(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.概要>
以下、本発明の一実施形態に係るタブレット端末1について図面を用いて説明する。タブレット端末1は、
図1に示すように、スタイラス101を用いたユーザの手書きによる情報入力を受け付けるタッチパネルを備えた情報入力表示装置である。
タブレット端末1は、ユーザが銀行振り込みを行うためのアプリケーションを実行する機能を有する。
図1の画像100は、アプリケーション実行中に表示領域30に表示される。画像100は、銀行振り込みを行うためのGUI(Graphical User Interface)を表す画像である。
【0011】
手書入力欄120は、手書入力欄120を含まないGUI画像(
図6(a)参照)を表示している状態で、ユーザによるオブジェクト(銀行名102、支店番号103、支店名104、銀行名105、お受取人名106、金額107、お名前108、ご連絡先109、及び通信欄110)への接触が検知された場合に表示される。
タブレット端末1は、タッチパネルにおける手書入力欄120に対応する領域への接触を検出している場合には、他の領域への接触を検出している場合よりも高い頻度で手書入力欄120内の画像に対応する画像データを更新する。この画像データの更新については、表示領域30を構成する各発光部を順に駆動する走査(リフレッシュ)を行うまでは、表示領域30に表示される画像に反映されない。
【0012】
ここで、タブレット端末1は、リフレッシュに関するモード(以下「走査モード」という。)を2つ有しており、これらの走査モードを適切に切り替えてリフレッシュを行うことで、手書入力欄120の画像の更新を表示領域30の表示として可及的速やかに反映させる。これにより、ユーザが、手書入力欄に接触してから更新された画像がディスプレイに表示されるまでに感じうる遅延を低減できる。以下、走査モードについて説明する。
<走査モード>
タブレット端末1は、一般的なリフレッシュを行うモードである第1走査モードと、手書入力欄120を表示する場合に用いる第2走査モードとを有する。タブレット端末1は、表示領域30を垂直方向に第1部分表示領域〜第3部分表示領域(
図3の領域331〜333、
図6の601〜603に相当)の3つに分割し、各部分表示領域を単位としてリフレッシュを行う。ここでタブレット端末1は、手書入力欄120を必ず第3部分表示領域に表示するものとする。
【0013】
図9(a)は、第1走査モードでリフレッシュを行う場合の、各部分表示領域のリフレッシュタイミングを示す図である。
ここで、横軸tは時間軸であり、横軸tに沿って並べられた走査領域を示す数値(1、2、3)は、時間軸上の各時刻においてリフレッシュが行われる部分表示領域を示している。走査領域を表す数値が「1」の場合は、第1部分表示領域をリフレッシュすることを示し、数値が「2」の場合は、第2部分表示領域をリフレッシュすることを示し、数値が「3」の場合は、第3部分表示領域をリフレッシュすることを示している。
【0014】
第1走査モードの場合、時刻0秒〜時刻1/180秒の間に第1部分表示領域をリフレッシュし、時刻1/180秒〜時刻2/180秒の間に第2部分表示領域をリフレッシュし、時刻2/180秒〜3/180秒の間に第3部分表示領域をリフレッシュする。このようなリフレッシュを1/60秒ごとに繰り返す。
図9(b)は、第2走査モードでリフレッシュを行う場合の、各部分表示領域のリフレッシュタイミングを示す図である。横軸t、走査領域については、
図9(a)と同様である。
【0015】
第2走査モードの場合、時刻0秒〜時刻1/180秒の間に第3部分表示領域をリフレッシュする。また、時刻1/180秒〜時刻2/180秒の間、時刻2/180秒〜3/180秒の間においても、第3部分表示領域をリフレッシュする。すなわち、第2走査モードでは、原則、1/180秒毎に第3部分表示領域のリフレッシュを繰り返す。但し、
図9(b)の911、922として示すように、8/60秒に1度、第3部分表示領域に代えて第1部分表示領域をリフレッシュする。また、第2部分表示領域についても第1部分表示領域と同様に、
図9(b)の913として示すように、8/60秒に1度、第3部分表示領域に代えて第2部分表示領域をリフレッシュする。
【0016】
以上のように、第2走査モードにおいて、第3部分表示領域のリフレッシュを他の部分表示領域よりも高い頻度(1/180秒に1度)で実行することで、手書入力欄120の画像の更新が、表示領域30に表示される画像に速やかに反映される。
また、第2走査モードにおいては、第1部分表示領域のリフレッシュと第2部分表示領域のリフレッシュとを連続して行わない。仮に第1部分表示領域のリフレッシュと第2部分表示領域のリフレッシュとを時間的に連続して行うとすれば、第3部分表示領域のリフレッシュを開始するまでに、最悪2/180秒待たなければならない場合が生じる。一方、第2走査モードでは、最悪1/180秒待つことで、第3部分表示領域のリフレッシュを開始することができる。
【0017】
以上のように、第1部分表示領域のリフレッシュと第2部分表示領域のリフレッシュとを連続して行わないことで、手書入力欄120の画像の更新が表示領域30に表示される画像に速やかに反映される確率を、第1部分表示領域のリフレッシュと第2部分表示領域のリフレッシュとを時間的に連続してリフレッシュする場合よりも高くすることができる。
<2.構成>
タブレット端末1は、コンピュータで実現されており、機能構成としては
図2に示すように、通信部201、記憶部202、表示部203、表示制御部204、VRAM205、検出部206、検出制御部207、及びメイン制御部208を含んで構成される。
