特許第6014292号(P6014292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014292
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】液状前駆体供給装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20161011BHJP
【FI】
   C23C16/448
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-518288(P2016-518288)
(86)(22)【出願日】2014年12月30日
(65)【公表番号】特表2016-521318(P2016-521318A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】KR2014013035
(87)【国際公開番号】WO2015170813
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2015年6月22日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0055770
(32)【優先日】2014年5月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】595025084
【氏名又は名称】韓国生産技術研究院
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF INDUSTRIAL TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ボム ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ホ
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−308082(JP,A)
【文献】 特開2001−247969(JP,A)
【文献】 特開平10−140356(JP,A)
【文献】 特開2011−9379(JP,A)
【文献】 特開2004−111787(JP,A)
【文献】 特開2013−144846(JP,A)
【文献】 特表2010−506429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動を用いて、内部に貯蔵された液状前駆体をエアロゾル状態に変換させるエアロゾル生成器と、
前記エアロゾル生成器から伝達されたエアロゾル状態の前駆体が衝突して熱エネルギーを得て気体状態に変化するように、内部に斜線板状構造の複数のヒーターがジグザグ状に交差配置されたヒーターブロックが設置された気化器と、
前記気化器によって気体状態に変換された前駆体を一定の圧力および温度で貯蔵し、薄膜蒸着工程の際に前記気体状態の前駆体をチャンバーへ供給する前駆体貯蔵手段とを含んでなることを特徴とする、液状前駆体供給装置。
【請求項2】
前記エアロゾル生成器は、
内部に液状前駆体が貯留される貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクの下部に設置され、前記貯蔵タンクの内部に貯留されている液状前駆体がエアロゾルに変換されるように超音波振動を発生させる超音波振動器と、
前記貯蔵タンクの内部に突出するように設けられ、前記貯蔵タンク内の液状前駆体の残量を検出するレベルセンサーとを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項3】
前記ヒーターは、ニッケルボディにタングステンが含有された材質で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項4】
前記気化器は、瞬間気化率を高めるためにヒーターブロックの温度を均一に維持することが可能な温度コントローラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項5】
前記温度コントローラーは、常温〜350℃の気化範囲を有する液状前駆体に適合するようにヒーターブロックの温度を調節することを特徴とする、請求項4に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項6】
前記気化器は液状前駆体の種類に応じて気化容量の調節が可能であることを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項7】
前記前駆体貯蔵手段は、薄膜蒸着工程が進んでいない休止状態で内部に液状前駆体の残留物が存在することを防止するために、真空状態でガスパージ方式によって内部を洗浄する自動浄化機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項8】
前記気化器から前記前駆体貯蔵手段へ前駆体が持続的に供給されることを防止するために、前記気化器と前記前駆体貯蔵手段との間に設けられた遮断弁をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項9】
前記遮断弁は、前駆体が前記気化器内で完全に気体状態に変換された後に開放されることを特徴とする、請求項8に記載の液状前駆体供給装置。
【請求項10】
液状前駆体が貯蔵されたキャニスターと、
