(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ネットワーク接続されたカラオケシステムには、動画共有システムとして、自らの歌唱姿態及び歌唱音声を録画して公開する機能を有しているものがある。この動画共有システムでは、予めメンバー登録した利用者がカラオケシステムにログインし、カラオケ歌唱映像の録画を行い、録画したカラオケ歌唱映像をサーバにアップロードする。この際、他の利用者によるコラボレーション歌唱の許可を行うことができる。そして、システム管理者が公開条件のチェックを行い、公開許可が与えられると、メンバー登録した利用者が閲覧可能となる。
【0003】
コラボレーション歌唱が許可されたカラオケ歌唱映像が存在する場合には、当該カラオケ歌唱映像を読み込んで、予め公開されたカラオケ歌唱映像を再生しながら、他の利用者や自分自身と、デュエットやハモリ歌唱を楽しむことができる。
【0004】
また、コラボレーション歌唱を前提として公開されたカラオケ歌唱映像の中には、男声パート又は女声パートのみを録画した映像、主旋律又はハモリパートのみを録画した映像、歌唱区間以外における合いの手を録画した映像等、種々の態様のカラオケ歌唱映像が存在する。
【0005】
コラボレーション歌唱を行おうとする利用者は、公開されたカラオケ歌唱映像のサムネイル表示等に基づいて、所望のカラオケ歌唱映像を選択するが、多数のカラオケ歌唱映像の中から利用者の好みにあったカラオケ歌唱映像を選択するのは困難である。そこで、従来、多数のカラオケ歌唱映像の中から利用者の好みにあったカラオケ歌唱映像を選択することが可能なシステムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1に記載された技術は、所望する歌唱感を有する歌唱者を検索することができるカラオケ装置に関するものである。このカラオケ装置は、サーバ装置と接続されており、サーバ装置のCPUが、通信部を介して歌唱分析データを受信したことを検知すると、受信した歌唱分析データと歌唱分析データベース記憶領域に記憶された歌唱分析データとを比較して、その一致度に応じて、歌唱分析データベース記憶領域から1以上の歌唱分析データを選択する。また、CPUは、選択した歌唱分析データと対応する識別情報を歌唱分析データベース記憶領域から読み出して、読み出した識別情報を、通信ネットワークを介してカラオケ装置に送信する。カラオケ装置のCPUは、受信した識別情報が示す歌唱者を表示部に表示させる。
【0007】
特許文献2に記載された技術は、複数の歌唱の動画コンテンツを組み合わせたコンテンツの創作に好適な動画コンテンツを検索することができる動画コンテンツ検索装置に関するものである。この動画コンテンツ検索装置は、複数のカラオケユーザそれぞれの歌唱に係る動画コンテンツデータと、歌唱を行ったカラオケユーザを識別するためのユーザ識別情報と、動画コンテンツデータに対する評価内容を含む動画評価情報を対応付けて記憶している。また、動画コンテンツ検索装置は、ユーザ識別情報に対応するカラオケユーザの歌唱に対する評価内容を含む歌唱評価情報を対応付けたテーブルと、特定の動画評価情報及び歌唱評価情報を検索条件とする動画コンテンツデータの検索要求を受信する受信手段と、受信手段にて検索要求を受信した場合、検索要求に係る特定の動画評価情報及び歌唱評価情報並びにテーブルに基づいて、動画コンテンツデータを検索する検索手段とを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、現在のカラオケシステムでは、コラボレーション歌唱の許可を行うか否かを設定することはできるが、歌唱者自らがどのような態様で歌唱を行っているのかを詳細に設定することはできない。すなわち、公開されたカラオケ歌唱映像のサムネイル表示において、コメントとしてデュエット曲のいずれか一方のパート(例えば女声パート)を歌唱している程度の識別表示を行うことはできるが、当該カラオケ歌唱映像が、主旋律又はハモリパートのみを録画した映像であるか、歌唱区間以外における合いの手を録画した映像であるか等、細かな歌唱態様種別のすべてについて識別可能に表示することはできない。
【0010】
また、細かな歌唱態様種別を識別可能に設定する場合には、利用者自らが、どのような態様のカラオケ歌唱映像であるかを設定して登録する機能を持たせなくてはならない。このような設定操作は利用者にとって面倒なものであり、設定操作を行わない場合も考えられる。また、間違った歌唱態様種別を設定してしまうことも考えられ、これでは、せっかく歌唱態様種別を識別可能に設定した意味がなくなってしまう。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うことが可能なカラオケシステムにおいて、録画したカラオケ歌唱映像について、自動的に歌唱態様の種別設定を行うことにより、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、容易かつ確実に目的とするカラオケ歌唱映像を選択できるようにしたコラボレーション歌唱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のコラボレーション歌唱映像表示システムは、上述した目的を達成するために提案されたもので、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のコラボレーション歌唱システムは、録画したカラオケ歌唱映像を公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムであって、歌唱音声録音手段と、歌唱映像録画手段と、カラオケ歌唱映像生成手段と、歌唱態様種別特定手段と、歌唱映像管理手段と、歌唱映像公開手段と、コラボレーション映像抽出手段と、ダウンロード手段と、コラボレーション歌唱映像作成手段と、歌唱映像送信手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
