特許第6014015号(P6014015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014015
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】電池情報収集装置及び電池情報収集方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20161011BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20161011BHJP
   G01R 31/36 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01R31/02
   H01M10/48 P
   G01R31/36 AZHV
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-261018(P2013-261018)
(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公開番号】特開2015-117990(P2015-117990A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2015年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】加茂 光広
(72)【発明者】
【氏名】小塚 悠介
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−250614(JP,A)
【文献】 特開平03−086650(JP,A)
【文献】 特開2011−019152(JP,A)
【文献】 特開2010−232785(JP,A)
【文献】 特開2011−024000(JP,A)
【文献】 特開2010−109662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02−31/06
H01M 10/42−10/48
H04B 1/60
H04B 3/46− 3/493
H04B 17/00−17/40
H04L 12/42−12/437
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ある電池ブロックのそれぞれに対応付けられて、その対応付けられた電池ブロックの電池の状態を検出するとともに、その検出した電池の状態を電池情報としてバス型接続される通信線に出力する複数の電池状態検出部と、
前記通信線にバス型接続される第1の通信部と第2の通信部とを有し、それら第1及び第2の通信部を介して前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を収集する電池情報収集部とを備え、
前記通信線は、前記複数の電池状態検出部の1又は複数に割り当てられて当該割り当てられた電池状態検出部バス型接続される分岐線を有する複数の連絡線と、前記連絡線同士を接続する接続線と、前記連絡線の一つに前記第1の通信部を接続する接続線と、前記連絡線の他の一つに前記第2の通信部を接続する接続線とが直列に接続されており、
前記連絡線の両端に各対応する接続線と接続可能に設けられた1の連絡線側接続部と、同一の連絡線に接続される一対の接続線が当該連絡線と接続可能に設けられた1の接続線側接続部とが着脱可能に構成されており、
前記電池情報収集部は、前記第1の通信部を介して収集される電池情報と前記第2の通信部を介して収集される電池情報との組合せを、「正常」、「通信線の断線による異常」、「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び「電池状態検出部の異常」のいずれかに対応させる情報を予め記憶部に記憶しており、前記第1の通信部を介して収集された電池情報及び前記第2の通信部を介して収集された電池情報の組合せを前記記憶部に記憶される情報と比較することで、発生した異常が前記「通信線の断線による異常」、前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び前記「電池状態検出部の異常」のいずれであるかを判断する
電池情報収集装置。
【請求項2】
前記複数の連絡線は、前記複数の電池状態検出部のそれぞれに1つずつ割り当てられている
請求項1に記載の電池情報収集装置。
【請求項3】
前記記憶部には、前記第1及び第2の通信部を介して収集される電池情報の組合せを、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱によ
る異常、及び前記電池状態検出部の異常のうちの対応する異常の発生している位置に関連付ける情報がさらに記憶されており、
前記電池情報収集部は、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のいずれか1つの異常が発生していると判断したとき、その異常の発生している位置を特定する
請求項1又は2に記載の電池情報収集装置。
【請求項4】
前記通信線にバス接続されている前記複数の電池状態検出部について通信経路上での位置を前記第1の通信部から前記第2の通信部に向かって1番目からn番目(nは正の整数)とするとき、
前記電池情報収集部は、各電池状態検出部から得られる電池情報の「正常」又は「異常」を判定し、
前記第1の通信部で1番目からn番目までの各電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「正常」であるとともに、前記第2の通信部でn番目から1番目までの各電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「正常」であることに基づいて「正常」であると判定し、
前記第1の通信部でm番目(mはn以下の正の整数)からn番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」であるとともに、前記第2の通信部でm番目から1番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」である、かつ、その他の電池情報は「正常」であることに基づいて、m個目の電池状態検出部に対応する前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」と判定し、
前記第1の通信部でp番目からn番目(pは2以上n以下の整数)までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」であるとともに、前記第2の通信部でp−1番目から1番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」である、かつ、その他の電池情報は「正常」であることに基づいて、p−1番目とp番目との間における前記「通信線の断線による異常」と判定し、
前記第1の通信部でm番目の電池状態検出部から得られる電池情報が「異常」であるとともに、前記第2の通信部でもm番目の電池状態検出部から得られる電池情報が「異常」であることに基づいて、m番目の電池状態検出部について前記「電池状態検出部の異常」と判定する
請求項3に記載の電池情報収集装置。
【請求項5】
複数ある電池ブロックのそれぞれに対応付けられて、その対応付けられた電池ブロックの電池の状態を検出するとともに、その検出した電池の状態を電池情報としてバス型接続される通信線に出力する複数の電池状態検出部と、
前記通信線にバス型接続される第1の通信部と第2の通信部とを有し、それら第1及び第2の通信部を介して前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を収集する電池情報収集部とを備えるとともに、
前記通信線を、前記複数の電池状態検出部の1又は複数に割り当てられて当該割り当てられた電池状態検出部バス型接続さ分岐線を有する複数の連絡線と、前記連絡線同士を接続させる接続線と、前記連絡線の一つに前記第1の通信部を接続させる接続線と、前記連絡線の他の一つに前記第2の通信部に接続させる接続線とで直列に接続し、
前記連絡線の両端に各対応する接続線と接続可能に設けた1の連絡線側接続部と、同一の連絡線に接続される一対の接続線が当該連絡線と接続可能に設けた1の接続線側接続部とを着脱可能に接続させる電池情報収集方法であって、
前記電池情報収集部には、前記第1の通信部を介して収集される電池情報と前記第2の通信部を介して収集される電池情報との組合せを、「正常」、「通信線の断線による異常」、「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び「電池状態検出部の異常」のいずれかに対応させた情報を予め記憶部に記憶させ、
前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を、前記電池情報収集部に前記第1
及び第2の通信部の両方から収集させるとともに、前記第1の通信部を介して収集された電池情報及び前記第2の通信部を介して収集された電池情報の組合せを前記記憶部に記憶された情報と比較させることで、発生した異常が前記「通信線の断線による異常」、前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び前記「電池状態検出部の異常」のいずれであるか判断する
電池情報収集方法。
【請求項6】
前記複数の連絡線を、前記複数の電池状態検出部のそれぞれに1つずつ割り当てる
請求項5に記載の電池情報収集方法。
【請求項7】
前記記憶部には、前記第1及び第2の通信部を介して収集される電池情報の組合せを、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のうちの対応する異常の発生している位置に関連付ける情報をさらに記憶させ、
前記電池情報収集部には、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のいずれか1つの異常が発生していると判断されたとき、その異常の発生している位置を特定させる
