【実施例】
【0060】
以下の実施例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、これらの実施例は、上記に記載の実施形態と同様に、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでは決してないことに留意されたい。
【0061】
比較例1.A:Kogyo FS−200−Sangyo FLO−120におけるSolblet果粒
中央粒径が約15μmのD−マンニトール(38kg)およびクロスポビドン(2kg)を30メッシュスクリーンにより篩別して集塊物を除去した後、Kogyo FS−200造粒機の中に充填して、20重量%の精製水と共に造粒する。同じ条件下で行なわれた2つのバッチからの造粒物を流動層乾燥機Sangyo FLO−120の中で入口温度90℃、流動化空気体積100cfmにて乾燥し、1重量%未満のLODを得る。乾燥果粒を篩別して、もしあれば過大サイズ顆粒を廃棄する。
【0062】
比較例1.B:GMX 600−Glatt 200における迅速分散マイクロ顆粒
例えば、D−マンニトール(Roquette製の中央粒径が約15μmのマンニトール25を152kg)およびクロスポビドン(ISP製のPolyplasdone XL−10を8kg)を30メッシュスクリーンにより篩別して集塊物を除去した後、Vector Corporation製の高剪断造粒機GMX 600に充填して、精製水(38kg)と共に造粒する。同じ条件下で行なわれた2つのバッチからの造粒物を、Comil(登録商標)(湿式粉砕)を介して流動層乾燥機Glatt GPCG 200の中に真空トランスファーして、流動化空気体積の下、入口温度90℃で乾燥して、1重量%未満のLODを得る。乾燥果粒を、Kason sieverで20メッシュスクリーンに通して篩別し、Comilを使用して過大サイズ顆粒を粉砕し、再篩別して所望の粒径分布を有するマイクロ顆粒を回収する。
【0063】
表1に、米国特許出願公開第20030215500A1号明細書および/または米国特許出願公開第20050232988A1号明細書における開示に従って、KyowaおよびEurandで迅速分散(RD)マイクロ顆粒を製造するために使用したプロセスパラメーターを示す。
【0064】
比較例1.C:Glatt GPCG 5における迅速分散マイクロ顆粒
上部噴霧式造粒機ボウル、1.2mmのノズル(空気キャップも備えたノズルチップ)、および精製水を100mL/分で送達するために設置されたペリスタル型ポンプを装備したGlatt GPCG 5に、各粒子の平均粒径が30μm以下であるD−マンニトール6650g、およびクロスポビドン(Polyplasdone XL−10)350gを充填し、以下の条件下で精製水と共に造粒する。
【0065】
予熱条件:入口空気フラップ設定−50%;入口空気量−300CFM;入口空気温度−100℃;最終出口温度−70℃。造粒条件:入口空気フラップ設定−37%;入口空気量−135〜150CFM;入口空気温度−60℃;生成物温度−30±0.5℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−100mL/分。乾燥条件:入口空気フラップ設定−38%;入口空気量−155CFM;入口空気温度−100℃;最終出口温度−43℃。
【0066】
Compu−Trac湿度計を使用して測定した場合に、85℃で0.56%のLODになるようにGlatt乾燥機の中で造粒物を乾燥するが、有効収率は極めて低い(70重量%未満)。篩分け分析は、ATMソニックシフターを使用して行なわれる(強度設定8および時間:4分で試料10g)。かさ密度およびタップ密度を測定して、米国薬局方の方法論に従って圧縮率パーセントを計算する。
【0067】
比較例1.D:Glatt GPCG 120におけるRDマイクロ顆粒
上部噴霧式造粒機ボウル、3ヘッドの上部噴霧ガン(3つの1.8mmノズル)、および3ヘッドの単一ガンに精製水を2000mL/分で送達するために設置された3つのペリスタル型ポンプを装備したGlatt GPCG 120に、D−マンニトール152kg(各粒子の平均粒径は30μm以下)、およびクロスポビドン(Polyplasdone XL−10)8kgを充填し、以下の条件下で精製水と共に造粒する。
【0068】
予熱条件:入口空気量−2500CFM;入口空気温度−100℃;最終出口温度−60℃超。造粒条件:入口空気量−2000CFM;入口空気温度−95℃;生成物温度−31.5±0.5℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−2000mL/分。乾燥条件:入口空気量−1500CFM;入口空気温度−100℃;最終出口温度−45℃超。
【0069】
乾燥造粒物は、Kason sieverを使用して、20メッシュ篩に通す。生成物ボウルの壁に貼り付いた多数の造粒物を掻き取って、記録するが、結果として収率は極めて低い(70重量%未満)。篩分け分析はATMソニックシフターを使用して行なわれる(粒径、かさ密度およびタップ密度の結果については表1を参照のこと)。
【0070】
比較例1.E:Glatt GPCG 120におけるポビドン含有RDマイクロ顆粒
ポビドン(K−30;4.32kg)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。D−マンニトール(中央粒径:30μm未満)150kgおよび クロスポビドン(XL−10)8.65kgの混合物を、Glatt GPCG 120の中で、以下の条件下で造粒する:造粒条件:入口空気量−2000CFM;入口空気温度−95℃;生成物温度−32±0.5℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−2000mL/分。生成物ボウルの内壁は、壁に貼り付いた造粒物についてかなりきれいであり、この反映として、95重量%超の%有効収率が得られる。
【0071】
実施例1.F:アセトアミノフェンのマイクロカプセル化
Covidien製のアセトアミノフェンUSP(顆粒グレード;粒径:45〜80メッシュまたは177〜350μm)を、この工程のためにコンピュータ化されたレシピを使用して、工業規模の500ガロンまたは1000ガロンのシステムで溶媒コアセルベーションを行うことにより、エチルセルロース(Dow Chemical製のEthocel Standard Premium 100)で味マスキングする。エチルセルロースを溶解させるために80℃に制御しながら加熱し、30℃未満に制御しながら冷却すると同時に、マイクロカプセル層を真空濾過に供し、シクロヘキサンですすいで残留ポリエチレンを洗い流す。マイクロカプセルを流動層乾燥機に移して乾燥手順に供し、4〜6時間乾燥して、シクロヘキサン濃度を1000ppm以下に低減する。
