特許第6014264号(P6014264)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014264無線通信システムにおいてチャネルを推定する方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014264
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてチャネルを推定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20161011BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20161011BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20161011BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20161011BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W16/28 150
   H04W72/04 136
   H04J15/00
【請求項の数】14
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2015-529672(P2015-529672)
(86)(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公表番号】特表2015-532813(P2015-532813A)
(43)【公表日】2015年11月12日
(86)【国際出願番号】KR2013007721
(87)【国際公開番号】WO2014035137
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2015年4月2日
(31)【優先権主張番号】61/695,289
(32)【優先日】2012年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/751,238
(32)【優先日】2013年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/752,407
(32)【優先日】2013年1月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョンテ
(72)【発明者】
【氏名】キム キチョン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
(72)【発明者】
【氏名】キム ポンヘ
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 Huawei, HiSilicon,CoMP transmission mode,R1-123106,フランス,3GPP,2012年 8月 5日,paragraph 2,3
【文献】 Research In Motion, UK Limited,Views on Supporting PMI Disabling in TM9,R1-110285,フランス,3GPP,2011年 1月21日,paragraph 2
【文献】 Texas Instruments,On remaining issues of PRB bundling size,R1-103695,フランス,3GPP,2010年 6月22日,paragraph 1
【文献】 NEC Group,Remaining issues of PRB bundling,R1-103829,フランス,3GPP,2010年 6月22日,paragraph 2
【文献】 Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Explicitly configured PRB bundling,R1-104084,フランス,3GPP,2010年 6月22日,paragraph 2
【文献】 NEC Group,Remaining issues of PRB bundling,R1-104528,フランス,3GPP,2010年 8月17日,paragraph 2
【文献】 CMCC, CATT,On non-PMI based feedback in Rel-10,R1-106313,フランス,3GPP,2010年11月10日,paragraph 1
【文献】 CMCC, CATT,On non-PMI based feedback in Rel-10,R1-110422,フランス,3GPP,2011年 1月21日,paragraph 1
【文献】 CMCC, CATT,On non-PMI based feedback in Rel-10,R1-110550,フランス,3GPP,2011年 1月21日,paragraph 1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04J 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて端末がPRBバンドリングが用いられるか否かを推定する方法であって、
ービングセルのCSIの報告のための複数のCSIプロセスを定するステップと、
前記複数のCSIプロセスがいずれもPMIおよびRIを報告するように設定された場合、前記PRBバンドリングが用いられると推定するステップと
前記複数のCSIプロセスの少なくとも1つのCSIプロセスが、前記PMIおよび前記RIを報告しないように設定された場合、前記PRBバンドリングが用いられないと推定するステップと、を有する、PRBバンドリング推定方法。
【請求項2】
前記PRBバンドリングが用いられると推定した場合、1つのPRGが有する連続したPRBの数は、システム帯域幅によって決定される、請求項1に記載のPRBバンドリング推定方法。
【請求項3】
前記複数のCSIプロセスのそれぞれは、それぞれ、前記PMIおよび前記RIが報告されるか否かを決定する、請求項1に記載のPRBバンドリング推定方法。
【請求項4】
前記複数のCSIプロセスに関する情報、RRCシグナリングを用い受信するステップをさらに有する、請求項1に記載のPRBバンドリング推定方法。
【請求項5】
DMRSを受信するステップをさらに有する、請求項1に記載のPRBバンドリング推定方法。
【請求項6】
記DMRSを用いてチャネルを推定するステップをさらに有する、請求項5に記載のPRBバンドリング推定方法。
【請求項7】
無線通信システムにおいて基地局がデータを処理する方法であって、
CSI報告する端末のための複数のCSIプロセスに関する情報を送信するステップと、
PRBバンドリングが用いられるか否かに基づいて前記データを処理するステップと、を有し、
前記端末の前記複数のCSIプロセスがいずれもPMIおよびRIを報告するように設定された場合、前記PRBバンドリングを用いて前記データが処理され
前記端末の前記複数のCSIプロセスの少なくとも1つのCSIプロセスが、前記PMIおよび前記RIを報告しないように設定された場合、前記PRBバンドリングを用いずに前記データが処理されるデータ処理方法。
【請求項8】
前記PRBバンドリングが用いられる場合、1つのPRGが有する連続したPRBの数は、システム帯域幅によって決定される、請求項7に記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記複数のCSIプロセスに関する情報を、RRCシグナリングを用いて送信する、請求項7に記載のデータ処理方法。
【請求項10】
DMRSを送信するステップをさらに有する、請求項7に記載のデータ処理方法。
【請求項11】
前記DMRSは、前記端末のチャネル推定に用いられる、請求項10に記載のデータ処理方法。
【請求項12】
無線通信システムにおいてPRBバンドリングが用いられるか否かを推定する端末であって、
RFユニットと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
ービングセルのCSIの報告のための複数のCSIプロセスを定し
前記複数のCSIプロセスがいずれもPMIおよびRIを報告するように設定された場合、前記PRBバンドリングが用いられると推定し、
前記複数のCSIプロセスの少なくとも1つのCSIプロセスが、前記PMIおよび前記RIを報告しないように設定された場合、前記PRBバンドリングが用いられないと推定するように構成された、端末。
【請求項13】
無線通信システムにおいてデータを処理する基地局であって、
RFユニットと、
プロセッサと、を有し、
前記プロセッサは、
SI報告する端末のための複数のCSIプロセスに関する情報を送信し、
PRBバンドリングが用いられるか否かに基づいて前記データを処理するように構成され、
前記端末の前記複数のCSIプロセスがいずれもPMIおよびRIを報告するように設定された場合、前記PRBバンドリングを用いて前記データが処理され
前記端末の前記複数のCSIプロセスの少なくとも1つのCSIプロセスが、前記PMIおよび前記RIを報告しないように設定された場合、前記PRBバンドリングを用いずに前記データが処理される、基地局。
【請求項14】
前記複数のCSIプロセスは、前記サービングセルに関して設定されたCSIプロセスのすべてである、請求項1に記載のPRBバンドリング推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、特に、協調マルチポイント(CoMP)をサポートする無線通信システムにおいて、少なくとも一つのチャネル状態情報設定がいずれも、プリコーディング行列指示子およびランク指示子を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列が適用されると決定するチャネル推定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多入力多出力(Multi-Input Multi-Output;MIMO)技術は、単一の送信アンテナと単一の受信アンテナとを使用することから脱皮し、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとを使用してデータの送受信効率を向上させる技術である。受信側は、単一のアンテナを使用する場合には単一のアンテナ経路(path)を通してデータを受信するが、複数のアンテナを使用する場合には複数の経路を通してデータを受信する。したがって、データの送信速度および送信量を向上させることができ、カバレッジ(coverage)を増大させることができる。
【0003】
シングル−セル(Single-cell)MIMO動作は、一つのセルで一つの端末が下りリンク信号を受信するシングルユーザ−MIMO(Single User-MIMO;SU−MIMO)方式と、二つ以上の端末が一つのセルで下りリンク信号を受信するマルチユーザ−MIMO(Multi User-MIMO;MU−MIMO)方式と、に区別される。
【0004】
一方、マルチ−セル環境なおいて改善されたMIMO送信を適用することによって、セル境界に位置するユーザの処理量を改善するための協調マルチポイント(Coordinated Multi-Point:CoMP)システムに関する研究が活発に行われている。CoMPシステムを適用すると、マルチ−セル環境でセル間干渉(Inter-Cell Interference)を減らすことができ、システム全般の性能を向上させることができる。
【0005】
チャネル推定(channel estimation)は、フェージング(fading)によって生じる信号の歪みを補償することによって、受信された信号を復元する過程のことをいう。ここでいうフェージングとは、無線通信システム環境で、マルチパス(multi path)−時間遅延(time delay)によって信号の強度が急に変動する現象を指す。チャネル推定のためには、送信機も受信機も知っている参照信号(reference signal)が必要である。また、参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ぶこともできる。
【0006】
下りリンク参照信号(downlink reference signal)は、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などのコヒーレント(coherent)復調のためのパイロット信号である。下りリンク参照信号は、セル内の全端末が共有する共通参照信号(Common Reference Signal;CRS)と、特定の端末のみのための専用参照信号(Dedicated Reference Signal;DRS)がある。4つの送信アンテナをサポートする従来の通信システム(例えば、LTE release(リリース)8または9標準に基づくシステム)に比べて拡張されたアンテナ構成を有するシステム(例えば、8つの送信アンテナをサポートするLTE−A標準に基づくシステム)では、効率的に参照信号を運用し発展した送信方式をサポートするために、DRSベースのデータの復調を考慮している。すなわち、拡張されたアンテナを用いたデータ送信をサポートするために、2つ以上のレイヤに対するDRSを定義することができる。DRSは、データ用プリコーダと同一のプリコーダによってプリコーディングされるため、別のプリコーディング情報を用いずに、受信側でデータを復調するためのチャネル情報を容易に推定することができる。
【0007】
一方、下りリンク受信側では、DRSを用いて、拡張されたアンテナ構成に関してプリコーディングされたチャネル情報を取得することができるが、プリコーディングされていないチャネル情報を取得するためにはDRS以外の別の参照信号が要求される。そのため、LTE−A標準に基づくシステムでは、受信側でチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を取得するための参照信号、すなわち、CSI−RSを定義することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような議論に基づいて、以下では、無線通信システムにおいてチャネルを推定する方法およびそのための装置を提案する。
【0009】
