(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記平板部の前記被塗布物側の表面において前記転写針の周りに設けられ、前記転写針の先端を前記被塗布物の表面に接触させたときに前記平板部と前記被塗布物の表面の間に所定の隙間を形成するための複数の脚部を備える、請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の塗布ユニット。
さらに、前記平板部と前記第1のベース部との隙間を介して前記転写針の周囲に前記液状物質の溶剤を霧化したエアーを吹きつける霧化器を備える、請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の塗布ユニット。
前記転写針には、前記第1のベース部から先端まで貫通し、前記液状物質を供給するための供給孔が形成されている、請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の塗布ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0035】
図1〜
図25は、本発明の実施の形態の塗布ユニット、塗布装置、および転写塗布方法を示している。
【0036】
[転写ヘッドの基本構成]
図1に示す転写ヘッド3は、ワーク(被塗布物)に対して、対峙するように塗布ユニット2(
図5参照)の下端部にフレーム枠材5部分を装着させて、ワーク(被塗布物)への塗布工程で使用されるものである。
【0037】
たとえば、被塗布物としての基板4の表面に半田ボールを搭載する前処理工程では、半田ボールの設けられるであろう位置に対応させて、液状物質であるフラックスが、事前に塗布される工程が存在する。
【0038】
この際、塗布ユニット2に装着された転写ヘッド3が使用されて、液状物質であるフラックスが、基板4の表面の複数の点に塗布される。
【0039】
図1に戻って、まず転写ヘッド3の要部の構成から説明すると、この実施の形態の転写ヘッド3は、平面視正方形状のフレーム枠材5の内側に、一枚の板材を加工して作成された平板面状のヘッド本体6が係合されている。
【0040】
転写ヘッド3のヘッド本体6は、平面視ほぼ正方形の平板面状を呈していて、基板4に設けられるフラックスを塗布する複数の点にそれぞれ対応した複数の第1の孔7が縦横方向に等ピッチ(等間隔)で配列されている。
【0041】
この第1の孔7は、上面視で正方形形状を呈していて、ヘッド本体6のこれらの各第1の孔7内には、それぞれ一つづつ、対応する第1のベース部8が設けられている。
【0042】
この実施の形態では、
図2に示すように、各第1の孔7の内周縁よりも、第1のベース部8の外周縁の方が小さくなるように設定されている。
【0043】
また、第1のベース部8の外周縁の各辺と、第1の孔7の内周縁の各辺とが、それぞれ平行に設けられる。しかも第1のベース部8の面内外方向で、ヘッド本体6の平板部6aの面内外方向の位置と、それぞれの第1のベース部8の面内外方向の位置とがほぼ同一高さ位置で面一(以下、同一レベルと記す)となるように設定されている。
【0044】
そして、ヘッド本体6の平板部6aの面内外方向で、同一レベルに第1のベース部8を位置させた状態で、平板部6aから延設された第1の連結部としての弾性支持部12によって第1のベース部8が、ヘッド本体6の一部として連結されている。
【0045】
この弾性支持部12は、第1の孔7の内周縁の各四隅部および第1のベース部8の外周縁の四隅部との間に4本独立して設けられていて、それぞれヘッド本体6に第1のベース部8が同一レベルで連結されて支持されている。
【0046】
弾性支持部12は、それぞれS字状を呈して、四方から蛇行中心軸の方向を第1の孔7の対角線に沿わせて延設することにより、第1のベース部8の四隅でそれぞれ連結されて、四方で均等に弾性支持する。
【0047】
そして、第1のベース部8に面内外方向の力が加わると、各弾性支持部12が形状を撓ませながら弾性変形する。弾性支持部12は、同じ長さの中心軸を有する長尺片状の板バネ部材に比して、長いストロークを設定し易い。
【0048】