【0072】
実施例1.G:口腔内崩壊錠
アスパルテーム(0.67kgまたは錠剤の0.45重量%)、S.D.Grape香料(0.83kgまたは0.55%)、およびクロスポビドンXL−10(10.5kgまたは7%)を、2立方フィートのV−ブレンダーの中で10分間ブレンドし、20メッシュスクリーンを装備したComil(登録商標)に1400rpmで通す。必要量のアセトアミノフェンマイクロカプセル(41.17kgまたは27.45%)、迅速分散(RD)マイクロ顆粒(96.82kgまたは64.55%)、およびプレブレンドを、確立された手順どおりに、10立方フィートのブレンダーの中でブレンドする。次いで、Hata打錠機−Matsui Exlubシステムを25rpmおよび2.34ボルトの平均ステアリン酸マグネシウム流動(1分当たり5gの流速と同等)で使用して、これらの圧縮用混合物を圧縮して重量が約620mgの160mgODT錠剤にする。各ロットの錠剤は、14、18、20、22、25、および30kNの圧縮力で約30分間製造する。より長い打錠動作(4時間以内)も、21〜22kNの圧縮力で行い、錠剤重量および硬度の経時変化を評価する。1つの同等圧縮力での打錠特性を表2に示し、より詳細には表3に示す。Hata打錠機−Matsui Exlubシステムを使用して圧縮された、パイロット規模、半工業規模、および工業規模の迅速分散マイクロ顆粒を含むプラセボODT錠剤は、同等の打錠特性を示す。
【0073】
RDマイクロ顆粒の物理特性および打錠特性
・粒径分布は、GMX−Glatt造粒物、結合剤存在下および非存在下の流動層(FB)造粒物の間で、また半工業規模のKyowa Solbletおよび工業規模のGMX−Glatt 200造粒物の間で顕著に変動する。
・GMX−Glatt造粒物のかさ密度および形状は、Kyowa Solblet造粒物に類似している。
・粒子形状、粒径分布、および/または圧縮率の差にもかかわらず、圧縮パラメーターの調整を必要とする、アセトアミノフェンODT(処方1〜5)の打錠動作の間に、流動に関連する問題には遭遇しない。
・充填重量の変動は、1%未満のRSDで厳格に維持される。
・錠剤硬度の変動は、10%未満のRSDで厳格に維持される。
・いずれの造粒物を含有する圧縮用混合物も、それがKyowa SolbletもしくはGMX−Glatt造粒物か否か、または粉砕された過大サイズ材料が、篩別された果粒とブレンドされたか否かにかかわらず、類似の打錠特性、すなわち錠剤重量変動、厚さおよび硬度を示した。
・18〜30kNの圧縮力範囲では、錠剤摩損度の値は、統計的に差がない(表3を参照のこと)。
・流動層造粒物(結合剤なし)は、GMX−Glattのロットよりも若干低い硬度値を示す。しかしながら、流動層マイクロ顆粒の最大の欠点は、生成物ボウル面にマンニトール粉末が貼り付くことによる広範な材料損失であり、それによって極めて低い全有効収率が得られる。
・長い打錠動作の錠剤は、同様の崩壊時間(範囲:25〜38秒)−処方1(Kyowa Solblet果粒)に対して32秒、処方2に対して38秒、処方3に対して32秒、および処方4(流動層)に対して25秒を示す。
・結合剤含有流動層造粒物は、同等の圧縮力での他の結合剤非含有ロットよりも高い錠剤硬度値を示す(表2〜3を参照のこと)。さらに、結合剤含有流動層マイクロ顆粒の最大の欠点は、ODT錠剤が顕著にかつ容認できないほど長い崩壊時間を示すことである。したがって、規定上かつ/または財政上の考察から、流動層処理は両方とも、工業規模での迅速分散マイクロ顆粒の製造には適さないと考えられ、それによって未だ対処されていない必要性が生じる。
【0074】
比較例2.A − ラモトリギンODT、25、50、100、および200mg
米国特許出願公開第20090092672A1号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒(実施例1.F)および味マスキングされたラモトリギン結晶を含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。500ガロンの溶媒コアセルベーションシステム(326ガロンまたは1234Lのシクロヘキサン)に、ラモトリギン微結晶(78.3kg)、エチルセルロース(Ethocel 100cps;13.8kg)、Epolene(9.2kg)を充填し、80±5rpmで撹拌しながら、ラモトリギンを溶媒コアセルベーションにより味マスキングする。コンピュータ制御の「80℃に加熱および維持」サイクルを使用して、80℃の温度を達成し、コアセルベーションシステムの中でエチルセルロースを溶解する。その後、集塊物の形成を回避するために常時撹拌しながら、45分以上で30℃未満になるようにシステムを冷却サイクルに供す。温度が約65℃を下回ると、シクロヘキサン中でもはや可溶性でないエチルセルロースが沈殿し始め(相誘導物質であるポリエチレンにより促進されて)、それによって滑らかなコーティングによりラモトリギン微結晶がカプセル化され、味マスキングが施される。このマイクロカプセルを真空濾過し、シクロヘキサンで洗浄し、3段階の温度(例えば、25℃、35℃、99℃)を使用して流動層乾燥機の中で4〜6時間乾燥し、1000ppm未満の残留シクロヘキサン濃度を達成する。マイクロカプセルをUS35メッシュ篩で篩別し、もしあれば集塊物を廃棄する。
【0075】
スクラロース(0.40%w/w)およびクロスポビドンXL−10(5.0%w/w)を、均一になるようにその混合物をComil(登録商標)に通すことにより、プレブレンドする。同様に、チェリー香料(1.0%w/w)を、少量の迅速分散マイクロ顆粒(64.19%w/w)とプレブレンドし、これら2つのプレブレンド混合物を均一になるまでブレンドする。味マスキングされたマイクロ粒子(29.41%w/w)および残りの迅速分散マイクロ顆粒を一緒にブレンドし、さらに上記のプレブレンドとブレンドして、160kg〜550kgのバッチサイズを製造する。Hata打錠機−Matsui ExLubシステムを使用する、ODT錠剤25mg(7mm×100mg)、50mg(9mm×200mg)、100mg(11mm×400mg)、および200mg(14mm×800mg)の工業規模錠剤製造の間に、材料流動または圧縮に関連する打錠問題は、何も観察されなかった。
【0076】
比較例2.B − アセトアミノフェンODT、250および500mg
