(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014028
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】グローブボックス、検出プローブ取付けのための機械装置、グローブボックス内の核物質の監視装置とその利用法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20161011BHJP
G01T 1/24 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
G01T1/167 C
G01T1/24
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-515840(P2013-515840)
(86)(22)【出願日】2011年6月20日
(65)【公表番号】特表2013-534625(P2013-534625A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2011060238
(87)【国際公開番号】WO2011161057
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2014年6月6日
(31)【優先権主張番号】1054914
(32)【優先日】2010年6月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルネ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デュクロ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ラマディ ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】ジロン フィリップ
【審査官】
林 靖
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−510617(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/019061(WO,A1)
【文献】
特開2006−158946(JP,A)
【文献】
特開平09−113627(JP,A)
【文献】
特開平03−210493(JP,A)
【文献】
特表2002−528729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電離放射線を検出するための少なくとも1つの検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置であって、一つ又は各前記検出プローブ(1)毎に、
前記検出プローブ(1)の観測視野を画定するコリメータ(3)を支持することが可能なコリメータホルダ(5)に終端が位置するプローブホルダ(7)と、
グローブボックス(9)のグローブポート(9.1)に取り付けられる取付け装置(6)と、
を含み、
前記プローブホルダまたは各前記プローブホルダ(7)が、前記取付け装置(6)、及び、前記コリメータ(3)、取付手段(8)と協働して、シリンダ同士の嵌合タイプである前記コリメータホルダ(5)に前記コリメータ(3)が取り付けられ、
前記コリメータホルダ(5)に対する前記コリメータ(3)の回転または滑りを阻止するために、前記コリメータホルダ(5)と前記コリメータ(3)のいずれかによって保持された、ノッチ(5.2)で止めるようにされた少なくとも1つのボールプランジャ(8.1)が設けられ、前記コリメータ(3)が、前記検出プローブ(1)の観測視野を調整することができるように取外し可能であることを特徴とする、機械装置。
【請求項2】
前記コリメータホルダ(5)に、前記検出プローブ(1)が前記コリメータホルダ(5)に対して滑るまたは回転するのを阻止するためのロック手段(5.3)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の機械装置。
【請求項3】
前記取付け装置(6)は前記プローブホルダ(7)が貫通する中心部分(6.1)を有し、この中心部分(6.1)が、前記グローブボックスの前記グローブポート(9.1)によって保持された共用取付け手段(9.3、9.41、9.42)と協働する取付け手段(6.3)を備えたフランジ(6.2)に縁取られており、これらの前記取付け手段(6.3)がバヨネットタイプまたは爪タイプであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の機械装置。
【請求項4】
