特許第6013869号(P6013869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013869
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ドライバ回路、表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20161011BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20161011BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 621G
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 611A
   G09G3/20 622G
   G09G3/20 622D
   G09G3/20 622C
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 624A
   G02F1/133 505
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-230806(P2012-230806)
(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公開番号】特開2014-81570(P2014-81570A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川田 真司
【審査官】 西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−279626(JP,A)
【文献】 特開2004−184570(JP,A)
【文献】 特開2008−116556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバ回路であって、
第1の容量性負荷を前記ドライバ回路に電気的に接続するための第1の端子と、
第2の容量性負荷を前記ドライバ回路に電気的に接続するための第2の端子と、
前記第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、
前記第2の端子から前記第1の電圧と前記第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、
前記第1の端子に電気的に接続されたドレインを有する第1のNチャネルMOSトランジスタと、
前記第2の端子に電気的に接続されたソースと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有する第1のPチャネルMOSトランジスタと、
前記第1および第2のドライバと、前記第1のNチャネルMOSトランジスタおよび前記第1のPチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、第1のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第1の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第2の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御し、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、前記第1のNチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンし、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に、前記第1のPチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、前記第1のチャージシェア期間の間、前記第2の制御信号をオンに保ち、
前記第1のチャージシェア期間において、前記第1のドライバの出力および前記第2のドライバの出力は、ハイ・インピーダンス状態であり、
前記制御回路は、前記第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第2の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第1の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御する、ドライバ回路。
【請求項2】
前記制御回路は、前記第1のチャージシェア期間が終了すると、前記第2の制御信号をオフし、
前記制御回路は、前記第2のドライブ期間に、前記第1の制御信号をオフする、請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項3】
前記ドライバ回路は、
前記第2の端子に電気的に接続されたドレインを有する第2のNチャネルMOSトランジスタと、
前記第1の端子に電気的に接続されたソースと、前記第2のNチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有する第2のPチャネルMOSトランジスタとをさらに備え、
前記制御回路は、前記第2のドライブ期間に続く第2のチャージシェア期間に、前記第2のNチャネルMOSトランジスタを駆動するための第3の制御信号をオンし、
前記制御回路は、前記第2のドライブ期間において、前記第2のPチャネルMOSトランジスタを駆動するための第4の制御信号をオンし、
前記第2のチャージシェア期間において、前記第1のドライバの出力および前記第2のドライバの出力は、ハイ・インピーダンス状態であり、
前記制御回路は、前記第2のチャージシェア期間が終了すると、前記第3の制御信号をオフし、
前記制御回路は、前記第2のチャージシェア期間に続く第3のドライブ期間において、前記第4の制御信号をオフする、請求項1または2に記載のドライバ回路。
【請求項4】
前記第1および第2の容量性負荷の各々は、表示パネルを構成する画素回路に電気的に接続されるゲート線である、請求項1から3のいずれか1項に記載のドライバ回路。
【請求項5】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記画素回路は、液晶セルを含む、請求項4に記載のドライバ回路。
【請求項6】
複数の画素回路および、前記複数の画素回路にそれぞれ対応して配置された複数のゲート線を含む表示パネルと、
前記複数のゲート線を駆動するためのドライバ回路とを備え、
前記ドライバ回路は、