<2−1.通信部201、記憶部202及びVRAM205>
通信部201は、通信用LSIで実現されており、ネットワークを介してデータの通信を行う機能を有する。通信部201は、銀行が有するサーバと通信し、ユーザにより入力された情報を銀行のサーバに送信する等の処理を行う。
【0018】
記憶部202は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で実現されており、データを記憶する機能を有する。
VRAM205は、表示部203に表示するための画像を表す画像データを一時的に記憶する機能を有する。VRAM205が記憶する画像データは、表示部203における表示領域(
図1の表示領域30)の解像度と同じ、水平画素数1920×垂直画素数1080の24ビットカラーの画像を表すビットマップデータである。各画素は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3個の副画素から成り、各副画素の画素値(以下、「副画素値」という。)はそれぞれが8ビットで表されている。なお、一般的には上述の「副画素」を単に「画素」と称する場合が多い。
<2−2.表示部203>
表示部203は、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイで実現されている。表示部203の表示領域には、上述の副画素に対応する発光部350が、
図3に示すように、水平方向に1920×3個、垂直方向に1080個、マトリクス状に配置されて成る。ここで、
図3の領域331が第1部分表示領域に相当し、領域332が第2部分表示領域に相当し、領域333が第3部分表示領域に相当する。
【0019】
発光部350は、走査線駆動部301からの走査信号、及びデータ線駆動部302からの輝度信号を受けて発光する機能を有する。
発光部350は、
図4に示すように、有機EL素子401、駆動トランジスタ402、選択トランジスタ403、及びコンデンサ404で構成される。
選択トランジスタ403のドレイン電極はデータ線DL(
図3のDL1R〜DL1920B)に接続され、ゲート電極は走査線SL(
図3のSL1〜SL1080)に接続され、ソース電極はコンデンサ404及び駆動トランジスタ402のゲート電極に接続されている。また、駆動トランジスタ402のソース電極は電源線に接続され、ドレイン電極は有機EL素子401のアノードに接続されている。
【0020】
発光部350の制御は、以下のように行う。まず、走査線SLから選択トランジスタ403をオンにする走査信号を入力する。このときに、データ線DLから駆動トランジスタ402のゲート電圧として、制御対象の発光部350に対応する副画素の副画素値に応じた電圧(データ信号)を供給する。以上の制御により、駆動トランジスタ402にドレイン電流が流れ、有機EL素子401が副画素値に応じた輝度で発光する。ここで、コンデンサ404には、駆動トランジスタ402のゲート−ソース間に必要な電圧が保持される。よって、走査線SLから選択トランジスタ403をオフにする信号が入力された後も駆動トランジスタ402のゲート−ソース間に電圧がかかる。したがって、選択トランジスタ403がオフになった後も、駆動トランジスタ402にドレイン電流が流れ、有機EL素子401は発光を維持する。
<2−3.表示制御部204>
表示制御部204は、VRAM205に記憶されている画像データに基づき画像を表示するよう表示部203を制御する機能、及び、メイン制御部208により指定される走査モード(第1走査モード及び第2走査モード)に応じて表示部203の各発光部を順に駆動走査(リフレッシュ)する機能を有する。
【0021】
表示制御部204は、ディスプレイ制御用のLSI(Large Scale Integration)で実現されている。表示制御部204は、機能構成としては、
図3に示すように、走査線駆動部301、データ線駆動部302、タイミング制御部303、及びスイッチング素子(SWS1〜SWS1080、SWD1R〜SWD1920B)を含んで構成される。また、走査線駆動部301は、第1部分表示領域に含まれる発光部を駆動する第1駆動部311、第2部分表示領域に含まれる発光部を駆動する第2駆動部312、及び第3部分表示領域に含まれる発光部を駆動する第3駆動部313を含んで構成される。
【0022】
スイッチング素子(SWSp1、p1:1〜360)は、第1駆動部311と、走査線(SLp1、p1:1〜360)との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWSp1は、
図3に示すように、一方の端子がSLp1に接続されており、他方の端子が第1駆動部311に接続されている。
スイッチング素子(SWSp2、p2:361〜720)は、第2駆動部312と、走査線(SLp2)との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWSp2は、
図3に示すように、一方の端子がSLp2に接続されており、他方の端子が第2駆動部312に接続されている。
【0023】
スイッチング素子(SWSp3、p3:721〜1080)は、第3駆動部313と、走査線(SLp3)との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWSp3は、
図3に示すように、一方の端子がSLp3に接続されており、他方の端子が第3駆動部313に接続されている。
スイッチング素子(SWDq、q:1R、1G、1B、2R、2G、2B・・・1920R、1920G、1920B)は、データ線駆動部302と、データ線(DLq)との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWDqは、
