特許第6014428号(P6014428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014428
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】測光装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20161011BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01J1/02 F
   G01J3/36
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-196825(P2012-196825)
(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公開番号】特開2014-52278(P2014-52278A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075638
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
(74)【代理人】
【識別番号】100169155
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】丸山 知行
(72)【発明者】
【氏名】成沢 二三男
【審査官】 塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−133833(JP,A)
【文献】 特開2009−115631(JP,A)
【文献】 特開2012−026915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00−1/60
G01J 3/00−3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光が光検出部へと出射する検出部開口とを有し、
前記光検出部は、前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を分光する分光手段と、前記分光手段に隣接して、前記分光手段により分光された光が入射する複数の光電変換素子とを有し、前記測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記各光電変換素子から出力される前記測定対象光源からの前記入射光の強度に応じた量の電荷を蓄積してその蓄積した電荷の量を電圧値に変換して出力する積分回路と、
前記積分回路から出力される電圧値及び前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間に基づいて前記測定対象光源からの前記入射光の強度を演算する制御手段と、
前記測定対象光源からの前記入射光を検知するための、前記光検出部の前記光電変換素子とは異なる光検知センサであって、前記積分球の前記入射部開口と対向した位置に形成された開口に設置された光検知センサと、前記光検知センサからの出力電流を電圧波形に変換するトランスインピーダンスアンプとを有する前記測定対象光源からの前記入射光の周波数を検知するための周波数検知手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記周波数検知手段からの前記電圧波形に基づき前記測定対象光源からの前記入射光の周期を算出し、前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間を、前記周期の整数倍に合わせて前記入射光の強度を求め、前記測定対象光源の特性を測定することを特徴とする測光装置。
【請求項2】
前記入射部開口には、拡散透過板を設置することを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
【請求項3】
拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する、拡散透過板が設置された入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光が光検出部へと出射する検出部開口とを有し、
前記光検出部は、前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を分光する分光手段と、前記分光手段に隣接して、前記分光手段により分光された光が入射する複数の光電変換素子とを有し、前記測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記各光電変換素子から出力される前記測定対象光源からの前記入射光の強度に応じた量の電荷を蓄積してその蓄積した電荷の量を電圧値に変換して出力する積分回路と、
前記積分回路から出力される電圧値及び前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間に基づいて前記測定対象光源からの前記入射光の強度を演算する制御手段と、
