(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定手段は、前記導出手段によって前記地磁気分布が導出された場合には当該地磁気分布によって示される各地点の地磁気の偏角に基づき、前記導出手段によって前記偏角分布が導出された場合には当該偏角分布に基づいて、前記抑制対象とする空間の各地点における地磁気の偏角の最大値及び最小値の差が予め定められた範囲内に収まるように、あるいは、前記抑制対象とする空間における前記差が予め定められた範囲内に収まりかつ配置する磁性体の総量が予め定められた値以下となるように、前記磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定する
請求項1記載の磁気擾乱抑制支援装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記露光装置内の磁気擾乱を抑制する必要がある領域のように周囲が数十センチメートル程度のサイズの領域であれば、磁気シールド材や上記特許文献1のアクティブ磁気シールド装置による磁気遮蔽により磁気擾乱が十分に小さな領域を作り出すことができる。
【0007】
しかしながら、航空機の方位計の調整領域のような周囲が数十メートルに渡る大規模な空間に対して磁気遮蔽を行おうとすると、該磁気遮蔽のための大規模な空間が更に必要となる。また、この場合、大規模な磁気シールド材等を制作するために高額な費用がかかってしまう。そのため、調整領域に対する磁気シールド材等を用いた磁気遮蔽では、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制できるとは言えない。
【0008】
更に、電子ビームを加速する加速器においても、磁気遮蔽を行うことにより磁気擾乱を抑制する技術が用いられている。しかし、高エネルギーの電子ビームを出射するために大型化された加速器の場合、電子ビームの移動範囲が数十メートル乃至数百メートルに渡るため、上記方位計の調整領域の場合と同様の問題が発生する。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる磁気擾乱抑制支援装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の磁気擾乱抑制支援装置は、磁気擾乱の抑制対象とする空間を含む予め定められた領域における磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態を示す地磁気情報を取得する取得手段と、前記領域に設けられると共に、磁性体を含む構造物の当該磁性体の量を積算する積算手段と、前記取得手段によって取得された地磁気情報、及び前記積算手段によって積算された磁性体の積算量及び前記構造物の位置に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して前記領域内で発生する磁気擾乱をシミュレーションすることにより、前記領域における地磁気分布または地磁気の偏角分布を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して発生する磁気擾乱を抑制するように前記領域に配置する磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定する決定手段と、を備えている。
【0011】
この第1の磁気擾乱抑制支援装置によれば、取得手段により、磁気擾乱の抑制対象とする空間を含む予め定められた領域における磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態を示す地磁気情報が取得される。また、本発明では、積算手段により、前記領域に設けられると共に、磁性体を含む構造物の当該磁性体の量が積算される。
【0012】
更に、本発明では、導出手段により、前記取得手段によって取得された地磁気情報、及び前記積算手段によって積算された磁性体の積算量及び前記構造物の位置に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して前記領域内で発生する磁気擾乱をシミュレーションすることにより、前記領域における地磁気分布または地磁気の偏角分布が導出される。
【0013】
そして、本発明では、決定手段により、前記導出手段によって導出された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して発生する磁気擾乱を抑制するように前記領域に配置する磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量が決定される。
【0014】
このように、本発明の第1の磁気擾乱抑制支援装置によれば、磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態と、構造物に含まれる磁性体の量及び構造物の位置とに基づいて、構造物の磁性体に起因する磁気擾乱を加味した地磁気分布または地磁気の偏角分布を導出する。また、本発明では、導出した地磁気分布または地磁気の偏角分布に基づいて磁性体の配置状態を決定する。この結果、本発明では、磁気シールド材、アクティブ磁気シールド装置等を用いた場合と比較して、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる。
【0015】
