特許第6013984号(P6013984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6013984無線中継装置、無線通信システムおよび無線中継方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6013984
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】無線中継装置、無線通信システムおよび無線中継方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20161011BHJP
   H04W 84/00 20090101ALI20161011BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20161011BHJP
【FI】
   H04W36/08
   H04W84/00 110
   H04W4/04 130
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-132207(P2013-132207)
(22)【出願日】2013年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-30186(P2014-30186A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年12月15日
(31)【優先権主張番号】特願2012-142403(P2012-142403)
(32)【優先日】2012年6月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上谷 幸司
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−87912(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0218886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接した移動体に配設され、複数の基地局および無線端末と通信を行う無線中継装置であって、
該無線中継装置は、無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせるとともに、前記周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせる制御をする制御部を備えることを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
基地局のエリア変化の検知をするエリア検知部を、更に備え、前記制御部は、該エリア検知部の検知に応じて、自装置配下の無線端末の強制ハンドオーバの起動タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項3】
前記エリア変化の検知は、自装置が取得した基地局検出情報、運行ダイヤグラム、GPS装置からの出力情報を用いることを特徴とする請求項2に記載の無線中継装置。
【請求項4】
前記移動体は、列車の車両または連接バスの車両等であることを特徴とする請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項5】
隣接した移動体に配設された無線中継装置と、該無線中継装置と通信を行う基地局および無線端末とを含む無線通信システムであって、
前記無線中継装置は、
前記無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末
を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせとともに、前記周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせる制御をする制御部を備え、
前記無線端末は、
前記無線中継装置による前記制御に応じて前記強制ハンドオーバの動作を行うことを特
徴とする無線通信システム。
【請求項6】
隣接した移動体に配設され、複数の基地局および無線端末と通信を行う無線中継装置の無線中継方法であって、
該無線中継装置は、
無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせるステップと、
前記周波数を切り替える動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせるステップと、
を含むことを特徴とする無線中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載される無線中継装置、無線通信システムおよびその無線中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局からの信号が届きにくい移動体(例えば、列車の車両等)には、基地局と無線端末との間の通信を中継する移動車両用WiMAX中継装置が用いられることがある。なお、WiMAX(登録商標)は、Worldwide Interportability for Microwave Accessの略称である。
【0003】
例えば、現在の列車の車両に搭載される移動車両用WiMAX中継装置では、各車両に設置されている中継装置間での干渉を避けるために、中継装置で使用する周波数を分けている。
