(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施する形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプリントサーバの構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態に係るプリントサーバ10は、外部装置20から、ファイルを印刷することを要求されるのに応じて、印刷機器30に出力することができる。
【0019】
本実施形態に係るプリントサーバ10は、認証部12と、条件指定部13と、画像変換部14と、スプーラ部15とを有する。
【0020】
認証部12は、プリントサーバ10にログイン可能であるかを認証する。
【0021】
条件指定部13は、認証部12による認証後に、印刷対象であるファイルのファイル名と、印刷処理通知日時を外部装置20から受信する。印刷処理通知日時は、印刷に用いる印刷機器と、印刷の詳細設定との指定を外部装置20から受け取るために、外部装置20に対して通知する時間である。
【0022】
画像変換部14は、そのファイルを受信し、受信したファイルを保存する。
【0023】
スプーラ部15は、印刷ジョブを作成し、その印刷ジョブを印刷機器ごとに管理する。
【0024】
印刷処理通知日時が到来した場合に、条件指定部13は、外部装置20からファイルを印刷すべき印刷機器30と、印刷条件とを受信する。
【0025】
画像変換部14は、画像変換部14に保存されたファイルを印刷機器30が受け付けることが可能な形式のファイルに変換する。
【0026】
スプーラ部15は、印刷条件を基に、形式のファイルから印刷ジョブを作成して、印刷ジョブを印刷機器30ごとに管理し、印刷機器30の要求に応じて、印刷ジョブを印刷機器30に提供する。
【0027】
以上、説明したように、第1の実施形態には、外部装置20からのロケーションフリー印刷において、印刷機器に印刷することを要求してから印刷完了までの待ち時間を短縮することができるという効果がある。
【0028】
その理由は、本実施形態に係るプリントサーバ10は、印刷機器30を指定する印刷処理通知日時を指定することかできるからである。
【0029】
ユーザは、印刷機器30までの移動時間を考慮して、印刷処理通知日時を指定すれば、印刷機器30の前で待たされる可能性が低くなる。また、印刷処理通知日時になる前に、外部装置20からプリントサーバ10に印刷対象のファイルを転送しておくので、印刷に要する時間を短縮することができる。
【0030】
なお、上述した実施形態において、
図1に示したプリントサーバ10の機能は、その機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを、ハードウェア資源であるコンピュータ(情報処理装置)が有するCPU(Central Processing Unit)において、実行することによっても達成可能である。このことは、後述する第2及び第3の実施形態において
図3に示すプリントプリントサーバ103についても同様である。
【0031】
<第2の実施形態>
次に上述した第1の実施形態に係るプリントサーバ10を基本とする第2の実施形態について説明する。
【0032】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るネットワークの構成を示す図である。
【0033】
図2に示すように、本実施形態は、ネットワーク対応マルチファンクションプリンタ(以下、MFPという)101と、無線対応ルータ102と、印刷サービスを提供するプリントサーバ103と、印刷要求を行うことが可能なスマートデバイス104とから構成される。
【0034】
MFP101と、プリントサーバ103と、スマートデバイス104は、有線式あるいは無線式通信ネットワーク(以下、単に「ネットワーク」と称する場合がある)で、通信可能に接続されている。
【0035】
MFP101は、例えば1台で、プリンタと、スキャナと、コピー機と、ファクシミリなどの機能を兼ねる機器である。
【0036】
なお、スマートデバイス104は、ルータ102への接続を許可されているものとする。
【0037】
スマートデバイスがMFPと同じネットワークに構成可能である場合には、そのスマートデバイスは、スマートデバイス105として構成される。
【0038】
スマートデバイス(104、105)は、例えば、スマートフォンや、タブレット端末である。
【0039】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るプリントサーバの構成を示すブロック図である。
【0040】
プリントサーバ103は、ネットワークインタフェース部400と、API解析部401と、画像変換部403と、画像データ記憶部404と、認証部405と、記憶部406と、スプーラ部407と、スプールメモリ408と、印刷条件指定部409とを有する。
【0041】
ネットワークインタフェース部400は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)やメールプロトコルを提供する。
【0042】
