特許第6013855号(P6013855)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6013855枕木の固定構造、並びにこれに用いられる継材及び座金
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013855
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】枕木の固定構造、並びにこれに用いられる継材及び座金
(51)【国際特許分類】
   E01B 1/00 20060101AFI20161011BHJP
   E01D 19/12 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   E01B1/00
   E01D19/12
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-216542(P2012-216542)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-177794(P2013-177794A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】特願2012-27592(P2012-27592)
(32)【優先日】2012年2月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596095769
【氏名又は名称】株式会社山田精密製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山田 耕一
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4695719(JP,B1)
【文献】 登録実用新案第3101165(JP,U)
【文献】 特開2001−049620(JP,A)
【文献】 特開平06−173374(JP,A)
【文献】 特開昭52−101506(JP,A)
【文献】 特開2001−098502(JP,A)
【文献】 特開平07−247501(JP,A)
【文献】 米国特許第04795091(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 1/00〜 26/00
E01D 1/00〜 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の枕木を橋桁に固定するための枕木の固定構造であって、
レールに沿って延びるとともに、前記枕木間の距離を保持する継材と、
前記枕木の上面側に配設された前記継材及びその枕木を上下方向に貫通するネジ棒部、並びに前記橋桁と係止した略J字状又はL字状のフック部を有するフックボルトと、
前記ネジ棒部の雄ねじ部に組み付けられたナットと
を備えることを特徴とする枕木の固定構造。
【請求項2】
前記ネジ棒部のうち前記継材を貫通する部位には、前記ネジ棒部の長手方向と平行な平面部が設けられており、
さらに、前記継材に設けられた貫通穴であって前記ネジ棒部が貫通する貫通穴の外縁部には、前記平面部と平行な直線部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の枕木の固定構造。
【請求項3】
前記ナットと前記継材との間には座金が配設されており、
さらに、前記座金には、前記継材側に突出して前記継材と係止した係止突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の枕木の固定構造。
【請求項4】
前記継材には、前記枕木側に突出して前記枕木と係止した係止突起が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の枕木の固定構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の枕木の固定構造に用いられ、前記枕木間の距離を保持するための継材であって、
前記ネジ棒部が貫通する貫通穴を有し、
前記貫通穴の外縁部には、直線状の直線部が設けられていることを特徴とする継材。
【請求項6】
前記貫通穴の貫通方向と平行な方向に突出し、前記枕木と係止可能な係止突起を有することを特徴とする請求項5に記載の継材。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の枕木の固定構造に用いられ、前記ナットと前記継材との間に配設される座金であって、
前記ネジ棒部が貫通する貫通穴を有し、
前記貫通穴の貫通方向と平行な方向に突出し、前記継材と係止可能な係止突起を有することを特徴とする座金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄橋等の橋桁に枕木を固定する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄橋等の橋桁に固定される枕木は、通常、特許文献1に記載されているように、枕木を貫通するフックボルトにて固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4695719号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の枕木は、レールの長手方向に沿って離散的に橋桁上に配設される。そして、枕木間の距離を保持すべく、通常、レールの長手方向に沿って延びる継材をコーチスクリュウ等の木ネジにて枕木に固定している。