請求項5又は6に記載の電池情報収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池からそれら電池に関する情報を収集する電池情報収集装置、及び、電池情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、携帯用の電子機器の電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、ニッケル水素二次電池(蓄電池)等のアルカリ二次電池や、リチウムイオン二次電池等、様々な二次電池(以下、単に電池と称することもある)が用いられている。
【0003】
ところで、自動車においては、複数の電池からなる組電池を動力源として備え、こうした組電池を構成する各電池の充放電をそれら電池の電圧などの電池情報に基づいて制御している。例えば各電池の電池情報を取得する技術の一例が特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の電圧測定装置(電圧測定部)は、互いに中継信号線を介して直列に接続され、電池ブロックの端子間電圧を示す電圧情報を順次中継する電圧検出部と、第1出力信号線を介して電圧検出部に電圧要求信号を出力するとともに、電圧検出部が中継した電圧情報を第1入力信号線を介して入力される電圧情報収集部とを備える。電圧検出部は、中継信号線を介して電圧情報をシリアル方式で順次中継する。電圧情報収集部は、出力した電圧要求信号に対応する電圧検出部からの電圧情報を入力する。また、電圧情報収集部は、第1出力信号線を介して出力した電圧要求信号に対応する電圧検出部からの応答がエラーの場合、第2出力信号線を介して電圧検出部に新たな電圧要求信号を出力する。つまり、第2出力信号線に対応する電圧検出部に電圧要求信号を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4857301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電圧測定装置ではこのように、第1出力信号線を介した通信にエラーが生じたようなときでも、第2出力信号線を介した通信により電圧検出部に電圧要求信号を出力することで電圧を取得することができる。
【0007】
ただし、同文献に記載の装置は、第2出力信号線の数が多くなると配線が煩雑になり、逆に第2出力信号線の数が少ないと、1つの第2出力信号線に複数の電池が対応することとなる。このため、通信に異常が生じるようなことがあると、この異常が生じた位置から次の第2出力信号線までに含まれる電池からの電池情報も取得できなくなるおそれがある。
【0008】
なお、こうして取得対象となる電池情報は、電圧に限られるものではなく、電流や温度などに関する情報であっても同様である。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、配線の煩雑化を抑えつつ、通信に異常が発生したときであれ、より多くの電池の電池情報を収集することのできる電池情報収集装置及び電池情報収集方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する電池情報収集装置は、複数ある電池ブロックのそれぞれに対応付けられて、その対応付けられた電池ブロックの電池の状態を検出するとともに、その検出した電池の状態を電池情報としてバス型接続される通信線に出力する複数の電池状態検出部と、前記通信線にバス型接続される第1の通信部と第2の通信部とを有し、それら第1及び第2の通信部を介して前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を収集する電池情報収集部とを備え、前記通信線は、前記複数の電池状態検出部の1又は複数に割り当てられて当該割り当てられた電池状態検出部バス型接続される分岐線を有する複数の連絡線と、前記連絡線同士を接続する接続線と、前記連絡線の一つに前記第1の通信部を接続する接続線と、前記連絡線の他の一つに前記第2の通信部を接続する接続線とが直列に接続されており、前記連絡線の両端に各対応する接続線と接続可能に設けられた1の連絡線側接続部と、同一の連絡線に接続される一対の接続線が当該連絡線と接続可能に設けられた1の接続線側接続部とが着脱可能に構成されており、前記電池情報収集部は、前記第1の通信部を介して収集される電池情報と前記第2の通信部を介して収集される電池情報との組合せを、「正常」、「通信線の断線による異常」、「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び「電池状態検出部の異常」のいずれかに対応させる情報を予め記憶部に記憶しており、前記第1の通信部を介して収集された電池情報及び前記第2の通信部を介して収集された電池情報の組合せを前記記憶部に記憶される情報と比較することで、発生した異常が前記「通信線の断線による異常」、前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び前記「電池状態検出部の異常」のいずれであるかを判断することを要旨とする。
【0010】
上記課題を解決する電池情報収集方法は、複数ある電池ブロックのそれぞれに対応付けられて、その対応付けられた電池ブロックの電池の状態を検出するとともに、その検出した電池の状態を電池情報としてバス型接続される通信線に出力する複数の電池状態検出部と、前記通信線にバス型接続される第1の通信部と第2の通信部とを有し、それら第1及び第2の通信部を介して前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を収集する電池情報収集部とを備えるとともに、前記通信線を、前記複数の電池状態検出部の1又は複数に割り当てられて当該割り当てられた電池状態検出部バス型接続さ分岐線を有する複数の連絡線と、前記連絡線同士を接続させる接続線と、前記連絡線の一つに前記第1の通信部を接続させる接続線と、前記連絡線の他の一つに前記第2の通信部に接続させる接続線とで直列に接続し、前記連絡線の両端に各対応する接続線と接続可能に設けた1の連絡線側接続部と、同一の連絡線に接続される一対の接続線が当該連絡線と接続可能に設けた1の接続線側接続部とを着脱可能に接続させる電池情報収集方法であって、前記電池情報収集部には、前記第1の通信部を介して収集される電池情報と前記第2の通信部を介して収集される電池情報との組合せを、「正常」、「通信線の断線による異常」、「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び「電池状態検出部の異常」のいずれかに対応させた情報を予め記憶部に記憶させ、前記複数の電池状態検出部から出力される電池情報を、前記電池情報収集部に前記第1及び第2の通信部の両方から収集させるとともに、前記第1の通信部を介して収集された電池情報及び前記第2の通信部を介して収集された電池情報の組合せを前記記憶部に記憶された情報と比較させることで、発生した異常が前記「通信線の断線による異常」、前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」、及び前記「電池状態検出部の異常」のいずれであるか判断することを要旨とする。
【0011】
このような構成または方法によれば、通信線がバス型であるため連絡線にバス型接続される電池状態検出部に異常が生じたとしても当該連絡線を含む通信線は正常に維持される。また、通信線が切断されたとしても電池状態検出部の出力する電池情報は第1又は第2の通信部を経由して電池情報収集部に収集される。さらに、連絡線側接続部と接続線側接続部とが離脱したとしても離脱した電池状態検出部以外の電池状態検出部から出力される電池情報は電池情報収集部に収集される。これにより、電池情報収集装置は、配線の多重化などによる配線の煩雑化を抑えつつ、通信線を通じての電池情報の収集に異常が発生したときであれ、より多くの電池の電池情報を収集することができる。
【0012】
また、これら通信線に異常が生じたとき、第1の通信部及び第2の通信部を経由して収集されるそれぞれの正常な電池情報にはそれを出力する電池状態検出部の組み合わせについて相違が生じる。そこで、こうした組み合わせの相違に基づき、通信線を通じた通信に関する異常について、生じた異常の種類や、異常の生じた位置を特定させることも可能になる。
【0013】
なお、連絡線側接続部や接続線側接続部としては、具体的には配線や通信線の接続用のコネクタなどが挙げられる
【0015】
さらに、このような構成または方法によれば、通信線の断線による異常、連絡線側接続部と前記接続線側接続部との離脱による異常、及び電池状態検出部の異常のいずれか1つが、2つの通信部によりそれぞれ収集される電池情報の正常/異常、つまり当該正常又は異常な電池情報に対応する電池状態検出部の組み合わせの相違に基づいて判断される。これにより、電池情報収集装置に生じた異常について、その把握及び管理が容易になる。
好ましい構成として、前記複数の連絡線は、前記複数の電池状態検出部のそれぞれに1つずつ割り当てられている。
好ましい方法として、前記複数の連絡線を、前記複数の電池状態検出部のそれぞれに1つずつ割り当てる。
このような構成または方法によれば、電池状態検出部ごとに連絡線が設けられることに
より、異常が発生した位置を特定する精度の向上が図られるようになる。
【0016】
好ましい構成として、前記記憶部には、前記第1及び第2の通信部を介して収集される電池情報の組合せを、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のうちの対応する異常の発生している位置に関連付ける情報がさらに記憶されており、前記電池情報収集部は、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のいずれか1つの異常が発生していると判断したとき、その異常の発生している位置を特定する。
【0017】