なお、本発明の磁気擾乱抑制支援装置は、前記決定手段が、前記導出手段によって前記地磁気分布が導出された場合には当該地磁気分布によって示される各地点の地磁気の偏角に基づき、前記導出手段によって前記偏角分布が導出された場合には当該偏角分布に基づいて、前記抑制対象とする空間の各地点における地磁気の偏角の最大値及び最小値の差が予め定められた範囲内に収まるように、あるいは、前記抑制対象とする空間における前記差が予め定められた範囲内に収まりかつ配置する磁性体の総量が予め定められた値以下となるように、前記磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定するようにしても良い。これにより、磁気擾乱の抑制対象とする空間における地磁気の偏角及び総量に制限を設け、当該制限の範囲内で磁気擾乱の影響を効果的に抑制することができる。
【0016】
また、本発明の磁気擾乱抑制支援装置は、前記決定手段が、磁性体が前記領域内の予め定められた第2の領域に配置されるように、前記磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定するようにしてもよい。これにより、前記領域内に磁性体を配置しない領域を設けることができる。
【0017】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る第2の磁気擾乱抑制支援装置は、磁気擾乱の抑制対象とする空間を含む予め定められた領域における磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態を示す地磁気情報を取得する取得手段と、前記領域に設けられると共に、磁性体を含む構造物の当該磁性体の量を積算する積算手段と、前記取得手段によって取得された地磁気情報、及び前記積算手段によって積算された磁性体の積算量及び当該構造物の位置に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して前記領域内で発生する磁気擾乱をシミュレーションすることにより、前記領域における地磁気分布または偏角分布を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布における前記領域に配置する磁性体の配置状態の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた配置状態に応じて磁性体を配置した場合の前記抑制対象とする空間の各地点における地磁気の偏角の最大値及び最小値の差が予め定められた範囲内に収まるか否かを判定する判定手段とを備えている。
【0018】
この第2の磁気擾乱抑制支援装置によれば、取得手段により、磁気擾乱の抑制対象とする空間を含む予め定められた領域における磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態を示す地磁気情報が取得される。また、本発明では、積算手段により、前記領域に設けられると共に、磁性体を含む構造物の当該磁性体の量が積算される。
【0019】
更に、本発明では、導出手段により、前記取得手段によって取得された地磁気情報、及び前記積算手段によって積算された磁性体の積算量及び当該構造物の位置に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して前記領域内で発生する磁気擾乱をシミュレーションすることにより、前記領域における地磁気分布または地磁気の偏角分布が導出される。
【0020】
そして、本発明では、表示手段により、前記導出手段によって導出された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布が表示される。また、本発明では、受付手段により、前記表示手段によって表示された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布における前記領域に配置する磁性体の配置状態の入力が受け付けられる。更に、本発明では、判定手段により、前記受付手段によって受け付けられた配置状態に応じて磁性体を配置した場合の前記抑制対象とする空間の各地点における地磁気の偏角の最大値及び最小値の差が予め定められた範囲内に収まるか否かが判定される。
【0021】
このように、本発明の磁気擾乱抑制支援装置によれば、磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態、及び構造物に含まれる磁性体の量及び構造物の位置に基づいて、構造物の磁性体に起因する磁気擾乱を加味した地磁気分布または地磁気の偏角分布を導出する。また、本発明では、導出した地地磁気分布または地磁気の偏角分布に応じた磁性体の配置状態の入力を受け付け、受け付けた配置状態に応じて磁性体を配置した場合に磁気擾乱の影響を抑制できているか否かを判定する。この結果、本発明では、磁気シールド材、アクティブ磁気シールド装置等を用いた場合と比較して、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、コンピュータを、磁気擾乱の抑制対象とする空間を含む予め定められた領域における磁性体を含む構造物が存在しない状態での地磁気の状態を示す地磁気情報を取得する取得手段と、前記領域に設けられると共に、磁性体を含む構造物の当該磁性体の量を積算する積算手段と、前記取得手段によって取得された地磁気情報、及び前記積算手段によって積算された磁性体の積算量及び前記構造物の位置に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して前記領域内で発生する磁気擾乱をシミュレーションすることにより、前記領域における地磁気分布または地磁気の偏角分布を導出する導出手段と、前記導出手段によって導出された前記地磁気分布または地磁気の偏角分布に基づいて、前記構造物の磁性体に起因して発生する磁気擾乱を抑制するように前記領域に配置する磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定する決定手段と、として機能させるためのものである。
