特許第6014360号(P6014360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014360
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】ソフトシール仕切弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/314 20060101AFI20161011BHJP
   F16K 3/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   F16K3/314 C
   F16K3/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-106485(P2012-106485)
(22)【出願日】2012年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-234700(P2013-234700A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014074
【氏名又は名称】前澤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】杉田 雄基
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 聡
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−138269(JP,U)
【文献】 特開2010−216617(JP,A)
【文献】 特開2005−155737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱の上部に、該弁箱に連通する開口部を備えた弁体収容部を連設し、前記開口部を介して弁体収容部と弁箱とに移動可能な弁体を設け、弁体を弁体収容部に収容したときに全開状態となり、弁体を弁箱内に下降させて該弁体に装着されたシール材を弁箱内に設けた弁座に当接させたときに全閉状態となる仕切弁において、
前記弁体は、弁本体と、該弁本体に設けられたシール材装着部に装着される前記シール材と、前記弁本体に取り付けられて弁本体との間で前記シール材を挟持するシール材保持部材とを備え、
前記弁本体には、前記シール材保持部材を保持する弁本体側係合部が設けられ、該弁本体側係合部は、前記弁本体の側面に突設された弁本体側係合片を有し、
前記シール材保持部材には、前記弁本体側係合片を挿通する係合片挿通孔及び該係合片挿通孔に隣接して設けられた保持部材側当接面を有する保持部材側係合部が設けられ、
前記弁本体側係合片は、前記係合片挿通孔を通って前記シール材保持部材の外面に突出する係合片先端部を有し、該係合片先端部は、前記保持部材側当接面に当接する方向に向かって変形可能に形成され、
変形した前記係合片先端部が前記保持部材側当接面に当接した状態で、前記シール材を前記弁本体の側面に固定した
ことを特徴とするソフトシール仕切弁。
【請求項2】
弁箱の上部に、該弁箱に連通する開口部を備えた弁体収容部を連設し、前記開口部を介して弁体収容部と弁箱とに移動可能な弁体を設け、弁体を弁体収容部に収容したときに全開状態となり、弁体を弁箱内に下降させて該弁体に装着されたシール材を弁箱内に設けた弁座に当接させたときに全閉状態となる仕切弁において、
前記弁体は、弁本体と、該弁本体に設けられたシール材装着部に装着される前記シール材と、前記弁本体に取り付けられて弁本体との間で前記シール材を挟持するシール材保持部材とを備え、
前記弁本体には、前記シール材保持部材を保持する弁本体側係合部が設けられ、
該弁本体側係合部は、前記弁本体の側面から弁本体外周側に向かって突出した突出部の弁本体側の面に設けられた弁本体側当接面を有し、
前記シール材保持部材には、保持部材側係合部が設けられ、
該保持部材側係合部は、前記シール材保持部材から前記突出部の突出方向先端側に向かって突出する保持部材側係合片と、該シール材保持部材の外面に突出して前記保持部材側係合片を前記弁本体側当接面に当接する方向に向かって変形可能な係合片変形用部材とを有し、
変形した前記保持部材側係合片が前記弁本体側当接面に当接した状態で、前記シール材を前記弁本体の側面に固定した
ことを特徴とするソフトシール仕切弁。
【請求項3】
