特許第6014089号(P6014089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014089動き軌跡を用いたフレーム率向上装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014089
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】動き軌跡を用いたフレーム率向上装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/01 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   H04N7/01 Z
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-173744(P2014-173744)
(22)【出願日】2014年8月28日
(62)【分割の表示】特願2009-243583(P2009-243583)の分割
【原出願日】2009年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-5995(P2015-5995A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0103994
(32)【優先日】2008年10月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】趙 良 鎬
(72)【発明者】
【氏名】李 皓 榮
(72)【発明者】
【氏名】朴 斗 植
【審査官】 佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−336650(JP,A)
【文献】 特開2007−282155(JP,A)
【文献】 特開平07−336688(JP,A)
【文献】 特開2008−005109(JP,A)
【文献】 特開2007−334625(JP,A)
【文献】 特開2005−318548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/01
G09G 5/00−5/42
G09G 3/00−3/38
G06T 7/00−7/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定する特徴点軌跡情報決定部と、
現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、前記現在フレームに対して逆方向の動き推定を実行する動き推定部と、
前記動き推定によって決定された動きベクトルを用いて前記現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成するフレーム生成部と、
を含み、
前記動き推定部は、
現在フレームで動き推定を実行しようとする現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、前記特徴点の特徴点軌跡情報を用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行し、前記現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、前記現在ブロックの隣接ブロックの動きベクトルを用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行する、
ことを特徴とする動き軌跡を用いたフレーム率向上装置。
【請求項2】
前記特徴点軌跡情報決定部は、
初期フレームから抽出した特徴点を正方向に現れる複数のフレームに対して連続的に追跡して前記特徴点の特徴点軌跡情報を決定する、
ことを特徴とする請求項に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上装置。
【請求項3】
前記特徴点は、
映像の局部的な領域内において高周波特性が現れる境界、隅部、またはテクスチャである地点を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上装置。
【請求項4】
前記特徴点軌跡情報決定部は、
(1)フレーム間の場面変換が発生する場合、
(2)軌跡が追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数よりも少ない場合、または
(3)フレームを構成する分割領域のうち予め設定された領域から抽出された特徴点個数が予め設定された特徴点個数よりも少ない場合、
のうちのいずれか1つが発生すれば、特徴点を追加的に抽出する、
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上装置。
【請求項5】
前記フレーム間の閉塞領域を検出する閉塞領域検出部を更に有し、前記閉塞領域検出部は、
ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出された特徴点が現在フレームから抽出されない領域を閉塞領域のうちのカバー領域として決定し、
ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出されない特徴点が現在フレームから抽出された領域を閉塞領域のうちのアンカバー領域として決定
前記フレーム生成部は、
前記カバー領域に対して以前フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成し、
前記アンカバー領域に対して現在フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上装置。
【請求項6】