前記複数のゲート線のうちの第1のゲート線に電気的に接続される第1の端子と、
前記複数のゲート線のうちの第2のゲート線に電気的に接続される第2の端子と、
前記第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、
前記第2の端子から前記第1の電圧と前記第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、
前記第1の端子に電気的に接続されたドレインを有するNチャネルMOSトランジスタと、
前記第2の端子に電気的に接続されたソースと、前記NチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスタと、
前記第1および第2のドライバと、前記NチャネルMOSトランジスタおよび前記PチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを含み、
前記制御回路は、第1のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第1の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第2の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御し、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、前記NチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンし、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に、前記PチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、前記第1のチャージシェア期間の間、前記第2の制御信号をオンに保ち、
前記第1のチャージシェア期間において、前記第1のドライバの出力および前記第2のドライバの出力は、ハイ・インピーダンス状態であり、
前記制御回路は、前記第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第2の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第1の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御する、表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記画素回路は、液晶セルを含む、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
表示装置と、
前記表示装置に駆動電圧を供給するための電源回路とを備え、
前記表示装置は、
複数の画素回路および、前記複数の画素回路にそれぞれ対応して配置された複数のゲート線を含む表示パネルと、
前記複数のゲート線を駆動するためのドライバ回路とを含み、
前記ドライバ回路は、
第1の画素回路に電気的に接続される第1の端子と、
第2の画素回路に電気的に接続される第2の端子と、
前記第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、
前記第2の端子から前記第1の電圧と前記第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、
前記第1の端子に電気的に接続されたドレインを有するNチャネルMOSトランジスタと、
前記第2の端子に接続されたソースと、前記NチャネルMOSトランジスタのソース電気的に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスタと、
前記第1および第2のドライバと、前記NチャネルMOSトランジスタおよび前記PチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを含み、
前記制御回路は、第1のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第1の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第2の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御し、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、前記NチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンし、
前記制御回路は、前記第1のドライブ期間に、前記PチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、前記第1のチャージシェア期間の間、前記第2の制御信号をオンに保ち、
前記第1のチャージシェア期間において、前記第1のドライバの出力および前記第2のドライバの出力は、ハイ・インピーダンス状態であり、
前記制御回路は、前記第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、前記第1のドライバが前記第2の電圧を出力し、前記第2のドライバが前記第1の電圧を出力するように、前記第1および第2のドライバを制御する、電子機器。
【請求項9】
前記表示パネルは、液晶表示パネルであり、
前記画素回路は、液晶セルを含む、請求項8に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドライバ回路、表示装置、および電子機器に関する。本発明は、特に、2つの容量性負荷の間でチャージシェアを行なうドライバ回路、そのドライバ回路を備える表示装置、および、その表示装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、概して、液晶表示パネルと、複数のソース線と、各ソース線に直交するように配置される複数のゲート線と、ソース線とゲート線との交点に配置された、マトリクス状の複数のTFT(Thin Film Transistor)とを備える。液晶表示装置は、さらに、複数のゲート線を順次駆動するゲートドライバ回路と、輝度に応じた電圧を各ソース線に印加するためのソースドライバとを備える。
【0003】