API解析部401は、ネットワークインタフェース部400を通して、スマートデバイス(104、105)や、MFP101などのクライアントからの要求を解析する。
【0043】
認証部405は、ユーザによるスマートデバイス(104、105)などからの接続の際のユーザ認証と、MFP101などの印刷機器からの接続の際の機器認証とを行う。
【0044】
記憶部406は、認証の判断に使用するユーザ情報や機器情報を保存する。また、記憶部406は、どのユーザがどの印刷機器への印刷を行うことが可能かの情報も保存する。
【0045】
画像データ記憶部404は、スマートデバイス(104、105)から送られた印刷データを一時保存する。
【0046】
画像変換部403は、印刷機器に応じたプリンタドライバである。画像変換部403は、印刷データを、その印刷機器が受け付けることが可能な形式のPDL(Page Description Language)に変換する。画像変換部403は、PDLに変換されたデータ(以下、画像データという)を、画像変換部403に保存する。
【0047】
印刷条件指定部409は、ユーザが指示した印刷機器と印刷条件とを受け取る。
【0048】
スプーラ部407は、印刷条件指定部409が受け取った指示に応じた印刷ジョブを作成する。
【0049】
スプールメモリ408は、作成された印刷ジョブを、印刷に用いる対象の印刷機器ごとに保存するメモリである。
【0050】
図4は、本発明の第2の実施形態に係るMFPの構成を示す図である。
【0051】
MFP101は、MFPコントローラ200と、プリンタエンジン207と、スキャナ208とを備える。
【0052】
プリンタエンジン207は、印刷動作等に伴う紙の搬送や、トナーやインクを紙に載せる作像処理を行う。
【0053】
スキャナ208は、原稿の搬送や、画像の読取り処理などを行う。
【0054】
MFPコントローラ200は、ROM(Read Only Memory)201と、RAM(Random Access Memory)202と、CPU(Central Processing Unit)203と、ネットワーク部204と、表示部205と、操作部206とを有する。
【0055】
ネットワーク部204は、例えば、LAN(Local Area Network)やWi−Fi(Wireless Fidelity)のような有線式または無線式の通信ネットワークインタフェースである。ネットワーク部204は、MFP101を、
図2のルータ102と通信可能に接続する。
【0056】
表示部205は、印刷条件などの表示を行う。表示部205は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルである。
【0057】
操作部206は、ユーザが印刷を指示するときなどに使用する。操作部206は、例えば、ボタンやタッチパネル等である。
【0058】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るMFPコントローラの構成を示すブロック図である。
【0059】
MFPコントローラ200は、外部インタフェース部300と、サービスAPI(Application Programming Interface)部301と、制御部302と、ラスタライズ部304と、保存メモリ305と、デバイスドライバ部306と、ユーザインタフェース部307とを有する。
【0060】
外部インタフェース部300は、MFP101を、ネットワーク経由で、スマートデバイス(104、105)や、プリントサーバ103と通信可能に接続する。
【0061】
サービスAPI部301は、プリントサーバ103が提供するサービスを利用する際のインタフェースを提供する。利用するサービスは、機器認証やジョブの有無の問合せや印刷ファイルの受信等である。
【0062】
ラスタライズ部304は、画像データをビットマップに変換し、変換により得られたビットマップを保存メモリ305に保存する。
【0063】
デバイスドライバ部306は、
図4に示すスキャナ208を駆動し、画像を読み取る。また、デバイスドライバ部306は、
図4に示すプリンタエンジン207を駆動し、記録紙に画像を記録する。
【0064】
ユーザインタフェース部307は、ユーザが
図4の操作部206で行う操作のインタフェースを提供する。
【0065】
制御部302は、スマートデバイス(104、105)などから要求された内容を解析する。そして、制御部302は、解析で得られた内容を基に、その内容に応じて、サービスAPI部301や、外部インタフェース部300や、ラスタライズ部304や、デバイスドライバ部306や、ユーザインタフェース部307に、処理を指示する。
【0066】
次に、本実施形態の処理の流れについて詳細に説明する。
【0067】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るプリントサーバにおける制御処理を示すフローチャートである。
【0068】
プリントサーバ103は、ネットワークインタフェース部400を経由して、プリントサーバ103に対する依頼を受け取る。依頼を受け取ると、プリントサーバ103は、API解析部401にその依頼の内容を解析することを指示する。そして、プリントサーバ103は、解析した結果を判定して(ステップS101、S103、S105、S110)、プリントサーバ103の各部に指示して、その依頼内容に対応した処理を行う。
