特許第6013875号(P6013875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013875
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】負荷時タップ切替器の蓄勢装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   H01F29/04 502Z
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-238096(P2012-238096)
(22)【出願日】2012年10月29日
(65)【公開番号】特開2014-90023(P2014-90023A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤田 大輔
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−258259(JP,A)
【文献】 特開平03−150814(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02014794(GB,A)
【文献】 特開昭54−118523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 29/04
H01F 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心の回りで回転する入力軸と、
前記入力軸の回転を受けて、往復直線移動を行う巻上げケースと、
前記巻上げケースによって蓄勢する蓄勢バネと、
前記蓄勢バネの蓄勢力により、往復直線移動を行なう蓄勢ケースと、
前記蓄勢ケースの往復直線移動を受けて往復回転する切替クランクと、
前記切替クランクの回転力を、負荷時タップ切替器に伝達する出力軸を有する負荷時タップ切替器の蓄勢装置において、
前記切替クランクの往復回転時に、前記切替クランクの回転を停止するダンパを単一の共通ダンパにより形成したことを特徴とする負荷時タップ切替器の蓄勢装置。
【請求項2】
前記切替クランクは、往復回転時に前記ダンパにそれぞれ当接する一対の当接部を有し、
前記共通ダンパは、共通の筐体内に前記一対の当接部がそれぞれ当接された際、前記当接を緩衝する一対の緩衝部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の負荷時タップ切替器の蓄勢装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷時タップ切替器の蓄勢装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
負荷時タップ切替器は、変圧器のタップ切替等に用いられ、その蓄勢装置は、タップ切替を短時間で行うために設けられている。従来の負荷時タップ切替器に用いられる蓄勢装置(非特許文献1)を図9図11を参照して説明する。
【0003】
図9(a)〜(c)に示すように蓄勢装置10は、図示しない電動操作機構に一端が連結された入力軸11を備えている。前記入力軸11の他端は、同軸上に設けられた偏心カム12に連結され、前記電動操作機構からの駆動力を伝達する。
【0004】
偏心カム12は、前記入力軸11の回転を受け、偏心動作を行なう。前記偏心カム12は、巻上げケース13の上面に設けられた一対のガイド板13a,13b間に配置されている。巻上げケース13は、相互に離間した一対の支持部材30に対して相互に平行に架設された一対のバネ案内シャフト34に対して直線移動自在に支持されている。巻上げケース13は、前記偏心カム12の偏心動作を受けたガイド板13a,13bにより、往復直線移動を行なう。蓄勢バネ14は、前記バネ案内シャフト34に巻装されて、巻上げケース13の直線運動によって蓄勢する。
【0005】
前記支持部材30には、バネ案内シャフト34と平行に一対のケースガイドシャフト32が架設されている。蓄勢ケース15は、ケースガイドシャフト32に対して直線移動自在に支持され、前記蓄勢バネ14が蓄勢力の解放によって、往復直線移動を行なう。
【0006】
切替クランク16は前記蓄勢ケース15に作動連結されており、前記蓄勢バネ14の蓄勢力により蓄勢ケース15が往復移動した際に回転して、図示しない遮断機構部におけるタップ切替を行う。
【0007】
ラッチ18,19は、前記切替クランク16に設けられた係合爪20、21に係合し、前記蓄勢バネ14を蓄勢している間は切替クランク16及び蓄勢ケース15を一時的に拘束するようにしている。
【0008】
前記蓄勢装置10のタップ切替時における動作は、下記のように行われる。
図9(a)〜(c)は、蓄勢装置10のタップ切替前の状態を示しており、この状態で、電動操作機構に切換信号が入ると、入力軸11は、偏心カム12を介して、巻上げケース13を直線的に移動させる。この状態では、ラッチ19と切替クランク16の係合爪21が係合されることにより蓄勢ケース15は拘束されているため、図10(a)〜(c)に示すように巻上げケース13の直線移動により、蓄勢バネ14が蓄勢される。