複数のフレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定するステップと、
現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、前記現在フレームに対して逆方向の動き推定を実行するステップと、
前記動き推定によって決定された動きベクトルを用いて前記現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成するステップと、
を含み、
前記逆方向のブロック基盤の動き推定を実行するステップは、
現在フレームで動き推定を実行しようとする現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、前記特徴点の特徴点軌跡情報を用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行し、前記現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、前記現在ブロックの隣接ブロックの動きベクトルを用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行する、
ことを特徴とする動き軌跡を用いたフレーム率向上方法。
【請求項7】
前記正方向の特徴点軌跡情報を決定するステップは、
初期フレームから抽出した特徴点を正方向に現れる複数のフレームに対して連続的に追跡して前記特徴点の特徴点軌跡情報を決定する、
ことを特徴とする請求項に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上方法。
【請求項8】
前記正方向の特徴点軌跡情報を決定するステップは、
(1)フレーム間の場面変換が発生する場合、
(2)軌跡が追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数よりも少ない場合、または
(3)フレームを構成する分割領域のうち予め設定された領域から抽出された特徴点個数が予め設定された特徴点個数よりも少ない場合、
のうちのいずれか1つが発生すれば、特徴点を追加的に抽出する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上方法。
【請求項9】
フレーム間の閉塞領域の検出において、
ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出された特徴点が現在フレームから抽出されない領域を閉塞領域のうちのカバー領域として決定し、
ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出されない特徴点が現在フレームから抽出された領域を閉塞領域のうちのアンカバー領域として決定
前記中間フレームを生成するステップは、
前記カバー領域に対して以前フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成し、
前記アンカバー領域に対して現在フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成する、
ことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか一項に記載の動き軌跡を用いたフレーム率向上方法。
【請求項10】
請求項の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像のフレーム率を向上させるための技法に関し、より詳細には、フレーム上の特徴点による動き軌跡を用いて正確かつ効率的に中間フレームを生成する映像のフレーム率を向上させる技法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーム率が低い映像をフレーム率が高い機器に再生する場合に、フレーム間の物体の動きが不自然に認知されるという問題がある。また、LCDを用いた映像機器の場合には、LCD構造による応答速度の制約により、高速で動きが発生する動画において境界部分のモーションブラー(motion blur)のような画質劣化の問題が生じた。
【0003】
このような問題点を解決するために、動き推定によって決定した動きベクトルを用いてフレーム間の新たな中間フレームを生成することでフレーム率を向上させる技法が求められている。ただし、既存のフレーム単位で推定された動きベクトルは、動き推定アルゴリズムの限界、用いられたフレーム情報の不足、正確な動きベクトルに対する判断情報の不足により、フレームのすべての領域で正確な動きベクトルを推定する可能性が低く、画質劣化の問題が生じる恐れがある。
【0004】
結局、映像の画質劣化を防ぎ、動き情報に対する信頼性を高めることができるフレーム率向上技法が必要である。
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2003−0044691号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2007−0011563号公報