本発明で達成しようとする技術的課題は、上記の技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題点を解決するために、本発明の一実施例に係る、無線通信システムにおいて端末がチャネルを推定する方法は、複数のサービングセルのうちの1つのサービングセルのチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)の報告のための少なくとも1つのチャネル状態情報(CSI)設定に関する情報を受信するステップと、少なくとも1つのCSI設定がいずれもプリコーディング行列指示子(Precoding Matrix Index;PMI)およびランク指示子(Rank Indicator;RI)を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列が適用されると決定し、少なくとも1つのCSI設定のうち、PMIおよびRIを報告しないように設定されたCSI設定が存在する場合、1つのリソースブロックにプリコーディング行列が適用されると決定するステップと、決定するステップの結果に基づいてチャネルを推定するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の実施例に係る、無線通信システムにおいて基地局がチャネル情報を受信する方法は、複数のサービングセルのうちの1つのサービングセルのチャネル状態情報(CSI)の報告のための少なくとも1つのチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)設定に関する情報を送信するステップと、少なくとも1つのCSI設定がいずれもプリコーディング行列指示子(Precoding Matrix Index;PMI)およびランク指示子(Rank Indicator;RI)を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列を適用し、少なくとも1つのCSI設定のうち、PMIおよびRIを報告しないように設定されたCSI設定が存在する場合、1つのリソースブロックにプリコーディング行列を適用するステップと、端末から、プリコーディング行列が適用されたチャネルに関する情報を受信するステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の他の実施例に係る、無線通信システムにおいてチャネルを推定する端末は、無線周波数(Radio Frequency;RF)ユニットと、プロセッサと、を有し、プロセッサは、複数のサービングセルのうちの1つのサービングセルのチャネル状態情報(CSI)の報告のための少なくとも1つのチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)設定に関する情報を受信し、少なくとも1つのCSI設定がいずれもプリコーディング行列指示子(Precoding Matrix Index;PMI)およびランク指示子(Rank Indicator;RI)を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列が適用されると決定し、少なくとも1つのCSI設定のうち、PMIおよびRIを報告しないように設定されたCSI設定が存在する場合、1つのリソースブロックにプリコーディング行列が適用されると決定し、決定するステップの結果に基づいてチャネルを推定するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の他の実施例に係る無線通信システムにおいてチャネル情報を受信する基地局は、無線周波数(Radio Frequency;RF)ユニットと、プロセッサと、を有し、プロセッサは、複数のサービングセルのうちの1つのサービングセルのチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)の報告のための少なくとも1つのチャネル状態情報(CSI)設定に関する情報を送信し、少なくとも1つのCSI設定がいずれもプリコーディング行列指示子(Precoding Matrix Index;PMI)およびランク指示子(Rank Indicator;RI)を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列を適用し、少なくとも1つのCSI設定のうち、PMIおよびRIを報告しないように設定されたCSI設定が存在する場合、1つのリソースブロックにプリコーディング行列を適用し、端末から、プリコーディング行列が適用されたチャネルに関する情報を受信するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の実施例に、以下の事項を共通に適用することができる。
【0015】
少なくとも1つのCSI設定がいずれもPMIおよびRIを報告するように設定された場合、複数のリソースブロックの数は、システム帯域幅に基づいて決定されてもよい。
【0016】
少なくとも1つのCSI設定は、それぞれ独立して、PMIおよびRIが報告されるか否かを設定してもよい。
【0017】
少なくとも1つのCSI設定に関する情報は、無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)シグナリングを通じて送信されてもよい。
【0018】
復調参照信号(DeModulation Reference Signal;DMRS)を受信するステップをさらに有してもよい。
【0019】
チャネルを推定するステップは、DMRSを用いてチャネルを推定するステップを有してもよい。
【0020】
本発明について上述した一般的な説明と後述する詳細な説明はいずれも例示的なもので、請求項に記載の発明に関する更なる説明のためのものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によれば、無線通信システムにおいてチャネル推定をより効率的に報告することができる。
【0022】
また、本発明の実施例によれば、協調マルチポイント(CoMP)をサポートする無線通信システムにおいて、少なくとも一つのチャネル状態情報の設定がいずれも、プリコーディング行列指示子およびランク指示子を報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列が適用されると決定することができる。
【0023】
本発明から得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】下りリンク無線フレームの構造を示す図である。
図2】一つの下りリンクスロットのリソースグリッド(resource grid)の一例を示す図である。
図3】下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図4】上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5】複数のアンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図6】従来のCRSおよびDRSのパターンを示す図である。
図7】DM RSのパターンの一例を示す図である。
図8】CSI−RSのパターンの例を示す図である。
図9】CSI−RSが周期的に送信される方式の一例を説明する図である。
図10】CSI−RSが非周期的に送信される方式の一例を説明する図である。
図11】2つのCSI−RS設定(configuration)が用いられる例を説明するための図である。
図12】本発明の一実施例に係るチャネル推定方法を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施例に適用可能な基地局および端末の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【0026】
以下の実施例は、本発明の構成要素および特徴を所定の形態で組み合わせたものである。各構成要素または特徴は、特別の言及がない限り、選択的なものと考慮すればよい。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施されもてよく、一部の構成要素および/または特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に取り替えられてもよい。
【0027】
本明細書において、本発明の実施例を、基地局と端末との間のデータ送信および受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と通信を直接行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を持つ。本文書で基地局によって行われるとした特定の動作は、場合によっては基地局の上位ノード(upper node)によって行われることもある。
【0028】
すなわち、基地局を含めた複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。「基地局(Base Station;BS)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(Access Point;AP)などの用語に置き換えてもよい。中継機は、RN(Relay Node)、RS(Relay Station)などの用語に置き換えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に置き換えてもよい。
【0029】
以下の説明で使われる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定の用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更してもよい。
【0030】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造および装置は省略されたり、各構造および装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されたりすることもある。また、本明細書を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0031】
本発明の実施例は、無線接続システム(wireless access system)であるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTEおよびLTE−A(LTE-Advanced)システム、並びに、3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いたステップまたは部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0032】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部で、下りリンクにおいてOFDMAを採用し、上りリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(Wireless MAN-OFDMA Reference System)および進展したIEEE 802.16m規格(Wireless MAN-OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では3GPP LTEおよび3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0033】
図1を参照して下りリンク無線フレームの構造について説明する。
【0034】
セルラOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位で行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間として定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1の無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造をサポートする。
【0035】
図1は、タイプ1の無線フレーム構造を示す図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1つのサブフレームは、時間領域(time domain)において2つのスロットで構成される。1つのサブフレームを送信するために掛かる時間をTTI(Transmission Time Interval)という。例えば、1つのサブフレームの長さは1msであり、1つのスロットの長さは0.5msであってもよい。1スロットは、時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルはSC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ばれることもある。リソースブロック(RB)はリソース割当単位であり、1スロットにおいて複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0036】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには拡張CP(extended CP)と通常CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが通常CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7つであってもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1つのOFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、通常CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6つであってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合には、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
【0037】
通常CPが用いられる場合、1スロットは7つのOFDMシンボルを含み、1つのサブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭の2つまたは3つのOFDMシンボルはPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)に割り当てることができる。
【0038】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、またはスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更することができる。
【0039】
