【実施例1】
【0023】
[画像システム及び画像形成装置]
図1は、本発明の実施例1に係る画像処理装置を適用した画像システムの構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施例の画像システム1は、医用画像システムとして構成され、
図1のように、画像生成装置2、ユーザー端末装置3−1,3−2,…(以下、「ユーザー端末装置3−1,3−2,…」をユーザー端末装置3と総称することがある)、及び画像処理装置としての画像形成装置4−1,4−2,…(以下、「画像形成装置4−1,4−2,…」を画像形成装置4と総称することがある)がインターネットやLAN等のネットワーク5により接続されている。なお、画像システム1は、多階調モノクロ画像データを印刷するシステムであれば、医用に限られるものではない。
【0025】
画像生成装置2は、例えば、CT、MRI、CR、FDP、超音波診断装置等であり、輝度情報によって複数の階調が表現される医用画像データである多階調モノクロ画像データ(以下、「モノクロ画像データ」と称することがある)を生成する。
【0026】
ユーザー端末装置3は、パーソナルコンピューター等の情報処理装置であり、モニター等の表示装置31を備えている。このユーザー端末装置3は、画像生成装置2で生成されたモノクロ画像データを受信して例えば
図2に示すようなモノクロ画像を表示装置31に表示する。また、ユーザー端末装置3は、表示装置31に表示されたモノクロ画像に対し、必要に応じて画像形成装置4へ印刷を指示する。
【0027】
画像形成装置4は、カラープリンターやカラーデジタル複合機等であり、ユーザー端末装置3からの印刷指示に基づき、モノクロ画像を用紙上に印刷出力する。その際、必要に応じて多階調モノクロ画像データの輝度情報を色相情報に変換した後、印刷用の色空間の多階調カラー画像データ(以下、「カラー画像データ」と称することがある)を生成可能とする。
【0028】
図3は、
図1の画像システムに用いられる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0029】
画像形成装置4は、少なくとも操作表示パネル42、ネットワークインターフェイス43、画像形成部44、記憶部45、制御部46等を備えている。
【0030】
操作表示パネル42は、タッチパネル式の液晶表示画面等を備え、画像形成装置4に対する各種入力操作及びその入力結果の表示等を行わせるものである。
【0031】
ネットワークインターフェイス43は、画像生成装置2やユーザー端末装置3を含む外部装置に対してネットワーク5を通じたデータの送受信を行う。
【0032】
画像形成部44は、印刷指示に基づいて用紙上に画像を形成して印刷出力する出力部である。印刷指示は、例えば、ネットワークインターフェイス43を介してユーザー端末装置3等から印刷ジョブとして受信する。本実施例では、ユーザー端末装置3からモノクロ画像データの印刷指示を受け付けると、画像形成部44がモノクロ画像データに対する印刷出力を行う。
【0033】
画像形成部44は、一般的なカラープリンターの色空間であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、K(黒)のトナー像を重ね合わせることでカラー画像やモノクロ画像を印刷可能とする。なお、モノクロ画像については、K(黒)のトナー像のみでも印刷が可能となっている。
【0034】
また、画像形成部44は、濃度センサー441を有している。濃度センサー441は、フォトセンサーであり、後述するキャリブレーション処理(
図10参照)によって形成される濃度調整画像の濃度を検出する。濃度センサー441による検出濃度は、後述するガンマ補正テーブルを生成するために用いられる。
【0035】
制御部46は、CPU(Central processing Unit)等の演算装置であり、プログラムを実行することで各種の処理や制御を行う。
【0036】
記憶部45は、プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、補助記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)等である。
【0037】
本実施例の画像形成装置4は、制御部46が記憶部45内のプログラムを実行することにより、画像濃度調整部461、輝度情報取得部462、変換条件判断部463、色相情報置換部464、色変換部465、ガンマ補正処理部466、印刷処理部467として動作する。
【0038】
画像濃度調整部461は、画像濃度調整(キャリブレーション)機能を実現し、例えば、湿度、温度、印刷枚数等の一定の環境変化の条件を満たした場合に、階調再現性を維持するためのキャリブレーションを実行する。