【0009】
巻上げケース13に設けられた解除部13cがラッチ19を作動させてラッチ19と係合爪21の係合を外すと、蓄勢ケース15の拘束が解除される。すると、蓄勢バネ14の蓄勢力により蓄勢ケース15が巻上げケース13の方向に移動される。この移動は、前記蓄勢力により高速に行われる。
【0010】
そして、図9(c)に示すように、切替クランク16が最終到達位置に位置すると、切替クランク16は、支持部材30に設けられた一対のダンパ35,36のうち一方のダンパ36に当接する。
【0011】
また、前記蓄勢ケース15が最終到達位置に達すると、図9(a)、(b)に示すようになる。そして、切替クランク16が最終到達位置に位置すると、切替クランク16の係合爪20に、ラッチ18が係合し、蓄勢ケース15は再び拘束される。又、巻上げケース13は、入力軸11の回転が終了時に偏心カム12により駆動されて最終到達位置まで移動し、切換動作を完了する。
【0012】
また、次のタップ切替時の蓄勢装置10の動作は詳説しないが、以下の通りである。
図示しない電動操作機構に切換信号が入ると、入力軸11が偏心カム12を介して、巻上げケース13を、図11(a)〜(c)の状態からラッチ18の方向に移動させて、蓄勢バネ14を蓄勢させる。そして、解除部13cによりラッチ18と係合爪20の係合を外す。すると、蓄勢バネ14の蓄勢力により蓄勢ケース15が移動し、ラッチ19と係合爪21が係合する。巻上げケースが最終到達位置に達し、切換動作を完了する。又、切替クランク16は、他方のダンパ35に当接する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】株式会社 ダイヘン、「負荷時タップ切替器 OTMRM III 5形」 取扱説明書 Cat.No.40536E
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで従来の蓄勢装置10は、上記のように切替クランクの作動を停止するために一対のダンパを備えている。このため、部品点数が多くなり、組み付け工数が増加するとともに、コスト高となる問題があった。
【0015】
本発明の目的は、ダンパを2つ設ける必要がなくなり、部品点数を少なくでき、コスト低下を図ることができる負荷時タップ切替器の蓄勢装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸心の回りで回転する入力軸と、前記入力軸の回転を受けて、往復直線移動を行う巻上げケースと、前記巻上げケースによって蓄勢する蓄勢バネと、前記蓄勢バネの蓄勢力により、往復直線移動を行なう蓄勢ケースと、前記蓄勢ケースの往復直線移動を受けて往復回転する切替クランクと、前記切替クランクの回転力を、負荷時タップ切替器に伝達する出力軸を有する負荷時タップ切替器の蓄勢装置において、前記切替クランクの往復回転時に、前記切替クランクの回転を停止するダンパを単一の共通ダンパにより形成したことを特徴とする負荷時タップ切替器の蓄勢装置を要旨としている。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1において、前記切替クランクは、往復回転時に前記ダンパにそれぞれ当接する一対の当接部を有し、前記共通ダンパは、共通の筐体内に前記一対の当接部がそれぞれ当接された際、前記当接を緩衝する一対の緩衝部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、切替クランクの往復回転を共通のダンパにて停止することができるため、従来と異なり、ダンパを2つ設ける必要がなくなり、部品点数を少なくでき、コスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態の負荷時タップ切替器の蓄勢装置の側面図。
図2】一実施形態の負荷時タップ切替器の蓄勢装置の断面図。
図3】(a)は一実施形態の蓄勢装置のタップ切替前の状態の平面図、(b)は同じくタップ切替前の状態の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図4】(a)は一実施形態の蓄勢装置のタップ切替中の平面図、(b)は同じくタップ切替中の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図5】(a)は一実施形態の蓄勢装置のタップ切替中の平面図、(b)は同じくタップ切替中の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図6】(a)は一実施形態の蓄勢装置のタップ切替完了時の平面図、(b)は同じくタップ切替完了時の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図7】ダンパの側面図。
図8】ダンパの断面図。