図2は、1つの下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を例示する図である。これは、OFDMシンボルが通常CPで構成された場合である。図2を参照すると、下りリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロックを含む。ここで、1つの下りリンクスロットは7つのOFDMシンボルを含み、1つのリソースブロックは12個の副搬送波を含むとしたが、これに制限されない。リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(RE)と呼ぶ。例えば、リソース要素a(k,l)は、k番目の副搬送波とl番目のOFDMシンボルに位置しているリソース要素となる。通常CPの場合、1つのリソースブロックは12×7個のリソース要素を含む(拡張CPの場合は、12×6個のリソース要素を含む)。各副搬送波の間隔は15kHzであるから、1つのリソースブロックは周波数領域で約180kHzを含む。NDLは、下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。NDLの値は、基地局のスケジューリングによって設定される下りリンク送信帯域幅(bandwidth)によって決定できる。
【0040】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1つのサブフレーム内において、第一のスロットの先頭における最大3つのOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。送信の基本単位は、1つのサブフレームとなる。すなわち、2つのスロットにわたってPDCCHおよびPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられる下りリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator CHannel;PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator CHannel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンクまたは下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当および送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)などの上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令セット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタすることもできる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)のアグリゲーション(aggregation(集約))で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数とは、CCEの数とCCEによって提供されるコーディングレートとの間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定の端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。あるいは、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的には、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子およびシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0041】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波の特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHとを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2つのスロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency-hopped)するという。
【0042】
マルチアンテナ(MIMO)システムのモデル化
MIMO((Multiple Input Multiple Output)システムは、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとを用いてデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術は、メッセージ全体を受信する上で、単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナから受信される複数のデータの断片を組み合わせてデータ全体を受信することができる。
【0043】
MIMO技術には、空間ダイバーシチ(Spatial diversity)方式および空間多重化(Spatial multiplexing)方式などがある。空間ダイバーシチ方式は、ダイバーシチ利得(gain)によって送信信頼度(reliability)を上げたりセル半径を広めたりすることができ、高速で移動する端末に対するデータ送信に適している。空間多重化方式は、互いに異なるデータを同時に送信することによって、システムの帯域幅を増加させることなくデータ送信率を増大させることができる。
【0044】
図5は、複数のアンテナを有する無線通信システムの構成図である。図5(a)に示すように、送信アンテナの数をNT個、受信アンテナの数をNR個に増やすと、送信機または受信機のいずれか一方のみで複数のアンテナを用いる場合とは違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することから、送信レートを、理論的に、単一のアンテナ利用時の最大送信レート(Ro)にレート増加率(Ri)を掛けた分だけ増加させることができる。
【0045】
【数1】
【0046】
例えば、4つの送信アンテナと4つの受信アンテナとを用いるMIMO通信システムでは、シングルアンテナシステム(single-antenna system)に比べて理論上、4倍の伝送レートを取得することができる。マルチアンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0047】
現在までのマルチアンテナ関連の研究動向をみると、様々なチャネル環境および多重接続環境におけるマルチアンテナ通信容量の計算などと関連した情報理論の側面での研究、マルチアンテナシステムの無線チャネル測定およびモデル化の研究、および伝送信頼度の向上および伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が行われている。
【0048】
マルチアンテナシステムにおける通信方法を数学的モデル化を用いてより具体的に説明する。当該システムには、NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナとが存在するとする。
【0049】
送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はNT個である。送信情報を下記の数式(2)のように表現することができる。
【0050】
【数2】
【0051】
【数3】
【0052】
【数4】
【0053】
【数5】
【0054】
【数6】
【0055】
【数7】
【0056】
【数8】
【0057】
【数9】
【0058】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシチおよび空間多重化)によって異なる方法で考慮できる。空間多重化の場合、異なった信号が多重化され、多重化された信号が受信側に送信されるため、情報ベクトルの要素(element)がそれぞれ異なる値を有する。一方、空間ダイバーシチの場合は、同一の信号が複数のチャネル経路を通して反復的に送信されるため、情報ベクトルの要素が同一の値を有する。勿論、空間多重化と空間ダイバーシチ方式との組み合わせも考慮することができる。すなわち、同一の信号が、例えば、3つの送信アンテナを通して空間ダイバーシチ方式によって送信され、残りの信号は空間多重化されて受信側に送信されてもよい。
【0059】
【数10】
【0060】
【数11】
【0061】
【数12】
【0062】
図5(b)は、NT個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示している。これらのチャネルをまとめてベクトルおよび行列の形態で表すことができる。図5(b)で、計NT個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次のように表すことができる。
【0063】
【数13】
【0064】
したがって、NT個の送信アンテナからNR個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、次のように表現することができる。
【0065】
【数14】
【0066】
【数15】
【0067】
【数16】
【0068】
上述した数式によるモデル化によって受信信号を次の通り表現することができる。
【0069】
【数17】
【0070】
【数18】
【0071】
【数19】
【0072】
【数20】
【0073】
MIMO送信において、‘ランク(Rank)’は、独立して信号を送信できる経路の数を表し、‘レイヤ(layer)の数’は、各経路を通して送信される信号ストリームの数を表す。送信端は、信号の送信に用いられるランク数に対応する数のレイヤを送信するのが一般的であるため、特別な言及がない限り、ランクはレイヤ数と同じ意味を有する。
【0074】
参照信号(Reference Signal;RS)
無線通信システムでパケットを送信する際、送信されるパケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生しうる。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪みを補正しなければならない。チャネル情報を把握するために、送信側も受信側も知っている信号を送信し、該信号がチャネルを介して受信される際の歪みの程度を用いてチャネル情報を得る方法を主に用いる。該信号をパイロット信号(Pilot Signal)または参照信号(Reference Signal)という。
【0075】
マルチアンテナを用いてデータを送受信する場合に、正しい信号を受信するためには、各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルの状況を知る必要がある。そのために、送信アンテナごとに異なる参照信号が存在しなければならない。
【0076】
移動通信システムにおいて参照信号(RS)は、その目的によって2種類に大別できる。その一つは、チャネル情報の取得のために用いられるRSであり、もう一つは、データ復調のために用いられるRSである。前者は、端末が下りリンクチャネル情報を取得するためのRSであるため、広帯域で送信されなければならず、特定のサブフレームにおいて下りデータを受信しない端末であっても、当該RSを受信および測定可能でなければならない。このようなRSは、ハンドオーバなどのための測定などのためにも用いられる。後者は、基地局が下りデータを送る時、当該リソースで併せて送るRSであり、端末は、当該RSを受信することによってチャネル推定ができ、データを復調することができる。このようなRSは、データの送信される領域で送信されなければならない。
【0077】
従来の3GPP LTE(例えば、3GPP LTEリリース−8)システムでは、ユニキャスト(unicast)サービスのために2種類の下りリンクRSを定義する。その一つは共通参照信号(Common RS;CRS)であり、もう一つは、専用参照信号(Dedicated RS;DRS)である。CRSは、チャネル状態に関する情報取得およびハンドオーバなどのための測定などのために用いられ、セル−固有(cell-specific)RSと呼ぶことができる。DRSは、データ復調のために用いられ、端末−固有(UE-specific)RSと呼ぶことができる。従来の3GPP LTEシステムで、DRSはデータ復調のみのために用いることができ、CRSは、チャネル情報取得のためにもデータ復調のためにも用いることができる。
【0078】
CRSは、セル−固有に送信されるRSであり、広帯域(wideband)にわたってサブフレームごとに送信される。CRSは、基地局の送信アンテナ数によって最大4つのアンテナポートに対して送信可能である。例えば、基地局の送信アンテナが2つである場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSを送信し、4つの場合は、0〜3番のアンテナポートに対するCRSをそれぞれ送信する。
【0079】
図6は、基地局が4つの送信アンテナをサポートするシステムにおいて、一つのリソースブロック(通常CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上のCRSおよびDRSのパターンを示す図である。図6で、‘R0’、‘R1’、‘R2’および‘R3’と表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2および3に対するCRSの位置を表す。一方、図6で‘D’と表示されたリソース要素は、LTEシステムで定義されるDRSの位置を表す。
【0080】
LTEシステムの進展した形態のLTE−Aシステムでは、下りリンクで最大8つの送信アンテナをサポートすることができる。そのため、最大8つの送信アンテナに対するRSもサポートされなければならない。LTEシステムにおける下りリンクRSは最大4つのアンテナポートのみに対して定義されているため、LTE−Aシステムにおいて基地局が5つ以上最大8つの下りリンク送信アンテナを有する場合、それらのアンテナポートに対するRSがさらに定義されなければならない。最大8つの送信アンテナポートに対するRSとして、チャネル測定のためのRS、データ復調のためのRSの両方とも考慮されなければならない。
【0081】
LTE−Aシステムを設計する上で重要な考慮事項の一つは、下位(後方)互換性(backward compatibility)である。下位互換性とは、従来のLTE端末がLTE−Aシステムでも正しく動作するようにサポートすることを意味する。RS送信の観点からは、LTE標準で定義されているCRSが全帯域でサブフレームごとに送信される時間−周波数領域に最大8つの送信アンテナポートに対するRSを追加すると、RSオーバーヘッドが過度に大きくなる。そのため、最大8つのアンテナポートに対するRSを新しく設計するに当たり、RSオーバーヘッドを減らすことを考慮しなければならない。
【0082】
