる操作に対応した情報処理を実行して、選択画面に対する操作を受け付ける(S375)。
【0065】
そして、名所の一つ又は複数が選択されたと判断すると(S370でYes)、選択された名所の一つ又は複数を、案内対象の名所に設定し(S380)、各案内対象の名所に関して、この名所の定刻運転時の通過時刻の情報に基づき、列車が当該名所を通過する時刻の所定時間前から、この名所についての案内が開始されるように、名所毎のタイマー設定を行う(S390)。即ち、S390では、名所毎に、タイマー設定によって、名所案内の開始時刻を設定する。
【0066】
その後、メインユニット11は、S400に移行して、
図7に示す案内予定名所表示処理を実行した後、当該車窓案内処理を終了する。
図7に示す案内予定名所表示処理を開始すると、メインユニット11は、GPS受信機18により計測された現在位置の座標情報を取得して、現在位置を特定すると共に(S410)、各種センサ19の出力から携帯端末10の向き及び姿勢を特定し(S420)、この現在位置、並びに携帯端末10の向き及び姿勢の情報に基づいて、次に列車が通過する名所の名前、名所の方角、名所までの距離、及び、名所通過までの所要時間を表示ユニット15の画面上に表示する(S430)。この際、名所の方角を、矢印によって画面上に表示することができる。具体的には、携帯端末10の向き及び姿勢を加味して、画面上に表示した矢印が、名所の方向を向くように、矢印の表示制御を行うことができる。メインユニット11は、このような表示制御を、ユーザから当該表示制御の終了指示が入力されるまで実行し、終了指示が入力されると、当該案内予定名所表示処理を終了する。
【0067】
また、メインユニット11は、上記タイマー設定により、名所案内の開始時刻にタイマーから発せられる割込要求に応じて、
図8に示す案内制御処理を開始する。案内制御処理を開始すると、メインユニット11は、現時点での最終通過駅を特定する。この際には、上述した駅通過判定プログラムPR1を呼び出して、上記選択された列車の路線及び方向区分の情報を提供し、実行結果として、最終通過駅の情報を取得する。この取得情報から最終通過駅を特定する(S510)。
【0068】
その後、メインユニット11は、S510で特定されたこの最終通過駅の情報に基づいて、列車に遅延が生じているか否かを判断する。具体的には、仮に列車が定刻運転されている場合の現時刻における最終通過駅と、S510で特定された最終通過駅(即ち、GPS受信機18の測位結果から特定された最終通過駅)とを比較することで、列車に遅延が生じているか否かを判断する。S510で特定された最終通過駅が、仮に列車が定刻運転されている場合の最終通過駅よりも手前の駅である場合に、列車に遅延が生じていると判断するといった具合である。
【0069】
そして、遅延が生じていないと判断すると(S520でNo)、メインユニット11は、名所案内を開始する(S530)。名所案内としては、名所をまもなく通過する旨のメッセージを表示ユニット15の画面上に表示したり、名所の紹介文を表示ユニット15の画面上に表示したり、名所が見える方向を、現在位置や携帯端末10の向き及び姿勢を加味して、矢印等で表示ユニット15の画面上に表示したりする処理を実行することができる。携帯端末10の向き及び姿勢については、S420の処理と同様、各種センサ19の出力から特定することができる。
【0070】
また、メインユニット11は、このような名所案内を、当該名所案内の終了指示が入力ユニット14を通じてユーザから入力されるまで行い、終了指示が入力されると、当該名所案内を終了して、S550に移行する。そして、S550では、今回案内した名所の次に案内すべき名所が存在するか否かを判断し、該当する名所が存在すると判断すると(S550でYes)、この名所を対象とした案内予定名所表示処理(
図7参照)を実行した後(S560)、当該案内制御処理を終了する。一方、今回案内した名所の次に案内すべき名所が存在しないと判断すると(S550でNo)、S560の処理を実行せずに、当該案内制御処理を終了する。
【0071】