【0005】
また、フックボルトにて枕木を橋桁に固定するに当たっては、ナットと枕木との間に座金が配設された状態でナットが規定トルクで締め込まれる。
しかし、鉄道車両の走行に伴って発生する振動によって座金が回転する場合がある。このとき仮に、座金が回転すると、枕木のうち座金と接触している部位が座金により削られ、恰も「ざぐり」のような円柱状の凹部が生じてしまう場合がある。そして、上記「ざぐり」が発生すると、フックボルトの締結力が更に低下してしまう。
【0006】
そこで、通常、鉄道車両の走行に伴って発生する振動によるナットの緩みを未然に防止すべく、定期的に線路の保守・点検を行うとともに、点検時に必要に応じてナットの増し締めを行っている。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、枕木に上記「ざぐり」が発生することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、複数の枕木を橋桁(1)に固定するための枕木の固定構造であって、レールに沿って延びるとともに、枕木(S)間の距離を保持する継材(3)と、枕木(S)の上面側に配設された継材(3)及びその枕木(S)を上下方向に貫通するネジ棒部(5A)、並びに橋桁(1)と係止した略J字状又はL字状のフック部(5B)を有するフックボルト(5)と、ネジ棒部(5A)の雄ねじ部(5C)に組み付けられたナット(7)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、本発明では、継材(3)はナット(7)と枕木(S)との間に介在することとなるので、本願発明に係る継材(3)は、「枕木(S)間の距離を保持する」という継材の本質的な機能に加え、「発明が解決しようとする課題」の欄で述べた「座金として機能」を兼ね備えた部材として機能する。
【0010】
しかも、継材(3)は、複数の枕木(S)間を渡すように複数の枕木(S)に固定され、かつ、それら枕木(S)はフックボルト(5)により橋桁(1)に固定されているので、継材(3)がフックボルト(5)周りに回転することはない。したがって、枕木(S)に上記「ざぐり」が発生することを確実に抑制できる。
【0011】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る枕木Sの固定構造を示す図である。
図2】(a)は本発明の実施形態に係る枕木Sの固定構造を示す図であり、(b)は固定部の断面図であり、(c)は固定部の分解斜視図である。
図3】(a)は継材3及び座金9の断面図であり、(b)は座金9の上面図である。
図4】(a)は継材3の斜視図であり、(b)は貫通穴3Bの拡大図である。
図5】(a)は第2実施形態に係る座金9の正面図であり、(b)は図5(a)の下面図であり、(c)は図5(a)のA−A断面図であり、(d)は第2実施形態に係る座金9の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0014】
そして、本実施形態は、鉄道用の橋桁に枕木を固定する固定構造に本発明を適用したものである。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.枕木の固定構造
鉄道用のレールRは、図1に示すように、一対の橋桁1間を渡すように配置された複数の枕木Sの上面に設置される。なお、橋桁1は、H形鋼又はI形鋼にて構成された梁であって、レールRの長手方向と平行な方向に延びている。
【0015】
継材3は、レールRに沿うように平行に延びて枕木S間の距離を保持する部材である。この継材3の表面には、エポキシ樹脂等により構成された電気絶縁被覆層が設けられている。そして、継材3は、図2(a)に示すように、枕木Sの上面側に配設された状態でフックボルト5により枕木Sに固定されている。
【0016】
フックボルト5は、図2(b)に示すように、ネジ棒部5A及びフック部5Bを有する金属製のボルトである。ネジ棒部5Aは、継材3及び枕木Sを上下方向に貫通する雄ねじ部である。フック部5Bは、橋桁1と係止する略J字状又はL字状の係止部である。
【0017】
ネジ棒部5Aには、ナット7が組み付けられる雄ねじ部5C、及びナット7の脱落を防止するピン7Aが挿入される挿入穴(図示せず。)が設けられている。なお、ネジ棒部5A及びフック部5Bは、金属製の棒により一体形成されている。
【0018】
ナット7は、継材3の上面側に配設された座金9を介してネジ棒部5A、つまりフックボルト5に締め込まれている。そして、フック部5Bが橋桁1に係止した状態でネジ棒部5Aが枕木Sを貫通しているので、ナット7が締め込まれることによりネジ棒部5Aに締結力が発生し、枕木Sが橋桁1に強固に押し付けられて橋桁1に固定される。
【0019】
因みに、本実施形態では、ナット7と座金9との間には、バネ座7Bが配設されている。このバネ座7Bは、ネジ棒部5Aの雄ねじ部5Cとナット7の雌ねじ部との接触面圧を高める向きの弾性力をナット7に作用させることにより、ナット7の緩みを防止している。
【0020】
座金9は、継材3側に突出して継材3と係止する係止突起9Aを有している。この係止突起9Aは、図3(a)に示すように、継材3の両側面3Aと係止するように矩形状の座金本体部9Bの両端側に設けられている。このため、本実施形態に係る座金9は、継材3側が開口した略コの字形状となっている。