LTE−Aシステムで新しく導入されるRSは、大きく、2種類に分類できる。その一つは、送信ランク、変調およびコーディング方式(Modulation and Coding Scheme;MCS)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI)などの選択のためのチャネル測定が目的のRSであるチャネル状態情報−参照信号(Channel State Information RS;CSI−RS)であり、もう一つは、最大8つの送信アンテナを通して送信されるデータを復調するためのRSである復調−参照信号(DeModulation RS;DM RS)である。
【0083】
チャネル測定のためのCSI−RSは、従来のLTEシステムにおけるCRSがチャネル測定、ハンドオーバなどの測定などの目的と同時にデータ復調のために用いられるのとは違い、主にチャネル測定のために設計される特徴がある。勿論、CSI−RSは、ハンドオーバなどの測定などの目的に用いられてもよい。CSI−RSがチャネル状態に関する情報を得る目的のみに送信されるため、従来のLTEシステムにおけるCRSとは違い、サブフレームごとに送信されなくてもよい。したがって、CSI−RSのオーバーヘッドを減らすために、CSI−RSは時間軸上で間欠的に(例えば、周期的に)送信されるように設計されてもよい。
【0084】
仮に、ある下りリンクサブフレーム上でデータが送信される場合には、データ送信がスケジューリングされた端末に専用で(dedicated)DM RSが送信される。特定の端末専用のDM RSは、当該端末がスケジューリングされたリソース領域、すなわち、当該端末に対するデータが送信される時間−周波数領域でのみ送信されるように設計することができる。
【0085】
図7は、LTE−Aシステムで定義されるDM RSのパターンの一例を示す図である。図7では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(通常CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でDM RSが送信されるリソース要素の位置を示している。DM RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される4つのアンテナポート(アンテナポートインデックス7、8、9および10)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、異なる周波数リソース(副搬送波)および/または異なる時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDMおよび/またはTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。図7の例で、DM RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)には、アンテナポート7および8に対するDM RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。同様に、図7の例で、DM RSグループ2と表示されたリソース要素には、アンテナポート9および10に対するDM RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。
【0086】
図8は、LTE−Aシステムで定義されるCSI−RSのパターンの例を示す図である。図8では、下りリンクデータが送信される一つのリソースブロック(通常CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12個の副搬送波)上でCSI−RSが送信されるリソース要素の位置を示している。ある下りリンクサブフレームで、図8(a)乃至8(e)のいずれか一つのCSI−RSパターンを用いることができる。CSI−RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される8つのアンテナポート(アンテナポートインデックス15、16、17、18、19、20、21および22)に対して送信することができる。互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、異なる周波数リソース(副搬送波)および/または異なる時間リソース(OFDMシンボル)に位置することで区別することができる(すなわち、FDMおよび/またはTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、直交コード(orthogonal code)によって区別することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。図8(a)の例で、CSI−RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)には、アンテナポート15および16に対するCSI−RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。図8(a)の例で、CSI−RS CDMグループ2と表示されたリソース要素には、アンテナポート17および18に対するCSI−RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。図8(a)の例で、CSI−RS CDMグループ3と表示されたリソース要素には、アンテナポート19および20に対するCSI−RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。図8(a)の例で、CSI−RS CDMグループ4と表示されたリソース要素には、アンテナポート21および22に対するCSI−RSが位置することができ、これらは、直交コードによって多重化できる。図8(a)を参照して説明したのと同じ原理を、図8(b)乃至8(e)に適用することもできる。
【0087】
図6乃至図8のRSパターンは単なる例示であり、本発明の様々な実施例を適用するにあって特定のRSパターンに限定されるものでない。すなわち、図6乃至図8と異なるRSパターンが定義および使用される場合にも、本発明の様々な実施例を同一に適用することができる。
【0088】
協調マルチ−ポイント(Cooperative Multi-Point;CoMP)
3GPP LTE−Aシステムの改善されたシステム性能要求条件に応じて、CoMP送受信技術(co−MIMO、共同(collaborative)MIMOまたはネットワークMIMOなどと表現されることもある)が提案されている。CoMP技術は、セル−境界(cell-edge)に位置している端末の性能を増加させ、平均セクタスループット(throughput)を増加させることができる。
【0089】
一般に、周波数再使用係数(frequency reuse factor)が1であるマルチ−セル環境で、セル−間干渉(Inter-Cell Interference;ICI)によって、セル−境界に位置している端末の性能と平均セクタスループットとが減少することがある。このようなICIを低減するために、従来のLTEシステムでは、端末固有の電力制御による部分周波数再使用(fractional frequency reuse;FFR)などの単純で受動的な方式を用いて、干渉によって制限を受けている環境で、セル−境界に位置している端末が適切なスループット性能を有するようにする方法が適用されてきた。しかし、セル当たりの周波数リソースの使用を減らすよりは、ICIを低減したり、ICIを端末が所望する信号として再使用することが一層好ましいだろう。このような目的を達成するために、CoMP送信方式を適用することができる。
【0090】
下りリンクで適用可能なCoMP方式は、大きく、ジョイント−プロセス(Joint Processing;JP)方式と連携スケジューリング/ビームフォーミング(coordinated scheduling/beamforming;CS/CB)方式とに分類できる。
【0091】
JP方式では、CoMP協調単位のそれぞれのポイント(基地局)でデータを用いることができる。CoMP協調単位は、協調送信方式に用いられる基地局の集合を意味する。JP方式は、ジョイント送信(Joint Transmission)方式と動的セル選択(Dynamic cell selection)方式とに分類できる。
【0092】
ジョイント送信方式とは、PDSCHが一度に複数のポイント(CoMP協調単位の一部または全部)から送信される方式のことをさす。すなわち、単一の端末に送信されるデータを複数の送信ポイント(Transmission Point;TP)から同時に送信するることができる。ジョイント送信方式によれば、コヒーレントに(coherently)またはノン−コヒーレントに(non-coherently)受信信号の品質を向上させることができ、かつ、他の端末に対する干渉を能動的に消去することができる。
【0093】
動的セル選択方式とは、PDSCHが一度に(CoMP協調単位の)一つのポイントから送信される方式のことを指す。すなわち、特定の時点で単一の端末に送信されるデータは一つのポイントから送信され、その時点で協調単位内の他のポイントは当該端末に対してデータ送信を行わない。ここで、当該端末にデータを送信するポイントを動的に選択することができる。
【0094】
一方、CS/CB方式によれば、CoMP協調単位は、単一の端末に対するデータ送信のビームフォーミングを協調的に行うことができる。ここで、データはサービングセルのみで送信されるが、ユーザスケジューリング/ビームフォーミングは、当該CoMP協調単位におけるセルの連携によって決定されうる。
【0095】
一方、上りリンクでは、連携(coordinated)マルチ−ポイント受信は、地理的に離れた複数のポイントの連携によって送信された信号を受信することを意味する。上りリンクにおいて適用可能なCoMP方式は、ジョイント受信(Joint Reception;JR)と連携スケジューリング/ビームフォーミング(Coordinated Scheduling/Beamforming;CS/CB)とに分類できる。
【0096】
JR方式は、PUSCHを介して送信された信号が複数の受信ポイントで受信されることを意味し、CS/CB方式は、PUSCHが一つのポイントのみで受信されるが、ユーザスケジューリング/ビームフォーミングはCoMP協調単位のセルの連携によって決定されることを意味する。
【0097】
CSI−RS設定(configuration)
ネットワークでCoMPスケジューリングを行うために、端末は、サービングセルの下りリンクCSI情報の他、CoMPに参加する隣接セルのDL CSI情報も併せてフィードバックしなければならない。そのために、端末は、様々なデータ送信セルと様々な干渉環境とを反映する複数のCSIプロセスをフィードバックする。
【0098】
したがって、LTEシステムにおいてCoMP CSIの計算時に干渉測定のためにIMR(Interference Measurement Resource)が用いられる。1つの端末は、複数のIMRが設定(configure)されてもよく、それらの複数のIMRのそれぞれに対して独立した設定(configuration)を有する。すなわち、それぞれのIMRは、周期、オフセット(offset)およびリソース設定(resource configuration)が独立して設定され、基地局は、上位層シグナリング(RRCなど)を用いて端末にシグナリングすることができる。
【0099】
また、LTEシステムにおいてCoMP CSIの計算時に、所望の(desired)チャネル測定のために、CSI−RSが用いられる。1つの端末に複数のCSI−RSが設定(configure)されてもよく、このとき、CSI−RSはそれぞれ独立した設定(configuration)を有する。すなわち、各CSI−RSは、周期、オフセット(offset)、およびリソース割当(resource configuration)、電力制御(Power Control;Pc)、アンテナポート(antenna port)数が独立して設定され、CSI−RSに関する情報は、上位層シグナリング(RRCなど)により基地局から端末にシグナリングされる。
【0100】
端末に設定された複数のCSI−RSと複数のIMRとのうち、信号測定のための1つのCSI−RSリソースと、干渉測定(measure)のための1つのIMRとを関連付けて(associate)1つのCSIプロセスを定義することができる。互いに異なったCSIプロセスから導出されたCSI情報は、独立した周期およびサブフレームオフセット(subframe offset)で端末からネットワーク(例えば、基地局)にフィードバックされる。
【0101】
すなわち、それぞれのCSIプロセスは、独立したCSIフィードバックの設定を有する。このようなCSI−RSリソースとIMRリソースとの関連付け(association)情報およびCSIフィードバック設定などは、CSIプロセスごとにRRCなどの上位層シグナリングを用いて基地局が端末に知らせることができる。例えば、端末に、表1のような3つのCSIプロセスが設定されると仮定する。
【0102】
【表1】
【0103】
表1で、CSI−RS0とCSI−RS1とは、それぞれ、端末のサービングセルであるセル1から受信するCSI−RSと、協調に参加する隣接セルであるセル2から受信するCSI−RSと、を表す。表1のそれぞれのCSIプロセスに対して設定されたIMRが表2の通りであると仮定すれば、
【0104】
【表2】
【0105】
IMR0に関しては、セル1はミュート(muting)で、セル2はデータ送信を行い、端末は、IMR0に基づいてセル1以外のセルからの干渉を測定するように設定される。同様に、IMR1に関しては、セル2はmutingで、セル1はデータ送信を行い、端末は、IMR1に基づいてセル2以外のセルからの干渉を測定するように設定される。また、IMR2に関しては、セル1およびセル2の両方ともmutingで、端末はIMR2に基づいてセル1およびセル2以外のセルからの干渉を測定するように設定される。
【0106】
したがって、表1および表2に示す通り、CSIプロセス0のCSI情報は、セル1からデータを受信する場合、最適のRI、PMI、CQI情報を示す。CSIプロセス1のCSI情報は、セル2からデータを受信する場合、最適のRI、PMI、CQI情報を示す。CSIプロセス2のCSI情報は、セル1からデータを受信し、セル2から干渉を全く受けない場合、最適のRI、PMI、CQI情報を示す。
【0107】
このように、1つの端末に設定されたCSIプロセスは、CoMPスケジュールリング(scheduling)のために、互いに依存する値を共有することが好ましい。例えば、セル1とセル2とのJT(Joint Transmission)の場合、セル1のチャネルをシグナルパート(signal part)と見なすCSIプロセス1とセル2のチャネルをシグナルパートと見なすCSIプロセス2とが1つの端末に設定された場合、JTスケジューリングが容易に行われるには、CSIプロセス1とCSIプロセス2とのランク(rank)および選択されたサブバンドインデックスが同一でなければならない。
