(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、発光素子を光源に備えるランプとして、LEDを光源に備えたLEDランプを例示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば有機EL等の他の発光素子を光源に備えるランプにも適用可能である。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るLEDランプ1を備えたLEDランプ装置95を示す図である。
同図に示すLEDランプ装置95は、屋外の看板照明等に用いられる屋外設置型の照明器具であり、LEDランプ1と、LEDランプ1が装着されるランプホルダー60と、LEDランプ1に取り付けられた環状防水パッキン70とを備えている。
ランプホルダー60は、既存の電球を装着可能なホルダーであり、LEDランプ1は、既存の電球と形状及び光学特性が略同じになるように構成され、既存の電球の代わりにランプホルダー60に装着して使用可能となっている。
【0011】
ランプホルダー60について詳細には、ランプホルダー60は、筒状のホルダー筐体62を備え、このホルダー筐体62の終端部62Aには、図示せぬ支持アームが回動自在に取り付けられるアーム取付部64が設けられている。
ホルダー筐体62の先端60Bは、既存の電球を装着したときに当該電球のガラス球の表面に図示せぬ防水パッキンを挟んで隙間無く係合する径で開口し、電球装着時には、当該開口縁部66からの水の浸入が防止されている。なお、同図において、ホルダー筐体62の先端60Bに設けられた突起68は、LEDランプ1、或いは既存の電球を覆って保護する網状のガード部材(図示せず)を固定するための部材である。
【0012】
ホルダー筐体62の内部には、既存の電球ランプの口金、及びLEDランプ1の口金3が螺合するソケット65が配設されている。このソケット65には、外部から引き込まれた電力供給線が接続されており、ソケット65を通じて口金3からLEDランプ1、或いは、既存の電球ランプに電力が供給される。
環状防水パッキン70は、ゴム成型部材であり、LEDランプ1の胴体部2(後述)に着脱自在に装着され、LEDランプ1をランプホルダー60に装着したときにランプホルダー60の開口を塞ぎ、ランプホルダー60とLEDランプ1の隙間からの水の侵入を防止する。
なお、環状防水パッキン70は、ランプホルダー60への水の浸入防止を目的に使用されるため、例えば屋内に設置されたランプホルダー60、或いは、外部に露出したソケットにLEDランプ1を装着して使用する場合など、防水が不要な場合には、環状防水パッキン70を装着する必要はない。ただし、屋内使用時に環状防水パッキン70を装着することで、ほこり等の侵入を防止できる。
【0013】
次いで、LEDランプ1の構成について詳述する。
図2は本実施形態に係るLEDランプ1の外観構成を示す斜視図であり、
図2(A)は上方からみた外観斜視図、
図2(B)は下方からみた外観斜視図である。また、
図3はLEDランプ1の外観構成を示す図であり、
図3(A)は平面図、
図3(B)は側面図、
図3(C)は底面図である。
図4はLEDランプ1を分解して示す上方斜視図であり、
図5はLEDランプ1を分解して示す下方斜視図である。また
図6は、
図3(B)のI−I線における断面図である。
【0014】
本実施形態のLEDランプ1は、配光に集光性を有するビームランプ型として構成されており、上面12Aの中央部が若干膨出した円盤状の発光部12と、この発光部12の裏面の略中央から下方に向かって略垂直に延び終端に口金3を備える筒状部としての胴体部2と、発光部12の裏面に設けられた複数の放熱フィン25とを備え、さらに胴体部2には上記環状防水パッキン70が嵌め込まれている。
発光部12は、上面12Aの略全体から上方に向けて光を放射するものであり、
図4に示すように、光源たる複数のLED15と、これらのLED15を実装した平面視略円形のLED基板16と、ビームランプ用光学部品46と、カバー22と、胴体部2の先端2Cに一体に設けられた平板部としてのベース板13とを備えている。
【0015】
ベース板13は、胴体部2よりも径が大きな上面視略円板状の部材であり、上記胴体部2は、このベース板13の裏面の略中央部から下方に向かって略垂直に延びている。ベース板13の表面には、
図4に示すように、胴体部2に繋がる挿入開口14が開口し、LED15を点灯する電源(電力変換装置)や駆動回路を実装した電気回路基板8が挿入開口14から挿入されて胴体部2に収められる。