【特許文献3】韓国公開特許第2003−0011311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたものであって、フレームの特徴点を正方向に沿って連続的に軌跡を追跡し、特徴点軌跡情報を用いて逆方向の動き推定を実行することで、動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、動き推定を実行しようとする現在ブロックに特徴点が存在しない場合に、現在ブロックと相関度が高い隣接ブロックの動きベクトルを用いて逆方向の動き推定を実行することで、動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法を提供することを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、フレーム全体領域に対して選んだ特徴点を用いるために特徴点を追加的に抽出することで、動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法を提供することを他の目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、フレーム間の特徴点の軌跡を追跡することができない閉塞領域を検出し、閉塞領域の種類に応じてフレーム生成方法を相違させることで、生成されるフレームの画質劣化を防ぐフレーム率向上装置および方法を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るフレーム率向上装置は、フレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定する特徴点軌跡情報決定部と、現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、前記現在フレームに対して逆方向のブロック基盤の動き推定を実行する動き推定部と、前記動き推定によって決定された動きベクトルを用いて前記現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成するフレーム生成部とを備えることができる。
【0011】
このとき、前記特徴点軌跡情報決定部は、(1)フレーム間の場面変換が発生する場合、(2)軌跡が追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数よりも少ない場合、または(3)フレームを構成する分割領域において特徴点軌跡情報が予め設定された特徴点軌跡情報の基準個数よりも少ない場合のうちのいずれか1つが発生すれば、特徴点を追加的に抽出することができる。
【0012】
また、フレーム率向上装置は、前記複数のフレームに対して正方向に特徴点を追跡する場合に、ブロックのSADと正方向の特徴点軌跡情報を用いてフレーム間の閉塞領域(occlusion area)を検出する閉塞領域決定部をさらに備えることができる。
【0013】
また、前記動き推定部は、現在フレームで動き推定を実行しようとする現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、前記特徴点の特徴点軌跡情報を用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。
【0014】
また、前記動き推定部は、現在フレームで動き推定を実行しようとする現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、前記現在ブロックの隣接ブロックの動きベクトルを用いて前記現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るフレーム率向上方法は、フレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定するステップと、現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、前記現在フレームに対して逆方向のブロック基盤の動き推定を実行するステップと、前記動き推定によって決定された動きベクトルを用いて前記現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フレームの特徴点を正方向に沿って連続的に軌跡を追跡し、特徴点軌跡情報を用いて逆方向の動き推定を実行することで動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、動き推定を実行しようとする現在ブロックに特徴点が存在しない場合に、現在ブロックと相関度が高い隣接ブロックの動きベクトルを用いて逆方向の動き推定を実行することで動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法が提供される。
【0018】
また、本発明によれば、フレーム全体領域に対して選んだ特徴点を用いるために特徴点を追加的に抽出することで動き推定の正確度を高めることができるフレーム率向上装置および方法が提供される。
【0019】
さらに、本発明の一実施形態によれば、フレーム間の特徴点の軌跡を追跡することができない閉塞領域を検出し、閉塞領域の種類に応じてフレーム生成方法を相違させることで生成されるフレームの画質劣化を防ぐフレーム率向上装置および方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る動き軌跡を用いたフレーム率向上装置を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によって多数のフレームに対して正方向の特徴点を追跡する一例を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態によって特徴点を追加的に抽出する一例を説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態によって逆方向の動き推定によって現在ブロックの動きベクトルを決定する過程を説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態によって現在ブロックの動きベクトルを用いて中間フレームを生成する過程を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態によってフレーム間に発生する閉塞領域のうちのカバー領域を検出する過程を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態によってフレーム間に発生する閉塞領域のうちのアンカバー領域を検出する過程を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態によって動き軌跡を用いたフレーム率向上方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態によって特徴点を追加的に抽出する過程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面に記載された内容を参照しながら、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明がこれらの実施形態によって制限または限定されることはない。