液晶表示装置では、極性が異なる電圧をゲート線(あるいはソース線)に交互に印加する方式が採用されている。さらに、電圧の変動幅を小さくするために、2つの容量性負荷(たとえば2本のソース線あるいは2本のゲート線)の各々に蓄えられた電荷を、それら2つの容量性負荷の間で共有する方式が提案されている。上記の駆動方式に従ってソース線を駆動するソースドライバが、たとえば特開2009−109881号公報(特許文献1)に開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−109881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2009−109881号公報(特許文献1)は、消費電力を低減することを目的としたソースドライバを開示する。上記のように、液晶パネルを駆動するためには、概して、ソースドライバだけでなくゲートドライバ回路も必要である。しかしながら特開2009−109881号公報(特許文献1)は、ゲートドライバ回路の消費電力を低減するための方法を開示していない。
【0006】
本発明の目的は、容量性負荷を駆動するドライバ回路の消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に係るドライバ回路は、第1の容量性負荷をドライバ回路に電気的に接続するための第1の端子と、第2の容量性負荷をドライバ回路に電気的に接続するための第2の端子と、第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、第2の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、第1の端子に電気的に接続されたドレインを有する第1のNチャネルMOSトランジスタと、第2の端子に電気的に接続されたソースと、第1のNチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有する第1のPチャネルMOSトランジスタと、第1および第2のドライバと、第1のNチャネルMOSトランジスタおよび第1のPチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを備える。制御回路は、第1のドライブ期間に、第1のドライバが第1の電圧を出力し、第2のドライバが第2の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。制御回路は、第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、第1のNチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンする。制御回路は、第1のドライブ期間に、第1のPチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、第1のチャージシェア期間の間、第2の制御信号をオンに保つ。制御回路は、第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、第1のドライバが第2の電圧を出力し、第2のドライバが第1の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。
【0008】
好ましくは、制御回路は、第1のチャージシェア期間が終了すると、第2の制御信号をオフする。制御回路は、第2のドライブ期間に、第1の制御信号をオフする。
【0009】
好ましくは、ドライバ回路は、第2の端子に電気的に接続されたドレインを有する第2のNチャネルMOSトランジスタと、第1の端子に電気的に接続されたソースと、第2のNチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有する第2のPチャネルMOSトランジスタとをさらに備える。制御回路は、第2のドライブ期間に続く第2のチャージシェア期間に、第2のNチャネルMOSトランジスタを駆動するための第3の制御信号をオンする。制御回路は、第2のドライブ期間において、第2のPチャネルMOSトランジスタを駆動するための第4の制御信号をオンする。制御回路は、第2のチャージシェア期間が終了すると、第3の制御信号をオフする。制御回路は、第2のチャージシェア期間に続く第3のドライブ期間において、第4の制御信号をオフする。
【0010】
好ましくは、第1および第2の容量性負荷の各々は、表示パネルを構成する画素回路に電気的に接続されるゲート線である。
【0011】
好ましくは、表示パネルは、液晶表示パネルである。画素回路は、液晶セルを含む。
本発明の他の局面によれば、表示装置であって、複数の画素回路および、複数の画素回路にそれぞれ対応して配置された複数のゲート線を含む表示パネルと、複数のゲート線を駆動するためのドライバ回路とを備える。ドライバ回路は、複数のゲート線のうちの第1のゲート線に電気的に接続される第1の端子と、複数のゲート線のうちの第2のゲート線に電気的に接続される第2の端子と、第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、第2の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、第1の端子に電気的に接続されたドレインを有するNチャネルMOSトランジスタと、第2の端子に電気的に接続されたソースと、NチャネルMOSトランジスタのソースに電気的に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスタと、第1および第2のドライバと、NチャネルMOSトランジスタおよびPチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを含む。制御回路は、第1のドライブ期間に、第1のドライバが第1の電圧を出力し、第2のドライバが第2の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。制御回路は、第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、NチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンする。制御回路は、第1のドライブ期間に、PチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、第1のチャージシェア期間の間、第2の制御信号をオンに保つ。制御回路は、第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、第1のドライバが第2の電圧を出力し、第2のドライバが第1の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。
【0012】
好ましくは、表示パネルは、液晶表示パネルである。画素回路は、液晶セルを含む。
