(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
(装置構成)
図1は、本実施形態の遊技機100の正面概観の一例を示す図である。
図1において、遊技機100は、遊技機の役物等を取り付けるための遊技盤101、特別図柄表示装置102、演出図柄表示装置103、2つある始動入賞口の1つである始動入賞口104、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106、普通図柄表示装置107、もう1つの始動入賞口でもある普通電動役物(チューリップ)108、上大入賞口を備える第1の可変入賞球装置109、下大入賞口を備える第2の可変入賞球装置110、遊技機ハンドル111、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、状態報知表示器121等を主に備える。
【0025】
特別図柄表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED(Light Emitting Diode)、ドットマトリクス表示装置等があり、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち所定条件が成立した場合を「特賞」という。なお、特別図柄表示装置102は2桁の7セグメントLEDである。ここに、特賞とは、遊技が通常状態から遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な状態(大当たり動作、大当たり中)に切り替わるポイントである。
【0026】
演出図柄表示装置103は、たとえば、液晶ディスプレイまたはCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等があり、複数の数字や図形等の演出図柄を変動表示する。演出図柄表示装置103を制御する画像表示制御手段としての表示制御部は、詳細は後述するが、CPU(Central Processing Unit)、プログラムROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、画像処理用LSI(以下「VDP(Video Display Processor)」という。)、キャラクタROM、ビデオRAM等を有する。演出図柄表示装置103は、本実施形態では、背景等の画像および複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置を有する。本実施形態では、多彩な演出図柄を演出図柄表示装置103に表示可能な遊技機を想定している。
【0027】
始動入賞口104は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチの起動信号発生により入賞を検知し、特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。特別図柄表示装置102の特別図柄や演出図柄表示装置103の演出図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
【0028】
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105および普通図柄表示装置作動ゲート(右)106は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチの起動信号発生により、その通過球を検知し、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。
【0029】
普通図柄表示装置107は、7セグメントLED等で普通図柄を変動表示する。普通電動役物108は、普通図柄表示装置107が特定の普通図柄を停止表示(小当たり)した場合に開放し、始動入賞口104への入賞を促進する。すなわち、普通電動役物108に入った遊技球は上述の始動入賞口104の場合と同様に裏面の始動スイッチの起動信号を発生させ、特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。このように、本実施形態では、始動入賞口104および普通電動役物108のいずれかに遊技球が入賞すると特別図柄の変動が開始されるのである。
【0030】
第1の可変入賞球装置109と第2の可変入賞球装置110は、所定条件が成立した場合の一例として特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち、特賞となったときに、その後の大当たり動作において、第1の可変入賞球装置109の起倒式の開閉部材114と、第2の可変入賞球装置110の起倒式の開閉部材115のうちのいずれか一方が開放および閉鎖の動作を行う。どちらの開閉部材を開放するかは、内蔵するプログラムの抽選結果によって決まる。
【0031】
大当たり動作中は、開閉部材114、115のいずれか一方が図において前側に倒れて、遊技球の入賞を受け付ける第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110が開放され(以下、第1の可変入賞球装置109に関連する開放を「上大入賞口の開放」といい、第2の可変入賞球装置110に関連する開放を「下大入賞口の開放」という。)、多数の遊技球の入賞を受け付ける。第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110に遊技球が入賞すると、第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110の内部の大入賞口スイッチの起動信号発生により、遊技機は第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110への入賞球の個数を把握し、その入賞に伴う賞球(出玉、セーフ玉)払い出しの契機が与えられる。第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110の開放は、所定の時間(例えば、30秒。本実施形態では2つの大入賞口とも同一の最大開放時間とするが、異ならせることもできる。)経過するか、所定数(大入賞口入賞規定数)の遊技球が第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110に入賞するまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。
【0032】
遊技機ハンドル111は、タッチセンサを表面に有し、ストップボタン(発射停止)116を付置されている、遊技者が遊技機ハンドル111を握ったことをタッチセンサが検知し、この状態で遊技機ハンドル111が右回り117または左回り118に回されたことを遊技機ハンドル111内部の可変抵抗器が検知すると、球発射装置に遊技球を連続して打ち出す契機を与える。遊技者は、遊技機ハンドル111を右回り117または左回り118に回して、遊技盤101上へ打ち出される遊技球の打ち出しルートを調整する。また、遊技者がストップボタン116を押すと、球発射装置の遊技球の打ち出しが停止する。
【0033】
特別図柄作動記憶表示灯112は、特別図柄の変動中に始動入賞口104または普通電動役物108に入賞した各球の情報を、後述する主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(以下「球の保留」という。)、連続して図柄(特別図柄)変動可能な回数を報知する。また、球の保留の対象となった始動入賞口104への入賞球を「保留球」という。
【0034】
普通図柄作動記憶表示灯113は、普通図柄の変動中に普通図柄作動ゲート(左)105または普通図柄作動ゲート(右)106を通過した各球の情報を、主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し、連続して図柄(普通図柄)変動可能な回数を報知する。なお、特別図柄に対応した演出図柄のように始動記憶に関しても演出図柄表示装置103に表示することができる。
【0035】
なお、遊技機100は、遊技盤101に取り付けられた光学式のタッチセンサである図示しない短縮スイッチを備えることもできる。遊技盤101に据え付けられた役物、短縮スイッチ、釘等はその上にガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤101との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103が特別図柄や演出図柄を変動表示中に、遊技者がガラス板を介して短縮スイッチに手をかざすと、それを検知した短縮スイッチが起動信号を発生し、特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103の変動表示が即止めされ、または短縮されて停止することが可能である。
【0036】
図2は、遊技機100、情報表示装置201、ホールコンピュータ202、アウト球検出装置203を備える一般的な遊技システムの概略図である。情報表示装置201は、例えば、遊技機100の上部に設置された表示装置であり、遊技機100からの信号およびホールコンピュータ202からの指示にしたがって、ランプや画面等により遊技者へ遊技状態を報知する。情報表示装置201は、周知の遊技場の情報公開システムを適用すればよく、遊技状況の表示(遊技データの公開)として、例えば、図柄回転数、大当たり回数、出球、差球、トータルゲーム数等を表示し、さらに遊技者の個人のデータ取りの可能なものが知られている。情報公開システムとしては、(株)平和のヨビダス(商標)等、種々の製品が周知であるのでその制御回路の説明は省略する。
【0037】
ホールコンピュータ202は、各遊技機100等からその稼動状況のデータを収集し、各アウト玉検出装置203からの出力を収集し、遊技場の運営を管理する。或いは、各情報表示装置201の遊技状態を報知する。ホールコンピュータ202は、遊技場で使用される周知のホールコンピュータであるので、その制御回路構成については省略する。
【0038】
アウト玉検出装置203は、遊技機設置設備と遊技球補給システムからなる島設備内部に設置されており、遊技盤面を通って遊技機から排出された遊技球(打ち出された遊技球で、「アウト玉」ともいう)の検出を行い、ホールコンピュータ202へアウト玉検出信号を送信する。アウト玉検出装置203の構造や制御回路構成については、当業者には周知であるため、その説明は省略する。