例えば、1号車の通信周波数をf1、2号車の通信周波数をf2、3号車の通信周波数をf3、4号車の通信周波数をf1、5号車の通信周波数をf2、6号車の通信周波数をf3とする。この場合、中継装置は、中継装置間での干渉を避けることは可能だが、基地局もf1、f2、f3のいずれかの周波数を使用するため、基地局との干渉を避けることはできない。
【0004】
基地局との干渉を回避するために、周波数自動選択機能を備えた一体型WiMAX中継装置がある。この周波数自動選択機能は、ユーザ端末と通信を行うサービスノードの周波数に、基地局と通信を行うドナーノードの周波数と異なる周波数を選択する。また、再接続やハンドオーバによりドナーノードの周波数が切り替わる際には、ドナーノードの変更後の周波数と重ならないように、サービスノードの周波数も切り替える。
【0005】
図7は、周波数自動選択機能を有する中継装置の動作を説明するフローチャートである。中継装置は、ハンドオーバ等によりドナーノードの周波数が切り替わった際に、ドナーノードの周波数を取得し(S201)ドナーノードの周辺電波計測結果(周波数,RSSI,CINR)を取得する(S202)。中継装置は、サービスノードが対応している周波数を、候補周波数とする(S203)。中継装置は、候補周波数が2以上か否かを確認し(S204)、候補周波数が2以上の場合(Yesの場合)は、候補周波数からドナーノードの周波数を除く(S205)。
【0006】
中継装置は、さらに候補周波数が2以上か否かを確認し(S206)、候補周波数が2以上の場合(Yesの場合)は、候補周波数のうち、ドナーノードの周辺電波の最も弱い周波数を、サービスノードの周波数として決定する(S207)。そして、中継装置は、サービスノードを通常運用状態とし、ユーザ端末と通信を行う(S208)。
【0007】
中継装置は、ステップ204、206において、候補周波数が1つの場合(Noの場合)は、その候補周波数をサービスノードの周波数として決定し(S209)、サービスノードを通常運用状態として、ユーザ端末と通信を行う(S208)。
【0008】
なお、特許文献1には、通信周波数を変更することなく、第1送受信部および第2送受信部が互いに干渉の影響を受けることを回避する無線中継装置および無線中継方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−56711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、移動体(列車の車両毎、連接バスの車両毎等)に周波数自動選択機能を有する中継装置を搭載するようにした場合、ドナーノードが接続する基地局が変わるたびに、ドナーノードの周波数がランダムに変化する。この変化に応じて、サービスノードの周波数が変わるため、サービスノードと通信しているユーザ端末(無線端末)へのサービスが中断する場合や、ユーザ端末と基地局とが相互干渉し、スループットが低下のおそれがあった。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、サービスノードと無線端末(ユーザ端末)のサービス中断を抑制することが可能となる無線中継装置および無線中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は、隣接した移動体に配設され、複数の基地局および無線端末と通信を行う無線中継装置であって、該無線中継装置は、無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせるとともに、前記周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせる制御をする制御部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明は、基地局のエリア変化の検知をするエリア検知部を、更に備え、前記制御部は、該エリア検知部の検知に応じて、自装置配下の無線端末の強制ハンドオーバの起動タイミングを制御することが好ましい。
【0014】
前記エリア変化の検知は、自装置が取得した基地局検出情報、運行ダイヤグラム、GPS装置からの出力情報を用いることが好ましい。
【0015】
前記移動体は、列車の車両または連接バスの車両等であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、隣接した移動体に配設された無線中継装置と、該無線中継装置と通信を行う基地局および無線端末とを含む無線通信システムであって、前記無線中継装置は、前記無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせとともに、前記周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせる制御をする制御部を備え、前記無線端末は、前記無線中継装置による前記制御に応じて前記強制ハンドオーバの動作を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、隣接した移動体に配設され、複数の基地局および無線端末と通信を行う無線中継装置の無線中継方法であって、該無線中継装置は、無線端末と通信を行うサービスノードの周波数を切り替える際に、配下の無線端末を、他の無線中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせるステップと、前記周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、前記無線端末を自装置のサービスノードへ再度強制ハンドオーバさせるステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、無線中継装置のサービスノードと無線端末(ユーザ端末)のサービス中断を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る無線中継装置の概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係る無線中継装置の動作を説明するフローチャートである。