【0021】
なお、本実施形態に係る係止突起9Aは、座金本体部9Bに一体成形されている。具体的には、1枚の金属板材にプレス加工を施すことにより、係止突起9A及び座金本体部9Bを一体成形している。
【0022】
また、ネジ棒部5Aのうち、少なくとも継材3及び座金9を貫通する部位には、図2(c)に示すように、ネジ棒部5Aの長手方向と平行な平面部5Dが設けられている。一方、継材3及び座金9には、ネジ棒部5Aが貫通する貫通穴3B、9Cが設けられている。そして、貫通穴3B、9Cは、図3(b)及び図4に示すように、長円状又はD字状となっている。
【0023】
すなわち、貫通穴3B、9Cは、その外縁部に平面部5Dと平行な直線部3C、9Dが設けられた異形状となっている。このため、ネジ棒部5Aが貫通穴3B、9Cを貫通した状態では、ネジ棒部5Aの平面部5Dが貫通穴3B、9Cの直線部3C、9Dに係止された状態となるので、フックボルト5と継材3及び座金9とが互いに回り止めされた状態となる。
【0024】
また、継材3のうち枕木Sと接触する側には、図1に示すように、枕木S側に突出して枕木Sと係止した係止突起3Dが設けられている。この係止突起3Dは、枕木S間に相当する部位において、貫通穴3Bの貫通方向、つまりネジ棒部5Aと平行な方向において、橋桁1側に向かって突出したものである。このため、継材3のうち係止突起3Dが設けられた部位の断面形状は、略L字状となっている。
【0025】
因みに、本実施形態に係る継材3では、図4(a)に示すように、L形鋼の一部を切断除去することにより枕木Sに固定される部位を形成し、切断除去されなかった部位を利用して係止突起3Dとしている。
【0026】
2.枕木の固定構造の特徴
本実施形態では、継材3はナット7と枕木Sとの間に介在することとなるので、継材3は、「枕木S間の距離を保持する」という継材の本質的な機能に加え、「発明が解決しようとする課題」の欄で述べた「座金として機能」を兼ね備えた部材として機能する。
【0027】
しかも、継材3は、複数の枕木S間を渡すように複数の枕木Sに固定され、かつ、それら枕木Sはフックボルト5により橋桁1に固定されているので、継材3がフックボルト5周りに回転することはない。したがって、枕木Sに上記「ざぐり」が発生することを確実に抑制できる。
【0028】
また、本実施形態では、ナット7と継材3との間には、継材3側に突出して継材3と係止した係止突起9Aが設けられた座金9が配設されていることを特徴としている。
これにより、本実施形態では、座金9は継材3に係止された構成となるので、座金9が回転してしまうことを防止できる。延いては、座金9の回転に伴うナット7の緩みを確実に抑制できる。
【0029】
また、本実施形態では、ネジ棒部5Aの平面部5Dが貫通穴3B、9Dの直線部3C、9Dに係止された状態となる。一方、継材3は、前述したように、枕木Sに対して回転しない。また、座金9は、その係止突起9Aが継材3と係止しているため、継材3に対して回転しない。
【0030】
つまり、ネジ棒部5Aは回転しない継材3及び座金9に係止された状態となるので、車両の走行に伴ってフックボルト5が加振されても、ネジ棒部5Aがナット7に対して回転してしまうことを抑制できる。延いては、車両の走行に伴う振動が発生しても、ナット7が緩んでしまうことを抑制できるので、枕木Sに上記「ざぐり」が発生することをより確実に抑制できる。
【0031】
また、本実施形態係る継材3は、枕木S側に突出して枕木Sと係止した係止突起3Dが設けられていることを特徴としている。これにより、本実施形態では、枕木Sと係止突起3Dとが互いに係止することにより、枕木S間の距離を確実に保持することができる。
【0032】
また、枕木Sを橋桁1に敷設する際には、枕木Sを係止突起3Dに当てるように枕木Sを配置することにより、容易に枕木S間の距離を設定することができる。
また、継材3の表面に電気絶縁被覆層が設けられているので、継材3を介して軌道回路等が短絡してしまうことを未然に防止できる。
【0033】
(第2実施形態)
上述の実施形態では、金属板にプレス加工を施して当該金属板の両端側を略90°折り曲げて係止突起9Aを構成していたため、座金9は、図3(a)に示すように、継材3側が開口した略コの字形状となっていた。
【0034】
しかし、上記構成では、金属板の厚み寸法tが厚く、かつ、当該金属板の厚み寸法に対して係止突起9Aの突出寸法Tが小さい場合には、プレス加工時の加工度が大きくなるので、係止突起9Aと座金本体部9Bとの境目9Eに亀裂が生じ易い。因みに、第1実施形態に係る金属板の厚み寸法tは6mmであり、係止突起9Aの突出寸法Tは6mmである。
【0035】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、係止突起9Aと座金本体部9Bとの角度θ1を90°より小さく角度(例えば、約70°)としている(図5(c)参照)。さらに、座金本体部9Bの端部を幅方向全域に亘って同一の角度θ1で折り曲げるのではなく、幅方向において一部のみを角度θ1で折り曲げて係止突起9Aとしている(図5(a)参照)。
【0036】
なお、本実施形態では、座金本体部9Bの端部のうち幅方向中央部に係止突起9Aを形成し、かつ、座金本体部9Bの端部のうち係止突起9A以外の部位は、係止突起9Aより小さい角度θ2(例えば、45°)にて折り曲げられている。