本発明のさらに他の局面によれば、電子機器は、表示装置と、表示装置に駆動電圧を供給するための電源回路とを備える。表示装置は、複数の画素回路および、複数の画素回路にそれぞれ対応して配置された複数のゲート線を含む表示パネルと、複数のゲート線を駆動するためのドライバ回路とを含む。ドライバ回路は、第1の画素回路に電気的に接続される第1の端子と、第2の画素回路に電気的に接続される第2の端子と、第1の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第1のドライバと、第2の端子から第1の電圧と第2の電圧とを交互に出力する第2のドライバと、第1の端子に電気的に接続されたドレインを有するNチャネルMOSトランジスタと、第2の端子に接続されたソースと、NチャネルMOSトランジスタのソース電気的に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスタと、第1および第2のドライバと、NチャネルMOSトランジスタおよびPチャネルMOSトランジスタとを制御する制御回路とを含む。制御回路は、第1のドライブ期間に、第1のドライバが第1の電圧を出力し、第2のドライバが第2の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。制御回路は、第1のドライブ期間に続く第1のチャージシェア期間に、NチャネルMOSトランジスタを駆動するための第1の制御信号をオンする。制御回路は、第1のドライブ期間に、PチャネルMOSトランジスタを駆動するための第2の制御信号をオンして、第1のチャージシェア期間の間、第2の制御信号をオンに保つ。制御回路は、第1のチャージシェア期間に続く第2のドライブ期間に、第1のドライバが第2の電圧を出力し、第2のドライバが第1の電圧を出力するように、第1および第2のドライバを制御する。
【0013】
好ましくは、表示パネルは、液晶表示パネルである。画素回路は、液晶セルを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容量性負荷を駆動するドライバ回路の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態による表示装置を備えた電子機器の要部を示すブロック図である。
図2図1に示した画素アレイの構成を示すブロック図である。
図3図2に示した画素回路の構成を示す回路図である。
図4図1に示したIC(Integrated Circuit)のうちのレベルシフタに関連する部分を示す回路ブロック図である。
図5図4に示したIC7の入力と出力の関係を示す図である。
図6図4に示したIC7の入力と出力の関係を示す他の図である。
図7図4に示したIC7の動作を示すタイムチャートである。
図8図4に示したレベルシフタの構成のうちのチャージシェアに関する要部の等価回路図である。
図9図8に示した回路の動作を説明するための波形図である。
図10図8に示した構成からトランジスタM2,M4を省略した場合の動作を説明するための波形図である。
図11】ゲート線を駆動するドライバの出力信号に生じうるグリッチを説明するための波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
また、この明細書において、「電気的に接続される」とは、直接的な接続だけでなく、要素(たとえば配線あるいは抵抗素子など)を介在した2つの要素間の接続も含むものとする。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態による表示装置を備えた電子機器の要部を示すブロック図である。図1を参照して、電子機器100は、液晶表示装置101と、電源回路9とを備える。電子機器100は、たとえば液晶テレビ、モニタ、パーソナルコンピュータなどを含むがこれらに限定されない。
【0019】
液晶表示装置101は、液晶表示パネル1と、タイミングコントローラ4と、制御部5と、レベルシフタ6と、ソースドライバ8とを備える。制御部5とレベルシフタ6とは、1つのIC(Integrated Circuit)7に搭載されている。
【0020】
液晶表示パネル1は、透明基板1aと、その表面に形成された画素アレイ2およびゲートドライバ3とを含む。図2に示すように、画素アレイ2は、複数行複数列に配置された複数の画素回路10と、複数行に対応してそれぞれ設けられた複数のゲート線GLと、複数列に対応してそれぞれ設けられた複数のソース線SLとを含む。各ゲート線GLの一方端はゲートドライバ3に接続される。各ソース線SLの一方端はソースドライバ8に接続される。
【0021】
図3に示すように、画素回路10は、TFT11および液晶セル12を含む。TFT11のゲートは対応のゲート線GLに接続される。TFT11のソースは対応のソース線SLに接続される。TFT11のドレインは、液晶セル12を介して基準電圧のラインに接続される。液晶セル12は、2枚の透明電極の間に封入された液晶を含む。
【0022】
ゲート線GLが「L」レベル(負電圧VOFF)にされている場合は、TFT11がオフする。ゲート線GLが「H」レベル(正電圧VON)にされると、TFT11がオンして、ソース線SLの電圧がTFT11のドレインと液晶セル12との間の記憶ノードN11に書き込まれる。液晶セル12の光透過率は、記憶ノードN11に書き込まれた電圧に応じて変化する。
【0023】
図1に戻って、タイミングコントローラ4は、IC7およびソースドライバ8の動作のタイミングを制御する。制御部5は、レベルシフタ6を介してゲートドライバ3を制御するとともに、ソースドライバ8を制御する。レベルシフタ6は、制御部5からの制御信号のレベルをシフトしてゲートドライバ3に与える。
【0024】
ゲートドライバ3は、画素アレイ2の複数のゲート線GLを所定時間ずつ順次選択する。ゲートドライバ3は、選択されたゲート線GLを「H」レベルにして、そのゲート線GLに対応する各TFT11をオンさせる。ソースドライバ8は、各ソース線SLを介して、選択されたゲート線GLに対応する各画素回路10の記憶ノードN11に、画像信号に応じたレベルの電圧を書込む。画像信号に従って、画素アレイ2に含まれる全画素回路10の記憶ノードN11に電圧が書き込まれると、画素アレイ2には1枚の画像が表示される。
【0025】
電源回路9は、液晶表示装置101を動作させるための駆動電圧を液晶表示装置101に供給する。
【0026】
図4は、図1に示したIC7のうちのレベルシフタ6に関連する部分を示す回路ブロック図である。図4を参照して、IC7は、端子T1〜T16と、DLY発生回路20と、ロジック回路21と、ゲート制御回路22と、ドライバ24〜28と、PチャネルMOSトランジスタ30〜33と、NチャネルMOSトランジスタ34〜37とを含む。