図中、同じ参照符号は同じ部材を示す。本発明の一実施形態に係るフレーム率向上方法は、フレーム率向上装置によって実行することができる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る動き軌跡を用いたフレーム率向上装置を示すブロック図である。
【0023】
図1を参照すれば、フレーム率向上装置100は、特徴点軌跡情報決定部101と、動き推定部102と、フレーム生成部103と、閉塞領域検出部104とを備える。
【0024】
特徴点軌跡情報決定部101は、フレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定することができる。一例として、特徴点軌跡情報決定部101は、初期フレームから抽出した特徴点を正方向に現れる複数のフレームに対して連続的に追跡し、該当する特徴点の特徴点軌跡情報を決定することができる。初期フレームは、映像を構成する1番目のフレームを意味するのではなく、特徴点が初めて現れるフレームを意味することができる。
【0025】
例えば、特徴点軌跡情報決定部101は、初期フレームであるフレーム0から特徴点を抽出し、時間的に以後に現れるフレーム1、フレーム2、フレーム3それぞれに対して連続的に特徴点の位置を確認することができる。その後に、特徴点軌跡情報決定部101は、確認した特徴点をフレーム間に互いに連結して特徴点軌跡情報を決定することができる。言い替えれば、特徴点軌跡情報は、特徴点を含む特定領域がフレームごとにどの方向に動いたのかを示す動き軌跡に関するものである。
【0026】
このとき、特徴点は、映像の均一な領域よりは映像の局部的な領域内において高周波特性が現れる境界(boundary)、隅部(corner)、またはテクスチャ(texture)である地点を含むことができる。さらに、特徴点は、フレーム内において少なくとも1つ以上存在することができる。
【0027】
特徴点軌跡情報決定部101は、特徴点軌跡情報に対する信頼度を維持するために、予め設定された状況が発生する場合に特徴点を追加的に抽出することができる。その後に、特徴点軌跡情報決定部101は、追加的に抽出された特徴点に対して特徴点軌跡情報を決定することができる。
【0028】
一例として、フレーム間の場面変換が発生する場合に、特徴点軌跡情報決定部101は、場面変換が発生したフレームに対して特徴点を追加的に抽出することができる。そして、軌跡が追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数よりも少ない場合に、特徴点軌跡情報決定部101は、特徴点を追加的に抽出することができる。さらに、フレームを構成する分割領域のうち予め設定された領域から抽出された特徴点個数が予め設定された特徴点個数よりも少ない場合に、特徴点軌跡情報決定部101は、特徴点を追加的に抽出することができる。
【0029】
特徴点軌跡を追加的に抽出する具体的な例については、図3および図9を参照しながら説明する。
【0030】
動き推定部102は、現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、現在フレームに対して逆方向のブロック基盤の動き推定を実行することができる。このとき、現在フレームは、映像を構成する複数のフレームのうち動き推定を実行しようとするフレームを意味する。動き推定部102は、演算量およびアルゴリズムの性能を考慮した上で、フレームを構成するすべての画素ではなく分割されたブロックに基づいて動き推定を実行することができる。
【0031】
一例として、動き推定部102は、現在フレームの現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、特徴点の特徴点軌跡情報を用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。すなわち、特徴点軌跡情報は、動き推定を実行するときに、信頼度が高い資料として用いることができる。
【0032】
また、動き推定部102は、現在フレームにおいて現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、現在ブロックの隣接ブロックの動きベクトルを用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。動き推定部102は、現在ブロックと相関度が高い隣接ブロックの動きベクトルを用いることによって動き推定の正確度を保障することができる。
【0033】
現在ブロックに対して動き推定を実行する過程については、図4を参照しながら具体的に説明する。
【0034】
フレーム生成部103は、動き推定によって決定された動きベクトルを用いて現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成することができる。中間フレームの個数が増加するほどフレーム率も増加することができる。一例として、フレーム生成部103は、動きベクトルの方向に沿って以前フレームおよび現在フレームに位置したブロックを平均して中間フレームを生成することができる。