【0039】
図3は、遊技機100内の制御部300の実施形態を示すブロック図である。図に示すように、制御部300は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部とから構成される。不正行為防止および法規上の制約のため、通常、各制御部は各機能ごとに別々の基板に実装され、直接・間接に接続されて双方向または一方向に送信可能である。主制御部310は、始動入賞口への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて、制御指令信号(以下「コマンド」という。)を送信し遊技全体の制御を行い、また特別図柄表示装置102を直接制御する。副制御部340は、主制御部310から送信されるコマンド(第1のコマンド)に応じて表示制御部370を制御するためのコマンド(第2のコマンド)を送信するとともに、遊技領域等に設けられているランプの点滅制御、遊技機のスピーカから出力する音声の制御、モータを回転制御することによって遊技領域等に設けられているキャラクタフィギャア等の演出用可動物制御を行う。表示制御部370は、副制御部340から送信されるコマンドに応じて、液晶表示装置等の演出図柄表示装置103を制御する。これにより、演出図柄表示装置103も特別図柄表示装置102と同様に特賞が成立したか否か、すなわち所定条件が成立したか否かを表示可能となっている。
【0040】
次に、主制御部310、副制御部340、表示制御部370の各構成・機能を詳細に説明する。
【0041】
(主制御部の構成・機能)
図4は、主制御部310の内部構成を示す概略ブロック図である。主制御部310は、CPU422、ROM420、RAM424、上大入賞口ソレノイド出力ポート472、下大入賞口ソレノイド出力ポート474、普通電動役物ソレノイド出力ポート430、特別図柄表示用出力ポート432、普通図柄表示用出力ポート434、特別図柄作動記憶表示灯用ポート436、普通図柄作動記憶表示灯用ポート438、副制御用コマンド出力ポート(演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等を送出)440、払出制御用コマンド出力ポート442、外部情報出力ポート444、ラウンド表示用出力ポート476、478、入力ポート426を備える。
【0042】
演出図柄指定コマンド(第1のコマンド)とは、演出図柄表示装置103に表示される演出図柄の停止図柄を指定するコマンドであり、変動パターンコマンド(第1のコマンド)とは、演出図柄表示装置103に表示されるリーチ、はずれ、特賞等の画面変動の態様を指定するコマンドである。ここに、リーチとは、複数の図柄(通常は3列)を用い、2列の図柄列を先に停止させ、既に停止表示されている表示結果が当たり図柄(同一の図柄)の組み合わせ(大当たり図柄の組み合わせ)となる条件を満たしている表示状態であり、最終停止図柄の停止に期待を持たせる演出をいう。
【0043】
その後、残りの1列の図柄列の停止表示により、3列の同一図柄の当たり図柄の組み合わせ(大当たり図柄の組み合わせ)の完成に至るとの期待を持たせる演出をいう。
【0044】
主制御部310は、入力ポート426を介して、各種スイッチ(特別図柄始動スイッチ410、普通図柄作動スイッチ412、遊技球検出手段である上大入賞口スイッチ414、下大入賞口スイッチ415、特定領域スイッチ416、その他のスイッチ418)からデータを入力し処理する。主制御部310は、出力ポート430〜438、444を介して、特別図柄表示装置102、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄表示装置103、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、状態報知表示器121、上及び下大入賞口ソレノイド446、447、普通電動役物ソレノイド448、外部情報出力部454を直接制御する。
【0045】
一方、主制御部310は、また、副制御部340に副制御用コマンド(演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等)を送信して副制御部340をコマンド送信により制御する。さらに、主制御部310は、払出制御部450にコマンドを送信して賞球の払出制御を行う。本実施形態にしたがった、主制御部310による特別図柄表示装置102に対する直接制御および副制御部340へのコマンド送信による制御の詳細については後述する。
【0046】
次に、主制御部310が入力ポートを介して入力する各種スイッチ、主制御部310の構成要素および主制御部310の制御対象について詳細に説明する。特別図柄始動スイッチ410は、遊技者により打ち出されて始動入賞口104に入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時に、起動信号を発生して入賞検知させ特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。
【0047】
普通図柄作動スイッチ412は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)105および普通図柄表示装置作動ゲート(右)106を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時に起動信号を発生し、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。上大入賞口スイッチ414および下大入賞口スイッチ415は、特賞になった時に、その後の大当たり動作において、第1の可変入賞球装置109および第2の可変入賞球装置110へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時に起動信号を発生し、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。
【0048】
特定領域スイッチ416は、第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110の開放中に特定領域を通過した遊技球がこのスイッチを通過する時に起動信号を発生し、主制御部310は次のラウンドの権利発生を検知する。
【0049】
その他のスイッチ418としては、始動入賞口104や第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時に起動信号を発生し、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。
【0050】
CPU422は主制御部全体の制御を行う回路であり、ROM420には、主制御部310上で実行される遊技機を制御するためのプログラムが記憶される。具体的には、ROM420は、主制御部310のCPU422が行う遊技制御処理の内容を規定した
図7、
図10〜17に示すフローチャートに従って実行される遊技制御プログラムを記憶している。ROM420には、さらに、副制御部340を指示するための演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンドを始めとする遊技機を制御するための各種パラメータの値が格納されている。RAM424は、主制御部310に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、および各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
【0051】
特別図柄表示装置102は、複数の数字や図形等の特別図柄を表示し、普通図柄表示装置107は、複数の数字や図形等の普通図柄を表示する。特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112は、連続して特別図柄の変動が可能な回数を報知する。普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113は、連続して普通図柄の変動が可能な回数を報知する。
【0052】
上及び下大入賞口ソレノイド446、447は、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110の内部の構成部材の1つで、特賞になった時に、その後の大当たり動作において第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110の前面に付置された開閉部材114、115を主制御部310からの指示に基づいて選択的に開放する。
【0053】
普通電動役物ソレノイド448は、普通図柄表示装置107が小当たりの普通図柄を停止表示する場合、普通電動役物108を主制御部310からの指示に基づいて開放する。払出制御部450は、主制御部310から払出制御用コマンドを受け、特別図柄始動スイッチ410、上大入賞口スイッチ414、下大入賞口スイッチ415、その他のスイッチ418等で入賞検知がされた場合に賞球払出装置452に賞球の払い出しを行うよう指示する。
【0054】
外部情報出力部454は、主制御部310のCPU422からの情報を外部(情報表示装置201、ホールコンピュータ202等)へ提供するための基板である。ホールコンピュータ202および情報表示装置201は、遊技機の外部情報出力部454を介して遊技機と電気的に接続されている。主制御部310のCPUは、外部情報出力部454を介して、図柄変動の停止、大当たり状態、確率変動状態等がわかる情報(信号)、例えば、大当たり信号、入賞数信号、スタート信号、確変信号、時短信号、または開放信号を外部装置へ出力する。
【0055】
ラウンド表示器462は、光源としてのラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rとを有し、主制御部310により、点灯、消灯の制御が行われる。この制御の詳細は後述する。
【0056】
(副制御部の構成・機能)
図5は、副制御部340(画像表示制御手段の一部として機能する。)の内部構成を示す概略ブロック図である。副制御部340は、主制御部310と同様に、CPU514、RAM512、ROM510、各種入力ポート516、各種出力ポート518を備える。副制御部340は、特に主制御部310が送信する副制御用コマンド(演出図柄指定コマンド等)を受信して、その演出図柄指定コマンドにしたがって、液晶表示用コマンド(第2のコマンド)を作成し、表示制御部370に送信する。また、副制御部340は、ランプ表示装置520の点滅制御、効果音発生装置522が出力する効果音の発生制御、演出用可動物524の制御等を行う。このように、副制御部340は、ランプ表示装置520、効果音発生装置522、演出用可動物524を、演出用制御対象として、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成、可動物の制御等の演出に関わる制御を専門的に行うことにより、主制御部310の負荷を軽減するのに役立っている。