前記キャニスターと前記エアロゾル生成器との間に設けられ、前記キャニスターから前記エアロゾル生成器へ供給される液状前駆体の流量を調節する液体流量制御器と、
液状前駆体の圧力を調節するために前記キャニスターと前記液体流量制御器との間に設けられたレギュレーターと、
前記キャニスターと前記レギュレーターとの間に設けられた第1調節弁と、
前記キャニスターと前記液体流量制御器との間に設けられた第2調節弁と、
前記第1調節弁と前記第2調節弁との間に設けられた第3調節弁とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液状前駆体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状前駆体供給装置に係り、特に、半導体素子およびディスプレイ素子の製作の際に低温でも薄膜蒸着工程が可能な液状前駆体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子およびディスプレイ製造工程では、一般に、液状前駆体を用いた薄膜蒸着工程が行われる。液状前駆体は、有機金属リガンド(Metal−Organic Ligand)が蒸着対象物質を包んでいる形で合成され、純粋な薄膜蒸着のためには熱やプラズマを用いて有機金属リガンドを分解する工程が適用される。
【0003】
たとえば、アルミナの蒸着に最も一般に用いられるトリメチルアルミニウム(Trimethyl−Aluminum、TMA)は、Al成分を3つのCHが包んでいる構造であって、熱、プラズマ、オゾンなどを用いてCHを分解する。
【0004】
このような液状前駆体を供給する従来の液状前駆体供給装置は、液状前駆体入りの容器(貯蔵タンクまたはキャニスター(Canister))にバブル(Bubble)を生成した後、キャリアガス(Carrier Gas)を用いて工程チャンバー(Chamber)に液状前駆体を供給する。
【0005】
しかし、このような従来の液状前駆体供給装置は、液状前駆体を気化させるために持続的に熱を加えるので、温度上昇による液状前駆体の劣化が発生し、重金属(Heavy Metal)蒸着の際にリガンドが完全に分解されないから、蒸着された薄膜にポリマー(Polymer)が残留するという問題点が発生する。
【0006】
また、図1に示すように、従来のバブル方式を用いて液状前駆体を気化させるときは、液状前駆体の気化の際に発生する気化熱により、液状前駆体が気化する気化器(Vaporizer)の内部で局部的な冷却が発生することになり、一部気化した液状前駆体が再び液状に変換されるという問題が発生し、気化器内部の熱容量を最大限に使用することができないという欠点がある。
【0007】
一方、薄膜蒸着工程は、一般に550℃以上の高温で行われるため、高温で薄膜蒸着工程を行うには、温度上昇のための高温用ヒーターが必要であり、550℃以上の高温でも変形や熱応力(Thermal Stress)のない基板を使用しなければならないため、半導体素子およびディスプレイの製造の際に生産コストが増加するという問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、350℃以下の低温でも薄膜蒸着工程が可能な液状前駆体供給装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、半導体素子やディスプレイ素子の製造の際に生産コストを減らすことが可能な液状前駆体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置は、超音波振動を用いて、内部に貯蔵された液状前駆体をエアロゾル状態に変換させるエアロゾル生成器と、前記エアロゾル生成器から伝達されたエアロゾル状態の前駆体が衝突して熱エネルギーを得て気体状態に変化するように、内部に斜線板状構造の複数のヒーターがジグザグ状に交差配置されたヒーターブロックが設置された気化器と、前記気化器によって気体状態に変換された前駆体を一定の圧力および温度で貯蔵し、薄膜蒸着工程の際に前記気体状態の前駆体をチャンバーへ供給する前駆体貯蔵手段とを含んでいる。
【0010】
本発明において、前記エアロゾル生成器は、内部に液状前駆体が貯留される貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクの下部に設置され、前記貯蔵タンクの内部に貯留されている液状前駆体がエアロゾルに変換されるように超音波振動を発生させる超音波振動器と、前記貯蔵タンクの内部に突出するように設けられ、前記貯蔵タンク内の液状前駆体の残量を検出するレベルセンサーとを含んでなることを特徴とする。
本発明において、前記ヒーターは、ニッケルボディにタングステンが含有された材質で構成されることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記気化器は、瞬間気化率を高めるためにヒーターブロックの温度を均一に維持することが可能な温度コントローラーをさらに含むことを特徴とする。
本発明において、前記温度コントローラーは、常温〜350℃の気化範囲を有する液状前駆体に適合するようにヒーターブロックの温度を調節することを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記気化器は、液状前駆体の種類に応じて気化容量の調節が可能であることを特徴とする。