図3に示すように、一方の端子がDLqに接続されており、他方の端子がデータ線駆動部302に接続されている。
【0024】
第1駆動部311は、SL1〜SL360を1つずつ順に選択して走査信号を出力する機能を有する。第1駆動部311は、カウンタ値v1を保持しており、第1駆動部選択信号を受信する毎にv1が示す値を1に初期化し、水平同期信号を受信する毎にv1を1インクリメントする。ここで、第1駆動部選択信号及び水平同期信号は、タイミング制御部303により出力される。
【0025】
第1駆動部311は、v1の値が初期化される毎に、また変化する毎に、信号SELS1としてSWSv1のみをオンにする信号を出力することにより走査線SLv1を選択し、選択したSLv1に走査信号を出力する。これにより、SLv1に接続している各発光部350の有する選択トランジスタ403がオン状態になる。
第2駆動部312は、SL361〜SL720を1つずつ順に選択して走査信号を出力する機能を有する。第2駆動部312は、カウンタ値v2を保持しており、第2駆動部選択信号を受信する毎にv2が示す値を361に初期化し、水平同期信号を受信する毎にv2を1インクリメントする。ここで、第2駆動部選択信号及び水平同期信号は、タイミング制御部303により出力される。
【0026】
第2駆動部312は、v2の値が初期化される毎に、また変化する毎に、信号SELS2としてSWSv2のみをオンにする信号を出力することにより走査線SLv2を選択し、選択したSLv2に走査信号を出力する。これにより、SLv2に接続している各発光部350の有する選択トランジスタ403がオン状態になる。
第3駆動部313は、SL721〜SL1080を1つずつ順に選択して走査信号を出力する機能を有する。第3駆動部313は、カウンタ値v3を保持しており、第3駆動部選択信号を受信する毎にv3が示す値を721に初期化し、水平同期信号を受信する毎にv3を1インクリメントする。ここで、第3駆動部選択信号及び水平同期信号は、タイミング制御部303により出力される。
【0027】
第3駆動部313は、v3の値が初期化される毎に、また変化する毎に、信号SELS3としてSWSv3のみをオンにする信号を出力することにより走査線SLv3を選択し、選択したSLv3に走査信号を出力する。これにより、SLv3に接続している各発光部350の有する選択トランジスタ403がオン状態になる。
ここで、第1駆動部311は、第2駆動部選択信号及び第3駆動部選択信号を受信した場合は、第1駆動部選択信号を受信するまで動作を停止する。同様に、第2駆動部312は、第1駆動部選択信号及び第3駆動部選択信号を受信した場合は、第2駆動部選択信号を受信するまで動作を停止する。また、第3駆動部313は、第1駆動部選択信号及び第2駆動部選択信号を受信した場合は、第3駆動部選択信号を受信するまで動作を停止する。
【0028】
データ線駆動部302は、データ線DL1R〜DL1920Bを1つずつ順に選択し、選択したデータ線DL及び第1駆動部311〜第3駆動部313に選択されている走査線SLの双方に接続された発光部350に対応する副画素の副画素値に応じたデータ電圧を、選択したデータ線に印加する機能を有する。
データ線駆動部302は、カウンタ値w及びuを保持している。データ線駆動部302は、第1駆動部選択信号を受信する毎にuを1に初期化し、第2駆動部選択信号を受信する毎にuを361に初期化し、第3駆動部選択信号を受信する毎にuを721に初期化する。ここで、第1〜第3駆動部選択信号は、タイミング制御部303により出力される。
【0029】
そして、データ線駆動部302は、水平同期信号を受信する毎にuを1インクリメントするとともに、wを1に初期化する。また、データ線駆動部302は、画素同期信号を受信する毎にwを1インクリメントする。ここで、水平同期信号及び画素同期信号は、タイミング制御部303により出力される。
そして、データ線駆動部302は、wの値が初期化される毎に、また変化する毎に、信号SELDとしてSWDjkのみをオンにする信号を出力することによりデータ線DLjkを選択する。
【0030】
ここで、jは、((w/3)+1)の小数部分を切り捨てた値である。例えば、wが1、2、3の場合は、いずれもjは1となる。また、kは、w%3が1の場合Rであり、w%3が2の場合Gであり、w%3が0の場合Bである。「w%3」は、wを3で除算したときの余りを表す。また、R、G、Bは、それぞれ赤、緑、青を表す。例えば、wが1の場合、kはRであり、wが2の場合、kはGであり、wが3の場合、kはBである。
【0031】
よって、wが1の場合、SWDjkはSWD1Rであり、DLjkはDL1Rである。wが2の場合、SWDjkはSWD1Gであり、DLjkはDL1Gである。
データ線駆動部302は、データ線DLjkを選択すると、VRAM205から、画像において、水平方向の位置がj、垂直方向の位置がu、表す色が上述のkである副画素値を読み出して、読み出した副画素値に応じたデータ信号をデータ線DLjkに印加する。
【0032】
これにより、走査線SLu、データ線DLjkに接続している発光部350の有機EL素子401が発光する。
タイミング制御部303は、クロック生成器を含んで構成されており、第1〜第3駆動部選択信号、垂直同期信号、水平同期信号、及び画素同期信号を生成して出力する機能を有する。
【0033】
タイミング制御部303は、メイン制御部208から指定された走査モードが第1走査モードの場合、第1駆動部選択信号、第2駆動部選択信号、第3駆動部選択信号の順に繰り返し生成し、信号相互の間隔が(1/60)×(1/3)秒になるよう第1駆動部311〜第3駆動部313、及び、データ線駆動部302に出力する。