【0108】
CSI−RSが送信される周期やパターンは、基地局が設定(configuration)することができる。CSI−RSを測定するために、端末は、必ず自体が属するセルのそれぞれのCSI−RSアンテナポートに対するCSI−RS設定(configuration)を知っていなければならない。CSI−RS設定は、CSI−RSが送信される下りリンクサブフレームのインデックス、送信サブフレームにおける、CSI−RSリソース要素(RE)の時間−周波数位置(例えば、図8(a)乃至8(e)のようなCSI−RSパターン)、およびCSI−RSシーケンス(CSI−RS用に用いられるシーケンスであって、スロット番号、セルID、CP長などに基づいて所定の規則に従って疑似ランダム(pseudo-random)に生成される)などを含むことができる。すなわち、任意の(given)基地局で複数のCSI−RS設定を用いることができ、基地局は、複数のCSI−RS設定のうち、セル内の端末に対して用いられるCSI−RS設定を知らせることができる。
【0109】
また、それぞれのアンテナポートに対するCSI−RSは区別される必要があるため、それぞれのアンテナポートに対するCSI−RSが送信されるリソースは互いに直交(orthogonal)していなければならない。図8で説明した通り、それぞれのアンテナポートに対するCSI−RSを、直交する周波数リソース、直交する時間リソースおよび/または直交するコードリソースを用いてFDM、TDMおよび/またはCDM方式で多重化できる。
【0110】
CSI−RSに関する情報(CSI−RS設定)を基地局がセル内の端末に知らせる時、まず、各アンテナポートに対するCSI−RSがマッピングされる時間−周波数に関する情報を知らせなければならない。具体的には、時間に関する情報は、CSI−RSが送信されるサブフレーム番号、CSI−RSが送信される周期、CSI−RSが送信されるサブフレームオフセット、特定のアンテナのCSI−RSリソース要素(RE)が送信されるOFDMシンボル番号などを含むことができる。周波数に関する情報は、特定のアンテナのCSI−RSリソース要素(RE)が送信される周波数間隔(spacing)、周波数軸におけるREのオフセットまたはシフト値などを含むことができる。
【0111】
図9は、CSI−RSが周期的に送信される方式の一例を説明する図である。CSI−RSは、一つのサブフレームの整数倍の周期(例えば、5サブフレーム周期、10サブフレーム周期、20サブフレーム周期、40サブフレーム周期または80サブフレーム周期)で周期的に送信することができる。
【0112】
図9では、一つの無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0乃至9)で構成されている。図9では、例えば、基地局のCSI−RSの送信周期が10ms(すなわち、10サブフレーム)であり、CSI−RS送信オフセット(Offset)が3である場合を示す。複数のセルのCSI−RSが時間上で均一に分布できるように、オフセット値は、基地局ごとにそれぞれ異なる値を有することができる。10msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜9のいずれか一つを有することができる。同様に、例えば、5msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜4のいずれか一つの値を有することができ、20msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜19のいずれか一つの値を有することができ、40msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜39のいずれか一つの値を有することができ、80msの周期でCSI−RSが送信される場合、オフセット値は0〜79のいずれか一つの値を有することができる。このオフセット値は、所定の周期でCSI−RSを送信する基地局がCSI−RS送信を開始するサブフレームの値を表す。基地局がCSI−RSの送信周期およびオフセット値を知らせると、端末は、その値を用いて当該サブフレーム位置において基地局のCSI−RSを受信することができる。端末は、受信したCSI−RSを用いてチャネルを測定し、その結果としてCQI、PMIおよび/またはRI(Rank Indicator)などの情報を基地局に報告することができる。本文書で、CQI、PMIおよびRIを区別して説明する場合以外は、これらを総称してCQI(または、CSI)ということができる。また、CSI−RSの送信周期およびオフセットは、CSI−RS設定ごとに指定することができる。
【0113】
図10は、CSI−RSが非周期的に送信される方式の一例を説明する図である。図10では、一つの無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0乃至9)で構成されている。図10に示すように、CSI−RSが送信されるサブフレームは、特定のパターンで現れてもよい。例えば、CSI−RSの送信パターンを10サブフレーム単位で構成することができ、それぞれのサブフレームに対してCSI−RS送信の有無を1ビット指示子で示すことができる。図10の例では、10個のサブフレーム(サブフレームインデックス0乃至9)におけるサブフレームインデックス3および4で送信されるCSI−RSのパターンを示している。このような指示子は、上位層シグナリングで端末に提供することができる。
【0114】
CSI−RS送信に対する設定(configuration)は、前述したように様々に構成することができ、端末が正しくCSI−RSを受信してチャネル測定を行うようにするためには、基地局がCSI−RS設定を端末に知らせる必要がある。CSI−RS設定を端末に知らせる本発明の実施例を、以下に説明する。
【0115】
CSI−RS設定を知らせる方式
一般に、基地局が端末にCSI−RS設定を知らせる方式として、次の2つの方式を考慮することができる。
【0116】
第一の方式は、動的ブロードキャストチャネル(Dynamic Broadcast CHannel;DBCH)シグナリングを用いて、CSI−RS設定に関する情報を、基地局が端末にブロードキャストする方式である。
【0117】
従来のLTEシステムで、システム情報に関する内容を基地局が端末に知らせるとき、通常、BCH(Broadcasting CHannel)を介して当該情報を送信することができる。仮に、端末に知らせるシステム情報に関する内容が多いため、BCHだけでは全て送信てぎない場合には、基地局は一般の下りリンクデータと同様の方式でシステム情報を送信する。但し、当該データのPDCCH CRCを、特定の端末識別子(例えば、C−RNTI)ではなくシステム情報識別子(SI−RNTI)を用いてマスクしてシステム情報を送信することができる。この場合、実際のシステム情報は、一般のユニキャストデータと併せてPDSCH領域上で送信される。これによって、セルにおける全端末はSI−RNTIを用いてPDCCHをデコーディングした後、当該PDCCHが指すPDSCHをデコーディングしてシステム情報を取得することができる。このような方式のブロードキャスト方式を、一般のブロードキャスト方式であるPBCH(Physical BCH)と区別してDBCH(Dynamic BCH)と呼ぶことができる。
【0118】
一方、従来のLTEシステムでブロードキャストされるシステム情報は、2種類に大別される。その一つは、PBCHを介して送信されるMIB(Master Information Block)であり、もう一つは、PDSCH領域上で一般ユニキャストデータと多重化して送信されるSIB(System Information Block)である。従来のLTEシステムでは、SIBタイプ1乃至SIBタイプ8(SIB1乃至SIB8)として送信される情報を定義しているが、従来のSIBタイプに定義されていない新しいシステム情報であるCSI−RS設定に関する情報のために新しいSIBタイプを定義することができる。例えば、SIB9またはSIB10を定義し、これによって、CSI−RS設定に関する情報を、基地局がDBCH方式でセル内の端末に知らせることができる。
【0119】
第二の方式は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングを用いて、CSI−RS設定に関する情報を、基地局がそれぞれの端末に知らせる方式である。すなわち、専用(dedicated)RRCシグナリングを用いて、CSI−RS設定に対する情報をセル内の各端末に提供することができる。例えば、端末が初期アクセスまたはハンドオーバによって基地局と接続(connection)を確立(establish)する過程で、基地局が当該端末にRRCシグナリングでCSI−RS設定を知らせることができる。あるいは、基地局が端末にCSI−RS測定に基づくチャネル状態フィードバックを要求するRRCシグナリングメッセージを送信する時、該RRCシグナリングメッセージでCSI−RS設定を当該端末に知らせることもできる。
【0120】
CSI−RS設定の指示(indication)
任意の基地局において複数のCSI−RS設定を用いることができ、基地局は、それぞれのCSI−RS設定によるCSI−RSを、あらかじめ決定されたサブフレーム上で端末に送信することができる。この場合、基地局は端末に複数のCSI−RS設定を知らせ、そのうち、CQI(Channel Quality Information)またはCSI(Channel State Information)のフィードバックのためのチャネル状態の測定に用いられるCSI−RSを端末に知らせることができる。
【0121】
このように基地局が、端末で用いられるCSI−RS設定およびチャネル測定に用いられるCSI−RSを知らせる(indicate)実施例を、以下で説明する。
【0122】
図11は、2つのCSI−RS設定が用いられる例を説明する図である。図11では、一つの無線フレームが10個のサブフレーム(サブフレーム番号0乃至9)で構成されている。図11で、第1のCSI−RS設定、すなわち、CSI−RS1は、CSI−RSの送信周期が10msであり、CSI−RSの送信オフセットが3である。図11で、第2のCSI−RS設定、すなわち、CSI−RS2は、CSI−RSの送信周期が10msであり、CSI−RSの送信オフセットが4である。基地局は端末に2つのCSI−RS設定に関する情報を知らせ、そのうちいずれのCSI−RS設定をCQI(または、CSI)フィードバックのために用いればよいかを知らせることができる。
【0123】
端末は、特定のCSI−RS設定に対するCQIフィードバックを基地局から要求されると、当該CSI−RS設定に属するCSI−RSのみを用いてチャネル状態測定を行うことができる。具体的には、チャネル状態は、CSI−RSの受信品質と雑音/干渉の量とこれらの間の相関係数との関数で決定されるが、CSI−RS受信品質の測定は、当該CSI−RS設定に属するCSI−RSのみを用いて行い、雑音/干渉の量および相関係数(例えば、干渉の方向を示す干渉共分散行列(Interference Covariance Matrix)など)を測定するためには、当該CSI−RS送信サブフレームまたは指定されたサブフレームで測定を行うことができる。例えば、図11の実施例で、端末が第1のCSI−RS設定(CSI−RS1)に対するフィードバックを送るように基地局から要求される場合、端末が、一つの無線フレームの4番目のサブフレーム(サブフレームインデックス3)で送信されるCSI−RSを用いて受信品質測定を行い、雑音/干渉の量および相関係数の測定のためには、別に奇数番目のサブフレームを用いるように指定することかできる。あるいは、CSI−RS受信品質測定と雑音/干渉の量および相関係数の測定とを特定の単一のサブフレーム(例えば、サブフレームインデックス3)に制限して測定するように指定することもできる。
【0124】
例えば、CSI−RSを用いて測定された受信信号品質は、信号−対−干渉および雑音比(Signal-to-Interference plus Noise Ratio;SINR)であり、簡略的にS/(I+N)(ここで、Sは受信信号の強度、Iは干渉の量、Nはノイズの量)と表現することができる。Sは、該当の端末に送信される信号とともにCSI−RSを含むサブフレームでCSI−RSを用いて測定することができる。IおよびNは、周辺セルからの干渉の量、周辺セルからの信号の方向などによって変化するため、Sを測定するサブフレームまたは別に指定されるサブフレームで送信されるCRSなどを用いて測定することができる。
【0125】
ここで、雑音/干渉の量と相関係数との測定は、当該サブフレーム内のCRSまたはCSI−RSが送信されるリソース要素(Resource Element;RE)で行われてもよく、または、雑音/干渉の測定を容易にするために、設定されたヌルリソース要素(Null RE)で行われてもよい。CRSまたはCSI−RS REにおいて雑音/干渉を測定するために、端末はまずCRSまたはCSI−RSを復元(recover)した後、その結果を受信信号から引いて(subtract)雑音および干渉信号のみを残し、これから雑音/干渉の統計値を得ることができる。Null REは、当該基地局がいかなる信号も送信せずに空にしておく(すなわち、送信電力が0(zero)である)REを意味し、当該基地局以外の基地局からの信号測定を容易にさせる。雑音/干渉の量と相関係数との測定のためにCRS RE、CSI−RS REおよびNull REを全て用いることもできるが、基地局は、そのうちいずれのREを用いて雑音/干渉を測定すればよいかを端末に指定することもできる。これは、端末が測定を行うRE位置で送信される隣接セルの信号がデータ信号であるか制御信号であるか等によって当該端末が測定するREを適切に指定することが必要であるためであり、当該RE位置で送信される隣接セルの信号は、セル間同期が取れているか否か、CRS設定(configuration)およびCSI−RS設定などによって変わるため、基地局でそれを把握し、測定を行うREを端末に指定することができる。すなわち、基地局はCRS RE、CSI−RS REおよびNull REの全てまたは一部を用いて雑音/干渉を測定するように端末に指定することができる。
【0126】
例えば、基地局は複数のCSI−RS設定を用いることができ、基地局は端末に一つ以上のCSI−RS設定を知らせながら、そのうち、CQIフィードバックに用いられるCSI−RS設定およびNull RE位置について知らせることができる。端末がCQIフィードバックに用いるCSI−RS設定は、0の送信電力で送信されるNull REと区別する側面で表現すると、0でない(non-zero)送信電力で送信されるCSI−RS設定ということができる。例えば、基地局は、端末がチャネル測定を行う一つのCSI−RS設定を知らせ、端末は当該一つのCSI−RS設定においてCSI−RSが0でない(non-zero)送信電力で送信されると仮定(assume)することができる。これに加えて、基地局は0の送信電力で送信されるCSI−RS設定について(すなわち、Null RE位置について)知らせ、端末は、当該CSI−RS設定のリソース要素(RE)位置に対して0の送信電力であることを仮定することができる。言い換えると、基地局は、0でない送信電力の一つのCSI−RS設定を端末に知らせながら、0の送信電力のCSI−RS設定が存在する場合には、当該Null RE位置を端末に知らせることができる。