しかも、第1のベース部8自体が、弾性支持部12の変形が生じても、撓む等の変形を起こしにくい。このため、第1のベース部8は、この弾性変形により傾斜等することなく、平板部6aに対して平行状態のまま、面内外方向(
図3中、中心軸に沿った方向)に向けて、相対変位可能に構成されている。
【0049】
そして、弾性支持部12は、それぞれS字状を呈しているので、同じストロークで第1のベース部8を変位させる場合、蛇行中心軸の長手方向寸法を、長尺片状の板バネ部材などに比して、短く設定できる。このため、さらに狭ピッチ化が容易に行なえる。
【0050】
また、この第1のベース部8の基板4側の表面から、基板4の方向(この実施の形態では、面内外方向と同じ方向)に向けて転写針9がそれぞれ突設されている。
【0051】
この実施の形態では、一つの第1の孔7に対して一つの第1のベース部8が設けられて、一つの第1のベース部8には、一本の転写針9が突設されている。
【0052】
そして、これらのヘッド本体6の転写針9は、第1のベース部8の数と同じ12×12=144本設けられている。
【0053】
これらの転写針9は、それぞれ第1のベース部8側に位置する基端から基板4側に位置する先端方向へ向けてテーパ状を呈して、それぞれ側面部10が形成されるとともに、先端に位置する基板4側端部には、所定の面積の平坦部11が形成されている。
【0054】
この平坦部11の面積の設定により、各転写針9が保持できるフラックスの分量が設定可能とされている。したがって、この平坦部11を小さな面積となるように加工することにより、微細なフラックス21の塗布が可能となる。
【0055】
また、第1の孔7の周縁部の四隅から延設された弾性支持部12で支持された第1のベース部8の転写針9がヘッド本体6の板面の面内外方向へ相対変位可能となるように弾性支持部12の太さ(幅および厚さ)寸法およびS字形状の蛇行量の設定されている。
【0056】
そして、
図4に示すように、第1のベース部8と弾性支持部12との間には、隙間15が面内外方向に連通して形成されている。この隙間15は、後述するフラックスを転写ヘッド3の上から、第1のベース部8を介して転写針9へ供給する場合に用いても良い。
【0057】
しかも、この実施の形態では、ヘッド本体6および第1のベース部8が一枚の板材を加工することにより形成されていて、ヘッド本体6および第1のベース部8間を連結する各弾性支持部12と共に、一つの部材で構成されている。
【0058】
さらに、第1のベース部8に設けられる転写針9がヘッド本体6および第1のベース部8を構成する一枚の金属製の板材(同じ材料で構成される一部材)から加工されて一体に形成されている。
【0059】
加工方法としては、たとえば、フォトリソグラフィとエッチングとにより加工される方法が知られている。この方法では、微細なピッチ(例えば、100μm以下などの狭間隔)で転写針9を第1のベース部8に一体に形成することが可能である。
【0060】
したがって、この実施の形態では、フォトリソグラフィとエッチングとにより一枚の板材が加工されることにより、ヘッド本体6の平板部6aおよび転写針9が個別に形成された複数の第1のベース部8間が各弾性支持部12によって連結されて、単一の部材で一体に形成されている。
【0061】
なお、この実施の形態では、一つの第1の孔7に対して一つの第1のベース部8が設けられて、一つの第1のベース部8には、一本の転写針9が突設されている。
【0062】
すなわち、ヘッド本体6の各第1の孔7内には、各第1の孔7に対応してそれぞれ一つづつ、第1のベース部8が設けられているが、特にこれに限らず、一つの孔に二以上の複数の第1のベース部8が対応して設けられていてもよい。
【0063】
たとえば、ヘッド本体6の平板部6aに単一の開口を有する比較的大きな第1の孔7を形成して、複数の第1のベース部8を配列して、第1の孔7の内周縁と同様に、弾性支持部12で相互に連結するように構成してもよい。
【0064】
また、一つの第1のベース部8に、二本以上の複数の転写針9が突設されていてもよい。
[塗布装置の構成]
図5は、この塗布ユニット2を備える塗布装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0065】