前記測定対象光源からの前記入射光を検知するための、前記光検出部の前記光電変換素子とは異なる光検知センサであって、前記積分球の前記入射部開口に設置された前記拡散透過板の前記測定対象光源とは反対側に設置された光検知センサと、前記光検知センサからの出力電流を電圧波形に変換するトランスインピーダンスアンプとを有する前記測定対象光源からの前記入射光の周波数を検知するための周波数検知手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記周波数検知手段からの前記電圧波形に基づき前記測定対象光源からの前記入射光の周期を算出し、前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間を、前記周期の整数倍に合わせて前記入射光の強度を求め、前記測定対象光源の特性を測定することを特徴とする測光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としての、蛍光灯、電球、LED照明装置、LED素子、などの色度、演色性などを測定する測光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、蛍光灯、電球、LED照明装置、LED素子などの測定対象光源からの光の特性を測定する測光装置として、種々の装置が提案されている。特に、斯かる測定対象光源、即ち、発光体の製造ラインでは、発光体が初期のスペクトルや強度で発光することを確認するために測光装置にて発光体の光測定が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、本願添付の図6に記載するように、拡散光学系としての積分球2を備え、測定対象光源の特性を測定する測光装置1を開示している。この測定装置1にて、光検出部3は、積分球2の検出部開口23に近接して配置されており、入射部開口22には、拡散透過板4を設置した構成とされる。斯かる構成の測定装置は、測定対象光源(被試験光)100の入射角度が変化しても高精度に被試験光の色度、照度などを高精度に測定することが可能である。
【0004】
例えば、LED照明装置に使用されるLEDには、直流電源又は交流電源で駆動されるタイプのものがある。交流電源で駆動されるタイプは、通常、交流電源の周波数の2倍の周波数に同期して発光強度が周期的に変化している。このため、測光装置の積分時間を可変した場合、発光強度の周期的な変化により積分時間を十分に長くして強度を平均化しなければ測定値が安定しないという課題がある。特に、積分時間を交流の1周期よりも短くしたときには測定値が安定せず測定精度が悪くなる。交流で駆動される蛍光灯などの光の強度を測定する時にも同様の課題がある。
【0005】
特許文献2には、光源の変調周期の影響を受けず、より短い時間で安定して測定できる測定装置を記載している。この測定装置では、予め既知の光源の変調周期に対して積分時間や測定回数を制御し、積分時間や測定回数によって決まる時間が光源の変調周期の整数倍とされる。
【0006】
一方、近年、例えばLED照明装置などにおいては、例えば特許文献3に記載するように、ある周波数で変調され、デューティ比を変更して明るさ、即ち、輝度(発光量)及び色度(色相、色温度)などを変更することが行われ、また、普及し始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−133833号公報
【特許文献2】特開2012−26915号公報
【特許文献3】特開2012−146633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献2に記載の測定装置は、予め設定された変動周期(変動周波数)が50〜120Hzの光源に対しては、光源の変調周期の影響を受けず、より短い時間で安定して測定できる。十分長い測定時間を設定することにより測定値は安定するが、過渡的な変化の測定にはより短い時間での測定が必要となる。
【0009】
一方、変調周波数は、LED照明等のメーカ或いは商品によって異なることがあり、特許文献2に記載する測定装置では、予め設定された変調周期に対してしか安定して測定できない。また、LED照明の変調では、人間のちらつきを感じないように、変調周波数は、10kHzなどの高い周波数が採用されている。また、上記特許文献2の測定装置では、電流測定が積分方式であるために、10kHzなどの高い変調周波数を検出することはできない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、高速変調されている光源でも、変調周期の影響を受けずに安定して光測定が可能な測光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は本発明に係る測光装置にて達成される。要約すれば、本発明の一態様によれば、
拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光が光検出部へと出射する検出部開口とを有し、
前記光検出部は、前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を分光する分光手段と、前記分光手段に隣接して、前記分光手段により分光された光が入射する複数の光電変換素子とを有し、前記測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記各光電変換素子から出力される前記測定対象光源からの前記入射光の強度に応じた量の電荷を蓄積してその蓄積した電荷の量を電圧値に変換して出力する積分回路と、