【0027】
端子T1〜T5は、タイミングコントローラ4(図1を参照)から、信号EN,DLYS,CPV1,CPV2,STVをそれぞれ受ける。端子T6,T7は、正電圧VONおよび負電圧VOFFをそれぞれ受ける。端子T8〜T16は、ゲートドライバ3を介して画素アレイ2のうちの選択されたゲート線GL1〜GL5に接続される。
【0028】
DLY発生回路20は、信号EN,DLYSがともに「H」レベルにされると、信号DLYを「L」レベルから「H」レベルに立ち上げる。信号DLYが「H」レベルにされると、ロジック回路21およびゲート制御回路22が活性化される。
【0029】
ロジック回路21は、信号CPV1,CPV2,STVに基づいて内部制御信号を生成する。ゲート制御回路22は、ロジック回路21からの内部制御信号に従って、ドライバ24〜28と、PチャネルMOSトランジスタ30〜33と、NチャネルMOSトランジスタ34〜37とを制御する。
【0030】
ドライバ24〜28の各々は、ゲート制御回路22によって制御される。ドライバ24〜28の各々は、出力ノードに正電圧VONまたは負電圧VOFFを出力する。あるいは、ドライバ24〜28の各々は、出力ノードをハイ・インピーダンス状態(HiZ)にする。ドライバ24〜28の出力ノードは、端子T8,T11,T12,T13,T16にそれぞれ接続される。ドライバ24〜28は、それぞれ、信号CKV1,CKVB1,Sを出力する。
【0031】
PチャネルMOS30〜33のソースは、端子T8,T11,T13,T16にそれぞれ接続される。PチャネルMOSトランジスタ30〜33のドレインは、NチャネルMOSトランジスタ34〜37のソースにそれぞれ接続される。PチャネルMOSトランジスタ30〜33の各々のゲートは、ゲート制御回路22に接続される。NチャネルMOSトランジスタ34〜37のドレインは、端子T9,T10,T14,T15にそれぞれ接続される。NチャネルMOSトランジスタ34〜37の各々のゲートは、ゲート制御回路22に接続される。
【0032】
端子T8,T10は、ゲートドライバ3を介して1本のゲート線GL1に接続される。端子T9,T11は、ゲートドライバ3を介して1本のゲート線GL2に接続される。端子T12は、ゲートドライバ3を介して1本のゲート線GL3に接続される。端子T13,T15は、ゲートドライバ3を介して1本のゲート線GL4に接続される。端子T14,T16は、ゲートドライバ3を介して1本のゲート線GL5に接続される。
【0033】
各ゲート線GLは、直列接続された抵抗素子44およびキャパシタ45を含む容量性負荷である。ドライバ24,25は、2本のゲート線GL1,GL2のうちのいずれか一方のゲート線(たとえばGL1)を正電圧VONに充電するとともに、他方のゲート線(この場合はGL2)を負電圧VOFFに充電する。
【0034】
2本のゲート線GL1,GL2の電圧を書き換える場合は、ドライバ24,25の出力信号CKV1,CKVB1をともにHiZにする。さらに、トランジスタ30,34をオンさせる、あるいは、トランジスタ31,35をオンさせる。2本のゲート線GL1,GL2に蓄えられた電荷が2本のゲート線GL1,GL2で共有される。これにより、ゲート線GL1,GL2の電圧はともに(VON+VOFF)/2となる。この動作をチャージシェアと称す。チャージシェア動作を行なうことにより、消費電流の低減化を図ることができる。
【0035】
たとえば、ゲート線GL1,GL2がそれぞれ正電圧VONおよび負電圧VOFFに充電されている場合は、PチャネルMOSトランジスタ31およびNチャネルMOSトランジスタ35がオンされる。ゲート線GL1から、抵抗素子41、NチャネルMOSトランジスタ35およびPチャネルMOSトランジスタ31を介して、ゲート線GL2に電流が流れる。したがって、ゲート線GL1,GL2の電圧はともに(VON+VOFF)/2となる。
【0036】
逆に、ゲート線GL2,GL1がそれぞれ正電圧VONおよび負電圧VOFFに充電されている場合は、PチャネルMOSトランジスタ30およびNチャネルMOSトランジスタ34がオンされる。これにより、ゲート線GL2から、抵抗素子40、NチャネルMOSトランジスタ34、およびPチャネルMOSトランジスタ30を介してゲート線GL1に電流が流れる。したがって、ゲート線GL1,GL2の電圧はともに(VON+VOFF)/2となる。
【0037】
抵抗素子40は、端子T9とゲート線GL2との間に接続される。抵抗素子41は、端子T10とゲート線GL1との間に接続される。チャージシェア動作時には、抵抗素子40,41により、ゲート線GL1,GL2の電圧が(VON+VOFF)/2になるまでの時間が調整される。
【0038】
ドライバ26は、ゲート線GL3を正電圧VONまたは負電圧VOFFに充電する。ドライバ27,28は、2本のゲート線GL4,GL5のうちのいずれか一方のゲート線(たとえばGL4)を正電圧VONに充電するとともに、他方のゲート線(この場合はGL5)を負電圧VOFFに充電する。
【0039】
2本のゲート線GL4,GL5の電圧を書き換える場合は、ドライバ27,28の出力信号CKV2,CKVB2をHiZにする。さらに、トランジスタ32,36をオンさせる、あるいは、トランジスタ33,37をオンさせる。2本のゲート線GL4,GL5に蓄えられた電荷が2本のゲート線GL4,GL5で共有される。これにより、ゲート線GL4,GL5の電圧はともに(VON+VOFF)/2となる。
【0040】
抵抗素子42は、端子T14とゲート線GL5との間に接続される。抵抗素子43は、端子T15とゲート線GL4との間に接続される。チャージシェア動作時には、抵抗素子42,43により、ゲート線GL4,GL5の電圧が(VON+VOFF)/2になるまでの時間が調整される。
【0041】
図5は、図4に示したIC7の入力と出力の関係を示す図である。図5を参照して、信号STV,CPVx(ただし、xは1または2である)がともに「L」レベルである場合は、信号CKVx,CKVBxはともにHiZとなり、チャージシェア動作がオンされる。
【0042】
信号STVが「L」レベルにされている場合に、信号CPVxが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられる。その立ち上りエッジ(前縁)に応答して、信号CKVx,CKVBxの各々はトグル状態にされるとともに、チャージシェア動作がオフされる。
【0043】
信号STV,CPVxがそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルである場合は、信号CKVx,CKVBxはそれぞれ負電圧VOFFおよび正電圧VONにされる。さらにチャージシェア動作がオフされる。
【0044】