前記取付け装置(6)に、前記プローブホルダ(7)が滑るまたは回転するのを阻止するためのロック手段(6.5)が設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械装置。
【請求項5】
前記取付け装置(6)に、前記中心部分(6.1)が前記フランジ(6.2)に対して滑るまたは回転するのを阻止するためのロック手段(6.4)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の機械装置。
【請求項6】
前記取付け装置(6)が気泡水準器(5.4、6.5)を装備していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の機械装置。
【請求項7】
核物質を監視する核物質監視装置であって、
当該核物質監視装置は、グローブボックス(9)に納められており、
請求項1から6のいずれか一項に記載の機械装置と、
前記プローブホルダ(7)に納められた少なくとも1つの検出プローブ(1)と、を有し、
前記検出プローブ(1)が、前記コリメータホルダ(5)から放射される電離放射線に感応する検出器(2)と、前記検出プローブ(1)によって送出される信号を処理し表示するシステム(11)を備えることを特徴とする、核物質監視装置。
【請求項8】
前記コリメータが前記コリメータホルダ(5)に取り付けられると、前記検出器(2)が前記コリメータ(3)内に収容されることを特徴とする、請求項7に記載の核物質監視装置。
【請求項9】
前記検出プローブ(1)がX線及び/またはガンマ線分光測定プローブであることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の核物質監視装置。
【請求項10】
前記検出器(2)がCdTeまたはCdZnTn材料からなることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の核物質監視装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか一項に記載の核物質監視装置を装備していることを特徴とする、グローブボックス(9)。
【請求項12】
監視される核物質中に存在する1つ以上の放射性元素を同定するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の核物質監視装置の利用法。
【請求項13】
監視される核物質の放射能の強さを決定するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の核物質監視装置の利用法。
【請求項14】
監視される核物質の保持または除染係数の変化を推定するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の核物質監視装置の利用法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核物質の監視に関する。「核物質」という表現は、ウラン、プルトニウム、または、トリウムをかなりの濃度で含む物質を表わしている。
【0002】
これらの核物質は、多数の研究所及びプラントにおいて核燃料サイクルで取り扱われている。産業的実施方法は、安全上の制約条件によって、とりわけ、先行技術文献(非特許文献1参照)に記載の臨界条件の危険を管理し、核物質の核拡散を制御するための制約条件によって管理されている。
【背景技術】
【0003】
核物質、とりわけ、核分裂性核物質、すなわち、核分裂が可能なこうした物質を含む産業または研究施設の運営は、ワークステーションに編成されている。ワークステーションは施設の一部であり、境界画定された輪郭を備え、その内部に限定された質量の核物質が納められている。本発明の場合、ワークステーションはグローブボックスである。ワークステーションに納められる核物質の質量管理は、臨界条件の危険を制御する方法の1つである。この制御方法は、ワークステーションの入口及び出口において計量操作によって得られる質量収支を利用して実施される。核物質の過剰な蓄積を防止するため、ワークステーションの定期検査、さらに必要があれば、洗浄作業が行われる。この制御方法は、実施が容易であり、比較的信頼性が高い。この制御方法は、一般に、ガンマ線分光測定もしくは中性子またはガンマ線計測のような受動的非破壊核測定によってなされる。グローブボックス内への装備を必要とし、作業終了時におけるシステムの除染につながる、非産業用移動システムが用いられる。
【0004】