歌唱音声録音手段は、楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を録音するための手段である。歌唱映像録画手段は、カラオケ楽曲を演奏する際に撮影された利用者の歌唱映像を録画するための手段である。カラオケ歌唱映像生成手段は、録音した音声と撮影した歌唱映像を一纏めとしてカラオケ歌唱映像を生成するための手段である。
【0014】
歌唱態様種別特定手段は、任意の利用者がカラオケ歌唱映像を生成する際に、所定のリファレンスデータとの比較に基づき、入力された音声について、少なくとも、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別のいずれに該当するかを特定するための手段である。
【0015】
歌唱映像管理手段は、少なくとも、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)と、当該カラオケ楽曲のカラオケ歌唱映像(コラボレーション歌唱映像を含む)と、当該カラオケ歌唱映像の歌唱態様種別とを関連付けて、歌唱映像データベースに登録して管理するための手段である。歌唱映像公開手段は、少なくとも、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開するための手段である。
【0016】
コラボレーション映像抽出手段は、少なくとも、利用者により指定されたカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)及び歌唱態様種別を検索条件として、公開されたカラオケ歌唱映像の中から該当するカラオケ歌唱映像を抽出するための手段である。ダウンロード手段は、抽出したカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像に関連付けられた歌唱態様種別及びカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを、カラオケ演奏端末にダウンロード可能とするための手段である。
【0017】
コラボレーション歌唱映像作成手段は、カラオケ歌唱映像と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)及び歌唱態様種別とをダウンロードした場合に、当該ダウンロードしたカラオケ歌唱映像と、当該楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を有するカラオケ楽曲を演奏する際に生成したカラオケ歌唱映像とを一纏めのコラボレーションのカラオケ歌唱映像とする共に、ダウンロードしたカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別と生成したカラオケ歌唱映像について特定された歌唱態様種別とを当該コラボレーションのカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別とするための手段である。
【0018】
歌唱映像送信手段は、生成したカラオケ歌唱映像又はコラボレーションのカラオケ歌唱映像と、歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバに送信するための手段である。
【発明の効果】
【0019】
本発明のコラボレーション歌唱システムによれば、生成したカラオケ歌唱映像に付帯する音声に基づいて、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別が自動的に特定される。そして、生成したカラオケ歌唱映像に関連付けられた曲名及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開する。
【0020】
したがって、利用者自らが歌唱態様種別をいちいち設定する必要がなく、カラオケ歌唱映像を公開する際に歌唱態様種別が自動的に付与されるので、利用者にとって面倒な操作を必要としない。また、歌唱態様種別の特定は所定のリファレンスデータとの比較に基づいて行われるので、正確な歌唱態様種別を設定することができる。さらに、コラボレーション歌唱を行おうとする利用者は、検索条件となるカラオケ楽曲の識別情報及び歌唱態様種別に基づいて、所望するカラオケ歌唱映像を選択することができるので、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、容易かつ確実に目的とするカラオケ歌唱映像を選択することができる。
【0021】
また、一纏めとするコラボレーション歌唱映像に含まれるすべてのカラオケ歌唱映像について、それぞれ正確な歌唱態様種別を自動判定して特定するため、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、さらに一層、容易かつ確実に目的とするカラオケ歌唱映像を選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明のコラボレーション歌唱システムの実施形態について説明する。
図1〜
図4は本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システムを示すもので、
図1はコラボレーション歌唱システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図、
図2は歌唱映像データベースの構成を示す説明図、
図3は歌唱映像選択画面の一例を示す模式図、
図4はコラボレーション歌唱映像の表示画面を示す模式図である。