【0023】
従って、本発明のプログラムによれば、コンピュータを第1の磁気擾乱抑制支援装置と同様に作用させるので、当該第1の磁気擾乱抑制支援装置と同様に、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる。
【0024】
なお、前記第1の磁気擾乱抑制支援装置は、前記決定手段が、前記磁性体の配置個数を定数とし、前記磁性体の配置位置及び量を変数として、前記領域に配置する磁性体の配置位置、及び該配置位置に配置する磁性体の量を決定するようにしても良い。これにより、配置個数を定数としない場合と比較して、磁気擾乱を抑制するために配置する磁性体の配置状態を高速で導出することができる。
【0025】
また、前記第1の磁気擾乱抑制支援装置は、前記地磁気情報が、一様磁場を示す情報であり、前記導出手段が、磁気ベクトルポテンシャル及び電気スカラポテンシャルを用いて磁場解析を行うA−φ法を基礎とする辺要素を用いる有限要素法でコンピュータ・シミュレーションを行うことにより、前記抑制対象とする空間における地磁気分布または偏角分布を導出するようにしても良い。これにより、従来既知の計算方法により磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる。
【0026】
また、前記第1の磁気擾乱抑制支援装置は、前記取得手段が、前記構造物内の磁性体を示す情報を含む前記構造物の構造物情報を更に取得し、前記積算手段が、前記取得手段によって取得された前記構造物情報を用いて前記構造物内の磁性体の量を積算するようにしても良い。これにより、構造物に含まれる磁性体の量を簡易かつ正確に得ることができる。
【0027】
更に、前記第1の磁気擾乱抑制支援装置は、前記構造物周辺の地磁気分布を計測する計測手段を更に備え、前記積算手段が、前記計測手段によって計測された地磁気分布と地磁気分布が一致するようにシミュレーションを行うことにより前記構造物内の磁性体の量を積算するようにしても良い。これにより、構造物情報を取得できない場合であっても、構造物に含まれる磁性体の量を推定することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、磁気擾乱の影響を低コストで効果的に抑制することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、飛行場における航空機の方位計を校正するための領域(以下、「対象領域」という。)における磁気擾乱を抑制することを支援する磁気擾乱抑制支援装置に適用した場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、飛行場の全領域を、対象領域内の磁気擾乱を抑制するための対処を行うことができる領域(以下、「対処可能領域」という。)とする。なお、本実施形態では、対処可能領域を、対象領域を含む領域であるものとする。
<第1実施形態>
まず、
図1を参照して、第1実施形態に係る磁気擾乱抑制支援装置10(以下、単に「支援装置10」という。)の構成を詳細に説明する。
【0031】
本実施形態に係る支援装置10は、支援装置10を総括的に制御するCPU(Central Processing Unit)12を備えている。また、支援装置10は、CPU12が各種処理を実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)14、及びCPU12が各種処理を実行する際に使用される制御プログラムや各種データが記憶されたROM(Read Only Memory)16を備えている。また、支援装置10は、CPU12が処理をする際に使用される各種データやユーザ操作により入力された各種情報が記憶される記憶手段として機能するHDD(Hard Disk Drive)18を備えている。
【0032】
また、支援装置10は、外部装置と情報のやり取りを行うI/F(インタフェース)20を備えている。更に、支援装置10は、ユーザ操作により指定された情報を入力するキーボードやマウス等の入力装置22、及びCPU12の制御により各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置24を備えている。
【0033】
CPU12、RAM14、ROM16、HDD18、I/F20、入力装置22及び表示装置24は、データバス等を含むバスにより相互に接続されている。なお、支援装置10は、I/F20を介して、磁気計測装置(図示省略)により計測された地磁気の計測値を取得することができる。
【0034】
また、
図2に示すように、本実施形態に係るHDD18は、各種情報を記憶するデータベース領域18aと、後述する擾乱抑制支援処理プログラムを含む各種制御プログラムを記憶するプログラム領域18bとを有している。
