特許第6014150号(P6014150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014150患者の天然導管又は人工導管内に挿入された医療機器をガイドするガイド装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014150
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】患者の天然導管又は人工導管内に挿入された医療機器をガイドするガイド装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/32 20160101AFI20161011BHJP
   A61B 90/50 20160101ALI20161011BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   A61B34/32
   A61B90/50
   B25J13/08 A
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-532412(P2014-532412)
(86)(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公表番号】特表2015-502767(P2015-502767A)
(43)【公表日】2015年1月29日
(86)【国際出願番号】EP2012069236
(87)【国際公開番号】WO2013045645
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】1158880
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504317743
【氏名又は名称】ユニベルシテ ピエール エ マリー キュリー(パリ シズエム)
(73)【特許権者】
【識別番号】514078232
【氏名又は名称】コエリ
(73)【特許権者】
【識別番号】501089863
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェサイアンティフィク(セエヌエールエス)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】セシル ポケ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール モゼル
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル ボーマン
(72)【発明者】
【氏名】マリー−オード ビトラニ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム モレル
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ ルロワ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック アンリ
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−066056(JP,A)
【文献】 特開2010−035874(JP,A)
【文献】 特表2007−534351(JP,A)
【文献】 特開平11−253456(JP,A)
【文献】 特開平04−231034(JP,A)
【文献】 米国特許第05078140(US,A)
【文献】 国際公開第2010/117685(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/32
A61B 90/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器(2;21)の少なくとも遠位端(1)を内部器官(100;200)の近くに運ぶために、患者の天然導管(101;201)又は人工導管内に挿入された前記医療機器(2;21)をガイドするガイド装置であって、
前記機器の近位端(4)を動かすための複数の自由度を有する関節アーム(3;27)と、
前記自由度の少なくとも1つに関して、前記機器(2;21)に加えられた外部作用力が所定の閾値を超えたときに、前記自由度の強制ロック解除し得るように構成された前記関節アームの自由度を制限するための制御型ロック手段(7;30)と、
前記ロック手段を制御するためのコンピュータ・モジュール(6;29)と、
を具備し、
前記ガイド装置が、前記器官の画像を取得するための、前記機器によって担持された画像取得手段(10;25)を備え、
前記コンピュータ・モジュールは、前記ロック手段を制御するために、少なくとも前記画像を根拠とする、
ことを特徴とする、ガイド装置。
【請求項2】
前記コンピュータ・モジュール(6;29)は、前記機器(2;21)に対する前記器官(100;200)の変位、及び/又は前記器官の任意の変形を、前記画像取得手段(10:25)によって供給された画像に基づいて評価するための評価手段を含み、
前記コンピュータ・モジュールはさらに、評価された変位及び/又は変形に基づいて、強制ロックを解除すべきかどうかを決定するように、前記評価手段と通信するモニタリング手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