これらベース板13、及び胴体部2は同一の材料、すなわち熱伝導性樹脂材から金型を用いた樹脂成型によって一体に成型されており、これらベース板13、胴体部2、及び後述の絶縁筒部10により、LEDランプ1の筐体35が構成されている。
【0016】
LED15は、例えばLED素子をパッケージ化してなるものであり、本実施形態では、LED15に白色LEDが用いられている。なお、LED15に白色以外の他の発光色のLEDを用いても良いことは勿論である。
LED基板16は、
図4、及び
図5に示すように、略円板状に形成され、上面たる表面に複数のLED15が実装され、
図4〜
図6に示すように、ベース板13の上面にネジ18によりネジ止め固定されている。
【0017】
LED基板16の略中央には、リード線引出開口17が開口し、胴体部2に収められた電気回路基板8から電力供給用のリード線(図示せず)がリード線引出開口17を通じて引出されて、このLED基板16の上面に形成されている回路パターン80に電気的に接続され、当該回路パターン80を通じて各LED15に電力が供給されて点灯する。
【0018】
ベース板13は、
図4〜
図6に示すように、平円板の周縁に沿って側壁19を有したトレー状を成し、この側壁19の内周面にLED基板16を覆うグローブとしてのカバー22が螺合して取り付けられている。このカバー22とベース板13の間にはOリング26が設けられており、カバー22を側壁19にねじ込むに伴い、Oリング26がカバー22とベース板13の間に挟み込まれる。このように、カバー22のベース板13への取付構造をネジ構造とするとともに、カバー22とベース板13との間にOリング26を挟み込むことで発光部12の防水性が高められている。
カバー22には、図示を省略するが、LEDランプ1の銘番を内面に印刷や刻印等で設けている。これにより、LEDランプ1が風雨に晒されても銘板が消えることがなく、また擦れによって消えたりすることもない。
【0019】
ビームランプ用光学部品46は、LEDランプ1の発光部12の配光を制御する光学部品であり、LED15のそれぞれを覆う1つの部材として形成され、各LED15のそれぞれの発光の配光を制御してカバー22の上面12Aから放射することでビームランプ型の配光、すなわち、所定のビーム開き角の範囲への集中配光を実現する。このビームランプ用光学部品46の詳細な構成については後述する。
【0020】
放熱フィン25は、ベース板13の裏面からみて胴体部2の周囲に放射状に設けられている。各放熱フィン25は、ベース板13の裏面から胴体部2に沿って延在するように設けられており、ベース板13に載置されたLED基板16が発する熱を放熱する。各放熱フィン25は、筐体35の射出成型時に胴体部2と一体に形成される。
【0021】
ところで、上述のLED基板16を熱伝導性の高い例えばアルミニウム材等の金属材で構成することで、LED15の発熱を効率良くベース板13に伝えて放熱フィン25から放熱させることができる。しかしながら、LED基板16を金属基板とすると電気的な絶縁性能が低下してしまう、という問題がある。
そこで本実施形態では、LED基板16に電気的絶縁性を有する樹脂基板を用い、その厚みを、いわゆる2重絶縁構造と同じ絶縁性能が得られる程度の厚みとし、高い絶縁性能を実現している。
ただし、樹脂材から成るLED基板16は、何ら対策を施さなければ、金属基板に比べて放熱性能が低いために、光出力の高出力化の妨げになる。
そこで本実施形態においては、LED基板16の表裏面のそれぞれを放熱層としての銅箔で覆うことでLED基板16の放熱性を高めることとしている。
【0022】
具体的には、LED基板16の表裏面のそれぞれには、
図3〜
図5に示すように、導電性及び熱伝導性を有する放熱層として略円形の銅箔83が表面を覆って設けられている。各銅箔83は、LED基板16を囲む上記ベース板13の側壁19との間で電気的な絶縁が図れる程度の隙間、及び、LED基板16をネジ止めする際のネジ18との間の絶縁を図るための切り欠き83Aだけを除き、極力、LED基板16の表裏面を覆う大きさに形成されている。
【0023】
LED基板16の表裏面のうち、LED15のLED実装面には、複数のLED15が同心円状に実装されており、各LED15の回路パターン80が上記銅箔83を用いて形成されている。
すなわち、LED実装面では、
図3及び