【0035】
ところで、通常、航空機等に設けられた方位計は地磁気の影響によって北(磁北)を示す。しかし、方位計の周辺に鉄筋、鉄骨等の磁性体を含む構造物が存在する場合、一例として
図3の(1)に示すように、磁性体の影響によって地磁気の向きが当該磁性体の影響によって曲げられ、当該構造物の周辺に磁気擾乱が発生する。その結果、地磁気の向きに狂いが生じ、方位計が北を示さない場合がある。この場合には、対象領域内での地磁気の偏角が不均一となり、方位計を校正することができないため、対象領域内の地磁気の偏角はほぼ均一に保たれる必要がある。
【0036】
ここで、
図3の(2)に示すように、磁性体を含む構造物の影響により磁気擾乱が発生し地磁気の偏角が不均一となった領域に対して、磁性体を、この磁気擾乱を打ち消すことができる配置状態で配置することで、地磁気の偏角の均一性を保つことができる。
【0037】
そこで、本実施形態に係る支援装置10は、対象領域内の磁気擾乱を打ち消すことができる磁性体の個数、磁性体の配置位置、及び配置位置に配置される磁性体の量を導出する擾乱抑制支援処理を行う。これにより、支援装置10は、対象領域内における磁気擾乱の抑制を支援する。なお、本実施形態では、上記磁性体として円筒状とされた鉄パイプを用いているが、磁性体の形状や材質は鉄、円筒状に限らない。すなわち、磁性体の形状は任意であり、磁性体の材質は、鉄、コバルト、ニッケル、フェライト等、磁性体であれば何れであっても良い。
【0038】
なお、本実施形態に係るデータベース領域18aには、対処可能領域内の地磁気分布を示す地磁気情報を記憶する地磁気情報領域18cと、対処可能領域内に存在する構造物に関する情報である構造物情報を記憶する構造物情報領域18dとが含まれている。なお、地磁気情報は、地磁気の大きさ及び向きが、対処可能領域を含む領域内の予め定められた複数の地点(以下、「対象地点」という。)に対応付けられて示された地磁気分布を示す情報である。また、この地磁気情報が示す地磁気分布は、磁性体を有する構造物の当該磁性体による影響を加味しない地磁気分布である。
【0039】
次に、
図4を参照して、上記擾乱抑制支援処理の実行時における支援装置10の作用を説明する。なお、
図3は、ユーザによって上記擾乱抑制支援処理の実行を指示する操作が入力装置22を介して行われた際にCPU12によって実行される擾乱抑制支援処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、HDD18のプログラム領域18bに予め記憶されている。
【0040】
始めに、ステップS101では、地磁気情報をHDD18の地磁気情報領域18cから読み出すことにより取得する。このように、本実施形態では、支援装置10自身に予め記憶されている地磁気情報を読み出すことにより当該地磁気情報を取得するが、これに限らない。地磁気情報の取得方法は、例えば、支援装置10をインターネット等のネットワークに接続しておき、当該ネットワークに接続されたサーバ装置等からダウンロードすることにより取得する方法であっても良い。例えば、国土地理院が公表している「磁気偏角一覧図」、及び同様に国土地理院が公表している予め定められた複数の地点における地磁気の計測値を利用しても良い。
【0041】
この地磁気分布は、一例として
図5に示すように、対処可能領域26内の各対象地点において、地磁気の向きが方向に対応すると共に地磁気の大きさが長さに対応するベクトルで表される。
図5に示すように、磁気擾乱が発生していない領域では、地磁気の向きは、対処可能領域26内の全域においてほぼ均一となる。なお、
図5は平面図であるため、地磁気の水平方向に対する傾斜角については省略しているが、実際には地磁気の向きは水平方向についても傾斜している。
【0042】
なお、上記磁気偏角一覧図及び地磁気の大きさの計測値を取得する代わりに、国土地理院が公表している「日本列島における標準的な地磁気分布を表す近似式」を用いて地磁気分布を導出しても良い。具体的には、この近似式に、対処可能領域26内の各対象地点における緯度と経度を代入することにより、各対象地点における地磁気の大きさ及び向きを求め、各対象地点と地磁気の大きさ及び向きとを対応付けて地磁気分布を生成しても良い。
【0043】
次のステップS103では、磁性体を含む構造物に関する構造物情報(以下、「磁性体情報」という。)がHDD18の構造物情報領域18dに記憶されているか否かを判定する。
【0044】
ステップS103で肯定判定となった場合はステップS105に移行し、上記磁性体情報を読み出し、読み出した磁性体情報によって示される鉄筋及び鉄骨の量を用いて、構造物内に存在する磁性体の量を導出し、後述するステップS111に移行する。本実施形態では、CPU12は、構造物情報によって示される各部材のうち、磁性体を含んだ骨組みや柱や壁等の部材を抽出し、抽出した部材に含まれる磁性体の量を構造物毎に積算することで磁性体の量を導出する。この際、抽出した部材毎に設置位置及び磁性体の量を導出すると共に、この部材毎の設置位置及び磁性体の量から、対処可能領域26を細分して得られる領域毎に磁性体の量を導出しても良い。
【0045】