また、タイミング制御部303は、メイン制御部208から指定された走査モードが第2走査モードの場合、11個の第3駆動部選択信号、1個の第1駆動部選択信号、11個の第3駆動部選択信号、1個の第2駆動部選択信号の順に繰り返し生成し、信号相互の間隔が(1/60)×(1/3)秒になるよう順に第1駆動部311〜第3駆動部313、及び、データ線駆動部302に出力する。
【0034】
また、タイミング制御部303は、水平同期信号を繰り返し生成し、2つの駆動部選択信号(それぞれ第1〜第3駆動部選択信号のいずれか)の送信の間隔である1/180秒の間に(1/180)×(1/360)秒周期で第1駆動部311〜第3駆動部313、及び、データ線駆動部302に出力する。
また、タイミング制御部303は、画素同期信号を繰り返し生成し、上述の2つの水平同期信号の送信間隔、及び、第1〜第3駆動部選択信号のいずれかと水平同期信号との送信間隔である、(1/180)×(1/360)秒の間に、(1/180)×(1/360)×(1/(1920×3))秒周期で、データ線駆動部302に出力する。
<2−4.検出部206、及び検出制御部207>
検出部206は、静電容量方式のタッチパッドであり、スタイラス101(又はユーザの指先)の接触を検出する検出面に、
図5に示すようにX方向に沿って平行に配置された複数の短冊状の送信電極(EY1〜EY54)と、それぞれの送信電極と交差するようにY方向に沿って平行に配置された複数の短冊状の受信電極(EX1〜EX96)とを備える。
【0035】
検出制御部207は、タッチパッド制御用のIC(Integrated Circuit)で実現されており、検出面におけるユーザが接触した位置(以下「接触位置」という。)を示すレベル信号を出力するよう検出部206を制御する機能を有する。
検出制御部207は、機能構成としては、
図5に示すように送信信号処理部501、受信信号処理部502、タイミング制御部503及びスイッチング素子(SWY1〜SWY54、SWX1〜SWX96)を含んで構成される。
【0036】
スイッチング素子(SWYm、m:1〜54)は、送信信号処理部501と送信電極(EYm)との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWYmは、一方の端子が
図5に示すようにEYmに接続されており、他方の端子が送信信号処理部501に接続されている。
また、スイッチング素子(SWXn、n:1〜96)は、受信電極(EXn)と受信信号処理部502との電気的な接続/切断を切り替えるスイッチである。SWXnは、一方の端子が
図5に示すようにEXnに接続されており、他方の端子が受信信号処理部502に接続されている。
【0037】
タイミング制御部503は、クロック生成器を含んで構成されており、検出部206の検出面に対する接触を接触検出周期(1/200秒周期)で検知するための信号(垂直同期信号、水平同期信号、及び受信電極切替信号)を送信する機能を有する。
タイミング制御部503は、1/200秒周期の垂直同期信号を送信信号処理部501及び受信信号処理部502に対し送信する。また、タイミング制御部503は、送信信号処理部501及び受信信号処理部502に対し、垂直同期信号の送信と次の垂直同期信号の送信との間に(1/200)×(1/54)秒周期の水平同期信号を送信する。
【0038】
また、タイミング制御部503は、受信信号処理部502に対し、水平同期信号の送信と次の水平同期信号の送信との間に(1/200)×(1/54)×(1/96)秒周期の受信同期信号を送信する。
送信信号処理部501は、送信電極を1つずつ選択し、選択した送信電極に駆動信号を印加する機能を有する。送信信号処理部501は、カウンタ値sを保持しており、タイミング制御部503から垂直同期信号を受信する毎にsを1に初期化し、水平同期信号を受信する毎にsを1インクリメントする。
【0039】
送信信号処理部501は、sの値が変化する毎にSWYsのみをオンにする信号SELYを出力することにより送信電極EYsを選択し、EYsに対し駆動信号(パルス信号)を印加する。
受信信号処理部502は、受信電極を1つずつ選択し、選択した受信電極からの充放電電流を検出する機能を有する。受信信号処理部502は、カウンタ値rを保持しており、タイミング制御部503から垂直同期信号及び水平同期信号を受信する毎にrを1に初期化し、受信同期信号を受信する毎にrを1インクリメントする。
【0040】
受信信号処理部502は、rの値が変化する毎にSWXrのみをオンにする信号SELXを出力することにより受信電極EXrを選択する。
ここで、送信信号処理部501により選択されたEXsと、受信信号処理部502により選択された受信電極EYrとの交差部分にはコンデンサが形成される。この交差部分へスタイラス101の接触があると、このコンデンサの静電容量が減少する。受信信号処理部502は、EYrの充放電電流を測定することにより、静電容量の変化、すなわち、交差部分へのスタイラス101の接近を検出する。受信信号処理部502は、電極交点それぞれについての充放電電流の変化量をレベル信号(ディジタル信号)に変換してメイン制御部208に対し出力する。
<2−5.メイン制御部208>
メイン制御部208は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、タブレット端末1の全体動作を行う制御する機能を有する。メイン制御部208の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。メイン制御部208は、主要な機能として、対応位置算出機能(
図11のステップS1101及びステップS1102)、画像生成機能(