【0069】
システム管理者は、プリントサーバ103に対して、MFP101などの印刷機器を登録することを依頼する(ステップS101で「Yes」)。このとき、システム管理者が指定する情報は、例えば、印刷機器のメーカー名と、機種名と、機器ID(すなわち、機器を一意に識別可能なID)と、機器パスワードなどである。プリントサーバ103は、認証部405に、それらの指定された情報を保管および管理することを指示する。認証部405は、それらの情報を記憶部406に記憶する(ステップS102)。
【0070】
また、システム管理者は、プリントサーバ103に対して、ユーザがプリントサーバ103を利用できるように、ユーザIDとユーザパスワードとを登録することを依頼する(ステップS103で「Yes」)。このとき、システム管理者が指定する情報は、例えば、ユーザIDとユーザパスワードなどである。プリントサーバ103は、認証部405に、それらの指定された情報の保管および管理することを指示する。認証部405は、それらの情報を記憶部406に記憶する(ステップS104)。システム管理者は、さらに、それぞれのユーザが利用可能な印刷機器を指定することもできる。その場合、認証部405は、指定されたユーザと印刷機器との関連を示す情報を、記憶部406に記憶しておく。
【0071】
ユーザは、印刷要求を行うため、スマートデバイス(104、105)などからプリントサーバ103へログインすることを依頼する(ステップS105で「Yes」)。このとき、ユーザは、ユーザIDとユーザパスワードとを指定する。プリントサーバ103は、認証部405に、それらの指定された情報を渡して、登録済みのユーザであるかの確認を依頼する。認証部405は、記憶部406に記憶しているユーザIDとユーザパスワードを参照し、指定された情報が登録されているかを判定する(ステップS106)。登録されている(ステップS106で「Yes」)場合には、ユーザは、プリントサーバ103にログインする(ステップS107)。認証部405は、記憶部406にそのユーザがログインしていることを記憶する。登録されていない(ステップS106で「No」)場合、ユーザは、プリントサーバ103にログインできない。そのユーザは、ユーザ登録した後で、ログインすることが必要である。
【0072】
ユーザは、プリントサーバ103にログインして以降、プリントサーバ103との間で送受信する要求や回答などの情報を、HTML(HyperText Markup Language)で記述して、ブラウザ経由で送受信する。
【0073】
プリントサーバ103は、スマートデバイス104を用いたユーザがログインするのに応じて印刷準備処理を行う(ステップS108)。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るプリントサーバにおける印刷準備処理を示すフローチャートである。
【0074】
プリントサーバ103は、印刷条件指定部409により、印刷要求フォーマットをHTMLで作成し、そのHTMLを指し示すURLをユーザが使用するスマートデバイス104にメールで送信する(ステップS201)。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る印刷要求フォーマットの一例を表す図である。印刷要求フォーマットは、ユーザがログインする時に指定したユーザIDを表示している。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、印刷要求フォーマットに印刷対象ファイルを指定し、印刷処理通知日時を入力して、プリントサーバ103に通知する。印刷処理通知日時は、ユーザが印刷機器と印刷条件を明確にするために使用するフォーマットを、プリントサーバ103から送信する予定日時である。ユーザは、印刷機器までの移動時間などを考慮して、印刷処理通知日時を決定すればよい。
【0075】
ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、印刷対象ファイル(印刷データともいう)をプリントサーバ103に転送する。プリントサーバ103は、転送された印刷対象ファイルを、画像変換部403により画像データ記憶部404に格納する。ここで、印刷するファイルの数については特に制約はない。
【0076】
プリントサーバ103は、印刷要求フォーマットによる通知を受け取り(ステップS202)、印刷条件指定部409において印刷処理通知日時を記憶する。
【0077】
印刷条件指定部409は、印刷処理通知日時が到来したら(ステップS203で「Yes」)、印刷要求の詳細をユーザに問い合わせる。そのために、印刷条件指定部409は、問い合わせフォーマットをHTMLで記述し、そのHTMLを指し示すURLをユーザが使用するスマートデバイス104にメールで送信する。
【0078】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る問い合わせフォーマットの一例を表す図である。