一方、ステップS103で否定判定となった場合はステップS107に移行し、対処可能領域26内の各対象地点における地磁気の大きさ及び向きの計測値を示す情報を取得する。この際、CPU12は、I/F20を介して、3軸型フラックスゲート磁束計、FT型磁気儀(フラックスゲート・マグネットメータ・セオドライト)等の磁気計測装置で計測した当該構造物の周辺領域を含む領域における地磁気分布を磁気計測装置から取得する。本実施形態では、磁気計測装置は、各対象地点における計測値を示す情報を計測した位置を示す情報とともに記憶しておき、支援装置10に要求に応じてこれらの情報を無線または有線で支援装置10に送信する機能を備えている。なお、このとき、計測対象とする領域は広ければ広いほど望ましく、計測対象とする領域が対処可能領域26と一致することが特に望ましい。しかし、例えば対処可能領域26の全域を計測対象とすることが難しい場合には、計測対象とする領域を対象領域28と一致させると良い。
【0046】
なお、計測値を示す情報を取得する方法はこれに限らず、事前に磁気計測装置で計測された計測値を示す情報が計測した位置を示す情報と共にHDD18のデータベース領域18aに予め記憶されており、当該情報をHDD18から読み出すことにより取得しても良い。
【0047】
次のステップS109では、取得した地磁気情報と、取得した計測値を示す情報とに基づいて、対処可能領域26内に存在する構造物に含まれる磁性体の量を推定した後、後述するステップS111に移行する。この際、CPU12は、計測値と地磁気の偏角分布とが一致するように有限要素法(FEM;Finite Element Method)による三次元磁界解析等の手法により当該構造物の磁性体量を推定する。
【0048】
次のステップS111では、ステップS101で取得した地磁気情報と、ステップS105で導出した磁性体の量またはステップS109で推定した磁性体の量と、構造物の位置とに基づいて、構造物に起因して発生する磁気擾乱が加味された地磁気の偏角分布をコンピュータ・シミュレーション(以下、単に「シミュレーション」という。)によって導出する。この際、現実的な計算コストの範囲でFEM解析を実行する手法としては、例えば、文献「Magnetic Field Analyses of Architectural Components Using Homogenization Technique、S. Odawara, Y. Haraguchi, K. Muramatsu, K. Yamazaki, S. Hirosato、IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, vol.46, no.8(2010)」に記載の技術等の従来既知の手法を用いることができる。
【0049】
また、上記文献の手法を用いてFEM解析モデルを作成し、地磁気情報を一様磁場として与え、磁気ベクトルポテンシャル及び電気スカラポテンシャルを用いて磁場解析を行うA−φ法による辺要素FEMによりシミュレーションを行う。
【0050】
なお、A−φ法の基礎方程式を、下記(1)式に示す。Aは磁気ベクトルポテンシャル、J
0は強制電流密度、νは磁性体の磁気抵抗率である。(1)式をガラーキン法等の重み付き残差法により離散化し、導出された連立一次方程式をICCG法(不完全コレスキー分解付共約勾配法)等により解くことで磁界解析を行う。
【0051】
【数1】
CPU12は、上記(1)式により、対処可能領域26内に存在する構造物29に含まれる磁性体の量から算出される地磁気の向き及び大きさを元に、磁界解析ソフトウェア(例えば、ANSYS社製Maxwell(登録商標))によるシミュレーションを行う。そして、CPU12は、シミュレーションの結果として、対処可能領域26における磁気擾乱が加味された地磁気の偏角分布を導出する。
【0052】
なお、シミュレーションの手法は上述したソフトウェアによる手法に限らず、他の従来既知の手法によって磁界解析を行っても良い。
【0053】
なお、ステップS109で計測対象とする領域が対処可能領域26と一致する場合には、ステップS111の処理を省略し、計測値によって示される地磁気の偏角分布に、シミュレーションによって導出される偏角分布を置き換えても良い。また、地磁気の計測を構造物の周辺領域等の対処可能領域26の一部の領域で行った場合には、シミュレーションの解析領域を対象領域28まで拡張することにより、対処可能領域26の全領域における擾乱を加味した地磁気の偏角分布を導出しても良い。
【0054】
上述したように、対処可能領域26内に磁性体を含んだ構造物29が存在した場合の地磁気の偏角分布においては、構造物29の周辺領域における地磁気の向きが構造物29の影響により周囲の磁北に対して曲げられる。そのため、一例として
図6に示すように、対処可能領域26内の地磁気の偏角が不均一となる。
【0055】
なお、本実施形態では、ステップS111で地磁気の偏角分布を導出するが、これに限らず、当該偏角分布に代えて地磁気分布を導出しても良い。地磁気分布では、一例として
図7に示すように、各対象地点における磁場の強さが予め定められた範囲毎に異なる態様(例えば、色彩、ドットパターン等)で表される。
図7によると、磁性体を含んだ構造物29の影響によって、当該構造物29の周辺領域における磁場が他の領域より強くなっており、対象領域28の内部の磁場の強さが非均一となっていることがわかる。
【0056】
次のステップS115では、磁気擾乱を抑制する際のコスト(費用)の制限を示す情報、及び対処可能領域26外への磁気的影響の制限を示す情報を取得する。なお、下記表1に示すように、本実施形態では、コストの制限に関しては、磁性体の個数及び量に上限値が設けられるが、磁性体の配置位置には制限が設けられない。また、本実施形態では、対処可能領域26外への磁気的影響の制限に関しては、磁性体の個数、量及び配置位置の何れにも制限が設けられない。