米国特許出願第12/772,770号明細書または米国特許出願第12/772,776号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒および味マスキングされたアセトアミノフェン結晶を含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。500ガロンのコアセルベーションシステム(単一タンク)に、326ガロンのシクロヘキサン、180kgのアセトアミノフェン(Covidien製の準微細グレードA137)、20〜24.5kgのエチルセルロース(Dow Chemicals Co.製のEthocel Standard Premium 100)および4.0〜4.9kgのポリエチレンを、60±5rpmで撹拌しながら充填する。このシステムをコンピュータ制御の「加熱および冷却」サイクルに80℃で約5分の保持時間で供し、上記の比較例2.Aに開示のように、エチルセルロースコーティングで薬物層形成ビーズをマイクロカプセル化する。
【0077】
外部滑沢装置および周囲13mmおよび17mmの平坦な面に縁取るツーリングを装備したロータリー打錠機を、種々の圧縮力およびタレット速度で使用する、重量がそれぞれ700および1400mgのODT錠剤250および500mgのフィージビリティ開発の中で、驚くべきことに、30%w/w超の味マスキングされたアセトアミノフェン、工業規模の迅速分散マイクロ顆粒、および5重量%のクロスポビドンを含む圧縮用ブレンドは、そのようなODT製剤を問題なく工業規模で錠剤製造するために、約10重量%の微結晶性セルロース(Avicel PH101)を含むべきであることが見出される。したがって、アスパルテーム(2.56kg)、人工ストロベリー香料(2.56kg)、微結晶性セルロース(16kgのAvicel PH101)、およびクロスポビドンXL−10(8kg)を、Comil(登録商標)に別々に通して集塊物を除去した後に、2立方フィートのV−ブレンダーの中で10分間プレブレンドして均一にする。味マスキングされたマイクロ粒子(63.5kg)、プレブレンド、および迅速分散マイクロ顆粒(実施例1.Fからの67.4kg)を、10立方フィートのV−ブレンダーの中で15分間ブレンドして、160kgのバッチサイズの圧縮用混合物を製造する。HDPEボトルへの包装、保管、および欧州でのマーケティングのための海外輸送の間における摩耗に耐えるのに十分な高抗張力および低摩損度を有するODT錠剤250および500mgに圧縮する。これらの錠剤は、米国薬局方DTメソッド<701>で試験される場合に30秒以内に崩壊するだけでなく、米国薬局方装置2(pH5.8緩衝液中で、パドル@75rpm)を使用して試験される場合に15分で85%以上を放出する。
【0078】
比較例2.C − ラニチジンHCl ODT、75および150mg
米国特許出願公開第20090202630号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒および味マスキングされたラニチジンHCl結晶を含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。ラニチジンHCl微結晶(形態II)をEthocel 100cpsおよびEpoleneと共に5ガロンのシステムに充填し、上記の開示に従って150rpmの速度で撹拌しながら、15重量%のコーティング用にマイクロカプセル化する。味マスキングされたラニチジンマイクロ粒子に、チェリーまたはバニラのミント香料(62%)およびスクラロース(17%)、ならびにクエン酸トリエチル(21%)、可塑剤を含有する、ホモジナイズされた懸濁液を、約41℃の標的生成物温度を維持しながら噴霧することにより、任意選択の香料コーティングを施し、小児集団が味マスキングされた薬物粒子の中に偶然噛み入れて受ける衝撃を最小化する。香料コーティングに続いて、流動層コーティングを、Ethocel 10 cps/Eudragit E100/クエン酸トリエチル溶液を45℃の生成物温度で噴霧することにより継続し、コーティングされた薬物粒子をそのユニット内で10分間乾燥し、残留溶媒を除去する。
【0079】
スクラロース(0.35重量%)、チェリー香料(1.3%)、赤色/青色着色剤(0.5%)、微結晶性セルロース(10%のAvicel PH101)、およびクロスポビドンXL−10(5%)を、Comil(登録商標)に別々に通して集塊物を除去した後に、V−ブレンダーの中で10分間プレブレンドして均一にする。味マスキングされたマイクロ粒子(約28%)、プレブレンド、および迅速分散マイクロ顆粒(約55%)を、V−ブレンダーの中で15分間ブレンドし、材料流動または圧縮に関連する問題を起こすこともなく、圧縮して、HDPEボトルまたはブリスターへの包装、保管、輸送、商品流通、および最終使用の間における摩耗に耐えるのに十分な高抗張力および低摩損度を有するODT錠剤250および500mgを製造する。
【0080】
比較例2.D − ジフェンヒドラミンHCl ODT、25mg
米国特許出願公開第20090155360号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒および味マスキングされたジフェンヒドラミンHCl結晶を含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。ヒドロキシプロピルセルロース(8.42kgのKlucel−LF)を、加熱マントルを装備したステンレス鋼タンクの中で、750±25rpmで撹拌しながら、65℃にてアセトン/精製水(86.4kg/9.6kg)混合物に徐々に加えて溶解させる。ジフェンヒドラミンHCl(76.5kg)を、別のステンレス鋼タンクの中で、850±25rpmで撹拌しながら、アセトン/精製水(300kg/93kg)混合物に徐々に加えて溶解させる。ヒドロキシプロピルセルロース溶液を、均一になるように撹拌しながら薬物溶液に徐々に加える。糖スフェア(60〜80メッシュまたは170〜250μm;215kg)を、32”底部噴霧式Wursterインサートを装備した、予熱したGlatt GPCG 120流動層コーティング機に充填する。ビーズを適切に流動化する、すなわち、適切に空気中に懸濁させると、噴霧乾燥することも集塊物を形成することもなく薬物層形成が継続して確実に完了するように、コンピュータ制御のレシピによる処理条件−処理空気量:1500CFM;霧化空気圧力:1.3mmのノズルポートサイズで2.5バール(HSカラー);生成物温度:49〜51℃−の下で約1500g/分(範囲:300〜2000g/分)の噴霧速度で溶液を噴霧することにより糖スフェア上に薬物は層形成する。薬物層形成の完了に続いて、ヒドロキシプロピルセルロースのシールコーティングを300g/分の噴霧速度で施して2%重量増加させ、薬物層形成ビーズを同じユニット内で乾燥して残留溶媒を除去し、#32および#80メッシュスクリーンにより篩別して、過大サイズの粒子および微粉を廃棄する。
【0081】
