特許第6014041号(P6014041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーレイト リミテッド ライアビリティー カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014041
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】表面散乱アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/00 20060101AFI20161011BHJP
   H01Q 13/28 20060101ALI20161011BHJP
   H01Q 3/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H01Q1/00
   H01Q13/28
   H01Q3/00
【請求項の数】36
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-533845(P2013-533845)
(86)(22)【出願日】2011年10月14日
(65)【公表番号】特表2013-539949(P2013-539949A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】US2011001755
(87)【国際公開番号】WO2012050614
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年10月14日
(31)【優先権主張番号】61/455,171
(32)【優先日】2010年10月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508156546
【氏名又は名称】シーレイト リミテッド ライアビリティー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】SEARETE LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】クンツ,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ビリー,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ボードマン,アンナ,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハニガン,ラッセル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハント,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ナッシュ,デイビッド,アール.
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンソン,ライアン アラン
(72)【発明者】
【氏名】サリヴァン,フィリップ,エイ.
【審査官】 岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−054146(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/007545(WO,A1)
【文献】 特開2010−187141(JP,A)
【文献】 特開2007−081825(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/021736(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0167456(US,A1)
【文献】 米国特許第7253780(US,B2)
【文献】 米国特許第5650787(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波伝搬構造と、
上記波伝搬構造に沿って配置された複数の散乱素子とを備えたアンテナであり、
上記複数の散乱素子は、
素子間の間隔が、上記アンテナの動作周波数に対応する自由空間波長よりも実質的に小さく、
上記波伝搬構造の誘導波モードに対する複数の独立した変動的な電磁特性を有しており、
上記複数の独立した変動的な電磁特性は、上記アンテナの変動照射野を提供し、
上記波伝搬構造は、1つ以上の上部導電面を含む導波管であり、
上記複数の散乱素子は、上記上部導電面内の複数の開口部に対応することを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
上記複数の散乱素子は、複数の略同一の散乱素子であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
上記複数の独立した変動的な電磁特性は、上記波伝搬構造の上記誘導波モードに対する有効媒質応答を提供することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
上記複数の独立した変動的な電磁特性は、複数の磁気双極子照射野であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
上記動作周波数は、マイクロ波周波数であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
上記マイクロ波周波数は、Ka帯周波数であることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項7】
上記マイクロ波周波数は、Ku帯周波数であることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項8】
上記マイクロ波周波数は、Q帯周波数であることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項9】
上記素子間の間隔は、上記自由空間波長の4分の1の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項10】
上記素子間の間隔は、上記自由空間波長の5分の1の長さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項11】
上記波伝搬構造は、二次元の波伝搬構造であることを特徴とする請求項に記載のアンテナ。
【請求項12】
上記二次元の波伝搬構造は、平行板導波管であり、
上記1つ以上の上部導電面は、上記平行板導波管の上部導電体であることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
【請求項13】
上記波伝搬構造は、1つ以上の一次元の波伝搬構造を含むことを特徴とする請求項に記載のアンテナ。
【請求項14】
上記1つ以上の一次元の波伝搬構造は、二次元のアンテナ領域を構成する複数の一次元の波伝搬構造であることを特徴とする請求項13に記載のアンテナ。
【請求項15】
上記1つ以上の一次元の波伝搬構造は、1つ以上のマイクロストリップを含むことを特徴とする請求項13に記載のアンテナ。
【請求項16】
上記1つ以上の上部導電面は、上記1つ以上のマイクロストリップ各々の1つ以上の上部導電体であることを特徴とする請求項15に記載のアンテナ。
【請求項17】
上記1つ以上の上部導電面は、上記1つ以上のマイクロストリップの1つ以上の上部導電体に平行に配置された1つ以上の導電ストリップであることを特徴とする請求項15に記載のアンテナ。
【請求項18】
上記1つ以上の一次元の波伝搬構造は、1つ以上の共面導波管を含むことを特徴とする請求項13に記載のアンテナ。
【請求項19】
上記1つ以上の上部導電面は、上記1つ以上の共面導波管の上に配置されていることを特徴とする請求項18に記載のアンテナ。
【請求項20】
上記1つ以上の一次元の波伝搬構造は、1つ以上の閉塞導波管を含むことを特徴とする請求項13の記載のアンテナ。
【請求項21】
上記1つ以上の閉塞導波管は、1つ以上の長方形導波管を含むことを特徴とする請求項20に記載のアンテナ。
【請求項22】
上記1つ以上の長方形導波管は、1つ以上の二重リッジの長方形導波管を含むことを特徴とする請求項21に記載のアンテナ。
【請求項23】
上記1つ以上の上部導電面は、上記1つ以上の閉塞導波管各々の1つ以上の上面であることを特徴とする請求項20に記載のアンテナ。
【請求項24】
上記1つ以上の上部導電面は、上記1つ以上の閉塞導波管各々の1つ以上の上面上に配置されており、
上記1つ以上の上面は、上記1つ以上の上部導電面内の上記複数の開口部に隣接した複数のアイリスを含むことを特徴とする請求項20に記載のアンテナ。
【請求項25】
上記複数の開口部は、上記1つ以上の上部導電面と電気的に絶縁された複数の島状導電部各々を規定し、
上記アンテナは、
上記1つ以上の上部導電面と上記複数の島状導電部各々との間それぞれに、バイアス電圧を印加するように構成された複数のバイアス電圧線と、
上記複数の開口部の周辺に少なくとも部分的に配置された電気的調整材料とをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のアンテナ。
【請求項26】
上記電気的調整材料は、液晶材料であることを特徴とする請求項25に記載のアンテナ。
【請求項27】
上記液晶材料は、ネマチック液晶であることを特徴とする請求項26に記載のアンテナ。
【請求項28】
上記液晶材料は、二周波液晶であることを特徴とする請求項26に記載のアンテナ。
【請求項29】
上記液晶材料は、高分子網目液晶であることを特徴とする請求項26に記載のアンテナ。
【請求項30】
上記液晶材料は、高分子分散液晶であることを特徴とする請求項26に記載のアンテナ。
【請求項31】
上記複数の開口部は、上記1つ以上の上部導電面と電気的に絶縁された複数の島状導電部各々を規定し、行列状に配置されており、
上記アンテナは、
上記1つ以上の上部導電面と上記複数の島状導電部各々との間それぞれに、バイアス電圧を印加するように構成された複数のバイアス回路と、
上記複数のバイアス回路の列を各々がアドレス指定する1組の列制御線と、
上記複数のバイアス回路の行を各々がアドレス指定する1組の行制御線と、
上記複数の開口部の周辺に少なくとも部分的に配置された電気的調整材料とをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のアンテナ。
【請求項32】
上記複数のバイアス回路各々は、上記複数の開口部に隣接する位置に行列状に配置されていることを特徴とする請求項31に記載のアンテナ。
【請求項33】
上記複数の開口部は、上記誘導波の磁場に対する複数の磁気双極子励起を引き起こす複数の相補的メタマテリアル要素を規定することを特徴とする請求項に記載のアンテナ。
【請求項34】
上記複数の相補的メタマテリアル要素は、複数の相補的電気LCメタマテリアル要素であることを特徴とする請求項33に記載のアンテナ。
【請求項35】
上記複数の磁気双極子励起は、上記1つ以上の上部導電面に平行に方向づけられた複数の面内磁気双極子励起であることを特徴とする請求項33に記載のアンテナ。
【請求項36】
上記複数の面内磁気双極子励起は、上記1つ以上の上部導電面に平行な第1方向に方向づけられた複数の第1面内磁気双極子励起と、上記第1方向に垂直であり、かつ、上記1つ以上の上部導電面に平行な第2方向に方向づけられた複数の第2面内磁気双極子励起とを含むことを特徴とする請求項35に記載のアンテナ。



【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連する出願についての相互参照〕
本願は、以下に記載した出願(“関連出願”)に基づく最先の有効出願日の利益に関連し、その利益を主張する(例えば、本願は、仮特許出願以外の最先の有効な優先日を主張するか、仮特許出願、関連出願の任意のすべての親出願、その親出願、さらにその親出願等に対して、合衆国法典35巻第119条(e)に基づく利益を主張する)。関連出願、および関連出願の任意のすべての親出願、その親出願、さらにその親出願等のうち、いかなる優先権の主張をするものであっても、すべての内容は本明細書と矛盾しないような内容の範囲内で参照によって本明細書に含まれる。