好ましい方法として、前記記憶部には、前記第1及び第2の通信部を介して収集される電池情報の組合せを、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のうちの対応する異常の発生している位置に関連付ける情報をさらに記憶させ、前記電池情報収集部には、前記通信線の断線による異常、前記連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常、及び前記電池状態検出部の異常のいずれか1つの異常が発生していると判断されたとき、その異常の発生している位置を特定させる。
【0018】
このような構成または方法によれば、異常が発生している位置について、2つの通信部によりそれぞれ収集される電池情報の正常/異常、つまり当該正常又は異常な電池情報に対応する電池状態検出部の組み合わせの相違に基づいて特定される。これにより、電池情報収集装置に生じた異常について、その把握や管理が容易になる。
【0019】
好ましい構成として、 前記通信線にバス接続されている前記複数の電池状態検出部について通信経路上での位置を前記第1の通信部から前記第2の通信部に向かって1番目からn番目(nは正の整数)とするとき、前記電池情報収集部は、各電池状態検出部から得られる電池情報の「正常」又は「異常」を判定し、前記第1の通信部で1番目からn番目までの各電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「正常」であるとともに、前記第2の通信部でn番目から1番目までの各電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「正常」であることに基づいて「正常」であると判定し、前記第1の通信部でm番目(mはn以下の正の整数)からn番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」であるとともに、前記第2の通信部でm番目から1番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」である、かつ、その他の電池情報は「正常」であることに基づいて、m個目の電池状態検出部に対応する前記「連絡線側接続部と接続線側接続部との離脱による異常」と判定し、前記第1の通信部でp番目からn番目(pは2以上n以下の整数)までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」であるとともに、前記第2の通信部でp−1番目から1番目までの電池状態検出部からそれぞれ得られる電池情報が「異常」である、かつ、その他の電池情報は「正常」であることに基づいて、p−1番目とp番目との間における前記「通信線の断線による異常」と判定し、前記第1の通信部でm番目の電池状態検出部から得られる電池情報が「異常」であると
ともに、前記第2の通信部でもm番目の電池状態検出部から得られる電池情報が「異常」であることに基づいて、m番目の電池状態検出部について前記「電池状態検出部の異常」と判定する。
【0020】
このような構成によれば、第1の通信部経由及び第2の通信部経由により収集される通信データの正常/異常の状態に基づいて、その状態について、異常の種類及び異常の発生している位置を特定することができる。
【発明の効果】
【0021】
この電池情報収集装置及び電池情報収集方法によれば、配線の煩雑化を抑えつつ、通信に異常が発生したときであれ、より多くの電池の電池情報を収集することのできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】電池情報収集装置の一実施形態について、その概略構造を模式的に示すブロック図。
図2】同電池情報収集装置の状態が正常であるとき、メイン通信部とサブ通信部とによって収集される各データの正常/異常の態様を示す図。
図3】同電池情報収集装置における第4の電圧計測部に異常がある例を示す模式図。
図4図3に示すように第4の電圧計測部に異常があるとき、メイン通信部とサブ通信部とによって収集される各データの正常/異常の態様を示す図。
図5】同電池情報収集装置における第4の電圧監視部にコネクタ抜けが生じている例を示す模式図。
図6図5に示すように第4の電圧監視部にコネクタ抜けが生じているとき、メイン通信部とサブ通信部とによって収集される各データの正常/異常の態様を示す図。
図7】同電池情報収集装置における第3の電圧計測部と第4の電圧計測部との間で断線している例を示す模式図。
図8図7に示すように第3の電圧計測部と第4の電圧計測部との間で断線しているとき、メイン通信部とサブ通信部とによって収集される各データの正常/異常の態様を示す図。
図9】同電池情報収集装置の状態を判定するための条件を示す図。
図10】同電池情報収集装置の状態を判定するための条件を示す図。
図11】同電池情報収集装置の状態を判定するための条件を示す図。
図12】同電池情報収集装置における通信線の正常/異常を判定するための処理を示すフローチャート。
図13】同電池情報収集装置におけるメイン通信部が収集するデータの正常/異常を判定する処理を示すフローチャート。
図14】同電池情報収集装置におけるサブ通信部が収集するデータの正常/異常を判定する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
電池情報収集装置の一実施形態について、図1〜14を参照して説明する。なお、本実施形態の電池情報収集装置は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車の車両の動力源もしくは補助動力源となる電動モータに電力を供給する、複数の電池を含み構成される組電池から電池情報を取得する場合について例示する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の電池情報収集装置は、車両の電池群10に接続され、その電池群10から電池情報としての電圧を計測する複数の電池状態検出部としての電圧計測部201〜206を備える。また、電池情報収集装置は、複数の電圧計測部201〜206に通信可能に通信線によって接続されるとともに、各電圧計測部201〜206により計測された各電圧値を収集する電池情報収集部としての電圧情報収集部30を備える。なお、通信線は、いわゆるバス型の通信線であって、各電圧計測部201〜206及び電圧情報収集部30をバス型接続させることのできる通信線である。こうしたバス型の通信線を利用した通信方式としては、コントローラエリアネットワーク(CAN)や、イーサーネット10BASE2などが挙げられるが、その他の汎用の通信方式、専用の通信方式など各種の通信方式であってもよい。
【0025】
電池群10は、複数の電池ブロックB1〜B6を備え、それら複数ある電池ブロックB1〜B6のそれぞれの端子間電圧を対応する第1〜第6の電圧計測部201〜206に計測させることが可能になっている。こうした電池ブロックB1〜B6としては、複数の単電池から構成される電池モジュールが複数個直列接続されたものが挙げられる。
【0026】
第1〜第6の電圧計測部201〜206は、それぞれの接続されている各電池ブロックB1〜B6の端子間電圧を計測(監視)するとともに、その計測(監視)した電圧を電圧情報収集部30へ出力する。つまり第1〜第6の電圧計測部201〜206は、複数ある電池ブロックB1〜B6のそれぞれに対応付けられて、その対応付けられた電池ブロックB1〜B6の端子間電圧を電池の状態として検出する。詳述すると、第1の電圧計測部201は電池ブロックB1の端子間電圧を計測し、第2の電圧計測部202は電池ブロックB2の端子間電圧を計測し、第3の電圧計測部203は電池ブロックB3の端子間電圧を計測する。また、第4の電圧計測部204は電池ブロックB4の端子間電圧を計測し、第5の電圧計測部205は電池ブロックB5の端子間電圧を計測し、第6の電圧計測部206は電池ブロックB6の端子間電圧を計測する。なお第1〜第6の電圧計測部201〜206は、同様の構成をしていることから、以下では、第1〜第6の電圧計測部201〜206を区別する必要のないとき、単に電圧計測部20と記す。
【0027】
電圧計測部20は、対応付けられている電池ブロックの端子間電圧を計測(監視)する電圧監視部21と、電圧監視部21の計測(監視)した電圧を入力し、その入力した電圧を電圧情報収集部30へ出力する通信部22とを備えている。また、電圧計測部20は、バス型の通信線の一部を構成する連絡線24と、連絡線24の両端が接続される連絡線側接続部としての計測部コネクタ23と、連絡線24に通信部22をバス型接続させる分岐線25とを備えている。
【0028】
電圧監視部21は、対応する電池ブロックの出力端子に接続され、当該出力端子の端子間電圧を計測し、その計測した電圧の計測値を通信部22へ出力する。電圧監視部21は、所定の間隔、及び電圧情報収集部30からの要求の少なくとも一方に応じて端子間電圧の計測を行う。
【0029】
通信部22は、バス型の通信線との間、つまり連絡線24との間で通信データの授受を行う。通信部22は、電圧監視部21から入力された計測値を通信データとしてバス型の通信線に送信することができる。つまり、通信部22から電圧情報収集部30へ計測値が通信データとして送信される。また通信部22は、バス型の通信線に送信されている通信データを受信することができる。例えば、通信部22は、電圧情報収集部30などから送信される信号をバス型の通信線、つまり連絡線24から受信することができる。
【0030】
連絡線24は、上述のようにバス型の通信線の一部を構成しつつ電圧計測部20に割り当てられている。また、連絡線24は、バス型の通信線であることから、当該連絡線24にバス型接続される通信部22や電圧監視部21の作動状態にかかわらず通信データを伝達させることができる。
【0031】
計測部コネクタ23は、配線や通信線の接続用のコネクタであって、連絡線24をバス型の通信線の一部に組み込むため電圧情報収集部30に直列接続される外部からの通信線が接続されるコネクタである。計測部コネクタ23は、外部からの通信線が接続されることとなる連絡線24の両端を機械的に一体化させている。つまり計測部コネクタ23は、連絡線24の両端に各対応する外部からの通信線(接続線)と接続可能に設けられている。このように、連絡線24の両端を計測部コネクタ23により機械的に一体化させることで、この連絡線24の両端に接続される外部からの各通信線についても対応するコネクタによって機械的に一体化させた態様で計測部コネクタ23に接続させることができるようになる。