信号STV,CPVxがともに「H」レベルである場合は、信号CKVx,CKVBxはそれぞれ正電圧VONおよび負電圧VOFFにされる。さらにチャージシェア動作がオフされる。
【0045】
図6は、図4に示したIC7の入力と出力の関係を示す他の図である。図6を参照して、信号STVが「L」レベルである場合は、信号CPV1のレベルに関係なく、信号STVPが負電圧VOFFにされる。信号STV,CPV1がそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルである場合は、信号STVPが正電圧VONにされる。信号STV,CPV1がともに「H」レベルである場合は、信号STVPがHiZにされる。
【0046】
図7(a)〜(i)は、図4に示したIC7の動作を示すタイムチャートである。図7(a)〜(i)を参照して、初期状態では信号STVは「L」レベルにされ、信号CPVxは所定の周期で「H」レベルおよび「L」レベルにされる。信号CPVが「H」レベルにされる期間は、「L」レベルにされる期間よりも長い。信号EN,DLYは「L」レベルにされており、信号CKVx,CKVBx,STVPはともにHiZにされている。
【0047】
負電圧VOFFおよび正電圧VONが投入されると、信号CKVx,CKVBx,STVPはともに負電圧VOFFにされる。次に信号ENが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、信号DLYが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられる。所定の遅延時間Td1の経過後に信号DLYが参照電圧VREFを超えると、信号CKVxと信号CKVBxとの間でチャージシェアCSが行なわれる。
【0048】
チャージシェア期間では、ドライバ24,25,27,28の出力ノードがHiZにされるとともに、トランジスタ30,34の対、トランジスタ31,35の対、トランジスタ32,36の対、またはトランジスタ33,37の対がオンされる。これにより、ゲート線GLに蓄えられた電荷が有効に利用され、消費電流が低減される。
【0049】
次に信号CPVxが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、信号CKVxと信号CKVBxとのチャージシェアCSが停止される。さらに、信号CKVxと信号CKVBxとがトグル状態となり、信号CKVxと信号CKVBxとの電圧がそれぞれ正電圧VONおよび負電圧VOFFとなる。次いで信号CPVxが「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられると、信号CKVxと信号CKVBxとの間でチャージシェアCSが行なわれ、信号CKVxと信号CKVBxがともに(VON+VOFF)/2となる。
【0050】
次に信号CPVxが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、信号CKVxと信号CKVBxとの間でのチャージシェアCSが停止される。さらに、信号CKVxと信号CKVBxとがトグル状態となり、信号CKVxと信号CKVBxとの電圧が、それぞれ負電圧VOFFおよび正電圧VONとなる。次いで信号CPVxが「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられると、信号CKVxと信号CKVBxとの間でチャージシェアCSが行なわれ、信号CKVxと信号CKVBxがともに(VON+VOFF)/2となる。
【0051】
このような動作が繰り返された後、あるタイミングで信号STV,CPVxがそれぞれ「H」レベルおよび「L」レベルにされる。信号CKVx,CKVBx,STVPがそれぞれ負電圧VOFF、正電圧VON、および正電圧VONにされる。次に、信号STV,CPVxがともに「H」レベルにされると、信号CKVx,CKVBx,STVPがそれぞれ正電圧VON、負電圧VOFF、およびHiZにされる。
【0052】
図8は、図4に示したレベルシフタの構成のうちのチャージシェアに関する要部の等価回路図である。図8を参照して、端子T8は、ゲート線GL1をIC7(ドライバ回路)に電気的に接続するための第1の端子である。端子T11は、ゲート線GL2をIC7に電気的に接続するための第2の端子である。
【0053】
ドライバ24は、端子T8から正電圧VONと負電圧VOFFとを交互に出力する。ドライバ25は、端子T11から正電圧VONと負電圧VOFFとを交互に出力する。
【0054】
NチャネルMOSトランジスタ35のドレインは、抵抗素子41を介して端子T8に電気的に接続される。PチャネルMOSトランジスタ31のソースは、端子T11に電気的に接続される。NチャネルMOSトランジスタ35のソースは、PチャネルMOSトランジスタ31のドレインに電気的に接続される。
【0055】
NチャネルMOSトランジスタ34のドレインは、抵抗素子40を介して端子T11に電気的に接続される。PチャネルMOSトランジスタ31のソースは、端子T11に電気的に接続される。NチャネルMOSトランジスタ35のソースは、PチャネルMOSトランジスタ31のドレインに電気的に接続される。
【0056】
ゲート制御回路22は、信号DRV1,DRV2,DRV3,DRV4を出力する。信号DRV1,DRV3がNチャネルMOSトランジスタ35,34のゲートにそれぞれ入力される。信号DRV2,DRV4がPチャネルMOSトランジスタ31,30のゲートにそれぞれ入力される。各々のMOSトランジスタは、そのゲートに入力される信号に応答して、オンおよびオフする。さらにゲート制御回路22は、ドライバ24,25を制御する。
【0057】
NチャネルMOSトランジスタ35は、ボディダイオードD1を含む。ボディダイオードD1は、NチャネルMOSトランジスタ35のソースからドレインに向けて電流を流すように配置される。言い換えると、ボディダイオードD1のアノードがNチャネルMOSトランジスタ35のソースに電気的に接続される。ボディダイオードD1のカソードがNチャネルMOSトランジスタ35のドレインに電気的に接続される。
【0058】
PチャネルMOSトランジスタ31は、ボディダイオードD2を含む。ボディダイオードD2は、PチャネルMOSトランジスタ31のドレインからソースに向けて電流を流すように配置される。つまり、ボディダイオードD2のアノードがPチャネルMOSトランジスタ31のドレインに電気的に接続される。ボディダイオードD2のカソードがPチャネルMOSトランジスタ31のソースに電気的に接続される。
【0059】
NチャネルMOSトランジスタ34は、ボディダイオードD3を含む。ボディダイオードD3のアノードがNチャネルMOSトランジスタ34のソースに電気的に接続される。ボディダイオードD3のカソードがNチャネルMOSトランジスタ34のドレインに電気的に接続される。