しかしながら、これらの分析技法は、とりわけ標準位置決めシステムが存在しないので実施が面倒であり、各測定には特定の分析が必要であり、測定結果の解釈には、複雑な後続処理が必要になるため、リアルタイム測定結果から利点を引き出すことができなくなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「FUNDAMENTAL SAFETY RULES RELATIVE TO BASIC NUCLEAR INSTALLATIONS OTHER THAN NUCLEAR REACTORS RFS N°1.3C OF 18 OCTOBER 1984」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、実際には、電離放射線を生じるグローブボックス内の核物質を容易かつ単純に現場で監視できるようにするため、グローブボックス内におけるこの電離放射線を検出する少なくとも1つのプローブを支持し、取り付けるための機械装置を提案することにある。本発明の目的の1つは、核物質のリアルタイム監視を行えるようにすることにある。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、グローブボックス内の所定の位置に1つ以上の検出プローブを配置できるようにすることにある。
【0008】
本発明のさらにもう1つの目的は、さまざまな観測視野についていくつかの測定をできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これを達成するため、本発明は、第1にコリメータホルダを組込み、第2にグローブボックスのグローブポートへの取付け装置を組み込んだ、少なくとも1つの電離放射線検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置を提案する。
【0010】
すなわち、本発明は、各電離放射線検出プローブ毎に、検出プローブの観測視野を画定するように意図されたコリメータを支持することが可能なコリメータホルダに終端が位置するプローブホルダと、グローブボックスのグローブポートに取り付けるように意図された取付け装置も含む少なくとも1つの電離放射線検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置であり、プローブホルダまたは各プローブホルダは前記取付け装置と協働する。
【0011】
プローブの観測視野が可調整になるように、コリメータを簡単に交換できるようするため、さらに、シリンダ同士の嵌合タイプであるコリメータホルダにコリメータを取り付ける手段と、コリメータホルダに対するコリメータの回転と滑りの両方を阻止するために、コリメータホルダとコリメータのいずれかによって保持された、ノッチで止めるように意図された少なくとも1つのボールプランジャが設けられており、こうしてコリメータは交換可能になっている。
【0012】
電離放射線検出プローブをグローブボックス内に正確に配置できるようにするため、コリメータホルダは、電離放射線検出プローブを所定位置に固定して、コリメータホルダに対して滑ることも回転することもできないようにするロック手段を装備するのが望ましい。
【0013】
取付け装置はプローブホルダが貫通する中心部分を含み、この中心部分のエッジは、グローブボックスのグローブポートによって保持された共用取付け手段と協働するように意図された取付け手段を備えたフランジに縁取られているが、これらの取付け手段は、バヨネットタイプか爪タイプである。このようにして、電離放射線検出プローブをグローブボックス内に支持し、取り付ける機械装置の装備が極めて容易になる。
【0014】
グローブボックス内において電離放射線検出プローブが配置される深さと、その観測視野の角アライメントを調整できるようにするため、取付け装置は、プローブホルダを固定して、取付け装置に対して滑ることも回転することもできないようにするロック手段を装備することが可能である。
【0015】
やはり、電離放射線検出プローブの観測視野の角アライメントを制御することを目的として、取付け装置には、中心部分を固定して、フランジに対して回転できないようにするロック手段を含むことが可能である。
【0016】
プローブホルダに対するコリメータの角位置、及び、取付け装置に対するプローブホルダの角位置を設定するため、極めて厳密に言うと、コリメータホルダ及び/または取付け装置は気泡水準器を装備することが可能である。
【0017】
本発明は、グローブボックス内に配置される核物質監視装置にも関連している。それには、このように特徴づけられる機械的支持及び取付け装置と、プローブホルダ内に配置された少なくとも1つの電離放射線検出プローブが含まれ、このプローブは、コリメータホルダから放射される電離放射線に感応する検出器と、電離放射線検出プローブによって送出される信号を処理し、表示するためのシステムを備えている。コリメータがコリメータホルダに取り付けられると、検出器はコリメータ内に収容される。
【0018】