【0057】
【表1】
このように、本実施形態では、コストの制限に応じて磁性体の個数に上限値を設けるが、これに限らず、磁性体の材質に制限を設けても良く、磁性体の材質毎に個数の上限値を設けても良い。
【0058】
本実施形態では、CPU12は、上記各制限を示す情報を取得する際、一例として
図8に示すような入力画面30を表示装置24に表示させる制御を行い、入力画面30に従って入力された情報を取得する。なお、本実施形態に係る入力画面30は、コストの制限を入力するコスト制限入力欄32、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を入力する磁気的影響入力欄34、及び各入力欄への入力の完了を指示する入力完了ボタン36を有している。ユーザは、入力装置22を用いて各入力欄に情報を入力した後、入力完了ボタン36を選択する。CPU12は、入力完了ボタン36が選択された場合、コスト制限入力欄32に入力された情報をコストの制限を示す情報として取得すると共に、磁気的影響入力欄34に入力された情報を対処可能領域26外への磁気的影響の制限を示す情報として取得する。
【0059】
しかしながら、磁気擾乱を抑制する際のコストの制限を示す情報、及び対処可能領域26外への磁気的影響の制限を示す情報を取得する方法はこのような入力画面を介した入力に限らない。例えば、上記各情報がHDD18のデータベース領域18aに記憶されている場合には当該各情報をHDD18から取得しても良い。
【0060】
また、この際、必ずしもコストの制限、及び対処可能領域26外への磁気的影響の制限の双方を取得する形態とする必要はなく、これらの何れか一方のみを取得する形態としても良く、何れも取得しない形態としても良い。何れも取得しない場合には、ステップS111の処理を行った後、ステップS115の処理を行わずにステップS117に移行する。
【0061】
次のステップS117では、磁気擾乱を抑制する際の磁性体の配置位置の制限を示す情報を取得する。本実施形態では、対処可能領域26内の滑走路、建築物等の位置情報を含んだ地図情報や構造物情報等を用いて、対処可能領域26内の各地点における磁性体の配置位置の制限を決定する。
【0062】
一例として
図9に示すように、このとき、CPU12は、対象領域28内と対象領域28外とで各々別個に配置位置の制限を決定する。
図9に示す例では、対象領域28内の通路や滑走路では、上空及び地上が配置不可となる。また、対象領域28内の磁気関連機器の周辺では、領域全体が配置不可となる。更に、対象領域28内の屋上空間では、地下が配置不可となる。
【0063】
一方、対象領域28外の既使用地かつ建築物・構造物では、上空及び地上が配置不可となる。また、対象領域28外の既使用地かつ地下配管等が存在する領域では、地下が配置不可となる。また、対象領域28外の未使用地では、領域全体が配置可能となる。更に、対処可能領域26外では、領域全体が配置不可となる。
【0064】
しかしながら、磁気擾乱を抑制する際の磁性体の配置位置の制限を示す情報を取得する方法はこれに限らない。例えば、当該情報がHDD18のデータベース領域18aに予め記憶されている場合には当該情報をHDD18から取得しても良く、あるいはユーザにより入力装置22を介して入力された情報を取得しても良い。
【0065】
また、ステップS117の処理によって決定された配置位置の制限を示す情報を表示装置24に表示することでユーザに提示しても良い。この際、ユーザは、表示された情報を修正したい場合には、入力装置22を用いて修正内容を入力する。この場合、CPU12は、入力された修正内容に基づいて、上記配置位置の制限を示す情報を修正する。
【0066】
次のステップS119では、ステップS101で取得した地磁気情報と、ステップS105で導出した磁性体の量またはステップS109で推定した磁性体の量と、構造物29の位置と、上記ステップS115で取得したコストの制限及び対処可能領域26外への磁気的影響の制限と、上記ステップS117で決定した配置位置の制限とを用いて、磁気擾乱を抑制できる磁性体の配置状態をシミュレーションにより導出する。
【0067】
CPU12は、まず、磁性体を対処可能領域26に配置した場合に、対象領域28内の各対象地点における地磁気の偏角の最大値と最小値との差(以下、「最大角差」という。)が予め定められた閾値(例えば、0.2度)以下となり、かつ配置位置の制限を満たす配置状態(本実施形態では、磁性体の個数、配置位置、及び量)を導出する。
【0068】
磁性体の配置状態を導出する手法は、任意の従来既知の手法を用いることができるが、ここでは次の第1の手法及び第2の手法を例示する。
【0069】
第1の手法は、対象領域28における最大角差が上記閾値以下となるように試行錯誤的に磁性体の個数、配置位置、及び量の組み合わせを変えていく手法である。この手法では、最大角差が上記閾値以下でかつ最小となる磁性体の個数、配置位置、及び量を上記配置状態として決定する。なお、対象領域28における最大角差が上記閾値以下となる配置状態が複数あった場合、複数の配置状態を上記配置状態の候補として決定しても良い。
【0070】