【0024】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10は、カラオケ歌唱映像を生成して公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムである。そして、生成したカラオケ歌唱映像に付帯する音声に基づいて、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別を自動的に付与することにより、容易かつ確実にコラボレーション相手のカラオケ歌唱映像を探し出せるようになっている。
【0025】
なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0026】
このコラボレーション歌唱システム10は、
図1に示すように、歌唱音声録音手段61と、歌唱映像録画手段62と、カラオケ歌唱映像生成手段63と、歌唱態様種別特定手段64と、歌唱映像管理手段23と、歌唱映像公開手段24と、コラボレーション映像抽出手段65と、ダウンロード手段66と、コラボレーション歌唱映像作成手段67、歌唱映像送信手段68とにより実現される。
【0027】
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10は、
図1に示すように、映像サーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが、ルータ70及び通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0028】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、
図1に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ビデオカメラ35、ミキシングアンプ36、カラオケリモコン装置37を備えている。
【0029】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置37は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体31のローカル送受信手段56との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置37は、楽曲検索手段37a、楽曲索引データベース37b、データ記憶部37c、入出力表示部37d、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置37に付帯するスイッチ類や、入出力表示部37dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0030】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段37aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース37bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース37bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・演奏形態・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段37aにより楽曲検索を行うとカラオケリモコン装置37の入出力表示部37dに、検索結果が一覧表示される。
【0031】
<データ記憶部>
データ記憶部37cは、選曲予約の履歴等を記憶するための領域で、図示しないが、選曲予約データ、選曲予約履歴データ等、各種のデータが記憶される。
【0032】
<入出力表示部>
入出力表示部37dは、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置からなり、上述したように、楽曲検索手段37aにより検索を行う際の入力表示、検索結果の一覧表示、各種の案内表示等を行うと共に、表示されるアイコン等を操作することにより、入力指示を行うことができる。
【0033】
<マイクロホン/スピーカ>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ36により、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、マイクロホン33からの音声入力信号は、A/Dコンバータ59によりデジタル変換されて、歌唱態様種別特定手段64における歌唱態様種別の特定等に使用される。
【0034】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0035】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、
図1に示すように、ネットワーク送受信手段51、中央制御手段52、ROM53、RAM54、HDD55、ローカル送受信手段56、予約管理手段57、音楽再生制御手段58、A/Dコンバータ59、映像再生制御手段60、歌唱音声録音手段61、歌唱映像録画手段62、カラオケ歌唱映像生成手段63、歌唱態様種別特定手段64、コラボレーション映像抽出手段65、ダウンロード手段66、コラボレーション歌唱映像作成手段67、歌唱映像送信手段68を備えている。
【0036】
<中央制御手段>
中央制御手段52は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM53等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0037】
<ROM/RAM>