検出器は、CdTeまたはCdZnTe製とするのが有利であると思われる。というのは、これらの材料が電離放射線に感応するためである。
【0019】
プローブは、X線及び/またはガンマ線分光測定プローブが望ましく、X線分光測定は、より弱いエネルギ準位、とりわけ、120keV未満のエネルギ準位に関するものである。
【0020】
本発明は、このように特徴づけられる核物質を監視するための装置を装備したグローブボックスに関するものでもある。
【0021】
本発明は、監視される核物質中に存在する1つ以上の放射性元素を同定するための、このように特徴づけられる核物質監視装置に関するものでもある。
【0022】
本発明は、監視される核物質の放射能の強さを決定するための、このように特徴づけられる核物質監視装置の利用法に関するものでもある。
【0023】
本発明は、監視される核物質の保持または除染係数の変化を推定するための、このように特徴づけられる核物質監視装置の利用法に関するものでもある。
【0024】
本発明については、付属の説明図を参照しながら、純粋に示唆として決して制限を意味するものではなく示された、実施形態例の説明を読めばより深い理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】その取付け装置が差込み取付け具を備えるプローブを支持し、取り付けるための機械装置を用いる、本発明の目的をなす2つの電離放射線検出プローブを備えた核物質監視装置の一例を3次元で示す図である。
【
図1B】その取付け装置が差込み取付け具を備えるプローブを支持し、取り付けるための機械装置を用いる、本発明の目的をなす2つの電離放射線検出プローブを備えた核物質監視装置の一例を3次元で示す図である。
【
図2A】本発明による電離放射線検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置の一例のコリメータホルダを示す図であり、ここで、コリメータホルダは意図的にコリメータを備えていない。
【
図2B】本発明による少なくとも1つの電離放射線検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置のコリメータホルダ及びその交換可能なコリメータの一例を示す図である。
【
図2C】本発明による少なくとも1つの電離放射線検出プローブを支持し、取り付けるための機械装置のコリメータホルダ及びその交換可能なコリメータの一例を示す図である。
【
図3】そのグローブポートの1つに、それぞれがコリメータに関連した2つの電離放射線検出プローブを備える本発明による核物質監視装置を装備したグローブボックスを示す図である。
【
図4A1】グローブボックスのグローブポートと、機械的支持及び取付け装置を取り付けるための装置の間の結合の詳細を示す図であり、取付け装置は爪タイプである。
【
図4A2】グローブボックスのグローブポートと、機械的支持及び取付け装置を取り付けるための装置の間の結合の詳細を示す図であり、取付け装置は爪タイプである。
【
図4B】グローブボックスのグローブポートと、機械的支持及び取付け装置を取り付けるための装置の間の結合の詳細を示す図であり、取付け装置は爪タイプである。
【
図4C】グローブボックスのグローブポートと、機械的支持及び取付け装置を取り付けるための装置の間の結合の詳細を示す図であり、取付け装置は爪タイプである。
【
図4D】グローブボックスのグローブポートと、機械的支持及び取付け装置を取り付けるための装置の間の結合の詳細を示す図であり、取付け装置は爪タイプである。
【
図5】容積が60mm
3または1mm
3である、2つの電離放射線検出プローブのエネルギの関数として固有効率を例示したグラフである。 同じか、同様か、または、同等の後述するさまざまな部分は、1つの図からもう1つの図への移行をより容易にするため、同じ参照番号を備えている。 これらの図に描かれたさまざまな部分は、これらの図をより容易に読み取れるようにするため、必ずしも一定の比率で描かれているわけではない。 これらの図では、不必要に過度の描写を盛り込まないようにするため、周知の構造については詳細に描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1A、1Bは、本発明の目的をなす核物質監視装置の2つの図である。本発明の目的をなす核物質監視装置は、グローブボックス9内に納められた核物質を監視することを目的としている。グローブボックス9は、
図3においてのみ見られる。
【0027】
グローブボックス9は、少なくとも1対のアパーチャ9.1(グローブポートタイプの)を備えた密封エンクロージャである。アパーチャ9.1のそれぞれはハンドリンググローブ9.2を密封方式で備えているので、オペレータは、汚染の危険を伴わずにグローブボックス内に手を入れることができる。グローブは、装置の導入もしくは廃棄物の除去を可能にするスリーブに置き換えることが可能である。この場合、スリーブは、アパーチャに密封方式で取り付けられる。