上述した転写ヘッド3を有する塗布ユニット2は、塗布装置1(
図5参照)に装着されるものである。このような転写ヘッド3は、塗布装置1に載置される被塗布物としての基板4に対向するように、塗布ユニット2の被塗布物側の先端に装着される。
【0066】
また、この塗布装置1は、被塗布物としての基板4の表面のフラックスが塗布される部分を観察する観察光学機構101と、塗布ユニット2および観察光学機構101とを、基板4に対して相対的に移動可能とする駆動部としての駆動機構102が備えられている。
【0067】
この駆動機構102は、主に、Y軸テーブル103と、Z軸テーブル105よびX軸テーブル106とを備える。
【0068】
このうち、基板4を載置するY軸テーブル103は、スライドガイドレール104,104に沿って、Y軸方向に基板4を移動可能とするように構成されている。
【0069】
このY軸テーブル103の上方には、基板4の表面側と対向するように、観察光学機構101および塗布ユニット2を搭載するZ軸テーブル105が設けられている。
【0070】
Z軸テーブル105は、CCDカメラ109などを含む観察光学機構101および塗布ユニット2をZ軸方向に移動可能とするように構成されている。
【0071】
さらに、Z軸テーブル105は、X軸テーブル106によってX軸方向に沿って移動可能に構成されている。
【0072】
これらの駆動機構102では、Y軸テーブル103、Z軸テーブル105およびX軸テーブル106の動作が制御部としての制御用コンピュータ107によって制御される。
【0073】
この制御用コンピュータ107には、駆動指令を入力する入力部としての操作パネル108などが接続されていて、図示しない画像処理装置となどと共に、所望の工程の駆動動作を可能としている。
【0074】
[塗布ユニットの基本動作]
図6は、この実施の形態の塗布ユニット2を用いた塗布装置1の基本的な動作について説明する概念図である。
【0075】
この
図6では、まず、
図6中(a)に示すように、塗布装置1の塗布ユニット2に転写ヘッド3が装着されると、転写針9の先端が基板4の表面と対峙する位置にセットされる。
【0076】
図6中(b)に示すように、この転写針9の先端にフラックス21を付着させて、所定量保持させる。
【0077】
図6中(c)に示すように、駆動機構102のZ軸テーブル105を駆動させて、転写ヘッド3を下降させると、転写針9の先端が基板4の表面14に当接して、フラックス21が表面14に転写塗布される。
【0078】
この際、第1のベース部8を弾性支持する弾性支持部12,12は、撓み変形して転写針9の先端に加わる力が吸収される。よって、偏荷重により、転写針9の先端が変形するなどのおそれを減少させることができる。
【0079】
図6中(d)に示すように、駆動機構102のZ軸テーブル105を駆動させて、転写ヘッド3を上昇させると、フラックス21が基板4の表面14に残留して転写が終了する。
【0080】
転写針9の先端には、所定面積の平坦部11が形成されているので、基板4の表面14に転写されるフラックス21の分量を調整することが可能である。
【0081】
[外部のフラックス槽を使用する場合]
図7は、実施の形態の転写ユニットを用いて、転写塗布を行なう一例として、個別に用意されたフラックス槽20内のフラックス21に、転写針9の先端が浸けられて、先端にフラックス21が添着されることにより、転写塗布を行なう工程の様子を示す概念図である。
【0082】
図7中(a)に示すように、駆動機構102を駆動させて転写ヘッド3をフラックス槽20の上方位置から降下させると、転写針9の先端がフラックス槽20内に注入されている液体物質としてのフラックス21の液面に、開口部を介して浸漬されて、転写塗布に必要とされる量のフラックス21を付着させる。
【0083】
この際、ヘッド本体6の複数の転写針9の針先に、フラックス21が同時に保持される。
【0084】
図7中(b)に示すように、各転写針9の針先にフラックスが付着された状態で、駆動機構102のZ軸テーブル105を駆動して転写ヘッド3を上昇させるか、あるいは、Y軸テーブル103およびX軸テーブル106のうち少なくとも1つを駆動してフラックス槽20を退避させる。
【0085】