【0002】
〔関連出願〕
USPTOの特別な法的要件のために、本願は、米国特許出願第61/455,171号(発明の名称:「表面散乱アンテナ」、発明者:NATHAN KUNDTZら、出願日:2010年10月15日、現在同時係属)の一部継続出願を構成しているか、または現在同時係属している出願に出願日の利益を得る権利が付与される出願である。
【0003】
米国特許商標庁(USPTO)は、USPTOのコンピュータプログラムにおいて、特許出願人が整理番号と、出願が継続出願であるか、一部継続出願であるか、または親出願の分割出願であるかということとの双方を示すことが必要となることに関する通知を発表した。これはStephen G. Kuninによる「先願の利益」と題された通知(2003年3月18日付のUSPTO官報)である。本願の出願団体(以下、「出願人」)は、法令に則って優先権が主張されている出願に対する特定の参照を以上で示している。出願人は、法令の示す具体的な参照の文言は一義的であり、米国特許出願の優先権を主張するために整理番号または「継続中」あるいは「一部継続中」等のいかなる説明も必要しないと理解している。しかしながら、出願人は、USPTOのコンピュータプログラムが一定のデータ入力要求を有すると理解しているので、上記のように本願とその親出願との関係を表示するが、このような表示は、本願がその親出願の事項に加えて何らかの新規事項を含んでいるかどうかに関して、何らかの注釈および/または自認をするものというように解釈されるべきではない。
【0004】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、表面散乱アンテナを示す概略図である。
【0005】
図2Aおよび2Bは、それぞれ表面散乱アンテナの模範的な調整パターンと、対応するビームパターンとを示す図である。
【0006】
図3Aおよび3Bは、それぞれ表面散乱アンテナの他の模範的な調整パターンと、対応するビームパターンとを示す図である。
【0007】
図4Aおよび4Bはそれぞれ、表面散乱アンテナの他の模範的な調整パターンと、対応するフィールドパターンとを示す図である。
【0008】
図5および図6は、表面散乱アンテナのユニットセルを示す図である。
【0009】
図7は、メタマテリアル要素の例を示す図である。
【0010】
図8は、表面散乱アンテナのマイクロストリップの実施形態を示す図である。
【0011】
図9は、表面散乱アンテナの共面導波管の実施形態を示す図である。
【0012】
図10および図11は、表面散乱アンテナの閉塞導波管の実施形態を示す図である。
【0013】
図12は、散乱素子の直接アドレス指定を用いた表面散乱アンテナを示す図である。
【0014】
図13は、散乱素子の行列アドレス指定を用いた表面散乱アンテナを示す図である。
【0015】
図14は、システムブロック図を示す図である。
【0016】
図15および図16は、フロー図を示す図である。
【0017】
〔詳細な説明〕
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付図面を参照している。図面において、類似の記号は、特に断りがない限り、類似の構成要素を通常は特定している。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に示されている事項の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよいし、また他の変更がなされてもよい。
【0018】
表面散乱アンテナの概略図が、図1に示されている。表面散乱アンテナ100は、波伝搬構造104に沿って配置された複数の散乱素子102a,102bを含んでいる。波伝搬構造104は、マイクロストリップ、共面導波管、平行板導波管、誘電体板、閉塞したまたは管状の導波管、もしくは構造に沿ってまたは構造内に誘導波または表面波105が伝搬するのを支持し得る構造であればいかなる構造であってもよい。状線105は、誘導波または表面波を象徴化して示したものであり、誘導波または表面波の実際の波長または振幅を示すことを意図していない。加えて、波状線105が波伝搬構造104内(例えば、誘導波について言えば金属製導波管内)に示されているが、表面波に関しては波伝搬構造の外側に実質的に局在し得る(例えば、TMモードでは1本のワイヤー伝送線上にあり、「疑似プラズモン」では人工的なインピーダンス表面上にあり得る)。散乱素子102a,102bは、波伝搬構造104内に組み込まれているか、波伝搬構造104の表面上に配置されているか、または波伝搬構造104のエバネッセント近傍に配置されたメタマテリアル要素を含んでいてもよい。例えば、散乱素子は、米国特許出願公開第2010/0156573号(D.R.Smithら「表面および導波管のためのメタマテリアル」)に開示されているような、相補的メタマテリアル要素を含むことができる。この文献は参照により本願に含まれる。
【0019】
表面散乱アンテナは、波伝搬構造104を給電構造108に連結するために構成された少なくとも1つの給電コネクタ106も含む。給電構造108(同軸ケーブルとして概略的に示されている)は、伝送線、導波管、または給電コネクタ106を経由して、波伝搬構造104の誘導波または表面波105に送り出され得る電磁信号を供給可能な構造であればいかなる構造であってもよい。給電コネクタ106は、例えば同軸マイクロストリップコネクタ(例えば、SMA−to−PCBアダプタ)、同軸導波管コネクタ、モード適合移行部等であってもよい。図1に「エンドランチ」構造の給電コネクタを示しており、当該構造により誘導波または表面波105が波伝搬構造の周辺領域(例えば、マイクロストリップの先端または平行板導波管の端部)から送り出され得る。しかし、別の実施形態においては、給電構造は、波伝搬構造の非周辺部に取り付けられていてもよく、それにより誘導波または表面波105は、波伝搬構造の非周辺部(例えば、マイクロストリップの中間点、または平行板導波管の上端または下端に空けられた穴)から送り出され得る。また、さらに別の実施形態では、複数の位置(波伝搬構造の周辺の位置および/または非周辺の位置)において波伝搬構造に取り付けられた複数の給電コネクタを提供してもよい。
【0020】
散乱素子102a,102bは、1つ以上の外部入力に応じて調整可能な電磁特性を有する調整可能な散乱素子である。調整可能な散乱素子の様々な実施形態は、例えば既に参照したD.R.Smithらの文献に開示されており、本明細書にさらに開示されている。調整可能な散乱素子は、電圧入力(例えば、能動素子(例えば、バラクタ、トランジスタ、またはダイオード等)または管状誘電性物質を組み込む素子(例えば、強誘電体等)へのバイアス電圧)、電流入力(例えば、能動素子への荷電粒子の直接注入)、光入力(例えば、光活性物質の照明)、フィールド入力(例えば、非線形磁性体を含む素子への磁場)、機械的入力(例えば、MEMS、作動装置、または油圧技術)等に応じて調整可能な素子を含むことができる。図1の概略例では、第1電磁特性を有する第1状態に調整された散乱素子は、第1素子102aとして示されており、第2電磁特性を有する第2状態に調整された散乱素子は、第2素子102bとして示されている。第1および第2電磁特性に対応する第1および第2状態を有している散乱素子の図示は、制限することを意図していない。実施形態は、互いに異なる非連続の複数の電磁特性に対応した非連続の複数の状態の中から選択するために非連続的に調整可能である散乱素子、または互いに異なる連続の電磁特性に対応した連続の状態の中から選択するために連続的に調整可能な散乱素子を提供してもよい。さらに、図1に示されている調整の具体的形態(すなわち、素子102a,102bの交互配列)は、単に模範的な構成であり、制限することを意図していない。
【0021】
図1の例において、散乱素子102a,102bは、それぞれ第1および第2電磁特性の関数である誘導波または表面波105への第1および第2結合を有している。例えば、第1および第2結合は、誘導波または表面波の周波数または周波数帯における散乱素子の第1および第2分極率であってもよい。1つの方法では、第1結合が実質的な非ゼロ結合であるのに対して、第2結合は実質的なゼロ結合である。別の方法では、両方の結合が実質的な非ゼロ結合であるが、第1結合が第2結合よりも実質的に大きい(または小さい)。第1および第2結合に起因して、第1および第2散乱素子102aおよび102bは、それぞれ第1および第2結合の関数(例えば、比例)である振幅を有する複数の散乱電磁波を形成するために誘導波または表面波105に対応する。散乱電磁波の重ね合わせは、本実施例において、表面散乱アンテナ100から放射する平面波110として示されている電磁波を備える。
【0022】
平面波の発生は、散乱素子の調整の具体的なパターン(例えば、図1における第1および第2散乱素子の交互の配置)を、平面波110を形成するために誘導波または表面波105を散乱させる格子を規定するパターンとして見なすことによって理解され得る。このパターンは調整可能なので、表面散乱アンテナのいくつかの実施形態は、調整可能な格子、またはより一般的にホログラムを提供してもよい。この場合、散乱素子の調整パターンは、ホログラフィの原則に従って選択され得る。例えば、誘導波または表面波が波伝搬構造104に沿った位置の関数である複素スカラ入力波Ψinによって表され、表面散乱アンテナが別の複素スカラ波Ψoutによって表される出力波を形成することが望まれるとする。この場合、波伝搬構造に沿った入力波および出力波の干渉縞に対応する散乱素子の調整パターンが選択され得る。例えば、Re[ΨoutΨin]によって与えられる干渉期間の関数(例えば、比例または階段関数)である誘導波または表面波への結合を提供するために調整されてもよい。このように、選択されたビームパターンに対応する出力波を特定することによって任意のアンテナ放射パターンを提供するために表面散乱アンテナの実施形態を調整し、上述したように散乱素子を調整してもよい。そのため、表面散乱アンテナの実施形態は、例えば選択されたビーム方向(例えば、ビームステアリング)、選択されたビーム幅または形状(例えば、広いまたは狭いビーム幅を有するファンまたはペンシルビーム)、選択されたヌル配置(例えば、ヌルステアリング)、選択された多数のビームの配置、選択された偏向状態(例えば、直線偏向、円偏向、または楕円偏向)、選択された全位相、またはこれらの組み合わせを提供するために調整されてもよい。代わりにまたは加えて、表面散乱アンテナの実施形態は、選択された近接場放射プロファイルを提供するために、例えば近接場集束および/または近接場ヌルを提供するために調整されてもよい。
【0023】
干渉縞の空間分解能が散乱素子の空間分解能によって制限されるので、素子間の間隔が、装置の動作周波数に対応する自由空間波長よりも非常に小さい(例えば、この自由空間波長の5分の1の4分の1よりも小さい)内部要素空間を持つ波伝搬構造に沿って散乱素子は配置されてもよい。いくつかの方法では、動作周波数は、センチメートル規模の自由空間波長に対応するKa、Ku、およびQ等の周波数帯の中から選択されるマイクロ波周波数である。この長さの規模は、後述する従来のプリント基板技術を使った散乱素子の製造を可能にする。
【0024】