【0032】
電圧情報収集部30は、複数の電圧計測部20から出力される電圧の計測値を通信線を介した通信を通じて収集する。電圧情報収集部30は、電圧の計測値を収集したり、収集した電圧の計測値に所定の処理を施したりするための情報処理部31と、情報処理部31との間でデータの授受が可能な第1の通信部としてのメイン通信部32と、第2の通信部としてのサブ通信部33とを備えている。
【0033】
情報処理部31は、演算部や記憶部などを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。情報処理部31は、記憶部などに格納されている各種データ及びプログラムに基づく各種情報処理を実行することで、例えば、充放電の制御に関する情報を算出する。また本実施形態では、記憶部には電圧計測部との間の通信に関する異常を判定するためのプログラムや各種情報が記憶(保有)されている。そして情報処理部31では、充放電の制御に関する情報などを算出するとともに、電圧計測部20との通信に関する異常を判定する処理が行われる。また、情報処理部31は、メイン通信部32やサブ通信部33を経由しての通信データの送受信処理を行う。よって情報処理部31は、バス型の通信線に送信する通信データを所定の処理に基づいて生成することができる。また情報処理部31は、バス型の通信線から受信した通信データを記憶することができ、記憶した通信データに対して処理を行うことができる。
【0034】
メイン通信部32は、バス型の通信線にバス型接続され、当該接続された通信線を介して通信データを送受信する。またサブ通信部33は、バス型の通信線にバス型接続され、当該接続された通信線を介して通信データを送受信する。また、メイン通信部32とサブ通信部33とは、同一のバス型の通信線に接続される。よって、例えば、メイン通信部32及びサブ通信部33は、同一のバス型の通信線を介して、いずれか一方の通信部から送信した通信データを他方の通信部にて受信させることができる。また、メイン通信部32及びサブ通信部33は、バス型の通信線に接続されている各電圧計測部20から送信される通信データを受信(収集)することができる。また、メイン通信部32及びサブ通信部33は、各電圧計測部20に対して通信データを送信(出力)することができる。
【0035】
また、電圧情報収集部30は、バス型の通信線の一部を構成しつつ、バス型の通信線の端部となる第1の端末線35と、同様にバス型の通信線の一部を構成しつつ、バス型の通信線の端部となる第2の端末線37とを備える。第1の端末線35は、その一方の端部が収集部コネクタ34に配置されて外部からの通信線を接続させることができるようになっている一方、その他方の端部は終端となっておりその先には通信部が接続されない。同様に、第2の端末線37は、その一方の端部が収集部コネクタ34に配置されて外部からの通信線を接続させることができるようになっている一方、その他方の端部は終端となっておりその先には通信部が接続されない。よって、第1の端末線35と第2の端末線37とを含み構成されるバス型の通信線は、その一方の端部が第1の端末線35によって構成され、他方の端部が第2の端末線37によって構成される。換言すると、バス型の通信線は、その始点及び終点を電圧情報収集部30に備える態様でループ状に構成される。つまりメイン通信部32は、第1の端末線35に分岐線36を介してバス型接続されるとともに、サブ通信部33は、第2の端末線37に分岐線38を介してバス型接続される。よって、バス型の通信線において、その一方の最端位置に第1の端末線35にバス型接続されるメイン通信部32が配置され、その他方の最端位置に第2の端末線37にバス型接続されるサブ通信部33が配置される。
【0036】
収集部コネクタ34は、配線や通信線の接続用のコネクタであって、第1の端末線35及び第2の端末線37をバス型の通信線に組み込ませるため、外部からの通信線である接続線としての第1及び第2の収集線41,42を接続させるコネクタである。第1及び第2の収集線41,42は、電圧情報収集部30を電圧計測部20の連絡線24に直列接続させる通信線である。
【0037】
収集部コネクタ34は、第1の端末線35の一方の端部及び第2の端末線37の一方の端部を一組として機械的に一体化させている。つまり、収集部コネクタ34は、第1の端末線35及び第2の端末線37の両端に各対応する第1及び第2の収集線41,42と接続可能に設けられている。このように、第1の端末線35及び第2の端末線37を収集部コネクタ34により一組とさせることで、電圧情報収集部30に接続される第1及び第2の収集線41,42についても、それらの電圧情報収集部30に接続される一対の端部を対応するコネクタにより一組とさせた態様で収集部コネクタ34に接続させることができるようになる。
【0038】
続いて、本実施形態のバス型の通信線の構成について説明する。
本実施形態のバス型の通信線は、一方の端部が第1の端末線35より構成され、他方の端部が第2の端末線37より構成される。そこで、第1の端末線35から第2の端末線37への順に、バス型の通信線の構成について説明する。バス型の通信線は、電圧情報収集部30の第1の端末線35と、電圧情報収集部30と第1の電圧計測部201とを接続する第1の収集線41と、第1の電圧計測部201に割り当てられた連絡線24と、第1の電圧計測部201と第2の電圧計測部202とを接続する接続線としての第1の渡り線441とを直列に接続させている。また、バス型の通信線は、第1の渡り線441に続いて、第2の電圧計測部202に割り当てられた連絡線24と、第2の電圧計測部202と第3の電圧計測部203とを接続する接続線としての第2の渡り線442と、第3の電圧計測部203に割り当てられた連絡線24と、第3の電圧計測部203と第4の電圧計測部204とを接続する接続線としての第3の渡り線443とを直列に接続させている。また、バス型の通信線は、第3の渡り線443に続いて、第4の電圧計測部204に割り当てられた連絡線24と、第4の電圧計測部204と第5の電圧計測部205とを接続する接続線としての第4の渡り線444と、第5の電圧計測部205に割り当てられた連絡線24と、第5の電圧計測部205と第6の電圧計測部206とを接続する接続線としての第5の渡り線445とを直列に接続させている。そして、バス型の通信線は、第5の渡り線445に続いて、第6の電圧計測部206に割り当てられた連絡線24と、第6の電圧計測部206と電圧情報収集部30とを接続する第2の収集線42と、電圧情報収集部30の第2の端末線37とを直列に接続させている。つまり、バス型の通信線は、メイン通信部32が分岐線36で接続される位置とサブ通信部33が分岐線38で接続される位置との間に第1〜第6の電圧計測部201〜206に割り当てられた各連絡線24が直列に接続されている。
【0039】
電圧情報収集部30と第1の電圧計測部201とを接続する第1の収集線41と、第6の電圧計測部206と電圧情報収集部30とを接続する第2の収集線42とのそれぞれの電圧情報収集部30に接続される端部は、接続部としての外部コネクタ40によって機械的に一体化されている。外部コネクタ40は、配線や通信線の接続用のコネクタである。よって、外部コネクタ40によって機械的に一体化されている第1の収集線41及び第2の収集線42の端部と、収集部コネクタ34によって機械的に一体化されている第1の端末線35及び第2の端末線37とが接続されるようになる。つまり、外部コネクタ40は、第1の端末線35と第2の端末線37とに各接続される一対の第1の収集線41と第2の収集線42とがそれら端末線35,37に接続可能に設けられている。これにより、第1の端末線35及び第2の端末線37と、第1の収集線41及び第2の収集線42とはそれらの接続/非接続が収集部コネクタ34と外部コネクタ40との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0040】
第1の電圧計測部201に接続される、第1の収集線41と第1の渡り線441とのそれぞれの端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ431によって機械的に一体化されている。よって、外部コネクタ431によって機械的に一体化されている第1の収集線41及び第1の渡り線441の端部と、計測部コネクタ23によって機械的に一体化されている第1の電圧計測部201の連絡線24の両端とが接続されるようになる。つまり、外部コネクタ431は、同一の連絡線24に接続される一対の第1の収集線41と第1の渡り線441とが当該連絡線24と接続可能に設けられている。これにより、第1の電圧計測部201の連絡線24の両端と、第1の収集線41及び第1の渡り線441とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ431との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0041】
第2の電圧計測部202に接続される、第1の渡り線441及び第2の渡り線442の各端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ432によって機械的に一体化されている。つまり、外部コネクタ432は、同一の連絡線24に接続される一対の第1の渡り線441と第2の渡り線442とが当該連絡線24と接続可能に設けられている。これにより、第2の電圧計測部202の連絡線24の両端と、第1の渡り線441及び第2の渡り線442とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ432との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0042】
第3の電圧計測部203に接続される、第2の渡り線442及び第3の渡り線443の各端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ433によって機械的に一体化されている。つまり、外部コネクタ433は、同一の連絡線24に接続される一対の第2の渡り線442と第3の渡り線443とが当該連絡線24と接続可能に設けられている。これにより、第3の電圧計測部203の連絡線24の両端と、第2の渡り線442及び第3の渡り線443とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ433との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0043】