図4に示すように、銅箔83に放射状に複数のスリット84が形成されており、各スリット84によって銅箔83が複数の略扇形の導電エリア85に分割(区画)される。各スリット84は、導電エリア85の間の電気的な絶縁を得るに十分な幅を有し、各スリット84には、LED15の裏面に設けられた正極端子及び負極端子(不図示)をそれぞれ隣り合う導電エリア85に接続するようにスリット84を跨いでLED15が設けられている。また、これらの導電エリア85のうち、少なくとも、隣接する2つの導電エリア85は、それぞれ電気回路基板8の電源回路に電気的に接続されており、これにより、各LED15が、各導電エリア85によって直列に接続された直列回路が形成される。
【0024】
このように、LED実装面を覆う銅箔83をスリット84によって、電源回路に電気的に接続する面状の導電エリア85に区画し、このスリット84を跨いでLED15を各導電エリア85に電気的に接続して、当該LED15を点灯するための回路パターン80を構成したため、LED実装面に高い放熱性が得られる。
特に、銅箔83にスリット84を放射状に設けたため、各導電エリア85が略扇形に形成されることとなり、各導電エリア85では径方向外側に向かうほど熱抵抗が小さくなることから、LED15の発熱を効率良く外側に伝達して拡散させることができる。
【0025】
LED基板16の裏面側では、
図5に示すように、銅箔83のうち、胴体部2の挿入開口14に対応する箇所をくり抜いて絶縁樹脂製のLED基板16を露出させた露出部16Aが設けられている。これにより、挿入開口14に挿入された電気回路基板8に対向する箇所が露出部16Aとなるため、電気回路基板8との間の電気的な絶縁性が維持される。
このとき、銅箔83に露出部16Aを設ける分だけ、放熱性能が低くなるものの、この露出部16Aには、ベース板13に載置固定されたLED基板16で押されて電気回路基板8を胴体部2の底部に押しつける後述の固定ブッシュ27が密着するように構成されている。この固定ブッシュ27には、胴体部2に密着する冷却用片27Aが一体に形成されており、露出部16Aの熱は、固定ブッシュ27の冷却用片27Aを通じて胴体部2に伝熱され、露出部16Aの過度な温度上昇を防止できる。
【0026】
なお、放熱層として銅箔83を例示したが、これに限らず、熱伝導性と、電気配線として機能し得る導電性を有する材料であれば、任意のものを用いることができる。また、LED基板16の表裏面の放熱層の材料が同一である必要はない。
さらに、回路パターン80はLED15の直列回路に限らず、並列回路等の任意の回路とすることができる。
【0027】
次いで、胴体部2の口金3の構成について説明する。
胴体部2の終端2Aには、口金3と胴体部2の絶縁を図るために、絶縁性を有する材料から形成された筒状の絶縁筒部10が設けられており、
図6に示すように、この絶縁筒部10の終端10Aに上記口金3が冠着されている。電気回路基板8は、胴体部2から絶縁筒部10に亘って収められており、絶縁筒部10側の端部で図示せぬリード線を通じて口金3と電気的に接続されている。
【0028】
口金3は、既設のランプホルダー60のソケット65(例えばE26型ソケット)に螺合するネジ山が切られた筒状のシェル5と、このシェル5の端部の頂部に絶縁部6を介して設けられたアイレット7とを備え、シェル5及びアイレット7が既存のソケットに装着可能な形状寸法に構成されている。これにより、当該LEDランプ1は、天井や壁面に既設のソケットや、既存の電球を装着して使用する上記ランプホルダー60のソケット65に装着でき、既存の電球の代替として使用できる。
シェル5と胴体部2とは、上述のように、絶縁筒部10によって電気的に絶縁されていることから、胴体部2の放熱性を高めるべく導電性を有する材料で構成しても、口金3のシェル5と胴体部2との間の絶縁が良好に維持される。
【0029】
ところで、胴体部2にアルミニウム等の金属材料を用いることで高い放熱性能が得られるものの当該胴体部2を含む筐体35が重くなることから、既設のソケットでは強度が不足することがあり、また胴体部2が金属材であるのに対し絶縁筒部10が非金属材となることから、胴体部2と絶縁筒部10の接合が弱くなる、という問題もある。
そこで本実施形態では、胴体部2の材料に熱伝導性樹脂を用いるとともに、絶縁筒部10の材料に絶縁性樹脂を用い、胴体部2及び絶縁筒部10をインサート成型により形成している。
【0030】
胴体部2を熱伝導性樹脂から形成することで、アルミニウム等の金属材料で筐体35を形成したときよりもLEDランプ1の軽量化が図られ、電球の代替としてLEDランプ1を既存のソケットや既存のランプホルダー60に装着する場合でも、当該LEDランプ1の重量を支えるために既存のソケットや既存のランプホルダー60を補強する作業や部材が必要なく、そのまま使用することができる。また軽量化により、放熱フィン25の枚数を増やすことができるので、表面積が増え、より効率的に放熱性を高めることができる。このような熱伝導性樹脂としては、熱伝導率が2W/mK以上の熱伝導性に優れた樹脂材が好ましく、例えば高熱伝導性のカーボン繊維(本実施形態では帝人(株)製ラヒーマ(登録商標))を混入したポリカーボネイト樹脂を好適に用いることができる。