また、第2の手法は、磁性体の個数を決定した後、決定した磁性体の個数を固定値とし、磁性体の量と磁性体の配置位置を示す座標とをパラメータ変数として最適化手法により求める手法である。具体的には、例えば、目的値を最大角差が上記閾値以下であることとし、直接法より磁性体の量と配置位置とを決定する。または、目的関数を最大角差として降下法により決定しても良い。また、磁性体の個数を決定する際には、ユーザが入力装置22を介して入力した磁性体の個数としても良く、上記第1の手法で複数の配置状態が上記配置状態の候補として決定された場合の頻度が最多の磁性体の個数を用いても良い。
【0071】
また、CPU12は、導出した配置状態のうち、上記ステップS115の処理により取得したコストの制限を満たしている配置状態を抽出する。本実施形態では、例えば、HDD18に磁性体の材質毎の単位重量当たりの単位価格を事前に記憶しておく。そして、コストの制限を満たしているか否かの判定を、上記単位価格に基づいて磁性体の量及び個数に応じて導出し、導出したコストが上記コストの上限値以下であるか否かを判定することにより行う。本実施形態では、コストは、磁性体を配置するための人件費等を含んでいても良い。
【0072】
更に、CPU12は、コストの制限を満たしている配置状態のうち、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を満たしている配置状態を抽出する。本実施形態では、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を満たしているか否かの判定を、例えば、対処可能領域26の外周に隣接する周辺領域についてステップS111の処理と同様に地磁気分布を導出し、導出した地磁気分布が上記磁気的影響の制限を満たしているか否かを判定することにより行う。
【0073】
なお、最大角差を最小とする配置状態が複数抽出された場合、導出したコストが最も安い配置状態を抽出すると良い。また、複数の配置状態をそれぞれ上記配置状態の候補として決定しても良い。
【0074】
なお、本実施形態では、最大角差が上記閾値以下となる配置状態を導出した後、コストの制限、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を用いて配置状態を順次絞り込むことにより配置状態を導出するが、配置状態の導出方法はこれに限定されない。例えば、コストの制限を満たす配置状態を抽出した後、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を満たし、かつ最大角差が上記閾値以下となる配置状態に絞り込んでも良い。または、対処可能領域26外への磁気的影響の制限を満たす配置状態を抽出した後、コストの制限を満たし、かつ最大角差が上記閾値以下となる配置状態に絞り込んでも良い。
【0075】
次のステップ121では、導出した配置状態を示す情報を表示装置24に表示させるように制御し、本プログラムの実行を終了する。本実施形態では、一例として
図10に示すように、CPU12は、対処可能領域26内の地磁気の偏角分布と重ねて、導出した個数の磁性体40について、導出した量を示す情報を、導出した配置位置に対応するように表示させる。本実施形態では、磁性体40を円形のマークで表し、導出した量を示す情報を当該マークの面積に対応させて表示させるが、表示の態様はこれに限らず、例えば、磁性体40の配置位置を点で表し、この点の近傍に磁性体の量を数値で表示させても良い。この際、導出した配置状態を採用した場合のコストを示す情報を併せて表示させても良い。
【0076】
なお、CPU12は、ステップS119で最大角差の要件、コストの制限、対処可能領域外への磁気的影響の制限、及び配置位置の制限の全てを満たす配置状態が導出されなかった場合には、その旨を示す情報を表示装置24に表示させる制御を行う。
【0077】
このように、支援装置10が地磁気の磁場擾乱を抑制できる磁性体40の配置状態を提示すると、ユーザはこれらを参照して磁性体40を制作し、制作した磁性体40を、提示された配置位置に配置する。これにより、対象領域28内の磁気擾乱を低コストで効果的に抑制することができる。
【0078】
なお、ステップS121において、CPU12は、地磁気の偏角分布の代わりに、地磁気分布を表示しても良い。この場合、CPU12は、地磁気分布と重ねて、導出した個数の磁性体40について、導出した量を示す情報を、導出した配置位置に対応するように表示させる。
【0079】
本実施形態により、航空機等の方位計の校正用の調整領域における磁場の均一性が確保できるようになれば、従来は磁場の均一性の確保のために建築物等の建設が許されていなかった調整領域やその付近に建築物等が建設できるようになる。また、本実施形態により、限られた敷地内のスペースを有効活用することが可能にもなる。例えば、航空機製造施設や飛行場では、方位計の調整領域の直近に航空機の格納庫や機材用倉庫等を建設することができるようになる。また、研究施設等では建築物に囲まれた僅かな空き地であっても、磁場分布の安定した測定スペースとして利用できるようになる。
【0080】
なお、本実施形態では、偏角分布に応じた個数の磁性体40を配置することにより、磁気擾乱による磁場の変化分を打ち消すような磁場を局所的に作り出して、地磁気の偏角の均一化を図っているが、これに限定されない。例えば、一例として