【0057】
また、副制御部340は、変動パターンコマンド(コマンドID:A0H(Hは16進数を表す。)またはA1H)および演出図柄指定コマンド(コマンドID:B1H)を受信した場合、予告指定コマンド(コマンドID:95H〜98H)を生成して、表示制御部370に送信する。ここに、予告指定コマンドとは、大当たりの発生、あるいはリーチの発生を遊技者に予告する表示を指定するコマンドをいう。予告指定コマンドの内容(コマンドID値とEVENT値)と表示内容(予告内容)との関係の一例を
図19に示す。コマンドID値が95H、96H、97Hの予告指定コマンドは、大部分の変動パターンが選択されたときに行われる予告演出を指定するコマンドである。コマンドID値が98Hの予告指定コマンドは、ある特定の変動パターン(リーチパターン)が選択されたときに行われる予告演出を指定するコマンドである。コマンドID値が異なる理由は、変動パターンコマンドに応じて重複する場合があるからである。
【0058】
ランプ表示装置520は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部340の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置522は、遊技に関連する音響を発生する。可動物524は、モータ等により回転制御される遊技領域等に設けられているキャラクタフィギュア等である。
【0059】
副制御部340は、演出切替スイッチ120からの入力を受け付ける。遊技者は、演出切替スイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させたり、演出用可動物524の動作を制御することができる。このように、遊技者は、演出切替スイッチ120を操作することにより、遊技機の演出面に参加することができる。
【0060】
(表示制御部の構成・機能)
図6は、表示制御部(画像表示制御手段)370の内部構成を示す概略ブロック図である。
【0061】
表示制御部370は、特に、副制御部340が送信する液晶表示用コマンド(第2のコマンド)を受信して、その液晶表示用コマンドに従って演出図柄表示装置103の演出図柄を変動、停止させ、または、予告指定コマンドを受信して予告表示する機能を有する。すなわち、所定条件が成立したか否か、及び可変入賞球装置が開放して遊技球が入賞可能となることに関連した画像を表示可能に構成される。以下、液晶表示用コマンドの場合について説明する。
【0062】
図6を参照すると、本実施形態の表示制御部370の制御回路構成は、第2のコマンドを受信する入力ポート618、CPU620、プログラムROM610、RAM612、VDP622、キャラクタROM616、ビデオRAM614、出力ポート624を有する。入力ポート618は、副制御部340から液晶表示用コマンドを受信し、CPU620へ渡す。CPU620は、プログラムROM610に記憶されたプログラムにしたがって、画像処理および画像表示制御を行う。プログラムROM610は、CPU620が実行する画像処理のためのプログラムを記憶しており、具体的には、CPU620が行う画像表示制御の内容を規定した画像表示制御プログラムを記憶している。
【0063】
さらに、プログラムROM620は、VDP622のデータレジスタにマッピングして書き込むVDP622制御用データ、画像表示を制御するための各種のパラメータの値等も記憶している。RAM612は、CPU620に対する入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶し、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。VDP622は、CPU620からの図柄更新の指示に従って演出図柄表示装置103に表示するためのスプライト/スクロール等の画像データをビデオRAM614に展開し、CPU620からの出力指示に従って出力ポート624を介して演出図柄表示装置103の表示領域内に画像データを出力・表示する。演出図柄表示装置103は、LCD、CRTディスプレイ等であり、VDP622が出力する画像のビデオ信号を可視表示する。
【0064】
また、表示用の制御には、特定の複数の色データを配列して設定したカラーパレット(以下「パレット」という。)がよく使用される。VDP622は、256色を定義するパレットを4つ内蔵しており、4レイヤを処理し、各レイヤに1パレットを関連付けて画像処理を行う。VDP622はCPU620からの出力指示に従って、4つのレイヤ毎に設定した画像データを合成し、その合成画像データを演出図柄表示装置103に出力して表示する。
【0065】
VDP622は、具体的には、ビデオRAM614上の画像データにより指示されるパレットの色データに基づいてその画像データを色データに変換し、その色データをアナログRGBのビデオ信号として演出図柄表示装置103へ出力して表示する。ここでの画像データはパレットに対するインデックス(配列番号)を含む。
【0066】
本実施形態のVDP622は、1ピクセル当たりR、G、BおよびI(intensity;彩度)の各々を3ビットの8階調で制御する仕様とし、4096色(=8×8×8×8)を処理する能力を有する。VDP622は、256色を設定可能なパレットを4つの各レイヤに1パレットずつ関連付けて画像処理を行うため、4096色(=256色×4レイヤ)中の最大1024色を演出図柄表示装置103へ表示可能である。
【0067】
キャラクタROM616は、CPU620からの指示を受けたVDP622がビデオRAM614に展開する、スプライト/スクロール等の画像データを記憶している。また、VDP622内蔵の4つのパレットに設定されるべき4つのパレットデータを記憶している。さらに、画像データは、ランレングス符号化、予測符号化、ハフマン符号化およびその他周知の圧縮技術によって圧縮され、キャラクタROM616に記憶されている。なお、大当たりの際に表示される画像はラウンド回数により異なるが、同一のラウンドの場合上側の大入賞口が開放されているときも、下側の大入賞口が開放されているときも同一のものとなっている。
【0068】
ビデオRAM614は、VDP622により、演出図柄表示装置103の表示領域内に出力する画像データが展開され、一時記憶される。本実施形態では、4つのレイヤ毎に設定した画像データがビデオRAM614に一時記憶され、ビデオRAM614上で4レイヤの画像データがスクリーンバッファで合成され合成画像データが生成される。
【0069】
(主制御部による遊技制御処理の手順)
次に、主制御部310のCPU422が実行する遊技制御処理の主な手順を説明する。本実施形態の遊技機の上述した動作に関わる処理は、
図7のフローチャートに示す処理手順により行われる。
図7に示す処理は、主制御部310のCPU422が、ROM420に記憶されている遊技制御プログラムを読み出して実行することにより行われる遊技制御割り込み処理である。
【0070】
この処理においては、第1の割込期間(例えば4msec)および第1の割り込み期間より短い第2の割込期間(例えば2msec)毎に起動される2種類の割り込み処理ルーチンが並行して動いている。なお、必要に応じて第3の所定期間毎の割り込み処理や第4の所定期間毎の割り込み処理等を各割り込み処理の周期が重ならないように行うことも可能である。
図7において、遊技機が電源の投入をされると、主制御部310はRAM424をクリアしてその初期設定を行い(S710)、次に、副制御部340に初期コマンド(例えば、RAMクリア処理、初期図柄決定処理、等。なお、電源断状態にあった場合は電源復帰処理も含まれる。)を送信して(S712)、画像、ランプ、音声および遊技等に関わる初期設定の指示を行う。
【0071】
最初に、第1の割込期間(例えば、4msec)毎の遊技制御関連の第1の割込処理について説明する。コマンド出力管理処理(S714)において、主制御部310は、後述する特別遊技管理処理(S716)で作成され、RAM424のコマンド記憶領域上に設定された、変動パターンコマンドおよび演出図柄指定コマンド(第1のコマンド)を、副制御部340に送信する。まず、送信するコマンドがあるか否かを判断し、送信するコマンドがあると判断した場合には、副制御部340へコマンドを送信する。他方、送信するコマンドがないと判断した場合には、その後、本処理は終了する。
【0072】
演出図柄指定コマンドと変動パターンコマンドを受信した副制御部340は、表示制御部370に液晶表示用コマンドを送信する。この液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103の演出図柄を所定の変動時間だけ変動制御し、次に、液晶表示用コマンドで指定された図柄で停止させる。ここで、表を用いて、演出図柄指定コマンドと液晶表示用コマンドの内容を説明する。
【0073】
図8は、主制御部310が副制御部340に送信するコマンド(演出図柄指定コマンド)と、各コマンドを受信した副制御部が表示制御部に送信するコマンド(液晶表示用コマンド)等の内容を表として示す図である。これらコマンドは、遊技状態を把握するための8ビットバイトのコマンドIDフィールドと、識別した遊技状態においてその遊技状態における具体的な制御情報の種類を識別するための8ビットバイトのEVENTフィールドと、から構成された2バイトのコマンドである。
【0074】
演出図柄指定コマンドのコマンドIDフィールドは、全て、B1Hであり、EVENTフィールドは、00H〜0AHの11通りの値のうちのいずれかである。液晶図柄指定コマンドにおいては、コマンドIDフィールドがB2HまたはB1Hであり、EVENTフィールドが00H〜09Hのいずれかである。
図8から分かるように、大当たり決定時の特演出図柄0〜9指定に関しては、演出図柄指定コマンドのEVENTフィールドの値と、液晶表示用コマンドのEVENTフィールドの値とは、同一である。
【0075】