【0035】
閉塞領域検出部104は、複数のフレームに対して正方向に特徴点を追跡する場合に、ブロックのSADと正方向の特徴点軌跡情報を用いてフレーム間の閉塞領域を検出することができる。このとき、SAD(Sum of Absolute Differences)はブロック整合エラーを意味し、SADが小さいほどブロックの動きの変化が少ないことを意味する。
【0036】
一例として、閉塞領域検出部104は、ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出された特徴点が現在フレームから抽出されない領域を閉塞領域のうちのカバー領域(covered area)として決定することができる。また、閉塞領域検出部104は、ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出されない特徴点が現在フレームから抽出された領域を閉塞領域のうちのアンカバー領域(uncovered area)として決定することができる。
【0037】
結論的に、閉塞領域検出部104は、フレーム間に対応する特徴点が存在せずに特徴点軌跡情報を決定することができない領域を閉塞領域として決定することができる。閉塞領域を決定する具体的な過程については、図6および図7を参照しながら説明する。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態によって多数のフレームに対して正方向の特徴点を追跡する一例を説明するための図である。
【0039】
図2を参照すれば、4つのフレームが示されている。また、映像は、フレーム0(201)、フレーム1(202)、フレーム2(203)、およびフレーム3(204)の順序で構成される。
【0040】
図2に示すように、特徴点軌跡情報決定部101は、フレーム0(201)から特徴点を抽出することができる。フレーム0(201)は初期フレームを意味する。このとき、抽出される特徴点は、少なくとも1つであり得る。すなわち、特徴点に対する特徴点軌跡情報も少なくとも1つであり得る。一例として、上述したように、特徴点は、映像の局部的な領域内において高周波特性が現れる境界、隅部、またはテクスチャである地点を含むことができる。
【0041】
特徴点軌跡情報決定部101は、フレーム0(201)から抽出した特徴点とマッチングする特徴点を時間的な面で正方向に次のフレームであるフレーム1(202)から抽出し、特徴点の特徴点軌跡情報を決定することができる。同じ方法で、特徴点軌跡情報決定部101は、同じ特徴点をフレーム2(203)およびフレーム3(204)から抽出し、抽出された特徴点を連続的に連結して特徴点軌跡情報を決定することができる。
【0042】
このとき、特徴点軌跡情報の信頼性を保障するように、特徴点軌跡情報決定部101は、最小で3つのフレーム以上から連続的に追跡された特徴点に対して特徴点軌跡情報を決定することができる。なお、フレームの個数には制限がない。
【0043】
結局、本発明の一実施形態によれば、特徴点軌跡情報決定部101は、両フレームに対してブロックの動き軌跡を追跡するよりは、多数のフレームに渡ってブロックの動き軌跡を追跡することで、より正確な動きベクトルを推定することができる基盤を確保することができる。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態によって特徴点を追加的に抽出する一例を説明するための図である。
【0045】
図2に示す初期フレームであるフレーム0(201)から特徴点が抽出された後に多数のフレームを経れば、画素照度値の変化、急激な動き発生、閉塞領域によってフレームに対して対応する特徴点を抽出することができず、特徴点軌跡情報が減少する場合がある。また、フレーム間の場面転換や新たなオブジェクトの出現により、初期フレームから抽出された特徴点も軌跡追跡過程においてアップデートされる必要がある。さらに、特徴点の特徴点軌跡情報が多様に存在することにより、正確な中間フレームが生成されるようになる。
【0046】
一例として、特徴点軌跡情報決定部101は、次のような場合に特徴点を追加的に抽出することができる。
【0047】
(1)フレーム間の場面変換が発生する場合
このとき、場面転換は、映像の照度分布図(ヒストグラム)の変化またはブロックのSADが大きく増加する場合に把握することができる。場面転換が発生する場合に、フレーム間に対応する特徴点が存在しないこともあるため、特徴点軌跡情報決定部101は特徴点を追加的に抽出することができる。
【0048】
(2)軌跡が追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数よりも少ない場合
初期フレームから抽出された特徴点が次のフレームにおいて軌跡が推定される。もし、追跡された特徴点の個数が予め設定された特徴点の基準個数THよりも少なければ、特徴点軌跡情報決定部101は、信頼性が高い特徴点軌跡情報を用いるように特徴点を追加的に抽出することができる。
【0049】
図3に示すグラフにおいて、X軸は映像の時間軸(フレーム番号)を意味し、Y軸は該当するフレーム内の空間上の座標を意味する。フレーム0から5つの特徴点が抽出されれば、特徴点軌跡情報決定部101は、各フレームに対して5つの特徴点の軌跡を追跡することができる。図3に示すように、予め設定された特徴点の基準個数THが5であるとき、フレーム2で追跡される特徴点の個数が4つであれば、フレーム2から特徴点を追加的に抽出する必要がある。
【0050】
(3)フレームを構成する分割領域のうち予め設定された領域から抽出された特徴点個数が予め設定された特徴点個数よりも少ない場合