前記コンピュータ・モジュール(6;29)は、前記器官(100;200)に対して前記機器(2;21)によって到達されるべき位置を記憶するための記憶手段を含み、
前記コンピュータ・モジュールは、前記機器が前記位置に実質的に接近したときに前記関節アームの自由度のうちの少なくとも1つに制限を課すように、前記画像取得手段(10;25)によって撮影された画像に基づいて、前記ロック手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項4】
前記ロック手段は、前記関節アーム(3)の関節に配置された少なくとも1つのモータ(7)を含み、
前記コンピュータ・モジュール(6)は、前記モータを通過する電流を変調することによって、前記ロック手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項5】
前記ロック手段は、前記関節アーム(27)の関節に配置された少なくとも1つのブレーキ(30)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項6】
前記ロック手段は、前記ロック手段(7;30)が前記関節アーム(3;27)の自由度に制限を課すときに前記機器(2;21)に既に加えられた外部作用力に従って前記所定の閾値が決定されるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項7】
強制ロックが解除されたことを警告するための通信手段(11;26)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項8】
前記通信手段がディスプレイ・スクリーン(11;26)を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のガイド装置。
【請求項9】
関節アーム(3;27)の自由度が制限されないように前記ロック手段が不活性化される第1動作モード、又は関節アーム(3;27)の自由度が制限されるように前記ロック手段が活性化される第2動作モードを選択するための選択手段(32)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項10】
前記関節アーム(27)は、玉継ぎ手型リンク(28)によって前記機器(21)の近位端に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項11】
前記機器の近位端(4)が、前記機器(2)の遠位端(1)が挿入されている導管の中心に実質的に保持されるように、前記関節アーム(3)のバランスをとるためのウェイト・バランサ(9)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項12】
請求項1に記載のロック手段を制御する方法であって、
前記器官(100;200)の少なくとも1つの基準画像(Ir)を取得し、
前記画像取得手段(10;25)を使用して、前記器官の少なくとも第1画像(Is)を取得し、
前記コンピュータ・モジュール(6;29)を使用して、前記基準画像と前記第1画像との間の類似性パラメータ(S)を計算し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記類似性パラメータを、前記所定の作用力閾値を表す所定の類似性閾値(Smin)と比較し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記類似性パラメータが前記所定の類似性閾値を下回ると、強制ロックを解除するように前記ロック手段を制御する、
連続的なステップを含む、
ことを特徴とするロック手段を制御する方法。
【請求項13】
請求項1に記載のガイド装置のロック手段を制御する方法であって、
前記器官(100;200)の少なくとも1つの基準画像(Ir)を取得し、
前記画像取得手段(10;25)を使用して、前記器官の少なくとも第1画像(Is)を取得し、
前記コンピュータ・モジュール(6;29)を使用して、前記基準画像と前記第1画像との間のユークリッド距離パラメータ(De)及び角距離パラメータ(Da)を計算し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記ユークリッド距離パラメータを所定のユークリッド距離閾値(Demin)と比較し、そして前記角距離パラメータを所定の角距離閾値(Damin)と比較し、前記閾値のそれぞれは前記所定の作用力閾値を表し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記ユークリッド距離パラメータが前記所定のユークリッド距離閾値を超えると、又は前記角距離パラメータが前記所定の角距離閾値を超えると、強制ロックを解除するように前記ロック手段を制御する、
連続的なステップを含む、
ことを特徴とするロック手段を制御する方法。
【請求項14】
請求項1に記載のガイド装置のロック手段を制御する方法であって、
前記器官(100;200)の少なくとも1つの基準画像(Ir)を取得し、