前記積分回路から出力される電圧値及び前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間に基づいて前記測定対象光源からの前記入射光の強度を演算する制御手段と、
前記測定対象光源からの前記入射光を検知するための、前記光検出部の前記光電変換素子とは異なる光検知センサであって、前記積分球の前記入射部開口と対向した位置に形成された開口に設置された光検知センサと、前記光検知センサからの出力電流を電圧波形に変換するトランスインピーダンスアンプとを有する前記測定対象光源からの前記入射光の周波数を検知するための周波数検知手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記周波数検知手段からの前記電圧波形に基づき前記測定対象光源からの前記入射光の周期を算出し、前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間を、前記周期の整数倍に合わせて前記入射光の強度を求め、前記測定対象光源の特性を測定することを特徴とする測光装置が提供される
【0012】
本発明の一実施態様によると、前記入射部開口には、拡散透過板を設置する。
【0014】
本発明の他の態様によると、
拡散光学系としての積分球を備え、
前記積分球は、測定対象光源からの光が入射する、拡散透過板が設置された入射部開口と、前記積分球の内壁面で拡散された拡散光が光検出部へと出射する検出部開口とを有し、
前記光検出部は、前記検出部開口に近接して、前記積分球からの拡散光を分光する分光手段と、前記分光手段に隣接して、前記分光手段により分光された光が入射する複数の光電変換素子とを有し、前記測定対象光源の特性を測定する測光装置において、
前記各光電変換素子から出力される前記測定対象光源からの前記入射光の強度に応じた量の電荷を蓄積してその蓄積した電荷の量を電圧値に変換して出力する積分回路と、
前記積分回路から出力される電圧値及び前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間に基づいて前記測定対象光源からの前記入射光の強度を演算する制御手段と、
前記測定対象光源からの前記入射光を検知するための、前記光検出部の前記光電変換素子とは異なる光検知センサであって、前記積分球の前記入射部開口に設置された前記拡散透過板の前記測定対象光源とは反対側に設置された光検知センサと、前記光検知センサからの出力電流を電圧波形に変換するトランスインピーダンスアンプとを有する前記測定対象光源からの前記入射光の周波数を検知するための周波数検知手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記周波数検知手段からの前記電圧波形に基づき前記測定対象光源からの前記入射光の周期を算出し、前記積分回路が前記電荷を蓄積する積分時間を、前記周期の整数倍に合わせて前記入射光の強度を求め、前記測定対象光源の特性を測定することを特徴とする測光装置が提供される
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高速変調されている光源でも、変調周期の影響を受けずに安定して光測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1(a)は、本発明に係る測光装置の一実施例の概略構成図であり、図1(b)は、周波数検知手段の一実施例の電気的構成を示す概略図である。
図2図2(a)は、本発明に係る測光装置の電気的構成を示すブロック図であり、図2(b)は、積分回路の一実施例の電気的構成を示す概略図である。
図3図3(a)は、測定対象光源の調光装置の電気的構成の一例を示すブロック図であり、図3(b)は、調光装置の具体的回路構成の一例を示しており、図3(c)は、変調周波数の一例を示す概略図である。
図4】本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。
図5】本発明に係る測光装置の他の実施例の概略構成図である。
図6】従来の測光装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る測光装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0018】
実施例1
(測光装置の概略構成)
図1(a)を参照して、本発明に係る測光装置1の一実施例の概略構成を説明する。
【0019】
本実施例によると、測光装置1は、図6を参照して説明した特許文献1に記載する測定装置と同様の構成とされ、拡散光学系としての積分球2を備えている。積分球2は、内部が球面状の中空20とされ、中空20の球面(内面)21は拡散反射コーティングを施し、拡散反射フィルム又は拡散反射層を有している。フィルム或いは反射層は、硫酸バリウムなどとされるコーティング剤を充填するか、又は、スプレーして形成される。
【0020】
更には、積分球2は、例えば、ポリテトラフッ化エチレン、ポリクロロトリフッ化エチレン、ポリクロロフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどとされる、適宜に焼結したフッ素樹脂の固体ブロックで形成することもできる。
【0021】
本実施例では、積分球2は、図1(a)にて、その左側位置に測定対象光源100からの光が入射する入射部開口22と、積分球2の下側位置に積分球2の内壁面21で拡散された拡散光が光検出部3へと出射する検出部開口23とを有する。