この他、S520において遅延が生じていると判断すると、メインユニット11は、名所案内が開始されていない各案内対象の名所について、この名所案内の開始時刻を遅らせるために、タイマーの再設定を行う(S570)。その後、当該案内制御処理を終了する。例えば、S570では、ユーザから遅延時間の情報を入力ユニット14を通じて取得して、この遅延時間分、名所案内の開始時刻が遅れるように、タイマーを再設定することができる。
【0072】
この他、タイマーの再設定については、ユーザからの遅延時間の入力なく自動で行っても良い。例えば、列車が定刻運転されている場合の最終通過駅を現時点で通過していないのであれば、遅延時間は、列車が定刻運転されている場合の最終通過駅を当該列車が定刻運転時に通過する時刻と、現時刻との差の時間(絶対値)よりも大きいはずである。従って、列車が定刻運転されている場合の最終通過駅を当該列車が定刻運転時に通過する時刻と、現時刻との差の時間分、各名所の案内開始時刻を遅らせるように、タイマーを再設定することで、再設定をユーザからの遅延時間の入力なく自動で行うことができる。
【0073】
以上、利用例を含む本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例によれば、携帯端末10が、サーバ装置20から駅の位置座標に関する情報を取得し、この情報に基づいて、ベクトルR,Gのなす角度に対応するコサイン値を算出し、このコサイン値に基づいて、駅の通過判定を行うようにしたが、このような処理の全部又は一部については、サーバ装置20が実行するように、情報処理システム1は構成されてもよい。このような情報処理システム1の構成は、例えば、携帯端末10からサーバ装置20に、GPS受信機18により測定された現在位置の座標情報を、通信ユニット13を通じて提供することにより実現可能である。
【0074】
また、ベクトルR,Gのなす角度に基づく駅の通過判定に関し、実際には車両が通過していないのに通過していると判定される確率を抑えるためには、通過/非通過の判定を切り替える境界とする角度θを、90度ではなく、それより小さい値に設定することが考えられる。反対に、実際には車両が通過しているのに通過していないと判定される確率を抑えるためには、通過/非通過の判定を切り替える境界とする角度θを、90度ではなく、それより大きい値に設定することが考えられる。
【0075】
この他、上記実施例では、注目駅の位置座標と前方において隣接する駅の位置座標とに基づき、ベクトルRを算出したが、駅毎のベクトルRの値を、予めサーバ装置20が有する駅データベースに登録しておくことも可能である。
【0076】
また、上述したベクトルRは、駅間を直線で結んで路線を表現したときの注目駅から路線に沿う車両の進行方向前方へのベクトルであるが、実際の路線の形状に合せて、各駅から路線に沿う車両の進行方向前方へのベクトルR’を設定し、これを上記ベクトルRに代えて駅データベースに登録しておくことも可能である。
【0077】
また、上記実施例では、駅の通過判定をベクトルR,Gに基づき行うようにしたが、駅間の中間点の通過判定についても、同様の原理で行うことが可能である。
この他、本発明は、上記実施例で説明したような線路上を走行する列車の通過判定に依らず、路線バスにおける各バス停の通過判定等にも適用することが可能である。
【0078】
また、上記実施例によれば、GPS受信機18を用いて現在位置を測定するようにしたが、携帯端末10の種類によっては、GPS受信機18が備えられていないケースが想定される。このようなGPS受信機18を備えない携帯端末10では、GPS受信機18に代えて、セルラー網を構成する基地局からの発信電波に基づき、現在位置を特定し、この現在位置の情報を用いて駅通過判定処理を実行してもよい。
【0079】
また、駅通過判定プログラムPR1は、現在位置からの距離に基づいて通過判定対象駅を設定するのではなく、外部から指定された一つ又は複数の駅を、通過判定対象駅に設定するように構成されてもよい。
【0080】
最後に、用語間の対応関係について説明する。GPS受信機18は、位置測定手段の一例に対応し、メインユニット11によって実行されるS130,S140の処理は、設定手段により実現される処理の一例に対応する。この他、メインユニット11によって実行されるS150〜S200は、判定手段によって実現される処理の一例に対応する。