前記画像取得手段(10;25)を使用して、関節アームがロックされるとすぐに前記器官の少なくとも第1画像(I1)を取得し、
前記コンピュータ・モジュール(6;29)を使用して、前記基準画像に対する前記第1画像の第1位置(T1)を割り出し、
前記取得手段を使用して、前記器官の少なくとも第2画像(I2)を取得し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記基準画像に対する前記第2画像の第2位置(T2)を割り出し、
前記第1位置と前記第2位置との間のユークリッド距離パラメータ(De)及び角距離パラメータ(Da)を計算し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記ユークリッド距離パラメータを所定のユークリッド距離閾値(Demin)と比較し、そして前記角距離パラメータを所定の角距離閾値(Damin)と比較し、前記閾値のそれぞれは前記所定の作用力閾値を表し、
前記コンピュータ・モジュールを使用して、前記ユークリッド距離パラメータが前記所定のユークリッド距離閾値を下回ると、又は前記角距離パラメータが前記所定の角距離閾値を下回ると、強制ロックを解除するように前記ロック手段を制御する、
連続的なステップを含む、
ことを特徴とするロック手段を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の少なくとも遠位端を内部器官の近くに運ぶために、患者の天然導管又は人工導管内に挿入された医療機器をガイドするガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
「直視下(open)」手術は患者にとって極めて過酷であることが知られている。このような理由から、医師はますます低侵襲的手術を用いるようになりつつある。低侵襲的手術では、患者の天然導管(膣、直腸、耳道など)内、又は患者の身体に接続された人工導管(カニューレ、人工静脈、トロカールなど)内に医療機器を挿入する。
【0003】
泌尿器学において、存在可能な前立腺癌をスクリーニングするために、前立腺生検を実施し得ることが知られている。このことは、前立腺内部から組織試料を採取し、次いで前記試料をラボラトリ内で分析することによって、任意の癌細胞の存在を検出することを伴う。このために、患者は横向きになる。次いで超音波センサと、生検ニードルを備えたニードル・ガイドとを含む機器を、直腸によって形成された天然導管内に挿入する。この機器を用いて、外科医は結腸壁を穿孔することによって、前立腺に接近し、ひいては組織試料を採取する。
【0004】
生検を実施する際に、外科医が使用できる画像は、超音波センサによってリアルタイムで撮影された二次元画像だけである。従って外科医は、前立腺が機器の運動によって変位又は変形される傾向があることを知った上で、試料を採取するために前立腺の三次元表示を想像しなければならない。
【0005】
このように、ニードルが前立腺組織試料を採取する正確な位置を外科医が知ることは極めて難しいことが判る。しかしながら癌細胞をセンサによって直接に検出することができない以上、前立腺からの吸引を前立腺全体にわたって均一に行わなければならない。
【0006】
外科医が種々のタイプの吸引を極めて正確に実施するのを助けるための装置が最近開発されている。このような新しい装置は、前立腺の三次元画像を提供することができるセンサを含んでいる。前記センサの動作原理は、理論上の吸引位置を計画し、そして生検中の前立腺の変形を調査することである。次いで、吸引が正しい場所で行われるように、前立腺の変形調査に応じて理論吸引計画を修正する。
【0007】
しかし、センサは三次元画像を提供し、ひいてはリアルタイムではなく数秒間の遅延を伴って画像を生成するように前立腺をスキャンしなければならない。したがって、前立腺をスキャンしている間のセンサのいかなる運動も、可能な限り制限されるべきである。同様に、吸引が正しい場所で行われるように、生検ニードルが前立腺内に挿入される時の機器のいかなる不必要な運動も可能な限り制限されるべきである。
【0008】
患者が局部麻酔を受けていない、且つ/又は固定化されていないこともあり得る。このことは、患者(ひいては機器が接触し得る天然又は人工導管の組織全て)が手術中に動くおそれがあることを意味する。さらに、センサが前立腺をスキャンするのを可能にするために、そして所期の場所で吸引を行うために所与の位置に機器を静止状態で保持することが外科医にとって難しいことが判っている。
【0009】
外科医を支援するために、機器の近位端を動かすための関節アームを含む、機器ガイド装置が知られている。この場合、外科医は、機器を所与の位置にロックするように関節アームを制御することができる。これにより、外科医が患者の手術、例えば組織試料の採取、又はセンサを介した画像取得を実施しやすくなる。
【0010】
しかしながら、このように所与の位置にロックされた機器は患者のいかなる運動をも妨げる。このことは患者にとっては不快であり、何らかの組織を損傷するおそれすらある。
【0011】
従って、機器の近位端を動かすための関節アームを含む機器ガイド装置であって、関節アームが、ジンバル又は玉継ぎ手型リンクによって近位端に連結されている、機器ガイド装置が知られている。