【0127】
上記のようなCSI−RS設定の指示方法に対する変形例として、基地局は端末に複数のCSI−RS設定を知らせ、そのうち、CQIフィードバックに用いられる全てまたは一部のCSI−RS設定について知らせることができる。これによって、複数のCSI−RS設定に対するCQIフィードバックを要求された端末は、それぞれのCSI−RS設定に該当するCSI−RSを用いてCQIを測定し、測定された複数のCQI情報を共に基地局に送信することができる。
【0128】
あるいは、端末が複数のCSI−RS設定のそれぞれに対するCQIを基地局に送信できるように、基地局は端末のCQI送信に必要な上りリンクリソースをそれぞれのCSI−RS設定ごとにあらかじめ指定することができ、このような上りリンクリソース指定に関する情報をRRCシグナリングであらかじめ端末に提供することができる。
【0129】
あるいは、基地局は、端末が複数のCSI−RS設定のそれぞれに対するCQIを基地局に送信するように、動的にトリガ(trigger)することができる。CQI送信の動的なトリガは、PDCCHを介して行うことができる。いずれのCSI−RS設定に対するCQI測定を行うかを、PDCCHを介して端末に知らせることができる。このようなPDCCHを受信する端末は、当該PDCCHで指定されたCSI−RS設定に対するCQI測定結果を基地局にフィードバックすることができる。
【0130】
複数のCSI−RS設定のそれぞれに該当するCSI−RSの送信時点は、異なるサブフレームで送信されるように指定されてもよく、または、同一のサブフレームで送信されるように指定されてもよい。同一のサブフレームで異なるCSI−RS設定によるCSI−RSの送信が指定される場合、それらを互いに区別することが必要である。それぞれ異なるCSI−RS設定によるCSI−RSを区別するために、CSI−RS送信の時間リソース、周波数リソースおよびコードリソースのうち一つ以上を、異なるように適用することができる。例えば、当該サブフレームでCSI−RSの送信REの位置がCSI−RS設定ごとに異なるように(例えば、一つのCSI−RS設定によるCSI−RSは図8(a)のRE位置で送信され、他のCSI−RS設定によるCSI−RSは同サブフレームにおいて図8(b)のRE位置で送信されるように)指定することができる(時間および周波数リソースを用いた区別)。あるいは、それぞれ異なるCSI−RS設定によるCSI−RSが同一のRE位置で送信される場合に、互いに異なるCSI−RS設定においてCSI−RSスクランブリングコードを異なるように使用することによって互いに区別できるようにすることができる(コードリソースを用いた区別)。
【0131】
擬似コロケーション(Quasi Co-located;QC)
端末は、CoMPに属する全ての送信ポイント(Transmission Point;TP)、例えば、TP1およびTP2からデータを受信し、これによって、端末は上記CoMP集合(set)に属する全てのTPに対するチャネル状態情報を送信することができる。この場合、RSも、上記CoMP集合内の複数のTPから上記端末に送信されうる。このような場合において、異なったTPの異なったRSポートからのチャネル推定のための特性を互いに共有できるとすれば、上記端末の受信処理(processing)の負荷および複雑度を低減することができるはずである。なお、同一のTPの異なったRSポートからのチャネル推定のための特性をRSポート間で共有できるとすれば、上記端末の受信処理の負荷および複雑度を低減することができるはずである。そこで、LTE−Aシステムは、RSポート間のチャネル推定のための特性を共有する方法を提案している。
【0132】
このようなRSポート間のチャネル推定のために、LTE−Aシステムは、“擬似コロケーション(Quasi Co-Located;QCL)”という概念を導入した。例えば、一つのアンテナポートを介してシンボルが伝達される無線チャネルの広域特性(large-scale property)を、他のアンテナポートを介してシンボルが伝達される無線チャネルから推論(infer)できる場合、これらの2つのアンテナポートは擬似コロケーションされるといえる。ここで、広域特性は、遅延拡散(delay spread)、ドップラ拡散(Doppler spread)、ドップラシフト(Doppler shift)、平均利得(average gain)および平均遅延(average delay)の1つ以上を含む。以下、上記の擬似コロケーションを簡単に「QCL」と呼ぶ。
【0133】
すなわち、2つのアンテナポートがQCLされるということは、一つのアンテナポートからの無線チャネルの広域特性が、他のアンテナポートからの無線チャネルの広域特性と同一であるということを意味する。異なった2種類のRSが送信されるアンテナポートがQCLされると、一つの種類のアンテナポートからの無線チャネルの広域特性を、他の種類のアンテナポートからの無線チャネルの広域特性に代えることができる。
【0134】
上記のQCLの概念から、端末は、非−QCLアンテナポートに対しては該当のアンテナポートからの無線チャネル間で同一の広域特性を仮定することができない。すなわち、この場合、端末は、タイミング取得およびトラッキング(tracking)、周波数オフセット推定および補償、遅延推定およびドップラ推定などについて、それぞれの設定された非−QCLアンテナポートごとに独立した処理を行わなければならない。
【0135】
QCLを仮定できるアンテナポート間に対して、端末は次のような動作を行うことができるという長所がある。まず、端末は、一つのアンテナポートからの無線チャネルに関する遅延拡散、ドップラスペクトル、ドップラ拡散推定結果を、他のアンテナポートからの無線チャネルに関するチャネル推定時に用いることができる。次に、周波数シフトおよび受信したタイミングについて、端末は、一つのアンテナポートに対する時間および周波数の同期を行った後、同一の同期を他のアンテナポートの復調に適用することができる。次に、平均受信電力について、端末は、2つ以上のアンテナポートに対してRSRP(Reference Signal Received Power)測定を平均することができる。
【0136】
端末が制御チャネル(PDCCHまたはePDCCH)を介してDMRS−ベースの下りリンク−関連DCIフォーマットを受信すると、端末は、DMRSシーケンスを用いて該当のPDSCHに対するチャネル推定を行った後、データ復調を行う。例えば、端末が下りリンクスケジューリンググラント(grant)から受け取ったDMRSポートの構成(configuration)がCRSポートとのQCL仮定(assumption)をすることができた場合、端末は、該当のDMRSポートを介したチャネル推定時に、CRSポートから推定した無線チャネルの広域特性の推定値をそのまま適用することができる。これは、CRSは各サブフレームでかつ全体帯域にわたって相対的に高い密度(density)でブロードキャストされる参照信号であるから、一般に、上記の広域特性に関する推定値は、CRSからより安定して取得できるためである。これに対し、DMRSは、特定のスケジューリングされたRBに対しては端末−固有に送信され、また、PRG単位で基地局が送信に用いたプリコーディング行列が変わることがあるため、端末によって受信される有効チャネルはPRG単位で変わりうる。そのため、広い帯域にわたってDMRSを無線チャネルの広域特性推定用に使用すると、性能の劣化が発生しうる。CSI−RSも比較的その送信周期が長く、低い密度を有するため、CSI−RSも同様、無線チャネルの広域特性の推定用に用いると、性能の劣化を招きうる。
【0137】
すなわち、アンテナポート間のQCL仮定を、各種の下りリンク参照信号の受信、チャネル推定、チャネル状態報告などに活用することができる。
【0138】
PRBバンドリング
PRBバンドリング(bundling)とは、データ送信時に、隣接した複数のリソースブロックにわたって同一のPMIを適用することをいう。言い換えれば、端末がPMI/RI報告(reporting)を行うために、周波数領域(Domain)上の複数のリソースブロックを、プリコーディング(precoding)のための1つのグラニュラリティ(granularity)と仮定することである。
【0139】
【数21】
【0140】
表3を参照して、LTEシステムで端末が仮定するPRGの大きさについてより具体的に説明する。LTEシステムでは、与えられたシステム帯域幅に対して端末が仮定するPRBの大きさを、下記の表3のように定義している。
【0141】
【表3】
【0142】
【数22】
【0143】
CoMPシステムにおけるPRBバンドリング
従来のLTEシステムは基地局間協調通信(CoMP)をサポートせず、各端末は1つのCSIプロセスを有する。そのため、CSIプロセスのPMI/RI報告の有無によって、PRBバンドリング(bundling)が適用されるか否かを、端末と基地局が明確に判断することができた。
【0144】
例えば、従来のLTEシステムにおいてCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合、システム帯域幅によってPRBバンドリングが適用されてもよい。PRBバンドリングが適用されると、端末は、同一のプリコーディングが適用される隣接PRBのチャネルを同一のチャネルと見なし、バンドリングが適用された隣接PRBにわたってチャネル補間(interpolation)を行う。その結果、チャネル推定性能および復調性能を向上させることができる。一方、TDDシステムにおいてチャネル可逆性(reciprocity)を用いて下りリンクスケジューリングを行う場合には、基地局が上りリンクSRSから下りリンクチャネルの一部の特性を把握できるため、端末からPMIおよびRIがフィードバックされなくてもよい。したがって、この場合にはPMI/RI報告を非活性化することが効果的である。このとき、基地局はPRBバンドリングを適用せず、PRB単位に下りリンクチャネルを推定して適切なPMIおよびRIを設定する。
【0145】
しかしながら、CoMPシステムにおいて、端末は、サービングセル(または、送信ポイント)のチャネル情報だけでなく、CoMPに参加する隣接セルまたは送信ポイントのチャネル情報も基地局にフィードバックしなければならない。すなわち、CoMPシステムにおいて、端末は、1つのCSIプロセスではなく複数の(multiple)CSIプロセスによるCSIをフィードバックする。
【0146】
一つの端末に設定される複数のCSIプロセスは、互いに独立して設定されうる。例えば、上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を通じて各CSIプロセスは独立してPMI/RI報告(reporting)が活性化(enable)または非活性化(disable)されてもよい。また、TDDシステムでCoMPを行う場合、セルごとに上りリンク干渉環境が異なるため、CoMPに参加するセルのうち、上りリンク干渉を微弱に受信するセルは、チャネル可逆性を用いてPMI/RI情報を得ることができるが、上りリンク干渉を強く受信するセルは、チャネル可逆性を用いてPMI/RI情報を得難い。
【0147】
したがって、CSIプロセスごとに、チャネル可逆性を用いるか否かによってPMI/RI報告を非活性化または活性化することが効果的である。すなわち、複数のCSIプロセスのうち、一部のCSIプロセスはPMI/RI報告が活性化され、残りはPMI/RI報告が非活性化されてもよい。
【0148】
CoMPシステムにおいて、複数のCSIプロセスの各CSIプロセスが独立したPMI/RI報告の設定を有し得ることから、PRBバンドリングが適用されるか否かを決定する方法が問題となる。
【0149】
以下では、複数のCSIプロセスの各CSIプロセスが独立したPMI/RI報告設定を有する場合、PRBバンドリングが適用されるか否かを決定する方式を提案する。すなわち、下記の実施例に係る動作を基地局と端末とが約束することによって、PRBバンドリングが適用されるか否かの曖昧さを防止することができる。
【0150】
第1−1実施例
本発明の第1−1実施例によれば、端末は、1つのサービングセルに対して設定されたCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化されると、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、1つのサービングセルに対して設定された複数のCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングの適用されたPRBグループ(PRB Group;PRG)単位でDMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0151】
同様に、端末は、1つのサービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、1つのサービングセルに設定した全てのCSIプロセスのPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0152】
第1−2実施例
本発明の第1−2実施例によれば、端末は1つのサービングセルに対して設定されたCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、1つのサービングセルに対して設定された複数のCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0153】
同様に、端末は、1つのサービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、1つのサービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングの適用されたPRBグループ単位でDMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0154】
図12は、本発明の第1−2実施例に係るチャネル推定方法を示すフローチャートである。
【0155】
まず、端末は、サービングセルのチャネル状態情報(CSI)の報告のための少なくとも1つのチャネル状態情報(CSI)設定に関する情報を受信する(S1210)。CSI設定についての説明は、上述した通りであり、その詳細な説明は省略する。
【0156】