いくつかの方法では、表面散乱アンテナは、散乱素子の略一次元の配置を有する略一次元の波伝搬構造104を含んでいる。当該一次元の配置の調整パターンは、例えば頂角の関数として(すなわち、一次元の波伝搬構造に平行な頂点方向に比例して)選択されたアンテナ放射プロファイルを提供してもよい。他の方法では、表面散乱アンテナは、散乱素子の略二次元の配置を有する略二次元の波伝搬構造104を含んでいる。当該二次元の配置の調整パターンは、例えば頂角および方位角の両方の関数として(すなわち、二次元の波伝搬構造に垂直な頂点方向に比例して)選択されたアンテナ放射側面を提供してもよい。二次元の長方形波伝搬構造に配置された散乱素子の二次元配列を含む表面散乱アンテナの模範的な調整パターンおよびビームパターンが、図2A〜4Bに示されている。これらの模範的な実施形態において、二次元の長方形波伝搬構造は、構造の幾何学的な中心に配置されているモノポールアンテナ給電部を含んでいる。図2Aは、図2Bのビームパターン図によって示されたように、選択された頂点およびアジマスを有する狭いビームに対応する調整パターンを提示している。図3Aは、図3Bのビームパターン図によって示されたように、デュアルビーム遠方場パターンに対応する調整パターンを提示している。図4Aは、図4Bの電界強度図(長方形の波伝搬構造の長さに垂直であり、当該長さを二等分する平面に沿った電界強度を示している)によって示されたように、近電界集束を提供する調整パターンを提示している。
【0025】
いくつかの方法では、波伝搬構造は、モジュラー波伝搬構造である。また、複数のモジュラー波伝搬構造は、モジュラー表面散乱アンテナを構成するために組み立てられてもよい。例えば、複数の略一次元の波伝搬構造は、散乱素子の効果的な二次元配置を提供するために、例えばインターディジタルな方法で配置されていてもよい。インターディジタルな配置は、例えば二次元表面領域を実質的に満たす1組の隣接する線状構造(すなわち、1組の平行な直線)または1組の隣接する曲線状構造(すなわち、シヌソイド等の1組の連続的なオフセットカーブ)を備えていてもよい。別の例として、複数の略二次元の波伝搬構造(上述したように、各々が1組の一次元の構造を備え得る)は、より多くの散乱素子を有するより大きな開口部を提供ために組み立てられてもよいし、なおかつ/あるいは複数の略二次元の波伝搬構造は、三次元構造として組み立てられてもよい(例えば、Aフレーム構造、ピラミッド構造、または他の多面構造を形成する)。これらのモジュラー組立品では、複数のモジュラー波伝搬構造各々は、独自の給電コネクタ106を有していてもよく、なおかつ/あるいはモジュラー波伝搬構造は、第2モジュラー波伝搬構造の誘導波または表面波内に、第1モジュラー波伝搬構造の誘導波または表面波を2つの構造間の結合の効力によって連結させるように構成されていてもよい。
【0026】
モジュラー的接近方法のいくつかの適用例では、組み立てられるモジュールの数は、要求された電気通信データ容量および/またはサービスの質を提供する開口部のサイズを得るために選択されていてもよく、なおかつ/あるいはモジュールの三次元配置は、潜在的なスキャンロスを減らすために選択されてもよい。そのため、例えばモジュラー組立品は、航空機、宇宙船、船舶、または地上の車両等の車両の表面と同一平面上の様々な位置/方向に取り付けられたいくつかのモジュールを備え得る(モジュールは接触する必要はない)。これらの方法および他の方法において、波伝搬構造は、略非線形または略非平面的な形状を有していることにより、特定の幾何学に適合するために等角表面散乱アンテナを提供してもよい(例えば、車両の曲がった表面に適合させる)。
【0027】
より一般的には、表面散乱アンテナは、対応する誘導波または表面波の散乱が所望の出力波を作り出すために、散乱素子の調整のパターンを選択することによって再構成され得る再構成可能なアンテナである。例えば、表面散乱アンテナが、図1のように波伝搬構造104に沿った(またはモジュラー実施形態の複数の波伝搬構造に沿った)位置{r}に配置された複数の散乱素子を含んでおり、誘導波または表面波105への複数の調整可能な結合{α}各々を有しているとする。誘導波または表面波105は、波伝搬構造(1つ以上)に沿って、またはその内部を伝搬するため、j番目の散乱素子に振幅Aおよび位相φの波を与える。その後、出力波は複数の散乱素子から散乱した波の重ね合わせとして生成される。
【0028】
【数1】
E(θ,φ)は、遠電界放射範囲における出力波の電界構成要素を意味し、R(θ,φ)は、結合αによって引き起こされた励起に応じたj番目の散乱素子によって生成された散乱波のための(標準化)電界パターンを意味し、k(θ,φ)は、(θ,φ)における放射範囲に垂直である大きさω/cの波ベクトルを意味している。このように、表面散乱アンテナの実施形態は、式(1)に従って複数の結合{α}を調整することによって、所望の出力波E(θ,φ)を提供するために調整可能な再構成可能なアンテナを提供してもよい。
【0029】
誘導波または表面波の振幅Aおよび位相φは、波伝搬構造104の伝搬特性の関数である。これらの伝搬特性は、例えば有効な屈折率および/または有効な電波インピーダンスを含んでいてもよい。また、これらの有効電磁特性は、波伝搬構造に沿った散乱素子の配置と調整とによって少なくとも一部分は特定され得る。換言すれば、波伝搬構造は、調整可能な散乱素子と共に、例えば以上で参照したD.R.Smithらの文献に記載されているように、誘導波または表面波の伝搬のための調整可能な有効媒体を提供してもよい。したがって、誘導波または表面波の振幅Aおよび位相φは、調整可能な散乱素子の結合{α}(すなわち、A=A({α})、φ=φ({α}))に依存するが、いくつかの実施形態においてこれらの依存は、波伝搬構造の有効媒体の種類に従って実質的に予測されてもよい。
【0030】
いくつかの方法では、再構成可能なアンテナは、所望の出力波E(θ,φ)の偏向状態を提供するために調整可能である。例えば、散乱素子の第1および第2サブセットLP(1)およびLP(2)が、それぞれ(標準化)電界パターンR(1)(θ,φ)およびR(2)(θ,φ)を提供するとする。電界パターンR(1)(θ,φ)およびR(2)(θ,φ)は、略直線偏向され、略直角である(例えば、第1および第2対象物は、波伝搬構造104の表面に垂直に方向づけられた散乱素子であってよい)。この場合、アンテナ出力波E(θ,φ)は、2つの直線偏向された成分の和として表され得る。
【0031】
【数2】
【0032】
【数3】
これは、2つの直線偏向された成分の合成振幅である。したがって、出力波E(θ,φ)の偏向は、例えば出力波にいかなる所望の偏向(例えば、直線、円、または楕円)をも与えるために、式(2)および(3)に従って複数の結合{α}を調整することによって制御してもよい。
【0033】
代わりにまたは加えて、波伝搬構造が複数の給電部(例えば、上述した一次元の波伝搬構造のインターディジタルな配置の各「指」ごとに1つの給電部)を有する実施形態については、所望の出力波E(θ,φ)は、複数の給電部のための個々の振幅のゲインを調整することによって制御してもよい。特定の給電線のためのゲインを調整することは、特定の給電線によって給電された要素jのゲイン係数GによってAを多重化することに対応する。特に、第1給電部(または、このような構造/給電部の第1セット)を有する第1波伝搬構造が、LP(1)から選択された素子に結合され、第2給電部(または、このような構造/給電部の第2セット)を有する第2波伝搬構造が、LP(2)から選択された素子に結合される場合の方法では、偏向解消ロス(例えば、ビームが側面から離れてスキャンされることに起因する)は、第1給電部と第2給電部との間の相対ゲインを調整することによって補正されてもよい。
【0034】
上述したように、図1の状況において、いくつかの方法では表面散乱アンテナ100は、マイクロストリップまたは平行板導波管(または複数のこのような素子)として実行され得る波伝搬構造104を含んでいる。また、これらの方法では、散乱素子は、以上で参照したD.R.Smithらの文献において提示されているような相補的メタマテリアル要素を含んでいてもよい。図5を参照すると、下部導電部または接地面502(銅または同様の物質でできている)と、誘電体基板504(デュロイド、FR4、または同様の物質でできている)と、相補的メタマテリアル要素510を組み込む上部導電体506(銅または同様の物質でできている)と、この場合は上部導電体にエッチングまたはパターン化された(例えば、PCB処理によって)成形開口部512によって規定される相補的電気LC(CELC)メタマテリアル要素とを含むマイクロストリップまたは平行板導波管の模範的なユニットセル500が示されている。
【0035】
図5に示されているようなCELC要素は、CELC要素の面に平行であり、またCELCギャップコンプリメントに直角である、すなわち図5
(T.H.Handらの「相補的電界結合共鳴面の特徴づけ」Applied Physics Letters 93,212504(2008)を参照;この文献は参照によって本願に含まれる)に与えられた磁場に実質的に対応している。したがって、マイクロストリップまたは平行板導波管(図1の誘導波または表面波105の例示化である)に伝搬する誘導波の磁場素子は、
に方向づけられた磁気ダイポール励磁として実質的に特徴づけられる素子510の磁気励磁を引き起こし得る。これにより、実質的に磁気大ポール照射野である散乱電磁波を生成する。
【0036】
成形開口部512は、上部導電体506から電気的に絶縁されている島状導電部514をも規定するため、いくつかの方法において散乱素子は、成形開口部512の内部および/または近傍に調整材料を供給し、その後島状導電体514と上部導電体506との間にバイアス電圧を印加することによって、調整可能に構成され得る。例えば、図5に示すように、ユニットセルは液晶材料層520に沈められていてもよい。液晶は、液晶を含む分子の方向の関数である誘電率を有する。また、方向は、液晶にバイアス電圧(バイアス電界と同等)を印加することによって制御され得る。その結果、液晶は散乱素子の電磁特性の調整のための電圧整調誘電率を提供し得る。
【0037】
液晶材料520は、例えば波伝搬構造の上面に液晶格納構造を提供することによって、散乱素子近傍に保持され得る。液晶格納構造の模範的な構成は、図5に示されている。図5は、保護部532を含み、上部導電体506と保護部532との間に分離を与える1つ以上の支持部またはスペーサ534を任意で含む液晶格納構造を表している。いくつかの方法では、液晶格納構造は、波伝搬構造の上面に接合され得る平面を有する機械加工または射出成型されたプラスチック部分である。当該平面は、散乱素子に被せられ得る1つ以上のくぼみ(例えば、溝または凹部)を含み、これらのくぼみは、例えば真空射出処理によって、液晶で満たされ得る。別の方法では、支持部534は、フォトリソグラフィック処理(例えば、米国特許第4,874,461(Satoらの「フォトリソグラフィによって形成されたスペーサを持つ液晶装置を製造するための方法」に記載されているように;この文献は参照により本願に含まれる)によって成形された球状のスペーサ(例えば、球状樹脂粒子)、壁、または柱である。保護部532を支持部534に取り付けた後、液晶の注入(例えば、真空注入)が行われる。
【0038】
ネマチック位相液晶に関しては、分子方向は配光ベクトル場によって特徴づけられ得るものであり、物質はより大きい誘電率εを配光ベクトルに平行な電界構成要素に与え得、より小さい誘電率εを配光ベクトルに垂直な電界構成要素に与え得る。バイアス電圧を印加することは、成形開口部にかかるバイアス電界線をもたらし、配光ベクトルはこれらの電界線に平行に傾向となる(バイアス電圧の増加に伴って、配列角度は増加する)。これらのバイアス電界線が散乱素子の散乱励起時に生成される電界線に略平行なので、バイアス散乱素子から認められる誘電率は、対応してεに近くなる傾向がある(すなわち、バイアス電圧の増加に対応する)。その反面、非バイアス散乱素子から認められる誘電率は、液晶の非バイアス構成に応じて決まり得る。非バイアス液晶が最大限に乱された場合(すなわち、不規則に配向された微小範囲の場合)、非バイアス散乱素子から平均誘電率εave□(ε+ε)/2を認められる。非バイアス液晶が最大限にバイアス電界線に沿って垂直に配向された場合(すなわち、バイアス電界の印加前)、非バイアス散乱素子からε程小さい誘電率を認められる。その結果、散乱素子から認められる誘電率に関してより広範囲の調整を実現することが望まれる実施形態においては(散乱素子の有効静電容量のより広範囲の調整に対応し、それが故散乱素子の共鳴周波数のより広範囲の調整)、ユニットセル500は、液晶層510の上面および/または下面に配置され、印可されたバイアス電圧に対応するバイアス電界線に略垂直な方向に液晶配向ベクトルを並べるように構成された位置依存性配列層を含んでいてもよい。配列層は、例えばポリイミド層を含んでいてもよい。当該ポリイミド層は、擦り減らされる、またはパターン化される(例えば、機械加工またはフォトリソグラフィにより)ことによって、成形開口部512の導管に平行に伸びる微細な溝が設けられている。
