(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014481
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】車両用回転電機の回転子
(51)【国際特許分類】
H02K 19/22 20060101AFI20161011BHJP
H02K 1/24 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
H02K19/22
H02K1/24 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-267821(P2012-267821)
(22)【出願日】2012年12月7日
(65)【公開番号】特開2014-117020(P2014-117020A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】朝柄 浩嗣
(72)【発明者】
【氏名】松井 啓仁
(72)【発明者】
【氏名】志摩 智之
【審査官】
マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−078374(JP,A)
【文献】
特開2002−199678(JP,A)
【文献】
特表2002−527015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 19/22
H02K 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれに複数の爪部が形成された一対のポールコア(12、13)と、
前記一対のポールコアの前記爪部(123、133)の間に配置された複数の永久磁石(15)と、
前記複数の永久磁石を保持する磁石保持部材(16)と、
前記一対のポールコアを磁化させる界磁巻線(14)と、
一方の前記ポールコアの前記爪部の先端に、他方の前記ポールコアの軸方向端面に向けてこの爪部の先端を延長する向きに設けられた延長部(124、124A、124B、134、134A、134B)と、
を備え、前記磁石保持部材は、内径側に、前記永久磁石の長手方向に沿った向きに延在する凸部を有することを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項2】
請求項1において、
前記爪部は、先端になるほど周方向幅が狭くなることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記爪部の外周面に対して、前記爪部間に配置された前記永久磁石および前記磁石保持部材の外周面は小径であることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記延長部の先端位置は、前記軸方向端面の位置に対して所定範囲に含まれることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項5】
請求項4において、
前記所定範囲は、前記一対のポールコアの軸方向端面間距離の±5%の範囲であることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記延長部(124、134)は、前記爪部と一体に形成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記延長部(124A、134A)は、前記爪部とは別部材を用いて形成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記延長部(124B、134B)は、前記磁石保持部材と一体に形成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用回転電機の回転子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ボビンに巻き回されたフィールドコイルと、それぞれが6個の爪部を有する一対のランデル型ポールコアと、隣接する爪部間に挿入された永久磁石と、回転軸となるシャフトとを含んで構成されるロータを備えるランデルコア型回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このランデルコア型回転電機において、永久磁石は、各爪部の最内径よりもさらに内径側に突出するように配置されており、この突出部分の周方向の側面が斜流ファンおよび冷却フィンとして機能することにより、それぞれの永久磁石の冷却が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−271780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたランデルコア型回転電機では、各爪部の先端は、材料削減や軽量化のため、磁気回路で必要な長さに設計される。具体的には、固定子鉄心の軸方向端面と各爪部の先端とがほぼ同じ位置になるように各爪部の長さが設定される。このため、各爪部の先端位置からポールコアの軸方向端面との間には空間が生じることになり、回転子の表面であって隣接する爪部間に沿って流れる冷却風がこの空間で干渉することで乱れが生じる。その結果、永久磁石近傍の冷却風の流れが阻害され、永久磁石の冷却性能が低下するという問題があった。