図11のステップS1112、ステップS1132及びステップS1164)、文字認識機能(
図11のステップS1131)、及びモード切替機能(
図11のステップS1133及びステップS1163)を有する。メイン制御部208は、これら各機能を用い情報入力処理(
図11参照)を実現する。
【0041】
メイン制御部208は、画像生成機能として、
図6(a)〜
図8(b)に示すような、ユーザが銀行振り込みを行うためのGUI画像を生成する。そして、各画像に配置されるオブジェクト(銀行名を入力する場合に選択される銀行名102、支店番号を入力する場合に選択される支店番号103など)について、それぞれの配置位置を示す領域一覧情報(
図10(a)(b)参照)を生成して記憶部202に記憶させる。
<3.動作>
以下、タブレット端末1による情報入力処理について
図11を用いて説明する。
【0042】
具体的には、ユーザが、タブレット端末1を用いて他人(受取人)の有する銀行口座にお金を振り込む場合の、受取人名などの情報の入力を手書入力で行う処理を例に説明する。ここで、タブレット端末1の表示領域30には、
図6(a)に示す画像が表示されているものとする。また、メイン制御部208が作成する画像において、手書入力欄120を表示する場合には、必ず第3表示領域に対応する領域内に表示するものとする。
【0043】
ステップS1101において、メイン制御部208は、検出制御部207から電極交点毎のレベル信号の入力を受け付ける。
ステップS1102において、メイン制御部208は、受信信号処理部502から出力される電極交点ごとのレベル信号から所定の演算処理によって、レベル信号が示す接触位置に対応する画素の位置(以下、「対応位置」という。)を算出する。
【0044】
この対応位置の演算では、X方向とY方向とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点ごとのレベル信号から所要の補間法(例えば重心法)を用いて対応位置を求める。これにより、送信電極EX及び受信電極EYの配置ピッチよりも高い分解能(本明細書では20倍)で、対応位置を検出することができる。
対応位置については、位置履歴として、前回取得したものを記憶しておき、取得する対応位置に変化があるか否かの判定に用いる。
【0045】
ステップS1103において、メイン制御部208は、手書入力欄120を表示中か否か判断する。手書入力欄120が表示中である場合(ステップS1103でYES)には、ステップS1104に進み、手書入力欄120が表示されていない場合(ステップS1103でNO)には、ステップS1161に進む。
ステップS1104において、メイン制御部208は、ステップS1102で得た対応位置が、
図10(b)の領域一覧情報に示される、オブジェクトが表示される領域のいずれかに入っているか判断する。
【0046】
手書入力欄120が表示される領域に入っている場合(ステップS1104で「手書入力欄」)には、ステップS1111に進み、決定ボタン130が表示される領域に入っている場合(ステップS1104で「決定ボタン」)には、ステップS1131に進み、その他の領域に入っている場合(ステップS1104で「その他」)には、ステップS1101に進む。
【0047】
ステップS1111において、対応位置が、上述の位置履歴として記憶している前回取得した対応位置から変化しているか否かを判定し、変化している場合(ステップS1111でYES)には、ステップS1112に進み、変化していない場合(ステップS1111でNO)には、ステップS1101に進む。
ステップS1112において、メイン制御部208は、手書入力欄120の対応位置に相当する部分の画素データを黒色に変更した画像データ(一例として
図7(a)、部分画像721参照)を生成し、VRAM205に出力して、ステップS1101に進む。
【0048】
ステップS1131において、メイン制御部208は、手書入力欄120に記載された画像(
図8(a)参照)について、画像解析技術を用いた文字認識を行う。
ステップS1132において、メイン制御部208は、ステップS1131の文字認識により特定した文字をテキストに変換し、ステップS1162において記憶される欄選択情報で示される記入欄に関する部分を、認識したテキストを貼り付けた画像に変更し、手書入力欄120を表示しない画像(
図8(b)参照)を生成し、VRAM205に出力する。一例として、ステップS1162で記憶される記入欄がお受取人名106であり、ステップS1131において文字認識された文字が「松下太郎」である場合、ステップS1132で生成される画像は、
図8(b)の画像831として示すように、お受取人名106の位置にテキスト「松下太郎」が貼り込まれた画像である。
【0049】
ステップS1133において、メイン制御部208は、表示制御部204に対し第2走査モードから第1走査モードへの変更を指示する。
ステップS1161において、対応位置がいずれの領域内を示すか判断する。記入欄以外の場合(ステップS1161で「記入欄以外」)には、ステップS1101に進み、記入欄である場合(ステップS1161で「記入欄」)には、ステップS1162に進む。
【0050】
ステップS1162において、メイン制御部208は、ステップS1161で判断された記入欄を示す欄選択情報を記憶する。
ステップS1163において、メイン制御部208は、表示制御部204に対し第1走査モードから第2走査モードに変更するよう指示する。
ステップS1164において、メイン制御部208は、手書入力欄120を含む画像(
図6(b)参照)を生成し、VRAM205に出力する
ここで、メイン制御部208が画像を生成する頻度についての補足説明を行う。メイン制御部208は、ユーザが手書入力欄120への接触を行っている場合には、他の領域への接触を行う場合よりも高い頻度で画像を生成する。