【0039】
具体的には、画像形成部44を駆動して用紙上にCMYK各色の濃度調整画像を形成させるとともに、各色の濃度調整画像を濃度センサー441により読み取らせて濃度を検出する。そして、各色の濃度調整画像の濃度が目標濃度となるように、濃度を調整するガンマ補正テーブル451を作成して記憶部45内に記憶(更新)する。
【0040】
このキャリブレーションの結果、画像形成部44で再現可能なCMYKの各色の最高濃度並びにそれに基づく最低輝度及び最高輝度間の幅である出力輝度レンジが確定され、記憶部45内に記憶される。
【0041】
輝度情報取得部462は、輝度情報取得機能を実現し、印刷指示によってユーザー端末装置3から入力されたモノクロ画像データの輝度情報を入力輝度情報として取得する。この際、輝度情報取得部462は、入力輝度情報に基づいてモノクロ画像データの入力輝度レンジも取得する。入力輝度レンジは、モノクロ画像データの輝度ヒストグラムから把握可能な最低輝度及び最高輝度間の幅である。
【0042】
変換条件判断部463は、変換条件判断機能を実現し、入力されたモノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換するための置換条件を満たしているか否かを判断する。
【0043】
置換条件としては、モノクロ画像データの入力輝度レンジが自装置で再現可能な出力輝度レンジを超えていること、或いは、CMYKの何れか一つの最高濃度が予め設定された濃度(閾値)より低いこと等を設定することができる。この閾値は、本来の画像形成部44で再現可能なCMYK各色の最高濃度に対し、現状での再現可能な最高濃度が一定以上低いことを規定する。閾値よりも現状での最高濃度が低くなる場合としては、例えば、経年変化等により画像形成装置4の各部の特性が大きく変化した場合等である。
【0044】
色相情報置換部464は、色相情報置換機能を実現し、上述の置換条件を満たす場合に、輝度情報取得部462により取得されたモノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換して色相データを生成する。
【0045】
すなわち、本実施例の色相情報置換部464は、モノクロ画像データの入力輝度レンジが出力輝度レンジを超えている場合に、モノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換する。また、色相情報置換部464は、画像形成部44のキャリブレーション処理時に取得された再現可能な最大濃度が予め設定した閾値より低い場合にも、入力されたモノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換する。
【0046】
これらの置換の際には、モノクロ画像データの入力輝度レンジに対して画像形成部44で再現可能な出力色を均等に割り当てる。この置換処理(輝度/色相置換処理)の詳細については後述する。
【0047】
色変換部465は、色変換機能を実現し、色相情報置換部464により生成された色相データを印刷用の色空間であるCMYKに変換して多階調カラー画像データを生成する。なお、色相データは、印刷指示の際に入力された医用画像データに応じて、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)やCMYKの色空間となっている。ここでのCMYKは、印刷用のCMYKとは異なる。
【0048】
色変換部465は、色相情報置換部464で入力輝度情報を色相情報に置換しない場合、モノクロ画像データに対して直接印刷用の色空間のCMYKに変換した多階調カラー画像データを生成する。
【0049】
色変換処理には、記憶部45に記憶されたcLUT(Color Look-Up Table)からなる色変換テーブル452が用いられる。
【0050】
ガンマ補正処理部466は、色変換後のカラー画像データに対し、記憶部45内のガンマ補正テーブル451を用いてガンマ補正処理を行う。
【0051】
印刷処理部467は、ガンマ補正後のカラー画像データに基づき、画像形成部44による印刷出力を行わせる。なお、印刷出力の前には、スクリーン処理等が行われる。
[輝度/色相置換処理]
図4は、DAICOM規格のGSDFに基づく輝度/弁別域特性を示す図表、
図5は、画像形成装置によって用紙上に階調を再現する際の輝度/弁別域特性を示す図表である。
【0052】
図4においては、0〜4500cd/m
2の輝度レンジ内の輝度に対するJND(Just−Noticeable Difference)の値がプロットされている。なお、JDNは、平均的観察者が丁度(最小)識別可能である与えられたターゲットの輝度差であり、弁別域ともいう。
【0053】
一般に、医用のユーザー端末装置3の場合は、