【0039】
代わりにまたは加えて、ユニットセルは、成形開口部512の導管に略垂直に液晶を配向させる(例えば、上述した上部導電体506と島状導電部514との間にバイアス電圧を印加することにより)第1バイアス部、および成形開口部512の導管に略平行に液晶を配向させる(例えば、ユニットセルの四隅において上部導電体506の上に配置された電極を導入し、隣接する隅の電極に逆電圧を印加することにより)第2バイアス部を提供してもよい。散乱素子の調整は、例えば第1バイアス部と第2バイアス部との間で交互に行うか、第1および第2バイアス部の相対強度を調整することにより実現されてもよい。
【0040】
いくつかの方法においては、犠牲層を用いて、成形開口部512近傍により大容量の液晶を入れることによって、液晶調整の効果を向上させてもよい。この方法の図を図6に示す。図6は、図5のユニットセル500を側面から見た図を示しており、ユニットセル500には誘導体基板504と上部導電体506との間に配置された犠牲層600(例えば、ポリイミド層)がさらに設けられている。成形開口部512を規定するための、上部導電体506のエッチングに続いて、犠牲層600のさらなる選択的なエッチングにより、液晶520によって満たされ得る空洞602を生成する。いくつかの方法においては、犠牲層600の選択的なエッチングのパターンを規定するために別の遮蔽層が使われている(上部導電体506によって作成することの代わりに、または加えて)。
【0041】
多様な実施形態において実施され得る模範的な液晶は、4−シアノ−4´−ペンチルビフェニル、およびLCMS−107(LC Matter)またはGT3−23001(Merck)等の高複屈折性共晶LC混合物を含んでいる。いくつかの方法では、二周波液晶を利用してもよい。二周波液晶において、配向ベクトルはより低い周波数では印加バイアス電界に略平行であり、より高い周波数では印加バイアス電界に略に垂直に並ぶ。結果的に、これらの二周波液晶を実施する方法においては、印可バイアス電圧信号の周波数を調整することによって、散乱素子の調整を実現し得る。他の方法では、一般的に液晶の弛緩/切替時間がより短い高分子網目液晶(PNLCs)またはポリマー分散液晶(PDLCs)を実施してもよい。前者の例は、ネマチックLCホスト(例えば、LCMS−107)における高分子化合物(例えば、BPA−ジメタクリレート)の熱硬化性またはUV硬化性の混合物である(Y.H.Fanらの「赤外光変調装置のための高速応答および非散乱性高分子網目液晶」Applied Physics Letters 84,1233-35(2004)を参照;この文献は参照により本願に含まれる)。後者の例は、ネマチックLC(例えば、LCMS−107)に含浸させた多孔性高分子化合物(例えば、PTEE薄膜)である(T.Kukiらの「液晶に含浸された薄膜を用いたマイクロ波可変遅延線」Microwave Symposium Digest,2002 IEEE MTT-S International,vol.1,pp.363-366(2002)参照;この文献は参照により本願に含まれる)。
【0042】
続いて、島状導電体514と上部導電体506との間にバイアス電圧を印加するための方法に関しては、上部導電体506は1つのユニットセルから次のユニットセルまで連続して伸びる。これにより、すべてのユニットセルの上部導電体への電気的接続は、マイクロストリップの上部導電体またはユニットセル500により構成される平行板導波管への単独接続によって得ることができる。島状導電体514に関して、図5はバイアス電圧線530の島状導電体への取り付け方の例を示している。この例では、バイアス電圧線530は、島状導電体の中央に取り付けられており、散乱素子の対称面に沿って当該島状電体から離れて伸びている。対称面に沿った位置合わせの効力によって、散乱素子の散乱励起時にバイアス電圧線によって生成された電界は、バイアス電圧線に略垂直であり、その結果、散乱素子の散乱特性を乱すまたは変更し得るバイアス電圧線の電流を起こさない。バイアス電圧線530は、例えば絶縁層(例えば、ポリイミド)を溶着し、島状導電体514の中央に絶縁層をエッチングし、その後バイアス電圧線530を規定する導電フィルム(例えば、クロム/金二重層)をパターン化するリフトオフ処理を用いることによって、ユニットセルに設けてもよい。
【0043】
図7A〜7Hは、表面散乱アンテナの各種の実施形態に従って使われて得る各種のCELC要素を示している。これらは、模範的な素子の概略図であり、正しい尺度で示しておらず、単に各種の実施形態に適し得る数多くのCECL素子の代表に過ぎない。図7Aは、図5において使われている素子に対応する。図7Bは、代替のCELC要素を示しており、7AのCELC要素と位相的に等しいが、素子のアームの長さを増すために波状ペリメータを使用することによって、素子の静電容量を増やしているCELC要素を示している。図7Cおよび7Dは、偏向制御を与えるために利用され得る1対の素子様式を示している。これらの直交する素子が
に配向された電磁場を有する誘導波または表面波によって励起される場合、この印可された電磁場は7Cまたは7Dそれぞれの素子の
に対して+45°または−45°に配向された磁気双極子励起として実質的に規定され得る電磁励起を引き起こす。図7Eおよび7Fは、直交したCELC要素であって、アームも+45°に傾斜されたCELC要素の変形例を示している。これらの傾斜した構成は、二極性の応答を引き起こすCELC要素の領域すべては、励磁場に直交して配向されているか(それ故励磁されない)、または当該例磁場に対して45°の方向に配向されているため、より高い磁気双極子応答を潜在的に提供する可能性がある。最後に、図7Eおよび7Fは、図7Bの波状CELC要素を同様に傾斜した変形例を示している。
【0044】
図5には、マイクロストリップ等の波伝搬構造の上部導電体506上にパターン化されたメタマテリアル要素510の例を示しているが、別の方法では、図8に示したように、メタマテリアル要素は、マイクロストリップ自身に配置されておらず、マイクロストリップのエバネッセント近傍内(すなわち、縁領域内)に配置されている。このようにして、図8は、接地面802、誘電体基板804、上部導電体806、およびマイクロストリップの両側に沿って配置された導電ストリップ808を有するマイクロストリップの構成を示している。これらの導電ストリップ808は、成形開口部812によって規定される相補的メタマテリアル要素810を組み込んでいる。この例において、相補的メタマテリアル要素は、図7に示したような、波状ペリメータCELC要素である。図8に示したように、ビア840は、各メタマテリアル要素の島状誘電体814にバイアス電圧線830を接続するために用いられ得る。結果として、この構成は、マイクロストリップ信号トレースとメタマテリアル要素とを提供する層1、およびマイクロストリップ接地面とバイアストレースとを提供する層2を有する2層PCB処理(介在誘電体を有する2つの導電層)を使って容易に実施され得る。誘導層および導電層は、銅張Rogers5880等の高効率物質であってよい。前述したように、調整は、メタマテリアル要素810上に液晶層(不図示)を配置することによって実現されてもよい。
【0045】
さらに別の方法では、図9Aおよび9Bに示すように、波伝搬構造は、共面導波管(CPW)であり、メタマテリアル要素は、共面導波管の束の間の近傍の中(すなわち、縁領域)に配置されている。したがって、図9Aおよび9Bは、下部接地面902、CPW信号トレース907の両側の中央接地面906、および相補的メタマテリアル要素920(1つだけ示されているが、本方法では、CPWの長さに沿って当該要素を連続して配置する)を組み込む上方接地面910を有する共面導波管の構造を示している。これらの連続する導電層は、誘電層904,908によって分離されている。共面導波管は、CPWの高位モードを断ち切る、なおかつ/あるいは隣接したCPW(不図示)間のクロストークを減らすように働くビア930の列柱によって固定されていてもよい。CPWストリップの幅909は、メタマテリアル要素920への連結を制御するために、例えば開口率を高めたり、なおかつ/あるいはビームプロファイルの開口部の傾斜を制御したりするために、CPWの長さに応じて変更し得る。CPWの間隔911は、線インピーダンス制御によって調整され得る。図9Bに示すように、第3誘電層912およびスルービア940は、各メタマテリアル要素の島状導電体922および構造の裏面に位置するバイアスパッド952に、バイアス電圧線950を接続するために使用され得る。第3誘電層912における導管924は、導電要素の成形開口部周辺に液晶(不図示)を配列させる。この構成は、4層PCB処理(3つの介在誘電層を有する4つの導電層)を使って実施され得る。これらのPCBは、電気メッキおよび無電解のメッキ技術同様、スルー、ブラインド、およびベリードビア構成と一緒に積層構造を使って製造されてもよい。
【0046】
図10および11に示されているさらなる別の方法では、波伝搬構造は、閉塞または管状導波管であり、メタマテリアル要素は、閉塞導波管の表面に沿って配置されている。したがって、図10は、凹部1002およびメタマテリアル要素1010を組み込む導電面1004によって規定される導波管であって、長方形状の断面を有する閉塞または管状導波管を示している。切断面図が示すように、誘電層1022を通るビア1020は、メタマテリアル要素の島状伝導1012にバイアス電圧線1030を接続するために使われ得る。凹部1002は、閉塞導波管の「床および壁」を与えるために圧延または成形される金属片として用いられ得る。そして、導波管の「天井」は、バイアストレース1030を与える上層、およびメタマテリアル要素1010を与える下層を有する2層プリント基板として用いられ得る。導波管は、メタマテリアル要素を調整するために、液晶によって満たされ得る小さい凹部1050を有する誘電体1040(例えば、PTFE)を備えていてもよい。
【0047】
図11に示すように、代替的な閉塞導波管の実施形態においては、長方形状の断面を有する閉塞導波管は、凹部1102および導電面1104によって規定される。ユニットセルの切断図が示すように、導電面1104は、誘導波と共振器要素1110との間を連結するアイリス1106を有する。この例において、相補的メタマテリアル要素は、図7Bに示されるような、波状ペリメータCELC要素である。図中では、長方形状の連結アイリスを示しているが、他の形状を用いてもよく、アイリスのサイズは、散乱素子への連結を制御するために(例えば、開口率を高めたり、なおかつ/あるいはビームプロファイルの開口部の傾斜を制御したりするために)、導波管の長さに応じて変更し得る。誘電層1122を通る1対のビア1120は、メタマテリアル要素の島状導電部1112にバイアス電圧線1130を接続するために、短い経路線1125と一緒に使われてもよい。凹部1102は、閉塞導波管の「床および壁」を与えるために圧延または成形される金属片として用いられ得る。そして、導波管の「天井」は、メタマテリアル要素1110(およびバイアストレース1130)を与える上層、およびアイリス1106(およびバイアス経路1125)を与える下層を有する2層プリント基板として用いられ得る。メタマテリアル要素1110は、隣接するユニットセル間の連結またはクロストークを減らすために、誘電層1122を通って伸びるビア1150の列柱によって、任意に固定され得る。前述したように、調整は、メタマテリアル要素1110上に液晶層(不図示)を配置することによって実現されてもよい。
【0048】
