(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部の電子部品を覆うインバータカバーと、前記インバータカバーに取り付けられて前記電子部品と電気的に接続されるターミナルと、前記インバータカバーに取り付けられて前記ターミナルを覆うとともに、前記ターミナルに対して挿抜されるコネクタが取り付けられるターミナルケースとを備えたインバータにおいて、
前記インバータカバーと前記ターミナルとに設けられて相互間の位置決めを行う第1位置決め部と、
前記インバータカバーと前記ターミナルケースとに設けられて相互間の位置決めを行う第2位置決め部とを備える
ことを特徴とするインバータ。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド型の作業機械として、クローラ式の下部走行体や、ブーム、アーム、バケットといった作業機を油圧で駆動し、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体を電気エネルギで駆動するように構成したハイブリッド油圧ショベルが知られている。このハイブリッド油圧ショベルでは、電力は、エンジンで駆動される発電モータにて発電される他、旋回動作の制動時に旋回電動モータの回生にて発電される。発電された電力は、インバータを介してキャパシタに蓄電され、また、キャパシタからインバータを介して上部旋回体を旋回駆動するための旋回電動モータに供給される。
【0003】
インバータとしては、例えば、特許文献1に示すように、冷却水回路が設けられた冷却器を上部カバーおよび下部カバーで覆い、各カバーで覆われた内部空間内に昇圧トランス、発電モータ駆動用の駆動素子、および旋回電動モータ駆動用の駆動素子を収容した構成のものがある。このインバータの上部カバー上には、昇圧トランスや各駆動素子と電気的に接続された複数のターミナルが設けられている。
【0004】
これらのターミナルは、上部カバーに取り付けられたターミナルケースで覆われている。そして、ターミナルケースに設けられたコネクタ取付部には、パワーケーブルのコネクタが取り付けられることで、コネクタのプラグがターミナル側のソケットに嵌合され、電気的に接続される。このような電気的な接続により、インバータを介したキャパシタへの電力の蓄電、およびキャパシタからの電力の供給が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のインバータでは、上部カバー、ターミナルケース、およびターミナルケース内に収容されるターミナル間相互の位置決めが必要であり、そのような位置決め作業には、特定の位置決め治具を用いることから、位置決め治具の設置に手間がかかるなど、作業が煩雑になるという問題がある。
【0007】
なお、そのような位置決め治具を用いて適切に位置決めすることで、パワーケーブルのコネクタとターミナルケースとの間の内面シールが良好に行えるうえ、コネクタのプラグが無理なくターミナルのソケットに嵌合されて、電気的な接続部分での応力発生を防止している。シール性を確保することや、応力が生じないことは、作業機械での特に建設機械では重要である。例えば、結露水等がシール部分からインバータ内に入ってしまったのでは、インバータの駆動素子等の寿命が著しく低下し、作業中では常に振動が生じていることから、応力が生じている状態で作業を続けると、接続部分が損傷し、導通状態を維持できない等の問題が生じるからである。
【0008】
本発明の目的は、上部カバーのようなインバータカバー、ターミナル、およびターミナルケースの互いの位置決めを容易にできるインバータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係るインバータは、内部の電子部品を覆うインバータカバーと、前記インバータカバーに取り付けられて前記電子部品と電気的に接続されるターミナルと、前記インバータカバーに取り付けられて前記ターミナルを覆うとともに、前記ターミナルに対して挿抜されるコネクタが取り付けられるターミナルケースとを備えたインバータにおいて、前記インバータカバーと前記ターミナルとに設けられて相互間の位置決めを行う第1位置決め部と、前記インバータカバーと前記ターミナルケースとに設けられて相互間の位置決めを行う第2位置決め部とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係るインバータでは、前記ターミナルケースには、前記コネクタが挿入されるコネクタ挿入用開口が設けられ、前記コネクタ挿入用開口の内周面には、前記コネクタの外周面