前記弁座を含む弁箱及び前記弁本体に、粉体塗装膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のソフトシール仕切弁。
【請求項4】
前記弁本体のシール材装着部と前記シール材とに、互いに係止してシール材の位置決めを行う係止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のソフトシール仕切弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトシール仕切弁に関し、詳しくは、弁本体の所定位置にシール材を装着した弁体を、管路を横切る方向に移動させて弁の開閉を行うソフトシール仕切弁における弁本体へのシール材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
弁箱の上部に、該弁箱に連通する開口部を備えた弁体収容部を連設し、前記開口部を介して弁体収容部と弁箱とに移動可能な弁体を設け、弁体を弁体収容部に収容したときに開弁状態となり、弁体を弁箱内に下降させて弁本体に設けたシール材の下部を弁箱内周面下半部に当接させるとともに、前記シール材の上部を前記開口部の開口縁に設けた弁座に当接させたときに閉弁状態となる仕切弁が知られている。
【0003】
前記シール材を弁本体の両面に固定する構造として、弁本体及びシール材の所定位置に複数のボルト挿通孔を形成し、弁本体の両面にシール材をそれぞれ配置して前記ボルト挿通孔にボルトを挿通し、ボルト先端にナットを螺着することにより、ボルト頭とナットとで両シール材を弁本体に固定することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4515906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたシール材の固定構造では、シール材を固定するためのボルトが弁体に形成したボルト挿通孔を貫通しているため、閉弁時にボルト挿通孔を通って流体が下流側に漏れ出すおそれがあった。
【0006】
そこで本発明は、確実なシール性を得ることができるシール材の固定構造を備えたソフトシール仕切弁を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のソフトシール仕切弁は、弁箱の上部に、該弁箱に連通する開口部を備えた弁体収容部を連設し、前記開口部を介して弁体収容部と弁箱とに移動可能な弁体を設け、弁体を弁体収容部に収容したときに全開状態となり、弁体を弁箱内に下降させて該弁体に装着されたシール材を弁箱内に設けた弁座に当接させたときに全閉状態となる仕切弁において、前記弁体は、弁本体と、該弁本体に設けられたシール材装着部に装着される前記シール材と、前記弁本体に取り付けられて弁本体との間で前記シール材を挟持するシール材保持部材とを備え、前記弁本体とシール材保持部材とに、いずれか一方が変形することにより係合してシール材保持部材を弁本体に固定する弁本体側係合部と保持部材側係合部とをそれぞれ設けたことを特徴としている。
【0008】
さらに、本発明のソフトシール仕切弁は、前記弁本体に設けられた弁本体側係合部が弁本体の側面に突設された弁本体側係合片を有し、前記シール材保持部材に設けられた保持部材側係合部が前記弁本体側係合片を挿通する係合片挿通孔と、該係合片挿通孔に隣接して設けられた保持部材側当接面とを有しており、前記弁本体側係合片は、前記係合片挿通孔を通ってシール材保持部材の外面に突出した係合片先端部が前記保持部材側当接面に当接する状態に変形可能に形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のソフトシール仕切弁は、前記弁本体に設けられた弁本体側係合部が前記弁本体の側面から弁本体外周側に向かって突出した突出部の弁本体側の面に設けられた弁本体側当接面を有し、前記シール材保持部材に設けられた保持部材側係合部が該シール材保持部材から前記突出部の突出方向先端側に向かって突出する保持部材側係合片と、該シール材保持部材の外面に突出して前記保持部材側係合片を前記弁本体側当接面に当接する方向に向けて変形させる係合片変形用部材とを有していることを特徴としている。
【0010】