フレームが複数の分割領域で構成された場合に、分割領域のうち予め設定された領域から抽出された特徴点個数が予め設定された特徴点個数THよりも少なければ、特徴点軌跡情報決定部101は、信頼性が高い特徴点軌跡情報を用いるように特徴点を追加的に抽出することができる。すなわち、より正確な動き予測を実行して新たなオブジェクトの出現に対応するために、フレームの全体領域で均一に特徴点軌跡情報が存在する必要がある。
【0051】
図3に示すように、予め設定された特徴点軌跡情報の基準個数THが2つであるとき、フレーム3の下部領域において特徴点軌跡情報が1つであるため、特徴点軌跡情報決定部101は、フレーム3から特徴点を追加的に抽出することができる。
【0052】
図4は、本発明の一実施形態によって逆方向の動き推定を用いて現在ブロックの動きベクトルを決定する過程を説明するための図である。
【0053】
動き推定部102は、現在フレームの各ブロック別に追跡された特徴点が存在するか否かに基づき、現在フレームに対して逆方向のブロック基盤の動き推定を実行することができる。このとき、現在ブロックは、現在フレームに含まれたブロックのうち動き推定を用いて動きベクトルを決定しようとするブロックを意味する。また、隣接ブロックは、現在ブロックに位置的に隣接したブロックであり、動き推定が実行されて動きベクトルが既に決定されたブロックを意味する。
【0054】
一例として、動き推定部102は、現在フレームの現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、特徴点の特徴点軌跡情報を用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。
【0055】
参照符号401は、特徴点軌跡情報を用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行する過程を示す。
【0056】
図4を参照すれば、現在フレームであるフレーム3(404)の現在ブロック406に特徴点が存在することが分かる。その後に、動き推定部102は、現在ブロック406に存在する特徴点の特徴点軌跡情報を考慮した上で、逆方向の動き推定を実行することができる。すなわち、動き推定部102は、フレーム3(404)の特徴点において以前フレームであるフレーム2(403)に対応する特徴点における特徴点軌跡情報を用いて現在ブロック406の動きベクトルMVを決定することができる。言い替えれば、動き推定部102は、特徴点軌跡情報に対応するようにフレーム2(403)の現在ブロック405から点線ブロックで動きベクトルを決定することができる。
【0057】
動き推定部102は、現在フレームの現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、現在ブロックの隣接ブロックの動きベクトルを用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。
【0058】
参照符号402は、隣接ブロックの動きベクトルを用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行する過程を示す。動き推定部102は、既に動き推定が実行された隣接ブロック408、409、410の動きベクトルMV、MV、MVを用いて現在フレームであるフレーム3(402)の現在ブロック407に対して動きベクトルを決定することができる。このとき、動き推定部102は、隣接ブロック408、409、410の動きベクトルのうち現在ブロックとの相関度が高い隣接ブロックの動きベクトルを現在ブロック407の動きベクトルとして決定することができる。
【0059】
すなわち、動きベクトルを決定しようとする現在ブロックに特徴点が存在する場合に、動き推定部102は、信頼性が高い特徴点の特徴点軌跡情報を用いて現在ブロックの動きベクトルを決定することで、動き推定の正確度を向上させることができる。また、現在ブロックに特徴点が存在しない場合でも、動き推定部102は、現在ブロックと相関度が高い隣接ブロックの動きベクトルを用いて現在ブロックの動きベクトルを決定することで、動き推定の正確度を向上させることができる。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態によって現在ブロックの動きベクトルを用いて中間フレームを生成する過程を説明するための図である。
【0061】
このとき、フレーム生成部103は、以前フレーム501と現在フレーム503とを補間して新たな中間フレーム502を生成することができる。図5を参照すれば、動き推定を用いて現在フレーム503の現在ブロック505に対して動きベクトルMVが決定されれば、フレーム生成部103は、動きベクトルの方向を考慮した上で、以前フレーム501および現在フレーム503に位置したブロックを平均することによって中間フレーム502を生成することができる。中間フレーム502を生成する過程は、現在フレーム503に含まれたすべてのブロックに対してなされる。
【0062】
一例として、以前フレーム501と現在フレーム503との関係において閉塞領域が存在する場合に、フレーム生成部103は、閉塞領域の種類に応じて以前フレーム501または現在フレーム503のうちのいずれか1つを用いて中間フレーム502を生成することができる。より具体的には、閉塞領域がカバー領域である場合に、フレーム生成部103は、以前フレーム501を用いて中間フレーム502を生成することができる。また、閉塞領域がアンカバー領域である場合に、フレーム生成部103は、現在フレーム503を用いて中間フレーム502を生成することができる。
【0063】
閉塞領域を検出する過程と閉塞領域に対して中間フレームを生成する過程については、図6および図7を参照しながら説明する。
【0064】