ROM53は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM54は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM54を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM54を構成してもよい。本実施形態では、RAM54に予約待ち行列54aが記憶されるようになっている。この予約待ち行列54aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0038】
<HDD>
HDD55は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース55a、映像データベース55b、歌唱映像データ55cが格納されている。なお、HDD55に替えて、あるいはHDD55と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0039】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース55aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース55bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0040】
<歌唱映像データ>
歌唱映像データ55cは、カラオケ歌唱映像生成手段63により生成したカラオケ歌唱映像のデータである。
【0041】
<送受信手段>
ローカル送受信手段56は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段51は、カラオケ本体31と映像サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0042】
<予約管理手段>
予約管理手段57は、楽曲検索手段37aの機能を用いて検索され、選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列54aを生成し、この予約待ち行列54aをRAM54に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0043】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段58は、楽曲IDや歌唱態様種別に基づいて楽曲データベース55aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ36に出力するための電子回路からなる。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ36に出力する。上述したように、ミキシングアンプ36は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0044】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段60は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース55bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0045】
コラボ−ラーションのカラオケ歌唱映像を表示する場合には、
図4に示すように、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として既に録画された少なくとも1つ以上のカラオケ歌唱画像と、現在録画中のカラオケ歌唱画像とが、表示装置34の表示画面に表示される。
【0046】
<歌唱音声録音手段>
歌唱音声録音手段61は、楽曲識別情報で特定されるカラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を録音するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱音声録音手段61は、カラオケ楽曲が演奏される際に、マイクロホン33から入力される歌唱音声や合いの手等を録音する。
【0047】
<歌唱映像録画手段>
歌唱映像録画手段62は、カラオケ楽曲を演奏する際に撮影した利用者の歌唱映像を録画するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像録画手段62は、ビデオカメラ35から入力される映像信号を受信して、カラオケ歌唱映像の録画を行う。
【0048】
ビデオカメラ35は、利用者の歌唱姿態を撮影するための装置であり、撮像レンズ及び撮像素子を主要な構成要素とし、フォーカシング機構、ズーム機構、パン・チルト機構等を備えていてもよい。ビデオカメラ35で撮影が行われると、映像信号(ビデオ信号)が歌唱映像録画手段62に入力される。
【0049】
<カラオケ歌唱映像生成手段>
カラオケ歌唱映像生成手段63は、録音した音声と撮影した歌唱映像を一纏めとしてカラオケ歌唱映像を生成するためのプログラムからなる。なお、歌唱音声録音手段61と歌唱映像録画手段62とを一つの手段として構成し、音声と歌唱映像とが結合したファイルを作成してもよい。
【0050】
<歌唱態様種別特定手段>
歌唱態様種別特定手段64は、任意の利用者がカラオケ歌唱映像を生成する際に、所定のリファレンスデータとの比較に基づき、入力された音声について、少なくとも、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別のいずれに該当するかを特定するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱態様種別特定手段64は、A/Dコンバータ59を介して入力された歌唱音声を分析して、カラオケ楽曲の演奏に伴う歌唱位置、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力(例えば、合いの手)等を特定し、歌唱態様種別を付与する。