特に、永久磁石を備える回転子では、ポールコアの各爪部の間に永久磁石が配置されており、回転子の内部(永久磁石より内径側)と外部とで空気の入れ替え量が少ないため、上述した空気の干渉による乱れにより冷却風の流れが阻害されると、永久磁石の冷却性能低下が顕著になる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、永久磁石近傍の冷却風の流れを改善することにより冷却性能を向上させることができる車両用回転電機の回転子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用回転電機の回転子は、一対のポールコア、複数の永久磁石、磁石保持部材、界磁巻線、延長部を備える。一対のポールコアは、それぞれに複数の爪部が形成されている。複数の永久磁石は、一対のポールコアの爪部の間に配置されている。磁石保持部材は、複数の永久磁石を保持する。界磁巻線は、一対のポールコアを磁化させる。延長部は、一方のポールコアの爪部の先端に、他方のポールコアの軸方向端面に向けてこの爪部の先端を延長する向きに設けられている。
また、磁石保持部材は、内径側に、永久磁石の長手方向に沿った向きに延在する凸部を有する。
【0007】
回転子の爪部の先端側に延長部を配置することにより、爪部の形状に合わせて爪部間に沿って流れる冷却風同士が爪部の先端部分において干渉することを防止することができるため、爪部間に配置された永久磁石近傍の冷却風の流れを改善して冷却性能を向上させることができる。また、永久磁石の冷却性能向上により、耐熱温度が低く単価が安い永久磁石を用いることができるため、回転子およびこれを用いた車両用回転電機のコスト低減につながるとともに、発熱量増大に対応できるため同じ体格で出力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態の車両用交流発電機の断面図である。
【
図3】永久磁石が組み付けられた回転子の部分的な斜視図である
【
図4】永久磁石が組み付けられた従来の回転子の部分的な斜視図である。
【
図5】第2の実施形態の回転子の詳細形状を示す断面図である。
【
図6】延長部の有無と吐出空気量との関係を示す図である。
【
図7】延長部の有無と回転子内部空気温度との関係を示す図である。
【
図8】第3の実施形態の回転子の詳細形状を示す断面図である。
【
図9】磁石保持部材の外径側に凸部を追加した変形例を示す回転子の部分的な斜視図である。
【
図10】内径側に凸部を追加した変形例を示す磁石保持部材の部分的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の車両用回転電機の回転子を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態の車両用交流発電機100は、回転子1、固定子2、フロントハウジング3、リアハウジング4、プーリ5、ブラシ装置7、整流器8、レギュレータ9を含んで構成されている。
【0011】
固定子2は、回転子1と対向配置されており、固定子鉄心21に固定子巻線22を巻装することで構成されている。この固定子2は、フロントハウジング3およびリアハウジング4に挟み込まれて固定されている。フロントハウジング3およびリアハウジング4は、固定子2を挟み込んだ状態でボルトにより締結されている。フロントハウジング3およびリアハウジング4は、軸受けを介して回転子1の回転軸11を回転自在に支持している。
【0012】
回転子1は、
図2に示すように、回転軸11に固定された前側(プーリ側)のポールコア12と、後側(反プーリ側)のポールコア13と、一対のポールコア12、13を磁化させる界磁巻線14と、複数の永久磁石15およびこれを保持する磁石保持部材16とを含んで構成されている。永久磁石15は、非磁性材料で構成された磁石保持部材16によって、外径方向および周方向が覆われている。
【0013】
ポールコア12、13は、ランデル式回転子の一対のポールコアとして用いられる。前側のポールコア12は、円柱形状のボス部121と、ボス部121の前端側から径方向外側へ延在する円盤状のディスク部122と、ディスク部122から軸方向後方へ延在する複数の爪部123と、各爪部123の先端に各爪部123を延長する向きに設けられた複数の延長部124とからなる。後側のポールコア13も前側のポールコア12と同一形状を有し、ボス部131、ディスク部132、複数の爪部133、複数の延長部134からなる。ポールコア12の後端面とポールコア13の前端面とが対向して接面され、界磁巻線14がポールコア12、13により(具体的には、ボス部121、131と各爪部123、133とにより)囲まれている。ポールコア12、13は軟磁性体材料により形成されており、ポールコア12の爪部123とポールコア13の爪部133とが周方向交互に配置される。また、複数の永久磁石15のそれぞれは、周方向に隣接する一方のポールコア12の爪部123と他方のポールコア13の爪部133の間に配置されている。
【0014】
次に、爪部123と延長部124について説明する。なお、爪部133と延長部134についても同様であり、詳細な説明は省略する。
【0015】
図3に示すように、一方のポールコア12の爪部123の先端には、他方のポールコア13の軸方向端面に向けてこの爪部123の先端を延長する向きに延長部124が設けられている。爪部123は先端になるほど周方向幅が狭くなっており、その先端を延長する延長部124も同様に先端になるほど周方向幅が狭くなっている。