【0051】
ユーザが手書入力欄120内にスタイラス101を触れさせた状態でスタイラス101を滑らせる操作を行った場合、この滑らせる操作により、1/260秒周期で、異なる接触位置を示すレベル信号が、メイン制御部208に入力されることになる(ステップS1101)。このとき、メイン制御部208は、1/260秒毎に、手書入力欄120内の画素の色を変更した画像を生成することになる(ステップS1112)。これらの1/260秒毎に生成される画像は、例えば、生成毎に手書入力欄120内に描かれる線が伸び、
図7(a)の部分画像721から
図7(b)の部分画像722へと変化する。
【0052】
一方で、手書入力欄120が表示されている状態(ステップS1103でYES)では、手書入力欄120及び決定ボタン130以外の領域を接触しても(ステップS1104で「その他」)、画像の生成は行われない。また、手書入力欄120が表示されていない状態(ステップS1103でNO)で記入欄以外が接触された場合にも(ステップS1161で「記入欄以外」)、画像の生成は行われない。
【0053】
また、手書入力欄120が表示されていない状態で(ステップS1103でNO)、ユーザが記入欄内でスタイラス101を滑らせる操作を行った場合、メイン制御部208は、対応位置が記入欄内を示すことを検知し(ステップS1161で「記入欄」)、手書入力欄120を表示するための画像を1度は生成する(ステップS1164)。しかし、記入欄への接触が継続することにより、1/200秒周期で同じ記入欄内の異なる接触位置を示すレベル信号がメイン制御部208に継続して通知されても、メイン制御部208は画像の生成を行わない(ステップS1103でYES、ステップS1104でその他)。
【0054】
すなわち、メイン制御部208は、ユーザによる手書入力欄120への接触が継続している限りにおいて、他の領域に接触している場合よりも、高い頻度で画像を生成しVRAM205に出力することになる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態に係るタブレット端末の実施形態を説明したが、例示したタブレット端末を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りのタブレット端末に限られないことは勿論である。
(1)上記実施形態では、手書入力欄120を第3部分表示領域に表示することとしたが、リフレッシュの頻度が他の部分表示領域よりも高い部分表示領域に表示すれば足りる。
【0055】
例えば、手書入力欄を第1部分表示領域に表示することとしてもいい。手書入力欄を第1部分表示領域に表示する場合、表示制御部204は、
図12(a)に示す第3走査モードでリフレッシュを実行する。
図12(a)の横軸t、走査領域についての説明は、
図9(a)と同様である。
第3走査モードの場合、原則、1/180秒毎に第1部分表示領域のリフレッシュを繰り返す。但し、
図12(a)の1211、1212として示すように、8/60秒に1度、第1部分表示領域に代えて第2部分表示領域をリフレッシュする。また、第3部分表示領域についても第2部分表示領域と同様に、
図12(a)の1213として示すように、8/60秒に1度、第1部分表示領域に代えて第3部分表示領域をリフレッシュする。
【0056】
また、手書入力欄を第2部分表示領域に表示することとしてもよい。手書入力欄を第2部分表示領域に表示する場合、表示制御部204は、
図12(b)に示す第4走査モードでリフレッシュを実行する。
図12(b)の横軸t、走査領域についての説明は、
図9(a)と同様である。
第4走査モードの場合、原則、1/180秒毎に第2部分表示領域のリフレッシュを繰り返す。但し、
図12(b)の1231、1232として示すように、8/60秒に1度、第2部分表示領域に代えて第1部分表示領域をリフレッシュする。また、第3部分表示領域についても第1部分表示領域と同様に、
図12(b)の1233として示すように、8/60秒に1度、第2部分表示領域に代えて第3部分表示領域をリフレッシュする。
(2)上記実施形態では、走査線駆動部301が、第1駆動部311〜第3駆動部313の3つの駆動部を含み、3つの駆動部のそれぞれが、各部分表示領域に対応する360本の走査線に対する走査信号の出力を行っていたが、全ての走査線に対する走査信号の出力ができれば足りる。
【0057】
例えば、
図13に示すように、1個の走査線駆動部1311が、スイッチング素子SWS1〜SWS1080の接続/切断を制御し、1080本の全ての走査線に対し走査信号を出力してもよい。
この場合、走査線駆動部1311は、領域対応表を用いて各部分表示領域と各走査線とを対応付けて、各走査線に対し走査信号を出力する。
【0058】
領域対応表は、
図15(a)に示すように、走査領域と、走査領域を規定する画素位置(左上隅画素、右下隅画素)とを対応づけた表である。
走査領域の値が「1」の場合、第1部分表示領域を示し、走査領域の値が「2」の場合、第2部分表示領域を示し、走査領域の値が「3」の場合、第3部分表示領域を示している。
【0059】
第1部分表示領域は、左上隅の画素の位置が(1,1)であり、右下隅の画素の位置が(1920,360)である矩形の領域である。第2部分表示領域は、左上隅画素の位置が(1,361)であり、右下隅画素の位置が(1920,720)である矩形の領域である。第3部分表示領域は、左上隅画素の位置が(1,721)であり、右下隅画素の位置が(1920,1080)である矩形の領域である。
【0060】
また、走査線駆動部は、2個、又は4個以上の駆動部を含んで構成されることとしてもよい。