図10および図11の導波管の実施形態では、単なる長方形状の断面を有している導波管を提供するが、いくつかの方法では、導波管は1つ以上のリッジ(二重リッジ導波管のように)を含んでいてもよい。リッジ導波管は、単に長方形状導波管よりも広い帯域幅を提供できる。また、リッジのジオメトリ(幅/高さ)は、散乱素子への結合部を制御するために(例えば、開口率を高めたり、なおかつ/あるいはビームプロファイルの開口部の傾斜を制御したりするために)、なおかつ/あるいはなだらかなインピーダンス変化を提供するために(例えばSMAコネクタ給電部から)、導波管の長さに応じて変動し得る。
【0049】
様々な方法において、例えば、アンテナ制御回路に接続するためのパッド構造に各散乱素子のバイアス電圧線を伸ばすことによりバイアス電圧線を直接的にアドレス指定されてもよいし、例えば、行と列とによってアドレス指定可能な電圧バイアス回路に各散乱素子を提供することにより行列アドレス指定されてもよい。図12は、マイクロストリップ1202の表面における散乱素子1200の配置のために、直接アドレス指定を提供する構成例を示しており、複数のバイアス電圧線1204が散乱素子に個別のバイアス電圧を供給するためにマイクロストリップの長さ方向に沿って伸びている(代わりに、バイアス電圧線1204は、マイクロストリップに垂直に伸び、かつマイクロストリップの長さ方向に沿ってパッドまたはビアまで伸ばされていてもよい)。(図は、例えば偏向制御を与える等、散乱素子を垂直方向に配置する方法の例も示している。この場合、マイクロストリップに沿って伝搬する誘導波は、
に方向づけられた磁場を有しており、その結果、
に対して±45°の方向に向けられた磁気双極子励起として実質的に特徴づけられ得る励磁を引き起こす散乱素子の両方向に連結されていてもよい。)図13は、散乱素子1300の配置(例えば、平行板導波管の表面上)に行列アドレス指定を提供する構成例を示しており、各散乱素子は、行入力1306および列入力1308によってアドレス指定可能なバイアス回路1304に、バイアス電圧線1302を介して接続されている(各行入力および/または列入力列は1つ以上の信号を含んでおり、例えば各行または各列は単線またはその行または列に専用の1組の平行線によってアドレス指定されてもよい)。各バイアス回路は、例えばスイッチング装置(例えば、トランジスタ)、記憶装置(例えば、蓄電器)、および/または論理/多重回路、デジタル−アナログ変換回路等の付加的な回路を含んでいてもよい。この回路は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)処理等、モノリシック集積回路を用いて素早く製造してもよいし、例えば表面実装技術(SMT)等を用いて波伝搬構造に実装された集積回路のハイブリッド型組み立て部品として素早く製造してもよい。いくつかの方法では、バイアス電圧は、ACバイアス信号の振幅を調整することによって調整されてもよい。他の方法では、バイアス電圧は、ACシグナルに対してパルス幅変調を施すことによって調整されてもよい。
【0050】
続いて図14を参照すると、例示的な実施形態が、システムブロック図として示されている。システム1400は、アンテナユニット1420に1つ以上の給電部1412によって連結されている通信ユニット1400を含んでいる。通信ユニット1410は、例えば携帯ブロードバンド衛星無線電話機、送信機、受信機、またはラジオあるいはマイクロ波通信システム用の無線電話機モジュールを含んでいてもよく、データ多重化/逆多重化回路、エンコーダ/デコーダ回路、モジュレータ/デモジュレータ回路、周波数アップコンバータ/ダウンコンバータ、フィルタ、増幅器、およびデュプレックス等を組み込んでいてもよい。アンテナユニットは、送信、受信、または両方を行うように構成された少なくとも1つの表面散乱アンテナを含む。また、いくつかの方法において、アンテナユニット1420は、複数の表面散乱アンテナを備えていてもよい。例えば、第1および第2の表面散乱アンテナはそれぞれ送信および受信を行うように構成されている。複数の給電部を有する表面散乱アンテナを有する実施形態においては、通信ユニットはMIMO回路を含んでいてもよい。システム1400は、アンテナの構成を決定する制御入力1432を提供するように構成されたアンテナ制御部1430を含んでいてもよい。例えば、制御入力は、各散乱素子への入力(例えば、図12に示したような直接アドレス指定設定)、行入力および列入力(例えば、図13に示したような行列アドレス指定設定)、およびアンテナ給電部のための調整ゲイン等を備えていてもよい。
【0051】
いくつかの方法では、アンテナ制御部1430は、アンテナの環境条件(例えば、その位置、方向、温度、および機械的変形等)を検出するセンサ部材を持つセンサユニットを任意で含んでいる。例えば、アンテナ制御部1430は、1組の所望のアンテナ照射パターン(本開示内で上述したビーム方向、ビーム幅、および配向状態等に対応)に対応する、制御入力1432のための1組の値を割り出すルックアップテーブル等として、1組の表面散乱アンテナ構成を備えていてもよい。このルックアップテーブルは、
制御入力の値の範囲に対して、アンテナの全波シミュレーションを実行したり、アンテナを試験環境下に配置して制御入力の値の範囲に対応するアンテナ照射パターンを測定したりする等して、予め算出されていてもよい。いくつかの方法では、アンテナ制御部は、上記のルックアップテーブルを用いて、回帰分析に応じた制御入力を算出するように構成されていてもよい。具体的には、例えば上記のルックアップテーブル内に格納されている2つのアンテナ照射パターン間の制御入力に対する値を補間する(例えば、ルックアップテーブルがビームステアリング方向の離散的インクリメントのみを含む場合に、連続的なビームステアリングを可能にするため)ことにより、制御入力を算出してもよい。あるいは、アンテナ制御部1430は、選択されたあるいは所望のアンテナ照射パターンに対応する制御入力1432を動的に算出するように構成されていてもよい。具体的には、例えば干渉項Re[ΨoutΨ*in]に対応するホログラフィックパターンを算出したり(本開示内で上述したとおり)、選択されたあるいは所望のアンテナ照射パターンを提供するカップリング{α}(制御入力の値に対応)を本開示内で提示した式(1)に基づいて算出したりすることにより、制御入力1432を算出してもよい。
【0052】
いくつかの方法では、アンテナユニット1420は、アンテナの環境条件(例えば、その位置、方向、温度、および機械的変形等)を検出するセンサ部材を任意で含んでいる。センサ部材は、GPS装置、ジャイロスコープ、温度計、および歪みゲージ等を1つ以上含んでいてもよい。また、センサユニットは、センサデータ1424をアンテナ制御部に提供するために、当該アンテナ制御部に接続されていてもよい。これにより、アンテナの移動または回転(例えば、アンテナが航空機等の通信プラットフォームに搭載されている場合)、あるいは温度ドリフト、機械的変形等を補正するために制御入力1432を調整してもよい。
【0053】
いくつかの方法では、通信ユニットは、制御入力のフィードバック調整のために、フィードバック信号1434をアンテナ制御部に提供してもよい。例えば、通信ユニットは、ビットエラーレート信号を提供し、アンテナ制御部は、チャンネルノイズを軽減するためにアンテナ構成を調整するフィードバック回路(例えば、DSP回路)を含んでいてもよい。あるいは/さらに、ポインティングアプリケーションあるいはステアリングアプリケーションのために、アンテナ制御部はフィードバック回路(例えば、通信ブロードバンド衛星放送の受信機のためのポインティングロックDSP回路)を含んでいてもよい。
【0054】
説明のための実施形態が、処理フロー図として図15に図示されている。フロー1500は、表面散乱アンテナのための第1アンテナ照射パターンであって、1つ以上の制御入力に変動的に対応する第1アンテナ照射パターンを選択する工程1510を含む。例えば、通信衛星、通信基地局、あるいは通信モバイルプラットフォームの位置において、照射パターンの一次ビームを方向づけるようなアンテナ照射パターンが選択される。あるいは/さらに、所望の位置に照射パターンのヌルを位置づけるようなアンテナ照射パターンが選択される(例えば、通信を確実にするため、あるいはノイズ源を取り除くため)。あるいは/さらに、円偏向(例えば、Ka帯衛星通信)または直線偏向(例えば、Ku帯衛星通信)等、所望の偏向状態を提供するようなアンテナ照射パターンが選択される。フロー1500は、選択された第1アンテナ照射パターンに対応する1つ以上の制御入力の第1値を決定する工程1520を含む。例えば、図14に示すシステムでは、アンテナ制御部1430は、ルックアップテーブルを用いることによって、あるいは所望のアンテナ照射パターンに対応するホログラムを算出することによって、制御入力の値を決定するように構成された回路を含んでいてもよい。フロー1500は、表面散乱アンテナのための1つ以上の制御入力の第1値を提供する工程1530を任意で含む。例えば、アンテナ制御部1430は、種々の散乱素子にバイアス電圧を印加することが可能であり、なおかつ/あるいはアンテナ制御部1430は、アンテナ給電部のゲインを調整することが可能である。フロー1500は、第1アンテナ照射パターンとは異なる第2アンテナ照射パターンを選択する工程1540を含む。本工程も同様に、例えば第2ビーム方向あるいはヌルの第2位置を選択する工程を含み得る。この方法の一適用例では、衛星通信ターミナルは、複数の衛星間で切り替わることができる。例えば、最大負荷時に容量を最適化するために切り替わったり、使用が開始された他の衛星に切り替わったり、あるいは使用が終了した最初の衛星またはオフラインの最初の衛星から切り替わったりすることができる。フロー1500は、選択された第2アンテナ照射パターンに対応する1つ以上の制御入力の第2値を決定する工程1550を含む。本工程も同様に、例えばルックアップテーブルを用いたり、ホログラフィックパターンを算出したりし得る。フロー1500は、表面散乱アンテナのための1つ以上の制御入力の第2値を提供する工程1560を任意で含む。本工程も同様に、例えば、倍す電圧を印加し、なおかつ/あるいは給電ゲインを調整する工程を含み得る。
【0055】
説明のための他の実施形態が、処理フロー図として図16に図示されている。フロー1600は、1つ以上の第1制御入力に対応する第1変動照射パターンを有する第1表面散乱アンテナのための第1対象物を特定する工程1610を含む。この第1対象物は、例えば通信衛星、通信基地局、あるいは通信モバイルプラットフォームである。フロー1600は、第1対象物と第1表面散乱アンテナとの間の第1相対運動に対応する第1変動照射パターンの実質的な連続変異を提供するために、1つ以上の第1制御入力を繰り返し調整する工程1620を含む。例えば、図14に示したシステムでは、アンテナ制御部1430は、例えば非静止衛星を追跡するため、モバイルプラットフォーム(例えば、航空機または他の乗り物)と静止衛星とのポインティングロックを保持するため、あるいは対象物およびアンテナの両方が動く場合に、両者のポインティングロックを保持するために、表面散乱アンテナの照射パターンを方向づけるように構成された回路を含み得る。フロー1600は、1つ以上の第2制御入力に対応する第2変動照射パターンを持つ第2表面散乱アンテナのための第2対象物を特定する工程1630を任意で含む。また、フロー1600は、第2対象物と第2表面散乱アンテナとの間の第2相対運動に対応する第2変動照射パターンの実質的な連続変異を提供するために、1つ以上の第2制御入力を繰り返し調整する工程1640を任意で含む。例えば、いくつかの適用例では、第1対象物(例えば、第1非静止衛星)を追跡する第1アンテナユニットと、第2対象物(例えば、第2非静止衛星)を追跡する第2または予備アンテナユニットとの両方を配置し得る。いくつかの方法では、予備アンテナユニットは、第2対象物を追跡するために(さらには、低減したサービスの質(QoS)において第2対象物へのリンクを任意で確保するために)、最初に用いられる小開口アンテナ(txおよび/またはrx)を含んでいてもよい。フロー1600は、第1変動照射パターンの最初のビーム内に第2対象物を実質的に配置するために、1つ以上の第1制御入力を調整する工程1650を任意で含む。例えば、第1アンテナおよび第2アンテナが、非静止衛星のコンステレーションと相互作用する衛星通信ターミナルの構成部材である場合の適用例においては、第1または最初のアンテナは、衛星コンステレーションの第1部材が水平線に到達するまで(あるいは、第1アンテナが明らかなスキャンロスに陥るまで)、当該第1部材を追跡してもよい。この際、第1アンテナに衛星コンステレーションの第2部材(第2または予備アンテナによって追跡されていたもの)を追跡させることにより、「ハンドオフ」が実行される。フロー1600は、第1対象物および第2対象物とは異なる、第2表面散乱アンテナのための新たな対象物を特定する工程1660と、第2変動照射パターンの最初のビーム内に新たな対象物を実質的に配置するために、1つ以上の第2制御入力を調整する工程1670とを任意で含む。例えば、「ハンドオフ」が実行された後、第2または予備アンテナは、衛星コンステレーションの第3部材とのリンクを開始してもよい(例えば、水平線を超えて上昇した場合)。