図4のGSDFに準拠して、例えば一般画像を約100〜200cd/m
2、マンモグラフィー画像を約200〜800cd/m
2、レントゲン画像を約300〜400cd/m
2の範囲で階調を再現する。
【0054】
これに対し、画像形成装置4によって用紙上に再現可能な階調は、
図5の特性に応じて58〜126.8cd/m
2の出力輝度レンジ、つまり出力輝度レンジに応じた狭い階調レンジ(「階調数」と称することもある)のものとなっている。
【0055】
つまり、ユーザー端末装置3では再現できていたモノクロ画像の階調を用紙上で再現することができないことがあり、階調再現性が低くなる。このような階調再現性の低下は、画像形成装置4の経年劣化等によって出力輝度レンジが狭くなる場合にも生じる。
【0056】
本実施例では、上述のように、モノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換することで、階調再現性を向上させている。
【0057】
図6は、輝度情報の色相情報への置換を示す概念図である。なお、
図6では、
図5の輝度/弁別域特性の出力輝度レンジORに画像形成部44で再現可能な出力色の色相環HCを割り当てている。
【0058】
用紙上に印刷されるモノクロ画像の階調は、通常、
図5の出力輝度レンジ58〜126.8cd/m
2に応じた階調レンジの範囲内で再現されることになる。この階調レンジを、本実施例では、
図6のように割り当てられた色相環HCの色相の数(色数)に応じた階調レンジまで拡大することができる。
【0059】
すなわち、一般に輝度によって再現可能な階調レンジよりも色相によって再現可能な階調レンジ(色数)の方が多いため、出力輝度レンジOR内の各階調に対して、色相環HCの複数の色によって細分化された階調を形成することができる。
【0060】
図7は、画像形成装置で再現可能な出力色の色相環(色域)をCIE−LAB空間上で示す概念図である。この例の色相環HCは、Yellow(黄)、Green(緑)、Cyan(シアン)、Blue(青)、Magenta(マゼンタ)、Red(赤)の6色相を基本としている。本実施例では、これらの6色相を基本6色相と呼称する。
【0061】
画像形成装置4において色相により再現可能な階調数は、隣接する色相間の距離Dによって求めることができる。
図7の例では、全ての基本6色相が同一の彩度量(色相環HC上の径R)を有しているので、以下の式(1)によって階調数(色数)を近似できる。
【0062】
色数=彩度量(R)×2×π …… (1)
なお、実際上は、
図7のように全ての基本6色相が同一の彩度量を有することはなく、
図8のように基本6色相の彩度量がばらつくことになる。
【0063】
図8は、実際に画像形成装置で再現可能な出力色の色相環(色域)をCIE−LAB空間上で示す概念図、
図9は、
図8での色数の算出方法を示す概念図である。なお、
図8では、斜線を付した領域が色域である。
【0064】
図8の例では、基本6色相の彩度量がばらついているため、以下の式(2)に応じて
図9のような色相間のベクトルの長さを算出し合計することで、画像形成装置4での色相により再現可能な階調数(色数)を近似できる。
【0065】
色数=〔YellowとGreen(Greenは含まず)間のベクトル距離D1〕
+ 〔GreenとCyan(Cyanは含まず)間のベクトル距離D2〕
+ 〔CyanとBlue(Blueは含まず)間のベクトル距離D3〕
+ 〔BlueとMagenta(Magentaは含まず)間のベクトル距離D4〕
+ 〔MagentaとRed(Redは含まず)間のベクトル距離D5〕
+ 〔RedとYellow(Yellow含まず)間のベクトル距離D6〕
…… (2)
なお、基本とする色相数を増加させれば、実際に画像形成装置4で再現可能な色数を、より正確に求めることができる。また、色変換テーブルの設計において、基本6色相の彩度量が同じ彩度量になるようにすれば、上記(1)式のみの管理だけで色相環の色数を近似することができる。さらには、色変換テーブルの設計において、基本6色相の色相間の間隔を同じ間隔(等角)になるようにしても良い。
【0066】
こうして
図7及び
図8のように求められた数の出力色が、モノクロ画像データの入力輝度レンジに対して均等に割り当てられる。この結果、
図6で説明したように、モノクロ画像データの出力輝度レンジORによる階調レンジが、色相環HCによる階調レンジまで拡大される。なお、色相環HCは、126.8〜58cd/m
2の出力輝度レンジOR中、輝度の高い方からYellow、Green、Cyan、Blue、Magenta、Redというように割り当てられる。
[画像形成装置の動作]
以下、本発明の画像形成装置4の動作としてキャリブレーション処理及び輝度/色相置換処理について説明する。
【0067】
