特許第6013880号(P6013880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013880
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   H02J7/00 301A
   H02J7/00 P
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-241630(P2012-241630)
(22)【出願日】2012年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-93812(P2014-93812A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢二
(72)【発明者】
【氏名】根上 卓也
【審査官】 田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−246348(JP,A)
【文献】 特開2011−000422(JP,A)
【文献】 特開2001−218669(JP,A)
【文献】 特開平11−009426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定サイズの建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込まれた部材を備え、車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器であって、
前記塀の一部にはめ込み可能な部材としての筺体と、
前記筺体を前記建材に固定するための固定部材と、
を備え、
前記塀の塀面に沿う前記筺体の面の大きさは、前記塀面に沿う前記建材の第1面の大きさと同一、又は前記第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)であり、
前記固定部材は、前記建材としての建築用空洞コンクリートブロックに設けられた空洞部に挿入される突起部を有する
ことを特徴とする充電器。
【請求項2】
前記固定部材は、前記塀面に交わる方向に沿う前記建材の第2面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の充電器。
【請求項3】
前記突起部は着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載の充電器。
【請求項4】
前記固定部材は、前記塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の充電器。
【請求項5】
一定サイズの建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込まれた部材を備え、車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器であって、
前記塀の一部にはめ込み可能な部材としての筺体と、
前記筺体の直上又は直下に配置され、前記筺体を前記建材に固定するための固定部材と、
を備え、
前記固定部材は、前記塀の塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材であり、
前記塀面に沿う前記筺体の面の大きさと、前記塀面に沿う前記固定部材の面の大きさとを合わせた大きさは、前記塀面に沿う前記建材の第1面の大きさと同一、又は前記第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)である
ことを特徴とする充電器。
【請求項6】
建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込み可能な筺体を備え、車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器であって、
前記筺体を前記建材に固定するための固定部材を備え、
前記固定部材は、前記建材としての建築用空洞コンクリートブロックに設けられた空洞部に挿入される突起部を有する
ことを特徴とする充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電気自動車、プラグインハイブリッド車等の車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の充電器として、例えば、電気自動車に設けられた給電部に接続される充電用接続部と、該充電用接続部を末端に有する充電用ケーブルと、非使用時に充電用接続部を保持する保持部とを備える充電スタンドが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−259277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の背景技術で挙げたような、スタンド型やポール型の充電器では、例えば該充電器を設置するための土台工事等が必要であり、充電器の設置に比較的手間がかかる可能性があるという技術的問題点がある。また、駐車スペースが減少する可能性があるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、駐車スペースを削ることなく、比較的容易に設置することができる充電器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の充電器は、上記課題を解決するために、一定サイズの建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込まれた部材を備え、車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器であって、前記塀の一部にはめ込み可能な部材としての筺体と、前記筺体を前記建材に固定するための固定部材と、を備え、前記塀の塀面に沿う前記筺体の面の大きさは、前記塀面に沿う前記建材の第1面の大きさと同一、又は前記第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)であり、前記固定部材は、前記建材としての建築用空洞コンクリートブロックに設けられた空洞部に挿入される突起部を有する。