【0031】
胴体部2と絶縁筒部10とを樹脂材のインサート成型により一体に形成することで接合が強固なものとなるが、経年劣化により、胴体部2と絶縁筒部10との接合面(合わせ面)に隙間が生じ防水性が損なわれるおそれがある。
そこで、
図6に示すように、胴体部2の終端2Aには、胴体部2の径方向内側に突出する係合凸部2Bを形成するとともに、絶縁筒部10の開口端手前の外周面には、内面側に窪んだ環状の係合凹部10Bを形成し、また絶縁筒部10の開口端には胴体部2の内周面及び係合凸部2Bに当接する当接部10Cを形成している。
この係合凸部2Bが係合凹部10Bに係合するとともに当接部10Cが胴体部2に当接することで、胴体部2と絶縁筒部10との接合部が、いわゆるラビリンス状に構成され、また、この接合部の面積が大きくなって接合強度が高められている。このラビリンス状の構成により、胴体部2と絶縁筒部10との接合部に経年劣化によるひび割れ等によりインサート成型面に隙間が生じた場合でも防水性が維持され、LED15の寿命に見合った耐久性が得られる。
なお、胴体部2の終端2Aと絶縁筒部10の開口端(挿入端)との接合面の形状は、上記ラビリンス状に限らず、防水性と接合強度の向上が得られる形状であれば例えば楔状等の任意の形状とできる。
【0032】
次いで、胴体部2への電気回路基板8の収容構造について更に説明する。
電気回路基板8は、
図6に示すように、胴体部2の先端2Cから絶縁筒部10に亘る長さに形成され、また、
図4、及び
図5に示すように、胴体部2及び絶縁筒部10の内部形状に係合する形状を有して形成されている。
すなわち、胴体部2の上部直径R(
図6)は、電気回路基板8の上部横幅と略同程度に形成されており、かかる電気回路基板8が胴体部2に挿入されると、絶縁筒部10の内部に形成された挟持部(図示せず)に電気回路基板8の下端が挟み込まれて電気回路基板8が胴体部2内に固定される。
【0033】
このとき、胴体部2にあっては上部直径Rを電気回路基板8の上部幅程度まで小さくしてコンパクト化を図ると、胴体部2に電気回路基板8が近接し、胴体部2と電気回路基板8との間の電気的な絶縁性能が劣化する。そこで、胴体部2の中には、電気回路基板8を囲むように巻いた絶縁シート28を設けており、胴体部2の内側面の全体を絶縁シート28で覆い、電気回路基板8と胴体部2の間の絶縁性能を高めることとしている。
絶縁シート28は、可撓性及び絶縁性を有する1枚のシートを帯状に形成したものであり、胴体部2への装着時には、かかる1枚の帯状シートに胴体部2の延在方向に沿って延びる凹部28C(
図4)を折り曲げによって形成した後、帯状シートの両端同士を重ねるように環状に巻き、凹部28Cを胴体部2の内部の係合片(図示せず)に係合させながらベース板13の挿入開口14から挿入する。
胴体部2に挿入すると、絶縁シート28が巻き戻りによって拡がり、このときの巻き戻る力によって胴体部2の内側面を覆うように装着される。
このように、絶縁シート28を帯状に形成し、巻いた状態でベース板13の挿入開口14に挿入し、絶縁シート28の巻き戻りによって胴体部2の中に装着する構成としたため、胴体部2の内側面の全面を覆うように絶縁シート28を簡単に装着することができる。
【0034】
胴体部2に収められた電気回路基板8は、
図6に示すように、上端部8Cが固定ブッシュ27を介してLED基板16によって押圧されて強固に固定される。この固定ブッシュ27には、上述の通り、胴体部2に密着する冷却用片27Aが一体に形成されており、露出部16Aの熱が固定ブッシュ27の冷却用片27Aを通じて胴体部2に伝熱され、露出部16Aの過度な温度上昇が防止されている。
また、電気回路基板8の発熱も固定ブッシュ27を介して胴体部2に伝熱され放熱される。
【0035】
なお、上述の通り、胴体部2の内側面は絶縁シート28が覆うが、この絶縁シート28には高熱伝導性を有するものが用いられており、固定ブッシュ27の冷却用片27Aから胴体部2への伝熱を阻害しないようになっている。
このように、絶縁シート28が高熱伝導性を有し、電気回路基板8の回路部品と絶縁シート28との間に、これらを熱的に繋ぐ熱伝導性部材たる冷却用片27Aを設けることで、電気回路基板8の絶縁性と放熱性との両方を高めることができる。
また固定ブッシュ27に冷却用片27Aを一体に形成しているため、電気回路基板8の固定と冷却とを簡単に行うことができる。