したがって、例えば、大当たり決定時の特演出図柄7指定がされた場合には、主制御部は、演出図柄指定コマンド(コマンドID:B1H、EVENT:07H)を副制御部340に送信し、この演出図柄指定コマンドを受信した副制御部340は、液晶表示用コマンド(コマンドID:B2H、EVENT:07H)を表示制御部370に送信する。この液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動表示中の演出図柄を「777」の組み合わせで停止表示させる。
【0076】
一方、はずれ決定時の特演出図柄10指定に関しては、演出図柄指定コマンドはB1H+0AHであり、液晶表示用コマンドはB1H+00Hであり、この液晶表示用コマンドによれば、演出図柄ははずれの組み合わせで停止表示される。
【0077】
次に、特別遊技管理処理(S716)において、主制御部310は、図柄変動、役物制御等の遊技に関わる制御が行なわれる。始動入賞口104への入賞球または保留球の保留消化による特別図柄の変動開始時には、RAM424上のリーチ乱数ループカウンタから読み取られるリーチ乱数か、図柄乱数ループカウンタから読み取られる図柄乱数か、始動入賞口104への入賞球の大当たり乱数か、またはその保留球の保留メモリに記憶されている大当たり乱数に基づいて、主制御部310は、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド、および特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄等をRAM424のコマンド記憶領域上に設定する。なお、演出図柄指定コマンドの体系については、コマンド出力管理処理(S714)に関連して既に説明した。
【0078】
主制御部310は、大当たり動作中において第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110を所定時間だけ開放することを、上及び下大入賞口作動ソレノイド446、447に指示するための、大入賞口開放データおよび大入賞口閉鎖データを、RAM424上の所定エリアに記憶する。さらに、主制御部310は、特別図柄表示用出力ポート432を介して、特別図柄(左)と特別図柄(右)を所定の変動時間だけ変動制御し、RAM424に記憶されている特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄で停止させる。各停止図柄は、2桁の7セグメントの特別図柄表示装置102に表示される。
【0079】
このように、ステップS716において、主制御部310は、特別図柄指定コマンドを他の制御部に送信することにより特別図柄を制御するのではなく、特別図柄表示用出力ポート432を介して特別図柄表示装置102を直接制御する。ここに、直接制御とは、主制御部310の有する特別図柄表示用出力ポートから特別図柄表示装置102に対して直接的に表示駆動に係わる制御信号を送ることにより特別図柄を変動させる処理をいい、例えば、CPUからの信号(命令)を他のCPUによる判断なしで直接送ることや、割り込み等による時間遅れ(タイムラグ)なしで制御すること等のことである。
【0080】
ここで、
図9は、大当たりの場合およびはずれの場合の特別図柄と演出図柄の関係を示すテーブルである。
図9に示すように、例えば、大当たり乱数が大当たりの場合に、大当たり図柄乱数ループカウンタから取得した大当たり図柄乱数(0〜99の100通りある)が「3」のときには、主制御部310は特別図柄表示装置102に特別図柄として「03」を表示する。そして、
図8および
図9が示すように、主制御部310は、特別図柄「03」に対応する値07HをEVENT値として含んだ演出図柄指定コマンド(コマンドID値はB1H)を副制御部340に送信する。つづいて、副制御部340は、07HをEVENT値として同様に含んだ液晶表示用コマンド(コマンドID値はB2H)を表示制御部370に送信する。その液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動表示中の演出図柄を「777」の組み合わせで停止させる。
【0081】
一方、大当たり乱数がはずれの場合に、はずれ特別図柄乱数ループカウンタから取得したはずれ図柄乱数(0〜20の21通りある)が「1」のときには、主制御部310は特別図柄表示装置102に特別図柄として「−1」(この−1の−はハイフンであり、以下、特別図柄に関しては同様である。)を表示する。そして、主制御部310は、特別図柄「−1」に対応する0AHがEVENTフィールドに含まれる演出図柄指定コマンド(コマンドID:B1H)を、副制御部340に送信する。次に、副制御部340は、液晶表示用コマンド(コマンドID:B1H、EVENT:00H)を表示制御部370に送信する。この液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動中の演出図柄を、主制御部310から副制御部340を介して受信した変動パターンコマンドに対応したはずれ図柄で停止させる。特別遊技管理処理における大入賞口の開閉処理については、後述する。
【0082】
次に、普通遊技管理処理(S718)について説明する。普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(または、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の遊技球の通過により普通図柄の変動が開始すると、RAM424上の小当り乱数に基づいて、主制御部310によって普通図柄の停止図柄データ等が準備される。この処理は、主制御部310が普通遊技管理処理を行う中で、普通図柄変動開始時と判断された場合に行われる。
【0083】
外部情報処理(S720)においては、主制御部310からの遊技状態の情報が、外部情報出力部454を介して遊技機外部(主にホールコンピュータ202や情報表示装置201)に伝えられる。主制御部310はRAM424上の所定エリアに記憶した大入賞口開放データまたは大入賞口閉鎖データに基づいて、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110を開放や閉鎖することを、上及び下大入賞口ソレノイド446、447に指示する(S721)。その他乱数更新処理(S722)において、主制御部310は、大当たり乱数および大当たり図柄乱数以外の乱数(リーチ乱数、はずれ図柄乱数等)を更新する。
【0084】
次に、第2の割込期間(例えば2msec)毎の第2の割込処理、すなわち乱数更新、スイッチチェックを行なうための処理を実行する割込み処理ルーチンについて説明する。まず、当たり抽選乱数更新処理(S730)において、主制御部310は、第2の割込期間毎にRAM424上の大当たり乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、特賞用の大当たり乱数および大当たり図柄乱数を更新すると同時に、普通図柄用の小当り乱数を更新する。なお、本実施形態において、ループカウンタとは、0〜所定の最大値までの値をサイクリックに更新するカウンタを意味する。
【0085】
次に、入力処理(S732)において、主制御部310は、始動入賞口104への入賞球を特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、大当たり乱数ループカウンタから大当たり乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。このとき、RAM424上の特別図柄作動記憶カウンタを1とする。また、特別図柄変動中に始動入賞口104に遊技球が入賞したことを特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、主制御部310は大当たり乱数ループカウンタから大当たり乱数および大当たり図柄乱数を読み取り、RAM424上の保留球の保留メモリに記憶する(球の保留)。このとき、RAM424上の特別図柄作動記憶カウンタをインクリメントする。ステップS732において、このカウンタは累積が予め定めた値を超えると、それ以上はインクリメント(+1)されない。特別図柄変動中に、このステップが繰り返し実行される毎に、RAM424上の保留メモリ上に連続的に各大当たり乱数の値が複数保留球分記憶される。
【0086】
さらに、主制御部310は、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(または、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の遊技球の通過を検知すると、小当り乱数ループカウンタから小当り乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。また、主制御部310は、特別図柄始動スイッチ410による始動入賞口104への入賞検知、上大入賞口スイッチ414または下大入賞口スイッチ415による大当たり動作時の第1の可変入賞球装置109または第2の可変入賞球装置110への入賞検知、その他スイッチ418による始動入賞口104や第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口への入賞検知の結果を、RAM424上に記憶する。特に、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110への入賞検知の際には、主制御部310は、RAM424上の大入賞口カウンタをインクリメント(+1)する。なお、大当たり中以外(すなわち通常状態時)においては、カウンタをインクリメント(+1)しないように制御している(ただし賞球の払い出しは行われる)。なお、主制御部310は、特定領域スイッチ416による特定領域を通過した遊技球の検知の際には、RAM424上のVフラグをONにする。
【0087】
賞球払出管理処理(S734)においては、入力処理(S732)でRAM424上に記憶した特別図柄始動スイッチ410による始動入賞口104への入賞検知、上大入賞口スイッチ414、下大入賞口スイッチ415による大当たり動作時の第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110への入賞検知、その他スイッチ418による始動入賞口104や第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口への入賞検知の各結果に対して、主制御部310は、各々の予め設定された賞球数に対応した賞球の払い出し数をRAM424上の所定エリアに記憶する。
【0088】