【0022】
本実施例における積分球2の具体的寸法、形状、材質の一例を挙げれば次の通りである。
【0023】
本実施例にて、積分球2は、フッ素樹脂、特に、PTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の固体ブロックで作製し、中空球面21の直径(D)は60mmであった。入射部開口22は、直径(d1)が20mmであり、検出部開口23は、直径(d2)が13mmとした。
【0024】
本発明にて、積分球2は、上記寸法、形状、材質、に限定されるものではない。ただし、一般的な推奨条件によれば、積分球2は、次の条件を満足することにより良好な性能を発揮し得る。
【0025】
つまり、本実施例にて、積分球2における、直径Dとされる球面(内壁面)21の全表面積をA、入射部開口部22の開口面積をA1、検出部開口部23の開口面積をA2としたとき、
A1+A2≦A×5%
を満足するのがよい。
【0026】
本実施例の測光装置1では、図1(a)に示すように、入射開口22の領域を全面的に覆って、拡散透過板4が固定部材41により積分球2に固定される。拡散透過板4としては、シグマ光機株式会社製のオパール型拡散板が好適に使用される。
【0027】
尚、拡散透過板4は、図1(a)に一点鎖線にて示すように、直径d1とされる入射開口22内のいずれかの位置に設置することも可能である。この場合は、拡散透過板4の設置位置は、積分球2の内壁面21に隣接した位置の方が好ましい。
【0028】
また、本実施例の測光装置1は、積分球2の外側で且つ検出部開口23に近接して光検出部3が配置される。光検出部3は、積分球2からの拡散光を分光する分光手段31と、分光手段31に隣接して配置され、分光手段31により分光された光が入射する複数の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・Snから成る光電変換素子列32とを備えている。分光手段31と光電変換素子列32とは、光電センサ(即ち、光検出器)3Aを構成している。
【0029】
上記構成の本実施例の測光装置1によれば、拡散光学系は積分球2とされ、そのため、積分球2に入射する測定対象光源100からの入射角(θ)が変化しても、極端に変化しない限りにおいては、分光手段31や光電変換素子列32への入射角分布や光量が変化することは少ない。
【0030】
分光手段31は、図2(a)に示すように、各光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・Snに対応して設置された光フィルタf1、f2、・・・fnとすることもできるが、本実施例によると、リニアバリアブルフィルタ(以後、「LVF」という。)とされる。
【0031】
LVFは、バンドパスフィルタの中心波長が位置により連続的に変化する部材であり、従って、フィルタは1種類製作すればよく、従来の干渉フィルタアレイのような、光電変換素子列への貼り付け作業も必要とはしない。また、バンドパスの中心波長が連続的に変化しているため、位置ズレの影響は干渉フィルタに比べると小さい。
【0032】
LVFは、透過スペクトルの半値幅は中心波長に比例する。例えば、中心波長の1〜2%である。400〜800nmまでの特性で考えると、400nm付近では半値幅が40nm(中心波長の1%)、800nm付近では半値幅が80nmとなる。つまり、400〜500nm付近では半値幅が狭く、500nm以降では半値幅を広くすることが可能であり、光電変換素子列32は均等間隔でよい。
【0033】
本実施例にて、分光手段31としてのLVFは、波長範囲380nm〜720nmとされる、米国JDSU社製のリニアバリアブルフィルタを使用した。また、検出部開口23からLVF31までの距離(L)は、10mmとされ、このLVF31に1mm以下にて密着して光電変換素子列32を配置した。
【0034】
光電変換素子列32は、本実施例では、16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16からなるフォトダイオードアレーを使用した。つまり、本実施例では、16個の光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2、・・・S16を備えたフォトダイオードアレー32により、380nm〜720nmまで20nmピッチでピークを持つ16個の受光信号S1(λ)、S2(λ)、・・・S16(λ)が測定値として得られる。なお、光電変換素子Sの数は、16個に限定されるものではなく、所望により、これ以外の個数とすることもできる。
【0035】
更に、本実施例によれば、測光装置1には、本発明の特徴部をなす、測定対象光源100がある高い周波数で変調され、デューティ比を変更して明るさが変更された場合においてもその高い変調周波数を検知することのできる周波数検知手段5が設けられる。
【0036】
本実施例によると、周波数検知手段5は、上記光検出部3の光電変換素子Sとは異なる、例えばフォトダイオード(光電変換素子)とされる光検知センサ50と、この光検知センサ50からの出力電流を電圧波形に変換する高速動作可能なトランスインピーダンスアンプ51とを有している。トランスインピーダンスアンプ51は、例えば、図1(b)に示すような回路構成とされ、増幅回路51aと、増幅回路51aの入力と出力との間に接続された負帰還抵抗51b及び容量51cとを有し、光検知センサ50から発生した電流を電圧に変換して出力する。勿論、トランスインピーダンスアンプ51の構成は、上記構成に限定されるものではなく、当業者には周知の種々の構成が可能である。