【0036】
かかる胴体部2とベース板13を含む筐体35は、上述のように、複数の放熱フィン25を一体に備えることで放熱性が維持されている。
放熱フィン25は、それぞれ薄い板状であり、ベース板13の裏面からみて胴体部2の軸線を中心にして放射状に多数立設されている。これらの放熱フィン25は、根元部分であるフィン根元部25Bがベース板13の裏面13Aに繋がっており、これら放熱フィン25、胴体部2及びベース板13が上述の熱伝導性樹脂から金型を用いた樹脂成型により一体に形成されている。このように、ベース板13、及び放熱フィン25を一体成型することで、ベース板13と放熱フィン25の間の熱抵抗が抑えられ、放熱フィン25への伝熱量が増加して高い放熱性能が得られる。
【0037】
放熱フィン25は、
図1に示すように、ベース板13の裏面13A(
図2)からホルダー筐体62の開口縁部66に向かって緩やかな弧を描く側面視略扇形状に形成されており、ランプホルダー60にLEDランプ1を装着した際に、ランプホルダー60との一体感を高めることで、意匠性を高めている。
各放熱フィン25のフィン先端25Aは、
図6に示すように、水平(胴体部2の軸線に対して垂直)に形成されており、胴体部2に装着された環状防水パッキン70が当接する。
【0038】
環状防水パッキン70は、
図1〜
図6に示すように、側面視したときに、放熱フィン25の外形25Dが描く弧に連続する略切頭円錐状(断面略台形状)を成しており、これら放熱フィン25、及び環状防水パッキン70から成る輪郭形状が既存の電球のガラス球の輪郭形状と等しくなるように形成されており、既存の電球との代替時に形状の相違から生じる不具合の防止が図られている。
【0039】
ここで、胴体部2の素材には、高熱伝導性のカーボン繊維(以下、「熱伝導性繊維」と言う)を混入した樹脂材が用いられているが、この樹脂材にあっては、熱伝導性繊維の配向によって熱伝導率に異方性が生じることが知られている。
本実施形態では、胴体部2及びベース板13から放熱フィン25への熱伝導率が高くなるように熱伝導繊維を配向させることで、胴体部2の放熱能力を高めることとしている。かかる熱伝導繊維の配向は、樹脂射出成型時に樹脂を流す向きによって制御される。
【0040】
また放熱フィン25には、例えば
図1に示すように、落下防止用のワイヤを通すためのワイヤ孔89が設けられており、このワイヤ孔89によって放熱フィン25の強度が低下しないように熱伝導性繊維の配向を変えても良い。
【0041】
次いで、筐体35の製造について説明する。
筐体35は、上述の通り、樹脂成型によって製造されるが、ベース板13、放熱フィン25、及び胴体部2から成る部分に熱伝導性樹脂が用いられ、絶縁筒部10に絶縁性樹脂が用いられることから、筐体35の樹脂成型は二色成型、或いはインサート成型によって形成される。
【0042】
筐体35の樹脂成型後には、耐候性や意匠性を高めるために表面に塗料や薬品が塗布される。この塗布工程において、従来の一般的な構成のLEDランプでは、胴体部2から放熱フィン25が放射状に延び、なおかつ、放熱フィン25のベース板13側の端部が当該ベース板13の裏面に繋がる構成であるため、胴体部2及び放熱フィン25とベース板13との繋ぎ目の隅部は塗料が入り難く、また塗布量を増やすとフィン手前側にタレが生じる、という問題がある。このため、塗布工程においては、複数回に分けて少量ずつ塗料等を塗布する必要があり、塗布回数が増えて高コスト化を招いている。
この問題に対し、放熱フィン25をベース板13の裏面から切り離して隙間を設けることで、ある程度の解決にはなるが、この場合には、LED基板16の発熱を受けるベース板13の放熱性能が低下することから、LED15に高出力型のものを用いることができない。
【0043】
そこで本実施形態のLEDランプ1では、全ての放熱フィン25を胴体部2から切り離すことで、ベース板13の放熱性を損なうことなく、塗布工程における液溜まりの問題を解決している。
すなわち、
図6に示すように、全ての放熱フィン25と胴体部2との間に、ベース板13との繋ぎ箇所である放熱フィン25の根元部分であるフィン根元部25Bからフィン先端25Aに亘り、放熱フィン25と胴体部2を切り離す切離部91を設けることで、これら放熱フィン25と胴体部2との間に隙間を設けている。
【0044】
これにより、筐体35への塗料の塗布工程において、放熱フィン25と胴体部2の間に液溜まりが生じることがないため、1回あたりに塗布する液量を多くして塗布回数を少なくすることができ、ムラなく簡単に塗料を筐体35に塗布することができる。特に、スプレー等を用いて塗料を吹き付けることで、切離部91を通じて塗料が胴体部2の周囲に回り込み、1回の塗布で広範囲にムラなく塗料を塗ることができる。