主制御部310は、RAM424上に記憶した賞球の払い出し数に基づいて、賞球払出装置452へ賞球の払い出しをコマンド出力により指示する。
【0089】
(特別遊技管理処理の詳細・・・大入賞口(可変入賞球装置)の制御)
図10は、ステップS716(
図7)の特別遊技管理処理をより詳細に示すフローチャートである。特別遊技管理処理は、いくつかの処理を組み合わされて実行されるが、それらの詳細は
図11〜17を参照して後述する。したがって、特別遊技管理処理は、
図10〜17に示される処理全体で行なわれるものである。
【0090】
上述の通り、本実施形態の各処理において、本特別遊技管理処理も含め、プログラムは所定の状態の変化が発生するまでステータス(動作状態情報)をチェックしつつループ動作をしており、ステータスが変化すると所定の処理を行ってその内容を所定のエリアに格納し、次の処理が実行されるのを待機してループに戻る。次の処理では同様にステータスの内容をチェックしてそれに応じた処理を行うという形で処理が続けられる。
【0091】
図10を参照して本処理を説明すると、具体的に実行すべき各処理(
図10では、特別図柄変動開始待ち処理(S1003)、特別図柄変動中処理(S1004)、特別図柄停止表示中処理(S1005)、特別電動役物開始処理(S1006)、特別電動役物開放処理(S1007)、特別電動役物閉鎖処理(S1008)、特別電動役物終了ウェイト処理(S1009)の処理)を指定する特別遊技管理ステータス(以下「特ステータス」という。)が、当該処理前の処理において設定され、ステップS1001において指定された処理に振り分けられる。
【0092】
すなわち、
図10のフローにおいては、まず、特ステータスをチェックしてジャンプ先アドレスを決定し(S1001)、各処理にジャンプする(S1102)。次に、決定したアドレス先の示す処理を実行する。
【0093】
具体的には、特ステータスが0のときは、特別図柄変動開始待ちの処理が行われる(S1003)。この処理の詳細については
図11〜13を参照して後述する。
【0094】
特ステータスが1のときは、決定した特別図柄を変動表示させ、特ステータスに2を設定して(S1004)、所定の条件例えば一定の時間経過の後、特別図柄を停止させ所定の表示を行って、大当たりならば、特ステータスに3を設定し、はずれならば、特ステータスを0に戻す(S1005)。
【0095】
特ステータスが3のときは、可変入賞球装置の開閉部材(大入賞口)を開放するための準備を行う処理を実行して(S1006)、特ステータスが4に設定され(詳細は
図14を参照して後述する)、実際に大入賞口の一方が開放され(S1007)、特ステータスが5に設定される(詳細は
図15を参照して後述する)。
【0096】
特ステータスが5の場合、大入賞口の閉鎖が行われ(S1008)、特ステータスが6に設定され(詳細は
図16を参照して後述する)、以上の処理の終了ウェイト処理(S1009)が行われる(詳細は
図17を参照して後述する)。
【0097】
以上、
図10を参照して特別遊技管理処理の全体の処理を説明したが、次に、
図11〜13を参照して、本実施形態に係る特別図柄変動開始待ちの処理(S1003)について説明する。本処理では、ステップS732において検知により表示すべき特別図柄が決定され、および大当たりか否かが判定されて、それらの情報が所定のエリアに格納される。具体的には、遊技球が始動入賞口104へ入賞した場合は、ステップS732で説明したように特別図柄作動記憶カウンタに、入賞球の数が累積されており(すなわち、カウンタが0のときは、入賞していないことを意味し、0でないときは、少なくとも1回は入賞していることを意味する。通常、このカウンタは本処理が行われるごとに減算される。)、大当たりの場合は、RAM上の大当たりフラグエリアに01Hが設定され、大当たり図柄乱数が大当たり乱数ループカウンタに格納される。
【0098】
ステップS1003を示す
図11を参照すると、まず、特別図柄作動記憶カウンタがロードされ、チェックされる(S1101、1102)。チェックの結果特別図柄作動記憶カウンタが0の場合は、図柄の変動は行われず、客待ち状態に設定する処理を行い、通常の処理に戻る(S1103、1104)。ステップS1103でカウンタが0でないと判定された場合、記憶エリア(保留メモリ)がシフトされ、記憶エリアの内容が読み込まれて、大当たりが抽選されているか否かが判定される(S1105、1106)。
【0099】
まず、RAM424に記憶されている特別図柄変動に係る大当たり乱数に基づいて、開始する特別図柄変動の特賞の判定を行う。大当たり乱数が特賞の値と一致しない場合、RAM424上の大当たりフラグをOFFにし、特賞の値と一致すると判定された場合、大当たりフラグをON(01H)にする。さらに、確変フラグがON(確率変動時)の場合は、特賞の判定を行う特賞の値の個数を増やし、特賞確率を上げる。時短中フラグがONの場合は、RAM424上の時短変動カウンタをデクリメント(−1)し、その結果時短変動カウンタが0であれば時短中フラグをOFFにする(S1106)。
【0100】
上記特別図柄変動に要する情報の設定が済むと、主制御部310は、通常の演出時間(秒)を変動パターンIDから一意に決められる演出図柄変動に見合った所定の値とした上で、特別図柄の変動を監視するための特別図柄変動タイマを通常の演出時間(秒)に設定する。なお、通常の演出時間(秒)は変動パターンID毎にユニークなものであり、変動パターンID毎に秒数が異なる。以上の情報に基づき、以下のようにステップS1004、ステップS1005の特別図柄変動のための設定が行なわれ、変動開始時の設定が行なわれて特ステータスが1に変更される(S1107〜1109)。
【0101】
図12は
図11のステップS1107の特別図柄変動設定処理をより詳細な処理手順を示すフローチャートである。RAM上の大当たりフラグエリアの大当たりフラグが読み取られ(S1201)、この大当たりフラグがチェックされる。そして、大当たりフラグが01Hではない場合、すなわち大当たりではない場合には、主制御部310は、はずれ特別図柄乱数ループカウンタから読み取られるはずれ図柄乱数(
図9に示す0〜20の21通りの値)から、特別図柄表示装置102に停止表示させる複数の図柄と、演出図柄表示装置103に停止表示させる変動パターンとを決定する。すなわち、主制御部310は、停止表示させるための特別図柄の組み合わせと、演出図柄指定コマンドのコマンドID値(B1H)と、EVENT値(00H〜0AHのいずれか1つの値)とを決定し、RAM424上の所定エリアに記憶する(S1202〜S1204)。
【0102】
他方、大当たりフラグが01Hである場合、すなわち大当たりである場合には(S1202)、大当たり図柄乱数ループカウンタから読み取られる大当たり図柄乱数(
図10に示す0〜99の100通りの値)により、特別図柄表示装置102に停止表示される複数の図柄と、演出図柄表示装置103に停止表示される変動パターンとが決定される(S1205〜1206)。
【0103】
図13は
図12のステップS1205(大当たり時停止図柄決定処理)の処理手順をより詳細に示すフローチャートである。大当たり図柄乱数が読み出され、この読み出された大当たり図柄乱数に対応する停止図柄番号が、
図9のテーブルから取り出され、RAM424上の所定エリアに記憶される(S1301)。すなわち、主制御部310は、停止表示させる特別図柄の組み合わせと、演出図柄指定コマンドのコマンドID値(B1H)と、EVENT値(01H〜09Hのいずれか1つの値)とを決定し、RAM424上の所定エリアに記憶する(S1301)。同様に、大当たり図柄乱数が読み出され、特別図柄判定データが決定され、複数の大入賞口のうちのいずれを制御対象とするかが決定される。決定された特別図柄判定データは、特別図柄判定フラグとして、特別図柄判定フラグエリアに記憶され(S1302、1303)、その後、本処理はステップS1206(
図12)に進む。停止図柄および変動パターンと共に、特別図柄の変動時間データとして所定の値が設定され(S1206、S1207)、その後、本処理は終了し、通常の処理に戻る。
【0104】
この処理により、特別図柄変動タイマの値が設定され、ステップS1004(
図10)において、このタイマがタイムアウトするまで、表示が変動し、ステップS1005(
図10)において、大当たりフラグが01Hの場合、すなわち大当たりの場合は、特ステータスを3として、大入賞口が開放され、他方、大当たりフラグが01Hでない場合、すなわち大当たりでない場合には、特ステータスを0として、特別図柄停止表示タイマを設定する。
【0105】
本実施形態では、特別図柄判定データは、
図9に示すように、00H〜03Hの4種類の値をとり、後述するように、大当たりの際、特別図柄判定データが00H〜02Hのいずれかであれば、上大入賞口が開放され、03Hであれば、下大入賞口が開放される。本実施形態では、00H〜03Hが大当たり図柄乱数にランダムに割り当てられ、各値の出現する確率がほぼ同一であるから、大当たりの際に00H〜02Hの出現する確率の方が、03Hの出現する確率より高く、したがって上大入賞口の開放される確率の方が下大入賞口より高くなる。
【0106】
図14は
図10のステップS1006(特別電動役物開始処理)の処理手順をより詳細に示すフローチャートである。このステップS1006は、ステップS1005において特ステータスが3となった後の大当たりの処理である。
【0107】
特別図柄停止表示タイマの値を読み込んでタイマ値が0か否か、すなわちタイムアウトしているか否かが判定され(S1401、1402)、タイムアウトしていると判定されると、特別図柄判定フラグがチェックされる(S1404)。
【0108】
チェックした結果、特別図柄判定フラグが00H、01H、002Hのいずれかである場合には、上述のように、コマンドが設定される(S1403)。すなわち、主制御部310から副制御部340に対し大入賞口の開放状態を通知するためのコマンドの設定が行なわれる。具体的には、コマンドID値として91HがRAM424上の所定のエリアに記憶され、EVENT値として現在のラウンド回数に応じて01H〜06HがRAM424上の所定のエリアに記憶される。
【0109】
副制御部340へのコマンドの設定が終了すると、上大入賞口ソレノイド446を駆動制御して上大入賞口を開放するため、出力ポート472に開放用のデータが設定される(S1405)。
【0110】