200ガロンのコアセルベーションシステムに、150ガロンのシクロヘキサン、65.1kgの薬物層形成ビーズ、6.5kgのエチルセルロース(Dow Chemicals Co.製のEthocel Standard Premium 100)、および8.9kgのポリエチレンを、60±5rpmで撹拌しながら充填する。コンピュータ制御の「80℃に加熱および維持」サイクルを使用して、80℃の温度を達成し、コアセルベーションシステムの中でエチルセルロースを溶解する。その後、集塊物の形成を回避するために撹拌しながら、45分以上で30℃未満になるようにシステムを冷却サイクルに供す。温度が約65℃を下回ると、シクロヘキサン中でもはや可溶性でないエチルセルロースが沈殿し始め(相誘導物質であるポリエチレンにより促進されて)、それによって6重量%での滑らかなコーティングによりアセトアミノフェン結晶がカプセル化され、味マスキングが施される。このマイクロカプセルを真空濾過し、シクロヘキサンで洗浄し、3段階の温度(例えば、25℃、35℃、99℃)を使用して流動層乾燥機の中で4〜6時間乾燥し、1000ppm未満の残留シクロヘキサン濃度を達成する。マイクロカプセルをUS35メッシュ篩で篩別し、もしあれば集塊物を廃棄する。
【0082】
外部滑沢装置および周囲11mmの平坦な面に縁取るツーリングを装備したロータリー打錠機を、種々の圧縮力およびタレット速度で使用する、重量が650mgのODT錠剤25mgのフィージビリティ開発の中で、驚くべきことに、少なくとも約15〜20重量%での微結晶性セルロース(Avicel PH101)の使用が、ODT錠剤の崩壊時間または感覚刺激特性に影響を及ぼすことなく、より高い抗張力を達成するのに大いに有利となることが見出される。
【0083】
比較例2.E − アセトアミノフェン/ヒドロコドン酒石酸水素塩ODT、500−mg/5−mgおよび300−mg/10−mg
米国特許出願第12/772,770号明細書または米国特許出願第12/772,776号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒と、溶媒コアセルベーションにより味マスキングされたアセトアミノフェン結晶であるアセトアミノフェンマイクロカプセル上に層形成された味マスキングされたヒドロコドン酒石酸水素塩とを含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。200ガロンの溶媒コアセルベーションシステム(シクロヘキサン:142kg)に、アセトアミノフェン(準微細グレードA137;75.5kg)、エチルセルロース(EC−100;4.8kg)、Epolene(2.1kg)を充填し、80±5RPMで撹拌しながら、200ガロンシステムの溶媒コアセルベーションによってアセトアミノフェンを味マスキングする。コンピュータ制御のレシピを使用して、上記の比較例2.Dに開示のように、アセトアミノフェン微結晶を6重量%でコーティングする。同様の手順を使用して、アセトアミノフェン微結晶(94.1kg)をさらに、Ethocel 100cps(10.5kg)および相誘導物質としてEpolene(2.1kg)を用いて10重量%で味マスキングする。
【0084】
18”底部噴霧式Wursterインサートを装備したFluid Air FA−300流動層コーティング機の中で最適処理条件下にてヒドロキシプロピルセルロース(0.4kg)を含む薬物層形成製剤(10%固形分)を噴霧することにより、上記からのアセトアミノフェンマイクロカプセル(6%コーティングで;56kg)上にヒドロコドン酒石酸水素塩(3.6kg)を層形成させる。薬物層形成に続いて、このマイクロ粒子を、同じユニット内でヒドロキシプロピルセルロース(3.2kg)およびナトリウムステアリルフマラート(0.5kg)でシーラントコーティングし、その後、味マスキングスクラロース(3.3kg)溶液コーティングを施し、5分間乾燥して残留水分を低減し、30および80メッシュの篩を通して篩別して過大サイズの粒子および微粉を廃棄する。
【0085】
外部滑沢装置ならびに周囲15mmおよび17mmの平坦な面に縁取る、ロゴ付きツーリングを装備したロータリー打錠機を、種々の圧縮力およびタレット速度で使用する、重量がそれぞれ1400および1100mgのヒドロコドン酒石酸水素塩ODT錠剤500−mg/5−mgおよび300−mg/10−mgのフィージビリティ開発の中で、驚くべきことに、味マスキングされたアセトアミノフェン微結晶(10%w/w)、味マスキングされたヒドロコドン/アセトアミノフェンマイクロ粒子、工業規模迅速分散マイクロ顆粒、および5重量%のクロスポビドンを含む圧縮用ブレンドは、そのようなアセトアミノフェン/ヒドロコドン酒石酸水素塩ODT製剤の問題のない工業規模錠剤製造のために、圧縮助剤である微結晶性セルロース(Avicel PH101)および材料流動促進剤である噴霧乾燥マンニトール(Parteck M 300)を、両方とも少なくとも10重量%で含むべきであることが見出される。したがって、スクラロース(2.25kg)、人工チェリー香料(2.55kg)、微結晶性セルロース(15kgのAvicel PH101)、噴霧乾燥マンニトール(15kgのParteck M 300)、およびクロスカルメロースナトリウム(1.5kgのAc−Di−Sol)を、2立方フィートのV−ブレンダーの中で5分間プレブレンドして均一にした後、このプレブレンドを1446rpmで作動するComil(登録商標)スクリーン/スペーサーに通して集塊物を除去する。味マスキングされたヒドロコドン/アセトアミノフェンマイクロ粒子(500−mg/5−mgODTに対して9.98kgまたは300−mg/10−mgODTに対して25.39kg)、味マスキングされたアセトアミノフェン微結晶(500−mg/5−mgODTに対して50.81kgまたは300−mg/10−mgODTに対して23.29kg)、プレブレンド、および迅速分散マイクロ顆粒(500−mg/5−mgODTに対して51.41kgまたは300−mg/10−mgODTに対して63.52kg)を、10立方フィートのV−ブレンダーの中で20分間ブレンドし、その後、予め選別されたナトリウムステアリルフマラート(1.5kg)と5分間ブレンドする。HDPEボトルまたはブリスターへの包装、保管、輸送、商品流通、および最終使用の間における摩耗に耐えるのに十分な高抗張力および低摩損度を有するODT錠剤500−mg/5−mgおよび300−mg/10−mgを、圧縮用ブレンド(各150kg)の圧縮により製造する。これらの錠剤は、米国薬局方DTメソッド<701>で試験される場合に30秒以内に崩壊するだけでなく、米国薬局方装置2(pH5.8緩衝液中で、パドル@50rpm)を使用して試験される場合に30分で両活性成分を80%(Q)以上放出する。
【0086】
比較例2.F − テマゼパムODT、7.5、15、22.5、および30mg