【0060】
PチャネルMOSトランジスタ30は、ボディダイオードD4を含む。ボディダイオードD4のアノードがPチャネルMOSトランジスタ30のドレインに電気的に接続される。ボディダイオードD4のカソードがPチャネルMOSトランジスタ30のソースに電気的に接続される。
【0061】
なお、図9およびそれ以後の図の説明のため、図8では、NチャネルMOSトランジスタ35、PチャネルMOSトランジスタ31、NチャネルMOSトランジスタ34、およびPチャネルMOSトランジスタ30に、それぞれ参照符号「M1」,「M2」,「M3」,「M4」が付される。
【0062】
図9は、図8に示した回路の動作を説明するための波形図である。図8および図9(a)〜(j)を参照して、時刻t1から時刻t2までの期間、時刻t3から時刻t4までの期間、および時刻t5から時刻t6までの期間が、チャージシェアCSの実行される期間(図7参照)である。時刻t2から時刻t3までの期間は、信号CKV1,CKVB1の電圧を、それぞれ負電圧VOFFおよび正電圧VONに駆動するためのドライブ期間に対応する。時刻t4から時刻t5までの期間は、信号CKV1,CKVB1の電圧を、それぞれ正電圧VONおよび負電圧VOFFに駆動するためのドライブ期間に対応する。
【0063】
トランジスタM2をオンするための信号DRV2は、時刻t1以前に既にオンしている。トランジスタM2(PチャネルMOSトランジスタ31)は、時刻t1においてオンする。
【0064】
時刻t2において信号DRV2がオフする。これにより、時刻t2においてトランジスタM2がオフする。時刻t4から時刻6までの期間においても、上記の方式に従って信号DRV2が変化するとともに、トランジスタM2がオンおよびオフする。
【0065】
同じく、トランジスタM4(PチャネルMOSトランジスタ30)は、時刻t3においてオンする。一方、トランジスタM4をオンするための信号DRV2は、時刻t2においてオンする。時刻t4において信号DRV4がオフする。これにより、時刻t4においてトランジスタM4がオフする。
【0066】
時刻t1以前において、信号CKVB1の電圧は負電圧VOFFである。このときの信号DRV2の電圧はトランジスタM2をオンさせるための所定電圧(具体的には負電圧VOFF)となっている。ただし、トランジスタM2のソースの電圧、すなわち端子T9の電圧は、トランジスタM2のゲートの電圧(負電圧VOFF)と同じである。このため時刻t1以前においてトランジスタM2はオフしている。
【0067】
時刻t1において、信号DRV1がオンすることにより、トランジスタM1(NチャネルMOSトランジスタ35)がオンする。図8において実線の矢印に示されるように、電流は端子T8から、トランジスタM1、およびトランジスタM2のボディダイオードD2を通り、端子T11に向けて流れる。これにより、端子T11の電圧(信号CKVB1の電圧)が上昇する。トランジスタM2のソースの電圧は、端子T11の電圧とともに上昇する。トランジスタM2のソースとゲートとの間の電圧が閾値電圧よりも大きくなる。これによりトランジスタM2がオンする。
【0068】
時刻t1から時刻t2の期間には、トランジスタM1,M2がオンする。この期間にチャージシェアCSが実行される。時刻t2において、信号CKV1の電圧および信号CKVB1の電圧は、ともに(VON+VOFF)/2に達する。
【0069】
時刻t2において、信号DRV2がオフする。これによりトランジスタM2が時刻t2においてオフする。さらに、時刻t2においてトランジスタM1がオフする。ただし、信号DRV1は、トランジスタM1がオフした後もオン状態のままである。時刻t3において信号DRV1がオフする。すなわち、信号DRV1は、チャージシェア期間(t1〜t2)にオンされるとともに、そのチャージシェア期間の次のドライブ期間(t2〜t3)においてオンに保たれる。
【0070】
時刻t2から時刻t5までの期間において、信号DRV3,DRV4は、信号DRV1,DRV2と同じように変化する。時刻t2において、信号CKV1の電圧は負電圧VOFFである。このときの信号DRV4の電圧はトランジスタM4をオンさせるための所定電圧(具体的には負電圧VOFF)となっている。ただし、トランジスタM4のソースの電圧、すなわち端子T10の電圧は、トランジスタM4のゲートの電圧(負電圧VOFF)と同じである。このため時刻t2から時刻t3の期間においてトランジスタM4はオフしている。
【0071】
時刻t3において、信号DRV3がオンすることにより、トランジスタM3(NチャネルMOSトランジスタ34)がオンする。図8において破線の矢印に示されるように、電流は端子T11からトランジスタM3、およびトランジスタM4のボディダイオードD4を通り、端子T8に向けて流れる。これにより、端子T8の電圧(信号CKV1の電圧)が上昇する。トランジスタM4のソースの電圧が上昇して、トランジスタM4のソースとゲートとの間の電圧が閾値電圧よりも大きくなる。これによりトランジスタM4がオンする。時刻t4において、信号CKV1,CKVB1の電圧がともに(VON+VOFF)/2となる。
【0072】
信号DRV1〜DRV4の上述の変化が、時刻t4以後の期間において繰り返される。したがって時刻t4以後のトランジスタM1〜M4の動作については詳細な説明を繰り返さない。信号DRV2は、チャージシェア期間の前のドライブ期間(t4−t5)においてオンされるとともに、そのチャージシェア期間(t5−t6)においてオンに保たれる。また、信号DRV1は、チャージシェア期間(t5−t6)の開始時にオンされて、そのチャージシェア期間に続くドライブ期間(時刻t6以後)にオフされる。
【0073】
図9に示されるタイムチャートにおいて、トランジスタM1,M2にとっての「第1のドライブ期間」は、たとえば時刻t1の直前のドライブ期間、あるいは時刻t4から時刻t5までの期間である。トランジスタM3,M4にとっての「第1のドライブ期間」は、時刻t2から時刻t3までの期間である。「第1のチャージシェア期間」は、上記の「第1のドライブ期間」に続くチャージシェア期間である。「第2のドライブ期間」は「第1のチャージシェア期間」に続く期間である。「第2のチャージシェア期間」は「第2のドライブ期間」に続くチャージシェア期間である。
【0074】
この実施の形態によれば、ゲート制御回路22が、チャージシェア期間の開始よりも前にトランジスタM2,M4をオンさせる。一例を示すと、ゲート制御回路22は、時刻t4から時刻t5までのドライブ期間、および、時刻t5から時刻t6までのチャージシェア期間にわたり、信号DRV2をオンさせる。これにより、トランジスタM1がオンしてからトランジスタM2がオンするまでの遅延時間(ドライブ遅延時間)を小さくすることができる。