さらに、切離部91を設けることで、筐体35の軽量化が図られ、また材料費を抑えることができる。またLEDランプ1の使用時には、放熱フィン25と胴体部2との間に雨水等が溜まることもない。
また、胴体部2から放熱フィン25を放射状に設ける従来構成においては、設置可能な放熱フィン25の枚数が胴体部2の外周長を、放熱フィン25のフィン根元部25Bの成型可能な最小厚みで除算して得られる枚数に制限されるが、放熱フィン25を胴体部2から切り離すことで、放熱フィン25の枚数をより多く設けることができ、放熱性能を高めることができる。
【0045】
ところで、放熱フィン25を胴体部2から切り離す構成とした場合、胴体部2と接続している構成に比べて放熱フィン25の強度が下がる。
また、射出成型時に放熱フィン25に前記胴体部2からの材料の流れが無くなり、ベース板13から材料が流れ込むのみとなり、さらに本実施形態で用いる熱伝導性繊維を混入した樹脂の場合、成型時の樹脂の流れは混入しないものに比べ悪く、薄いフィン形状の先端まで充填不足することなく中実に成型するための射出圧力の管理も難しい。また、放熱性を高めるために放熱フィン25の枚数を増やすと、成型時に金型と樹脂との接触面積が増加する。その結果、成型品の型離れが悪くなり、成型サイクル時間が増加し成型性が落ちる欠点が生ずる。
そこで本実施形態では、
図1〜
図5に示すように、全ての放熱フィン25に、当該放熱フィン25のフィン根元部25Bからフィン先端25Aに亘って延びる補強リブ92を設けている。放熱フィン25に補強リブ92を設けることで、放熱フィン25が胴体部2についていた場合と同等程度の強度とすることができるとともに樹脂の流れが改善され成型性が向上する。さらに、金型からの製品取り出しの際に補強リブ92のリブ端部93に金型の突き出しピンの押し当てが可能となるため、製品の金型からの取り出しが確実に行うことができるとともに、製品の破損を防止できる。
【0046】
次いで、上記ビームランプ用光学部品46の構成について詳述する。
LEDランプ1は、上述の通り、発光部12にビームランプ用光学部品46を備え、当該ビームランプ用光学部品46によって照射光が所定のビーム開き角の範囲に集中配光されている。
ビームランプ用光学部品46は、
図3〜
図6に示すように、発光部12が備えるLED15の全てを覆う1枚の光学部品として構成されており、ネジ18によりLED基板16とともにベース板13にネジ止め固定されている。
【0047】
図7は、ビームランプ用光学部品46の構成を示す図であり、
図7(A)は平面図、
図7(B)は側面図、
図7(C)は底面図である。
ビームランプ用光学部品46は、同図に示すように、LED基板16に実装されたLED15ごとに設けられ各LED15の真上に位置するように配置された集中配光光学素子47と、それぞれの集中配光光学素子47を覆って各集中配光光学素子47の出射面47Bに繋がる透光板部48とを備えている。投光部材48の面内には、略中央(すなわち、LED基板16のリード線引出開口17に対応する位置)に貫通孔90が設けられている。
【0048】
図8は、1つの集中配光光学素子47を拡大して示す図である。
集中配光光学素子47は、
図8に示すように、LED15の光軸Kと同軸に配置され、当該LED15の発光を所定の開き角の範囲に収まるように集光して同軸に沿って出力する透過型光学素子であり、集光レンズ49と反射面50とを透明樹脂材により一体に成型して構成されている。
集光レンズ49は、球面状の入射面49Aと平らな出射面49Bとを有する平凸レンズである。集光レンズ49は、LED15の直上に入射面49Aを位置させて光軸Kと同軸に配置され、入射面49Aから入射するLED15の光H1を集光して出射面49Bから出射する。
反射面50は、回転曲面状(例えば、回転放物面、或いは回転楕円面)に形成され、集光レンズ49、及びLED15を内部に含むように光軸Kと同軸に設けられ、集光レンズ49の入射面49Aから反れるLED15の光H2を出射面49Bに向けて反射する。
【0049】
この構成により、LED15の発光は、その殆どが集光レンズ49、及び反射面50のいずれかに入射して出射面49Bから出力されるため、LED15の利用効率が高められ、また集光レンズ49、及び反射面50のそれぞれで配光が制御されることから良好な集光性が得られる。
【0050】