【0007】
請求項に記載の充電器は、上記課題を解決するために、一定サイズの建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込まれた部材を備え、車両に搭載されたバッテリを充電可能な充電器であって、前記塀の一部にはめ込み可能な部材としての筺体と、前記筺体の直上又は直下に配置され、前記筺体を前記建材に固定するための固定部材と、を備え、前記固定部材は、前記塀の塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材であり、前記塀面に沿う前記筺体の面の大きさと、前記塀面に沿う前記固定部材の面の大きさとを合わせた大きさは、前記塀面に沿う前記建材の第1面の大きさと同一、又は前記第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)である。
【0008】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。
図2】第1実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
図3】第1実施例に係る固定部材の一変形例を示す概略構成図である。
図4】第1実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。
図5】第1実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
図6】第2実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。
図7】第2実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
図8】第2実施例に係る固定部材の一変形例を示す概略構成図である。
図9】第2実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。
図10】第2実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の充電器に係る実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る充電器は、例えば建築用空洞コンクリートブロックや煉瓦等の一定サイズの建材が複数個積み上げられて構成される塀の一部にはめ込まれた部材を備え、例えば電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載されたバッテリを充電可能に構成されている。
【0012】
充電器は、塀の一部にはめ込まれた部材としての筺体を備えて構成されている。尚、筺体には、例えば充電のオン・オフ等を制御するための制御回路、ユーザに動作状態等を報知するためのLED等が搭載されている。
【0013】
ここで特に、塀の塀面に沿う筺体の面の大きさは、該塀面に沿う建材の第1面の大きさと同一、又は該第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)となるように構成されている。本発明における「同一」は、「完全一致」の場合に限定されず、例えば許容可能な範囲内のばらつきを伴う等、実践上同一とみなせる場合を含んでよい。尚、「n倍」についても同様に、実践上n倍とみなせればよい。
【0014】
本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、スタンド型やポール型の充電器では、設置の際に、例えば土台工事等が必要になる。加えて、充電器を設置することで駐車スペースが減少する可能性もある。また、充電器が、例えば建物の壁面等に取り付けられる場合であっても、該充電器の厚み等により駐車スペースが減少する可能性がある。
【0015】
しかるに本実施形態では、上述の如く、充電器の筺体が、塀の一部にはめ込まれている。即ち、塀の一部を充電器の支持部材として用いている。このため、塀を施工する際に基礎工事が行われるので、充電器を設置する際に基礎工事を改めて行う必要がない。
【0016】
特に、塀の塀面に沿う筺体の面の大きさが、該塀面に沿う建材の第1面の大きさと同一、又は該第1面の大きさのn倍であるので、建材を一又は複数個積み上げる代わりに、実施形態に係る充電器の筺体を設置すればよい。つまり、該筺体を設置する際に、建材を切断する等の加工を行う必要がない。
【0017】
更に、塀面と、該塀面に沿う充電器の筺体の面とが平らになるように、該筺体を設置すれば、該筺体の設置に起因して駐車スペースが減少することはない。従って、本実施形態に係る充電器によれば、駐車スペースを削ることなく、比較的容易に設置することができる。
【0018】
本実施形態に係る充電器の一態様では、前記筺体を前記建材に固定するための固定部材を更に備え、前記固定部材は、前記塀面に交わる方向に沿う前記建材の第2面に固定されている。
【0019】
この態様によれば、充電器の筺体を、比較的容易にして塀に固定することができ、実用上非常に有利である。尚、固定部材は、例えばアンカーボルト等により、建材の第2面に固定すればよい。
【0020】
本実施形態に係る充電器の他の態様では、前記筺体を前記建材に固定するための固定部材を更に備え、前記固定部材は、前記建材としての建築用空洞コンクリートブロックに設けられた空洞部に挿入された突起部を有する。
【0021】
この態様によれば、充電器の筺体を、比較的容易にしてブロック塀に固定することができ、実用上非常に有利である。
【0022】
この態様では、前記突起部は着脱可能に構成されていてよい。
【0023】
このように構成すれば、塀の施工時に、建築用空洞コンクリートブロックに設けられた空洞部にコンクリートが流し込まれる前であっても、流し込まれた後であっても、同じ固定部材を使用することができ、実用上非常に有利である。
【0024】
本実施形態に係る充電器の他の態様では、前記固定部材は、前記塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材である。
【0025】
この態様によれば、箱状部材の固定部材内に、例えば充電ケーブル等を収納することができ、実用上非常に有利である。