本発明において、前記前駆体貯蔵手段は、薄膜蒸着工程が進んでいない休止状態で内部に液状前駆体の残留物が存在することを防止するために、真空状態でガスパージ方式によって内部を洗浄する自動浄化機能を有することを特徴とする。
本発明は、前記気化器から前駆体貯蔵手段へ前駆体が持続的に供給されることを遮断するために、前記気化器と前駆体貯蔵手段との間に設けられた遮断弁をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記遮断弁は、前駆体が気化器内で完全に気体状態に変換された後に開放されることを特徴とする。
本発明は、液状前駆体が貯蔵されたキャニスターと、前記キャニスターとエアロゾル生成器との間に設けられ、前記キャニスターからエアロゾル生成器へ供給される液状前駆体の流量を調節する液体流量制御器と、液状前駆体の圧力を調節するために前記キャニスターと液体流量制御器との間に設けられたレギュレーターと、前記キャニスターとレギュレーターとの間に設けられた第1調節弁と、前記キャニスターと液体流量制御器との間に設けられた第2調節弁と、前記第1調節弁と第2調節弁との間に設けられた第3調節弁とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明は、液状前駆体がエアロゾル状態に変換されて気化器へ供給されるため、エアロゾル状態の前駆体が気化器の内部に均一に分布するので、気化熱による局部冷却現象を防止することができ、エアロゾル状態の前駆体が、斜線板状構造を有し且つジグザグ状に交差配置されたヒーターに衝突して気体状態に変化するため、気化器内の熱容量を最大限に確保することができるから、低温でも薄膜蒸着工程が可能な液状前駆体を供給することができ、高温で使用された基板を使用しなくてもよいので、半導体素子およびディスプレイ製造の際に生産コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来のバブル方式を用いた液状前駆体の気化方法を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置を示す図である。
図3図2に示されたエアロゾル生成器を示す図である。
図4a図2に示された気化器の内部に設置されるヒーターブロックの前面図である。
図4b図2に示された気化器の内部に設置されるヒーターブロックの側面図である。
図5図2に示された前駆体貯蔵手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施し得る好適な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の好適な実施形態に対する動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に曖昧にするおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0017】
また、図面全体において、同様の機能および作用をする部分に対しては同一の図面符号を使用する。
ちなみに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているとするとき、これは直接に接続されている場合だけでなく、それらの間に他の構成要素を挟んで間接に接続されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
図2は本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置を示す図、図3図2に示されたエアロゾル生成器を示す図、図4aは図2に示された気化器の内部に設置されるヒーターブロックの前面図である。また、図4bは図2に示された気化器の内部に設置されるヒーターブロックの側面図、図5図2に示された前駆体貯蔵手段を示す図である。
【0019】
図2図5を参照すると、本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置は、エアロゾル生成器(Aerosol Generator)10、気化器(Vaporizer)20および前駆体貯蔵手段(Vapor Storage)30から構成されている。
【0020】
前記エアロゾル生成器10は、内部に貯蔵された液状前駆体をピエゾ型の超音波振動器(Ultrasonic Vibrator)14を用いてエアロゾル状態に変換させる装置であって、内部に液状前駆体が貯留される貯蔵タンク12、前記貯蔵タンク12の下部に設置され、貯蔵タンク12の内部に貯留されている液状前駆体がエアロゾルに変換されるように超音波振動を発生させて前記貯蔵タンク12に伝達する超音波振動器14、および前記貯蔵タンク12の内部へ突出するように設けられ、液状前駆体の残量を検出するレベルセンサー(Level Sensor)(または重量センサー)16から構成される。
【0021】
このとき、前記超音波振動器14は、図3に示すように、超音波発振および整流回路15に外部から電源が供給されるときに動作して超音波振動を発生させ、前記レベルセンサー16は、レベルセンサー電源および整流回路17に電源が供給されるときに動作して前記貯蔵タンク12内の液状前駆体の残量を検出する。
【0022】
一方、前記エアロゾル生成器10が液状前駆体をエアロゾル状態に変換する理由は、エアロゾル生成器10の後ろに設置された気化器20の熱容量を最大限に確保するためである。言い換えれば、エアゾールタイプは、半気体状態であって、気化器への供給(Feeding)の際に気化器の内部に均一に分布することが可能なので、従来のバブル方式で発生する気化熱による局部冷却現象を防止することができて熱容量を最大限に確保することができる。