図9(a)に示す問い合わせフォーマットは、そのユーザが利用可能な印刷機器と、印刷機器ごとにスプールメモリ408に溜まっているジョブ数の一覧を通知する(ステップS204)。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、通知された内容を基に、使用する印刷機器を選択して、プリントサーバ103に通知する(ステップS205)。プリントサーバ103は、通知された印刷機器において選択可能な印刷条件を
図9(b)に示す問い合わせ用のユーザインタフェース(UI)を表すフォーマットに生成し、そのUIをユーザが使用するスマートデバイス104に送信する(ステップS204)。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、当該フォーマットにおいて印刷条件の指定を行い、プリントサーバ103に通知する(ステップS205)。
【0079】
ここで、印刷機器と印刷条件を指定する方法は、HTMLであれば、ラジオボタンやドロップダウンリストなどの選択方法について特に限定しない。
【0080】
次に、プリントサーバ103は、受け取った印刷機器の指定と印刷条件から適切なプリンタドライバを選択し、印刷条件を設定する。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、プリントサーバ103に対して最終的に印刷ジョブの確定を行う(ステップS206)。
【0081】
それから、プリントサーバ103は、印刷データを、画像変換部403による印刷機器に対応したPDLに変換する。スプーラ部407は、例えばユーザ情報やスプールしたジョブの数などから当該データを一意に識別するジョブIDを生成し、スプールメモリ408にPDLに変換されたデータと共に保存する(ステップS207)。
【0082】
プリントサーバ103は、ユーザが使用するスマートデバイス104に、ジョブを受け付けたことをジョブ通知フォーマットにより通知する(ステップS208)。
図10は、本発明の第2の実施形態に係るジョブ通知フォーマットの一例を表す図である。
図10に示すジョブ通知フォーマットは、このジョブの所有者となるユーザのユーザIDと、ジョブIDと、指定された印刷機器の名称と、ユーザにより選択された印刷条件とから構成される。
【0083】
印刷準備処理を終了すると、ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、プリントサーバ103からログアウトする(
図6のステップS109)。
【0084】
MFP101は、印刷対象のファイルを印刷するため、プリントサーバ103へログインすることを依頼する(
図6のステップS110で「Yes」)。このとき、MFP101は、機器IDと機器パスワードとを指定する。プリントサーバ103は、認証部405に、それらの指定された情報を渡して、登録済みの印刷機器であるかの確認を依頼する。認証部405は、記憶部406に記憶している機器IDと機器パスワードを参照し、指定された情報が登録されているかを判定する(ステップS111)。登録されている(ステップS111で「Yes」)場合には、MFP101は、プリントサーバ103にログインする。認証部405は、記憶部406にMFP101がログインしていることを記憶する。このログイン処理は、通常、印刷機器の電源ON直後やスリープ状態からの復帰直後などに行われることが想定される。
【0085】
それから、MFP101は、ジョブ提供処理を行う(ステップS113)。
【0086】
図11は、本発明の第2の実施形態に係るMFPの制御部におけるジョブ提供処理を示すフローチャートである。
【0087】
MFP101は、自機器で印刷するべきジョブがあるかを確認するために、あらかじめ定めた一定時間ごとにプリントサーバ103に問合せを行う(ステップS301)。ジョブがある(ステップS301で「Yes」)場合には、MFP101は、プリントサーバ103に対して、そのジョブで印刷するデータを要求する。プリントサーバ103から入手したデータを、MFP101は、ラスタライズ部304により、ビットマップに変換する(ステップS302)。そして、ラスタライズ部304は、変換後のデータを保存メモリ305に保存する。その後、MFP101は、プリンタエンジン207により、そのデータを紙に印刷する(ステップS303)。
【0088】
最後に、MFP101は、プリントサーバ103からログアウト処理を行う(
図6のステップS114)。このログアウト処理は、通常、スリープ状態に入る直前や電源OFF直前などに行われることが想定される。
【0089】
本実施形態では、MFP101に印刷要求を行う外部装置は、スマートデバイス(104、105)であるとして説明した。しかし、これには限定されず、シンクライアント端末等でもよい。
【0090】
以上、説明したように、第2の実施形態には、外部装置からのロケーションフリー印刷において、印刷機器に印刷することを要求してから印刷完了までの待ち時間を短縮することができるという効果がある。
【0091】
その理由は、本実施形態に係るプリントサーバ103は、印刷機器を指定する印刷処理通知日時を指定することかできるからである。
【0092】
ユーザは、印刷機器までの移動時間を考慮して、印刷処理通知日時を指定すれば、印刷機器の前で待たされる可能性が低くなる。また、印刷処理通知日時になる前に、外部装置からプリントサーバ103に印刷対象のファイルを転送しておくので、印刷に要する時間を短縮することができる。