米国特許出願公開第20090169620号明細書は、迅速分散マイクロ顆粒およびテマゼパムマイクロ顆粒を含む口腔内崩壊錠を工業規模で製造する方法について教示する。Glatt GPCG 5流動層造粒機の中で、造粒液として精製水を使用して、テマゼパム微結晶、マンニトール、およびクロスポビドンを造粒することにより、テマゼパムマイクロ顆粒を調製する(6kgのバッチサイズ)。スクラロース、チェリーまたはペパーミント香料、クロスポビドンXL−10、および微結晶性セルロースを最初にプレブレンドし、次いでこの混合物を迅速分散マイクロ顆粒およびテマゼパムマイクロ顆粒とブレンドすることにより調製される種々のODT組成物を、製剤の「頑健性」の判定のために評価する。
【0087】
中央粒径が約15μmのマンニトール25(122.4kg)およびクロスポビドンXL−10(8.0kg)を、Comil(登録商標)粉砕機にこの混合物を通すことにより粉砕する。マンニトール、クロスポビドン、微結晶性セルロース(Avicel pH 101;8kg)、およびテマゼパム微結晶(Covidien、19.2kg)を、Fluid Air FA 300流動層造粒機の中で、得られる造粒物の微粉量を最小化するために、異なる空気流量およびフィルターバック振盪時間の3ループでヒドロキシプロピルセルロース(Klucel LF、2.4kg)溶液を噴霧することにより造粒する。噴霧後、湿潤果粒を2.0%未満のLODになるように乾燥する。Kason 30シフターを使用して、20メッシュマーケットグレードスクリーンに乾燥果粒を通して、もしあれば過大サイズ凝集物を廃棄する。この方法により、極めて均一の粒径分布および極めて高い収率(例えば、96%〜99%)でテマゼパムマイクロ顆粒が製造される。
【0088】
これらの結果は、貼り付きおよび微粉のレベルが低下したことを示し、微結晶性セルロースとブレンドされた錠剤のいずれにも、スコーリングは観察されなかった。
【0089】
実施例1A:クロスポビドンおよびKlucelを含むRDマイクロ顆粒:
ヒドロキシプロピルセルロースであるKlucelLF(90g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。Glatt GPCG 5を、上部噴霧式生成物ボウル、噴霧ガン、およびペリスタル型ポンプでセットアップし、中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(5610g)およびクロスポビドン(300g)を、以下の条件下でKlucel溶液を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−70scfm;入口空気温度−95℃;生成物温度−41±1℃;霧化空気圧力−1.5バール;溶液噴霧速度−80mL/分。生成物ボウルの内壁は、造粒物が壁に貼り付いた状態でかなりきれいであり、この反映として、95重量%超の%有効収率が得られる。LODが0.3%の乾燥材料(処方A)を#20メッシュスクリーンに通して、95%超の全収率を得る。造粒はまた、種々のKlucel含量で行う(例えば、造粒物の2.5重量%、0.5重量%、および1.0重量%;実際の組成については、表4を参照のこと)。4回の造粒のそれぞれで得られる粒径分布は、ソニックシフターを使用して測定し、かさ密度およびタップ密度の値も測定する。これらの値から、パーセント圧縮率の値を計算する。表4および
図1に、米国特許第20050232988号明細書に従って工業規模で製造されたPE375バッチ(マンニトール/クロスポビドン;多機能性添加剤なし)と比較した、マンニトール/クロスポビドン/Klucel LF(0.5、1.0、1.5、または2.5%で)を含む、4つのRDマイクロ顆粒バッチについての粒径分布データを示す。
【0090】
実施例1B:口腔内崩壊錠
クロスポビドン、微結晶性セルロース(Avicel PH101)、スクラロース、およびストロベリー香料を、ポリエチレンバッグの中で混合し、40メッシュスクリーンに通す。選別された材料を、必要量のアセトアミノフェンマイクロカプセル(ロット番号 1198−JMC−106)、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース(Klucel LF)(処方K(1.0%)、処方K(1.5%)、または処方K(2.5%))を含む迅速分散顆粒、および/または結合剤なしの迅速分散顆粒(実施例1.Fから)と、0.25立方フィートのV−ブレンダーの中で10分間ブレンドする(250mgアセトアミノフェンODT組成および打錠特性については表5を参照のこと)。
【0091】
実施例2:RDマイクロ顆粒(クロスポビドンおよびStarch 1500):
アルファ化デンプン(Colorcon製のStarch 1500(登録商標)、2重量%または120g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。Glatt GPCG 5を、上部噴霧式生成物ボウル、噴霧ガン、および85mL/分で送達するためのペリスタル型ポンプでセットアップする。中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(5580g)およびクロスポビドン(300g)を、以下の条件下でデンプン溶液を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−70scfm;入口空気温度−95℃;生成物温度−37±1℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−80〜90mL/分。生成物ボウルの内壁は、造粒物が壁に貼り付いた状態でかなりきれいである。乾燥材料(CS−2%)を#20メッシュスクリーンに通して、91.3%の有効収率および3.8%の過大サイズ顆粒を得る。
【0092】
実施例3:L−HPCを含有するRDマイクロ顆粒
中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(4750g)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製のL−HPC、250g)を、予熱した(90℃)Glatt 5の中で、以下の条件下で精製水を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−75scfm;入口空気温度−90℃;生成物温度−39±2℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−85〜95mL/分。
【0093】
実施例3.A:L−HPCおよびKlucel LFを含有するRDマイクロ顆粒