フラックス槽20の上方位置から相対移動したヘッド本体6には、各転写針9の針先にフラックス21がそれぞれ保持されている。
【0086】
次に、
図7中(c)に示すように、駆動機構102のZ軸テーブル105が駆動されて、基板4の表面14に向けて転写ヘッド3ごと降下された各転写針9が基板4の表面14に設けられた所望の複数の点の位置に、それぞれの針先を当接させる。
【0087】
各転写針9の針先に保持されているフラックス21は、
図7中(d)に示すように、基板4の表面の所望の位置に転写されて転写塗布が完了する。
【0088】
図8は、実施の形態の転写ユニットに用いられる転写ヘッド3の概念的な側面図である。この
図8では、後述する
図9と共に理解の容易化のため、実際に一枚のヘッド本体6に設けられる転写針9の本数よりも減らして、少ない本数で記載されている。
【0089】
隣接配置される転写針9と転写針9との間隔は、所定寸法W(例えば、ここでは、W=100μm)に設定されている。また、基板4の表面には、一部もしくは全部に不陸(以下、凹凸と記す。)が存在している。
【0090】
図9は、実施の形態の転写ユニットに用いられる転写ヘッド3で、基板4の表面に凹凸が存在する場合の様子を示す概念的な側面図である。
【0091】
駆動機構102のZ軸テーブル105が駆動され、転写ヘッド3が下降されると、ヘッド本体6の各第1のベース部8に設けられた各転写針9の各先端がそれぞれ基板4の表面に当接されて、フラックスが基板4の表面に転写塗布される。
【0092】
基板4の表面に凹凸が存在する場合、各第1のベース部8は、それぞれヘッド本体6の平板部6aと連結する弾性支持部12,12を撓み変形させて、面内外方向に転写針9の先端を移動させて加わる力が吸収される。
【0093】
この際、この実施の形態の第1のベース部8が、四方から軸方向を対角線に沿わせた4本の弾性支持部12によって均等に弾性支持されている。このため、面内外方向に、垂直となるようにそれぞれ転写針9が軸に沿って移動されて、常に先端の平坦部11が、平行に近い同一の角度でそれぞれ当接される。
【0094】
また、それぞれの第1のベース部8が傾斜等するおそれが少ない。よって、それぞれの転写針9により転写塗布されるフラックス21の位置は、位置ずれなど起こすことなく所望の位置に良好な精度で転写塗布することができる。
【0095】
このように、平板部6aに対して面内外方向(
図3中、中心軸に沿った方向)に向けて、それぞれの第1のベース部8が相対変位する。
【0096】
このため、第1のベース部8に一体に設けられた転写針9は、接触するそれぞれの平坦部11の面積や、接触により基板4の表面に転写塗布される各フラックス21の分量および形状を所望のものとすることができる。
【0097】
また、たとえば、隣接配置される転写針9と転写針9との間隔が所定寸法W=100μmなどの狭間隔に設定されていても、ヘッド本体6の平板部6aからそれぞれ延設されたS字状の弾性支持部12によって、それぞれ第1のベース部8が所定間隔で連結される。
【0098】
これにより、各第1のベース部8のそれぞれの転写針9が所望の狭間隔で配置されて個別に弾性支持される。
【0099】
このため、たとえば弾性支持部12によって平板部6aに連結されるそれぞれの第1のベース部8と、第1のベース部8に一体に設けられるそれぞれの転写針9とを、金属板などの一部材から容易に加工することができる。
【0100】
よって、従来、それぞれの転写針9ごとに設けられていた複数本のバネ部材など別部材が不要となり、部品点数を減少させて組込作業の工程を簡略化できる。
【0101】
また、バネ部材の設置スペースも不要となり、さらに狭ピッチ化への対応性を向上させることができる。
[傾斜の修正]
図10は、実施の形態の転写ヘッド3に傾きがある場合の基板との関係を示す概念的な側面図である。
【0102】
たとえば、基板4の表面14に対して、転写ヘッド3のヘッド本体6の平板部6aが平行となっていない場合(図中、角度θ=0.1〜10度程度、および0.1度よりも小さい角度θを含む)では、ヘッド本体6の平板部6aの片側に位置する転写針9がZ軸テーブル105の移動方向で最も下方に位置する。
【0103】