かかる集中配光光学素子47の形状について説明すると、集中配光光学素子47は、上記反射面50の底部を略水平に切り落とした外観形状を成している。当該反射面50の底部にLED15を収める凹部50Aが形成され、当該凹部50Aの底面(LED15と対向する面)が略球状に形成されて上記集光レンズ49の入射面49Aが形成されている。
本実施形態においては、
図8に示すように、集光レンズ49のレンズ焦点P1と、反射面50の反射面焦点P2とは、それぞれ凹部50Aの外で光軸K上の互いに異なる位置であって、レンズ焦点P1よりも反射面焦点P2が凹部50Aに近い位置になるように設計されている。
【0051】
このとき、集中配光光学素子47の反射面50、及び集光レンズ49の入射面49Aのそれぞれの寸法形状は、LED15の発光面からの発光の殆どを反射面50、及び集光レンズ49に入射させることができ、なおかつ、入射光を十分に集光して平行度を高くして出射させることができることを前提に規定される。
ただし、LEDランプ1にあっては、複数のLED15が設けられているため、LED15が隣接して配置されていると、上記集中配光光学素子47の寸法形状を規定の形状とすることができない。
【0052】
これに対し、例えばLED15の配置間隔を大きくすれば、集中配光光学素子47を規定の寸法形状にできるものの、LEDランプ1の発光部12が大型化し、また筐体35の材料費のコストも増加する。また、集中配光光学素子47のそれぞれをダウンサイズすることで、各LED15に集中配光光学素子47を設けることができるものの、寸法形状が規定値からズレるため、LED15の利用効率や集光性が劣化する、という問題がある。
【0053】
そこで本実施形態では、
図7、及び
図9に示すように、隣接する集中配光光学素子47の反射面50同士をラップさせて連結する構成としている。これにより、集中配光光学素子47のそれぞれをダウンサイズすることなく、各LED15に集中配光光学素子47を設けることができ、LED15の利用効率や集光性の劣化を抑えることができる。さらに、集中配光光学素子47を連結することで、それらを一体のビームランプ用光学部品46として取り扱うことができ、取り扱いが容易となり、また構造的な強度を増すことができる。特に、各集中配光光学素子47の出射面49Bに透光板部48を一体に設けているため、構造的な強度が更に高められている。
【0054】
ただし、反射面50をラップさせるに際し、集中配光光学素子47の集光レンズ49に他の集中配光光学素子47の反射面50が侵入する程度までラップ量α(
図9)を増やすと、ラップ領域Raが大きく増加し、集中配光光学素子47の集光性が劣化し過ぎるため、反射面50のラップ量αは、
図10に示すように、集光レンズ49の終端である出射面49B以下であって反射面50の高さAの約1/2程度を限度としている。
なお、集光性を問題にしなければ、ランプ量αが反射面50の高さAの約1/2程度を超えて集光レンズ49まで侵入させても良い。しかしながら、
図9、及び
図10に示すように、反射面50がラップしたラップ領域Raに侵入する光H3は、反射面50で反射されることなく直進するため、ラップ量αを増やし過ぎると、配光が制御されずに出射され迷光の原因となる。したがって、ラップ領域Raを抜けた光による迷光が顕著にならない範囲のラップ量α(本実施形態の構成では、
図11に示すように、反射面50の高さAの約3/4程度)とすることが好ましい。
【0055】
以上説明した実施形態によれば次のような効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、発光素子たるLED15を実装したLED基板16と、当該LED基板16を載置した平板部としてのベース板13と、このベース板13の裏面13Aから延びて終端2Aに口金3が設けられた筒状部としての胴体部2と、を備えたLEDランプ1において、ベース板13の裏面13Aに、胴体部2に沿って延びる複数の放熱フィン25を備え、これら放熱フィン25のそれぞれと胴体部2との間に、放熱フィン25の根元部分であるフィン根元部25Bからフィン先端25Aに亘り隙間を設ける構成とした。
この構成によれば、ベース板13、胴体部2、及び放熱フィン25を含む筐体35への塗料の塗布工程において、放熱フィン25と胴体部2の間に液溜まりが生じることがないため、1回あたりに塗布する液量を多くして塗布回数を抑えることができ、ムラなく簡単に塗料を筐体35に塗布することができる。特に、スプレー等を用いて塗料を吹き付けることで、切離部91を通じて塗料が胴体部2の周囲に回り込み、1回の塗布で広範囲にムラなく塗料を塗ることができる。
さらに、切離部91を設けることで、筐体35の軽量化が図られ、また材料費を抑えることができる。またLEDランプ1の使用時には、放熱フィン25と胴体部2との間に雨水等が溜まることもない。
