【実施例】
【0029】
本発明の充電器に係る実施例について、図面に基づいて説明する。
【0030】
<第1実施例>
本発明の充電器に係る第1実施例について、
図1乃至
図5を参照して説明する。
【0031】
先ず、本実施例に係る充電器の概要について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、第1実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。
図2は、第1実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
【0032】
図1において、本実施例に係る充電器100は、複数個の建築用空洞コンクリートブロック1a(以降、適宜“ブロック1a”と称する)が積み上げられて構成されるブロック塀1の一部にはめ込まれた電器筺体10を備えて構成されている。
【0033】
充電器100は、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車等の車両に搭載されたバッテリを充電可能に構成されている。尚、充電器100は、有線方式の充電器であってもよいし、非接触(無線)方式の充電器であってもよい。充電器100が有線方式の充電器である場合には、例えば電気自動車に搭載されたバッテリを充電するために、車載ケーブルを取り出す必要がないので、実用上有利である。
【0034】
図2に示すように、電器筺体10は、固定部材21を介して、ブロック塀1を構成するブロック1aに固定されている。ここで、固定部材21は、ブロック1aに設けられた空洞部に挿入される突起部21aを有している。尚、突起部21aの数は、3つに限られないが、ブロック1aに設けられた空洞部の数に対応させることが望ましいい。
【0035】
尚、固定部材21に代えて、
図3に示すような、突起部を有しない固定部材22を用いてもよい。該固定部材22は、ブロック1aに設けられた空洞部がコンクリートによって塞がれている場合に有用である。
【0036】
次に、電器筺体10の設置方法について、
図4を参照して説明する。
図4は、第1実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。電器筺体10の設置は、典型的には、ブロック塀1の施工時に行われる。
【0037】
図4において、先ず、ブロック1aに設けられた空洞部内に、電器筺体10に接続される配線(例えば、電源配線等)を通すための埋設管30が設置される。次に、突起部21aがブロック1aに設けられた空洞部内に挿入されるように固定部材21が設置される。その後、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれ固められる。
【0038】
流し込まれたコンクリートが硬化した後に、固定部材21間に電器筺体10がはめ込まれ、該電器筺体10の内側から、例えばネジやボルト等によって、各固定部材21に電器筺体10が固定される。
【0039】
或いは、埋設管30が設置された後に、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれた場合は、流し込まれたコンクリートが硬化した後に、平板上の固定部材22(
図3参照)をアンカーボルトによりブロック塀1に固定する。次に、固定部材22間に電器筺体10がはめ込まれ、該電器筺体10が各固定部材22に固定される。
【0040】
本実施例では、ブロック1aの外形寸法は、JIS規格で定められた390mm×190mm×100mmである。そして、電器筺体10の塀面に沿う面10a(
図2参照)の大きさは、390mm×190mmである。このため、ブロック塀1に電器筺体10をはめ込むための空間を形成する際に、例えばブロック1aを切断する等の加工を必要としない。
【0041】
尚、ブロック1aに設けられた空洞部の開口に対向するように配置される固定部材21の面の厚さ、及び固定部材22の厚さは、典型的には、ブロック塀1の目地の幅程度である。
【0042】
電器筺体10を上述の如く設置することによって、ブロック塀1の表面に、例えば固定のためのネジやボルト、ネジカバー等が露出することなく、電器筺体10を設置することができる。また、電器筺体10をブロック塀1にはめ込み、コンクリートで固定する場合に比べて容易に電器筺体10を取り外すことができるので、電器筺体10のメンテナンス、交換等を容易に行うことができる。
【0043】
図1に示すようにブロック塀1の一部に電器筺体10がはめ込まれているので、駐車スペースを減少させることなく電器筺体10の設置ができ、実用上非常に有利である。また、ブロック塀1を構成するブロック1aにより、ある程度の重量のある電器筺体10を強固に支持することができる。
【0044】
加えて、電器筺体10をブロック塀1の塀面に掛ける場合に比べて、例えば人や物等が接触することを抑制することができるので、外部衝撃に起因する電器筺体10の破損等を抑制することができる。
図4に示すように埋設管30を用いてブロック塀1内に配線を引き回すので、例えば悪意のある第3者による配線の切断等を防止することができる。
【0045】
固定部材21(
図2参照)及び固定部材22(
図3参照)を用意することにより、ブロック1aに設けられた空洞部にコンクリートが流し込まれる前であっても、コンクリートが流し込まれた後であっても、電器筺体10を適切に設置することができる。また、電器筺体10を設置するためだけに土台工事等を行う必要がないので、実用上非常に有利である。
【0046】
尚、本実施例では、電器筺体10の面10aの大きさを390mm×190mmとしたが、例えば“390mm×380mm”、“390mm×570mm”、“780mm×190mm”等、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍(nは2以上の整数)であってもよい。
【0047】
固定部材21及び固定部材22の二種類を用意することに代えて、
図5に示すような突起部が着脱可能に構成された固定部材23を用いてもよい。