に設けられたシール部材と密着するシール面が形成されていることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係るインバータでは、前記ターミナルは、前記インバータカバーに当接されるターミナル側取付面と、前記コネクタのプラグと嵌合するソケットが取り付けられるソケット取付部とを合成樹脂の型成形により一体に有するターミナルブラケットを備えることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係るインバータでは、前記第1位置決め部は、前記インバータカバーおよび前記ターミナルの一方に設けられた第1位置決め穴と、他方に設けられて前記第1位置決め穴と嵌合する第1位置決め突起とで構成され、前記第2位置決め部は、前記インバータカバーおよび前記ターミナルケースの一方に設けられた第2位置決め穴と、他方に設けられて前記第2位置決め穴と嵌合する第2位置決め突起とで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明によれば、インバータを構成する部材に第1、第2位置決め部を設けておくので、その第1位置決め部によりインバータカバーに対してターミナルの位置決めが高精度に行われ、第2位置決め部によりインバータカバーに対してターミナルケースの位置決めが高精度に行われるようになる。この結果、インバータカバーを基準にしてターミナルとターミナルケースとの位置決めをも良好にでき、従来のような位置決め治具を用いなくとも、インバータカバー、ターミナル、およびターミナルケース間相互の位置決めを容易にできる。
【0014】
第2発明によれば、インバータカバー、ターミナル、およびターミナルケースの相互の位置決めが適正に行われるので、ターミナルケースのコネクタ挿入用開口にコネクタを挿入した状態においては、ターミナルケースのシール面とコネクタの外周面と間の隙間をも適正にでき、この隙間をシール部材で確実にシールできる。加えて、適正な位置決めが実現されることで、コネクタとターミナルとの嵌合状態、すなわち、電気的な接合部分に応力が生じないよう接合状態を良好にでき、耐久性を向上させることができる。
【0015】
第3発明によれば、ターミナルブロックは合成樹脂の成形品であり、ターミナル側取付面とソケット取付部とを型成形により一体に有しているから、ターミナル側取付面に第1位置決め部の一部分を設けておくことで、ソケット取付部に取り付けられるソケットの位置と、第1位置決め部の一部分との間の位置精度も向上させることができる。従って、ターミナルとしての寸法精度を良好にでき、コネクタのプラグをソケットに対して無理なく、より確実に嵌合できる。
【0016】
第4発明によれば、第1、第2位置決め部がそれぞれ、第1、第2位置決め穴および第1、第2位置決め突起で構成されるので、これらを互いに凹凸嵌合させるだけで確実に位置決めでき、インバータの組立作業を迅速、かつ確実に行える。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るインバータ1を示す分解斜視図である。
図1において、インバータ1は、背景技術で述べたように、下部走行体や、ブーム、アーム、バケットといった作業機を油圧で駆動し、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体を電気エネルギで駆動するように構成したハイブリッド油圧ショベルに用いられる制御ユニットである。このようなインバータ1は、エンジンによって駆動される発電モータにて発電された電力や、上部旋回体の制動時に旋回電動モータにて回生される電力のキャパシタへの蓄電動作を制御したり、キャパシタから旋回電動モータへの電力の供給動作を制御したりする。
【0019】
具体的に、インバータ1は、水冷式の冷却器2の上面に電子部品としての昇圧トランス3を配置し、冷却器2の下面に油圧ショベルの発電モータ駆動用のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)や旋回電動モータ駆動用のIGBTといった複数の駆動素子4(
図1では1つのみを点線にて図示)を配置した構成である。
【0020】
水冷式とされた冷却器2の側面には、内部の冷却水回路と連通した冷却水流入用のインレット21および流出用のアウトレット22が設けられている。冷却水回路を流れる冷却水により、冷却器2の上面に取り付けられた昇圧トランス3や、冷却器2の下面に取り付けられた駆動素子4のヒートシンクが冷却される。そして、冷却器2の上面には、昇圧トランス3を覆うインバータカバーとしての金属製の上部カバー5が取り付けられ、冷却器2の下面には、駆動素子4を覆う合成樹脂製の下部カバー6が取り付けられている。