図3】本発明に係る無線中継装置を搭載した移動体の進行中に基地局エリアが変わったときのサービスノードの周波数の変遷を示す図である。
図4】移動体(列車または連接バス等)がエリア4A内にあるときの移動体の詳細図である。
図5】移動体(列車または連接バス等)がエリア4Aとエリア4Bの境界に達したときの移動体の詳細図である。
図6】移動体(列車または連接バス等)がエリア4B内にあるときの移動体の詳細図である。
図7】周波数自動選択機能を有する中継装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線中継装置の概略構成図である。無線中継装置(以下、中継装置という)1は、サービスノード11と、ドナーノード12と、記憶部13と、エリア検知部14と、制御部15を備え、移動体(列車の車両毎または連接バスの車両毎等)に搭載されて、ユーザ端末2(無線端末)と基地局3との無線通信を中継する。
【0021】
サービスノード11は、ユーザ端末2と無線通信を行い、ドナーノード12は、基地局3と無線通信を行う。基地局3は、通信ネットワーク(例えば、インターネット等)に接続されているサービスノード11とドナーノード12は、複数の周波数帯を使用することができる。ドナーノード12の周波数は、基地局3と通信を行う周波数であり、基地局3との接続確立時や、通信を行う基地局3の変更時(ハンドオーバなど)に、ドナーノード12の周波数が決定される。サービスノード11の周波数は、ドナーノードの周波数切換時に、制御部15により自動的に選択され、決定される。
【0022】
エリア検知部14は、基地局のエリア変化の検知をする。制御部15は、エリア検知部14の検知に応じて、自装置配下のユーザ端末の強制ハンドオーバの起動タイミングを制御する。エリア検知部14は、エリア変化を検知するのに、自装置が取得した基地局検出情報、列車または連接バスの運行ダイヤグラム、GPS装置からの出力情報を用いる。
【0023】
基地局検出情報は、例えば、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、搬送波レベル対干渉雑音比(CINR:Carrier to Interference and Noise Power Ratio)、基地局識別情報(BSID:Base Station Ientification)などである。なお、エリア検知部14は、エリア変化を検知するのに、自装置が取得した基地局検出情報、列車または連接バスの運行ダイヤグラム、GPS装置からの出力情報のいずれか1つ以上を用いるようにしても良い。
【0024】
記憶部13は、基地局の各エリアとサービスノード11の設定周波数とを対応付けた設定周波数テーブルを格納する。制御部15は、隣り合う車両のサービスノードの周波数が、同時に変更しないように設定周波数テーブルを設定する。また、この設定周波数テーブルはネットワーク経由で更新することを可能とする。
【0025】
制御部15は、サービスノードの周波数を切り替える際に、自装置配下のユーザ端末2を、他の中継装置のサービスノードに強制ハンドオーバさせるとともに、周波数の切り替え動作が完了したと判定したとき、ユーザ端末2を自装置のサービスノード11へ再強制ハンドオーバさせる制御をする。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態に係る無線中継装置の動作を説明するフローチャートである。
【0027】
制御部15は、移動体が移動して、エリア検知部14がエリア変化を検知すると(S101)、記憶部13に格納されている設定周波数テーブルから、移動先のエリアに対応するサービスノードの周波数を選択する(S102)。
【0028】
次に、制御部15は、設定周波数テーブルから選択したサービスノードの周波数が現在のサービスノード11の周波数と一致するか否か、すなわち、周波数の変更が必要か否かを判定する(S103)。
【0029】
制御部15は、周波数が一致しない場合、すなわち周波数を変更する必要がある場合(Yesの場合)は、サービスノード11に接続しているユーザ端末2を隣の車両の中継装置へ強制ハンドオーバさせる(S104)。制御部15は、サービスノード11の周波数を、設定周波数テーブルから選択した周波数に変更する(S105)。
【0030】
制御部15は、周波数の切り替え動作が完了したと判定したときは、隣の車両へ強制ハンドオーバさせたユーザ端末2を、元のサービスノード11へ再度強制ハンドオーバさせる(S106)。
【0031】
制御部15は、S103おいて、周波数が一致する場合、すなわち周波数を変更する必要がない場合(Noの場合)は、何もせずに処理を終了する。
【0032】