第4の電圧計測部204に接続される、第3の渡り線443及び第4の渡り線444の各端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ434によって機械的に一体化されている。つまり、外部コネクタ434は、同一の連絡線24に接続される一対の第3の渡り線443と第4の渡り線444とが当該連絡線24と接続可能に設けられている。これにより、第4の電圧計測部204の連絡線24の両端と、第3の渡り線443及び第4の渡り線444とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ434との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0044】
第5の電圧計測部205に接続される、第4の渡り線444及び第5の渡り線445の各端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ435によって機械的に一体化されている。つまり、外部コネクタ435は、同一の連絡線24に接続される一対の第4の渡り線444と第5の渡り線445とが当該連絡線24に接続可能に設けられている。これにより、第5の電圧計測部205の連絡線24の両端と、第4の渡り線444及び第5の渡り線445とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ435との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0045】
第6の電圧計測部206に接続される、第5の渡り線445及び第2の収集線42の各端部は、接続線側接続部としての外部コネクタ436によって機械的に一体化されている。つまり、外部コネクタ436は、同一の連絡線24に接続される一対の第5の渡り線445と第2の収集線42とが当該連絡線24に接続可能に設けられている。これにより、第6の電圧計測部206の連絡線24の両端と、第5の渡り線445及び第2の収集線42とはそれらの接続/非接続が計測部コネクタ23と外部コネクタ436との接続/非接続(コネクタ抜け)、つまり着脱によって一体的に管理される。
【0046】
なお、各外部コネクタ431〜436は、配線や通信線の接続用のコネクタである。
次に、図2〜8を参照して、電圧情報収集部30にて取得される電圧情報収集装置の状態ごとの通信データの態様について説明する。
【0047】
まず、図2を参照して、電圧情報収集装置の状態が正常である場合について説明する。
リスト50に示すように、メイン通信部32、サブ通信部33、第1〜第6の電圧計測部201〜206及びバス型の通信線のいずれも正常である。このとき、リスト50に示すように、電圧情報収集部30は、メイン通信部32を経由したデータの取得によって、メイン通信部32、第1〜第6の電圧計測部201〜206及びサブ通信部33から正常なデータが取得される。また電圧情報収集部30は、サブ通信部33を経由した通信によってサブ通信部33、第1〜第6の電圧計測部201〜206及びメイン通信部32から正常なデータが取得される。なお、メイン通信部32を経由した通信により取得されるメイン通信部32からの正常なデータ及び、サブ通信部33を経由した通信により取得されるサブ通信部33からの正常なデータから、メイン通信部32やサブ通信部33が正常であることを判断することができる。
【0048】
また、図3及び図4を参照して、電圧情報収集装置の状態として第4の電圧計測部204に異常が生じている場合について説明する。
図3は、第4の電圧計測部204に異常が生じている場合を示している。このとき、第4の電圧計測部204に生じている通信データの異常には、通信データが出力されない異常や、通信データの内容が異常である場合が含まれる。こうした異常の要因としては、電圧監視部21の異常や通信部22の異常などを含む電圧計測部20の異常が挙げられる。なお以下でも、通信データの異常には、通信データが出力されない異常や、通信データの内容が異常である場合が含まれる。
【0049】
図4のリスト51に示すように、このとき電圧情報収集部30では、メイン通信部32を経由してメイン通信部32、第1〜第3,第5,第6の電圧計測部201〜203,205,206及びサブ通信部33から正常なデータが取得される。また、電圧情報収集部30では、サブ通信部33を経由してサブ通信部33、第1〜第3,第5,第6の電圧計測部201〜203,205,206及びメイン通信部32から正常なデータが取得される。一方、電圧情報収集部30では、メイン通信部32経由であれ、サブ通信部33経由であれ、第4の電圧計測部204からのデータが異常なかたちでの取得となる。
【0050】
また、図5及び図6を参照して、電圧情報収集装置の状態として第4の電圧計測部204の計測部コネクタ23と外部コネクタ434とが非接触、いわゆるコネクタ抜けである場合について説明する。
【0051】
図6に示すように、第4の電圧計測部204は正常であったとしても、第4の電圧計測部204の連絡線24の両端がメイン通信部32へ直列接続される第3の渡り線443にも、サブ通信部33へ直列接続される第4の渡り線444にも接続されないため、第4の電圧計測部204はバス型の通信線から分離されている。
【0052】
図6のリスト52に示すように、このとき電圧情報収集部30では、メイン通信部32を経由して、メイン通信部32及び第1〜第3の電圧計測部201〜203から正常なデータが取得される一方、第4〜第6の電圧計測部204〜206及びサブ通信部33については取得されるデータは新たなデータが取得できないことにより異常なデータとなる。また、電圧情報収集部30では、サブ通信部33を経由して、サブ通信部33、第5,第6の電圧計測部205,206から正常なデータが取得される一方、第1〜第4の電圧計測部201〜204及びメイン通信部32については取得されるデータは新たなデータが取得できないことにより異常なデータとなる。すなわち、電圧情報収集部30では、メイン通信部32経由であれ、サブ通信部33経由であれ、第4の電圧計測部204からの通信データが異常なかたちでの取得となる。
【0053】
また、図7及び図8を参照して、電圧情報収集装置の状態として第4の電圧計測部204と第3の電圧計測部203とを接続する第3の渡り線443が断線している場合について説明する。
【0054】
図7に示すように、メイン通信部32には第1〜第3の電圧計測部201〜203が接続され、サブ通信部33には第4〜第6の電圧計測部204〜206が接続されている。これにより、電圧情報収集部30では、第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データがメイン通信部32及びサブ通信部33のいずれか一方から取得される。
【0055】
図8のリスト53に示すように、このとき電圧情報収集部30では、メイン通信部32を経由して、メイン通信部32及び第1〜第3の電圧計測部201〜203から正常なデータが取得される一方、第4〜第6の電圧計測部204〜206及びサブ通信部33については取得されるデータは新たなデータが取得できないことにより異常なデータとなる。また、電圧情報収集部30では、サブ通信部33を経由して、サブ通信部33及び第4〜第6の電圧計測部204〜206から正常なデータが取得される一方、第1〜第3の電圧計測部201〜203及びメイン通信部32については取得されるデータは新たなデータが取得できないことにより異常なデータとなる。すなわち、情報処理部31では、メイン通信部32又はサブ通信部33を経由することで、第1〜第6の電圧計測部201〜206から正常な通信データが収集される。
【0056】
図9図11を参照して、本実施形態における、電圧情報収集装置の状態の判定について説明する。電圧情報収集装置は、メイン通信部32経由及びサブ通信部33経由により収集される通信データの正常/異常の状態に基づいて、その状態について、異常の種類及び異常の発生している位置を特定する。具体的には、電圧情報収集装置は、その状態として、通信線の断線による異常、計測部コネクタと外部コネクタとの離脱(コネクタ抜け)による異常、及び電圧計測部20の異常のいずれか1つの異常の発生の有無を判断する。
【0057】
図9のリスト55に示すように、メイン通信部32とサブ通信部33との間の通信で判定されるバス型の通信線(通信バス)の状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される通信データが全て「正常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「通常」と判定される。なお、図9及び図10について、以下の説明では、「異常」である通信データについて明示して説明し、「正常」である通信データについてはその説明を省略する。すなわち、「異常」であると説明していない通信データは「正常」であることを示している。
【0058】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1の電圧計測部201からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第1の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。すなわち、判定された状態に基づいて、異常の発生している位置が「第1の電圧計測部のコネクタ」であることも特定される。以下同様に、判定される状態から異常の発生している位置が特定されるが説明の便宜上、以下では説明を割愛する。