【0051】
<コラボレーション映像抽出手段>
コラボレーション映像抽出手段65は、少なくとも、利用者により指定されたカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)及び歌唱態様種別を検索条件として、公開されたカラオケ歌唱映像の中から該当するカラオケ歌唱映像を抽出するためのプログラムからなる。すなわち、コラボレーション映像抽出手段65は、映像サーバ20にアクセスし、例えば、カラオケリモコン装置37を利用した利用者の指定(検索ワードの入力)に基づいて、所望のカラオケ歌唱映像を抽出する。検索ワードは、例えば、楽曲名や楽曲ID等の楽曲識別情報及び歌唱態様種別の他に、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名等を組み合わせることができるようにしてもよい。
【0052】
コラボレーション歌唱のための歌唱映像の抽出は、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)の機能により行ってもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータにコラボレーション映像抽出手段65としての機能を持たせ、インターネット40を介して映像サーバ20に接続することにより、所望のコラボレーション映像を抽出することができる。また、抽出したコラボレーション映像の映像IDを2次元バーコードとしてパーソナルコンピュータに付帯した表示装置の表示画面に表示し、当該2次元バーコードをパーソナル携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン)のバーコード読取機能を用いて読み取って記憶させることができる。これにより、カラオケ店等において、パーソナル携帯端末の選曲予約機能を用いて、記憶した映像IDを有するコラボレーション映像をダウンロードすることができる。
【0053】
<ダウンロード手段>
ダウンロード手段66は、抽出したカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像に関連付けられた歌唱態様種別及びカラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを、カラオケ演奏端末30にダウンロード可能とするためのプログラムからなる。すなわち、ダウンロード手段66は、映像サーバ20にアクセスし、利用者の指定に基づいて検索して抽出されたカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像の歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)をダウンロードする。このカラオケ歌唱映像が、コラボレーション歌唱の元映像となる。
【0054】
<コラボレーション歌唱映像作成手段>
コラボレーション歌唱映像作成手段67は、カラオケ歌唱映像と、カラオケ楽曲の歌唱態様種別及び楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)をダウンロードした場合に、当該ダウンロードしたカラオケ歌唱映像と、当該楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)を有するカラオケ楽曲を演奏する際に生成したカラオケ歌唱映像とを一纏めのコラボレーションのカラオケ歌唱映像とする共に、ダウンロードしたカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別と生成したカラオケ歌唱映像について特定された歌唱態様種別とを当該コラボレーションのカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別とするためのプログラムからなる。
【0055】
すなわち、コラボレーション歌唱映像作成手段67では、コラボレーション歌唱映像の元となるカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像とコラボレーションを行うために撮影した映像及び録音した音声を一纏めとしたカラオケ歌唱映像とを一纏めとして、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を作成する。
【0056】
なお、コラボレーション歌唱映像の元となるカラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像とコラボレーションを行うために撮影した映像及び録音した音声からなるカラオケ歌唱映像とを一纏めとする態様には種々の方法を採用することができる。例えば、歌唱映像管理手段23において、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として、複数のカラオケ歌唱映像に関するデータを一纏めとして、1つの映像IDを付与してもよいし、コラボレーションのカラオケ歌唱映像を構成する各カラオケ歌唱映像を別個に管理すると共に、歌唱映像データベース25において、コラボレーションを行った各カラオケ歌唱映像の映像IDを関連付けて管理してもよい。
【0057】
また、コラボレーションのカラオケ歌唱映像として一纏めにできるカラオケ歌唱映像の数は、映像サーバ20のデータ格納容量や、ネットワーク(インターネット40)のトラフィック等に応じて、適宜設定することができる。
【0058】
<歌唱映像送信手段>