【0021】
また、上部カバー5の上面には、内部の昇圧トランス3や駆動素子4からの複数のケーブル11(符号については
図2参照)を引き出すための開口部51が、当該上面の一辺側に沿って設けられている。これらのケーブル11は、複数並設されたターミナル7に接合され、ターミナル7と昇圧トランス3や駆動素子4とが電気的に接続される。ターミナル7は、上部カバー5に取り付けられ、開口部51と共に矩形状のターミナルケース8によって覆われる。このようなターミナルケース8も上部カバー5に取り付けられる。
【0022】
ここで、ターミナルケース8には、各ターミナル7に対応した位置に複数のコネクタ挿入用開口81が並設されている。コネクタ挿入用開口81の周囲は、パワーケーブル100に設けられたコネクタ110をボルト等によって取り付けるためのコネクタ取付部82になっている。コネクタ110はプラグ111を有し、ターミナル7の後述するソケット73(
図2、
図3)に対して挿抜される。そして、そのようなパワーケーブル100を通して、インバータ1と図示しない発電モータ、旋回電動モータ、およびインバータ1の下部側に配置されるキャパシタとの間で電力送電が行われる。
【0023】
この際、パワーケーブル100のコネクタ110の外周面には、環状のシール部材112が取り付けられる。シール部材112は、コネクタ110がコネクタ取付部82に取り付けられた状態において、コネクタ挿入用開口81の内周面に形成されるシール面81Aに密着し、このシール面81Aとコネクタの外周面との間の防水性能を満足するよう、内面シールとして機能する。また、コネクタ110がコネクタ取付部82に取り付けられた状態では、コネクタ110側のプラグ111がターミナル7側のソケット73に嵌合し、電気的接続が図られる。
【0024】
つまり、パワーケーブル100のコネクタ110は、ターミナルケース8との間で防水性能を確保しつつ、ターミナル7に対して無理なく嵌合される必要がある。このため、本実施形態では、ターミナル7およびターミナルケース8間相互の位置関係が厳しく規定されている。ターミナル7とターミナルケース8との位置関係がずれていると、コネクタ110のプラグ111がターミナル7のソケット73に対して無理なく嵌合していても、シール部材112がシール面81Aに対して良好に接触しない可能性があり、シール性能を満足できない。反対に、シール部材112とシール面81Aとの接触が良好となるようにコネクタ110がターミナルケース8に取り付けられていても、プラグ111がソケット73に対して位置ずれしたまま強制的に嵌合している可能性があり、嵌合による電気的接続部分に応力が生じて損傷を来すおそれがある。
【0025】
ターミナル7およびターミナルケース8間相互の適切な位置関係を得るために本実施形態では、上部カバー5に対し第1位置決め部Aを介してターミナル7を取り付け、さらに、上部カバー5に対し第2位置決め部Bを介してターミナルケース8を取り付けることとしている。この結果、上部カバー5を基準として、ターミナル7およびターミナルケース8もが所定位置に精度良く取り付けられ、それら相互間の位置関係が位置決め専用の治具を用いることなく、高精度で確保されるようになる。
【0026】
図2は、第1、第2位置決め部A,Bの上部カバー5側を斜め上方から見た斜視図であり、
図3は、第1位置決め部Aのターミナル7側を示す斜め下方から見た斜視図である。
図2において先ず、上部カバー5の開口部51の内周縁には、平面視で洋梨状のカバー側取付柱52が設けられている。1つのターミナル7を取り付けるためには、所定の間隔で離間し合う一対のカバー側取付柱52が用いられる。カバー側取付柱52同士が近接している部分では、それらが互いに一体とされた形状で設けられている。カバー側取付柱52の上面52Aには、雌ねじが形成されたねじ穴53が設けられている。ターミナル7の長手方向の両側にねじ5Aを挿通するとともに、挿通したねじ5Aをねじ穴53に螺合することにより、ターミナル7を上部カバー5に取り付ける。
【0027】
また、カバー側取付柱52の上面52Aには、ねじ穴53に隣接して第1位置決め穴としての位置決め穴54が設けられている。位置決め穴54は、1つのターミナル7を取り付けるために用いられる一対のカバー側取付柱52のそれぞれに設けられている。要するに、全てのカバー側取付柱52に位置決め穴54が設けられている。
【0028】
一方、