他方、特別図柄判定フラグが03Hである場合には、上述の00H〜002Hのいずれかである場合と同様に、下大入賞口指定のコマンドが設定される(S1407)。具体的には、コマンドID値として91HがRAM424上の所定のエリアに記憶され、EVENT値として現在のラウンド回数に応じて21H〜2FHがRAM424上の所定のエリアに記憶される。その後、下大入賞口ソレノイド447を駆動制御して下大入賞口を開放するため、出力ポート474に開放用のデータが設定され(S1406)、いずれの場合も、最終的に特ステータスは4に変更される(S1408)。
【0111】
具体的な開放時RAM設定について説明すると、本実施形態では主に
図18に示す、少なくとも開放回数を報知させるための開放回数指定コマンドが、大入賞口の開放を示す演出画像を演出図柄表示装置に表示させるため、主制御部310から副制御部340に送られるが、このため、主制御部310では、それぞれ、該当するコマンドID値およびEVENT値が、RAMの所定のエリアに記憶される(各処理でいえば、S1403、S1407)。例えば、上大入賞口の通常演出時の1回目の開放の場合には、コマンドIDに91H、EVENTに01Hが設定され、下大入賞口を開放する場合には、コマンドIDに91H、EVENTに21Hが設定される。
図18に示すように、通常演出以外の大当たり演出、例えばラウンド回数に応じた昇格演出、ラウンド回数に応じたボタン演出、種々のキャラクタの演出などを行う場合も、各大入賞口に対応して各々の大入賞口ごとおよびラウンド回数ごとに、専用のコマンド、すなわち異なる種類のコマンドがそれぞれ副制御部に渡され表示される。
【0112】
以上により、大入賞口の開放準備がなされると、
図7を参照して説明した出力管理処理(S714)により、対応するコマンドが、主制御部310から副制御部340に送信されて、いずれの大入賞口の開放状態にあるかが副制御部340に知らされ、副制御部340は所定の処理を行う。すなわち、上述のステップS1403および1407においてRAMに設定されたコマンドID、EVENTの値のコマンドが、主制御部310から副制御部340に送信される。
【0113】
例えば、上述のように、コマンドIDに91H、EVENTに01Hが設定されている場合、主制御部310は、
図18に示すこれに対応するコマンドを送信し、副制御部340では上大入賞口の通常演出時の1回目の開放時に行われる所定の処理(演出図柄表示装置におけるラウンドの表示やラウンドの画像表示、フィギュアなどの可動物の駆動、ランプの点滅、効果音の発生など)が行われる。これに対して、コマンドIDに91H、EVENTに21Hが設定されている場合、主制御部310は、
図18に示すこれに対応するコマンドを送信し、副制御部340では下大入賞口の開放を認識することになる。
【0114】
この主制御部310は、メモリの一部がバックアップ電源等によりバックアップされており、大入賞口の開放状態等の情報もバックアップされているので、以上のコマンド制御により、その時点において開放している大入賞口が上下のいずれであるか、あるいは何回目の開放であるかといった情報を副制御部等が記憶していなくても、電源断等の不測の事態からの復旧時等において電源断前から継続した演出処理が可能となる。
【0115】
この場合、上述の通り
図18に示すように主制御部310から副制御部340に開放回数指定コマンド(第1のコマンド)が送信され、副制御部340は、さらに、表示制御部(図柄)370、ランプ制御(ランプ)520、音声制御(音)522、および可動物制御(モータ、ソレノイド)524に、それぞれコマンドを送信する。これにより、図柄が変動し、ランプが点灯/点滅し、および盤面に取付けられた可動物が動作して演出効果を一層高めることとなる。
【0116】
表示制御部370について、より具体的に説明すると、副制御部340は、開放回数指定コマンドを受信すると、表示制御部370に
図18に示すような、少なくとも開放回数を報知するためのコマンド(第2のコマンド)を送信する。これにより、表示制御部370は開放回数に応じた図柄を表示するが、
図18に示すようにこの第2のコマンドは、上大入賞口の開放時と下大入賞口の開放時とも開放回数が同一であれば同一の種類のコマンドになるようになっている。すなわち、上大入賞口の2回目の開放時に送信されるコマンドは、コマンドIDが91HでEVENT値が02Hに設定されるのに対し、下大入賞口の2回目の開放時に送信されるコマンドも、コマンドIDが91HでEVENT値が02Hに設定される。したがって、表示制御部370によって表示される図柄は、大入賞口の開放回数により異なってくるが、開放されている大入賞口が上側か下側かによっては異ならないのである。このように上下大入賞口で同一のコマンドを使用することにより、副制御手段340が記憶するコマンドの種類を減らすことができ、記憶容量の軽減ができる。
【0117】
このように大入賞口開放時間タイマの設定(S1405、S1406)等が行なわれた後、特ステータスは4を設定され
図15に示すように特別電動役物開放処理(S1007)が行なわれる。まず、大入賞口が開放されてから所定の時間が経過しているか否かがチェックされ(S1501、1502)、経過していない場合、大入賞口に入賞する遊技球の計数値が一定数に満たないときは開放が継続される(S1503〜1509)。具体的には、大入賞口の開放データが所定のRAMに記憶される(S1506、S1509)。本実施形態では、上下の大入賞口については本質的に同様の制御が行われるが、当然、この例に限定されるものではない。
【0118】
次に、大入賞口の開放期間(ラウンド)の終期において大入賞口を閉鎖するため、閉鎖設定処理が行われ、特ステータスが5に変更される(S1510、1511)。大入賞口の開放期間(ラウンド)は、その終期を、当該大入賞口の開放から所定時間が経過した時点か、又は所定個数の遊技球が入賞した時点とする。そして、閉鎖設定処理が行なわれると、
図7に示すように、大入賞口が閉鎖され、その後、閉鎖処理が行われる。大入賞口の閉鎖処理については
図16を参照して説明する。
【0119】
ここで、大入賞口の開閉処理を説明すると、既に述べたように、主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶した、大入賞口開放データまたは大入賞口閉鎖データに基づいて、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110を開放や閉鎖することを、上及び下大入賞口ソレノイド446、447に指示する(S721)ことにより、開閉処理を行なう。
【0120】
図16は、特ステータスが5のときの特別電動役物閉鎖処理(S1008)を示すフローチャートである。本処理は各ラウンドで大入賞口が閉鎖された後に、さらに開放して次のラウンドを継続するか、そのまま処理を終了するか等を判定して、それに応じた処理を実行するものである。すなわち、大入賞口閉鎖タイマを更新し(所定の値を減算し)、その結果タイマがタイムアウト(大入賞口閉鎖タイマ=0)していない場合は通常の処置に戻り、タイムアウトしている場合は特別電動役物閉鎖処理を行う(S1601〜S1602)。
【0121】
さらに
図16を参照すると、まず特別図柄判定フラグにより上下どちらの大入賞口が開放されていた(あるいは次に開放される)か否かを判定して(S1603)、開放回数が上大入賞口の場合6未満、下大入賞口の場合15未満であれば、次のラウンドでも同じ大入賞口が開放されるよう設定が行なわれて、特ステータスが4に設定される(S1604〜1611)。この場合の具体的な開放時RAM設定について説明すると、本実施形態では主に
図18に示すコマンドが大入賞口の開放を示すため主制御部310から副制御部340に送られるが、このため主制御部310ではそれぞれ該当するコマンドIDおよびEVENTの値がRAMの所定のエリアに記憶される(各フローの処理で言えば、S1605またはS1609など)。例えば、上大入賞口の通常演出時の1回目の開放の場合、コマンドIDは91H、EVENTは01HがRAM424上の所定のエリアに設定され、下大入賞口を開放する場合、コマンドIDは91H、EVENTは21HがRAM424上の所定のエリアに設定される。
図18に示すように、通常演出以外の大当たり演出、例えばラウンド回数に応じた昇格演出、ラウンド回数に応じたボタン演出(さらに種々のキャラクタの演出あり)などを行う場合もコマンドは区別されて副制御部に渡される。
【0122】
以上により、大入賞口の開放準備がなされると、
図7を参照して説明した出力管理処理(S714)により対応するコマンドが主制御部310から副制御部340に送信されて、いずれの大入賞口の開放状態にあるかが副制御部340に知らされ、副制御部340は所定の処理を行う。すなわち、上述のステップS1605および1609においてRAMに設定されたコマンドID、EVENTの値が読み出されコマンドに設定され主制御部310から副制御部340に送信される。例えば、上述のようにコマンドIDに91H、EVENTに01Hが設定されている場合、主制御部310は
図18に示すこれに対応するコマンドを送信し、副制御部340では上大入賞口の通常演出時の1回目の開放時に行われる所定の処理(フィギュアなどの可動物の駆動、ランプの点滅、効果音の発生など)が行われる。また、コマンドIDに91H、EVENTに21Hが設定されている場合、主制御部310は、
図18に示すこれに対応するコマンドを送信し、副制御部340では下大入賞口の開放を認識することになる。以上のコマンド制御により、副制御部等がその時点において開放している大入賞口が上下のいずれであるか、あるいは何回目の開放であるかといった情報を記憶していなくても、電源断からの復旧時等においても電源断前から継続した演出処理が可能となる。
【0123】
この場合、上述の通り
図18に示すように主制御部310から副制御部340にコマンドが送信され、副制御部340はさらに表示制御部(図柄)370、ランプ制御(ランプ)520、音声制御(音)522および可動物制御(モータ、ソレノイド)524にそれぞれコマンドを送信する。これにより、図柄が変動し、ランプが点灯/点滅し、および盤面に取付けられた可動物が動作して演出効果を一層高めることとなる。
【0124】
図16に示すフローの説明に戻ると、ラウンド回数が、上大入賞口にあっては6回以上、下大入賞口にあっては15回以上であれば、大当たりの終了処理、例えば大入賞口終了ウェイトタイマの値が設定され、特ステータスが6に変更される(S1612、S1613)。本実施形態においては、上大入賞口にあっては6回、下大入賞口にあっては15回といった開放回数を大入賞口ごとに異なるような(具体的には、遊技者への賞球の払い出し数にメリハリをつけるために片方を半分以下に設定)数値を用いたが、これに限られずシステムに適合した適切な値とすることもできる。