図11は、実施の形態の転写ヘッド3が角度θを維持して傾いた状態で基板4の方向に移動して、転写針9が当接された様子を示す概念的な側面図である。 この状態では、ヘッド本体6の平板部6aの片側に位置する転写針9の先端がZ軸テーブル105の移動方向で最も下方に位置するため、単独で当接している。
[変形例1]
図12は、実施の形態の変形例1の転写ヘッド13を示し、構成を説明する斜視図である。なお、実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を繰返さない。
【0104】
この変形例1の転写ヘッド13では、さらに、ヘッド本体16の平板部16aの基板4側の表面のうち、転写針9が設けられている位置の外周部に、4本の脚部18が設けられている。
【0105】
これらの脚部18は、転写針9の周りに設けられ、転写針9の先端が、基板4の表面に接触される際に、所定の高さ方向寸法を有して、平板部6aと基板4の表面との間に所定の隙間を形成するように、転写ヘッド3の移動方向の下限位置を一定の範囲内に収まるように規制している。
【0106】
図13は、実施の形態の変形例1の転写ヘッドの構成を示し、
図12中矢視XIII方向から見た平面図である。ヘッド本体16の四隅近傍で、転写針9の周りにそれぞれ設けられた脚部18は、第2のベース部18bの中央からそれぞれ傾斜補正ピン18aが突設されている。
【0107】
また、第2のベース部18bは、平板部16aに開口形成された第2の孔部としての脚部孔18dの内側縁からそれぞれ延設される4本の第2の連結部としての弾性支持部18cによって、面内外方向に変位可能に連結されている。
【0108】
図14は、変形例1の転写ヘッド13で、脚部18によって傾きが平行に修正されながら基板4に、各転写針9が当接される様子を示す概念的な側面図である。
【0109】
図14中(a)に示すように、基板4の表面14に対して、転写ヘッド13のヘッド本体16の平板部16aが角度θ=0.1〜10度程度の傾斜を有している。
【0110】
図14中(b)に示すように、傾斜角度θを有する場合、ヘッド本体16の平板部16aの片側に位置する転写針9が複数の転写針9の中では、Z軸テーブル105の移動方向で最も下方に位置する。
【0111】
しかしながら、変形例1のヘッド本体16の片側には、さらに外側に平板部16aからの高さ方向寸法の比較的大きな脚部18が位置する。
【0112】
したがって、まず、この脚部18が基板4の表面に当接する。
そして、次に、
図14中(c)に示すように、傾斜角度θが修正されながら、反対側に設けられている脚部18が基板4の表面に当接する。
【0113】
脚部18は、ヘッド本体16から傾斜補正ピン18a先端まで、所定の高さ方向寸法を有して、平板部6aと基板4の表面との間に所定の隙間が形成される。
【0114】
このため、転写ヘッド13の移動方向の下限位置が一定の範囲内に収まるように規制される。
【0115】
これにより、基板4の表面とヘッド本体16の平板部16aとは、平行状態となり、ヘッド本体6に偏荷重が加わりにくい。
【0116】
そして、
図14中(d)に示すように、さらに、Z軸テーブル105を駆動制御して、さらに転写ヘッド13を下降させると、各転写針9の先端が基板4の表面にほぼ同時で、ほぼ同じ接触力で当接する。
【0117】
このため、塗布ユニット2に装着された転写ヘッド13が傾いていても、複数の脚部18によって平行状態まで修正されて、各転写針9の各先端を同等に当接させて、弾性変形により押圧力を吸収させることができる。
【0118】
したがって、第1のベース部8を連結する弾性支持部12が、屈曲などにより変形することを防止することができる。しかも、各転写針9の各先端が、確実に接触するので、基板4の表面に転写塗布される各フラックス21を、ほぼ等量でさらに均質なものとすることができる。
【0119】
すなわち、この変形例1では、角度θが保持されたまま、基板4の方向に転写ヘッド13が移動されても、平板部16aの片側に位置する転写針9の先端から当接して平行な状態とすることができる。
【0120】
そして、平行となった状態からは、転写ヘッド13を下降させるために加える力を、脚部の第2の孔の内側縁からそれぞれ延設される4本の第2の弾性支持部18cを変形させる力相当とすることにより、複数の転写針9の先端を同時に、しかも同じ力で、基板4の表面に確実に接触させることができる。