【0056】
上述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または実施例を用いて、装置および/または処理の様々な実施形態について説明した。これらのブロック図、フローチャート、および/または実施例が、1つ以上の機能および/または処理を含んでいる場合、これらブロック図、フローチャート、または実施例内の各機能および/または処理が、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはこれらの実質的な任意の組み合わせによって、個々におよび/または組み合わせで実施できることについて、当業者であれば理解するであろう。一実施形態では、本開示において示す構成要素の一部は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、あるいはその他の統合的な形式によって実施することができる。しかし、本開示において示す実施形態の一部の形態は、全体的あるいは部分的に、1つ以上のコンピュータにおいて実行される1つ以上のコンピュータプログラム(例えば、1つ以上のコンピュータシステムにおいて実行される1つ以上のプログラム)、1つ以上のプロセッサにおいて実行される1つ以上のプログラム(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサにおいて実行される1つ以上のプログラム)、ファームウェア、あるいはこれらの実質的な任意の組み合わせとして、集積回路内において同等に実施することができることについて、当業者であれば認識するであろう。また、回路設計および/または上記ソフトウェアおよび/またはファームウェアへの符号の書き込みは、当業者の技術範囲内において本開示が十分に行われていることについて、当業者であれば認識するであろう。さらに、本開示において示す構成要素のメカニズムは、プログラムプロダクトとして様々な形式で分配することができ、本開示において示す構成要素の実施形態は、上記分配を実施するために実際に用いられる信号を有する媒体の種類に関わらず適用されることについて、当業者であれば理解するであろう。信号を有する媒体の例としては、記録型の媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオデスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ等)、および伝送型の媒体(例えば、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバーケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、トランスミッター、レシーバー、送信論理操作、受信論理操作等))が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
一般的な意味で、当業者であれば、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および/または実質的なこれらの任意の組み合わせによって、個別的および/または集合的に実行可能である、本書内に記載された各種実施形態が、種々のタイプの「電気回路」によって構成されていると見なされ得ることは理解できるであろう。その結果、ここで使用しているように、「電気回路」の例としては、少なくとも1つの離散型電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成される汎用演算デバイスを形成する電気回路(例えば、本書内に記載された処理および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成される汎用コンピュータ、またはここに記載される処理および/または装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されるマイクロプロセッサ)、メモリデバイスを形成する電気回路(例えば、RAM)、および/または通信デバイスを形成する電気回路(例えば、モデム、通信スイッチ、光電気的設備等)等が挙げられるが、これらの例に限定されるものではない。当業者ならば、本書内に記載の主題がアナログまたはデジタルの手法もしくはこれらのいくつかの組み合わせによって実行され得ることを認識するであろう。
【0058】
本明細書で参照され、なおかつ/あるいは任意の出願データシート(インサートリストを含むが、これに限定されない)にて列挙された、上記米国特許、米国特許出願公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、並びに非特許刊行物はすべて、矛盾しない範囲で参照によってここに援用される。
【0059】
当業者は、ここで述べた要素(例えば工程)、装置、対象物およびそれらに付随する議論が、概念の明瞭化の目的の例として用いられ、なおかつ種々の構成の修飾が検討されることを理解するだろう。したがって、ここで用いられるように、上述した具体例および付随する議論は、より一般的なクラスの代表を意図する。一般に、特定の例の使用は、そのクラスの代表であることが意図され、特定の要素(例えば動作)、装置および対象物を盛り込んでいないことは、制限的であると捉えるべきではない。
【0060】
ここにある実質的な任意の複数形および/または単数形の用語について、当業者は、文脈および/または出願に最適になるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ変換し得る。様々な単数形/複数形の置換は、分かりやすくするためにここには明示していない。
【0061】
本書に記載の本主題に係る特定の態様を図示ならびに説明したが、本書の教示に基づけば、本書に記載の主題およびその幅広い態様から逸脱しない範囲で変更および補正がなされてもよいことは、当業者にとって明白である。それ故、このような変更および補正のすべてが本書に記載の主題の真の精神および範疇にあるように、添付の特許請求の範囲がその範疇においてこのような変更および補正のすべてを包括する。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって規定される。一般に、当業者ならば、本書および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の要部)にて用いられている用語は、一般に「非限定的な」用語として意図されている(例えば、「…を含んでいる」という用語は「…を含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「…を有している」という用語は「少なくとも…を有している」と解釈されるべきであり、「…を含む」という用語は「…を含むがこれに限定されない」と解釈されるべきである等)ことを理解するであろう。当業者であれば、導入された請求項の記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該請求項の中に明確に記載され、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことをさらに理解するであろう。例えば、理解を促すために、後続の添付の特許請求の範囲には、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つの」および「1つ以上の」といった導入句の使用が含まれてもよい。しかしながら、このような句の使用により、“a”または“an”といった不定冠詞により請求項の記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項に「1つ以上の」または「少なくとも1つの」といった導入句と“a”または“an”といった不定冠詞との両方が含まれるとしても、このような導入された請求項の記載を含んだいずれの特定の請求項も、このような記載を1つしか含まない発明に限定されると示唆されるように解釈されるべきではない(例えば、“a”および/または“an”は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味するように典型的に解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項の記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。また、導入された請求項の記載において特定の数が明確に明記されている場合であっても、当業者であれば、このような記載は少なくとも記載された数を意味するように解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他に修飾語を伴わない「2つの記載」という単なる記載は、少なくとも2つの記載または2つ以上の記載を典型的に意味する)。さらに、「A、B、およびC等の内の少なくとも1つ」に類する従来技法が使用される場合、一般にこのような構成は、当業者がその従来技法を理解するであろう意味において意図されている(例えば、「A、B、およびCの内の少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとの両方、AとCとの両方、BとCとの両方、および/またはAとBとCとのすべて等を有するシステムを含むがこれに限定されない)。「A、B、およびC等の内の少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般にこのような構成は、当業者がその表記を理解するであろう意味において意図されている(例えば、「A、B、およびCの内の少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBとの両方、AとCとの両方、BとCとの両方、および/またはAとBとCとのすべて等を有するシステムを含むがこれに限定されない)。当業者であれば、2つ以上選択可能な用語を表している実質的にいずれの離接語および/または離接句も、詳細な説明、特許請求の範囲、または図面において、これらの用語の1つ、これらの用語のいずれか、またはこれらの用語の両方を含む可能性を意図するように理解されるべきであることをさらに理解するであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」、「B」、または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0062】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者であれば、請求項中に記載の工程は、一般に任意の順序で実施しても構わないことが理解できるであろう。また、様々な工程の流れが一連の流れとして提示されているが、この様々な工程が、図示された順序とは他の順序で実施されても、または同時に実施されても構わないことを理解されたい。このような別の順序の例には、文脈と矛盾しない限りにおいて、繰り返し、交互に実施、中断、順序を変更、増分、準備、補充、同時、逆、またはその他の種々の順序が含まれてもよい。さらに、「…に対応した」および「…に関連した」等の用語、または他の過去時制の形容詞は、特に断りがない限り一般的にそのような変化形を排除することを意図しているわけではない。