【0023】
前記気化器20は、前記エアロゾル生成器10から伝達されたエアロゾル状態の前駆体を気体状態にする装置である。このような気化器20は、気化器20内の熱容量を最大限に確保するために、図4aおよび図4bに示すように、内部に斜線板状構造の複数のヒーター(Heater)24がジグザグ状に交差するように配置されたヒーターブロック(Heater Block)22が設置され、このヒーターブロック22に、エアロゾル状態に供給された前駆体が衝突することにより、熱エネルギーを得て気体状態に変換される。この際、前記ヒーターブロック22のヒーター24は、350℃以上に上昇可能な金属材料であればいずれでも使用可能であるが、好ましくは、ニッケル(Ni)ボディにタングステン(W)が含有された材質で構成される。
【0024】
一方、前記気化器20は、瞬間気化率を高めるためにヒーターブロック22のヒーター24の温度を均一に維持することが可能な温度コントローラー(図示せず)を備えることが好ましい。このとき、温度コントローラーは、気化器20が様々な液状前駆体に活用できるように、気化器20内の温度範囲をヒーターブロック22の温度に合わせて調節することができ、好ましくは、常温〜350℃の気化範囲を有する液状前駆体に適合するようにヒーターブロック22の温度を調節することができる。
【0025】
このような気化器20は、最大0.3g/cmの気化容量を持つように形成されるが、使用可能な液状前駆体の種類に応じて気化容量の調節が可能である。
前記前駆体貯蔵手段30は、一定の圧力および温度で前記気化器20によって気化した前駆体を貯蔵するための装置であって、一定の圧力(すなわち、一定の飽和蒸気圧)を維持するために熱容量の確保が可能な球状に形成される。
【0026】
このため、前記前駆体貯蔵手段30は、前駆体貯蔵手段30の内圧を測定する圧力測定手段、および前記前駆体貯蔵手段30の内圧を調節する圧力調節手段を備えることが好ましく、前駆体貯蔵手段30内の温度を測定する温度測定手段、および前駆体貯蔵手段30内の温度を調節する温度調節手段(例えば、ヒーター)をさらに備えることもできる。
【0027】
また、前記前駆体貯蔵手段30は、内部に液状前駆体の残留物が存在することを防止するために、真空状態でガスパージ方式によって前駆体貯蔵手段30の内部を洗浄する自動浄化(Auto Purge)機能を有する。
【0028】
このため、前記前駆体貯蔵手段30には、図5に示すように、キャリア/パージガス(Carrier/Purge Gas)が供給されるキャリア/パージガス供給管、および洗浄の際に使用されたキャリア/パージガスが排出されるバイパスラインが設置され、キャリア/パージガス供給管、バイパスライン、およびチャンバー内に排出される排出ラインにはそれぞれバルブが設置される。
【0029】
一方、自動浄化機能は、薄膜蒸着工程が進行中のときには行われず、薄膜蒸着工程が進んでいない休止(Idle)状態で行われるように制御されるが、薄膜蒸着工程に影響を与えないように、20秒以内に自動浄化時間が制御される。このような自動浄化機能は制御手段(図示せず)によって制御され、制御手段は、上述した自動浄化機能の他にも、上述した温度コントローラー、圧力調節手段、温度調節手段などの機能を制御するように構成されることが好ましい。
【0030】
このような本発明の液状前駆体供給装置は、液状前駆体が貯蔵されたキャニスター40、前記キャニスター40とエアロゾル生成器10との間に設けられ、前記キャニスター40から前記エアロゾル生成器10へ供給される液状前駆体の流量を調節する液体流量制御器(Liquid Mass Flow Controller、LMFCまたはLFC)50、前記キャニスター40と液体流量制御器50との間に設けられ、液状前駆体の圧力を調節するレギュレーター(Regulator)60、並びに前記キャニスター40とレギュレーター60との間および前記キャニスター40と液体流量制御器50との間にそれぞれ設けられた多数の調節弁62をさらに含むように構成される。
【0031】
このように構成された本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置は、次の方法によって駆動される。
まず、制御手段は、薄膜蒸着工程の進行か否かを判断した後、薄膜工程が進んでいない休止状態の際には、前記キャニスター40内に貯蔵された液状前駆体が前記エアロゾル生成器10へ伝達されるように、前記キャニスター40とレギュレーター60との間に設けられた第1調節弁、前記キャニスター40と液体流量制御器50との間に設けられた第2調節弁、および第1調節弁と第2調節弁との間に設けられた第3調節弁が開放されるように制御する。このとき、前記調節弁62は、前記制御手段によって動作が制御されることが好ましいが、人手によって手動で作動することもできる。
【0032】
一方、前記調節弁62が開放された状態で、前記制御手段は、前記レギュレーター60の動作を制御して、前記キャニスター40から前記エアロゾル生成器10へ伝達される液状前駆体の圧力を調節し、前記液体流量制御器50を制御して、前記キャニスター40から前記エアロゾル生成器10へ伝達される液状前駆体の流量を調節する。
【0033】