図6は、本発明の一実施形態によってフレーム間に発生する閉塞領域のうちのカバー領域を検出する過程を説明するための図である。
【0065】
閉塞領域検出部104は、複数のフレームに対して正方向に特徴点を追跡する場合に、ブロックのSADと正方向の特徴点軌跡情報とを用いてフレーム間の閉塞領域を検出することができる。閉塞領域検出部104は、ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出された特徴点が現在フレームから抽出されない領域を閉塞領域のうちのカバー領域として決定することができる。一般的に、閉塞領域の場合にはフレーム間の対応地点がないため、SAD値が大きく現れるようになる。
【0066】
図6を参照すれば、以前フレーム601に存在する「円」の中心部である特徴点の軌跡が追跡された後に、現在フレーム602で「円」の中心部が「四角形」の後ろに移動し、特徴点がこれ以上追跡されないことが分かる。すなわち、以前フレーム601と現在フレーム602との間に閉塞領域が存在し、このとき閉塞領域検出部104は、「円」を閉塞領域のうちのカバー領域として決定することができる。参考までに、「四角形」は、アンカバー領域として決定することができる。
【0067】
このとき、カバー領域として決定された地点に対して以前フレームと現在フレームとを用いてフレームを生成する場合に画質劣化が生じる恐れがあるため、フレーム生成部103は、カバー領域として決定された地点に対して以前フレームだけを参考してフレームを生成することができる。
【0068】
すなわち、参照符号603を参考すれば、tフレームである以前フレームに現れたサッカーボールが家によって隠れ、t+1フレームである現在フレームにおいてサッカーボールの軌跡を追跡することができない場合に、閉塞領域検出部104は、サッカーボールをカバー領域として決定することができる。その後に、フレーム生成部103は、tフレームである以前フレームに現れたサッカーボールに対する動きベクトルのみを参照し、t+0.5フレームである中間フレームにおけるサッカーボールを生成することができる。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態によってフレーム間に発生する閉塞領域のうちのアンカバー領域を検出する過程を説明するための図である。
【0070】
閉塞領域検出部104は、ブロックのSADが予め設定されたSAD以上であり、以前フレームから抽出されない特徴点が現在フレームから抽出された領域を閉塞領域のうちのアンカバー領域として決定することができる。
【0071】
図7を参照すれば、以前フレーム701では「四角形」が存在しなかったが、現在フレーム702では「四角形」が現れて新たな特徴点が抽出されることが分かる。すなわち、「四角形」が現れた現在フレーム702は、特徴点が抽出された初期フレームであり得る。すなわち、以前フレーム701と現在フレーム702との間に閉塞領域が存在し、このとき閉塞領域検出部104は、「四角形」を閉塞領域のうちのアンカバー領域として決定することができる。
【0072】
このとき、アンカバー領域として決定された地点に対して以前フレームと現在フレームとを用いてフレームを生成する場合に画質劣化が生じる恐れがあるため、フレーム生成部103は、アンカバー領域として決定された地点に対して現在フレームのみを参考してフレームを生成することができる。
【0073】
すなわち、参照符号703を参考すれば、tフレームである以前フレームに現れなかったサッカーボールがt+1フレームである現在フレームにおいて急に現れてサッカーボールに対する特徴点を抽出した場合に、閉塞領域検出部104は、サッカーボールをアンカバー領域として決定することができる。その後に、フレーム生成部103は、t+1フレームである現在フレームに現れたサッカーボールの動きベクトルのみを参照し、t+0.5フレームである中間フレームにおけるサッカーボールを生成することができる。
【0074】
図8は、本発明の一実施形態によって動き軌跡を用いたフレーム率向上方法を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS801で、フレーム率向上装置は、初期フレームから特徴点を抽出することができる。このとき、特徴点は、映像の局部的な領域内において高周波特性が現れる境界、隅部、またはテクスチャである地点を含むことができる。
【0076】
ステップS802で、フレーム率向上装置は、初期フレームから抽出した特徴点を正方向に現れる複数のフレームに対して連続的に追跡して特徴点の特徴点軌跡情報を決定することができる。すなわち、フレーム率向上装置は、フレームの特徴点を追跡して正方向の特徴点軌跡情報を決定することができる。
【0077】
一例として、フレーム率向上装置は、連続的に追跡された特徴点の軌跡が特定フレームで中断される場合に、該当する領域を閉塞領域のうちのカバー領域として検出することができる。また、フレーム率向上装置は、特定フレームで新たなオブジェクトが急に出現して新たな特徴点が決定される場合に、決定された特徴点が含まれた領域を閉塞領域のうちのアンカバー領域として検出することができる。
【0078】
ステップS803で、フレーム率向上装置は、現在ブロックに追跡された特徴点が存在するか否かを判断し、判断結果に応じて動き推定を実行することができる。このとき、現在ブロックは、動き推定を実行する現在フレームに含まれたブロックを意味することができる。
【0079】
もし、現在ブロックに追跡された特徴点が存在しない場合に、ステップS804で、フレーム率向上装置は、現在ブロックと隣接した隣接ブロックの動きベクトルを用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。このとき、隣接ブロックは、既に動き推定が実行されて動きベクトルが決定されたブロックを意味することができる。また、逆方向の動き推定は、現在フレームから以前フレームへの現在ブロックに対する動きベクトルを意味することができる。