図3は、本発明に係る無線中継装置を搭載した移動体(列車の車両または連接バスの車両等)の進行中に基地局エリアが変わったときのサービスノードの周波数の変遷を示す図である。基地局3Aのエリア4A内では、中継装置のドナーノードが基地局3Aと通信を行う周波数はf1であり、基地局3Bのエリア4B内では、中継装置のドナーノードが基地局3Bと通信を行う周波数はf2であるとする。また、記憶部の設定周波数テーブルには、エリア4Bに対応してサービスノードの設定周波数f1、f3が格納されているとする。
【0033】
移動体(列車の車両または連接バスの車両等)が基地局3Aのエリア4A内にあるときは、図4の移動体(列車の車両または連接バスの車両等)の詳細図に示すように、1号車のサービスノードの通信周波数はf3であり、2号車のサービスノードの通信周波数はf2であり、3号車のサービスノードの通信周波数はf3である。このように、基地局3Aと通信を行う周波数とサービスノードの周波数が異なっているので、中継装置は、ユーザ端末と基地局との干渉を避けることができる。
【0034】
移動体が移動して、移動体の車両が基地局3Aのエリア4Aと基地局3Bのエリア4Bの境界に達すると、各車両の中継装置は、設定周波数テーブルから、エリア4Bに対応するサービスノードの周波数f1、f3を取得する。1号車の中継装置は、現在のサービスノードの周波数がf3であり、設定周波数テーブルから取得したサービスノードの周波数f3と一致するので、周波数変更は行わない。2号車の中継装置は、現在のサービスノードの周波数がf2であり、設定周波数テーブルから取得したサービスノードの周波数f1、f3のいずれとも一致しないので、周波数変更が必要であると判定する。そして、図5の移動体(列車の車両または連接バスの車両等)の詳細図に示すように、2号車の中継装置は、サービスノードの周波数を変更する前に、配下のユーザ端末を隣の車両の中継装置へ強制ハンドオーバさせる。
【0035】
2号車の中継装置は、隣の車両のサービスノードの周波数f3と干渉しないように、設定周波数テーブルからサービスノードの周波数f1を選択して周波数変更を行う。2号車の中継装置は、周波数の変更が完了した後、強制ハンドオーバしたユーザ端末を、自装置へ再度強制ハンドオーバさせる。3号車の中継装置は、1号車の中継装置と同様であるので周波数変更は行わない。このように、本発明の中継装置は、サービスノードの周波数を切り替える前に、配下のユーザ端末を隣の車両の中継装置へ強制ハンドオーバさせるので、周波数が切り替わることによるユーザ端末へのサービス中断やスループットの低下を回避することができる。
【0036】
移動体が移動して、移動体の車両が基地局3Bのエリア4B内にあるときは、図6の移動体(列車の車両または連接バスの車両等)の詳細図に示すように、1号車のサービスノードの通信周波数はf3であり、2号車のサービスノードの通信周波数はf1であり、3号車のサービスノードの通信周波数はf3となる。エリア4Bでは、基地局3Bと通信を行う周波数はf2であり、サービスノードの周波数と異なっているので、中継装置は、ユーザ端末と基地局との干渉を避けることができる。
【0037】
次に、本発明の中継装置が、配下のユーザ端末を隣の車両の中継装置へ強制ハンドオーバさせるときの条件および態様を以下に示す。なお、車両A(中継装置A)、車両B(中継装置B)、車両C(中継装置C)が隣り合い、中継装置Bの周波数を変更する場合を想定する。
(1)原則は中継装置Bの全ユーザ端末を中継装置Aまたは中継装置Cに強制ハンドオーバさせる。
(2)中継装置Bのユーザ端末の位置を特定し、中継装置Aに近いユーザ端末は中継装置Aに、中継装置Cに近いユーザ端末は、中継装置Cに強制ハンドオーバさせる。
(3)中継装置Aと中継装置Cで、一方のユーザ端末が多く、もう一方のユーザ端末が少ない場合には、少ない方に中継装置Bのユーザ端末を強制ハンドオーバさせる。
(4)中継装置Aおよび中継装置Cへのユーザ端末の接続数が上限に達している場合は、強制ハンドオーバをしない。
(5)中継装置Bのユーザ端末の接続数が、中継装置Aと中継装置Cの空き人数よりも多い場合(全ユーザを強制ハンドオーバするだけの空きがない場合)、中継装置Bで通信しているユーザ端末を優先して強制ハンドオーバさせる(接続はしているが通信していないユーザ端末は優先しない)。
【0038】
上述したように、本発明は、ドナーノードとサービスノードの周波数が重ならないように、サービスノードの周波数を自動的に切り替えるため、干渉によるユーザ端末へのサービス中断やスループットの低下を回避することができる。
【0039】
また、本発明は、隣り合う車両のサービスノードの周波数が同時に切り替わらないようにし、サービスノードの周波数を切り替える前に、配下のユーザ端末を隣の車両の中継装置へ強制ハンドオーバさせることにより、周波数が切り替わることによるユーザ端末へのサービス中断やスループットの低下を回避することができる。
【0040】
また、従来の中継装置はドナーノードがハンドオーバしてから、つまり異なる基地局のエリアに入ってから、サービスノードの周波数を変更していたが、本発明は、エリア変化を検知し、サービスノードの周波数を変更するタイミングを調整することで、基地局と干渉する時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 無線中継装置(中継装置)
2 ユーザ端末(無線端末)
3、3A、3B 基地局
4A、4B エリア
11 サービスノード
12 ドナーノード
13 記憶部
14 エリア検知部
15 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7