【0063】
本明細書において様々な態様および実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、他の態様および実施形態も明白である。以下の特許請求の範囲により示されている真の範疇および精神を伴いながら、本書に開示されている様々な態様および実施形態は、説明のためのものであり、限定的であるように意図されているものではない。
〔まとめ〕
本発明に係るアンテナ、方法およびシステムは、以下のように表現することもできる。(1)波伝搬構造と、
上記波伝搬構造に沿って配置された複数の散乱素子とを備えたアンテナであり、
上記複数の散乱素子は、
素子間の間隔が、上記アンテナの動作周波数に対応する自由空間波長よりも実質的に小さく、
上記波伝搬構造の誘導波モードあるいは表面波モードに対する複数の独立した変動電磁応答を有しており、
上記複数の独立した変動電磁応答は、上記アンテナの変動照射野を提供することを特徴とするアンテナ。
(2)上記複数の散乱素子は、複数の略同一の散乱素子であることを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(3)上記複数の独立した変動電磁応答は、上記波伝搬構造の上記誘導波モードあるいは上記表面波モードに対する有効媒質応答を提供することを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(4)上記複数の独立した変動電磁応答は、複数の磁気双極子照射野であることを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(5)上記動作周波数は、マイクロ波周波数であることを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(6)上記マイクロ波周波数は、Ka帯周波数であることを特徴とする(5)に記載のアンテナ。
(7)上記マイクロ波周波数は、Ku帯周波数であることを特徴とする(5)に記載のアンテナ。
(8)上記マイクロ波周波数は、Q帯周波数であることを特徴とする(5)に記載のアンテナ。
(9)上記素子間の間隔は、上記自由空間波長の4分の1の長さよりも小さいことを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(10)上記素子間の間隔は、上記自由空間波長の5分の1の長さよりも小さいことを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(11)上記波伝搬構造は、1つ以上の導電面と、当該1つ以上の導電面内の複数の開口部に対応する上記複数の散乱素子とを含むことを特徴とする(1)に記載のアンテナ。
(12)
上記波伝搬構造は、略二次元の波伝搬構造であることを特徴とする(11)に記載のアンテナ。
(13)上記略二次元の波伝搬構造は、平行板導波管であり、
上記1つ以上の導電面は、上記平行板導波管の上部導電体であることを特徴とする(12)に記載のアンテナ。
(14)上記波伝搬構造は、1つ以上の略一次元の波伝搬構造を含むことを特徴とする(11)に記載のアンテナ。
(15)上記1つ以上の略一次元の波伝搬構造は、略二次元のアンテナ領域を構成する複数の略一次元の波伝搬構造であることを特徴とする(14)に記載のアンテナ。
(16)上記1つ以上の略一次元の波伝搬構造は、1つ以上のマイクロストリップを含むことを特徴とする(14)に記載のアンテナ。
(17)上記1つ以上の導電面は、上記1つ以上のマイクロストリップ各々の1つ以上の上部導電体であることを特徴とする(16)に記載のアンテナ。
(18)上記1つ以上の導電面は、上記1つ以上のマイクロストリップの1つ以上の上部導電体に平行に配置された1つ以上の導電ストリップであることを特徴とする(16)に記載のアンテナ。
(19)上記1つ以上の略一次元の波伝搬構造は、1つ以上の共面導波管を含むことを特徴とする(14)に記載のアンテナ。
(20)上記1つ以上の導電面は、上記1つ以上の共面導波管の上に配置されていることを特徴とする(19)に記載のアンテナ。
(21)上記1つ以上の略一次元の波伝搬構造は、1つ以上の閉塞導波管を含むことを特徴とする(14)の記載のアンテナ。
(22)上記1つ以上の閉塞導波管は、1つ以上の長方形導波管を含むことを特徴とする(21)に記載のアンテナ。
(23)上記1つ以上の長方形導波管は、1つ以上の二重リッジの長方形導波管を含むことを特徴とする(22)に記載のアンテナ。
(24)上記1つ以上の導電面は、上記1つ以上の閉塞導波管各々の1つ以上の上面であることを特徴とする(21)に記載のアンテナ。
(25)上記1つ以上の導電面は、上記1つ以上の閉塞導波管各々の1つ以上の上面上に配置されており、
上記1つ以上の上面は、上記1つ以上の導電面内の上記複数の開口部に隣接した複数のアイリスを含むことを特徴とする(21)に記載のアンテナ。
(26)上記複数の開口部は、上記1つ以上の導電面と電気的に絶縁された複数の島状導電部各々を規定し、
上記アンテナは、
上記1つ以上の導電面と上記複数の島状導電部各々との間それぞれに、バイアス電圧を印加するように構成された複数のバイアス電圧線と、
上記複数の開口部の周辺に少なくとも部分的に配置された電気的調整材料とをさらに備えることを特徴とする(11)に記載のアンテナ。
(27)上記電気的調整材料は、液晶材料であることを特徴とする(26)に記載のアンテナ。
(28)上記液晶材料は、ネマチック液晶であることを特徴とする(27)に記載のアンテナ。
(29)上記液晶材料は、二周波液晶であることを特徴とする(27)に記載のアンテナ。
(30)上記液晶材料は、高分子網目液晶であることを特徴とする(27)に記載のアンテナ。
(31)上記液晶材料は、高分子分散液晶であることを特徴とする(27)に記載のアンテナ。
(32)上記複数の開口部は、上記1つ以上の導電面と電気的に絶縁された複数の島状
導電部各々を規定し、行列状に配置されており、
上記アンテナは、
上記1つ以上の導電面と上記複数の島状導電部各々との間それぞれに、バイアス電圧を印加するように構成された複数のバイアス回路と、
上記複数のバイアス回路の列を各々がアドレス指定する1組の列制御線と、
上記複数のバイアス回路の行を各々がアドレス指定する1組の行制御線と、
上記複数の開口部の周辺に少なくとも部分的に配置された電気的調整材料とをさらに備えることを特徴とする(11)に記載のアンテナ。
(33)上記複数のバイアス回路各々は、上記複数の開口部に隣接する位置に行列状に配置されていることを特徴とする(32)に記載のアンテナ。
(34)上記複数の開口部は、上記誘導波あるいは上記表面波の磁場に対する複数の磁気双極子応答を有する複数の相補的メタマテリアル要素を規定することを特徴とする(11)に記載のアンテナ。
(35)上記複数の相補的メタマテリアル要素は、複数の相補的電気LCメタマテリアル要素であることを特徴とする(34)に記載のアンテナ。
(36)上記複数の磁気双極子応答は、上記1つ以上の導電面に平行に方向づけられた複数の面内磁気双極子応答であることを特徴とする(34)に記載のアンテナ。
(37)上記複数の面内磁気双極子応答は、上記1つ以上の導電面に平行な第1方向に方向づけられた複数の第1面内磁気双極子と、上記第1方向に垂直であり、かつ、上記1つ以上の導電面に平行な第2方向に方向づけられた複数の第2面内磁気双極子とを含むことを特徴とする(36)に記載のアンテナ。
(38)対応する複数の第1位相を複数の位置各々に届けるための第1誘導波あるいは表面波を伝搬する工程と、
複数の位置各々の中から選択された第1組の位置で上記第1誘導波あるいは表面波に結合させ、当該第1組の位置で第1照射野を生成する複数の第1電磁振動を生じさせる工程と、
上記複数の第1位相と略同等であり、対応する複数の第2位相を上記複数の位置各々に届けるための第2誘導波あるいは表面波を伝搬する工程と、
複数の位置各々の中から選択された第2組の位置で上記第2誘導波あるいは表面波に結合させ、当該第2組の位置で第1照射野とは異なる第2照射野を生成する複数の第2電磁振動を生じさせる工程とを含むことを特徴とする方法。
(39)上記第1誘導波あるいは表面波、および上記第1照射野は、第1干渉縞を規定し、上記複数の位置各々の中から選択された上記第1組の位置は、上記第1干渉縞の建設的干渉領域内の1組の位置に対応し、
上記第2誘導波あるいは表面波、および上記第2照射野は、上記第1干渉縞とは異なる第2干渉縞を規定し、上記複数の位置各々の中から選択された上記第2組の位置は、上記第2干渉縞の建設的干渉領域内の1組の位置に対応することを特徴とする(38)に記載の方法。
(40)複数の位置で第1自由空間波を受け取る工程と、
複数の位置各々の中から選択された第1組の位置で上記第1自由空間波に結合させ、対応する複数の第1位相を有する第1誘導波あるいは表面波を上記複数の位置で生成する複数の第1電磁振動を当該第1組の位置で生じさせる工程と、
複数の位置で第1自由空間波とは異なる第2自由空間波を受け取る工程と、
複数の位置各々の中から選択された第2組の位置で上記第2自由空間波に結合させ、複数の第1位相と略同等であり、対応する複数の第2位相を有する第2誘導波あるいは表面波を上記複数の位置で生成する複数の第2電磁振動を当該第2組の位置で生じさせる工程とを含むことを特徴とする方法。
(41)上記第1誘導波あるいは表面波、および上記第1自由空間波は、第1干渉縞を規定し、上記複数の位置各々の中から選択された上記第1組の位置は、上記第1干渉縞の建設的干渉領域内の1組の位置に対応し、
上記第2誘導波あるいは表面波、および上記第2自由空間波は、上記第1干渉縞とは異なる第2干渉縞を規定し、上記複数の位置各々の中から選択された上記第2組の位置は、上記第2干渉縞の建設的干渉領域内の1組の位置に対応することを特徴とする(40)に記載の方法。
(42)第1アンテナ照射パターンを選択する工程と、
1つ以上の制御入力に対して変動的に応答する表面散乱アンテナについて、選択された上記第1アンテナ照射パターンに対応する上記1つ以上の制御入力の第1値を決定する工程とを含むことを特徴とする方法。
(43)上記表面散乱アンテナは、上記1つ以上の制御入力の機能である変動物理パラメータを各々が有する複数の散乱素子を有していることを特徴とする(42)に記載の方法。
(44)上記1つ以上の制御入力の第1値を決定する工程は、
選択された上記第1アンテナ放射パターンを提供するために、各上記変動物理パラメータの各々の第1値を決定する工程と、
各上記変動物理パラメータに関して決定された上記各々の第1値に対応する上記1つ以上の制御入力の上記第1値を決定する工程とを含むことを特徴とする(43)に記載の方法。
(45)各上記変動物理パラメータは、上記複数の散乱素子の各変動共振周波数であることを特徴とする(43)に記載の方法。
(46)上記1つ以上の制御入力は、上記複数の散乱素子のための複数のバイアス電圧各々を含むことを特徴とする(43)に記載の方法。
(47)上記複数の散乱素子は、列および行によってアドレス指定可能であり、
上記1つ以上の制御入力は、1組の列入力部および1組の行入力部を含むことを特徴とする(43)に記載の方法。
(48)上記複数の散乱素子は、調整ゲインを有する1組の給電線によって給電され、
上記1つ以上の制御入力は、上記調整ゲインを含むことを特徴とする(43)に記載の方法。
(49)上記表面散乱アンテナのための上記1つ以上の制御入力の上記第1値を提供する工程をさらに含むことを特徴とする(43)に記載の方法。
(50)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、アンテナビーム方向を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(51)上記アンテナビーム方向は、通信衛星の方向に対応することを特徴とする(50)に記載の方法。