【0121】
さらに、この変形例1では、脚部18が転写針9を設けた第1のベース部8と同様の加工方法で、しかも、別の追加部品や組立作業を発生させることなく形成されている。
【0122】
他の構成および作用効果については、実施の形態の転写ヘッド3と同様であるので説明は繰返さない。
[変形例2]
図15は、実施の形態の変形例2の転写ユニットで、塗布ユニット2に用いる転写ヘッド23の隙間から、霧化溶剤25を噴きつける様子を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。なお、実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を繰返さない。
【0123】
まず、構成上の相違点を中心に説明すると、この変形例2の転写ユニットでは、さらに、転写ヘッド23を装着する塗布ユニット22の内部に、供給室24が設けられている。
【0124】
転写ヘッド23の上に位置する供給室24には、配管29を介して霧化溶剤25が供給されるように霧化器30が接続されている。
【0125】
霧化器30には、タンク27が設けられている。タンク27の内部には溶剤26が収容されている。
【0126】
また、タンク27にはエアノズル28が接続されている。このエアノズル28を介して供給される空気によって、タンク27の内部の溶剤26が、霧化溶剤25として生成される。
【0127】
生成された霧化溶剤25は、
図15中矢印で示されるように、配管29内の経路を介して、供給室24内に供給される。
【0128】
供給室24に供給された霧化溶剤25は、ヘッド本体13の平板部16aと複数の第1のベース部8との隙間17を介して、複数の転写針9の周囲に噴霧される。
【0129】
このように構成された変形例2に記載された転写ヘッド23では、霧化器30から供給される霧化溶剤25が、転写針9の周囲に隙間17を介して噴出される。
【0130】
霧化溶剤25の噴出により、転写針9の周囲の雰囲気が、所定の湿潤状態に保持される。これにより、転写針9の先端に付着されたフラックス21の乾燥を遅延させることができる。したがってたとえば、揮発性の高い溶剤を含む転写材料などの液状物質であっても安定して転写塗布することができる。
【0131】
この変形例2では、タンク27内部に収容された溶剤26が、エアノズル28を介して送られてくる空気によって、霧化溶剤25として生成される霧化器30を用いて説明したが特にこれに限らず、たとえば、超音波振動子を用いて霧化溶剤25を生成する霧化器であってもよい。
【0132】
他の構成および作用効果については、実施の形態の転写ヘッド3および変形例1の転写ヘッド13と同様であるので説明は繰返さない。
[変形例3]
図16は、実施の形態の変形例3の転写ユニットで、構成を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。また、
図17は、変形例3の転写ヘッドで、
図16中XVII−XVII線に沿った位置での断面図である。
【0133】
なお、実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を繰返さない。
この変形例3の転写ユニットでは、転写針39の側面に設けられた基端から先端に向けてフラックス21を供給するため溝に連通する溝40が形成されている。
【0134】
また、この転写ヘッド33のヘッド本体36上には、所定の高さ方向寸法を有する隔壁部32aで周囲を囲まれたフラックス溜部32が設けられている。
【0135】
このフラックス溜部32は、上面部を開放する構造を有していて、フラックス21を供給する容器として、ヘッド本体36の溝40から転写針39の側面に形成された溝を介して、先端にフラックス21を供給するように構成されている。
【0136】
ヘッド本体36を面内外方向に貫通する供給路としては、丸孔状の貫通孔であっても、また、
図15に示すような隙間17であってもよい。
【0137】
このように構成された変形例3に記載の転写ユニットでは、転写針39の側面に形成された溝によって、転写針39の基端から先端に向けてフラックス21が供給される。