図3において、ターミナル7は、3つのソケット取付部71が並んで穿設されたターミナルブラケット72と、ターミナルブラケット72のソケット取付部71に一端側が僅かに突出した状態で取り付けられるソケット73とを備える。ターミナルブラケット72は、絶縁性を有した合成樹脂の成形品であり、ソケット取付部71と後述のターミナル側取付面74とを型成形により一体に備えている。
【0029】
ソケット73は、導電性を有した金属製である。ソケット73の一端側には、ターミナルケース8に取り付けられるコネクタ110のプラグ111が挿入される。ソケット73の他端側は、図示しないターミナル部になっており、昇圧トランス3や駆動素子4側からのケーブル11の圧着端子12が接続される。これにより、発電モータ、旋回電動モータ、およびキャパシタが、パワーケーブル100やターミナル7等を介して、インバータ1の昇圧トランス3、あるいは駆動素子4と導通することになる。
【0030】
なお、
図2で示したソケット73では、2つのソケット取付部71にソケット73が取り付けられていたが、インバータ1とキャパシタとの間で送電される電力のように、扱われる電力が直流の場合には、ケーブル11は2本でよく、1つのソケット取付部71にはソケット73が設けられない。これに対して、インバータ1と発電モータとの間、およびインバータ1と旋回電動モータとの間で送電される電力のように、扱われる電力が交流の場合には、ケーブル11が3本使用されるため、
図3に示すように、全てのソケット取付部71にソケット73が取り付けられる。また、コネクタが取り付けられるパワーケーブル100としては、そのような2本ないし3本のケーブルをハーネス化した構成である。
【0031】
ターミナル7のターミナルブラケット72において、その長手方向(ソケット取付部71の並設方向と同じ)の両側下面には、カバー側取付柱52に当接されるターミナル側取付面74が設けられている。これらのターミナル側取付面74には、前述したねじ5Aを挿通するための挿通孔75が設けられている。さらに、ターミナル側取付面74には、挿通孔75に隣接した位置、つまりカバー側取付柱52の位置決め穴54と上下に対向する位置に、第1位置決め突起としての位置決め突起76が一体成形されている。位置決め突起76は下方に向けて突出しており、ターミナル7がカバー側取付柱52にねじ止めされるのに際して、位置決め穴54と嵌合する。
【0032】
すなわち、本実施形態では、上部カバー5の位置決め穴54とターミナル7の位置決め突起76とにより、本発明の第1位置決め部Aが構成されている。第1位置決め部Aでの位置決め穴54と位置決め突起76との嵌合により、上部カバー5に対してターミナル7が良好な位置精度で取り付けられるようになる。
【0033】
図1、
図2に戻り、上部カバー5の開口部51周りには、ターミナルケース8が取り付けられる平坦なカバー側取付面55が環状に設けられている。カバー側取付面55には、適宜な間隔を空けて複数のボルト穴56が設けられている。ターミナルケース8に設けられた挿通孔83にボルト5Bを挿通するとともに、挿通されたボルト5Bをボルト穴56に螺合することにより、ターミナルケース8を上部カバー5に取り付ける。
【0034】
カバー側取付面55には、長手方向に大きく離間して位置する一対のボルト穴56に隣接して、第2位置決め突起としての位置決めピン57がそれぞれ植設されている。位置決めピン57は、ターミナルケース8が取り付けられる上方に向けて突出している。
【0035】
図4には、ターミナルケース8の一部であって、上部カバー5の一方の位置決めピン57に対応した部分が斜め下方からの斜視図として示されている。ターミナルケース8には、上部カバー5のカバー側取付面55に当接されるケース側取付面84が環状に設けられている。ケース側取付面84には、上部カバーのボルト穴56に対応した挿通孔83の他、挿通孔83に隣接して、第2位置決め穴としての位置決め穴85が設けられている。
【0036】
位置決め穴85は下方に向けて開口しており、ターミナルケース8がカバー側取付面55にねじ止めされるのに際して、位置決めピン57と嵌合する。
図5には、その嵌合状態が断面図として示されている。
図5に示すように、位置決めピン57は、カバー側取付面55に設けられた圧入穴58に圧入されている。圧入穴58の開口辺縁には、面取り58Aが形成されている。位置決めピン57において、圧入穴58に圧入される側の端部(図中の下端)には、面取りされたテーパ面57Aが形成され、位置決め穴85に嵌合される側の端部(図中の上端)は球面57Bになっている。位置決め穴85の開口辺縁にも、面取り85Aが形成されている。
【0037】