図9】(a)は従来例の蓄勢装置のタップ切替前の状態の要部側面図、(b)は同じく蓄勢装置のタップ切替前の状態の平面図、(c)はタップ切替前の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図10】(a)は従来例の蓄勢装置のタップ切替中の要部側面図、(b)は同じく蓄勢装置のタップ切替中の平面図、(c)はタップ切替中の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
図11】(a)は従来例の蓄勢装置のタップ切替完了時の要部側面図、(b)は同じく蓄勢装置のタップ切替完了時の平面図、(c)はタップ切替完了時の切替クランク及びその周辺構成の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態の負荷時タップ切替器の蓄勢装置を図1図8を参照して説明する。なお、前記従来例と同一又は相当する構成については、同一符号を付して説明する。
【0021】
図1図2に示すように、蓄勢装置10は、電動操作機構100に一端が連結された入力軸11を備えている。前記入力軸11の他端は、同軸上に設けられた偏心カム12に連結され、前記電動操作機構100からの駆動力を伝達する。
【0022】
偏心カム12は、前記入力軸11の回転を受け、偏心動作を行なう。前記偏心カム12の回転軸12aは、巻上げケース13に対して下方から上方に向かって貫通されて前記入力軸11に連結されている。偏心カム12は、巻上げケース13内において、巻上げケース13の下面に設けられた一対のガイド板13a,13b間に配置されている。
【0023】
図2に示すように、ケース13の下方に固定板29が配置され、固定板29の上面には一対の支持部材30が固定されている。両支持部材30間には、相互に平行に架設された一対のバネ案内シャフト34が設けられ、前記巻上げケース13は、前記バネ案内シャフト34に対して直線移動自在に支持されている。巻上げケース13は、前記偏心カム12の偏心動作を受けたガイド板13a,13bにより、往復直線移動を行なう。図3に示すように、蓄勢バネ14は、前記バネ案内シャフト34に巻装されており、巻上げケース13の直線運動によって蓄勢する。
【0024】
前記支持部材30間には、前記バネ案内シャフト34と平行に一対のケースガイドシャフト32が架設されている。蓄勢ケース15は、前記ケースガイドシャフト32に対して直線移動自在に支持され、前記蓄勢バネ14が蓄勢力の解放によって、往復直線移動を行なう。
【0025】
図1に示すように蓄勢ケース15の下方には、固定板29に対して回転自在に支持された切替クランク16が配置されている。なお、図2では、説明の便宜上、切替クランク16の図示は省略されている。
【0026】
蓄勢ケース15下面には一対のカム部材15aが突設され、カム部材15a間には前記切替クランク16の上面に設けられたカムフォロア16aが係入されている。カムフォロア16aは、蓄勢ケース15の往復直線移動により切替クランク16を回転させる。切替クランク16は前記蓄勢バネ14の蓄勢力により回転して、遮断機構部120におけるタップ切替器のタップ切替えを行う。
【0027】
図3(b)に示すように、切替クランク16は、往復回転方向のそれぞれに向かう各端に係合爪20,21が形成されている。固定板29の上面には、一対のラッチ18,19が回動自在に支持されている。ラッチ18,19は、前記係合爪20、21にそれぞれ係合する係合アーム18a,19aと、解除アーム18b,19bとを有する。ラッチ18,19間には、図示はしないが、引っ張りバネが掛けられており、係合アーム18a,19aを切替クランク16側に向くように付勢している。
【0028】
そして、ラッチ18,19の係合アーム18a,19aは、係合爪20,21に係合し、前記蓄勢バネ14を蓄勢している間は切替クランク16及び蓄勢ケース15を一時的に拘束するようにしている。
【0029】
また、図1に示すように巻上げケース13には、前記係合アーム18a,19aと、係合爪20,21との係合を解除する解除部13cが設けられている。解除部13cは、巻上げケース13の直線移動のとき、切替クランク16を拘束している係合アーム18a,19aの解除アーム18b,19bに当接して解除方向に作動させることにより、係合アーム18a,19aと、係合爪20,21との係合を解除する。
【0030】
図7に示すように固定板29上には、ダンパ40が形成されている。ダンパ40は、切替クランク16の回転軌跡上に位置するように配置されている。図8に示すように本実施形態ではダンパ40はサラバネ式ダンパが用いられているが、サラバネ式ダンパに限定するものではなく、オイルダンパ、ガスダンパ、又はスプリングダンパでもよい。図8に示すように前記ダンパ40の筐体43の両端には、衝接時に切替クランク16の各端部を受ける一対のピン44,45がその長手方向に移動自在に挿入されている。前記衝接時に切替クランク16の各端部は、それぞれ当接部に相当する。前記ピン44,45は、大径部44a,45aが形成されており、筐体43の穴部に取り付けられている。ピン44,45の外端は筐体43に設けられた側壁43a,43bに対して移動自在に貫通されるとともに、ストッパ部材45b,44bが固定されている。このストッパ部材45b,44bは、側壁43a,43bに係止することにより筐体43の端面からのピン44,45の突出量を所定量分だけ許容する。