【0026】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る充電器は、塀の一部にはめ込まれた部材としての筺体と、該筺体の直上又は直下に配置された固定部材と、を備えて構成されている。固定部材は、塀の塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材である。
【0027】
ここで特に、塀面に沿う筺体の面の大きさと、塀面に沿う固定部材の面の大きさとを合わせた大きさは、塀面に沿う建材の第1面の大きさと同一、又は該第1面の大きさのn倍(nは2以上の整数)となるように構成されている。
【0028】
従って、上述した第1実施形態に係る充電器と同様に、駐車スペースを削ることなく、比較的容易に設置することができる。
【実施例】
【0029】
本発明の充電器に係る実施例について、図面に基づいて説明する。
【0030】
<第1実施例>
本発明の充電器に係る第1実施例について、図1乃至図5を参照して説明する。
【0031】
先ず、本実施例に係る充電器の概要について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、第1実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。図2は、第1実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
【0032】
図1において、本実施例に係る充電器100は、複数個の建築用空洞コンクリートブロック1a(以降、適宜“ブロック1a”と称する)が積み上げられて構成されるブロック塀1の一部にはめ込まれた電器筺体10を備えて構成されている。
【0033】
充電器100は、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車等の車両に搭載されたバッテリを充電可能に構成されている。尚、充電器100は、有線方式の充電器であってもよいし、非接触(無線)方式の充電器であってもよい。充電器100が有線方式の充電器である場合には、例えば電気自動車に搭載されたバッテリを充電するために、車載ケーブルを取り出す必要がないので、実用上有利である。
【0034】
図2に示すように、電器筺体10は、固定部材21を介して、ブロック塀1を構成するブロック1aに固定されている。ここで、固定部材21は、ブロック1aに設けられた空洞部に挿入される突起部21aを有している。尚、突起部21aの数は、3つに限られないが、ブロック1aに設けられた空洞部の数に対応させることが望ましいい。
【0035】
尚、固定部材21に代えて、図3に示すような、突起部を有しない固定部材22を用いてもよい。該固定部材22は、ブロック1aに設けられた空洞部がコンクリートによって塞がれている場合に有用である。
【0036】
次に、電器筺体10の設置方法について、図4を参照して説明する。図4は、第1実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。電器筺体10の設置は、典型的には、ブロック塀1の施工時に行われる。
【0037】
図4において、先ず、ブロック1aに設けられた空洞部内に、電器筺体10に接続される配線(例えば、電源配線等)を通すための埋設管30が設置される。次に、突起部21aがブロック1aに設けられた空洞部内に挿入されるように固定部材21が設置される。その後、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれ固められる。
【0038】
流し込まれたコンクリートが硬化した後に、固定部材21間に電器筺体10がはめ込まれ、該電器筺体10の内側から、例えばネジやボルト等によって、各固定部材21に電器筺体10が固定される。
【0039】
或いは、埋設管30が設置された後に、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれた場合は、流し込まれたコンクリートが硬化した後に、平板上の固定部材22(図3参照)をアンカーボルトによりブロック塀1に固定する。次に、固定部材22間に電器筺体10がはめ込まれ、該電器筺体10が各固定部材22に固定される。
【0040】
本実施例では、ブロック1aの外形寸法は、JIS規格で定められた390mm×190mm×100mmである。そして、電器筺体10の塀面に沿う面10a(図2参照)の大きさは、390mm×190mmである。このため、ブロック塀1に電器筺体10をはめ込むための空間を形成する際に、例えばブロック1aを切断する等の加工を必要としない。
【0041】
尚、ブロック1aに設けられた空洞部の開口に対向するように配置される固定部材21の面の厚さ、及び固定部材22の厚さは、典型的には、ブロック塀1の目地の幅程度である。
【0042】
電器筺体10を上述の如く設置することによって、ブロック塀1の表面に、例えば固定のためのネジやボルト、ネジカバー等が露出することなく、電器筺体10を設置することができる。また、電器筺体10をブロック塀1にはめ込み、コンクリートで固定する場合に比べて容易に電器筺体10を取り外すことができるので、電器筺体10のメンテナンス、交換等を容易に行うことができる。
【0043】
図1に示すようにブロック塀1の一部に電器筺体10がはめ込まれているので、駐車スペースを減少させることなく電器筺体10の設置ができ、実用上非常に有利である。また、ブロック塀1を構成するブロック1aにより、ある程度の重量のある電器筺体10を強固に支持することができる。
【0044】
加えて、電器筺体10をブロック塀1の塀面に掛ける場合に比べて、例えば人や物等が接触することを抑制することができるので、外部衝撃に起因する電器筺体10の破損等を抑制することができる。図4に示すように埋設管30を用いてブロック塀1内に配線を引き回すので、例えば悪意のある第3者による配線の切断等を防止することができる。
【0045】
固定部材21(図2参照)及び固定部材22(図3参照)を用意することにより、ブロック1aに設けられた空洞部にコンクリートが流し込まれる前であっても、コンクリートが流し込まれた後であっても、電器筺体10を適切に設置することができる。また、電器筺体10を設置するためだけに土台工事等を行う必要がないので、実用上非常に有利である。
【0046】