Klucel LF(90g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。Glatt GPCG 5を、上部噴霧式生成物ボウル、噴霧ガン、および85mL/分で送達するためのペリスタル型ポンプでセットアップする。中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(5610g)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g、LS−HPC)を、予熱した(90℃)Glatt 5の中で、以下の条件下でKlucel溶液を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−72〜75scfm;入口空気温度−85℃;生成物温度−39±1℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−85〜94mL/分。生成物ボウルの内壁は、壁に貼り付いた造粒物がなくきれいである。乾燥材料(処方LK(1.5%))を、#20メッシュスクリーンに通して、96.3%の有効収率を得る。
【0094】
実施例3.B:L−HPCおよびStarch 1500を含有するRDマイクロ顆粒:
National Starch Corp.製のアルファ化デンプン(120g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、50℃の温水に徐々に加えて溶解させる。Glatt GPCG 5を、上部噴霧式生成物ボウル、噴霧ガン、および80mL/分で送達するためのペリスタル型ポンプでセットアップする。中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(5580g)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g)を、予熱した(90℃)Glatt 5の中で、以下の条件下でデンプン溶液を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−70scfm;入口空気温度−90℃;生成物温度−39±2℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−80〜100mL/分。生成物ボウルの内壁は、壁に貼り付いた造粒物がなくきれいである。乾燥材料(処方LS(2%))を、#20メッシュスクリーンに通して、96.4%超の有効収率および39gの過大サイズ顆粒を得る。造粒はまた、2つのデンプン含量(造粒物の1.0および3.0重量%)で行なわれる。
【0095】
実施例4.A:L−HPC/Starch 1500を含有するRDマイクロ顆粒
造粒添加剤としてStarch(商標)1500の商標を有する、Colorcon,Inc.製のアルファ化デンプン(マイクロ顆粒の重量を基準にして2%に相当する120g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。Glatt GPCG 5を、上部噴霧式生成物ボウル、噴霧ガン、および85mL/分で送達するためのペリスタル型ポンプでセットアップする。中央粒径が20μm未満のD−マンニトール(5580g)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g)を、以下の条件下でデンプン溶液を噴霧することにより造粒する:造粒条件:入口空気量−75scfm;入口空気温度−95℃;生成物温度−37±1℃;霧化空気圧力−1.0バール;溶液噴霧速度−85〜100mL/分。生成物ボウルの内壁は、造粒物が壁に貼り付いた状態でかなりきれいである。乾燥材料(処方LS(2%))を#20メッシュスクリーンに通して、95.2%の有効収率および1.3%の過大サイズ顆粒を得る。Starch 1500を(1.0%で:処方LS−1%;1.5%で:処方LS−1.5%;2.5%で:処方LS−2.5%;3.0%で:処方LS−3%)含む迅速分散マイクロ顆粒についても行なわれる。
【0096】
アルファ化デンプン(PGデンプン)を含む6つの造粒のそれぞれで得られる粒径分布を、ソニックシフターを使用して測定し、かさ密度およびタップ密度の値も測定する。これらの値から、パーセント圧縮率の値を計算する。表6および
図2に、米国特許出願公開第20050232988号明細書に従って工業規模で製造されたRDマイクロ顆粒のPE375(マンニトール/クロスポビドン;多機能性添加剤なし、アルファ化Starch 1500)と比較した、6つのRDマイクロ顆粒バッチ[マンニトール/L−HPC/Starch 1500(1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0%)の5バッチおよびマンニトール/クロスポビドン/Starch 1500(2.5%)の1バッチ]についての粒径分布データを示す。
【0097】
実施例4.B:口腔内崩壊錠
低置換HPC(5重量%)、微結晶性セルロース(Avicel PH101を10%)、スクラロース(0.4%)、およびストロベリー香料(0.6%)を、ポリエチレンバッグの中で混合し、40メッシュスクリーンに通す。選別された材料を、必要量のアセトアミノフェンマイクロカプセル(10%EC−100コーティングでロットの38重量%)、造粒添加剤としてアルファ化デンプン(処方LS−1.0%、処方LS−1.5%、処方LS−2.0%、処方LS−2.5%、処方LS−3.0%)を含む46重量%の迅速分散顆粒、または多機能性添加剤を含有しない迅速分散マイクロ顆粒(PE375)と、0.25立方フィートのV−ブレンダーの中で10分間ブレンドし、Hata打錠機−Matsui ExLubシステムおよび周囲13mmの平坦な縁取りツーリングを使用して、12〜18kNの圧縮力で圧縮して重量700mgの250mgアセトアミノフェンODTにする。打錠動作はすべて、材料流動に関連する問題もなく円滑である。種々のODT製剤について同等の圧縮力で観察される硬度および摩損度の値は、狭い範囲内にある(種々のODT製剤について
図3および
図4を参照のこと)。
【0098】
実施例5.A:Fluid Air FA 300におけるL−HPC/Starchを含有するRDマイクロ顆粒