また、胴体部2から放熱フィン25を放射状に設ける従来構成においては、設置可能な放熱フィン25の枚数が胴体部2の外周長を、放熱フィン25のフィン根元部25Bの成型可能な最小厚みで除算して得られる枚数に制限されるが、放熱フィン25を胴体部2から切り離すことで、放熱フィン25の枚数をより多く設けることができ、放熱性能を高めることができる。
【0056】
また本実施形態によれば、放熱フィン25のフィン根元部25Bからフィン先端25Aに亘って補強リブ92を設けた。
放熱フィン25に補強リブ92を設けることで、放熱フィン25が胴体部2についていた場合と同等程度の強度とすることができるとともに樹脂の流れが改善され、成型性が向上する。さらに、金型からの製品取り出しの際に補強リブ92のリブ端部93に金型の突き出しピンの押し当てが可能となるため、製品の金型からの取り出しが確実に行うことができるとともに、製品の破損を防止できる。
【0057】
また本実施形態によれば、複数のLED15を備える発光部12の光を所定範囲に集中配光するビームランプ用光学部品46が、入射面49Aから入射する光を集光して出射面49Bから出力する集光レンズ49と、入射面49Aから反れる光を出射面49B側に反射する反射面50とを一体に有した集中配光光学素子47を発光部12のLED15ごとに備えつつ、隣接する集中配光光学素子47の反射面50をラップさせる構成とした。
【0058】
この構成によれば、LED15の発光を十分に集光レンズ49で集光し、かつ集光レンズ49に入射しなかった光を十分に反射面50で反射するように集中配光光学素子47の寸法形状を設計した際に、当該集中配光光学素子47の寸法よりもLED15の配置間隔が狭い場合でも、集中配光光学素子47をダウンサイズすることなく各LED15に設けることができ、集光性、及びLED15の利用効率の低下を抑えることができる。
【0059】
また本実施形態によれば、集中配光光学素子47の各々の出射面49B上に、集中配光光学素子47の各々を一体的に覆う板状の透光板部48を設ける構成とした。
これにより、各集中配光光学素子47を強固に連結することができる。
【0060】
<第2実施形態>
上述した実施形態では、所定のビーム開き角の範囲に集中配光するビームランプ型のLEDランプ1を説明した。これに対して、本実施形態では、配光がより広いタイプのLEDランプ100について説明する。
【0061】
図12は本実施形態に係るLEDランプ100の外観構成を示す図であり、
図12(A)は平面図、
図12(B)は側面図、
図12(C)は底面図である。
図13はLEDランプ100を分解して示す上方斜視図であり、
図14はLEDランプ100を分解して示す下方斜視図である。また
図15は、
図12(B)のI−I線における断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明した部材に対応するものは、同一の符号を付して、その説明を省略する。
これらの図に示すように、第1実施形態で説明したLEDランプ1が発光部12にビームランプ用光学部品46を備えるのに対し、本実施形態のLEDランプ100は、発光部12に反射体21を備える点で相違する。
【0062】
すなわち、本実施形態のLEDランプ100では、発光部12からビームランプ用光学部品46を取り外すことで、広範囲に照射する配光(拡散型の配光)が形成されている。
ただし、ベース板13がトレー状を成すことから、トレー内のLED15の放射光の一部が側壁19に遮蔽される。
そこで、本実施形態では、側壁19で遮光される光線成分をカバー22の側に向けることで照明に有効に利用可能にするために反射体21を発光部12に設けている。具体的には、反射体21は、ベース板13の側壁19に沿って延在し、各LED15を取り囲む環状を成し、各LED15から側壁19に入射する光線成分をカバー22の側に向けて反射する反射面21Aを有する。
【0063】
このように、本実施形態では、発光部12が反射体21を備えることで、LEDランプ1の効率が向上し、また、水平方向(LED基板16の面に平行な方向)への光の拡がりが抑えられる。
なお、反射体21の反射面21Aは、高い反射率が得られるように高反射グレード素材を使用しているが、アルミニウム蒸着等仕様でも良い。また、反射面21Aを限定させても配光が変わらないようにするためカバーには拡散材を添加しているが、ショットを上記カバーに施してもよい。
【0064】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。