【0037】
周波数検知手段5を構成する光検知センサ50は、測定対象光源100からの入射光を検知し得るのであれば、積分球2の内部の任意の位置に開口部を形成し、この開口部を介して入射光を検知し得るように配置することができる。
【0038】
しかしながら、周波数検知手段5を構成するトランスインピーダンスアンプ51は、光が弱くなるに従って、その周波数特性が低下する傾向にある。従って、図1(a)に示すように、積分球2には、測定対象光源100からの光が入射する入射部開口22と対向した積分球2の右側位置に検出部開口24を形成し、この検出部開口24に光検知センサ50が設けられる。これにより、光検知センサ50は、測定対象光源100からの入射光を直接に受光することができ、測定光も大きくなり、より高速な変調光までも測定可能となる。検出部開口24は、本実施例では直径(d3)が5mmとされた。
【0039】
図2(a)は、本実施例における測光装置1の電気的構成の一実施例を示すブロック図である。
【0040】
本実施例によると、複数の、例えば16個のフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・Sn(S16)から成る光電変換素子列32からの受光信号をデジタル値に変換するA/D変換器101と、A/D変換器101にて変換された受光信号を受信する制御手段(CPU)102とを備えている。
【0041】
更に説明すると、本発明によると、発光強度が周期的に変化する光源の光の強度を測定するために、積分回路M(M1、M2、・・・Mn)が設けられる。本実施例では、16個のフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・Sn(S16)に対応して積分回路M1、M2、・・・Mn(M16)が設けられており、対応するフォトダイオード(光電変換素子)S1、S2、・・・S16から入力する電荷を蓄積してその蓄積した電荷の量を電圧値に変換して出力する。図2(b)に、積分回路Mの一例を示す。
【0042】
図2(b)にて、積分回路Mは、演算増幅器11及び可変容量部12を有し、演算増幅器11の入出力間に可変容量部12が接続されている。演算増幅器11は、その反転入力端子が図示するように、入力端子となり、非反転端子が基準電位となるグランド電位に接続されている。可変容量部12は、コンデンサ13a、13b、及び、容量用スイッチ14o,14a、14bを有している。この可変容量部12は、容量用スイッチ14o、直列接続されたコンデンサ13a及び容量量スイッチ14a、並びに、直列接続されたコンデンサ13b及び容量量スイッチ14b同士が並列に接続されて構成されている。容量用スイッチ14o、14a、14bは、CPU102による開閉制御により開閉動作する。容量用スイッチ14o、14a、14bは、所望する応答速度で開閉動作し、漏れ電流の少ないものであることが好ましい。
【0043】
可変容量部12は、容量用スイッチ14a、14bの各々の開閉状態により容量値が可変に設定される。また、可変容量部12は、容量用スイッチ14oを閉状態にすると、それまで可変容量部12に蓄積されていた電荷が放電する。
【0044】
コンデンサ13a、13bの容量値は、フォトダイオードSの検出感度や受光する光の強度、所望する測定時間などに基づいて適宜定める。一例としてコンデンサ13aの容量値を100pF、コンデンサ13bの容量値を1000pFとする。容量用スイッチ14aのみが閉に制御されると可変容量部12の容量値は100pFになり、容量用スイッチ14bのみが閉に制御されると可変容量部12の容量値は1000pFになる。
【0045】
積分回路Mは、可変容量部12で可変設定された容量値をCとして、そこに蓄積された電荷の量をQとすると、Q/Cに応じた電圧値Vを出力する。このため、容量値Cを小さく設定した方が、同じ光強度でも大きな電圧値Vが出力される。従って、入射光強度が弱く光検出感度を高くしたいときには容量値Cを小さく設定し、入射光強度が強く光検出感度を低くしたいときには、容量値Cを大きく設定する。また、電荷を蓄積する積分時間Tを長くした方が、同じ光強度でも大きな電圧値Vが出力され、光検出感度を大きくできる。
【0046】
可変容量部12の容量C、積分回路4の出力電圧V、積分時間Tから入射光の強度は次式で求められる。
入射光の強度=K×C×V/T (1)
ここでKは、フォトダイオードSの感度で決まる値である。
【0047】
積分時間Tで測定を複数回行って、入射光の強度を平均化する場合、測定回数をaとし、各測定における電圧値をV1、V2・・・Vaとすると、平均化した入射光の強度は次式で求められる。
平均化した入射光の強度=K×C×(V1+V2+・・・+Va)/(a×T) (2)
【0048】
なお、本実施例では、2つのコンデンサ13a、13bで容量値を可変する構成を例示したが、容量可変幅をさらに大きくしたり、設定の変化幅をより細かく可変したりするために、並列接続するコンデンサ13及びスイッチ14の数を2つよりもさらに多く設けてもよい。また、容量を可変する必要がなければ、可変容量部12に換えて、1つのコンデンサ及び放電用の容量用スイッチ140を並列接続したものを備えて、容量値を固定してもよい。