すなわち、外科医が機器を所与の位置にロックするように関節アームを制御しても、玉継ぎ手又はジンバルは患者が動くのをなおも可能にする。しかし患者が動く毎に、機器は変位し、外科医は機器を正しく位置決めし直さなければならない。
【0012】
特許文献1に開示された医療機器ガイドは、医療機器を所与の位置にロックすることができる関節アームを含む。関節アームは、外科医によって機器に加えられた作用力が所定の作用力閾値を超えると、関節アームのロックが解除される。他方において、加えられた作用力は作用力センサによって測定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2011/058530号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、既存の装置よりもさらに進歩的な、患者の天然又は人工導管内に挿入された医療機器をガイドするためのガイド装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するために、医療機器の少なくとも遠位端を内部器官の近くに運ぶために、患者の天然導管又は人工導管内に挿入された前記医療機器をガイドするガイド装置であって、前記ガイド装置が、前記機器の近位端を動かすための複数の自由度を有する関節アームと、前記自由度の少なくとも1つに関して、前記機器に加えられた外部作用力が所定の閾値を超えたときに、前記自由度の強制制限を解除し得るように構成された、前記関節アームの自由度を制限するための制御型ロック手段と、前記ロック手段を制御するためのコンピュータ・モジュールとを含む形式のものが提案される。
【0016】
本発明によれば、前記ガイド装置は、前記器官の画像を取得するための、前記機器によって担持された画像取得手段を含み、前記コンピュータ・モジュールは、前記ロック手段を制御するために、少なくとも前記画像を根拠とする。
【発明の効果】
【0017】
このようにすると、外科医が患者の手術(器官のスキャン、器官の生検など)を実施しやすくように、機器は所与の位置に固定化されるが、しかし患者の突然の動きから外部作用力が生じた場合に患者の生体構造が良好に保護されるように、ロックを解除することができる。他方において、患者による小さな動きは外科医の作業を妨げない。
【0018】
ロック手段は器官の画像に基づいて制御されるので、外部作用力が患者の器官に作用する外科医の動きから生じたときだけでなく、外部作用力が患者の動きの結果であるときにも、例えば患者がくしゃみをした場合にも、関節アームをロック解除することができる。このことは患者の生体構造をより良好に保護する。
【0019】
「ロックを解除する」という言い回しは、外部作用力が所定の閾値を超えたときに、ロック手段が、最初は制限された自由度において関節アームを再び運動可能にするように構成されており、次いで機器は、これに加えられる外部作用力に応じて運動することができることをここでは意味する。
【0020】
好ましくは、前記コンピュータ・モジュールは、前記器官に対して前記機器によって到達されるべき位置を記憶するための記憶手段を含み、前記コンピュータ・モジュールは、前記機器が前記位置に実質的に接近したときに前記関節アームの自由度のうちの少なくとも1つに制限を課すように、前記画像取得手段によって撮影された画像に基づいて、前記ロック手段を制御する。
【0021】
このモニタリングは、関節アームが正確な所期位置にロックされることを可能にする。このことは外科医の作業を容易にする。
【0022】
添付の図面を参照しながら本発明の非制限的な実施態様の下記説明を検討すれば、本発明の理解がより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明によるガイド装置であって、前記ガイド装置の一部が患者の導管内に挿入された状態で示されている概略図である。
図2図2は、本発明の特定の実施態様によるガイド装置であって、前記ガイド装置の一部が患者の直腸内に挿入された状態で示されている概略図である。
図3図3は、図1に示された装置の第1実施態様における種々のステップを示すダイヤグラムである。
図4図4は、図1に示された装置の第2実施態様における種々のステップを示すダイヤグラムである。
図5図5は、図1に示された装置の第3実施態様における種々のステップを示すダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照すると、本発明によるガイド装置は、医療機器2の少なくとも遠位端1を内部器官100の近くに運ぶように意図されている。医療機器2は例えば超音波センサ、ニードル・ガイドなどである。医療機器2は、天然(肛門など)又は人工(切開部)のものであってよい患者の開口部102を介して、天然(直腸、膣、耳道など)又は人工(カニューレ、トロカール、人工静脈など)のものであってよい患者の導管101内に挿入されている。
【0025】
ガイド装置は、機器の近位端4を動かすために、複数の自由度を有する関節アーム3を含んでいる。近位端はもちろん、患者の体内に挿入された端部とは反対側の端部を意味する。関節アーム3はここでは、その端部の一方でベース5に結合されており、他方の端部で医療機器2を担持している。
【0026】