本実施形態では、このような上部カバー5の位置決めピン57とターミナルケース8の位置決め穴85とにより、本発明の第2位置決め部Bが構成されている。第2位置決め部Bでの位置決めピン57と位置決め穴85との嵌合により、上部カバー5に対してターミナルケース8が良好な位置精度で取り付けられるようになる。
【0038】
以上の結果、上部カバー5に対してターミナル7およびターミナルケース8を取り付けた場合には、第1、第2位置決め部A,Bの作用により、上部カバー5を基準としたターミナル7とターミナルケース8との位置決めが高精度に行われ、結果として3部材間相互で適正な取付位置を実現できる。従って、ターミナルケース8にケーブル100のコネクタ110を取り付けた場合には、コネクタ100のプラグ111がターミナル7に確実に挿入され、ソケット73やプラグ111に無理な応力が生じたり、コネクタ110とターミナルケース8との間で十分なシール性能が得られなかったりするのを防止できる。
【0039】
加えて、本実施形態では、
図2、
図3に拡大して示すように、ターミナル7には、インターロックスイッチ77が設けられている。インターロックスイッチ77は、所定間隔で離間した一対の接点端子78,78を備えている。各端子78には信号ケーブル79(
図3)が接続され、各信号ケーブル79がインバータ1内の検出回路に接続されている。このようなインターロックスイッチ77は、パワーケーブル100(
図1)のコネクタ110がターミナル7に対して正しく挿入されているか否かを検出する目的で取り付けられている。
【0040】
つまり、コネクタ110側には、接点端子78,78間に架設されて互いを導通させる接点導体が設けられている。コネクタ110がターミナルケース8に正確な位置で取り付けられ、プラグ11がターミナル7に確実に挿入されることで、接点導体と接点端子78,78とが接触し、接点端子78、信号ケーブル79、および接点導体によって閉回路が形成される。インバータ1内の検出回路から一方の信号ケーブル79に出力された検出信号は、他方の信号ケーブル79を通して戻り、戻った信号を検出回路が検出する。このような検出がなされることで、コネクタ110が良好な状態でターミナルケース8に取り付けられていると判断される。
【0041】
そして、第1、第2位置決め部A,Bが設けられていることにより、ターミナル7の接点端子78に対してコネクタ110の接点導体を適正な位置で接触させることができ、インターロックスイッチ77を正しく機能させることができる。
【0042】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、インバータとして、冷却器2の上方を上部カバー5が覆い、下方を下部カバー6が覆う構造のインバータ1について説明したが、これに限定されず、箱状のケースの内部に電子部品が収容され、そのケースの上方をインバータカバーが覆う構成等であってもよい。つまり、本発明のインバータに必要な構成を備えていれば、それらの構成の具体的な形状等は、その実施にあたって任意に決められてよい。
【0043】
前記実施形態では、インバータ1がハイブリッド油圧ショベルに搭載されるとして説明したが、油圧ショベルに限らず、ホイールローダやダンプなど、ハイブリッド型の他の建設機械に本発明のインバータを搭載してもよい。また、本発明のインバータを建設機械の他、ハイブリッド型のトラクターのような農業機械や、ハイブリッド型のフォークリフトのような作業車両に搭載してもよく、建設機械、農業機械、および作業車両を含むあらゆるハイブリッド型の作業機械に搭載できる。勿論、ハイブリッド型ではなく、電動型の作業機械に本発明のインバータを搭載することも可能である。
【0044】
前記実施形態では、ターミナルブラケット72が合成樹脂の一部品で形成されていたが、本発明で用いられるブラケットとしては、導電性を有するソケット73が取り付けられる部分を、絶縁性を有する合成樹脂製の取付部材で構成するとともに、この取付部材に板金製のプレートを固定した2部品構成のブラケットとしてもよい。
【0045】
前記実施形態では、第1位置決め部Aの第1位置決め穴として、上部カバー5に位置決め穴54が設けられ、第1位置決め突起として、ターミナル7に位置決め突起76が設けられていたが、上部カバー5に第1位置決め突起を設け、ターミナル7に第1位置決め穴を設けてもよい。同様に、前記実施形態では、第2位置決め部Bの第2位置決め穴として、ターミナルケース8に位置決め穴85が設けられ、第2位置決め突起として、上部カバー5に位置決めピン57が設けられていたが、上部カバー5に第2位置決め穴を設け、ターミナルケース8に第2位置決め突起を設けてもよい。