(52)上記アンテナビーム方向は、通信基地局の方向に対応することを特徴とする(50)に記載の方法。
(53)上記アンテナビーム方向は、通信モバイルプラットフォームの方向に対応することを特徴とする(50)に記載の方法。
(54)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、1つ以上のヌル方向を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(55)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、アンテナビーム幅を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(56)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、多数のビームの配置を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(57)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、全位相を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(58)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、偏向状態を選択する工程を含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(59)選択された上記偏向状態は、円偏向状態であることを特徴とする(58)に記載の方法。
(60)選択された上記偏向状態は、直線偏向状態であることを特徴とする(58)に記載の方法。
(61)上記第1アンテナ照射パターンとは異なる第2アンテナ照射パターンを選択する工程と、
上記第2アンテナ照射パターンに対応する上記1つ以上の制御入力の第2値を決定する工程とをさらに含むことを特徴とする(42)に記載の方法。
(62)上記表面散乱アンテナのための上記1つ以上の制御入力の上記第2値を提供する工程をさらに含むことを特徴とする(61)に記載の方法。
(63)上記第1アンテナ照射パターンを選択する工程は、第1アンテナビーム方向を選択する工程を含み、
上記第2アンテナ照射パターンを選択する工程は、第1アンテナビーム方向とは異なる第2アンテナビーム方向を選択する工程を含むことを特徴とする(61)に記載の方法。
(64)選択された上記第1アンテナ照射パターンは、上記第1アンテナビーム方向に対応する第1偏向状態を提供し、
選択された上記第2アンテナ照射パターンは、上記第1偏向状態と略同等であり、上記第2アンテナビーム方向に対応する第2偏向状態を提供することを特徴とする(63)に記載の方法。
(65)上記第1偏向状態および上記第2偏向状態は、円偏向状態であることを特徴とする(64)に記載の方法。
(66)上記第1偏向状態および上記第2偏向状態は、直線偏向状態であることを特徴とする(64)に記載の方法。
(67)上記第1アンテナビーム方向および上記第2アンテナビーム方向は、第1通信衛星および第2通信衛星の方向に対応することを特徴とする(63)に記載の方法。
(68)上記第1アンテナビーム方向および上記第2アンテナビーム方向は、通信衛星、通信基地局、および通信モバイルプラットフォームを含む複数の物体の中から選択される第1物体および第2物体の方向に対応することを特徴とする(63)に記載の方法。
(69)1つ以上の第1制御入力に対応する第1変動照射パターンを有する第1表面散乱アンテナのための第1対象物を特定する工程と、
上記第1対象物と上記第1表面散乱アンテナとの間の第1相対運動に対応する上記第1変動照射パターンの実質的な連続変異を提供するために、上記1つ以上の第1制御入力を繰り返し調整する工程とを含むことを特徴とする方法。
(70)上記第1相対運動は、上記第1対象物の変形であることを特徴とする(69)に記載の方法。
(71)上記第1相対運動は、上記第1表面散乱アンテナの変形あるいは回転であることを特徴とする(69)に記載の方法。
(72)上記第1相対運動は、上記第1対象物の変形と、上記第1表面散乱アンテナの変形あるいは回転との組み合わせであることを特徴とする(69)に記載の方法。
(73)上記第1変動照射パターンの実質的な連続変異は、上記第1変動照射パターンの最初のビーム内に上記第1対象物を実質的に保持するために選択されることを特徴とする(69)に記載の方法。
(74)上記第1変動照射パターンの実質的な連続変異は、上記第1変動照射パターンのヌル内に上記第1対象物を実質的に保持するために選択されることを特徴とする(69)に記載の方法。
(75)上記第1変動照射パターンの実質的な連続変異は、上記第1対象物の位置において実質的な連続偏向状態を提供するために選択されることを特徴とする(69)に記載の方法。
(76)上記実質的な連続偏向状態は、円偏向状態であることを特徴とする(75)に記載の方法。
(77)上記実質的な連続偏向状態は、直線偏向状態であることを特徴とする(75)に記載の方法。
(78)上記第1対象物は、通信衛星であることを特徴とする(69)に記載の方法。
(79)上記第1対象物は、通信基地局であることを特徴とする(69)に記載の方法。
(80)上記第1対象物は、通信モバイルプラットフォームであることを特徴とする(69)に記載の方法。
(81)1つ以上の第2制御入力に対応する第2変動照射パターンを有する第2表面散乱アンテナのための第2対象物を特定する工程と、
上記第2対象物と上記第2表面散乱アンテナとの間の相対運動に対応する上記第2変動照射パターンの実質的な連続変異を提供するために、上記1つ以上の第2制御入力を繰り返し調整する工程とを含むことを特徴とする方法。
(82)上記第1対象物および上記第2対象物は、通信衛星のコンステレーションの構成部材であることを特徴とする(81)に記載の方法。
(83)上記第1相対運動は、上記第1対象物の変形であり、
上記第2相対運動は、上記第2対象物の変形であることを特徴とする(81)に記載の方法。
(84)上記第1相対運動は、上記第1対象物の変形と、上記第1表面アンテナの変形あるいは回転との組み合わせであり、
上記第2相対運動は、上記第2対象物の変形と、上記第2表面アンテナンの変形あるいは回転との組み合わせであり、
上記第1表面アンテナの変形あるいは回転は、上記第2表面アンテナの変形あるいは回転と同等であることを特徴とする(81)に記載の方法。
(85)上記第1変動照射パターンの実質的な連続変異は、上記第1変動照射パターンの最初のビーム内に上記第1対象物を実質的に保持するために選択され、
上記第2変動照射パターンの実質的な連続変異は、上記第2変動照射パターンの最初のビーム内に上記第2対象物を実質的に保持するために選択されることを特徴とする(81)に記載の方法。
(86)上記第1変動照射パターンの上記最初のビーム内に上記第2対象物を実質的に配置するために、上記1つ以上の第1制御入力を調整する工程をさらに含むことを特徴とする(85)に記載の方法。
(87)上記第1対象物および上記第2対象物とは異なる、第2表面散乱アンテナのための新たな対象物を特定する工程と、
上記第2変動照射パターンの上記最初のビーム内に上記新たな対象物を実質的に配置するために、上記1つ以上の第2制御入力を調整する工程をさらに含むことを特徴とする(86)に記載の方法。
(88)1つ以上の制御入力に変動的に応答する表面散乱アンテナと、
上記1つ以上の制御入力を提供するように構成されたアンテナ制御回路と、
上記表面散乱アンテナの給電構造に結合された通信回路とを備えることを特徴とするシステム。
(89)上記表面散乱アンテナは、上記1つ以上の制御入力の機能である各変動物理パラメータを有する複数の散乱素子を有していることを特徴とする(88)に記載のシステム。
(90)上記1つ以上の制御入力は、上記複数の散乱素子のための複数のバイアス電圧各々を含むことを特徴とする(89)に記載のシステム。
(91)上記複数の散乱素子は、列および行によってアドレス指定可能であり、
上記1つ以上の制御入力は、1組の列入力部および1組の行入力部を含むことを特徴とする(89)に記載のシステム。
(92)上記給電構造は、複数の増幅器各々を有する複数の給電部を含み、
上記1つ以上の制御入力は、上記複数の増幅器各々の調整ゲインを含むことを特徴とする(89)に記載のシステム。
(93)上記アンテナ制御回路は、1組のアンテナ照射パターンパラメータと、それに対応する、上記1つ以上の制御入力に対する1組の値とを割り出すルックアップテーブルを含む記憶媒体を含むことを特徴とする(88)に記載のシステム。
(94)上記1組のアンテナ照射パターンパラメータは、1組のアンテナビーム方向を含むことを特徴とする(93)に記載のシステム。
(95)上記1組のアンテナ照射パターンパラメータは、1組のアンテナヌル方向を含むことを特徴とする(93)に記載のシステム。
(96)上記1組のアンテナ照射パターンパラメータは、1組のアンテナビーム幅を含むことを特徴とする(93)に記載のシステム。
(97)上記1組のアンテナ照射パターンパラメータは、1組の偏向状態を含むことを特徴とする(93)に記載のシステム。
(98)上記アンテナ制御回路は、所望のアンテナ照射パターンパラメータに対応する上記1つ以上の制御入力に対する1組の値を算出するように構成された処理回路を含むことを特徴とする(88)に記載のシステム。
(99)上記処理回路は、上記所望のアンテナ照射パターンパラメータに対応するホログラフィックパターンを演算することによって、上記1つ以上の制御入力に対する上記1組の値を算出するように構成されていることを特徴とする(98)に記載のシステム。
(100)上記表面散乱アンテナの環境条件を検出するように構成されたセンサユニットをさらに含むことを特徴とする(88)に記載のシステム。
(101)上記センサユニットは、GPSセンサ、温度計、ジャイロスコープ、および歪みゲージの中から選択される1つ以上のセンサを含んでいることを特徴とする(100)に記載のシステム。
(102)上記環境条件は、上記表面散乱アンテナの位置、方向、温度、あるいは機械的変形を含むことを特徴とする(100)に記載のシステム。
(103)上記センサユニットは、上記アンテナ制御回路に対して環境条件データを提供するように構成されており、
上記アンテナ制御回路は、上記表面散乱アンテナの上記環境条件の変動を補正するために、上記1つ以上の制御入力を調整するように構成された回路を含んでいることを特徴とする(100)に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】表面散乱アンテナを示す概略図である。
図2A】表面散乱アンテナの模範的な調整パターンを示す図である。
図2B】対応するビームパターンを示す図である。
図3A】表面散乱アンテナの他の模範的な調整パターンを示す図である。
図3B】対応するビームパターンを示す図である。
図4A】表面散乱アンテナの他の模範的な調整パターンを示す図である。
図4B】対応するフィールドパターンを示す図である。
図5】表面散乱アンテナのユニットセルを示す図である。
図6】表面散乱アンテナのユニットセルを示す図である。
図7】メタマテリアル要素の例を示す図である。
図8】表面散乱アンテナのマイクロストリップの実施形態を示す図である。
図9】表面散乱アンテナの共面導波管の実施形態を示す図である。
図10】表面散乱アンテナの閉塞導波管の実施形態を示す図である。
図11】表面散乱アンテナの閉塞導波管の実施形態を示す図である。
図12】散乱素子の直接アドレス指定を用いた表面散乱アンテナを示す図である。
図13】散乱素子の行列アドレス指定を用いた表面散乱アンテナを示す図である。
図14】システムブロック図を示す図である。
図15】フロー図を示す図である。
図16】フロー図を示す図である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A-7H】
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16