(3)変形例(2)では、表示領域30を第1部分表示領域〜第3部分表示領域の3個に分割するときに、走査線数が均等(360本)になるよう分割していたが、各部分表示領域に対応する走査線数が不均等になるよう分割してもよい。
【0061】
例えば、表示領域30を分割する場合に、第3部分表示領域を、
図14の領域1403として示すように手書入力欄の大きさ・形に近づけるように規定してもよい。この場合、第1部分表示領域、第2部分表示領域は、一例として表示領域30から第3部分表示領域を除いた領域を2分割した領域とする。この場合の領域対応表を
図15(b)に示す。
図15(b)の説明は、
図15(a)と同様となるので省略する。
(4)上記実施形態及び変形例では、表示領域30を3分割することとしたが、分割後の部分表示領域の1つにおけるリフレッシュの頻度が他の部分表示領域よりも高ければ足り、リフレッシュの頻度の高い部分表示領域を除いた領域を、いくつに分割してもよい。
【0062】
例えば、表示領域30を、
図16(a)に示すように第1部分表示領域1601と、第2部分表示領域1602とに2分割することとしてもよい。ここで、第2部分表示領域がリフレッシュの頻度の高い領域であり、この第2部分表示領域に手書入力欄を表示する。また、走査線駆動部1311は、リフレッシュにおける走査領域と走査線との対応付けを
図15(c)に示す領域対応表を用いて行う。
【0063】
また、
図15(c)に示す領域対応表を用いる場合の走査モードを、
図17(a)及び
図17(b)に示す。
図17(a)は、手書入力欄を表示していない場合に用いる走査モードである第5走査モードを示す。また、
図17(b)は、手書入力欄を表示している場合に用いる走査モードである第6走査モードを示す。
【0064】
第5走査モードにおいては、
図17(a)に示すように、時刻0秒〜時刻2/180秒の間に第1部分表示領域をリフレッシュし、時刻2/180秒〜時刻3/180秒の間に第2部分表示領域をリフレッシュする。このようなリフレッシュを1/60秒毎に繰り返す。ここで、第1部分表示領域は、第2部分表示領域の2倍の大きさの領域であるので、第1部分表示領域については、第2部分表示領域のリフレッシュを行う時間の2倍の時間でリフレッシュを行うことになる。
【0065】
第6走査モードにおいては、時刻0秒〜時刻1/180秒の間に第2部分表示領域をリフレッシュする。また、時刻1/180秒〜時刻2/180秒の間、時刻2/180秒〜3/180秒の間においても、第2部分表示領域をリフレッシュする。すなわち、第2走査モードでは、原則、1/180秒毎に第2部分表示領域のリフレッシュを繰り返す。
但し、
図17(b)の1711として示すように、8/60秒に1度、第1部分表示領域に代えて第2部分表示領域を2/180秒の間にリフレッシュする。
(5)上記実施形態及び変形例では、部分表示領域を全て矩形としていたが、表示制御部204によりリフレッシュの制御ができれば形状は問わない。例えば、
図16(b)に示すように、第2部分表示領域を手書入力欄と同じ大きさの矩形とし、第1部分表示領域を、表示領域全体から第2部分表示領域をくり抜いた領域としてもよい。なお、このときの第1部分表示領域及び第2部分表示領域を規定するための領域対応表は
図15(d)に示す通りである。
(6)上記実施形態では、タブレット端末1が実行するアプリケーションが、一例として銀行振り込み用のアプリケーションである例について説明したが、手書入力欄が表示されるアプリケーションであれば足りる。
【0066】
また、上記実施形態では、他の部分表示領域よりも高い頻度でリフレッシュする部分表示領域に表示する画像は、手書入力欄の画像であるとしたが、ユーザによる接触が検知された場合に接触に追随して可及的速やかに更新すべき画像であれば足りる。例えば、可及的速やかに更新すべき画像が、ゲームのアプリケーション実行中に表示されるゲーム画像における、ユーザにより接触されている位置に表示する自動車などのアイコン画像などでもよい。
(7)上記実施形態では、第1及び第2部分表示領域のリフレッシュの頻度を8/60秒に1度としていたが、リフレッシュを行わない各発光部の発光輝度の低下が輝度差検知限(1%)を超えなければ足りる。なお、発光輝度の低下は、リフレッシュを行わないことにより、各発光部が備えるコンデンサ404の保持電圧が低下することにより生じる。よって、8/60秒以上リフレッシュを行わなくてもよいし、低い場合に、8/60秒より短い間隔でリフレッシュを行ってもよい。
(8)上記実施形態では表示領域を3分割し、上記変形例(4)では表示領域を2分割していたが、表示領域を4個以上に分割してもよい。分割数を増すほど、上述の<走査モード>の項に記載したように、手書入力欄の画像を含む部分表示領域のリフレッシュを開始するまでの時間は短くなると考えられる。しかしながら、分割数を増すほど、リフレッシュの制御が複雑になり、又は、駆動部に係るデバイス数の増加など構成も複雑になるなどのデメリットが生じることも考え得る。よって、分割数は、上記のようなデメリットと、リフレッシュを開始するまでの時間の短縮化の必要性とを勘案して決定すればよい。
(9)上記実施形態では、表示部203は、有機ELディスプレイで実現されているとしたが、リフレッシュを伴うディスプレイであれば足りる。例えば、液晶ディスプレイであってもよい。