【0037】
したがって、プレス加工時に、係止突起9Aと座金本体部9Bとの境目に大きな曲げ応力が発生することを防止できるので、当該境目にて亀裂が生じることを抑制できる。
なお、本実施形態では、座金本体部9Bの端部のうち幅方向中央部のみに係止突起9Aが形成されていたが、本実施形態は、これに限定されるものではない。
【0038】
つまり、本実施形態では、係止突起9Aの折り曲げ角度θ1を90°より小さくすることに特徴があるので、例えば、座金本体部9Bの端部のうち幅方向全域を90°より小さい角度θ1で折り曲げることにより幅方向全域を係止突起9Aとする、又は幅方向端部側のみに係止突起9Aを設けてもよい。
【0039】
因みに、本実施形態では、係止突起9Aとそれ以外の部位とを1回のプレス加工にて成形しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、座金本体部9Bの端部を幅方向全域に亘って同一の角度θ2で折り曲げた後、その一部を角度θ1まで更に折り曲げて係止突起9Aを成形してもよい。これにより、1回当たりの加工度が小さくなるので、係止突起9Aと座金本体部9Bとの境目にて亀裂が生じることを確実に抑制できる。
【0040】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ネジ棒部5Aの平面部5Dが設けられ、継材3の貫通穴3Bの外縁部に直線部3Cが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平面部5D及び直線部3Cを廃止してもよい。
【0041】
また、上述の実施形態では、継材3の貫通穴3Bが長円又はD字状であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば矩形状や十字状、又は円形に平行な二面を設けた形状等の異形状であってもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、座金9の係止突起9Aは継材3の両側面3Aと係止するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、継材3に設けられた凹部や穴と係止するものであってもよい。
【0043】
また、上述の実施形態では、継材3の係止突起3Dは、隣り合う枕木S間のほぼ全域で橋桁1側に向けて突出したものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、枕木2と接触する部分のみが突出した突起部により係止突起3Dを構成してもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、平面部5Dが継材3を貫通する部位、つまり雄ねじ部5Cが形成された部位に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ネジ棒部5A全体に平面部5Dを設けてもよい。このとき、枕木Sに設けたネジ棒部5Aが貫通する貫通穴も長円又はD字状とすると、フックボルト5が回転してしまうことをより一層抑制できる。
【0045】
また、上述の実施形態では、ナット7と座金9との間にバネ座7Bを配設したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、バネ座7Bを廃止する、又はバネ座7Bに代えて平ワッシャをナット7と座金9との間に配設する等としてもよい。
【0046】
また、上述の実施形態では、継材3に枕木S側に突出して枕木Sと係止した係止突起3Dが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、係止突起3Dを廃止してもよい。具体的には、単純な帯状の平板にて継材3を構成する、又は上方側に凸となるようにL形鋼を配設して継材3とする等としてもよい。
【0047】
また、第1実施形態では、継材3の貫通穴3B、及び座金9の貫通穴9Cの長径方向は、図2(a)に示すように、レールR又は継材3の長手方向と平行であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、貫通穴3B及び貫通穴9Cの少なくとも一方の長径方向が、レールR又は継材3の長手方向と交差又は直交する方向と平行であってもよい。
【0048】
この場合、例えば、貫通穴3B及び貫通穴9Cの長径方向をレールRの長手方向と直交する方向と平行とすれば、レールRの「通り狂い」を貫通穴3B及び貫通穴9Cで吸収することができる。
【0049】
また、上述の実施形態では、継材3の表面に電気絶縁被覆層を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単純な塗装被膜や電着塗装被膜としてもよい。なお、表面に電気絶縁被覆層を設けた継材3は、本発明以外、つまり、従来構造の枕木の固定構造にも適用できる。
【0050】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
1… 橋桁 2… 枕木 3… 継材 3A… 側面
3B… 貫通穴 3C… 直線部 3D… 係止突起 5… フックボルト
5A… ネジ棒部 5B… フック部 5C… 部 5D… 平面部
7… ナット 7A… ピン 7B… バネ座 9… 座金 9A… 係止突起
9B… 座金本体部 R… レール S… 枕木
図1
図2
図3
図4
図5