図10は、画像形成装置のキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【0068】
この処理は、例えば、画像形成装置4が温度、湿度、印刷枚数、連続印刷動作時間等の一定の条件を満たした場合、或いはユーザによりキャリブレーション指示操作が行われた場合等に開始される。
【0069】
キャリブレーション処理が開始されると、まずステップS1において、「濃度調整画像の印刷」が行われる。この処理では、画像濃度調整部461がCMYK各色の任意のパターンの濃度調整画像を画像形成部44により用紙上に印刷出力させる。
【0070】
こうしてステップS1の処理が完了すると、ステップS2に移行する。
【0071】
ステップS2では、「濃度の検出」が行われる。この処理では、用紙上に形成された各色の濃度調整画像の濃度が濃度センサー441で検出されて、検出された濃度を画像濃度調整部461が認識する。
【0072】
こうしてステップS2が完了すると、ステップS3に移行する。
【0073】
ステップS3では、「最高濃度の特定」が行われる。この処理では、画像濃度調整部461が、認識した濃度調整画像の濃度より各色の最高濃度を特定する。
【0074】
こうしてステップS3が完了すると、ステップS4に移行する。
【0075】
ステップS4では、「ガンマ補正テーブルの生成」を行う。この処理では、まず、画像濃度調整部461がステップS3で検出された各色の最高濃度と予め各色毎に設定されている目標濃度とを比較する。そして、画像濃度調整部461は、その比較結果に基づき、現在の動作環境での各色の濃度を目標濃度に近づけ或いは一致させる(階調再現性を維持する)ことを可能とするガンマ補正テーブル451を生成する。
【0076】
こうしてステップS4が完了すると、ステップS5に移行する。
【0077】
ステップS5では、「ガンマ補正テーブルの更新」が行われる。この処理では、画像濃度調整部461が、ステップS4で生成したガンマ補正テーブル451を記憶部45に記憶し、更新する。この更新の処理が完了することによってキャリブレーション処理が終了する。
【0078】
このとき、キャリブレーション後に画像形成部44で再現可能なCMYKの各色の最高濃度並びにそれに基づく最低輝度及び最高輝度間の幅である出力輝度レンジが確定され、記憶部45内に記憶され更新される。
【0079】
図11は、画像形成装置での輝度/色相変換処理を含む画像処理を示すフローチャートである。
【0080】
この画像処理は、例えば、多階調モノクロ画像を表示装置31に表示(モニター)している情報処理装置3から、表示中の多階調モノクロ画像の印刷指示を受け付けることにより開始される。
【0081】
画像処理が開始されると、まずステップS11で「入力輝度情報の取得」が行われる。
【0082】
この処理では、輝度情報取得部462が、情報処理装置3から印刷指示されたモノクロ画像データから入力輝度情報を取得する。
【0083】
こうしてステップS11が完了すると、ステップS12に移行する。
【0084】
ステップS12では、「輝度ヒストグラムの分析」が行われる。この処理では、輝度情報取得部462が、ステップS11で取得したモノクロ画像データの入力輝度情報に基づいて輝度ヒストグラムを生成し、その輝度ヒストグラムにおける最低輝度と最高輝度との幅である入力輝度レンジを把握する。
【0085】
こうしてステップS12が完了すると、ステップS13に移行する。
【0086】
ステップS13では、「自装置の出力輝度レンジの範囲内?」が行われる。この処理では、変換条件判断部463が、ステップS12で把握したモノクロ画像データの入力輝度レンジと自装置の出力輝度レンジを比較し、モノクロ画像データの入力輝度レンジが自装置の出力輝度レンジの範囲内か否かを判断する。
【0087】
モノクロ画像データの入力輝度レンジが自装置の出力輝度レンジの範囲内である場合には、画像形成部44で入力されたモノクロ画像データの階調を再現可能であり、ステップS14に移行する(YES)。
【0088】
一方、入力輝度レンジが出力輝度レンジの範囲外である場合には、画像形成部44でモノクロ画像データの階調を再現不能であり、ステップS15に移行する(NO)。
【0089】
ステップS14では、「最高濃度が閾値より高い?」が行われる。この処理では、変換条件判断部463が、キャリブレーション処理時に記憶しておいたCMYK各色の最高濃度を予め設定されている閾値と比較し、各色の最高濃度が対応する閾値より低い濃度であるか否かを判断する。
【0090】
この結果、CMYKの少なくとも一色の最高濃度が閾値より低い場合には、画像形成部44でモノクロ画像データの階調を再現可能であっても、階調再現性が低下していることになり、ステップS15に移行する(NO)。
【0091】