ガイド装置はさらに、関節アーム3を所与の位置にロックするために関節アーム3の自由度を制限する制御型ロック手段を含んでいる。ロック手段はこのように、医療機器2を位置決めしてこれを特定位置に保持するのを容易にする。ロック手段は例えば、関節アーム3の関節に取り付けられた少なくとも1つのモータと、関節アーム3の関節に配置された少なくとも1つのブレーキ部材、例えば電磁ブレーキ、摩擦ブレーキなどと、関節アーム3の関節に取り付けられた少なくとも1つのギア・クラッチ又はドッグ・クラッチなどを含んでいる。
【0027】
ロック手段は、関節アーム3の自由度のうちの少なくとも1つに関して、医療機器2に加えられた外部作用力が所定の閾値を超えたときに、前記自由度の強制制限を解除し得るように構成されている。外部作用力は例えば、患者の動き、又は患者の器官に作業を施す外科医の動きである。関節アームは次いで、再び無制限の自由度で運動することができるので、機器に加えられる外部作用力に応じて機器を動かすことができる。外部作用力によって機器に運動が課せられることは許されるが、しかしロック手段によってまだ制動されると有利である。好ましい実施態様によれば、ロック手段は、外部作用力が大きければ大きいほど、外部作用力によって機器に課せられた運動を制動する規模は小さくなる。好ましくは、ガイド装置は、ロックが解除された時には、機器2によって器官100に対してアクションを起こすことはできないように構成されている。
【0028】
ロック手段は例えば、所定の閾値が検査開始前、又は検査中に外科医によって直接に定義されるように構成されている。変化形によれば、ロック手段は、ロック手段が関節アーム3の自由度に制限を課したときに機器2に既に加えられた外部作用力に従って所定の閾値が決定されるように構成されている。従って、外部作用力が機器2に既に加えられたその位置に機器2がロックされる場合、小さな付加的な外部作用力が生じたときにはロックは解除されないことになる。所定の閾値は、機器2に最初に加えられた外部作用力に関連して定義される。
【0029】
本発明によれば、ロック手段は、制御装置のコンピュータ・モジュール6としても知られるガイド装置のコンピュータ部材6によって制御される。例えば、ロック手段が関節アーム3の関節に装着された少なくとも1つのモータを含んでいる場合、コンピュータ・モジュール6はモータを通る電流を変調することによって、ロック手段のロックを電子的に解除する。
【0030】
本発明によれば、装置は、器官100の画像を取得するための、医療機器2によって担持された手段10を含んでいる。医療機器2はこのように、器官100の画像を取得する手段10を含み、前記画像取得手段10に連結されている。従って、前記画像取得手段によって撮影された画像は、ガイド装置の座標系内で器官100に対する前記手段の位置を表す。
【0031】
本発明によれば、コンピュータ・モジュール6は、ロック手段を制御するために、画像取得手段10によって撮影された画像を根拠とする。好ましい実施態様によれば、コンピュータ・モジュール6は、機器2が器官と接触状態にあるときに画像取得手段10によって供給された画像に基づいて、機器2に対する器官100の変位及び/又は器官100の変形を評価する手段を含んでいる。コンピュータ・モジュール6はさらに、評価された変位及び/又は変形に基づいてロックを解除するべきかどうかを決定するように評価手段と通信するモニタリング手段を含んでいる。
【0032】
図3を参照すると、第1実施態様において、コンピュータ・モジュール6は下記のようにロック手段のロック解除を制御する。
初期化シーケンスにおいて、第1ステップ中、取得手段10は基準画像Irとして知られる第1画像を取得する。前記基準画像は次いでコンピュータ・モジュール6に送信される。基準画像は例えば器官100の一般画像、又は器官100の特定部位の画像である。基準画像は例えば二次元又は三次元である。変更形としては、基準画像は取得手段10によって取得されるのではなく、他の医療検査(例えば磁気共鳴映像法)によって取得され、そしてコンピュータ・モジュール6に供給される。
機器2を動かすシーケンスにおいて、第2ステップ102中、取得手段10は少なくとも1つの画像Isを取得し、そしてこれをコンピュータ・モジュール6へ送信する。
【0033】
第3ステップ103において、評価手段は、基準画像Irと画像Isとの間の類似性パラメータSを評価する。この評価は例えば下記式:
S=Sim(Is,IroTm
上記式中、Simは2つの画像(又は2つの画像サブセット)の相互相関測定関数である。この関数は画像(又は2つの画像サブセットのエレメント)のグレースケール上で決定される。
【0034】
第4ステップ104において、評価手段は類似性パラメータSを、ロック手段の所定の作用力閾値を表す所定の類似性閾値Sminと比較する。前記類似性閾値Sminは例えば、いくつかの初期試験から得られたデータの統計学的分析、例えばベイズ推定によって計算される。
第5ステップ105において、モニタリング手段は、類似性パラメータSが所定の類似性閾値Sminを下回ると、強制ロックを解除するようにロック手段を制御する。
【0035】
器官100が基準画像Irと画像Isとの間で変位又は変形される場合、このことは、機器2が器官100に対して動かされており、器官100と接触しているかもしれないことを意味する。機器2の変位は、患者の動き又は外科医の動きによってもたらされた外的作用力に起因する。従って、コンピュータ・モジュール6は、器官100に対する機器2の運動を計算することによって、取得手段10によって取得された画像に基づいて、機器2に加えられた外的作用力を評価する。