【0049】
図2(a)に示すように、積分回路M1〜Mnの出力端子は、各々A/D変換器101に接続されている。A/D変換器101は、積分回路M1〜Mnから各々入力されるアナログ信号の電圧値を、デジタル信号に変換して出力する。A/D変換器101の出力端子は、CPU102に接続されている。
【0050】
CPU102には、A/D変換器101の他に、記憶部103、表示部104、操作部105、タイマ106、及び上記積分回路M1〜Mnが接続されており、測光装置1の動作を統括的に制御する。記憶部103は、CPU6の動作用プログラムや各種設定値や測定条件などを記憶するフラッシュROM103a、及び測定値や演算値などを記録するRAM103bを有している。表示部104は、一例として液晶ディスプレイで構成されて、測定値を表示したり、各種設定画面などを表示したりする。操作部105は、一例として操作ボタンなどで構成されて、測定者によって操作して数値入力したり、各種動作モードを選択操作したりする。タイマ106は、経過時間を計測可能なものであり、積分回路Mにおける積分時間Tや放電時間などの時間の経過を別個に計測する。
【0051】
また、上述したように、CPU102には、周波数検知手段5のトランスインピーダンスアンプ51からの電圧波形信号が入力され、該信号を基に、測定対象光源駆動手段の周波数を算出する。
【0052】
(測定対象光源の駆動)
次に、図3(a)、(b)を参照して、測定対象光源100の駆動手段を構成する調光装置200について説明する。
【0053】
図3(a)は、測定対象光源100である、例えばLED照明装置における照明光の輝度(発光量)及び色度(色相、色温度)が変更可能である調光装置の一例の概略構成をブロック図で示しており、図3(b)は、その具体的回路構成の一例を示す。
【0054】
本実施例にて調光装置200は、極性を逆にして並列接続された色度が相互に異なる第1LED100A及び第2LED100Bを含むLED照明装置100の輝度及び色又は色相を調整可能なものとされる。調光装置200は、LED駆動手段として、商用交流電源201に接続されており、直流生成部としての半波倍電圧整流回路のような整流回路202と、クロック生成回路203と、デューティ比調整回路204と、自励発信回路205a、パルスデューティ比調整回路205bなどを備えた自励発振周波数を発生する駆動パルス発生・可変回路(パルス幅調整回路)205と、相補トランジスタ206a、206bを有するプッシュプル形駆動回路206と、を備えている。デューティ比調整回路204、パルス幅調整回路205などを操作部105により調整することにより、所望のパルス数及びパルス幅に応じてパルス状の駆動電流が測定対象光源(LED照明装置)100に供給される。斯かる構成の調光装置200は、LEDの点滅を人が認識できない程度に周波数を、例えば10kHzなどに設定することができる。図3(c)は、調光装置200にて発生された電圧波形の一例を示す。図3(c)にて、周期To=1/10kHzであり、パルス幅はtとされる。
【0055】
斯かる調光装置200の構成及び作動態様は、上記特許文献3に記載されるように、当業者には周知であるので、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0056】
(測光装置の作動態様)
上記構成とされる本実施例の測光装置1の作動態様について説明する。
【0057】
本実施例の測光装置1において、調光装置200によるLED照明の変調では、人間のちらつきを感じないように、変調周波数は、例えば10kHzなどが採用されている。従って、上述したように、本実施例の測光装置1には、色度や演色性測定を行う光電変換素子(フォトダイオード)S1、S2・・・Snとは別個に光検知センサ50を備えた周波数検知手段5が設置されており、この周波数検知手段5により、測定対象光源100を駆動する電源(駆動手段)200の周波数が検知可能とされる。
【0058】
つまり、本実施例によると、周波数検知手段5は、光検知センサ50からの出力電流をトランスインピーダンスアンプ51にて電圧波形に変換する。CPU102は、例えば図3(c)に示すような、トランスインピーダンスアンプ51からの電圧波形信号に基づいて、周期(周波数)To(パルス幅t)を算出する。
【0059】
本発明によると、各積分回路Mの積分時間は、周期Toの整数倍とされる。従って、CPU102は、測定制御手段を起動して、積分時間Tを周期Toのn周期分(nは1以上の整数)、つまり周期Toのn倍(T=nTo)で制御する。この積分時間Tは、予め記憶部103に記憶された値で制御する。通常、nは1とされるが、n=1〜100とすることもできる。
【0060】
この積分時間T(=nTo)の間、CPU102は各積分回路Mの容量用スイッチ14oを開状態に維持すると共に、可変容量部12の容量値が記憶部103に予め設定された容量値となるように容量用スイッチ14a、14bのいずれかを閉状態に維持する。このようにCPU102が制御することで、受光素子Sで発生する電荷量を積分回路Mが積分する。
【0061】