図5は、第1実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
【0048】
図5に示すように、固定部材23は、複数の開口を有するメインプレート23aと、該開口に着脱可能な平板上のプレート23b及び23dと、該開口に着脱可能な突起部23c及び23eと、を備えて構成されている。尚、プレート23d及び突起部23eには、埋設管30(
図4参照)を接続するための孔が設けられている。
【0049】
本実施例に係る「ブロック1aの塀面に沿う面」及び「ブロック1aの、空洞部の開口が形成された面」は、夫々、本発明に係る「第1面」及び「第2面」の一例である。
【0050】
<第2実施例>
本発明の充電器に係る第2実施例について、
図6乃至
図10を参照して説明する。第2実施例では、固定部材の形状が異なる以外は第1実施例と同様であるので、重複する説明を省略すると共に、図面上における同一部材については同一の符号を付して示し、基本的に第1実施例と異なる点についてのみ
図6乃至
図10を参照して説明する。
【0051】
先ず、本実施例に係る充電器の概要について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6は、
図1と同趣旨の、第2実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。
図7は、
図2と同趣旨の、第2実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
【0052】
図6(a)において、本実施例に係る充電器200は、ブロック塀1の一部にはめ込まれた電器筺体10と、該電器筺体10の直下に配置された固定部材24とを備えて構成されている。固定部材24は、ブロック塀1の塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材として構成されている。
【0053】
本実施例では、充電器200として有線方式の充電器を想定しており、固定部材24には、例えば車両の給電部に接続される充電器200の充電用接続部(図示せず)等が格納される。
【0054】
本実施例では特に、電器筺体10の塀面に沿う面の大きさと、固定部材24の塀面に沿う大きさとを合わせた大きさが、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさと同一、又はブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍となるように構成されている。
【0055】
電器筺体10の大きさと固定部材24の大きさとの関係は、
図6(a)に示した、互いに同程度の大きさに限らず、
図6(b)に示すように、電器筺体10及び固定部材24の一方が顕著に大きくてもよい。
【0056】
尚、
図6(b)に示す充電器201は、電器筺体10b及び固定部材24aを備えて構成されている。この場合においても、電器筺体10bの塀面に沿う面の大きさと、固定部材24aの塀面に沿う大きさとを合わせた大きさが、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさと同一、又はブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍となるように構成されている。
【0057】
図7に示すように、電器筺体10は、固定部材21又は固定部材24を介して、ブロック塀1を構成するブロック1aに固定されている。固定部材24は、固定部材21と同様に、ブロック1aに設けられた空洞部に挿入される突起部を有している。
【0058】
尚、ブロック1aに設けられた空洞部がコンクリートによって塞がれている場合には、固定部材24に代えて、突起部を有しない固定部材25(
図8参照)を用いて電器筺体10を固定すればよい。
【0059】
固定部材24及び固定部材25には、例えば充電ケーブル(図示せず)を保持する保持部材及び化粧カバー等の付属品が取り付けられてよい。
【0060】
次に、電器筺体10の設置方法について、
図9を参照して説明する。
図9は、
図4と同趣旨の、第2実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。
【0061】
図9において、ブロック1aに設けられた空洞部内に埋設管(図示せず)が設置された後、固定部材21の突起部21a及び固定部材24の突起部各々が、ブロック1aに設けられた空洞部内に挿入され、該空洞部内にコンクリートが流し込まれることにより、固定部材21及び固定部材24が固定される。その後、電器筺体20の内側から、例えばネジやボルト等によって、固定部材21及び固定部材24各々に電器筺体10が固定される。
【0062】
或いは、埋設管30が設置された後に、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれた場合は、流し込まれたコンクリートが硬化した後に、固定部材22(
図3参照)及び固定部材25(
図8参照)をアンカーボルトによりブロック塀1に固定する。次に、電器筺体10が固定部材22及び固定部材25各々に固定される。
【0063】
固定部材24又は固定部材25に代えて、
図10に示すような突起部が着脱可能に構成された固定部材26を用いてもよい。
図10は、
図5と同趣旨の、第2実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
【0064】
図10に示すように、固定部材26は、複数の開口を有するボックスフレーム26aと、該開口に着脱可能な平板上のプレート26b及び26dと、該開口に着脱可能な突起部26c及び26eと、を備えて構成されている。尚、プレート26d及び突起部26eには、埋設管を接続するための孔が設けられている。
【0065】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う充電器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。