歌唱映像送信手段68は、生成したカラオケ歌唱映像又はコラボレーションのカラオケ歌唱映像と、歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバ20に送信するためのプログラムからなる。すなわち、カラオケ演奏端末30において、カラオケ歌唱映像が生成され、あるいはコラボレーション歌唱映像作成手段67の機能によりコラボレーションのカラオケ歌唱映像が作成されると、歌唱映像送信手段68の機能により、カラオケ歌唱映像と、当該カラオケ歌唱映像の歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバ20に送信する。
【0059】
<映像サーバ>
映像サーバ20は、カラオケ歌唱映像を格納して公開するためのサーバで、カラオケ歌唱映像を格納するHDD(図示せず)、サーバ制御手段21、送受信手段22、歌唱映像管理手段23、歌唱映像公開手段24、歌唱映像データベース25を備えている。なお、カラオケ歌唱映像を管理するための専用の映像サーバ20を備えるのではなく、他のサーバに映像サーバ20の機能を兼ね備えさせてもよい。また、仮想化技術により、一つのサーバを複数の機能を有するサーバとして機能させ、仮想化サーバの一つとして映像サーバ20を構築することができる。
【0060】
<サーバ制御手段/送受信手段>
サーバ制御手段21は、中継サーバ20を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。送受信手段22は、各カラオケ演奏端末30との間で、カラオケ歌唱映像等の各種データの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク(インターネット40)における通信方式の整合性を保つための通信回路やプログラムにより構成される。
【0061】
<歌唱映像管理手段>
歌唱映像管理手段23は、少なくとも、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)と、当該カラオケ楽曲のカラオケ歌唱映像(コラボレーション歌唱映像を含む)と、当該カラオケ歌唱映像の歌唱態様種別とを関連付けて、歌唱映像データベース25に登録して管理するためのプログラムからなる。歌唱映像データベース25は、
図2に示すように、例えば、カラオケ歌唱映像を識別するための映像ID、楽曲名、歌唱態様種別、利用者ID等が関連付けて構成されている。さらに、歌唱映像データベース25の構成データとして、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名等を含んでいてもよい。
【0062】
なお、上述したように、コラボレーションの各カラオケ歌唱映像を一纏めのカラオケ歌唱映像として映像IDを付して管理する共に、一纏めとなった各カラオケ歌唱映像にそれぞれ歌唱態様種別を関連付けてもよいし、管理するカラオケ歌唱映像がコラボレーションのカラオケ歌唱映像の場合には、各カラオケ歌唱映像を個別に管理すると共に、コラボレーションを構成する各カラオケ歌唱映像の映像IDを関連付けて管理してもよい。
【0063】
<歌唱映像公開手段>
歌唱映像公開手段24は、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像公開手段24は、カラオケ演奏端末30で生成したカラオケ歌唱映像又は作成したコラボレーションのカラオケ歌唱映像を、所定の記憶領域(例えば、HDD)に格納して管理する。なお、公開する各カラオケ歌唱映像自体にインデックスを付すのではなく、歌唱映像データベース25と連動させてカラオケ歌唱映像の検索を行うように構成してもよい。
【0064】
上述したように、公開されたカラオケ歌唱映像の検索及び抽出は、例えば、カラオケ演奏端末30の機能として実施してもよいし、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)の機能として実施してもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータを、インターネット40を介して、映像サーバ20に接続することにより、所望の歌唱映像を検索して抽出することができる。
【0065】
<他の実施形態>
本発明のコラボレーション歌唱システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、ネットワークを介して複数のカラオケ演奏端末30を接続するのではなく、一つの店舗内において、LAN接続された複数のカラオケ演奏端末30と、当該店舗内に設置された映像サーバ20とを利用して、コラボレーション歌唱システム10を構成してもよい。
【0066】
また、単独のカラオケ歌唱映像と、コラボレーションのカラオケ歌唱映像とは、それぞれ同様の機能を有する別個の手段で処理することができる。例えば、歌唱態様種別特定手段64を単独歌唱態様種別特定手段と、コラボレーション歌唱態様種別特定手段とにより構成することができる。この場合には、単独歌唱態様種別特定手段では、カラオケ歌唱映像について歌唱種別態様の特定を行い、コラボレーション歌唱態様種別特定手段では、コラボレーション歌唱を行う際に、新たに生成するカラオケ歌唱映像について歌唱態様を特定すると共に、当該歌唱態様種別とダウンロードした歌唱態様種別とを一纏めとする。
【0067】
同様に、歌唱映像送信手段68を、単独歌唱映像送信手段と、コラボレーション歌唱映像送信手段とにより構成することができる。この場合には、単独歌唱映像送信手段では、生成したカラオケ歌唱映像と、特定した歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバ20に送信し、コラボレーション歌唱映像送信手段では、コラボレーションのカラオケ歌唱映像と、新たに生成するカラオケ歌唱映像について特定した歌唱態様及び当該歌唱態様種別をダウンロードした歌唱態様種別とを一纏めにした歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の楽曲識別情報(例えば、楽曲名や楽曲ID)とを映像サーバ20に送信する。