【0138】
このため、ヘッド本体36の上に設けられたフラックス溜部32から、フラックス21を連続供給して、転写塗布工程のタクトを短縮して効率化することができる。
【0139】
他の構成および作用効果については、実施の形態の転写ヘッド3および変形例1の転写ヘッド13と同様であるので説明は繰返さない。
[変形例4]
図18は、この発明の実施の形態の変形例4の転写ヘッドを示す平面図である。
【0140】
なお、実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を繰返さない。
ヘッド本体6の第1の孔7には、弾性支持部12と第1のベース部8と第1の孔7の周縁との隙間17を閉塞する密閉シート50が貼設されている。
【0141】
密閉シート50は、第1のベース部8の移動に追従して変形可能なフィルム状のシートで、主に構成されている。この密閉シート50は、第1の孔7の周縁部7aを全周に渡りシールして水密状態とする外側縁50bが正方形形状に形成されている。
【0142】
また、第1のベース部8の中央部を除いて、密閉シート50には、正方形形状の開口部50aが設けられている。
【0143】
そして、この密閉シート50の開口部50aの内側縁は、第1のベース部8の外側縁との間で水密状態となるように、全周に渡りシールされている。
【0144】
また、
図18中破線で示すように、密閉シート50で覆われた第1のベース部8の一部には、溝40が形成されている。
【0145】
溝40は、転写針49の側面に凹設形成され、基端から先端に向けてフラックス21を供給する図示省略の溝と連通されている。そして、この側面の基端近傍の溝から開口部50aの内側縁に至るまで、密閉シート50の一部を横断するように溝40が延設されている。
【0146】
このため、この溝40から転写針49の側面に位置する溝を介して、第1のベース部8の上のフラックス21が転写針49の先端まで供給されるように構成されている。
【0147】
図19は、変形例4の転写ヘッドで、
図18中XIX−XIX線に沿った位置での断面図である。
【0148】
この変形例4では、溝40を伝わり、第1のベース部8の上のフラックス21が転写針49の先端まで供給されるように構成されている。
【0149】
しかしながら、特にこれに限らず、たとえば、溝40に代えてもしくは溝40と共に転写針49の基端から先端に向けて、第1のベース部8の上のフラックス21を供給する供給孔51が形成されていてもよい。
【0150】
この場合、各第1のベース部8の中央部に設けられた供給孔51は、各転写針49の中心軸位置に沿って、先端の平坦部11に至るまで貫通形成されている。そして、第1のベース部8の上のフラックス21が転写針49の先端まで、この供給孔51を介して供給される。
【0151】
このように構成された変形例4の転写ヘッドでは、ヘッド本体6の四辺に沿って開口形成される第1の孔7の各隙間17が一枚の柔軟性を有する密閉シート50で覆われている。
【0152】
このため、第1のベース部8がヘッド本体6の平板部6aに対して、面内外方向に変位しても、密閉シート50が変形して追従する。従って、第1の孔7の各隙間17の水密状態が保持されて、フラックス21が第1のベース部8の上から隙間17を介して下側の基板4方向に漏れるおそれがない。
【0153】
この変形例4では、ヘッド本体36上に、所定の高さ方向寸法を有する隔壁部32aで周囲を囲まれたフラックス溜部32が設けられている。
【0154】
しかしながら、特にこれに限らず、第1のベース部8の上からフラックス21が供給されるものであればよく、フラックス21が注入されるフラックス槽を第1のベース部8から分離して設けてもよい。この場合、フラックス槽が設けられた他の場所から配管類を介して、フラックス21を塗布ユニット2まで送るように構成してもよい。
[一体に設けられたフラックス槽]
図20は、この変形例4の一例としての転写ヘッド53で、構成を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。なお、上記変形例4と同様の部分については、説明を繰返さない。