【0031】
ピン44,45には、それぞれ複数のサラバネ48が積層された状態で移動自在に貫通され、ピン44、45に切替クランク16が衝接した際の衝撃力を緩和する。ピン44,45において、前記サラバネ48の積層された構成は、緩衝部の一例である。
【0032】
このように本実施形態の特徴的な構成は、従来と異なり、切替クランク16の回転を停止させるダンパ40は、単一であることである。また、切替クランク16の往復回転動作を停止させるピン44,45が筐体43の両端に設けられていることである。
【0033】
(実施形態の作用)
本実施形態の蓄勢装置10のタップ切替時における動作は、下記のように行われる。
図3(a)、(b)は、蓄勢装置10のタップ切替前の状態を示しており、この状態で、電動操作機構100に切換信号が入ると、図1に示す入力軸11は、偏心カム12を介して、巻上げケース13を直線的に移動させる。この状態では、図3(b)に示すようにラッチ19と切替クランク16の係合爪21が係合されることにより蓄勢ケース15は拘束されているため、図4(a)、(b)に示すように巻上げケース13の直線移動により、蓄勢バネ14が蓄勢される。
【0034】
そして、図4(a)、(b)に示すように巻上げケース13に設けられた解除部13cが、解除アーム19bに当接して作動させる。このことにより、ラッチ19が回転されてラッチ19と係合爪21の係合が外されて、蓄勢ケース15の拘束が解除される。すると、図5(a)、(b)に示すように蓄勢バネ14の蓄勢力により蓄勢ケース15が巻上げケース13の方向に移動させる。この移動は、前記蓄勢力により高速に行われる。
【0035】
そして、図6(b)に示すように、切替クランク16が最終到達位置に位置すると、切替クランク16は、ダンパ40のピン44に当接し、ダンパ40により緩衝される。
また、図6(b)に示すよう、切替クランク16が最終到達位置に位置すると、切替クランク16の係合爪20に、ラッチ18が係合し、蓄勢ケース15は再び拘束される。又、巻上げケース13は、入力軸11の回転が終了時に偏心カム12により駆動されて最終到達位置まで移動しタップ切換を完了する。
【0036】
また、次のタップ切替時の蓄勢装置10の動作は詳説しないが、以下の通りである。
電動操作機構100に切換信号が入ると、入力軸11が偏心カム12を介して、巻上げケース13を、図6(a)、(b)の状態からラッチ18の方向に移動させて、蓄勢バネ14を蓄勢させる。そして、解除部13cによりラッチ18と係合爪20の係合を外す。すると、蓄勢バネ14の蓄勢力により蓄勢ケース15が移動し、ラッチ19と係合爪21が係合する。巻上げケースが最終到達位置に達し、切換動作を完了する。又、このとき切替クランク16は、ダンパ40のピン45に当接し、ダンパ40により緩衝される。
【0037】
本実施形態の蓄勢装置10によれば、下記の特徴がある。
(1) 本実施形態の蓄勢装置10は、切替クランク16の往復回転時に、切替クランク16の回転を停止するダンパ40を単一の共通ダンパにより形成した。この結果、切替クランクの往復回転を共通のダンパにて停止することができるため、従来と異なり、ダンパを2つ設ける必要がなくなり、部品点数を少なくでき、コスト低下を図ることができる。
【0038】
また、共通のダンパとすることにより、その分、蓄勢装置の構成を簡素化できるとともに、寸法の縮小化ができ、コンパクト化することも可能となる。
或いは、ダンパを1つ省略できることにより、その省略したダンパの取付位置に他の部品を配置することも可能となり、前記他の部品の配置のレイアウトの自由度を増やすことが可能となる。
【0039】
(2) 本実施形態の蓄勢装置10では、切替クランク16は、往復回転時にダンパ40にそれぞれ当接する一対の端部(当接部)を有し、ダンパ40は、共通の筐体43内に切替クランク16の各端部がそれぞれ当接された際、前記当接を緩衝する一対のサラバネ48が積層された構成(緩衝部)が設けられている。この結果、本実施形態によれば共通の筐体内に、一対のサラバネ48が積層された構成(緩衝部)が設けられていることにより、切替クランクの往復回転を単一のダンパで緩衝することができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように構成してもよい。
・ 前記実施形態では、ピン44,45において、前記サラバネ48の積層された構成は、緩衝部とした。緩衝部は、この構成に限定されるものではなく、例としてダンパをオイルダンパであればオイルを充填している部分が緩衝部となる。この場合において、共通の筐体内に緩衝部を構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…蓄勢装置、12…偏心カム、13…巻上げケース、
15…蓄勢ケース、16…切替クランク、18,19…ラッチ、
40…ダンパ、43…筐体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11