【0059】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第2〜第6の電圧計測部202〜206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1及び第2の電圧計測部201,202からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、同装置の状態は「第2の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。
【0060】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第3〜第6の電圧計測部203〜206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第3の電圧計測部201〜203からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第3の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。
【0061】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第4〜第6の電圧計測部204〜206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第4の電圧計測部201〜204からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第4の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。
【0062】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第5及び第6の電圧計測部205,206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第5の電圧計測部201〜205からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第5の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。
【0063】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第6の電圧計測部206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第6の電圧計測部のコネクタ抜け」と判定される。
【0064】
また、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データ及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データのいずれも「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「電圧情報収集部のコネクタ抜け」と判定される。
【0065】
図10のリスト56に示すように、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第1の収集線41の断線」と判定される。つまり、サブ通信部33を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データは全て「正常」である。
【0066】
通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第2〜第6の電圧計測部202〜206からの通信データ、及びサブ通信部33を経由して収集される第1の電圧計測部201からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第1の渡り線441の断線」と判定される。
【0067】
通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第3〜第6の電圧計測部203〜206からの通信データ、及びサブ通信部33を経由して収集される第1及び第2の電圧計測部201,202からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第2の渡り線442の断線」と判定される。
【0068】
通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第4〜第6の電圧計測部204〜206からの通信データ、及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第3の電圧計測部201〜203からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態を「第3の渡り線443の断線」と判定することができる。
【0069】
通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第5及び第6の電圧計測部205,206からの通信データ、及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第4の電圧計測部201〜204からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態を「第4の渡り線444の断線」は判定される。
【0070】
通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される第6の電圧計測部206からの通信データ、及びサブ通信部33を経由して収集される第1〜第5の電圧計測部201〜205からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第5の渡り線445の断線」と判定される。
【0071】
通信バスの状態が「異常」かつ、サブ通信部33を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データが全て「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「第2の収集線42の断線」と判定される。つまり、メイン通信部32を経由して収集される第1〜第6の電圧計測部201〜206からの通信データは全て「正常」である。
【0072】
通信バスの状態のみが「異常」であることを条件に、電圧情報収集装置の状態は「通信不安定」と判定される。
さらに、通信バスの状態が「異常」かつ、メイン通信部32を経由して収集される通信データの「異常」と、サブ通信部33を経由して収集される通信データの「異常」との組み合わせが上述の組み合わせのいずれとも相違するとき、電圧情報収集装置の状態は「複数のコネクタ抜け、もしくは複数の断線」と判定される。
【0073】
図11のリスト57に示すように、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第1の電圧計測部201からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第1の電圧計測部201の故障」と判定される。なお、図11中の「−」は、その電圧計測部20の故障の判定に際し、利用しなくてもよい通信データであることを示している。
【0074】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第2の電圧計測部202からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第2の電圧計測部202の故障」と判定される。
【0075】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第3の電圧計測部203からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第3の電圧計測部203の故障」と判定される。
【0076】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第4の電圧計測部204からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第4の電圧計測部204の故障」と判定される。
【0077】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第5の電圧計測部205からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第5の電圧計測部205の故障」と判定される。
【0078】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される第6の電圧計測部206からのそれぞれの通信データがいずれも「異常」であることを条件に、その他の通信データの正常/異常にかかわらず、電圧情報収集装置の状態は「第6の電圧計測部206の故障」と判定される。
【0079】
また、通信バスの状態が「正常」かつ、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集される「異常」な通信データについて、その「異常」な通信データを送信している電圧計測部20に相違があるようなとき、電圧情報収集装置の状態は「通信不安定」と判定される。
【0080】
なお、こうしたリスト55〜57の条件は、情報処理部31の記憶部としての記憶装置などに保持され、情報処理部31は、リスト55〜57を参照して電圧情報収集装置の状態を判定することができる。つまり、情報処理部31の記憶装置には、メイン通信部32を介して収集される電池情報とサブ通信部33を介して収集される電池情報との組合せを、正常、通信線の断線による異常、計測部コネクタと外部コネクタとの離脱(コネクタ抜け)による異常、及び電圧計測部20の異常のいずれかに対応させる情報が予め記憶されている。
【0081】
図12図14を参照して、本実施形態の電圧情報収集装置の状態を判定する処理の動作について、フローチャートに基づき説明する。この状態を判定する処理は、定期的に、又は必要に応じて適宜に実行される。
【0082】