【0125】
本実施形態では、ステップS1612において、大当たり終了後に確率変動(以下単に確変という)状態に移行するか否かを決定し、確変状態とすることが決定すると確変状態を報知する等の処理を行う。例えば、特別図柄表示装置に特別図柄を2列配して表示し、演出図柄表示装置の前面に演出を行う大きなデモ図柄を変動させる等により報知する。ここに、確率変動とは、特賞の図柄の組合せの内さらに特定の図柄の組合せ、例えば「7、7、7」の特賞についてその大当たり動作消化後に、遊技における遊技機内部の特賞の確率が通常(低確率)状態より向上させる機能のことである。一般に、このような確変機能付き遊技機の確変(高確率)状態は、次の大当たり獲得まで継続され、確変中は一般に特別図柄表示装置の背景色が変わる等で、遊技者へ確変中であることを報知する。
【0126】
確変状態への移行は種々の方法、例えば抽選により一定の確率で移行するといった方法により決定されるが、本実施形態では、上大入賞口と下大入賞口とで確変状態への移行方法を変えている。すなわち、上大入賞口の大当たり処理が終了したときは抽選を行い所定の確率で確変状態に移行させるのに対し、下大入賞口のときは常に確変状態に移行させるように処理を行っている。以上のように上下の大入賞口で異なる処理を行うことにより、さらに遊技性を高めることができる。もちろん、上下の大入賞口で異なる賞球数となるように設定してもよい。
【0127】
大当たりが終了すると、
図17に示す特ステータス6の場合の特別電動役物終了ウェイト処理(S1009)が行われる。すなわち、大入賞口ウェイトの時間が更新(所定の値が減算)され(S1701)、更新の結果、タイマ値が0の場合、特別図柄状態別に開始用RAMの設定が行なわれ、特ステータスが0に変更される(S1702〜S1704)。すなわち、通常遊技状態の場合(低確率時)には、大入賞口開放回数カウンタのクリア等を行い、確立変動時には、これに加えて特別遊技動作指定用送信要求バッファに確率変動開始指定を設定等して確率変動時の動作状態に移行するようにし、時短時には、時短状態報知指定用送信要求バッファに時短状態報知指定を設定等して、時短持の動作状態に移行できるようにする(S1703)。いずれの場合も、その後、特ステータスを0として通常の処理に戻る(S1704)。
【0128】
(報知手段としてのラウンド表示器462)
図20は、
図4のラウンド表示器462(報知手段)の構成を示す。ラウンド表示器462は、光源としてのラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rが、演出図柄表示装置103の枠体910に所定の間隔をあけて設けた光透過用の2つの貫通孔911、912に、背後から臨ませてあり、2つの貫通孔911、912の出射光口には、これら出射光口を同時に塞ぐように、意匠部としてのシール913が固着させてある。この分解した状態を
図21に示す。
【0129】
シール913は、
図22に示すように、ラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rに対応させて、2つの光被照射部931、932を有し、これら光被照射部931、932は、可変入賞球装置109、110(大入賞口)が開放して遊技球が入賞可能にすることに関連した遊技情報を報知するものとして、上述した2つの異なる最大ラウンド回数を示す文字(この例においては「15R」及び「6R」という文字)を有する。これら文字は、不透明フィルムとして黒インクが塗布してあって、ラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rからの光を透過せず、光被照射部931、932のこれら文字を除く部分は、半透明フィルムとしてスモークインク(黒にメジウムを混合させたインク)が塗布してあり、ラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rからの光を透過するようになっている。なお、黒インクが塗布された部分もスモークインクが塗布された部分も、外光はほとんど透過しない。
【0130】
したがって、ラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rが同時に消灯している状態では、
図22(b)に示すように、遊技者は文字を視認することができないか、視認することが極めて困難な状態にしてある。これに対して、ラウンド表示用LED(左)462Lのみが点灯された状態においては、ラウンド表示用LED(左)462Lからの光が、光被照射部931の文字を除く部分のみを透過するので、遊技者は、
図22(c)に示すような「15R」という文字を明確に視認することができる。他方、ラウンド表示用LED(右)462Rのみが点灯された状態においては、ラウンド表示用LED(右)462Rからの光が、光被照射部932の文字を除く部分のみを透過するので、遊技者は、
図22(d)に示すような「6R」という文字を明確に視認することができる。
【0131】
このように、意匠部を形成するシール913における光被照射部931、932では、文字を示す部分と文字を除く部分との配色を極めて近似するインクで配色しつつも、それぞれの光透過率を異ならせている。これにより、左右のラウンド表示用LED(左)462Lとラウンド表示用LED(右)462Rによる光源が点灯していないときには、文字の判別が極めて困難な状態を維持して、遊技者に不要な遊技情報を通知せずにしつつ、点灯したときには文字の判別が可能となり、遊技者が遊技情報を視認可能となる。
【0132】
(ラウンド表示器駆動制御処理)
特別電動役物開始処理(S1005、
図10)において、主制御部310は、始動入賞口104又は普通電動役物108の特別図柄始動スイッチ410がONになって、遊技球の通過が検知されると、内蔵プログラムにより大当たり/はずれの抽選を行い、大当たりが抽選された場合には、大当たり図柄乱数を読み出し、RAM424上の所定のエリアに記憶する(S732、
図7)。
【0133】
そして、この大当たり図柄乱数に基き、特別図柄判定データ(00H〜03H)を決定し、RAM424上の所定のエリアに記憶する(S1302、S1303)。ステップS1403において、特別図柄判定データをRAM424上の所定のエリアから読み出し、この特別図柄判定データが03Hであるか否か、すなわち、大入賞口が開放される可変入賞球装置が、第2の可変入賞球装置109または第1の可変入賞球装置110のいずれであるかを決定する。
【0134】
(1)特別図柄判定データが03Hであると判断された場合、すなわち、大入賞口が開放される可変入賞球装置が第2の可変入賞球装置110である場合
まず、ステップS1406(
図14)において、主制御部310は、第2の可変入賞球装置110と関係付けされている出力ポート478から、出力ポート478のデータを入力し、RAM424上の所定のエリアに記憶し、ついで、この出力ポート478を介して、ラウンド表示器462のラウンド表示用LED(左)462Lを点灯させる。この点灯する光源を選択するための制御により、ラウンド表示器462には、
図23(a)に示すような、最大ラウンド回数を表す「15R」が表示される。ここに、Rはラウンドを意味する。これにより、可変入賞球装置が遊技球を入賞可能となることに関連した遊技情報として、遊技者は最大ラウンド回数が15ラウンドであることを視認することができる。
【0135】
また、主制御部310は、前述の遊技情報を遊技者に対し、より詳細に画像によって報知するために、大当たりが発生した旨と、最大ラウンド回数(15R)とを、副制御部340に通知するため、制御指令信号としての予告通知コマンド(コマンドID:91H,EVENT:AAH)を設定し、RAM424上の所定のエリアに記憶する。そして、特ステータスを3に変更して、この特別管理処理を抜け、ステップS718に進み、ステップS718〜722を経由し、その後、当該第1の割込処理を終了する。
【0136】
次の第1の割込処理において、主制御部310は、RAM424上の所定のエリアから、この予告通知コマンドを読み出し、副制御部340に送信し(
図7のS714)、この予告通知コマンドを受信した副制御部340により、予告指定コマンド(コマンドID:95H,EVENT:AAH)が生成され、表示制御部370に送信されると、この予告指定コマンドを受信した表示制御部370により、
図23(b)に示すような予め定めた図柄が、演出図柄表示装置103に表示される。すなわち、報知手段としてのラウンド表示器462で点灯される遊技情報に対応する遊技情報画像が表示されることになる。
【0137】
ついで、主制御部310は、ステップS716(
図7)の特別遊技管理処理において、
図10のステップS1001(
図10)において、特ステータスをチェックする。この場合には、特ステータスが4であるから、ステップS1007(
図10)に進み、ステップS1007〜S1008において、第1ラウンドにおける、上述した、特別電動役物開放処理、特別電動役物閉鎖処理を行うとともに、上述した処理により、少なくとも現在のラウンドが第1ラウンドである旨の表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0138】
その後、第2ラウンド〜第15ラウンドにおいても、同様に、少なくとも現在のラウンドの表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0139】
そして、特ステータスをチェックし、チェックした特ステータスが6である場合には、処理はステップS1009(
図10)に進み、ステップS1009において、上述した特別電動役物終了ウェイト処理を行う。
【0140】
そして、大当たり動作が終了すると、RAM424の所定のエリアに記憶されている出力ポート478のデータが、出力ポート478に出力され、これによりラウンド表示用LED(左)462Lが消灯され、最大ラウンド回数の表示が終了する。最大ラウンド回数の表示の終了時点でのラウンド表示器462は、
図22(b)に示すようになって、遊技者は最大ラウンド数を視認することができなくなり、15ラウンドが終了したことが報知される。
【0141】
(2)特別図柄判定データが03Hでないと判断された場合、大入賞口が開放される可変入賞球装置が第1の可変入賞球装置109である場合
まず、ステップS1405(
図14)において、主制御部310は、第1の可変入賞球装置109と関係付けされている出力ポート476から、出力ポート476のデータを入力し、RAM424上の所定のエリアに記憶し、ついで、この出力ポート476を介して、ラウンド表示器462のラウンド表示用LED(右)462Rを点灯させる。この点灯する光源を選択するための制御により、ラウンド表示器462には、