図3には、グローブだけしか示されていないが、スリーブは指の部分が除去されたグローブに似たものであろうと想像することができる。
【0028】
核物質監視装置には、まず第1に、少なくとも1つの電離放射線検出プローブ1と、第2に、グローブボックス9のアパーチャ9.1内に電離放射線検出プローブ1を支持し、取り付けるための機械装置10が含まれている。電離放射線検出プローブ1は、当然ながら、電離放射線検出プローブ1によって送信される信号を処理し、表示するためのシステム11に接続されている。電離放射線を検出するためのプローブ1には、電離放射線に感応する検出器2が含まれている。
図1A、1Bの場合、プローブ1は部分的にしか見ることができない。
【0029】
X線及び/またはガンマ線分光測定プローブを用いるのが望ましい。X線分光測定は、ガンマ線分光測定よりも弱いエネルギ準位、とりわけ、120keV未満のエネルギ準位に関するものである。説明の残りの部分において、「検出プローブ」という表現が用いられる場合、これは、これが任意のタイプの電離放射線検出プローブで差し支えないことを表わしている。
【0030】
X線及び/またはガンマ線分光測定プローブによれば、スペクトル、すなわち、核物質によって放射されるX線及び/またはガンマ線のエネルギ分布を知ることが可能になる。得られるスペクトルは、X線及び/またはガンマ線分光測定プローブ1に取り付けられた検出器2におけるX線及び/またはガンマ線のさまざまな基本的相互作用を反映している。
【0031】
図2A、2B、2Cを参照する。この電離放射線検出プローブ1は、軸xx′に沿って延びる細長い形状をしている。核物質から生じる電離放射線に感応する検出器2は、プローブの一方の端部に配置されている。この検出器2は、受けた電離放射線を電気信号に変換する。処理及び表示システム11によって処理できるようにするため、電気信号を伝達するように意図された導電体1.1は、プローブ1のもう一方の端部において接触可能である。
【0032】
この検出器2は、CdTeまたはCdZnTeのような半導体材料製とすることができる。これらの材料は、X線及びガンマ線に感応するためである。この検出器2は回転対称をなすシリンダの形態をとることができる。
【0033】
この検出プローブ1は視準が合わされていることが望ましい。コリメータ3は、検出器2に見える空間の部分、すなわち、その観測視野を制限するように意図されている。コリメータ3は、検出プローブ1の検出器2の観測視野を画定する立体角の値によって特性が示される。検出器2の容積が異なることがあるが、同じコリメータを用いることができる。この容積は、例えば1mm
3〜1500mm
3とすることができる。
【0034】
検出プローブ1は、やはり本発明の目的であるグローブボックス内の機械的支持及び取付け装置10と共に用いるように意図されている。本発明の目的である検出プローブ1の機械的支持及び取付け装置10には、コリメータホルダ5に終端が位置するプローブホルダ7と、グローブボックス9のグローブポート9.1との取付け装置6が含まれている。
【0035】
検出プローブ1は、プローブホルダ7から取り外すことが可能である。極めてさまざまな準位の放射線源を測定するため、さまざまな容積を有する検出器2を用いることのできる、ある程度の範囲の検出プローブ1でなければならない。
【0036】
コリメータホルダ5は、コリメータ3の保持を目的としたものである。
図2Aにおいて明らかなように、プローブホルダ7内に収容された検出プローブ1は、コリメータが存在しなくても、開放観測視野で機能することが可能である。この構成の場合、コリメータホルダ5は、コリメータ3を保持していない。検出プローブ1の検出器2はコリメータホルダ5から姿を現している。
【0037】
プローブホルダ7は、選択的に、主軸まわりに回転されて製造された管状部品である。検出プローブ1は、プローブホルダ7に挿入するように意図されている。プローブホルダ7は、ステンレス鋼製とすることが可能である。それは、コリメータホルダ5に取り付けなければならない第1の開放端部と、処理及び表示システム11に電気的に接続するため、検出プローブ1からの導電体1.1に接触可能にする第2の端部を備えている。
【0038】
コリメータホルダ5は、管状部品である。それは主軸まわりに製造され、プローブホルダ7の太さより太い。その両端は開放されている。それはプローブホルダ7のように、プローブ1をなめらかにはめられるように意図されている。それは、一方の端部によってプローブホルダ7の一方の端部に取り付けられ、そのもう一方の端部によってコリメータ3に取り付けられるように意図されている。それは、プローブホルダ7を延長する。コリメータホルダ5は、プローブホルダ7が可能なのと同様、ステンレス鋼製とすることが可能である。それは、コリメータ3よりも強い機械特性を備えていなければならない。