【0036】
図4を参照すると、第2実施態様において、コンピュータ・モジュール6は下記のようにロック手段のロック解除を制御する。

初期化シーケンスにおいて、第1ステップ201中、取得手段10は基準画像Irとして知られる第1画像を取得する。前記基準画像は次いでコンピュータ・モジュール6に送信される。変更形としては、基準画像Irは取得手段10によって取得されるのではなく、他の医療検査によって取得され、そしてコンピュータ・モジュール6に供給される。全ての事例において、基準画像Irが器官100の一般的な三次元画像であることがこの実施態様では好ましいが、しかしこれに限定されるものではない。
【0037】
機器2を動かすシーケンスにおいて、第2ステップ102中、取得手段10は少なくとも1つの画像Isを取得し、そしてこれをコンピュータ・モジュール6へ送信する。
【0038】
第3ステップ203において、評価手段は、基準画像Irと画像Isとの間のユークリッド距離パラメータDe、及び基準画像Irと画像Isとの間の角距離パラメータDaを評価する。この評価は例えば、2つの画像を再整列さることにより、又はPowell-Brent法による最適化を用いて2つの画像間の類似性パラメータを最小化するための関数を模索することによって行われる。
【0039】
第4ステップ204において、評価手段はユークリッド距離パラメータDeを、ロック手段の所定の作用力閾値を表す所定のユークリッド距離閾値Deminと比較する。評価手段はさらに、角距離パラメータDaを、ロック手段の所定の作用力閾値を表す所定の角距離閾値Daminと比較する。前記閾値Demin及びDaminは例えば、機器2の所期位置と機器2の実際位置との間の許容誤差範囲に基づいて計算される。
【0040】
第5ステップ205において、モニタリング手段は、ユークリッド距離パラメータDeが所定のユークリッド距離閾値Deminを超えると、又は角距離パラメータDaが所定の角距離閾値Daminを超えると、強制ロックを解除するようにロック手段を制御する。
【0041】
図5を参照すると、第3実施態様において、コンピュータ・モジュール6は下記のようにロック手段のロック解除を制御する。
初期化シーケンスにおいて、第1ステップ301中、取得手段10は基準画像Irとして知られる第1画像を取得する。前記基準画像は次いでコンピュータ・モジュール6に送信される。
【0042】
ロック手段のロックに続いて、第2ステップ302中、取得手段10は少なくとも第1画像I1を取得し、これをコンピュータ・モジュール6へ送信する。

第3ステップ303において、評価手段は、基準画像Irに対する第1画像I1の第1位置T1を評価する。
機器2を動かすシーケンスにおいて、第4ステップ304中、取得手段10は少なくとも第2画像I2を取得し、そしてこれをコンピュータ・モジュール6へ送信する。
【0043】
第5ステップ305において、評価手段は、基準画像Irに対する第2画像I2の第2位置T2を評価する。

第6ステップ306において、評価手段は、第1位置T1と第2位置T2との間のユークリッド距離パラメータDe、及び第1位置T1と第2位置T2
との間の角距離パラメータDaを評価する。
【0044】
第7ステップ307において、評価手段はユークリッド距離パラメータDeを、ロック手段の所定の作用力閾値を表す所定のユークリッド距離閾値Deminと比較する。評価手段はさらに角距離パラメータDaを、ロック手段の所定の作用力閾値を表す所定の角距離閾値Daminと比較する。

第5ステップ308において、モニタリング手段は、ユークリッド距離パラメータDeが所定のユークリッド距離閾値Deminを下回ると、又は角距離パラメータDaが所定の角距離閾値Daminを下回ると、強制ロックを解除するようにロック手段を制御する。
【0045】
具体的な形において、ロック手段を制御するために、コンピュータ・モジュール6はさらに、作用力センサを使用して、機器2に加えられた外部作用力の値を割り出す。変更形において、センサ、例えば角度センサ7を関節アーム3のそれぞれの関節8に配置することによって、連携する関節8を形成する関節アーム3の2つのエレメントの相対位置を表す信号をコンピュータ・モジュール6に送信する。有利には、角度センサ7からの信号によって、コンピュータ・モジュール6はガイド装置の座標系内で機器2の位置を評価することができる。この評価は例えば、外科医が器官100に対する機器2の位置を視覚化するのを助けるために外科医に送信することができる。
【0046】
好ましい形において、ガイド装置は種々異なる動作モードを含んでいる。ガイド装置の第1動作モードによれば、関節アーム3の自由度がロックされないように、ロック手段は不活性化される。従って関節アーム3は自動で、且つ/又は外科医によって手動で自由に動かすことができる。第2動作モードでは、関節アーム3の自由度がロックされるように、ロック手段は活性化される。従って、機器2の近位端1は所与の位置にロックされる。
【0047】