前記エアロゾル生成器10に液状前駆体が供給されると、前記制御手段は、前記エアロゾル生成器10の内部に貯留されている液状前駆体が超音波振動によってエアロゾルに変換されるように前記超音波振動器14を動作させる。このとき、前記レベルセンサー16は、前記液状前駆体の残量を検出して前記制御手段へ伝達し、前記制御手段は、前記レベルセンサー16から伝達された液状前駆体残量検出信号に応じて前記エアロゾル生成器10内で液状前駆体の残量が適切なレベル(例えば、薄膜蒸着工程に必要な量)に維持されるように、前記調節弁62、レギュレーター60および液体流量制御器50を制御する。
【0034】
前記制御手段は、前記レベルセンサー16から伝送される液状前駆体残量検出情報を用いて単位時間当たりのエアロゾル生成量を計算してユーザーに提供することもできる。
一方、前記エアロゾル生成器10からエアロゾル状態に変換された前駆体は、前記気化器20へ伝達され、前記気化器20に伝達されたエアロゾル状態の前駆体は、前記気化器20内に斜線板状構造に設置されたヒーターブロック22に衝突して熱エネルギーを得て気体状態に変換される。この際、ヒーターブロック22は、温度コントローラーによって、均一な温度が維持されるように調節される。
【0035】
前記気化器20で前駆体が気体状態に変換されると、前記制御手段は、気体状態に変換された前駆体が前駆体貯蔵手段30に貯蔵されるように気化器20と前駆体貯蔵手段30との間に設置された遮断弁(isolation valve or shut−off valve、図示せず)を開放させる。このとき、遮断弁は、前記気化器20から前駆体貯蔵手段30へ前駆体が持続的に供給されることを遮断するためのもので、前駆体が気化器20内で完全に気体状態に変換されるまではロックされているが、前記前駆体が完全に気体状態に変換された後には開放される。
【0036】
これにより、本発明は、気体状態の前駆体が液体状態に相変換されることを防止することができる。言い換えれば、従来のバブル方式の液状前駆体供給装置では、加熱の後、直進噴射方式を用いて液状前駆体が気化器へ移動するときに気化熱によって局部的な冷却が発生し、気体状態の前駆体が再び液体状態に相変換されたが、これに対し、本発明は、気化器20内で十分な気化熱によって完全に気化した前駆体のみ前駆体貯蔵手段30へ供給されるので、気体状態の前駆体が再び液体状態に相変換されることを防止することができる。
【0037】
一方、前記制御手段は、前記前駆体貯蔵手段30内に気体状態の前駆体が供給される前に、前記前駆体貯蔵手段30内に液状前駆体が存在しないようにするために、自動浄化機能を行って前駆体貯蔵手段30の内部を洗浄する。このとき、自動浄化機能は、薄膜蒸着工程に影響を与えないように、薄膜蒸着工程が進んでいない休止期間中の20秒以内に行われる。
【0038】
前記前駆体貯蔵手段30内に気体状態の前駆体が貯蔵されると、圧力測定手段が前記前駆体貯蔵手段30の内圧を測定し、測定された圧力情報は制御手段へ伝達され、圧力調節手段によって前記前駆体貯蔵手段30内の圧力が適切な状態を維持するよう制御手段が圧力調節手段を制御する。そして、温度測定手段により前駆体貯蔵手段30内の温度情報が制御手段に伝達されると、前記制御手段は、温度調節手段によって前駆体貯蔵手段30の内部が適切な温度に維持されるように温度調節手段を制御する。
【0039】
薄膜蒸着工程の際には、前駆体貯蔵手段30とチャンバーとの間の供給弁64が開放され、前駆体貯蔵手段30内に貯蔵された気体状態の前駆体がチャンバーへ供給されるように、制御手段が供給弁64を制御する。このとき、供給弁64は、薄膜蒸着工程が進んでいない休止期間に制御手段の制御によりロックされた状態を維持する。
【0040】
このように本発明の実施形態に係る液状前駆体供給装置は、液状前駆体がエアロゾル状態に変換されて気化器20に供給されるため、エアロゾル状態の前駆体が気化器20の内部に均一に分布するので、気化熱による局部冷却現象を防止することができ、エアロゾル状態の前駆体が、斜線板状構造を有し且つジグザグ状に交差するように配置されたヒーター24に衝突して気体状態に変化するため、気化器20内の熱容量を最大限に確保することができて、低温でも薄膜蒸着工程が可能な液状前駆体を供給することができ、高温で使用された基板を使用しなくてもよいので、半導体素子およびディスプレイの製造の際に生産コストを低減することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の詳細な説明では本発明の好適な実施形態について説明したが、これは本発明の最も好適な実施形態を例示的に説明したもので、本発明を限定するものではない。また、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想の範疇を逸脱することなく多様な変形および模倣が可能であることはもちろんである。したがって、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する請求の範囲だけでなく、これと均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0042】
10…エアロゾル生成器、12…貯蔵タンク、14…超音波振動器、16…レベルセンサー、20…気化器、22…ヒーターブロック、24…ヒーター、30…前駆体貯蔵手段、40…キャニスター、50…液体流量制御器、60…レギュレーター、62…調節弁、64…供給弁。
図4b
図1
図2
図3
図4a
図5