中央粒径が約15μmのマンニトール25および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(8.0kgのL−HPC)を、60Hzまたは1,446rpmで回転するQuadro Comil(登録商標)粉砕機(0.032”=約104μmスクリーンおよび0.275”スペーサー)にその混合物を通して共粉砕する。多機能性を備えたStarch 1500(登録商標)(Colorcon製のアルファ化デンプン、3.2kg)を、ステンレス鋼容器の中で750±25rpmにて撹拌しながら、156.8kgの精製水USPに徐々に加えて溶解させる。生成物サポート200メッシュステンレス鋼スクリーンおよび3ヘッドの上部噴霧ガンを装備した上部噴霧式造粒機ボウルと、3つのペリスタル型ポンプとを装備したFluid Air FA 300造粒機を空にしながら予熱して、そのユニットの壁に貼り付く材料の量をもしあれば低減する。マンニトールとL−HPCとのプレブレンド混合物を、予熱した生成物ボウルに充填する。このブレンド上に上記のStarch 1500水溶液を噴霧し、以下の処理パラメーターで造粒する−入口気温:100℃;空気量:700〜900scfm;噴霧速度:550g/分(775(処方2)または1000(処方3)g/分まで上昇させる);霧化圧力:4.0バール;生成物温度:30〜32℃。噴霧後、湿潤果粒を、入口温度:100℃;入口空気量:700scfm;および最終生成物温度:48℃で乾燥して、造粒物中の水分を2.0%未満に低減する。Kason30”シフターを使用して20メッシュマーケットグレードスクリーンに乾燥果粒を通して、1つの内部帯電防止ポリエチレンバッグで二重に内張りされたファイバードラムの中に入れる。有効収率は、理論バッチサイズの83%〜98%の範囲で変動した。かさ密度:0.47g/ccおよびタップ密度:0.63g/cc。さらに、RDマイクロ顆粒の3つのレプリケートバッチ(各160kg)を、上記のように、Starch 1500含量は同じであるが、水の量は変えて調製する。過大サイズ果粒は、2重量%を超える場合、粉砕してもよい。この方法により、極めて均一の粒径分布を有し、かつ過大サイズ材料が1%未満で95%〜99%の極めて高い収率を示すRDマイクロ顆粒が製造される。
【0099】
実施例5.B:Glatt GPCG 120におけるL−HPC/Starchを含有するRDマイクロ顆粒
Starch 1500(登録商標)(3.2kg)を、上記の実施例5.Aに記載のように、ステンレス鋼容器の中で100kgの精製水USPに徐々に溶解させる。マンニトール25(148.8kg)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(8.0kgのL−HPC)のブレンドを、Comil(登録商標)スクリーン/スペーサーにその混合物を通すことにより粉砕し、予熱したGlatt GPCG 120の中で、以下の処理パラメーターにて上記実施例5.Aに記載のように、Starch 1500水溶液を噴霧することにより造粒する−入口空気温度100℃;空気量:2500scfm;噴霧速度:2000g/分霧化圧力:3.0バール;生成物温度:30〜32℃。噴霧後、湿潤果粒を、入口温度:100℃;入口空気量:1,500scfm;および最終生成物温度:48℃で乾燥して、造粒物中の水分を2.0%未満に低減する。さらに、同じStarch 1500含量のRDマイクロ顆粒の4つのレプリケートバッチ(各160kg)および2.5%のStarch 1500含量の1つのバッチ(処方E)を、上記のように調製する。有効収率は、理論バッチサイズの91〜96%の範囲で変動した。粒径およびかさ/タップ密度の測定を行って中央粒径を決定し、実施例5.Aおよび5.BのRDマイクロ顆粒バッチについての圧縮率を、それぞれ
図5および6に示す。
【0100】
実施例5.C:マンニトール/L−HPC/Starchマイクロ顆粒を含有するアセトアミノフェンODT
低置換HPC(5重量%)、微結晶性セルロース(Avicel PH101を10%)、スクラロース(0.4%)、およびストロベリー香料(0.6%)を、0.5立方フィートのV−ブレンダーの中でブレンドし、40メッシュスクリーンに通す。選別された材料を、必要量のアセトアミノフェンマイクロカプセル(10%EC−100コーティングでロットの38重量%)、造粒添加剤としてアルファ化デンプンを−実施例5.B、2%もしくは2.5%で含む46重量%の迅速分散顆粒、または結合剤を含有しない迅速分散マイクロ顆粒(PE375、マンニトール/クロスポビドン;多機能性添加剤なし)と、2立方フィートのV−ブレンダーの中で10分間ブレンドし、Hata打錠機−Matsui ExLubシステムおよび周囲13mmの平坦な縁取りツーリングを使用して、12〜18kNの圧縮力で圧縮して重量700mgの250mgアセトアミノフェンODTにする。
【0101】
圧縮用ブレンドバッチを、外部滑沢装置であるMatsui Exlubシステムを装備したHata打錠機上で圧縮する。開始運転パラメーターは、錠剤の重量、硬度、厚さ、および摩損度を商業的許容範囲内に維持するために必要に応じて変更する。錠剤の重量範囲は、典型的には、目標錠剤重量の±4%に維持する。ExLubシステムは、打錠機の作動時に、滑沢剤の適切な噴霧が確実になされるように開始する。充填深さ(mm)、プレ圧縮位置(mmまたはkN)、およびメイン圧縮位置(mmまたはkN)などの打錠パラメーターを、予定規格を満たす250mg錠剤を製造するために、打錠機上で調整する。首尾よくセットアップした後に、打錠機を圧縮操作の完了まで「自動モード」で作動させる。作動中、製造された錠剤が規格を満たすことを確認するために一定間隔でサンプリングする。30分ごとの5つの錠剤サンプルについて、錠剤の重量、硬度、および厚さを測定する。60分ごとに、摩損度試験用に十分なサンプルも採取する。すべての打錠動作は、操作パラメーターの調整を必要とすることなく円滑であると予想され、規格内の錠剤性状が維持される。これらの打錠動作の間に、流動関連の処理問題またはスコーリングは観察されない。さらに、造粒添加剤なしで調製されたODTと比較して、多機能性添加剤を追加してもインビトロまたは口腔内での崩壊時間は増加しない。
【0102】
実施例5.D:マンニトール/L−HPC/Starchを含有するアセトアミノフェン/ヒドロコドンODT
スクラロース(1.0%)、人工チェリー香料(1.15%)、微結晶性セルロース(10%のAvicel PH101)、およびクロスカルメロースナトリウム(3%のAc−Di−Sol)を、Vブレンダーの中で5分間プレブレンドして均一にした後、このプレブレンドを1446rpmで作動するComil(登録商標)スクリーン/スペーサーに通して集塊物を除去する。上記比較例2.Eからの味マスキングされたヒドロコドン/アセトアミノフェンマイクロ粒子(18.6%)、比較例2.Eからの味マスキングされたアセトアミノフェン微結晶(17.1%)、プレブレンド、および迅速分散マイクロ顆粒(48.2%)をV−ブレンダーの中で20分間ブレンドした後、予め選別されたナトリウムステアリルフマラート(1.0%)と5分間ブレンドする。この圧縮用混合物を圧縮することにより、HDPEボトルへの包装、保管、および輸送の間の摩耗に耐えるのに十分な高抗張力および低摩損度を有するODT錠剤300−mg/10−mgを製造する。これらの錠剤は、米国薬局方崩壊時間メソッド<701>により試験される場合に30秒以内に崩壊することが見出される。
【0103】
実施例6.A:Pearlitol 60/L−HPC/StarchまたはKlucel LFを含むRDマイクロ顆粒