図24(a)に示すような、最大ラウンド回数を表す「6R」が表示される。これにより、可変入賞球装置が遊技球を入賞可能となることに関連した遊技情報として、遊技者は最大ラウンド回数が6ラウンドであることを視認することができる。
【0142】
また、主制御部310は、前述の遊技情報を遊技者に対し、より詳細に画像によって報知するために、大当たりが発生した旨と、最大ラウンド回数(6R)とを、副制御部340に通知するための予告通知コマンド(コマンドID:91H,EVENT:BBH)を設定し、RAM424上の所定のエリアに記憶する。そして、特ステータスを4に変更して、この特別管理処理を抜け、ステップS718に進み、ステップS718〜722を経由し、その後、当該第1の割込処理を終了する。
【0143】
次の第1の割込処理において、主制御部310は、RAM424上の所定のエリアから、この予告通知コマンドを読み出し、副制御部340に送信し(
図7のS714)、この予告通知コマンドを受信した副制御部340により、予告指定コマンド(コマンドID:95H,EVENT:BBH)が生成され、表示制御部370に送信されると、この予告指定コマンドを受信した表示制御部370により、
図23(b)に示すような予め定めた図柄が、演出図柄表示装置103に表示される。すなわち、報知手段としてのラウンド表示器462で点灯される遊技情報に対応する遊技情報画像が表示されることになる。
【0144】
ついで、主制御部310は、ステップS716(
図7)の特別遊技管理処理において、
図10のステップS1001(
図10)において、特ステータスをチェックする。この場合には、特ステータスが4であるから、ステップS1007(
図10)に進み、ステップS1007〜S1008において、第1ラウンドにおける、上述した、特別電動役物開放処理、特別電動役物閉鎖処理を行うとともに、上述した処理により、少なくとも現在のラウンドが第1ラウンドである旨の表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0145】
その後、第2ラウンド〜第6ラウンドにおいても、同様に、少なくとも現在のラウンドの表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0146】
そして、特ステータスをチェックし、チェックした特ステータスが6である場合には、処理はステップS1009(
図10)に進み、ステップS1009において、上述した特別電動役物終了ウェイト処理を行う。
【0147】
そして、大当たり動作が終了すると、RAM424の所定のエリアに記憶されている出力ポート476のデータが、出力ポート476に出力され、これによりラウンド表示用LED(右)462Rが消灯され、最大ラウンド回数の表示が終了する。最大ラウンド回数の表示の終了時点でのラウンド表示器462は、
図22(b)に示すようになって、遊技者は最大ラウンド数を視認することができなくなり、6ラウンドが終了したことが報知される。
【0148】
以上説明した、可変入賞球装置が選択されたときと、各ラウンドにおける、ラウンド表示用LED(左)462L及びラウンド表示用LED(右)462Rの点灯、消灯の関係と、画面表示と、をまとめて
図25に示す。
【0149】
なお、1回の特賞で可変入賞球装置の開閉部材が開放される回数(ラウンド)を6回と15回の2パターンとしたが、これに限らずに例えば3パターンの回数を有してもよい。この場合、ラウンド表示器462も同様に、3通りの遊技情報を報知することになるので、光源及び意匠部も3つ有することになる。このように、光源及び意匠部は、1つの光源に対して1つの意匠部が配置される関係を有していれば、いくつ配置しても構わない。
【0150】
勿論、これとは別に複数の光源に対して1つの意匠部を形成するようにしても構わないが、1つの光源に対して1つの意匠部を形成することで、製品コストをできる限り抑制し、リユースも行い易くしてある。
【0151】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態との比較でいえば、可変入賞球装置としては、最大ラウンド回数が15ラウンドである第2の可変入賞球装置110のみを有し、ラウンド回数表示器462を駆動制御する方法が異なる。すなわち、ラウンド回数表示器462を異なる遊技仕様を備える第1及び第2の実施の形態に係る遊技機で共通使用する。
【0152】
ステップS1406(
図14)において、主制御部310は、第2の可変入賞球装置110と関係付けされている出力ポート478から、出力ポート478のデータを入力し、RAM424上の所定のエリアに記憶し、ついで、この出力ポート478を介して、ラウンド表示器462のラウンド表示用LED(左)462Lを点灯させる。この点灯する光源を選択するための制御により、ラウンド表示器462には、
図23(a)に示すような、最大ラウンド回数を表す「15R」が表示される。これにより、可変入賞球装置が遊技球を入賞可能となることに関連した遊技情報として、遊技者は最大ラウンド回数が15ラウンドであることを視認することができる。
【0153】
また、主制御部310は、前述の遊技情報を遊技者に対し、より詳細に画像によって報知するために、大当たりが発生した旨と、最大ラウンド回数(15R)とを、副制御部340に通知するため、制御指令信号としての予告通知コマンド(コマンドID:91H,EVENT:AAH)を設定し、RAM424上の所定のエリアに記憶する。そして、特ステータスを4に変更して、この特別管理処理を抜け、ステップS718に進み、ステップS718〜722を経由し、その後、当該第1の割込処理を終了する。
【0154】
次の第1の割込処理において、主制御部310は、RAM424上の所定のエリアから、この予告通知コマンドを読み出し、副制御部340に送信し(
図7のS714)、この予告通知コマンドを受信した副制御部340により、予告指定コマンド(コマンドID:95H,EVENT:AAH)が生成され、表示制御部370に送信されると、この予告指定コマンドを受信した表示制御部370により、
図23(b)に示すような予め定めた図柄が、演出図柄表示装置103に表示される。すなわち、報知手段としてのラウンド表示器462で点灯される遊技情報に対応する遊技情報画像が表示されることになる。
【0155】
ついで、主制御部310は、ステップS716(
図7)の特別遊技管理処理において、特ステータスをチェックする(S1001、
図10)。この場合、特ステータスが4であるから、ステップS1007(
図10)に進み、ステップS1007〜S1008において、第1ラウンドにおける、上述した、特別電動役物開放処理、特別電動役物閉鎖処理を行うとともに、上述した処理により、少なくとも現在のラウンドが第1ラウンドである旨の表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0156】
その後、第2ラウンド〜第15ラウンドにおいても、同様に、少なくとも現在のラウンドの表示を、演出図柄表示装置103に対して行う。
【0157】
ただ、第6ラウンドにおいて、主制御部310は、出力ポート476から、出力ポート476のデータを入力し、RAM424上の所定のエリアに記憶し、ついで、この出力ポート476を介して、ラウンド表示器462のラウンド表示用LED(右)462Rを点灯させる。これにより、ラウンド表示器462には、
図22(e)に示すように、既に点灯状態にあるラウンド表示用LED(左)462Lによる「15R」の表示に加えて、最大ラウンド回数を表す「6R」が表示される。これにより、遊技者は、現在のラウンドが15ラウンドのうちの第6ラウンドであって中間のラウンドに至ったことを視認することができる。
【0158】
次の第7ラウンドにおいて、主制御部310は、RAM424上の所定のエリアに記憶されている出力ポート476のデータを、出力ポート476に出力し、ラウンド表示用LED(右)462Rを消灯させる。これにより、ラウンド表示器462には、
図22(c)に示すように、ラウンド表示用LED(左)462Lによる「15R」の表示のみとなって、ラウンドが次の第7ラウンドに移行したことが報知される。
【0159】
そして、特ステータスをチェックし、チェックした特ステータスが6である場合には、処理はステップS1009(
図10)に進み、ステップS1009において、上述した特別電動役物終了ウェイト処理を行う。
【0160】
そして、大当たり動作が終了すると、RAM424の所定のエリアに記憶されている出力ポート478のデータが、出力ポート478に出力され、これによりラウンド表示用LED(左)462Lが消灯され、最大ラウンド回数の表示が終了する。最大ラウンド回数の表示の終了時点でのラウンド表示器462は、
図22(b)に示すようになって、遊技者は最大ラウンド数を視認することができなくなり、15ラウンドが終了したことが報知される。
【0161】
以上説明した、可変入賞球装置が選択されたときと、各ラウンドにおける、ラウンド表示用LED(左)462L及びラウンド表示用LED(右)462Rの点灯、消灯の関係と、画面表示と、をまとめて
図26に示す。
【0162】
以上のように、報知手段としてのラウンド表示器462では、光源によって照射した部分に対応するシール913(意匠部)に示された情報を明確に視認可能とし、かつ、光源によって照射しないときは、視認不能もしくは視認困難に構成している。このため、第1の実施形態及び第2の実施の形態に適用したような遊技仕様が異なる遊技機であってもラウンド表示器462を共通部品として利用できるため、リユース及びコストダウンを実現できる可能性を飛躍的に高めている。
【0163】
なお、主制御部310で直接制御するラウンド表示器462では、LED等のランプ部品を使用して遊技情報を簡素な形態で報知することで、主制御部310の制御負担を軽減させつつ、ラウンド表示器462の共通部品としての利用価値を高めている。
【0164】
また、ラウンド表示器462で報知する遊技情報に対応する情報を、演出図柄表示部103によってグラフィカルに画像表現することで、報知する遊技情報を遊技者に対してより明確に伝達することが可能となる。
【0165】
すなわち、ラウンド表示器462での簡素な形態での報知を補助するために、画像による表示制御は、主制御部310からのコマンド形式の制御指令信号に従って表示制御部370が表示制御を行うことにしたので、これによる主制御部310の制御負担も軽減させている。