図12に示すように、電圧情報収集装置の状態を判定する処理が開始されると、バス型の通信線の状態が確認される。つまり、バス型の通信線の状態を確認するため、電圧情報収集部30は、メイン通信部32から通信データを送信するとともに、この送信した通信データをサブ通信部33で受信する(図12のステップS10)。そして、これら送信した通信データと受信した通信データとを比較する(図12のステップS11)とともに、送信した通信データと受信した通信データとが同一であるか否かを判断する(図12のステップS12)。送信した通信データと受信した通信データとが同一であると判断した場合(図12のステップS12でYES)、電圧情報収集部30は、バス型の通信線の状態は正常であると判定する(図12のステップS13)。一方、送信した通信データと受信した通信データとが同一ではないと判断した場合(図12のステップS12でNO)、電圧情報収集部30は、バス型の通信線の状態は異常であると判定する(図12のステップS14)。そして、電圧情報収集部30は、判定結果を記憶部などに記憶させて、バス型の通信線の状態の確認を終了する。
【0083】
続いて、図13に示すように、電圧情報収集部30は、メイン通信部32経由で各電圧計測部20から収集する通信データの状態について判定する。なお、収集する通信データの状態は、当該通信データに含まれている電圧値などの電池情報の正常/異常に基づいて判断する。
【0084】
メイン通信部32経由で収集される通信データの状態について判定が開始されると、電圧情報収集部30は、メイン通信部32経由の通信データの正常/異常に関する検査結果を初期化する(図13のステップS20)。つまり、検査結果の初期化によって、新しい検査結果を記憶可能にするとともに、通信データが取得されない場合、初期化状態が残ることで通信データが取得されないことを判定できるようにする。例えば、電圧計測部毎の検査結果を記憶させる記憶部に、初期化により「未検査」を示す情報を設定し、その後、通信データが取得されたとき、「未検査」に代えて、取得された通信データが「正常」であることを示す情報、もしくは、「異常」(通信データが取得されない異常)であることを示す情報に変更されるようにする。また、電圧情報収集部30は、検査用変数nを「1」に初期化する(図13のステップS21)。この検査用変数nの順に、バス型の通信線に接続されている各電圧計測部20について、それぞれ通信データを取得する。例えば、本実施形態では、nが「1」のとき、第1の電圧計測部201について通信データを取得し、nが「2」のとき、第2の電圧計測部202について通信データを取得する順で、nが「6」のとき、第6の電圧計測部206について通信データを取得するようにしている。
【0085】
つまり、電圧情報収集部30は、検査用変数nに対応する電圧計測部20に通信データの出力を指示する応答要求信号を出力し、その応答要求信号への応答があるか否かを判断する(図13のステップS22)。なお、電圧情報収集部30は、各電圧計測部20の通信データの送信間隔よりも長い所定期間、各電圧計測部20から出力される通信データを監視し、通信データが取得されるか否かを判断するようにしてもよい。
【0086】
そして、応答要求信号への応答があったと判断した場合(図13のステップS22でYES)、電圧情報収集部30は、メイン通信部32経由で検査用変数nに対応するn番目の電圧計測部からの通信データが「正常」であると判断し、その判断を検査結果として記憶させる(図13のステップS23)。なおこのとき、電圧情報収集部30は、上述のように、単に通信データが取得されれば「正常」であると判断してもよいし、取得された通信データを、予め定められた正常値の範囲と比較し、当該範囲以内にあれば「正常」、当該範囲から外れていれば「異常」と判断してもよい。
【0087】
一方、応答要求信号への応答がなかったと判断した場合(図13のステップS22でNO)、電圧情報収集部30は、メイン通信部32経由で検査用変数nに対応するn番目の電圧計測部からの通信データが「異常」であると判断し、その判断を検査結果として記憶する(図13のステップS24)。なお、「応答がなかった」との判断は、応答要求信号に応答する通信データが所定時間を超えても受信されなかったことに基づいて判断することができる。
【0088】
メイン通信部32経由でn番目の電圧計測部からの通信データについてその正常/異常が判断されると、電圧情報収集部30は、検査用変数nがバス型の通信線に接続されている電圧計測部の数より小さいか否かを判断する(図13のステップS25)。そして、検査用変数nがバス型の通信線に接続されている電圧計測部の数より小さい場合(図13のステップS25でYES)、検査用変数nに「1」を加算して(図13のステップS26)、ステップS22に戻り、次の電圧計測部20に対する検査を実行する。
【0089】
一方、検査用変数nがバス型の通信線に接続されている電圧計測部の数より小さくない場合(図13のステップS25でNO)、電圧情報収集部30は、メイン通信部32経由してバス型の通信線に接続されている全ての電圧計測部20に対する検査が終了したと判断し(図13のステップS27)、メイン通信部32経由で収集される通信データの状態について判定を終了する。
【0090】
次に、図14に示すように、電圧情報収集部30は、サブ通信部33経由で各電圧計測部20から収集する通信データの状態について判定する。なお、サブ通信部33経由で各電圧計測部20から収集される通信データに対する状態の判定は、上述したメイン通信部32経由で収集される通信データの状態に付いての判定と比較し、各電圧計測部20からの通信データの収集がメイン通信部32経由ではなく、サブ通信部33経由である点が相違する。一方、その他の点については同様であることから、サブ通信部33経由で各電圧計測部20から収集される通信データの状態の判定についてはその概要のみ説明する。
【0091】
すなわち、サブ通信部33経由で収集される通信データの状態について判定が開始されると、電圧情報収集部30は、サブ通信部33経由の通信データの正常/異常に関する検査結果を初期化する(図14のステップS30)とともに、検査用変数nを「1」初期化する(図14のステップS31)。電圧情報収集部30は、対象とする電圧計測部20へ送信した応答要求信号に対する応答を受信した場合(図14のステップS32でYES)、当該電圧計測部の通信データは「正常」であると判断し、検査結果として記憶させる(図14のステップS33)。一方、電圧情報収集部30は、対象とする電圧計測部20へ送信した応答要求信号に対する応答を受信しなかった場合(図14のステップS32でNO)、当該電圧計測部20の通信データは「異常」であると判断し、検査結果として記憶させる(図14のステップS34)。そして、電圧情報収集部30は、検査用変数nが検査対象とする電圧計測部20の数より小さい場合(図14のステップS35でYES)、検査用変数nに「1」を加算して(図14のステップS36)、ステップS32に戻り、次の電圧計測部20に対する検査を実行する。一方、電圧情報収集部30は、検査用変数nが検査対象とする電圧計測部20の数より小さくない場合(図14のステップS35でNO)、サブ通信部33経由での各電圧計測部20の検査が終了する(図14のステップS37)。
【0092】
そして、こうして得られたバス型の通信線の状態の検査結果と通信データの状態の検査結果との組み合わせに対応する条件の有無を、記憶装置に予め記憶されたリスト55〜57の条件との比較に基づき判断することで、電圧情報収集部30は、リスト55〜57に基づいて電圧情報収集装置の状態を判定することができるようになる。また、当該判定では、電圧情報収集部30は、異常の生じている各電圧計測部201〜206や、各外部コネクタ431〜436や、各渡り線441〜445や、各収集線41,42を特定することができる。よって、それらの配置されている位置も特定されるようにもなる。
【0093】
よって、この電圧情報収集装置は、配線の煩雑化を抑えつつ、通信に異常が発生したときであれ、より多くの電池の電池情報を収集することのできるとともに、異常についてより詳細に判定することもできる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の電圧情報収集装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)通信線がバス型であるため連絡線24にバス型接続される電圧計測部20に異常が生じたとしても当該連絡線24を含む通信線は正常に維持される。また、通信線が切断されたとしても電圧計測部20の出力する電圧の計測値はメイン通信部32又はサブ通信部33を経由して電圧情報収集部30に収集される。さらに、各計測部コネクタ23と外部コネクタ431〜436とが離脱したとしても離脱した電圧計測部20以外の電圧計測部20から出力される電圧の計測値は電圧情報収集部30に収集される。これにより、電池情報収集装置は、配線の多重化などによる配線の煩雑化を抑えつつ、通信線を通じての電池情報の収集に異常が発生したときであれ、より多くの電池の電池情報を収集することができる。
【0095】
また、これら通信線に異常が生じたとき、メイン通信部32及びサブ通信部33を経由して収集されるそれぞれの正常な電圧の計測値にはそれを出力する各電圧計測部201〜206の組み合わせについて相違が生じる。そこで、こうした組み合わせの相違に基づき、通信線を通じた通信に関する異常について、生じた異常の種類や、異常の生じた位置を特定させることも可能になる。
【0096】
(2)通信線の断線による異常、各計測部コネクタ23と外部コネクタ431〜436との離脱による異常、及び電圧計測部20の異常のいずれか1つが、2つの通信部32,33によりそれぞれ収集される電圧の計測値の正常/異常、つまり当該正常又は異常な電圧の計測値に対応する電圧計測部20の組み合わせの相違に基づいて判断される。これにより、電池情報収集装置に生じた異常について、その把握及び管理が容易になる。
【0097】
(3)異常が発生している位置について、2つの通信部32,33によりそれぞれ収集される電圧の計測値の正常/異常、つまり当該正常又は異常な電圧の計測値に対応する電圧計測部20の組み合わせの相違に基づいて特定される。これにより、電池情報収集装置に生じた異常について、その把握や管理が容易になる。
【0098】