【0039】
コリメータ3は遮蔽機能を有している。それは銅製または銅合金製とすることが可能であるが、銅が鋼よりも優れた減衰率を有しているためである。コリメータ3には、検出器2がコリメータ3内に納められると、電離放射線が検出器2に到達できるようにするアパーチャが含まれている。コリメータの残りの部分、すなわち、本体は、検出器を包囲しており、電離放射線に対する遮蔽機能を備えている。
【0040】
図2Bに示されるように、コリメータ3は取外し可能とすることが好ましい。すなわち、それはコリメータホルダ5から容易に取り外すことが可能である。ある特定の検出プローブ1の場合、そこで、さまざまな値のアパーチャ、従って、さまざまな値の立体角を備えるいくつかのコリメータ3を設けることが可能である。また、コリメータをなくし、コリメータホルダ5を空いたままにしておくことも可能である。可変立体角の利用を可能にする交換式コリメータ3の利用は、グローブボックスの寸法に核物質監視装置を適応させるのに極めて役に立つ。グローブボックスの寸法とは、第1に、グローブボックスのカウンタトップとグローブポートの中心を通る軸との間の高さであり、第2に、この軸に沿って測定されたカウンタトップの深さである。
【0041】
図2Aには、コリメータホルダ5と、それを貫通する検出プローブ1が示されているが、コリメータがなく、検出器2が姿を現している。
図2Bには、プローブ1、コリメータホルダ5、コリメータホルダ5に取外し可能に取り付けられたコリメータ3、及び、コリメータホルダ5内に装着するように意図された、さまざまな立体角を備える一連の他のコリメータ3が示されている。
図2Cには、軸XX′に沿った縦断面として、
図2Bのさまざまな要素が示されている。
【0042】
コリメータ3は、一方の端部が閉じた管状の部品である。それは、主軸まわりに回転されて製造される。それは、その端部の一方が閉じており、そのもう一方の端部はコリメータホルダ5に取り付けなければならない。閉鎖端部は、球状か、フラットか、もしくは、その他のキャップの形状を備えることが可能である。球状キャップは、空間の観点からして検出器2まわりにおける材料の厚さを均一化するのに有利である。
【0043】
コリメータ3は、検出プローブ1の検出器2を収容することを目的とする。コリメータ内の凹部の容積は、さまざまな容積の検出器を収容できるように選択されている。それには、検出器2の観測視野を画定するように、円錐形状が望ましい貫通孔3.1が側方に含まれている。円錐の立体角はコリメータの立体角に等しい。
【0044】
貫通孔3.1は、コリメータ3の主軸に対して垂直な軸まわりに形成されている。これらの軸は
図2Cにおいて見ることができる。
図2B及び2Cには、それぞれ、10°、30°、50°、70°、及び、90度の立体角を有する5つの異なるコリメータ3が提示されている。カバーされる角範囲は、従って、20°の間隔で、10°〜90°になる。もちろん、他の値も考えられる。
【0045】
図1A、1Bにおいて、検出プローブ1、コリメータホルダ5、コリメータ3、及び、プローブホルダ7は、同軸をなすようにして、一方が他方の内側に嵌め込まれている。
【0046】
コリメータ3及びコリメータホルダ5は、締結具8によって互いに取り付けられている。これらの締結具8には、第1にシリンダ同士の嵌合、第2に固定手段が含まれている。コリメータ3及びコリメータホルダ5は、シリンダ同士の嵌合を利用して互いに装着されている。これを実行するため、コリメータ3は、コリメータホルダ5によって保持された雄型円筒状部分5.1を嵌入する雌型円筒状部分3.1によって取り付けられる。もちろん、コリメータホルダ5が雌型円筒状部分と嵌合し、コリメータ3が雄型円筒状部分と嵌合するように構想することも可能である。この装着によって、コリメータがコリメータホルダにぶつかると、コリメータを停止させることが可能になる。
【0047】
互いに嵌合すると、コリメータホルダ5とコリメータ3は、雌型円筒状部分3.1の半径方向の貫通孔3.2を通り、雄型円筒状部分5.1のノッチ5.2にぶつかって止まるように意図された少なくとも1つのボールプランジャのような固定手段8.1によって、滑りまたは回転が阻止される。これらの図において、2つのボールプランジャ8.1が、互いに直径の反対側に描かれているが、これにより、コリメータ3とコリメータホルダ5との間における回転止めの信頼性を高めることができる。コリメータホルダ5の雄型円筒状部分5.1には、一連の一様に配分されたノッチ5.2が描かれているが、これにより、コリメータホルダ5に対してコリメータ3の貫通孔3.1の角位置を調整することが可能になる。