図11に示すように、磁性体を含んだ構造物29と対象領域28との間に磁性体42を配置することで、磁性体を含んだ構造物29からの影響が対象領域28に及ばないようにする。このように、構造物29による対象領域28への磁気的影響を遮蔽し、地磁気の偏角の均一化を図っても良い。この地磁気の偏角を均一化させる方法は、偏角分布に応じた個数の磁性体40を配置するより、構造物29による対象領域28への磁気的影響を遮蔽するための磁性体42を配置するほうが低コストな場合に有用である。
【0081】
また、配置する磁性体の量や個数が多い場合や、対処可能領域26内に存在する構造物29の数が多く、地磁気の偏角が位置によって大きく異なっている場合には、対象領域28全体に磁性体44を設置しても良い。例えば、一例として
図12に示すように、対象領域28の全体を覆うような板状の磁性体44を地面や地下等に設置することで、当該板状の磁性体44の上方に位置する対象領域28の全域において、地磁気の偏角の均一化を図ることができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係る支援装置10について詳細に説明する。なお、第2実施形態に係る支援装置10は、上記第1実施形態に係る支援装置10と同様の構成を有するため、ここでは説明を省略する。
【0082】
第1実施形態では、地磁気の偏角分布に基づいて磁性体の配置状態をシミュレーションにより導出する。一方、第2実施形態では、地磁気の偏角分布を示す情報を表示し、表示した地磁気の偏角分布に基づいてユーザにより入力された磁性体の配置状態を受け付ける。
【0083】
次に、
図13を参照して、擾乱抑制支援処理の実行時におけるCPU12の作用を説明する。なお、
図13は、ユーザによって上記擾乱抑制支援処理の実行を指示する操作が入力装置22を介して行われた際にCPU12によって実行される擾乱抑制支援処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムは、HDD18のプログラム領域18bに予め記憶されている。
【0084】
なお、第1実施形態における擾乱抑制支援処理プログラムの各ステップと同一のステップには同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0085】
ステップS101乃至S111の処理を行った後、ステップS201に移行する。
【0086】
ステップS201では、ステップS111で導出された偏角分布を表示装置24に表示させる制御を行う。なお、本実施形態では、CPU12は、導出された偏角分布を表示させると共に、当該偏角分布上における磁性体の配置状態を示す情報の入力を促す入力画面を表示させる。
【0087】
一例として
図14に示すように、この入力画面50は、磁性体の位置を入力する配置位置入力欄52、磁性体の量を入力する量入力欄54、及び各入力欄に入力した情報の確定を指示する入力完了ボタン56を有している。なお、配置位置入力欄には偏角分布が表示されていて、偏角分布に重畳するように入力された配置位置は、偏角分布上における位置に対応付けられる。
【0088】
ユーザは、配置したい磁性体毎に、入力装置22を用いて配置位置入力欄52に配置位置を示す情報を入力すると共に当該配置位置に配置される磁性体の量を量入力欄54に入力した後、入力完了ボタン56を選択する。CPU12は、入力完了ボタン56が選択された場合、配置位置入力欄52に入力された情報を磁性体の配置位置を示す情報として取得すると共に、量入力欄54に入力された情報を磁性体の量を示す情報として取得する。
【0089】
次のステップS203では、磁性体の配置状態を示す情報の入力が完了して入力完了ボタン56が選択されるまで待機した後、ステップS205に移行する。
【0090】
次のステップS205では、入力された配置状態となるように磁性体を配置した状態における偏角分布を導出する。この際、CPU12は、対処可能領域26内に存在する構造物に含まれる磁性体29と、磁気擾乱を抑制するために配置される磁性体とに起因して発生する磁気擾乱を加味し、上記ステップS111と同様の手法で偏角分布を導出する。
【0091】
次のステップS207では、導出した偏角分布における最大角差が、予め定められた閾値(本実施形態では、0.2度)以下であるか否かを判定する。
【0092】
ステップS207で否定判定となった場合はステップS209に移行し、上記ステップS205で導出した偏角分布を表示させる制御を行うと共に、磁性体の配置状態の再入力をユーザに指示し、上記ステップS203に戻る。本実施形態では、一例として
図15に示すように、配置位置入力欄52に、導出した偏角分布を表示すると共に、入力画面50に、入力された配置状態をリセットするためのリセットボタン58を表示させる。
【0093】
ユーザは、前回入力した磁性体の配置状態を微調整する場合には、入力装置22を用いて配置位置入力欄52に表示されている磁性体の配置位置を移動させたり、量入力欄54に入力されている磁性体の量を変更したりした後、入力完了ボタン56を選択する。一方、ユーザは、磁性体の配置状態を始めから入力する場合には、リセットボタン58を選択する。CPU12は、リセットボタン58が選択された場合、入力画面50を、磁性体の配置状態が各入力欄に入力されていない状態(
図13に示す状態)に戻して表示装置24に表示させる制御を行う。
【0094】
一方、ステップS207で肯定判定となった場合はステップS211に移行し、配置状態を表示装置24に表示させる制御を行い、本プログラムの実行を終了する。