【0075】
ドライブ遅延時間が長くなると、トランジスタM2のボディダイオードD2に電流が流れる期間が長くなる。このため、ボディダイオードD2の電圧降下(ダイオードの順電圧)と、ボディダイオードD2に流れる電流と、ボディダイオードD2に電流が流れる時間との積によって決定される損失が増える。ドライブ遅延時間を小さくことによって、ボディダイオードD2により生じる損失を低減することができる。
【0076】
さらにこの実施の形態によれば、ゲート制御回路22が、チャージシェア期間以後もトランジスタM1,M3をオンさせる。一例を示すと、ゲート制御回路22は、時刻t1から時刻t2までのチャージシェア期間および時刻t2から時刻3までのドライブ期間にわたり、信号DRV1をオンさせる。時刻t2において信号CKV1の電圧が(VON+VOFF)/2から負電圧VOFFに変化する。トランジスタM1をオンさせ続けるとともに、トランジスタM2のボディダイオードD2によって電流が端子T9から端子T10に向けて逆流するのを防止する。これによって、グリッチ(glitch)の発生を防止することができる。
【0077】
図10は、図8に示した構成からトランジスタM2,M4を省略した場合の動作を説明するための波形図である。図10を参照して、ダイオードD2,D4は、図8に示されたボディダイオードD2,D4にそれぞれ対応する。なお、図8に示されたトランジスタ30,31の各々をダイオードに置き換えてもよい。時刻t1〜t4は、図9に示された時刻t1〜t4にそれぞれ対応する。
【0078】
時刻t1においてトランジスタM1がオンする。ダイオードD2が導通することにより電流が流れる。これにより信号CKV1の電圧が正電圧VONから低下するとともに信号CKVB1の電圧が負電圧VOFFから上昇する。しかしながら、時刻t2において、信号CKV1の電圧と信号CKVB1の電圧とは、いずれも(VON+VOFF)/2と異なる。信号CKV1の電圧と信号CKVB1の電圧との間には、ダイオードD2の順方向電圧Vfに等しい電圧差が生じる。さらに、時刻t1から時刻t2までの間に、電流がダイオードD2を流れる。このためにダイオードD2において損失が発生する。
【0079】
時刻t3から時刻t4までの期間においては、トランジスタM3がオンするとともにダイオードD4が導通する。この場合にも、信号CKV1の電圧と信号CKVB1の電圧との間には、ダイオードD2の順方向電圧Vfに等しい電圧差が生じる。また、ダイオードD4において損失が発生する。
【0080】
一方、図8に示されるように、この実施の形態では、トランジスタM1,M3にトランジスタM2,M4がそれぞれ接続される。図9に示されるように、時刻t1から時刻t2までの間に、トランジスタM2がオンする。時刻t3から時刻t4までの間に、トランジスタM4がオンする。
【0081】
トランジスタM2,M4のオン抵抗はダイオードD2,D4の抵抗よりも大幅に低い。したがって、時刻t1から時刻t2の間にトランジスタM2において生じる損失を、ダイオードD2に電流が流れる場合の損失よりも小さくすることができる。トランジスタM2と同じく、トランジスタM4に発生する損失を、ダイオードD4に電流が流れる場合の損失よりも小さくすることができる。この実施の形態によれば、チャージシェア期間に生じる損失を低減することができる。これにより、液晶表示装置101の消費電力を低減することができる。
【0082】
図11は、ゲート線を駆動するドライバの出力信号に生じうるグリッチを説明するための波形図である。図11を参照して、信号DRV1,DRV2は同時にオンするとともに、同時にオフする。同様に、信号DRV3,DRV4は同時にオンするとともに、同時にオフする。
【0083】
チャージシェア期間からドライブ期間に移行するタイミングにおいて信号DRV1,D2(あるいは信号DRV3,DRV4)が同時にオフとなる期間が発生する。このために、信号CKV1,CKVB1にグリッチが発生する。
【0084】
この実施の形態では、図9に示されるように、ゲート制御回路22が、チャージシェア期間以後もトランジスタM1,M3をオンさせる。チャージシェア期間からドライブ期間に移行するタイミングにおいて、信号DRV1,DRV2(あるいは信号DRV3,DRV4)が同時にオフとなる期間が生じない。したがって、ゲート線を駆動するドライバの出力信号(信号CKV1,CKVB1)にグリッチが生じることを防ぐことができる。
【0085】
なお信号DRV2,DRV4は、チャージシェア期間の開始よりも前にオンされればよい。図9によれば、信号DRV2,DRV4は、ドライブ期間の開始とともにオンされる。しかしながら、チャージシェア期間の前のドライブ期間の途中において信号DRV2,DRV4がオンされてもよい。
【0086】
同じく信号DRV1,DRV3は、チャージシェア期間の終了後にオンされればよい。図9によれば、信号DRV1,DRV3は、ドライブ期間の終了とともにオフされる。しかしながら、チャージシェア期間の後のドライブ期間の途中において信号DRV1,DRV3がオフされてもよい。
【0087】
本発明の実施の形態に係る電子機器として液晶表示装置を例示した。ただし、本発明の実施の形態に係る電子機器は液晶表示装置に限定されるものではない。各々が電荷を蓄積できる複数のセルが行列状に配置され、その複数のセルの行ごとにゲート線が配置されている構成であれば、本発明が適用できる。したがって、たとえば有機EL(Electroluminescence)表示装置用のドライバ回路に本発明を適用することができる。
【0088】
さらに本発明は、表示装置に適用されるものと限定されず、2つの容量素子の間でチャージシェアを実行するための回路に適用可能である。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1 液晶表示パネル、1a 透明基板、2 画素アレイ、3 ゲートドライバ、4 タイミングコントローラ、5 制御部、6 レベルシフタ、7 IC、8 ソースドライバ、9 電源回路、10 画素回路、11 TFT、12 液晶セル、20 発生回路、21 ロジック回路、22 ゲート制御回路、24〜28 ドライバ、30〜33 PチャネルMOSトランジスタ、34〜37 NチャネルMOSトランジスタ、M1〜M4 トランジスタ、40〜44 抵抗素子、45 キャパシタ、100 電子機器、101 液晶表示装置、D1〜D4 ボディダイオード(ダイオード)、GL1〜GL5 ゲート線、N11 記憶ノード、SL ソース線、T1〜T16 端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11