さらに、前記弁座を含む弁箱に粉体塗装が施されていること、前記弁本体のシール材装着部と前記シール材とに、互いに係止してシール材の位置決めを行う係止部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のソフトシール仕切弁によれば、シール材保持部材を、弁本体に形成した弁本体側係合部に係合させてリング状のシール材の内周部を保持するようにしているので、弁本体にボルト挿通孔のような貫通孔を設ける必要がなく、閉弁時のシール性を確保することができる。さらに、係合片先端部や係合片を変形させる際の力がシール材を弁本体に押し付ける方向に作用するので、シール材をより確実に弁本体に固定することができる。加えて、シール材をリング状に形成しているので、シール材の材料、特に、ゴムの使用量を少なくすることができる。また、弁座に粉体塗装を施すことにより、耐食性を大幅に向上させて錆の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のソフトシール仕切弁の第1形態例を示す弁体の側面図である。
図2】同じく一部断面底面図である。
図3図1のIII−III断面図である。
図4図1のIV−IV断面図である。
図5図1のV−V断面図である。
図6】閉弁状態としたソフトシール仕切弁を示す断面正面図である。
図7】開弁状態としたソフトシール仕切弁を示す断面側面図である。
図8】本発明のソフトシール仕切弁の第2形態例を示す弁体の側面図である。
図9】同じく底面図である。
図10図8のX−X断面図である。
図11図8のXI−XI断面図である。
図12図8のXII−XII断面図である。
図13】本発明のソフトシール仕切弁の第3形態例を示す弁体の側面図である。
図14】同じく底面図である。
図15図13のXV−XV断面図である。
図16図13のXVI−XVI断面図である。
図17図13のXVII−XVII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、図6及び図7に示すように、本形態例に示すソフトシール仕切弁11は、前後の配管に接続される弁箱12と、該弁箱12の上部に開口部13を介して連設される弁体収容部14と、前記開口部13を介して弁体収容部14と弁箱12とに弁箱12の軸線に対して直交する上下方向に移動可能な弁体15と、前記弁体収容部14の上部に設けられた操作部16とを備えている。前記操作部16に接続されるハンドルなどを操作して弁棒17により弁体15を弁体収容部14に収容したときに全開状態となり、弁体15を弁箱12内に下降させたときに全閉状態となる。また、鋳物によって形成した弁箱12は、弁箱内に設けられる弁座を含めて全体に粉体塗装を施すことにより、弁箱12の耐久性を大幅に向上させることができる。
【0014】
図1乃至図5に示すように、弁体15は、偏平円盤状に形成された金属製の弁本体21と、該弁本体21の上部に設けられたコマ収納部22と、弁本体21の両側部に設けられたガイド部材装着片23と、弁本体21の中央上下方向に設けられた弁棒収納筒部24と、弁本体21の上流側及び下流側の両側面に、一対のシール材保持部材25によって取り付けられたシール材26とを備えている。前記コマ収納部22には、前記弁棒17の雄ネジに螺合する雌ネジ部材(コマ)27が嵌め込まれ、前記ガイド部材装着片23には、弁箱12から弁体収容部14にわたって設けられたガイド溝18に摺接するガイド部材28がそれぞれ取り付けられ、コマ収納部22の上部通孔には、軸部シール材19が取り付けられる。また、弁本体21の周縁部には、シール材26を装着するためのリング状のシール材装着部29が設けられるとともに、弁本体21の側面には、シール材保持部材25を保持するための弁本体側係合部30が設けられている。
【0015】
シール材26は、全閉状態で弁箱内周面下半部に設けられた下向き円弧状の下部弁座12aに当接する下部シール部26aと、前記開口部13の弁体収容部14側を向いた面にそれぞれ設けられた上向き円弧状の上部弁座13aに当接する一対の上部シール部26bと、下部シール部26a及び上部シール部26bの内周側に設けられて弁本体側が前記シール材装着部29の形状に対応した形状に形成されたリング状取付部26cとを有している。
【0016】
前記シール材保持部材25は、リング状の金属板の外周部を、前記シール材装着部29に装着したシール材26のリング状取付部26cの外面を保持可能な形状に形成したものであって、前記弁本体側係合部30に係合してシール材保持部材25を弁本体21に固定する保持部材側係合部31が設けられている。
【0017】