尚、本実施例では、電器筺体10の面10aの大きさを390mm×190mmとしたが、例えば“390mm×380mm”、“390mm×570mm”、“780mm×190mm”等、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍(nは2以上の整数)であってもよい。
【0047】
固定部材21及び固定部材22の二種類を用意することに代えて、図5に示すような突起部が着脱可能に構成された固定部材23を用いてもよい。図5は、第1実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
【0048】
図5に示すように、固定部材23は、複数の開口を有するメインプレート23aと、該開口に着脱可能な平板上のプレート23b及び23dと、該開口に着脱可能な突起部23c及び23eと、を備えて構成されている。尚、プレート23d及び突起部23eには、埋設管30(図4参照)を接続するための孔が設けられている。
【0049】
本実施例に係る「ブロック1aの塀面に沿う面」及び「ブロック1aの、空洞部の開口が形成された面」は、夫々、本発明に係る「第1面」及び「第2面」の一例である。
【0050】
<第2実施例>
本発明の充電器に係る第2実施例について、図6乃至図10を参照して説明する。第2実施例では、固定部材の形状が異なる以外は第1実施例と同様であるので、重複する説明を省略すると共に、図面上における同一部材については同一の符号を付して示し、基本的に第1実施例と異なる点についてのみ図6乃至図10を参照して説明する。
【0051】
先ず、本実施例に係る充電器の概要について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、図1と同趣旨の、第2実施例に係る充電器の概要を示す概略構成図である。図7は、図2と同趣旨の、第2実施例に係る電器筺体及び固定部材の概要を示す概略構成図である。
【0052】
図6(a)において、本実施例に係る充電器200は、ブロック塀1の一部にはめ込まれた電器筺体10と、該電器筺体10の直下に配置された固定部材24とを備えて構成されている。固定部材24は、ブロック塀1の塀面に沿う面に開口部を有する箱状部材として構成されている。
【0053】
本実施例では、充電器200として有線方式の充電器を想定しており、固定部材24には、例えば車両の給電部に接続される充電器200の充電用接続部(図示せず)等が格納される。
【0054】
本実施例では特に、電器筺体10の塀面に沿う面の大きさと、固定部材24の塀面に沿う大きさとを合わせた大きさが、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさと同一、又はブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍となるように構成されている。
【0055】
電器筺体10の大きさと固定部材24の大きさとの関係は、図6(a)に示した、互いに同程度の大きさに限らず、図6(b)に示すように、電器筺体10及び固定部材24の一方が顕著に大きくてもよい。
【0056】
尚、図6(b)に示す充電器201は、電器筺体10b及び固定部材24aを備えて構成されている。この場合においても、電器筺体10bの塀面に沿う面の大きさと、固定部材24aの塀面に沿う大きさとを合わせた大きさが、ブロック1aの塀面に沿う面の大きさと同一、又はブロック1aの塀面に沿う面の大きさのn倍となるように構成されている。
【0057】
図7に示すように、電器筺体10は、固定部材21又は固定部材24を介して、ブロック塀1を構成するブロック1aに固定されている。固定部材24は、固定部材21と同様に、ブロック1aに設けられた空洞部に挿入される突起部を有している。
【0058】
尚、ブロック1aに設けられた空洞部がコンクリートによって塞がれている場合には、固定部材24に代えて、突起部を有しない固定部材25(図8参照)を用いて電器筺体10を固定すればよい。
【0059】
固定部材24及び固定部材25には、例えば充電ケーブル(図示せず)を保持する保持部材及び化粧カバー等の付属品が取り付けられてよい。
【0060】
次に、電器筺体10の設置方法について、図9を参照して説明する。図9は、図4と同趣旨の、第2実施例に係る電器筺体の設置方法を示す概念図である。
【0061】
図9において、ブロック1aに設けられた空洞部内に埋設管(図示せず)が設置された後、固定部材21の突起部21a及び固定部材24の突起部各々が、ブロック1aに設けられた空洞部内に挿入され、該空洞部内にコンクリートが流し込まれることにより、固定部材21及び固定部材24が固定される。その後、電器筺体20の内側から、例えばネジやボルト等によって、固定部材21及び固定部材24各々に電器筺体10が固定される。
【0062】
或いは、埋設管30が設置された後に、ブロック1aに設けられた空洞部内にコンクリートが流し込まれた場合は、流し込まれたコンクリートが硬化した後に、固定部材22(図3参照)及び固定部材25(図8参照)をアンカーボルトによりブロック塀1に固定する。次に、電器筺体10が固定部材22及び固定部材25各々に固定される。
【0063】
固定部材24又は固定部材25に代えて、図10に示すような突起部が着脱可能に構成された固定部材26を用いてもよい。図10は、図5と同趣旨の、第2実施例に係る固定部材の他の変形例を示す概略構成図である。
【0064】
図10に示すように、固定部材26は、複数の開口を有するボックスフレーム26aと、該開口に着脱可能な平板上のプレート26b及び26dと、該開口に着脱可能な突起部26c及び26eと、を備えて構成されている。尚、プレート26d及び突起部26eには、埋設管を接続するための孔が設けられている。
【0065】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う充電器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1…ブロック塀、1a…建築用空洞コンクリートブロック、10、10b…電器筺体、21、22、23、24、25、26…固定部材、30…埋設管、100、200、201…充電器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10