手術中、外科医はこのように、必要な回数だけガイド装置の2つの動作モード間を切り換えることができる。例えば、外科医は第1段階で、患者の天然導管101内に機器2の遠位端1を自由に位置決めするために、第1動作モードを選択することができる。次いで第2段階で、外科医は機器を所与の位置に保持するために、第2動作モードを選択する。
【0048】
好ましくは、ガイド装置は、ガイド装置の動作モードを選択する手段を含む。選択手段は、例えばコンピュータ・モジュール6及び/又は関節アーム3に配置された例えば1つ又は2つ以上のスイッチを含む。変更形として、選択手段は、ガイド装置の基部に配置された1つ又は2つ以上のペダル、音声命令システムなどを含む。好ましくは、選択手段は、外科医が一方の動作モードから他方の動作モードへ瞬時に、そして介入中いつでも切り換えることができるように構成されている。
【0049】
好ましくは、そしてそれ自体周知の形式で、機器2の近位端4が特定の位置、好ましくは導管101の中心に保持されるように、ガイド装置は関節アーム3のバランスをとるためのウェイト・バランサ9を含む。例えば、第2動作モードから第1動作モードへ変えると、機器2は実質的に開口部102の中心に留まったままである。
【0050】
好ましくは、ガイド装置は、例えば外科医が外科処置を計画且つ/又は実施するのを助けるように器官100に対する機器2の位置を示し、強制ロックが解除されていることを警告し、機器2に加えられた外部作用力の値を提供する、などのために、外科医との通信手段を含む。
【0051】
有利には、通信手段が、強制ロックが解除されていることを示すときには、患者が大きな振幅で動いているかもしれないことを外科医は警告され、従って外科医は外科処置の実施前にこれを考慮に入れることができる。吸引の場合には、例えば外科医は、機器が器官に対して確かに正しく位置決めされていることをチェックすることができる。
通信手段は例えばディスプレイ・スクリーン11を含む。
【0052】
好ましくは、器官100に対して機器2によって到達されるべき位置を記憶するための記憶手段を含む。到達されるべき位置は、例えば手術開始前に外科医によって入力されるか、又はロック手段が解除される前に機器が配置された位置である。
【0053】
手術医が機器2を動かすと、コンピュータ・モジュール6は、機器が前記位置に実質的に接近したときに関節アーム3の自由度のうちの少なくとも1つに制限を課すように、画像取得手段10によって撮影された画像に基づいて、ロック手段を制御する。
このように、正確な所期位置にアーム3をロックすることが可能である。このことは外科医の作業を容易にする。
ここで、コンピュータ・モジュール6は、既に説明したロック手段のロック解除を制御するのと同様に、ロック手段のロックを制御する。
【0054】
例えば、コンピュータ・モジュール6は下記命令プロセス、すなわち:
器官100の少なくとも1つの基準画像を取得し、
器官100の少なくとも第1画像を取得し、
基準画像と第1画像との間の類似性パラメータを計算し、
類似性パラメータを、所定の作用力閾値を表す所定の類似性閾値と比較し、
前記類似性パラメータが所定の類似性閾値を上回ると、関節アームをロックするようにロック手段を制御する、
プロセスを用いてロック手段のロックを制御する。
【0055】
変更形として、コンピュータ・モジュール6は下記命令プロセス、すなわち:
器官100の少なくとも1つの基準画像を取得し、
器官100の少なくとも第1画像を取得し、
基準画像と第1画像との間のユークリッド距離パラメータ及び角距離パラメータを計算し、
ユークリッド距離パラメータを、所定の作用力閾値を表す所定のユークリッド距離閾値と比較し、そして角距離パラメータを、所定の作用力閾値を表す所定の角距離閾値と比較し、
前記ユークリッド距離パラメータが所定のユークリッド距離閾値を下回ると、又は前記角距離パラメータが所定の角距離閾値を下回ると、関節アームをロックするようにロック手段を制御する、
プロセスに従ってロック手段のロックを制御する。
【0056】
特定の実施態様をここで説明する。この実施態様はもちろん制限的なものではない。
図2を参照すると、本発明によるガイド装置はここでは、患者の前立腺200の近くに医療機器21を運ぶように意図されている。ここでは、医療機器21は、生検ニードル23を担持するニードル・ガイド22を含んでいる。ニードル・ガイド22の一方の端部は前立腺200で吸引を行うように意図されている。機器21はさらに、前立腺200にニードル23を挿入しそしてニードル・ガイド22からニードル23を取り外すためにニードル・ガイド24を作動させる手段を含んでいる。機器21はまた、前立腺200に対して生検ニードル23を位置決めするために前立腺200の画像を取得する手段を含んでいる。これを目的として、画像取得手段はセンサ25を含んでいる。好ましくは、センサ25は、前立腺200の三次元画像が取得されるのを可能にする超音波センサである。
【0057】
本発明によるガイド装置は、直腸201によって形成された天然導管内で機器21の近位端を動かすための、すなわちセンサ25及び生検ニードル23を動かすための、複数の自由度を有する関節アーム27を含んでいる。ここでは、関節アーム27は、患者が横たわっているときに直腸201への進入路と実質的に同一直線上にある軸内で少なくとも一回、機器21の近位端を動かすことによって、機器21の近位端が動かされるのを可能にするように成形されている。関節アーム27は例えば、関節アーム27が玉継ぎ手型リンク28によって機器21の近位端に連結されるように改変された、Haption社のVirtuose 3Dロボットである。もちろん、関節アーム27は、玉継ぎ手28がセンサ25又は生検ニードル23の動作に影響を与えることがないように構成されている。