また、弁本体21に対するシール材26の位置決めを行うための係止部として、前記シール材装着部29の上部側の2箇所には、弁本体内周側に向けて突出した上部係止突部32aが設けられるとともに、シール材装着部29の下部側の2箇所には、弁本体外面側に向けて突出した下部係止突部32bが設けられ、シール材26のリング状取付部26cには、上部係止突部32aに対応した位置に上部係止孔26dが設けられ、下部係止突部32bに対応した位置に下部係止孔26eが設けられている。さらに、シール材保持部材25には、シール材26の上部係止孔26dを通って弁本体内周側に突出する上部係止突部32aに対応した位置に係止孔25aが設けられている。
【0018】
弁本体21のシール材装着部29にシール材26を装着する際に、上部係止孔26dに上部係止突部32aを挿通し、下部係止孔26eに下部係止突部32bを挿通することにより、シール材26を所定の状態で弁本体21に装着することができる。また、シール材保持部材25の係止孔25aに上部係止突部32aを挿通することにより、シール材保持部材25の位置決めを図れるとともに、シール材保持部材25の上部側を弁本体21に固定した状態にすることができる。
【0019】
弁本体21に設けられた弁本体側係合部30は、前記リング状取付部26cの内周側の弁本体下部側面に突設された2箇所の弁本体側係合片33を有しており、シール材保持部材25に設けられた保持部材側係合部31は、前記弁本体側係合片33を挿通する係合片挿通孔34と、該係合片挿通孔34の内周側に隣接して設けられた保持部材側当接面35とを有している。前記弁本体側係合片33は、前記係合片挿通孔34を通ってシール材保持部材25の外面に突出した係合片先端部33aが前記保持部材側当接面35に当接する方向に向かって変形可能に形成されており、図5の想像線で示すように、係合片先端部33aが保持部材側当接面35に当接する状態に係合片先端部33aを屈曲させることにより、弁本体側係合部30と保持部材側係合部31とが係合し、シール材保持部材25と弁本体21の側面との間にシール材26のリング状取付部26cを挟持して弁本体21の側面にシール材26を固定した状態になる。さらに、係合片先端部33aを屈曲させる方向の力がシール材保持部材25を弁本体21の側面に近接させる方向に作用するので、シール材26を弁本体21に押し付けた状態で確実に固定することができる。
【0020】
したがって、本形態例では、弁本体21のシール材装着部29に装着したシール材26の外面側に、弁本体側係合片33を係合片挿通孔34に挿通させた状態でシール材保持部材25を配置した後、係合片先端部33aが保持部材側当接面35に当接する方向に力を加えて係合片先端部33aを変形させ、係合片先端部33aを保持部材側当接面35に当接させることにより、弁本体21の所定の位置に、所定の状態でシール材26を固定した弁体15を得ることができる。このようにしてシール材26を弁本体21に固定することにより、弁本体21に従来のようなボルト挿通孔を貫通形成する必要がないので、全閉時のシール性を確保することができ、確実なシール状態を得ることができる。
【0021】
図8乃至図12は、本発明のソフトシール仕切弁の第2形態例を示すものである。なお、以下の説明において、弁体以外の構成は、前記第1形態例に示したソフトシール仕切弁と同様に形成することができるので,詳細な図示及び説明を省略するとともに、前記第1形態例に示した弁体部分の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0022】
本形態例に示す弁体51は、全体的に前記第1形態例と同様の形状を有するもので、弁本体52と、第1形態例と略同一形状のシール材26と、シール材保持部材53とを備えている。シール材26は、弁本体52に形成されたシール材装着部54に装着され、弁本体52とシール材保持部材53との間にリング状取付部26cを挟持された状態で弁本体52に固定される。
【0023】
弁本体52に設けられた弁本体側係合部55は、弁本体52の側面の周方向4箇所から弁本体外周側に向かってそれぞれ突出した突出部56の弁本体側の面に設けられた弁本体側当接面57を有しており、シール材保持部材53に設けられた保持部材側係合部58は、図12に想像線で示すように、シール材保持部材53の4箇所から前記突出部56の突出方向先端側に向かって内側にそれぞれ突出する保持部材側係合片59と、該保持部材側係合片59のシール材保持部材53の外面側に連続して外周方向に屈曲した状態でシール材保持部材53の外面に突出し、前記保持部材側係合片59を前記弁本体側当接面57に当接する方向に向けてそれぞれ変形させる係合片変形用部材60とを有している。