【0016】
図3に示す例では、延長部124は、爪部123と一体に形成されている。これにより、ポールコア12を製造する際に、延長部124を同時に、しかも、延長部124専用の工程を追加することなく製造することができ、工程の簡略化とコスト低減が可能となる。
【0017】
なお、爪部123と延長部124とが一体に形成されている場合に、発電に有効な磁気回路を形成するための区間(例えば、固定子鉄心21と対向する区間)が爪部123に対応し、その先端側が延長部124に対応する。
【0018】
また、延長部124の先端位置は、他方のポールコア13の軸方向端面(
図2に示す例では、左側に配置されたポールコア13の左側の軸方向端面)の位置に対して所定範囲に含まれるように設定される。この所定範囲は、一対のポールコア12、13の軸方向端面間距離(
図2に示す例では、右側に配置されたポールコア12の右側の軸方向端面から、左側に配置されたポールコア13の左側の軸方向端面までの距離)の±5%の範囲、すなわち、ポールコア13の軸方向端面位置にほぼ一致させることが望ましい。
【0019】
ところで、
図3に示すように、爪部123、133の外周面Aに対して、これらの爪部123、133間に配置された永久磁石15および磁石保持部材16の外周面Bが若干小径となって段差が生じるように設定されている。回転子1が回転すると、固定子鉄心21の内周面と回転子1の外周面との間の隙間における空気は、回転子1に引きずられてクエット流れを形成する。このとき、上述したように、爪部123、133の外周面Aに対して永久磁石15および磁石保持部材16の外周面Bとの間に段差があるため、クエット流れに加えて爪部123、133の形状に沿った軸方向の空気流れ(冷却風の流れ)が生じる。
【0020】
延長部124、134がない従来の回転子の場合には、
図4に示すように、爪部123、133の形状に沿った軸方向の空気流れC1、C2が生じるが、これら2つの空気流れC1、C2は向きが異なるため、爪部123、133の先端部分で互いに干渉しあってそれぞれの空気流れC1、C2が乱れ(
図4では干渉の様子がDで示されている)、軸方向の空気流れC1、C2が阻害される。これに対し、
図3に示す本実施形態の回転子1では、爪部123、133の先端に延長部124、134が延在しているため、軸方向の空気流れCが干渉せずにそれぞれの流れが阻害されることもない。
【0021】
このように、本実施形態の車両用交流発電機100の回転子1では、爪部123、133の先端側に延長部124、134を配置することにより、爪部123、133の形状に合わせて爪部123、133間に沿って流れる冷却風同士が爪部123、133の先端部分において干渉することを防止することができるため、爪部123、133間に配置された永久磁石15近傍の冷却風の流れを改善して冷却性能を向上させることができる。また、永久磁石15の冷却性能向上により、耐熱温度が低く単価が安い永久磁石15を用いることができるため、回転子1およびこれを用いた車両用交流発電機100のコスト低減につながるとともに、発熱量増大に対応できるため同じ体格で出力を向上させることが可能となる。
【0022】
特に、爪部123、133の外周面Aに対して、爪部123、133間に配置された永久磁石15および磁石保持部材16の外周面Bが小径の場合には、これらの外周面A、B間の段差により永久磁石15に沿った冷却風の流れが生じ、この冷却風が爪部123、133の先端部分において干渉することを防止することができる。
【0023】
また、延長部124、134の先端位置を、ポールコア12、13の軸方向端面の位置に対して所定範囲内、望ましくは軸方向端面間距離の±5%の範囲内としている。これにより、爪部123、133の先端部分に生じる空間の全体に延長部124、134を配置することができ、冷却風を延長部124、134に沿って流すことができ、冷却風が干渉することを確実に防止することができる。
【0024】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、延長部124、134は爪部123、133と一体に形成されていたが、別部材を用いて形成するようにしてもよい。
図5に示す例では、爪部123の先端にこの爪部123とは別部材により形成された延長部124Aが配置されている。同様に、爪部133の先端にこの爪部133とは別部材により形成された延長部134Aが配置されている。これらの延長部124A、134Aは、爪部123、133と同じ材質を用いて形成してもよいが、異なる材料を用いるようにしてもよい。特に、これらの延長部124、134は、磁気回路の一部を構成するものではないため、樹脂材料や軽量金属材料(例えばアルミニウム)を用いることにより軽量化を図ることができる。また、爪部123、133と延長部124A、134Aとの間の接合は、溶接や接着材を用いて行う場合などが考えられる。あるいは、延長部124A、134Aの端部(爪部123、133と反対側)を他の部材を用いて固定するようにしてもよい。例えば、ポールコア12、13の軸方向端面に冷却ファンが接合されている場合には、この冷却ファンに延長部124A、134Aの端部を接着やネジ締め、かしめなどにより連結して固定することが考えられる。また、ポールコア12、13の軸方向端面に固定用部材(例えば円板)を取り付けて、これに延長部124A、134Aの端部を接着やネジ締め、かしめなどにより連結して固定するようにしてもよい。