次に、端末は、サービングセルに対して設定された少なくとも一つのCSI設定がいずれもPMI/RIを報告するように設定された場合、複数のリソースブロックに同一のプリコーディング行列が適用されたと決定し、少なくとも1つのCSI設定のうち、PMI/RIを報告しないように設定されたCSI設定が存在する場合、1つのリソースブロックにプリコーディング行列が適用されたと決定する(S1230)。
【0157】
すなわち、基地局は、1つのサービングセルに対して設定された複数のCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。仮に、設定された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合、端末は、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。
【0158】
次に、端末は基地局から復調参照信号(DMRS)を受信する(S1205)。この時、端末は、PRBバンドリングが適用されたか否かを考慮してDMRSを受信することができる。端末は、サービングセルに対する複数のCSIプロセスのうち少なくとも1つのCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合、PRBバンドリングが適用されないことと判断してDMRSを受信する。仮に、サービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合、PRBバンドリングが適用されることと判断してDMRSを受信する。
【0159】
次に、端末は、上記の決定するステップの結果に基づいてチャネルを推定する(S1270)。端末は、PRBバンドリングが適用されたか否かに基づいてDMRSを受信し、受信したDMRSを用いてチャネルを推定し、データを復調できる。
【0160】
第1−3実施例
第1−1実施例または第1−2実施例において、複数のCSIプロセスの設定によってPRBバンドリングの適用が半静的(semi static)に決定されてもよい。第1−3実施例では、DCIで送信されるQCL情報を用いて、端末が、PRBバンドリングが適用されたか否かを動的に判断する方式を提案する。あるいは、QCL情報の他、DCIに新しいフィールドを追加し、PRBバンドリングが適用されるか否かを知らせることもできる。
【0161】
QCL環境で、基地局は、端末がデータ復調を正しく行えるように、端末にDMRSがどのセル(または、送信ポイント)から送信されるかに関するQCL情報を、DCIフィールドで知らせる。すなわち、基地局は端末に、DCIの特定のフィールドを用いて、設定された複数のCSIプロセスのいずれのCSIプロセスに該当するチャネルでDMRSが送信されるかを知らせることができる。例えば、DCIに2ビットのフィールドを追加し、該ビットが00、01、10のとき、それぞれ、第1CSIプロセス、第2CSIプロセス、第3CSIプロセスを指示するようにしてQCL情報を知らせることができる。すなわち、00のとき、端末は、受信したDMRSが第1CSIプロセスに該当するチャネルから送信されたと仮定し、データ復調を行う。
【0162】
すなわち、QCL環境で、端末は、DCIを介して受信したQCL情報(すなわち、CSIプロセス情報)に基づいて、DMRSにPRBバンドリングが適用されたか否かを判断できる。
【0163】
基地局がQCL情報で端末に知らせたCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合、端末は、データ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、QCL情報で端末に知らせたCSIプロセスのPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0164】
同様に、基地局がQCL情報で端末に知らせたCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合、端末は、データ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、QCL情報で端末に知らせたCSIプロセスのPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングが適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0165】
第1−4実施例
端末は、1つのサービングセルに対して設定されたCSIプロセスのうち、PMI/RI報告が活性化されたCSIプロセスがN個以上の場合に、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、1つのサービングセルに対して設定されたCSIプロセスのうち、PMI/RI報告を活性化したCSIプロセスがN個以上の場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングの適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。Nは、定められた(static)値であってもよく、RRCシグナリングなどによって半静的に決定されてもよい。
【0166】
以下では、複数のNZP(Non-Zero-Power)CSI−RSごとに、PMI/RI報告がされるか否かが独立して設定された場合に、PRBバンドリングが適用されるか否かを決定する方式を提案する。CoMPシステムでは、特定のCSIプロセスに対応するセルのみがデータを送信するため、設定された全てのCSIプロセスを考慮しなくてもよい。そのため、設定された全てのCSIプロセスを考慮するのではなく、NZP CSI−RSを基準に、実質的にデータを送信するセルに対応するCSIプロセスのみを対象に、PRBバンドリングが適用されるか否かを決定することができる。
【0167】
第2−1実施例
端末は、設定されたNZP CSI−RSのうち少なくとも1つのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告が活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に設定したNZP CSI−RSのうち少なくとも1つのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングが適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0168】
同様に、端末は、設定された全てのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告が非活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に設定した全てのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0169】
第2−2実施例
端末は、設定されたNZP CSI−RSのうち少なくとも1つのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告が非活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に設定したNZP CSI−RSのうち少なくとも1つのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0170】
同様に、端末は、設定された全てのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告が活性化された場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に設定した全てのNZP CSI−RSに関してPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングが適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0171】
第2−3実施例
第2−1実施例または第2−2実施例において、NZP CSI−RS設定によってPRBバンドリングの適用が半静的に決定されてもよい。第2−3実施例では、DCIを介して送信されるQCL情報を用いて端末がPRBバンドリングの適用を動的に判断する方式を提案する。
【0172】
QCL環境で、基地局は、端末がデータ復調を正しく行えるように、端末にDMRSがどの送信ポイント(TP)から送信されるかに関するQCL情報を、DCIフィールドを用いて知らせる。すなわち、基地局は端末にDCIの特定のフィールドを用いて、設定された複数のNZP CSI−RSのいずれのNZP CSI−RSが送信されたチャネルでDMRSが送信されるかを知らせることができる。例えば、DCIに2ビットフィールドを追加し、該ビットが00、01、10の場合、それぞれ、第1NZP CSI−RS、第2NZP CSI−RS、第3NZP CSI−RSを指示するようにしてQCL情報を知らせることができる。すなわち、00のとき、端末は、受信したDMRSが、第1NZP CSI−RSが送信されたチャネルから送信されたと仮定し、データ復調を行う。
【0173】
すなわち、QCL環境で、端末は、DCIを介して受信したQCL情報(すなわち、NZP CSI−RS情報)を基準に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたか否かを判断できる。
【0174】
基地局がQCL情報で端末に知らせたNZP CSI−RSのPMI/RI報告が非活性化された場合、端末は、データ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、QCL情報で端末に知らせたNZP CSI−RSのPMI/RI報告を非活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0175】
同様に、基地局がQCL情報で端末に知らせたNZP CSI−RSのPMI/RI報告が活性化された場合、端末は、データ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、QCL情報で端末に知らせたNZP CSI−RSのPMI/RI報告を活性化した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングが適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0176】
第3−1実施例
実施例1−1、1−2または1−4では、1つのサービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスを基準に、PRBバンドリングを適用するか否かを決定した。すなわち、1つのサービングセルに対して設定された全てのCSIプロセスを対象に実施例1−1、1−2または1−4の基準を適用し、その基準を満たす場合にPRBバンドリングを適用する。
【0177】
しかしながら、端末に実質的にデータを送信することに対応するCSIプロセスは、それらの一部に過ぎない。例えば、表1および表2のように1つのサービングセルに対して3つのCSIプロセスが設定された場合、DPSを用いて隣接セルであるセル2がデータを送信するとすれば、実際のデータ送信に対応するCSIプロセスはCSIプロセス2だけである。したがって、全てのCSIプロセスに対してPRBバンドリング基準を適用することは非効率的である。
【0178】
より効率的な動作のために、PQIを介して送信されるQCL情報を用いて、PRBバンドリング基準を適用するCSIプロセスの対象を縮小することを提案する。例えば、端末は、PQIから、実際のデータ送信に参加するセルのNZP CSI−RS情報を得、自体に設定されたCSIプロセスのうち、このNZP CSI−RSを用いるプロセスのみを考慮し、PRBバンドリング基準を適用する。すなわち、上述した実施例においてPQIで指定されたNZP CSI−RSがNZP CSI−RS 1である場合、端末は、CSIプロセス1に対して、実施例1−1、1−2または1−4を考慮し、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。あるいは、上述した実施例においてPQIで指定されたNZP CSI−RSがNZP CSI−RS 0である場合、端末は、CSIプロセス0、2に対して実施例1−1、1−2または1−4を考慮し、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0179】
LTEリリース−11の端末が、送信モード10でDCIフォーマット(format)1Aを受信する場合、PQI情報は、DCIフォーマット2Dで定義されたPQIの4つの状態(state)のうち、最初の状態情報となる。この場合、最初のPQI状態に該当するNZP CSI−RSを使用するCSIプロセスを選択し、そのCSIプロセスを考慮して実施例1−1、1−2または1−4のPRBバンドリングの基準を適用する。
【0180】
第3−2実施例
上記の第3−1実施例は、LTEリリース−11で定義されたQCL動作(behavior)B(QCLBB)では問題なく動作する。これは、QCL動作Bの場合、端末がPQI情報から実際のデータ送信チャネルに対応するNZP CSI−RS情報を得ることができるためである。しかし、サービングセルCRSとNZP CSI−RSとDMRSとの間の(或いは、全てのポート間の)QCLを仮定するQCL動作A(QCLBA)では、PQI情報に上記NZP CSI−RS情報が含まれないため、これを考慮して第3−1実施例の動作が修正されなければならない。
【0181】
LTEリリース−11では、基本的に、NZP CSI−RSとCRSとの間に部分的(partial)QCLを仮定する。QCLBBの場合、上述した通り、NZP CSI−RSとCRSとの間の部分的QCLを仮定し、このとき、CRSと部分的QCLされたNZP CSI−RSとは、RRCシグナリングで端末に知らされる。言い換えれば、NZP CSI−RS設定ごとに特定のセルのCRSがRRCシグナリングによってマッピングされており、端末は、このマッピングテーブルを参照して両者間の部分的QCLを仮定する。本発明では、説明の便宜のために、このマッピングテーブルを“CRS to NZP CSI−RS QCLマッピングテーブル”と呼ぶ。
【0182】
部分的QCLとは、様々なQCL情報の一部のQCL情報を意味し、動作Bにおいて{ドップラ拡散(Doppler spread)、ドップラシフト(Doppler shift)}のみを意味する。一方、QCLBAの場合、部分的QCLを含むより多い情報、すなわち、{ドップラシフト(Doppler shift)、ドップラ拡散(Doppler spread)、平均遅延(average delay)、遅延拡散(delay spread)}に関してQCLを仮定し、端末に設定された全てのCRS、NZP CSI−RSおよびDMRSポート間のQCLを仮定する。