【0024】
本形態例においても、弁本体52のシール材装着部54に装着したシール材26の外面側に、保持部材側係合片59を突出部56の先端側に向かって挿入するようにしてシール材保持部材53を配置した後、係合片変形用部材60に、前記保持部材側係合片59が突出部56の弁本体側に回り込んで弁本体側当接面57に当接する方向に力を加えて、図12に実線で示すように、保持部材側係合片59を弁本体側当接面57に当接させるとともに、係合片変形用部材60を近傍のシール材26の突出高さ以下に納めることにより、弁本体側係合部55と保持部材側係合部58とが係合し、保持部材側係合片59を変形させる力によってシール材26を弁本体52に押し付けながら、シール材保持部材53によって弁本体52の所定の位置に、所定の状態でシール材26を固定した弁体51を得ることができる。
【0025】
図13乃至図17は、本発明のソフトシール仕切弁の第3形態例を示すものである。本形態例に示す弁体71も、全体的に前記第1形態例と同様の形状を有するもので、弁本体72と、シール材26と、シール材保持部材73とを備えている。シール材26は、弁本体72のシール材装着部74に装着され、弁本体72とシール材保持部材73との間にリング状取付部26cを挟持された状態で弁本体72に固定される。
【0026】
弁本体72に設けられた弁本体側係合部75は、弁本体72の側面上下方向中央部の同一高さ位置の2箇所から弁本体外周側に向かってそれぞれ突出した突出部76の弁本体側の面に設けられた弁本体側当接面77を有しており、シール材保持部材73に設けられた保持部材側係合部78は、図16に想像線で示すように、シール材保持部材73から前記突出部76の突出方向先端側に向かって内側にそれぞれ突出する保持部材側係合片79と、該保持部材側係合片79のシール材保持部材73の外面側に連続して外周方向に屈曲した状態でシール材保持部材73の外面に突出し、前記保持部材側係合片79を前記弁本体側当接面77に当接する方向に向けてそれぞれ変形させる係合片変形用部材80とを有している。また、保持部材側係合片79の両側位置には、弁本体72の方向に屈曲して弁本体72に係合するガイド片81が4箇所に設けられている。
【0027】
本形態例においても、弁本体72のシール材装着部74に装着したシール材26の外面側に、前記ガイド片81を弁本体72の所定位置に係合させながら、保持部材側係合片79を突出部76の先端側に向かって挿入するようにシール材保持部材73を配置した後、係合片変形用部材80に、前記保持部材側係合片79が突出部76の弁本体側に回り込んで弁本体側当接面77に当接する方向に力を加えて、図12に実線で示すように、保持部材側係合片79を弁本体側当接面77に当接させるとともに、保持部材側係合片79を変形させる力によってシール材26を弁本体72に押し付けながら、係合片変形用部材80を近傍のシール材26の突出高さ以下に納めることにより、弁本体側係合部75と保持部材側係合部78とが係合し、シール材保持部材73及びガイド片81によって弁本体72の所定の位置に、所定の状態でシール材26を固定した弁体71を得ることができる。
【符号の説明】
【0028】
11…ソフトシール仕切弁、12…弁箱、12a…下部弁座、13…開口部、13a…上部弁座、14…弁体収容部、15…弁体、16…操作部、17…弁棒、18…ガイド溝、19…軸部シール材、21…弁本体、22…コマ収納部、23…ガイド部材装着片、24…弁棒収納筒部、25…シール材保持部材、25a…係止孔、26…シール材、26a…下部シール部、26b…上部シール部、26c…リング状取付部、26d…上部係止孔、26e…下部係止孔、27…雌ネジ部材、28…ガイド部材、29…シール材装着部、30…弁本体側係合部、31…保持部材側係合部、32a…上部係止突部、32b…下部係止突部、33…弁本体側係合片、33a…係合片先端部、34…係合片挿通孔、35…保持部材側当接面、51…弁体、52…弁本体、53…シール材保持部材、54…シール材装着部、55…弁本体側係合部、56…突出部、57…弁本体側当接面、58…保持部材側係合部、59…保持部材側係合片、60…係合片変形用部材、71…弁体、72…弁本体、73…シール材保持部材、74…シール材装着部、75…弁本体側係合部、76…突出部、77…弁本体側当接面、78…保持部材側係合部、79…保持部材側係合片、80…係合片変形用部材、81…ガイド片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17