【0155】
この転写ヘッド53では、直接、第1のベース部8の上に周壁部によって囲まれたフラックス槽としてのフラックス溜部32が設けられている。
【0156】
そして、第1のベース部8が面内外方向に移動しても、シールが保たれて隙間17からフラックス21が漏れ出すおそれがない。このため、フラックス21が注入されるフラックス槽を第1のベース部8から分離させた別構造を採用するものに比して、スペース効率が良好である。
【0157】
図21は、変形例4の転写ヘッドの一例を示し、
図20中XXI−XXI線に沿った位置での断面図である。
【0158】
転写塗布に必要とされる量のフラックス21は、転写針49の供給孔51を介して、それぞれ第1のベース部8上から先端の平坦部11まで連続して供給される。
【0159】
このため、さらに供給孔51内では転写針49の先端に至るまでフラックス21が空気に触れないため、乾燥が抑制される。
【0160】
他の構成および作用効果については、実施の形態の転写ヘッド3および変形例1の転写ヘッド13と同様であるので説明は繰返さない。
[変形例5]
図22は、この発明の実施の形態の変形例5の転写ヘッド63で、構成を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。
【0161】
なお、実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して説明を繰返さない。
変形例5のフラックス槽20は、上面が覆われた密閉容器62を含み、密閉容器62内にはフラックス21が注入されている。
【0162】
密閉容器62は、パイプ66を介して、加減圧動作が可能な加減圧機構としての真空ポンプPに連通されている。この真空ポンプPは、駆動により密閉容器62内の圧力を調整して、転写針49に供給されるフラックス21の供給量を調整するように構成されている。
【0163】
この実施の形態では、
図5に示す制御用コンピュータ107もしくは操作パネル108などから制御されることにより、密閉容器62内のフラックス21の加減圧力が調整される。
【0164】
そして、大気圧に対して、密閉容器62内の圧力が高くもしくは低くなることにより、基板4の方向へ供給孔51から、密閉容器62内のフラックス21が押出されるか、もしくは引戻されるように構成されている。
【0165】
図23は、変形例5の転写ヘッドで、真空ポンプPを駆動していない状態を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。
【0166】
この状態では、転写針49の先端の平坦部11に、フラックス21が薄く被る程度の状態で保持されている。
【0167】
図24は、変形例5の転写ヘッドで、真空ポンプPが加圧側に駆動されている状態を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。
【0168】
真空ポンプPが加圧側に駆動されると、密閉容器62内のフラックス21が転写針9の第1の孔7から押出される。この状態では、密閉容器62内の圧力が上昇して、粘度が高いフラックス21も押出すことができる。
【0169】
連続して押出されたフラックス21は、転写針49の全体に渡り供給されて、表面張力により円形に近い状態となり保持される。このため、十分な分量のフラックス21を基板4の表面に転写することができる。
【0170】
図25は、変形例5の転写ヘッドで、真空ポンプPが減圧側に駆動されている状態を示す概念的な側面図および要部の拡大図である。
【0171】
この状態では、密閉容器62内の圧力が低下して、転写針49の先端からフラックス21が引戻されて、密閉容器62内に収容されるとともに、転写針49の先端に残留したフラックス21が再び薄く被る程度の状態で保持されている。
【0172】
このように、密閉容器62内の圧力を調整することにより、転写針9の周囲に付着した余分なフラックス21を、密閉容器62内に引戻し、適量なフラックス21を転写針49の先端に残存させることができる。
【0173】
したがって、フラックス21の使用効率が向上するため、フラックス21の減少量が抑制されて、連続して転写塗布できる回数を増大させることができる。