一方、CMYKの全色の最高濃度が閾値以上である場合には、画像形成部44でモノクロ画像データの階調を再現可能であり、且つ階調再現性の低下もないことになり、ステップS16に移行する(YES)。
【0092】
なお、ステップS13及びS14は、何れか一方のみを行う構成とすることも可能である。
【0093】
ステップS15では、「輝度/色相置換処理」が行われる。この処理では、色相情報置換部464が、輝度情報取得部462により取得されたモノクロ画像データの入力輝度情報を色相情報に置換する。
【0094】
具体的には、
図7及び
図8によって説明したように、色相環HCから求めた数の画像形成部44で出力可能な出力色を、医用画像データの入力輝度レンジに対して均等に割り当てる。この結果、入力輝度情報が色相情報に置換された色相データが生成される。
【0095】
こうしてステップS15が完了すると、ステップS16に移行する。
【0096】
ステップS16では、「色変換処理」を行う。すなわち、色変換部465は、ステップS15から移行した場合、入力輝度情報が色相情報に置換された色相データを、色変換テーブル452を参照して画像形成部44の印刷用の色空間であるCMYKに変換する。これにより、印刷用の多階調カラー画像データが生成されることになる。
【0097】
一方、ステップS14から移行した場合は、印刷指示によって入力された医用画像データが、直接画像形成部44の印刷用の色空間であるCMYKに変換される。これにより、印刷用の多階調モノクロ画像データが生成されることになる。
【0098】
こうしてステップS16が完了すると、ステップS17へ移行する。
【0099】
ステップS17では、「ガンマ補正処理」が行われる。この処理では、ガンマ補正処理部466が、印刷用の多階調カラー画像データ又は多階調モノクロ画像データに対してガンマ補正を行う。こうしてガンマ補正処理が完了すると、スクリーン処理等を経てカラー画像又はモノクロ画像が用紙上に印刷出力される。
【0100】
図12は、
図11の画像処理に基づくカラー医用画像の一例を示す。
【0101】
医用画像データが輝度/色相置換処理を経て出力されたカラー医用画像は、
図12のように、モノクロ医用画像(
図3参照)の階調変化が色相の変化として出力画像上に現われる。
【0102】
従って、本実施例では、多階調モノクロ画像データからモノクロ画像を出力した場合に用紙上で再現できない階調であっても、入力輝度情報を色相情報に変換した後にカラー画像として出力することで、色相の変化として再現可能となる。
[実施例1の効果]
本実施例では、入力された多階調モノクロ画像データである医用画像データの入力輝度情報を取得する輝度情報取得部462と、取得された入力輝度情報を色相情報に置換して色相データを生成する色相情報置換部464と、色相データを印刷用の色空間に変換して多階調カラー画像データを生成する色変換部465とを備える。
【0103】
従って、本実施例では、多階調モノクロ画像データから印刷を行う場合に、モノクロ画像として用紙上で再現できない階調であっても、カラー画像の色相による階調として用紙上に再現することができる。
【0104】
すなわち、本実施例では、用紙上での階調を輝度に代えて色相に基づいて再現することができ、階調再現性を向上させることができる。結果として、用紙上に階調が正確に再現されたカラー画像によって、正確な診断等を行わせることが可能となる。
【0105】
また、本実施例では、色相情報置換部464は、モノクロ画像データの入力輝度レンジが自装置で再現可能な出力輝度レンジを超えている場合に入力輝度情報を色相情報に置換する。
【0106】
従って、モノクロ画像データの階調を、画像形成部44でモノクロ画像として用紙上に再現できる場合に、そのままモノクロ画像として印刷し、輝度による階調として用紙上に再現することができる。一方、医用画像データの階調を、モノクロ画像として用紙上に再現できない場合、カラー画像として印刷し、色相による階調として用紙上に再現することができる。
【0107】
この場合、色相情報置換部464は、入力輝度レンジに対して画像形成部44で再現可能な出力色を割り当てて入力輝度情報を色相情報に置換する。
【0108】
従って、本実施例では、画像形成部44で再現可能な色相によって入力輝度情報を色相情報に置換することができ、確実に階調再現性を向上することができる。
【0109】
また、本実施例では、色相情報置換部464が、キャリブレーション処理時に取得された再現可能な最高濃度が予め設定した閾値より低い場合に入力輝度情報を色相情報に置換する。
【0110】
従って、本実施例では、モノクロ画像データの入力輝度レンジが自装置で再現可能な出力輝度レンジを超えているか否かに拘わらず、画像形成装置4の最高濃度が著しく低下した場合にも階調再現性を確実に向上することができる。