【0183】
したがって、端末がQCL動作Aと設定された場合には、端末は、DMRSとサービングセルCRSとのQCLを一応仮定する(例えば、QCLBAは、全てのポートがQCLされていると解釈できるため)。このとき、QCLBBのためにRRCシグナリングで受信した上記のCRS to NZP CSI−RS QCLマッピングテーブルを用いて、サービング−セルCRSとマッピングされたNZP CSI−RSを確認することができる。本発明では、説明の便宜のために、このNZP CSI−RSを“基準NZP CSI−RS”と呼ぶ。
【0184】
第3−1実施例では、PQIを介して実際のデータ送信に参加するセルのNZP CSI−RS情報を得、このNZP CSI−RSを用いてPRBバンドリング基準を適用するCSIプロセスを選択した。これとは違い、第3−2実施例では、上記の基準NZP CSI−RSを用いて、PRBバンドリング基準を適用するCSIプロセスを選択する。例えば、端末は、上記の過程によって基準NZP CSI−RS情報を得、自体に設定されたCSIプロセスのうち、このNZP CSI−RSを使用するプロセスのみを考慮してPRBバンドリング基準を適用する。すなわち、表1、2の例において、基準NZP CSI−RSがNZP CSI−RS1である場合、端末は、CSIプロセス1に対して、実施例1−1、1−2または1−4を考慮し、PRBバンドリングを行うか否かをを決定する。あるいは、上記の例で、基準NZP CSI−RSがNZP CSI−RS 0である場合、端末は、CSIプロセス0、2に対して実施例1−1、1−2または1−4を考慮し、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0185】
CoMPシナリオ(scenario)4では、隣接セルが同一のセルIDを共有するため、上記のCRS to NZP CSI−RS QCLマッピングテーブルで1つのサービングセルCRSと複数のNZP CSI−RSとがマッピングされることになる。この場合、第3−2実施例は、複数の基準NZP CSI−RSを有する。このように複数の基準NZP CSI−RSを有する場合についても、第3−2実施例をそのまま拡張適用することができる。すなわち、端末は、基準NZP CSI−RSのうち、1つのNZP CSI−RSを使用するCSIプロセスを把握し、このCSIプロセスを対象に実施例1−1、1−2または1−4を用いて、PRBバンドリングを行うか否か決定する。
【0186】
QCLBAで、端末は、上記のCRS to NZP CSI−RS QCLマッピングテーブルが設定されなかった場合には、実施例1−1、1−2または1−4をそのまま用いる。
【0187】
第4実施例
より簡単には、端末に複数のCSIプロセスが設定された場合、端末は、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されなかったと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に複数のCSIプロセスを設定した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用しない。端末は、PRBごとにDMRSを用いてチャネル推定を行う。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0188】
第5実施例
より簡単には、端末に複数のCSIプロセスが設定された場合、端末は、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されたと仮定して復調を行う。すなわち、基地局は、一つの端末に複数のCSIプロセスを設定した場合、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。端末は、バンドリングが適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネル補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0189】
一方、QCL動作によって、上記実施例のうち、異なる方式が適用されてもよい。例えば、QCLBAの場合、実施例4または5が用いられて簡単に具現されるが、QCLBBの場合、実施例3−1が用られてもよい。
【0190】
第6実施例
端末に複数のCSIプロセスが設定された場合、端末は、最も低いインデックスのCSIプロセスを基準に、PRBバンドリングが適用されたか否かを把握する。すなわち、基地局は、一つの端末に複数のCSIプロセスを設定した場合、最も低いインデックスのCSIプロセスに関してRI/PMI報告を活性化すると、データ送信時に、データおよびDMRSにPRBバンドリングを適用する。
【0191】
端末は、最も低いインデックスのCSIプロセスに関してRI/PMI報告が活性化されている場合、基地局からのデータ受信時に、DMRSにPRBバンドリングが適用されると仮定して復調を行う。端末は、バンドリングの適用されたPRBグループ単位で(例えば、PRG単位で)DMRSを用いてチャネルを補間を行い、より正確なチャネルを推定できる。その後、端末は、推定されたチャネルに基づいてデータ復調を行う。
【0192】
最も低いインデックスのCSIプロセスに関してRI/PMI報告が非活性化されていない場合、端末はバンドリングを適用しない。
【0193】
第7実施例
CoMP動作において周波数選択(frequency selective)DPSとは、特定のサブフレームに、一つの端末が特定のPRBでセルAからデータを受信し、他のPRBでセルBからデータを受信する動作を行う。セルAおよびセルBからデータを受信するPRBをそれぞれ、PRB−AおよびPRB−Bとすれば、端末は、PRB−AおよびPRB−Bを一つのPRBバンドル(bundle)にまとめて復調してはならない。送信セルが異なるのでPRB−AおよびPRB−Bの受信チャネルが互いに異なるためである。
【0194】
したがって、周波数選択DPSでPRBバンドリングの誤動作を防ぐために、基地局は、周波数選択DPSを行う場合、DCIなどの動的(dynamic)シグナリングを用いて、該当のサブフレームでPRBバンドリングを行わないように端末に知らせる。あるいは、端末が周波数選択DPSが適用されたか否かを把握できると、端末は、周波数選択DPSから、データ受信時に、PRB−AとPRB−Bとの間にはPRBバンドリングを期待しない。
【0195】
第8実施例
より簡単な方式として、端末にRRCシグナリングを用いて半静的に、PRBバンドリングを行うか否かを知らせることができる。RRCシグナリングによってPRBバンドリングが活性化された場合、端末は、PRBバンドリングを行い、そうでない場合にはPRBバンドリングを行わない。LTEリリース−10システムでは、PRBバンドリングを行うか否かがRRCで指定されないが、リリース−11において複数のCSIプロセスが設定されることから、PRBバンドリングを行うか否かがRRCで指定されることが一つの解決策となり得る。LTEリリース−11の端末は、送信モードによって、PRBバンドリングを行うか否かを異なる方式で定義する。例えば、送信モード10では、上記の提案されたRRCシグナリングによって、バンドリングを行うか否かを決定し、送信モード9では、従来の方式の通りに、バンドリングを行うか否かを決定する。また、ここで、RRCシグナリングの代わりに、DCIに新しいフィールドを追加し、PRBバンドリングを行うか否かを知らせることもできる。
【0196】
さらに、第8実施例は、上述した実施例と組み合わせてもよい。例えば、上記実施例1−2と組み合わせる場合、端末は、全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合にPRBバンドリングを行い、全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合にPRBバンドリングを行わない。また、PMI/RI報告が非活性化されたCSIプロセスと活性化されたCSIプロセスとが混在する場合には、上記RRCシグナリングによって、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0197】
他の例として、上記実施例3−1および実施例1−2と組み合わせる場合、端末は、まず、実施例3−1の方式の通り、PQI情報を用いてCSIプロセスを選択する。その後、端末は、選択されたCSIプロセスに対して実施例1−2を適用する。すなわち、選択された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が活性化された場合にPRBバンドリングを行い、選択された全てのCSIプロセスのPMI/RI報告が非活性化された場合にPRBバンドリングを行わない、また、選択されたCSIプロセスでPMI/RI報告が非活性化されたCSIプロセスと活性化されたCSIプロセスとが混在する場合には、上記RRCシグナリングによって、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0198】
あるいは、第8実施例は、QCLBによって運用されてもよい。例えば、QCLBBの場合、追加された提案1を用いて、PRBバンドリングを行うか否かを決定し、QCLBAの場合、RRCシグナリングによって、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0199】
あるいは、PRBバンドリングに対するRRCシグナリングがPQI状態ごとに端末に送信されてもよい。例えば、RRCシグナリングを通じて、PQIの4つの状態に対してそれぞれPRBバンドリングを行うか否かを独立して知らせることができる。端末は、DCIに含まれているPQI情報を得た後、該当のPQI状態に対応するRRCシグナリングをマッピングし、PRBバンドリングを行うか否かを決定する。
【0200】
図13に、本発明の一実施例に適用可能な基地局および端末を例示する。
【0201】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクで通信は基地局とリレーとの間で行われ、アクセスリンクで通信はリレーと端末との間で行われる。したがって、図面に例示した基地局または端末は、状況によってリレーに置き換えてもよい。
【0202】
図13を参照すると、無線通信システムは、基地局1310および端末1320を含む。基地局1310は、プロセッサ1313、メモリ1314および無線周波数(Radio Frequency;RF)ユニット1311,1312を含む。プロセッサ1313は、本発明で提案した手順および/または方法を具現するように構成することができる。メモリ1314は、プロセッサ1313と接続され、プロセッサ1313の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット1311,1312は、プロセッサ1313と接続され、無線信号を送信および/または受信する。端末1320は、プロセッサ1323、メモリ1324およびRFユニット1321,1322を含む。プロセッサ1323は、本発明で提案した手順および/または方法を具現するように構成することができる。メモリ1324は、プロセッサ1323と接続され、プロセッサ1323の動作に関連した様々な情報を記憶する。RFユニット1321,1322は、プロセッサ1323と接続され、無線信号を送信および/または受信する。基地局1310および/または端末1320は、単一のアンテナまたは複数のアンテナを有することができる。
【0203】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態で組み合わせたものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施することができる。また、一部の構成要素および/または特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は、変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に置き換わってもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を組み合わせて実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよいことは明らかである。
【0204】
本文書で基地局によって行われるとした特定の動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードによって行われることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。
【0205】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせなどによって具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたは複数のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0206】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶させ、プロセッサによって駆動することができる。
【0207】
メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられて、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0208】
以上開示した本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正および変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0209】
本発明は、本発明の精神および必須特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態として具体化できる。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的な解釈によって決定しなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。ここに開示されている実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を組み合わせて実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0210】
本発明は、端末、リレー、基地局などのような無線通信装置に利用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13