CPU102は、積分のタイミングとしては、光強度がちょうどゼロになった位置から電荷の蓄積(測定)を開始しても良いが、どのようなタイミングで測定を開始したとしても、光強度の変化は周期的に変化するので、積分回路Mが蓄積する電荷量は等しくなる。従って、積分値が安定するので、光の強度を安定して精度よく測定することができる。積分時間Tが終了したときに、CPU102は、積分回路Mの出力電圧をA/D変換器101から読み込んで、演算手段を起動して、その電圧値V、積分時間T、及び可変容量部の容量値Cから光の強度を演算する(上記式(1)参照)。なお、測定回数は1回でもよいが、放電期間を挟んで複数回同様に測定を行い、それら測定値を測定回数で平均化してもよい(上記式(2)参照)。
【0062】
積分時間、測定回数などは、予め一例として測定時に使用する可能性のある積分時間、測定回数などを記憶部103に記憶させておくこともできる。また、測定者は、操作部105を操作して積分時間、測定回数などを設定することも可能である。
【0063】
また、測定者は、操作部105操作して、積分回路Mの可変容量部12の容量値を設定することができる。可変容量部12の容量値は、積分回路Mごとに設定してもよく、全ての積分回路Mで同じ容量値に設定してもよい。CPU102は、設定された容量値を記憶部103に記憶させる。
【0064】
なお、上記実施例では、発光体(測定対象光源100)としてLED照明装置の光を測定した例を示したが、周期的に光の強度が変化するものであれば発光体の種類は限定されず、例えば蛍光灯、LED素子、電球の光を測定してもよい。また、発光体の光は、光強度波形が周期的に強度変化を繰り返す波形であれば、例えば、ノコギリ波のように左右対称形状でない波形であっても測定することができる。
【0065】
本実施例の測光装置は、上記構成とされるので、高速変調されている光源でも、変調周期の影響を受けずに安定して測定できる。
【0066】
上記構成とされる本実施例の測光装置1の一測定作動態様について説明すれば、上述のようにして制御手段102にて算出された光強度(受光信号)をRAM103bに保存し、RAM103bに保存されている受光信号、及び、ROM103aに保存されている重み付け係数を用いて、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)に近似した等色関数x’(λ)、y’(λ)、z’(λ)を求め、この近似等色関数に基づく三刺激値X、Y、Zを算出することができる。
【0067】
制御手段102は、上述にて得られた三刺激値X、Y、Zに基づいて、測定対象光源100の色度、照度など光源の特性を判断するための測定値を算出する。
【0068】
上記近似等色関数を求める工程、及び、近似等色関数から三刺激値を求める工程は、当業者には周知である。また、本発明の特徴部を構成するものでもないので、これ以上の説明は省略する。
【0069】
実施例2
図4に、本発明に係る測光装置1の第二の実施例を示す。本実施例の測光装置1は、全体構成及び作動は、実施例1の測光装置1と同様とされ、ただ、周波数検知手段5の光検知センサ50の設置位置が異なるのみである。従って、測光装置1の全体構成及び作動については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
【0070】
本実施例では、周波数検知手段5の光検知センサ50は、入射部拡散透過板のすぐ裏面側、即ち、入射部拡散透過板の測定対象光源100側とは反対側に取付けられる。
【0071】
斯かる構成により、実施例1の場合と同様に、より大きい光を検出できるので、高速な変調光まで測定可能とされる。
【0072】
本実施例の測光装置も実施例1の場合と同様に、高速変調されている光源でも、変調周期の影響を受けずに安定して測定できる。
【0073】
実施例3
図5に、本発明の測光装置1の第三の実施例を示す。本実施例にて、測光装置1の全体構成及び作動は、実施例1の測光装置1と同じ構成及び作動とされ、ただ、光検出部3の構成が異なるのみである。従って、測光装置1の全体構成及び作動については、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、実施例1の説明を援用し、ここでの再度の説明は省略する。
【0074】
本実施例の光検出部3は、積分球2からの拡散光が、スリット33及びレンズ34を介して平行光とされた後、光検出器3Aへと照射される。光検出器3Aは、例えば、回折格子などとされる分光手段31と、分光手段31に隣接して、分光手段31により分光された光が入射する光電変換素子列32とを備えている。
【0075】
勿論、本実施例においても、周波数検知手段5の光検知センサ50は、実施例2と同様に、入射部拡散透過板のすぐ裏面側、即ち、入射部拡散透過板の測定対象光源100側とは反対側に取付けても良いことは勿論である。
【0076】
本実施例の測光装置も実施例1の場合と同様に、高速変調されている光源でも、変調周期の影響を受けずに安定して測定できる。
【符号の説明】
【0077】
1 測光装置
2 積分球
22 入射部開口
23、24 検出部開口
3 光検出部
3A 光電センサ(光検出器)
31 リニアバリアブルフィルタ、回折格子(分光手段)
32 光電変換素子列
33 スリット
34 レンズ系
4 拡散透過板
5 周波数検知手段
50 光検知センサ
51 トランスインピーダンスアンプ
100 LED照明装置(測定対象光源)
101 A/D変換器
102 CPU(制御手段)
200 調光装置
S(S1〜Sn) フォトダイオード(光電変換素子)
M(M1〜Mn) 積分回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6