【0093】
さらに、利用可能な印刷機器について印刷待ちの状況を参照して、印刷機器を選択することができるので、印刷機器の待ち時間を短縮することが可能である。
【0094】
<第3の実施形態>
上述した第2の実施形態では、ユーザがプリントサーバ103に対して印刷ジョブの確定を行った時点で、印刷機器のジョブは、先入れ先出しのスケジューリングが行われる。そのため、MFP101は、ユーザが希望する時間よりも前に印刷を開始してしまい、印刷した用紙は、長い時間、印刷機器に放置される可能性がある。また、MFP101は、他のジョブの要求が重なり、希望の時間に印刷が完了しない場合が発生する可能性もある。
【0095】
そこで、本実施形態では、印刷条件の問い合わせ時に、ユーザは、第2の実施形態で指定した項目に追加して、印刷希望日時を指定する。そして、プリントサーバ103は、印刷希望日時に合わせて、ジョブの実行順序を調整する。これにより、上述の印刷時間に関する問題を解決する。
【0096】
本実施形態の構成は、MFP101は、
図4および
図5に示す第2の実施形態の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0097】
本実施形態のプリントサーバ103について、第2の実施形態と異なる点について説明する。
【0098】
図12は、本発明の第3の実施形態に係るプリントサーバの制御部における印刷準備処理を示すフローチャートである。
【0099】
図12において、ステップS401からS403までの処理は、
図7におけるステップS201からS203までの処理と同じであるため、説明を省略する。
【0100】
印刷条件指定部409は、印刷処理通知日時が到来したら(ステップS403で「Yes」)、印刷要求の詳細をユーザに問い合わせる。そのために、印刷条件指定部409は、問い合わせフォーマットをHTMLで記述し、そのHTMLを指し示すURLをユーザが使用するスマートデバイス104にメールで送信する。
【0101】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る問い合わせフォーマットの一例を表す図である。
図13(a)に示す問い合わせフォーマットは、そのユーザが利用可能な印刷機器と、印刷機器ごとにスプールメモリ408に溜まっているジョブ数の一覧を通知する(ステップS404)。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、通知された内容を基に、使用する印刷機器を選択して、プリントサーバ103に通知する(ステップS405)。さらに、ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、印刷希望日時をプリントサーバ103に通知する(ステップS405)。ここで、印刷希望日時を指定することが、第2の実施形態と異なる点である。プリントサーバ103は、通知された印刷機器において選択可能な印刷条件を
図9(b)に示す問い合わせフォーマットに生成し、ユーザが使用するスマートデバイス104に送信する(ステップS404)。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、当該フォーマットにおいて印刷条件の指定を行い、プリントサーバ103に通知する(ステップS405)。
【0102】
ここで、印刷機器と印刷条件を指定する方法は、HTMLであれば、ラジオボタンやドロップダウンリストなどの選択方法について特に限定しない。
【0103】
次に、プリントサーバ103は、受け取った印刷機器の指定と印刷条件から適切なプリンタドライバを選択し、印刷条件を設定する。ユーザは、スマートデバイス104を操作することにより、プリントサーバ103に対して最終的に印刷ジョブの確定を行う(ステップS406)。
【0104】
それから、プリントサーバ103は、印刷データを、画像変換部403による印刷機器に対応したPDLに変換する。スプーラ部407は、例えばユーザ情報やスプールしたジョブの数などから当該データを一意に識別するジョブIDを生成し、スプールメモリ408にPDLに変換されたデータと共に保存する(ステップS407)。スプーラ部407は、スプールメモリ408に印刷機器ごとに保存したデータを、印刷希望日時の順番に並べ替える。これにより、それぞれの印刷機器は、印刷希望日時の順番で印刷を行うことが可能になる。
【0105】
プリントサーバ103は、ユーザが使用するスマートデバイス104にジョブを受け付けたことを通知する(ステップS408)。通知する内容は、第2の実施形態と同様の内容である。
【0106】
以上、説明したように、第3の実施形態には、第2の実施形態の効果に加えて、さらにユーザの印刷希望日時に、印刷機器に印刷することができるという効果がある。
【0107】
その理由は、本実施形態に係るプリントサーバ103は、印刷希望日時を指定することかできるからである。
【0108】
ユーザは、スマートデバイス104を使用して、印刷希望日時を指定することにより、その印刷機器において印刷待ちのジョブがあっても優先的に印刷を行うことができる。