(10)上記実施形態で示した対応位置算出処理、画像生成処理、文字認識処理、モード切替処理、及び情報入力処理などをタブレット端末1のプロセッサ、及びそのプロセッサに接続された各種回路に実行させるための機械語或いは高級言語のプログラムコードからなる制御プログラムを、記録媒体に記録すること、又は各種通信路等を介して流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布された制御プログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがその制御プログラムを実行することにより各実施形態で示したような各機能が実現されるようになる。なお、プロセッサは、制御プログラムを直接実行する他、コンパイルして実行或いはインタプリタにより実行してもよい。
(11)上記実施形態で示した各機能構成要素(通信部201、表示制御部204、検出制御部207、及びメイン制御部208)は、その機能を実行する回路として実現されてもよいし、1又は複数のプロセッサによりプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0067】
なお、上述の各機能構成要素は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップされてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(12)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<5.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての情報入力表示装置の構成及びその変形例と効果について説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る情報入力表示装置は、画像データを記憶するVRAMと、複数の画素が2次元に配列されており、第1領域と前記第1領域よりもリフレッシュの頻度の高い第2領域とから成る画像表示領域を含み、逐次前記VRAMから画像データを取得して、取得した画像データが表す画像を表示する表示手段と、前記画像表示領域への接触を検知し、接触位置を表す信号を出力する検知手段と、前記検知手段から出力される信号を逐次受け取り、前記VRAMに記憶された画像データのうち当該信号により表される接触位置に対応する部分を更新する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記画像データを更新する場合に、前記接触位置が前記第1領域の中の特定領域に含まれている限りにおいて、前記特定領域以外の領域に含まれるときよりも高い頻度で更新する。
【0068】
この構成により、画像データにおいて特定領域に対応する部分が高い頻度で更新されるとともに、特定領域を含む第1領域が第2領域よりも高い頻度でリフレッシュされるため、特定領域への最初の接触に対する画像の変更が、表示手段において表示される画像に反映されるまでの時間を従来よりも短縮することができる。
これにより、ユーザは、特定領域(一例として手書き入力欄)に文字を書いたときに、紙に文字を書いたときと同様の感覚、すなわち、書いた文字がスムーズに表示として反映される感覚を得ることができる。
【0069】
なお、画像表示領域において2次元に配列される画素は、上述の実施の形態における副画素に相当する。
(2)また、前記特定領域に表示される画像は、手書入力欄に係る画像であり、前記制御手段は、前記各接触位置が前記特定領域に含まれる場合に、当該各接触位置に応じた手書認識を行うとしてもよい。
【0070】
この構成により、ユーザは、手書入力欄に文字を書いたときに、紙に文字を書いたときと同様の感覚、すなわち書いた文字がスムーズに表示として反映される感覚を得ることができる。
(3)また、前記第1及び第2領域は、それぞれ、長手方向がリフレッシュにおける走査方向と一致する帯状の領域であるとしてもよい。
【0071】
この構成により、画像表示領域を、リフレッシュを行う単位となる帯状の領域に分け、リフレッシュを行う単位毎にリフレッシュの頻度を決定することができる。
(4)また、前記表示手段は、前記第1領域を第1サブ領域及び第2サブ領域に分けた場合の、前記第1サブ領域のリフレッシュと前記第2サブ領域のリフレッシュとの間に、前記第2領域のリフレッシュを実行するとしてもよい。
【0072】
この構成により、特定領域を含む第2領域について、リフレッシュを開始するまでの平均待ち時間を従来よりも短くできる。
(5)また、前記第1及び第2サブ領域は、それぞれ、長手方向がリフレッシュにおける走査方向と一致する帯状の領域であるとしてもよい。
この構成により、第2領域を、リフレッシュを行う単位となる帯状のサブ領域に分け、リフレッシュを行う単位毎にリフレッシュの頻度を決定することができる。
(6)また、前記表示手段は、前記第1サブ領域のリフレッシュを前記第2サブ領域のリフレッシュよりも高い頻度で実行するとしてもよい。
【0073】
この構成により、第2領域をさらに、対応する発光部のリフレッシュを開始するまでの平均待ち時間がそれぞれ異なる2つの領域に分けることができる。
(7)また、前記各画素は、アクティブマトリックス方式により駆動されるよう構成され、前記第1領域及び前記第2領域のリフレッシュの頻度は、前記第1領域及び前記第2領域に含まれる各画素について、リフレッシュされない期間における輝度の低下が1%以内となるよう規定されているとしてもよい。
【0074】
また、前記各画素は、アクティブマトリックス方式により駆動されるよう構成され、前記第2領域、前記第1サブ領域、及び前記第2サブ領域のリフレッシュの頻度は、前記第2領域、前記第1サブ領域、及び前記第2サブ領域に含まれる各画素について、リフレッシュされない期間における輝度の低下が1%以内となるよう規定されているとしてもよい。
【0075】
この構成により、画像表示領域に表示される画像について、部分的に輝度が低下していくことで画質劣化が生じているとユーザにより認識されるのを防ぐことができる。