【0080】
もし、現在ブロックに追跡された特徴点が存在する場合に、ステップS805で、フレーム率向上装置は、特徴点の特徴点軌跡情報を用いて現在ブロックに対して逆方向の動き推定を実行することができる。すなわち、多数のフレームに渡って決定された特徴点軌跡情報は、現在ブロックの動きベクトルを決定することができる信頼性が高い情報を意味するため、動き推定の正確度を向上することができる。
【0081】
現在ブロックに対して動きベクトルが決定されれば、ステップS806で、フレーム率向上装置は、動き推定によって決定された動きベクトルを用いて現在フレームと以前フレームとの間の新たな中間フレームを生成することができる。
【0082】
このとき、フレーム率向上装置は、閉鎖領域のうちのカバー領域に対して以前フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成することができる。また、フレーム率向上装置は、閉鎖領域のうちのアンカバー領域に対して現在フレームの動きベクトルを用いて中間フレームを生成することができる。
【0083】
図8で説明されていない部分については、図1〜7の説明を参考することができる。
【0084】
図9は、本発明の一実施形態によって特徴点を追加的に抽出する過程を説明するためのフローチャートである。
【0085】
フレーム率向上装置は、フレームから特徴点を抽出し、特徴点を正方向に現れる複数のフレームに対して連続的に追跡して特徴点軌跡情報を決定することができる。このとき、フレーム率向上装置は、図9の過程を介して特徴点を追加的に抽出することができる。フレーム率向上装置は、追加的に抽出された特徴点も複数のフレームに対して連続的に追跡して特徴点軌跡情報を決定することができる。
【0086】
ステップS901で、フレーム率向上装置は、特徴点を抽出しようとするフレームが初期フレーム(フレーム0)であるか否かを判断することができる。もし、特徴点を抽出しようとするフレームが初期フレームである場合に、ステップS903で、フレーム率向上装置は、特徴点を抽出して次のフレームに進むことができる。
【0087】
もし、特徴点を抽出しようとするフレームが初期フレームでない場合に、ステップS902で、フレーム率向上装置は、フレーム間の場面変化が感知されたか否かを判断することができる。場面変化が感知されれば、ステップS903で、フレーム率向上装置は、特徴点を抽出して次のフレームに進むことができる。
【0088】
また、特徴点を抽出しようとするフレームが初期フレームでなく場面変化が感知されない場合に、ステップS904で、フレーム率向上装置は、抽出した特徴点を用いて特徴点軌跡情報を決定して次のフレームに進むことができる。
【0089】
ステップS905で、フレーム率向上装置は、特定フレームから抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも少ないか否かを判断することができる。もし、抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも少ない場合に、ステップS907で、フレーム率向上装置は、追加的に特徴点を抽出することができる。
【0090】
もし、抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも多い場合に、ステップS906で、予め設定された領域から抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも少ないか否かを判断することができる。もし、予め設定された領域から抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも少ない場合に、ステップS907で、フレーム率向上装置は、追加的に特徴点を抽出することができる。
【0091】
また、もし、予め設定された領域から抽出された特徴点の個数が予め設定された特徴点の個数THよりも多い場合に、ステップS908で、フレーム率向上装置は、特徴点を抽出しようとするフレームが最後のフレームであるか否かを判断することができる。最後のフレームである場合に、フレーム率向上装置は、特徴点軌跡情報を決定する過程を終了することができる。また、最後のフレームでない場合に、フレーム率向上装置は、ステップS901からフレームに対して特徴点を抽出して特徴点軌跡情報を決定することができる。
【0092】
なお、本発明の一実施形態に係る動き軌跡を用いたフレーム率向上方法は、コンピュータにより実現される多様な動作を実行するためのプログラム命令を含むコンピュータ読取可能な記録媒体を含む。当該記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含むこともでき、記録媒体およびプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知であり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、記録媒体は、プログラム命令、データ構造などを保存する信号を送信する搬送波を含む光または金属線、導波管などの送信媒体でもある。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。
【0093】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【符号の説明】
【0094】
100 フレーム率向上装置
101 特徴点軌跡情報決定部
102 動き推定部
103 フレーム生成部
104 閉塞領域検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9