図2Aには、12のノッチ5.2が描かれている。この数は限定されたものではない。コリメータホルダ5に対するコリメータ3のアパーチャの角位置を調整して、寄生ガンマ放射線源を立体角から、従って、検出プローブの観測視野から排除することにより、寄生ガンマ放射線源を避けることが可能になる。機械的支持装置10は、いくつかの検出プローブ1に合せて設計されると、コリメータ3のアパーチャの角位置を調整することにより、
図3に例示されたグローブボックス9のカウンタトップの可能性のある最大領域をカバーするように、各検出プローブ1の視野のアライメントをさまざまにとることが可能になる。
【0048】
コリメータホルダ5には、検出プローブ1の滑りもしくは回転を阻止するため、ロック手段5.3も設けられている。それらは、
図2B及び2Cにおいてのみ見ることができる。
【0049】
ロック手段5.3には、コリメータホルダ5のボアに半径方向に貫入し、締め付けられると、その一方の端部が検出プローブ1にぶつかって止まることになるネジを含むことが可能である。
【0050】
機械的支持及び取り付け装置10には、グローブボックス9のグローブポート9.1に取り付けられる取り付け装置6も含まれる。核物質監視装置をグローブボックス9のグローブポート9.1に滑り込ませた場合、グローブ9.2またはスリーブは所定位置に留まる。これに関して、たとえグローブがスリーブを備えているとしても、「グローブポート」という用語を使い続けることにする。
【0051】
取り付け装置6には、グローブボックス9のグローブポート9.1に取り付けなければならないフランジ6.2によって包囲された中心部分6.1が含まれている。もう一度、
図1A、1B、さらに、
図3も参照することにする。このグローブポート9.1は、一般に3つ存在するラグ9.3を取り付けることが可能なリング9.5で縁取られている。その部分に関して、フランジ6.2は、これらの図では、ラグ9.3にぴったりと合うバヨネットタイプのアタッチメント6.3が取り付けられている。1つ以上のプローブホルダ7が、中心部分6.1を横断している。いくつかのプローブホルダ7のための単一取り付け装置6が設けられている。中心部分6.1は、完全な円板の形態で描かれているが、プローブホルダ7の1つがそのそれぞれに挿入される1つ以上の穴を備えている。この中心部分6.1はシャッタに似ている。それはグローブポート9.1を塞ぐ。グローブが固定シールを施している場合には、穴あき中心部分も可能であろう。中心部分6.1の唯一の役割は、プローブホルダ、または、各プローブホルダ7を支持し、位置決めすることである。
【0052】
図4A1及び4A2に例示の変形態様として、グローブポート9.1は、外側に1つ以上のグルーブ9.41または1つ以上のビード9.42が設けられたリング9.5で縁取られている。グルーブ9.41は凹んでおり、ビード9.42は突き出している。フランジ6.2には、少なくとも9.42においてリング9.2の外側を支持する半径方向の爪6.40、6.50が設けられている。
図4B、4C、4Dを参照することにする。爪6.40、6.50のうち、6.50の参照番号が付いたほうの少なくとも1つは、
図4Dに例示のように調整可能であり、もう一方の爪6.40は固定されている。可調整爪6.50は、取り付けが最適になるように、2つの部分、すなわち、フランジ6.2にしっかりと取り付けられた1つの固定部分6.51と、グローブボックスに最も近い端部、この場合は第2の端部とグルーブ9.41内で係合するように意図された湾曲端部を備える1つの可動部分6.52からなっている。グルーブリング9.5が、代わりに、
図4A2におけるように1つ以上のビード9.42を備える場合、可動部分6.52は、ビードの1つ、すなわち、グローブボックスに最も近いビードである例えば第2のビードによって支持される。可動部分6.52の湾曲端部が所定位置につくと、可動部分6.52を固定部分6.51に押し付けて保持するため、ネジ締付け手段6.53が設けられている。
【0053】
とりわけ、フランジ6.2が取り付けられ、グローブボックスのグローブポート9.1において回転できなくなると、中心部分6.1をフランジ6.2に対して回転させることが可能になる。次に、検出器がグローブボックス内に配置される。中心部分6.1がフランジ6.2に対して回転できなくするための手段6.4が設けられる。これは、フランジ6.2にねじ込むことができ、ねじ込まれると、その頭が、フランジ6.2に対して中心部分6.1を動けなくする、少なくとも1つのローレット頭ネジ6.4とすることが可能である。中心部分6.1のまわりにはいくつかのローレット頭ネジを配分するのが望ましい。ローレット頭ネジの利点は、その頭に広い締付け領域をもたらす大きい肩を備えているという点にある。
【0054】