【0025】
このように、爪部123、133の先端側に延長部124A、134Aを配置することにより、爪部123、133の形状に合わせて爪部123、133間に沿って流れる冷却風同士が爪部123、133の先端部分において干渉することを防止することができるため、爪部123、133間に配置された永久磁石15近傍の冷却風の流れを改善して冷却性能を向上させることができる。
【0026】
延長部124A、134Aの有無と吐出空気量との関係を試験した結果、
図6に示すように、従来構成の回転子を用いた場合に比べて、延長部124A、134Aを追加することにより、回転子の内部から外部に吐出される空気量(風速)が25.8%増加したことが確かめられた。
【0027】
また、延長部124A、134Aの有無と回転子内部空気温度との関係を試算した結果、
図7に示すように、従来構成の回転子を用いた場合に比べて、延長部124A、134Aを追加することにより、回転子の内部温度が25.8%低減したことが確かめられた。
【0028】
また、爪部123、133とは別部材の延長部124A、134Aを用いることにより、従来から用いられているポールコア12、13の形状を変更する必要がないため、設計変更の手間を最小限にすることができる。特に、ポールコア12、13をプレス成型する場合には、高価なプレス型を用いることになるため、別部材を用いて延長部124A、134Aを形成することにより、延長部追加に伴うコスト増加を最小限にすることができる。
【0029】
(第3の実施形態)
爪部123、133と一体に、あるいは、別部材を用いて延長部を形成する代わりに、他の方法で延長部を形成するようにしてもよい。
図8に示す例では、爪部123の先端に、磁石保持部材16と一体に形成された、すなわち、第1および第2の実施形態で用いられた磁石保持部材16の形状を部分的に変更して形成された延長部124Bが配置されている。同様に、爪部133の先端に、磁石保持部材16と一体に形成された延長部134Bが配置されている。
【0030】
このように、爪部123、133の先端側に、磁石保持部材16と一体に形成された延長部124B、134Bを配置することにより、爪部123、133の形状に合わせて爪部123、133間に沿って流れる冷却風同士が爪部123、133の先端部分において干渉することを防止することができるため、爪部123、133間に配置された永久磁石15近傍の冷却風の流れを改善して冷却性能を向上させることができる。
【0031】
また、磁石保持部材16の形状変更のみですむため、専用の工程を追加することなく延長部124B、134Bを製造することができ、工程の簡略化とコスト低減が可能となる。また、従来から用いられているポールコア12、13をそのまま用いることが可能となる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では車両用交流発電機100について説明したが、電動機や発電電動機などの他の車両用回転電機に本発明を適用してもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、爪部123、133の先端に延長部124、134等を配置して冷却風の流れに乱れが生じないようにしたが、磁石保持部材16の外径側あるいは内径側に、永久磁石15の長手方向に沿った凸部を追加して冷却風の流れを円滑にして冷却性向上を実現するようにしてもよい。
【0034】
例えば、
図9に示すように、磁石保持部材16の外径側に、永久磁石15の長手方向に沿った向きに延在する凸部200を形成するようにしてもよい。このような凸部200を形成することにより、凸部200に沿った冷却風の流れを促進するとともに磁石保持部材16の表面積を増加させることができるため、永久磁石15の冷却性を向上させることができる。
【0035】
また、
図10に示すように、磁石保持部材16の内径側に、永久磁石15の
長手方向に沿った向きに延在する凸部210、212を形成するようにしてもよい。このような凸部210、212を形成することにより、回転子の回転時に磁石保持部材16の内径側の空気が遠心力で外径側に押し付けられる際に、これらの凸部210、212に沿った冷却風の流れを促進するとともに磁石保持部材16の表面積を増加させることができるため、永久磁石15の冷却性を向上させることができる。
【0036】
図9に示した凸部200や
図10に示した凸部210、212は、上述した第1〜第3の実施形態の回転子と組み合わせて用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
上述したように、本発明によれば、回転子の爪部の先端側に延長部を配置することにより、爪部の形状に合わせて爪部間に沿って流れる冷却風同士が爪部の先端部分において干渉することを防止することができるため、爪部間に配置された永久磁石近傍の冷却風の流れを改善して冷却性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0038】
12、13 ポールコア
123、133 爪部
124、124A、124B、134、134A、134B 延長部
14 界磁巻線
15 永久磁石
16 磁石保持部材