好ましい形では、関節アーム27は、玉継ぎ手28が、機器21の近位端を外科医が正しく把持するのを妨げることがないように構成されている。
【0058】
本発明によれば、ガイド装置はさらに、関節アーム27の自由度を制限する制御型制限手段を含んでいる。ここでは、ロック手段は、玉継ぎ手28のそれぞれの自由度を制限することにより、機器21に加えられる外的作用力が所定の閾値を超えると、玉継ぎ手28に課せられたロックを解除し得るように構成されている。これを目的として、ロック手段は、玉継ぎ手28の自由度のそれぞれにおいて配置されたブレーキ30、例えば摩擦ブレーキを含んでいる。好ましくは、ガイド装置は、ロックが解除されたときには、生検ニードル23によって前立腺200に対してアクションを起こすことができないように構成されている。
【0059】
ガイド装置は、前記関節アーム27を制御するためにコンピュータ・モジュール29を含んでいる。

コンピュータ・モジュール29は、センサ25によって送信されたデータを受信して分析するためにセンサ25と通信する。センサ25によって撮影された画像は、ガイド装置の座標系内で前立腺200に対するセンサ25の位置を表す。生検ニードル23が引き込み位置にあるときには、センサ25は生検ニードル23から所定の間隔を置いて、そして生検ニードル23に対して固定された配向で位置しているので、これらの画像はまた、前立腺200に対する生検ニードル23の位置をも表す。
【0060】
従って、ガイド装置の座標系と、センサ25によって撮影された画像とを相関することが可能である。コンピュータ・モジュール29はこのように、センサ25によって撮影された前立腺200の画像上に、ガイド装置の座標系内で予め定義された吸引ターゲットを重ね合わせることができる。コンピュータ・モジュール29は、センサ25によって画像から推定された生検ニードル23の目下の軌道を、前の吸引軌道を示す、ガイド装置の座標系にリンクされた画像上に重ね合わせることもできる。
ロック手段を制御するために、コンピュータ・モジュール29は、センサ25によって撮影された画像に基づいて、機器21に加えられた外部作用力を評価することにより、ここではロック手段のロック解除、及びロック手段のロックを制御する。
【0061】
ここでは、ガイド装置はさらに、関節アーム27の種々の関節に配置されたセンサを含んでいるので、センサからの信号を用いて、コンピュータ・モジュール29は、ガイド装置の座標系内で機器21の位置を評価することができる。
ガイド装置はこの場合、センサ25によって撮影された画像のためのディスプレイ・スクリーン26を含むことにより、外科医に視覚的フィードバックを提供するので、外科医は前立腺200に対する生検ニードル23の位置を評価することができる。
【0062】
好ましい形において、ガイド装置は種々異なる動作モードを含んでいる。ガイド装置の第1動作モードによれば、関節アーム27の自由度が制限されない。関節アーム27は自動で、且つ/又は外科医によって手動で自由に動かすことができる。第2動作モードでは、関節アーム27の自由度は制限される。ガイド装置はさらに、ガイド装置の動作モードを選択する選択手段32を含んでいる。
【0063】
ここでは、コンピュータ・モジュール29はまた、関節アーム27のロック手段、具体的にはブレーキ30をモニタリングして、ガイド装置の選択された動作モードに応じて、関節アーム27の自由度の制限を許可又は禁止するようになっている。
現在のところ、センサ25を使用した画像取得、及びコンピュータ・モジュール29によるこれらの画像の分析は、リアルタイムで行うことはできない。本発明によるガイド装置を使用することによって、前立腺200の画像が機器21の運動によって変形されることなしに画像センサ25が前立腺200の画像を取得するのに十分に長い時間にわたって、そして、前立腺200に対して生検ニードルの位置をこれらの画像から推定するためにコンピュータ・モジュール29がこれらの画像を分析するのに十分に長い時間にわたって、機器2を固定位置に保持することが可能である。このようにして、外科医は、生検ニードルが正しく位置決めされていることを確信することができる。さらに、機器を動かすことなしに前立腺200内に生検ニードルを挿入するためには、外科医側の高度な器用さが必要となる。本発明によるガイド装置を使用することにより、機器2を吸引全体を通して固定位置に保持することができる。ガイド装置のこれらの種々の特徴は、患者の生体構造を尊重しながら、前立腺200内の所期の場所にニードル22を挿入することを保証する。さらに、本発明によるガイド装置は外科医の作業を容易にし、外科医は、もはや吸引全体を通して機器を不動に保持しなくてもよい。
【0064】
もちろん、本発明は、記載された実施態様に制限されるものではなく、請求項によって定義された本発明の文脈を離れることなしに、変更実施態様を実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5