アルファ化Starch 1500(マイクロ顆粒の重量を基準にして2%に相当する120g)を、ステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、精製水に徐々に加えて溶解させる。中央粒径が約60μmのD−マンニトール(5580gのPearlitol 60)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g)を、上記実施例4.Aに開示のように、Glatt GPCG 5の中で、デンプン溶液を噴霧することにより造粒する。造粒添加剤として低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(90gのKlucel LF)を含む迅速分散マイクロ顆粒を、加熱マントルを装備したステンレス鋼容器の中で常時撹拌しながら、60℃で精製水に徐々に加えて溶解させる。中央粒径が約60μmのD−マンニトール(5610gのPearlitol 60)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g)を、上記実施例4.Aに開示のように、Glatt GPCG 5の中で、Klucel溶液を噴霧することにより造粒する。
【0104】
実施例6.B:Pearlitol 35/L−HPC/Starchを含むRDマイクロ顆粒
中心粒径が約35μmのD−マンニトール(5580gのPearlitol 35)および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(300g)を、上記実施例4.Aに開示のように、Glatt GPCG 5の中でデンプン溶液(120gのアルファ化Starch 1500)を噴霧することにより造粒する。
【0105】
実施例6.C:CRメルペロンマイクロ粒子
メルペロン塩酸塩ODT CR錠剤を、米国特許出願第12/639,496号明細書の開示に従って調製する。メルペロン塩酸塩(15.0kg)を、アセトンと水との50/50混合物に撹拌しながら徐々に加えて溶解させる。上記メルペロン溶液を、18”底部噴霧式Wurster18”カラム、HS Collarを備えた3.0mmノズル口、および底部内側「G」および外側「C」分配プレートを装備したGlatt GPCG 120の中で、32℃の生成物温度(範囲:29〜36℃)にて45〜60メッシュの糖スフェア(43.8kg)上に噴霧する。薬物層形成に続いて、Klucel(登録商標)LFのシールコーティングを2重量%で施し、Glattユニット内で5分間乾燥して、残留溶媒(水分を含む)を除去し、35メッシュ(500μm)スクリーンで篩別して、もしあれば2倍のものを廃棄する。リン酸水素ナトリウム(6.2kg)を、撹拌しながら124kgの精製水に徐々に加える。メルペロン塩酸塩IRビーズ(52.6kg)を、生成物温度53℃(範囲:49〜60℃)にて、アルカリ性緩衝水溶液でコーティングする。緩衝液層形成に続いて、約2%の重量増加を目的とした、50℃の生成物温度でのOpadry Cearの保護シールコーティング。
【0106】
エチルセルロース(13.9kg)を、撹拌しながら85/15のアセトン/水混合物に徐々に加えて溶解させる。次いで、セバシン酸ジブチル(1.1kg)を、ポリマー溶液に徐々に加え30分間撹拌する。緩衝液でコーティングされたメルペロンIRビーズ(34.0kg)を、Glattの中で生成物温度33℃(範囲:29〜40℃)にて、上記SRコーティング溶液(7%の固形分)でコーティングする。アセトンですすいだ後、続いて、SRでコーティングされたビーズに、シールコーティング溶液(Klucel(登録商標)LF; 7.5%の固形分)を噴霧し、Glattユニット内で5分間乾燥して残留溶媒(水分を含む)を除去し、次いで篩別して、もしあれば過大サイズおよび微粉を廃棄する。
【0107】
実施例6.D:マンニトール/L−HPC/Starchマイクロ粒子を含有するODT CRメルペロン
クロスポビドン(5重量%)、微結晶性セルロース(Avicel PH101を10%)、スクラロース(0.4%)、およびペパーミント香料(1.0%)を、0.5立方フィートのV−ブレンダーの中でブレンドし、40メッシュスクリーンに通す。選別された材料を、工程6Bからの必要量のメルペロンSRビーズ(36重量%)、実施例6からの47.4重量%の迅速分散顆粒と、V−ブレンダーの中で10分間ブレンドし、12〜18kNの圧縮力で圧縮して、重量が1000mgの50mgメルペロンHCl ODT CR錠剤にする。
【0108】
工業用途可能性:
本発明の実施形態の1つに従って、各粒子の中央粒径が60μm以下である糖アルコール、糖、またはそれらの混合物、スーパー崩壊剤、および薬学的に許容される多機能性添加剤を含む自由流動性の迅速分散マイクロ顆粒を、例えば、湿式造粒物の粉砕および/または広範な乾式粉砕を必要とすることなく、流動層造粒機の中で、水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、またはそれらの混合物を使用して簡単かつ迅速に製造する。自由流動性の迅速分散マイクロ顆粒、機能性ポリマーでコーティングされた薬物マイクロ粒子(例えば、薬物の味を効果的にマスキングするために味マスキングされた、または放出制御(CR)特性を付与するために1つまたは複数の専用機能性ポリマーでコーティングされた)、および他の薬学的に許容される賦形剤(例えば、香料、甘味剤、着色剤(任意選択)、追加の崩壊剤、圧縮助剤、および滑沢剤(任意選択))を含む口腔内崩壊錠を、生産規模のロータリー打錠機を使用して製造し、保管、輸送、商品流通、および最終使用のために、PTP(プッシュスルー包装)またはペーパーバックピールオフブリスターおよびよび/またはボトルの中に包装する。このODTは、口腔内で唾液と接触すると迅速に崩壊し、ざらつきのない食感で飲み込まれるコーティングされた薬物マイクロ粒子を含有する滑らかで飲み込み容易な懸濁液を形成する。
【0109】
本出願の中で引用されたすべての文献、特許、特許出願、刊行物、製品説明、プロトコールは、あらゆる目的のためにそれらの内容全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0110】
本明細書で説明および論述した実施形態は、本発明を製作または使用するのに本発明者らが知る最良の方法を当業者に教示することのみを意図するものである。上記の教示に照らして当業者が認識するように、本発明から逸脱することなく、上記の実施形態の修正形態および変更形態が可能である。したがって、特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内で、具体的に記載されたもの以外の方法で本発明を実施することができることを理解されたい。