(4)電圧計測部20ごとに連絡線24が設けられることにより、異常が発生した位置を特定する精度の向上が図られるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
【0099】
・上記実施形態では、通信線の状態を判定してから、各電圧計測部20から通信データを収集して電圧情報収集装置の状態を判定する場合について例示した。しかしこれに限らず、通信線の状態や各電圧計測部からの通信データの状態の判定結果は、電池情報収集装置の状態を判定するとき用いることができるのであれば、それら情報の収集タイミングや判定タイミングは、いつでもよく、特に限られるものではない。これにより、電池情報収集装置としての設計自由度の拡大が図られるようになる。
【0100】
・上記実施形態では、正常又は異常な通信データを出力した電圧計測部20の組み合わせの相違を比較することで、異常を検出する場合について例示した。しかしこれに限らず、異常な通信データを出力する電圧計測部の手前の位置までの数に基づいて異常を判断してもよい。例えば、図1に示す場合、メイン通信部経由であれ、サブ通信部経由であれ、正常な通信データしかないので電圧計測部の位置までの数は6となる。また、図3及び図5に示す場合、メイン通信部経由であれば、異常な通信データを出力する電圧計測部の手前の位置までの数は3つ、サブ通信部経由であれば同位置までの数は2つまでとなる。図7に示す場合、同位置までの数は3つ、サブ通信部経由であれば同位置までの数は3つとなる。これにより、生じている異常を区別することができるようになる。
【0101】
また、正常な通信データを出力する電圧計測部の数に基づいて判断してもよい。例えば、図1に示す場合、メイン通信部経由であれ、サブ通信部経由であれ、正常な通信データを出力する電圧計測部しかないので数は6となる。また、図3に示す場合、メイン通信部経由であれ、サブ通信部経由であれ、正常な通信データを出力する電圧計測部の数は5となる。また、図5に示す場合、メイン通信部経由であれば、正常な通信データを出力する電圧計測部の数は2つ、サブ通信部経由であれば正常な通信データを出力する電圧計測部の数は3つとなる。図7に示す場合、正常な通信データは3つ、サブ通信部経由であれば正常な通信データは3つとなる。これにより、生じている異常を区別することができるようになる。
【0102】
また、異常な通信データを出力する電圧計測部の手前の位置までの数と、正常な通信データを出力する電圧計測部の数とに基づいて、生じている異常を区別するとともに、異常の生じている位置も特定することができる。これにより、電池情報収集装置としての設計自由度の拡大が図られるようになる。
【0103】
・上記実施形態では、メイン通信部32とサブ通信部33とはいずれも通信データを送受信できる場合について例示した。しかしこれに限らず、通信データの送信についてはメイン通信部及びサブ通信部のいずれか一方のみが行なえる構成であってもよい。このとき、電圧計測部は周期的、定期的に電圧の計測値を送信するのであれば、メイン通信部やサブ通信部は、電圧の計測値を適切に取得することができる。また、メイン通信部とサブ通信部との間の通信線の正常/異常判定も、いずれか一方の通信部が検査用の通信データを送信することができれば確認することができる。これにより、電池情報収集装置の設計自由の向上が図られるようになる。
【0104】
・上記実施形態では、各電圧計測部20のそれぞれに連絡線24が設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、複数の電圧計測部が一つの連絡線を共有していてもよい。これによっても、それら複数の電圧計測部をまとめたかたちで通信線の異常や、その異常位置を特定することができる。これにより、電池情報収集装置としての適用範囲の拡大が図られるようになる。
【0105】
・上記実施形態では、各連絡線24が割り当てられる電圧計測部の数が同じである場合について例示した。しかしこれに限らず、各連絡線が割り当てられる電圧計測部の数が相違していてもよい。このように相違していたとしても、各電圧計測部からは電圧の計測値を取得することができることはもちろん、各連絡線とのコネクタ抜けや、断線などについても判定可能とすることができる。これにより、複数の電池状態検出部と連絡線との割り当ての自由度が高められるようになり、電池情報収集装置としての設計自由度の向上が図られるようになる。
【0106】
・上記実施形態では、電圧計測部20が6つある場合について例示したがこれに限らず、電圧計測部は2つ以上であればよく、3つ以上であることがより好ましい。これにより、電池情報収集装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
【0107】
・上記実施形態では、各収集線41,42と各渡り線441〜442のうちの対応する2本の線が外部コネクタ431〜436により対応する第1〜第6の電圧計測部201〜206の計測部コネクタ23に着脱可能に接続される場合について例示した。しかしこれに限らず、各接続線や各渡り線のうち対応する2本の線は、機械的に一体化された接続線側接続部を構成するのであれば、例えばプラグ型や心線を固定する型などコネクタ以外の構成により接続線側接続部が構成されてもよい。いずれによっても、機械的に拘束された2本の線であれば、それらの電圧計測部への接続は一体的に着脱されるようになる。これにより電池情報収集装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
【0108】
・上記実施形態では、第1及び第2の収集線41,42が外部コネクタ40により対応する電圧情報収集部30の収集部コネクタ34に接続される場合について例示した。しかしこれに限らず、2本の接続線は、機械的に一体化された接続部を構成するのであれば、上述の場合と同様に、コネクタ以外の構成により構成されてもよい。この場合も上述の場合と同様に、2本の接続線の電圧情報収集部への接続は一体的に着脱されるようになる。
【0109】
また、第1及び第2の収集線41,42が機械的に一体となっていなくてもよいし、第1及び第2の端末線35,37が機械的に一体となっていなくてもよい。また、第1の収集線41と第1の端末線35、第2の収集線42と第2の端末線37がそれぞれ1本の線からなる態様でもよい。
【0110】
これにより電池情報収集装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、各電池ブロックB1〜B6は電池モジュールから構成される場合について例示した。しかしこれに限らず、電池ブロックは、端子間電圧の計測されるときのまとまりであれば、1又は複数の単電池から構成されているものであればよい。こうした電池ブロックとしては、電池モジュールのほかに、複数の電池モジュールから構成される組電池などが挙げられる。また、端子間電圧の計測されるときのまとまりであれば、各電池ブロックに含まれる単電池の数は同じでも、相違していてもよい。これにより、電池情報収集装置としての適用範囲の拡大が図られるようになる。
【0111】
・上記実施形態では、通信データに含まれている電圧の計測値などの電池情報の正常/異常に基づいて各電圧計測部20から収集する通信データの状態が判断される場合について例示した。しかしこれに限らず、各電圧計測部から収集する通信データの状態は、各電圧計測部から通信プロトコルに基づいた通信データが取得されたか否かに基づいて判断することもできる。これによっても、各電圧計測部の不具合、コネクタ抜け、バス型の通信線の断線を区別して判断することができる。これにより、電池情報収集装置としての設計自由度の向上が図られるようになる。
【0112】
・上記実施形態では、電池情報収集装置は電池群10から各電池ブロックB1〜B6の端子間電圧を収集する場合について例示した。しかしこれに限らず、電池情報収集装置は電池群から各電池ブロックの電流や温度などを、電圧とともにもしくは電圧に代えて収集するようにしてもよい。電池情報収集装置は電池群から各電池ブロックの電流や温度などを収集することによっても、電池の充放電に関する制御を行うことができる。また、電圧としても、端子間電圧に限らず、ブロック内での各単電池の電圧であってもよいし、端子間電圧と各単電池の電圧との両方であってもよい。なお、各電池情報収集装置としては、電池群から各電池ブロックの電流や温度を計測するとき、電池群からそれらを計測するための計測部が設けられるとともに、それら計測部による計測結果を通信部を介して通信線に出力するようにすればよい。これにより、電池情報収集装置の設計自由度や、適用範囲の拡大などが図られるようになる。
【0113】
・上記実施形態では、電池を特定していないが、こうした電池としてはニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム電池等のアルカリ二次電池や、リチウムイオン電池等の二次電池等、様々な二次電池が挙げられる。また、電池は一次電池であってもよい。これにより、電池情報収集装置の適用可能性の拡大が図られるようになる。
【0114】
・上記実施形態では、電池情報収集装置を車両(自動車)に備える場合について例示した。しかしこれに限らず、電池情報収集装置は、電池を電源として利用するものであれば、自動車以外の移動体や、固定設置される装置などに用いられてもよい。また、電池は、電動モータ以外の電源として用いられてもよい。これにより、電池情報収集装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
【符号の説明】
【0115】
10…電池群、20…電圧計測部、21…電圧監視部、22…通信部、23…計測部コネクタ、24…連絡線、25…分岐線、30…電圧情報収集部、31…情報処理部、32…メイン通信部、33…サブ通信部、34…収集部コネクタ、35…第1の端末線、36…分岐線、37…第2の端末線、38…分岐線、40…外部コネクタ、41…第1の収集線、42…第2の収集線、50〜53…リスト、55〜57…リスト、201〜206…第1〜第6の電圧計測部、431〜436…外部コネクタ、441〜445…渡り線、B1〜B6…電池ブロック。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14