図には、互いに直径の反対側に位置する2つのこうしたネジが描かれている。ネジの軸は、軸XX′に対してほぼ平行である。取付け装置6、とりわけ、その中心部分6.1は、水平及び/または垂直に対する中心部分6.1の角アライメントを決定できるように、気泡水準器6.5を装備している。
【0055】
締付け前に、各プローブホルダ7は取付け装置6に対して滑らせ、回転させることが可能である。それは、取付け装置6の中心部分6.1内を滑ることが可能である。取付け装置6に対するプローブホルダ7のそれぞれの滑り及び回転を阻止するロック手段6.5が設けられている。これによって、取付け装置6がグローブボックスにしっかりと取り付けられた後、グローブポートに対してグローブボックス内の検出器の位置の深さを調整することが可能になる。これらのロック手段6.5は、例えば、手で容易にねじ込み、ねじって抜くことが可能な蝶ネジによって各プローブホルダ7毎に施すことが可能である。この蝶ネジは、取付け装置6の中心部分6.1の突出部6.10にねじ込まれる。その端部は、プローブホルダ7のグルーブに係合し、回転または滑りを阻止することになる。これらの図には、グルーブを見ることはできない。回転またはすべりを阻止するこのタイプの手段は、機構学において一般的である。
【0056】
もちろん、各検出プローブ1は、できれば別個に、高電圧と低電圧の電力供給を受けるように意図されており、この電源は、図に過度の描写を盛り込まないようにするため、描かれていない。各検出プローブ1は、プローブによって送出される信号を処理して、表示するためのシステム11に接続されるように意図されている。
【0057】
CdZnTeまたはCdTe製の検出器は、満足のいく分解能を備えつつ、
図5に示すように高エネルギより低エネルギにおいて効率的であるため、優先的に選択される。この分解能は、スペクトルにおいて、半値幅に相当し、十分に読み取ることができるものでなければならない。例えば、アメリシウム241の場合、この半値幅は、1keV未満である。さらに、これらの検出器の形態は十分にコンパクトであるが、これは、コリメータに収容した場合、単一ユニットまたはいくつかのユニットとして、グローブボックスの標準的なグローブポートに挿入できるということを表わしている。
【0058】
図5は、容積が1mm
3〜60mm
3のCdZnTe製検出器で得られたものである。横軸の目盛が0〜1400keVの範囲にわたるのを見て取ることができる。アクチニド(その質量数がアクチニウムのそれより大きい、すなわち227の放射性元素)が、そのピークが0〜300keVのエネルギのガンマ線を有することも想起される。例えば、プルトニウムまたはその派生物の2つの特性線は、アメリシウム241の場合59.54keVのエネルギ準位を有し、ウラン237の場合、208keVのエネルギ準位を有している。
【0059】
所定の検出器のエネルギEにおけるcm
2当りの固有効率K(E)は、検出器から所定の距離に配置された、その放射能の強さが分かっている局部的な測定標準放射線源を用いて実験的に求められる。測定標準放射線源で得られるスペクトルの各有意ピーク毎に、計測率が計算されるが、それは、検出器の中心における測定標準のフルエンス率に関連している。検出器の固有効率は、公式K(E)=S(E)/Tc×Φ(E)を満たす。ここで、S(E)は、エネルギ準位Eのエネルギピークの正味面積であり、Tcは、秒で表現されるスペクトルの取得時間であり、Φ(E)は、検出器の中心におけるフルエンス流量率(ガンマ/cm
2/s)である。
【0060】
スペクトルは通常の方法で処理される。
【0061】
それにより、オペレータは、グローブボックス内の核物質の量がどれほど変化したのかを2つの方法で知ることが可能になる。スペクトルに存在する各線毎に、ピークの最高点及びピークの正味面積における対応するエネルギが得られる。
【0062】
これらの方法のうちの1つは、保持または除染係数FDを求めることであり、もう1つは、コリメータの立体角内に含まれる核物質の放射能の強さを決定することになるスペクトルの直読である。この角度は、グローブボックス全体をカバーするため、サイズ及び位置によって異なる可能性がある。
【0063】
ある特定の放射性元素に関する保持または除染係数FDを推定するため、この放射性元素の有意エネルギ準位Eiの正味ピーク面積が、2つの特定の瞬間t0及びt1に求められた。ここで、t1はt0より遅い。核物質の質量は、これら2つの瞬間の間で変化した推測される。時間(計測率)に関して補正されたこれらの面積は、N
0Ei及びN
1Eiと呼ばれる。瞬間t0と瞬間t1の間におけるエネルギEiの保持または除染係数FDは、N
0Ei/N
1Eiの比率である。
【0064】
このようにして、観測される核物質中に存在する1つ以上の放射性元素を同定することが可能であり、この核物質は、グローブボックス内に納められている。