【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日は平成24年10月9日。販売した場所は、よつ葉乳業株式会社の十勝主管工場(北海道河東郡音更町新通20丁目3番地)。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クリーンルームから搬送されるフレコン袋を載せ換える移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアを、パスボックス室と外部との間で前後方向に移動自在に配置し、パスボックス室の外部に設置されたコンベア上にフレコン袋を載せるパレットを配置し、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアの上部に載せ換えたフレコン袋を前方のパレット上に向けて送り出すコンベアベルトを設け、コンベアベルト上からパレット上にフレコン袋を傾斜スライドさせる複数のローラーをパレット側に相対するコンベアベルトの先端前方側に斜め下向き方向に設け、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアのコンベアベルトの下部側にフレコン袋の載せ換え時にコンベア及びパレットが入る内側空間を設け、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアのベルトコンベア上から上記パレット上に載せ換えられるフレコン袋の前面側の上部側を支える前面上部クランプとフレコン袋の後面側の下部側を支える後面下部クランプとを設けたことを特徴とするフレコン袋載せ換え装置。
クリーンルームからベルトコンベアで搬送されてきたフレコン袋を移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアのコンベアベルトの上にスライド移動させて載せた後、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアを前方のパレット上方に向けて移動し、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアのコンベアベルトの下部の内側空間にコンベア上に載ったパレットを相対的に挿入させてパレット上方に到着後、前面上部クランプ及び後面下部クランプによりフレコン袋を前後側から支えると共に、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベアをパレット上方から離れる後方に向けて移動させ、同時にコンベアベルトの上面側を移動方向と逆向きの前方回りに循環移動させてコンベアベルト上のフレコン袋をパレットの上方位置に相対的に維持し、その間にフレコン袋をコンベアベルトの先端側に向けて送り出し、先端前方側に斜め下向きに配置された複数の傾斜スライド用ローラーを利用して、コンベアベルトの上面とパレットの上面との段差を緩和しながらコンベアベルト上のフレコン袋をパレット上に載せ換えることを特徴とするフレコン袋載せ換え方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0011】
図において、フレコン袋載せ換え装置1は、クリーンルーム11からコンベアで搬送されてきた粉粒物を詰めたフレコン袋aを、クリーンルーム11の出入口に設けられたパスボックス室12からその外部に移動する移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2を通じて、パスボックス室12に隣設する外部に待機しているパレット4の上に作業員の手間を掛けることなく自動的に移し換える装置である。
【0012】
フレコン袋載せ換え装置1は、クリーンルーム11から搬送されるフレコン袋aを載せ換える移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2、フレコン袋aを載せたパレット4がその上に載置されパスボックス室12に隣設する外部の待機箇所13に設置されたコンベア3、フレコン袋aの前面側の上部側を支える前面上部クランプ5、フレコン袋aの後面側の下部側を支える後面下部クランプ6などから構成されている。
【0013】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、クリーンルーム11から搬送されてきたフレコン袋aを一旦これに載せ換えて、前方に移送し、前方のパレット4の上に、フレコン袋aを載せ換えるための機器である。移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は前後方向に移動自在な構造になっている。
【0014】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、パレット4へのフレコン袋aの載せ換え時に、コンベア3の上に載せたパレット4がその内側空間21にすっぽりと収まる構造になっている。このため、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、正面からみて門型構造、つまり、上面側と左右両端側を除く内側空間21は中空の空間になっている。
【0015】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の内側空間21の上面側はコンベアベルト22で構成され、左右両端側は左右の側枠2aと縦枠2bから構成されている。コンベアベルト22の反転側の下面となる内側空間21の高さは、この内部に一時的に収まるコンベア3の上のパレット4の上面の高さより僅かに高い位置になっている。同様に、内側空間21の幅間隔となる左右のレール22aの内側間隔もコンベア3の下部の両幅間隔よりも広くなっている。また、コンベア3の上部側の幅間隔が下部よりも少し広めになっているため、内側空間21の上部側はこれよりも少し広めになっている。
【0016】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、上部に前後方向に延設された左右の上記側枠2a、各側枠2aの下部の前後側に上下向きに設けられた上記縦枠2bから、枠体が構成されている。上部に並設された左右の側枠2aの間に上記コンベアベルト22が設けられ、パレット4側に相対するコンベアベルト22の前方にはコンベアベルト上からパレット上にフレコン袋を傾斜スライドさせる複数の傾斜スライド用ローラー23が設けられている。下部の前後左右の4箇所に設けられた縦枠2bの下部の取付板には車輪24がそれぞれ取り付けられている。
【0017】
コンベアベルト22は、500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aをその上に載せた状態で前方に向けて移送するもので、左右方向に横設された複数のキャリアローラー22aとその外周側に長円形状に回装された無端ベルト22bから構成される。各キャリアローラー22aはその両端側が左右の側枠2aは回転自在に軸支されている。各キャリアローラー22aは無端ベルト22bを介して500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aを支えながら移送する。
【0018】
各キャリアローラー22aには、片側の側枠2aに軸支された先端側にスプロケットが取り付けられている。各スプロケットにはこれらと噛み合って動力を伝達する無端状のチェーン22cが回装されている。チェーン22cは、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の後部のコンベアベルト22と後部の車輪24との中間部分に取り付けられたギヤモータ22dに噛み合って連動する。
【0019】
ギヤモータ22dが駆動することにより、チェーン22cが連動して循環移動し、これと噛み合う各スプロケットと通じて各キャリアローラー22aを回転させる。これにより、各キャリアローラー22aの外周に長円形状に回装された無端ベルト22bの上面側をパレット4側に向けて循環移動させ、無端ベルト22bの上に載っている500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aをパレット4側に移送する構造になっている。
【0020】
傾斜スライド用ローラー23は、コンベアベルト22の上面とパレット4の上面との段差を緩和しながらコンベアベルト22上のフレコン袋aをパレット4上に載せ換えるためのローラーで、前記したように、パレット4側に相対するコンベアベルト22の先端前方側、つまりコンベアベルト22の反転する先端より少し前方側に、パレット4側に向かって斜め下向きに設けられている。
【0021】
傾斜スライド用ローラー23は、駆動して長円形状に循環移動するコンベアベルト22とは独立してフリーの状態で回転自在に設けられている。図面では、傾斜スライド用ローラー23は前後に2個設けられている。コンベアベルト22に近い方の傾斜スライド用ローラー23が少し高い位置にあり、遠い方の傾斜スライド用ローラー23はこれより低い位置にあって、2個の傾斜スライド用ローラー23はパレット4側に向かってそのローラー上端面を結ぶ面は斜め下向きに傾斜している。何れの傾斜スライド用ローラー23もコンベアベルト22の上面とパレット4の上面との間の高さになっている。
【0022】
各傾斜スライド用ローラー23は、受け板23a及びフリーローラ軸23bを介してフリーローラつまり自由に正逆回転自在になっている。すなわち、上記左右の側枠2aの各先端側の内側面には受け板23aが取り付けられていて、各受け板23aにはそれぞれ2個の軸棒が相対向する向きに固設され、軸棒の先端にはベアリングなどからなるフリーローラ軸23bが取り付けられ、このフリーローラ軸23bに傾斜スライド用ローラー23の筒状のローラーの両端が外装されている。また、各傾斜スライド用ローラー23の両端側が取り付けられる受け板23aは、側枠2aの先端側に前後方向にスライド移動の調整ができるように取り付けられている。
【0023】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の下部に取り付けられた車輪24は、前部側にはそれぞれ2個取り付けられている。前部側の車輪24には、500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aがこの移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2からパレット4に乗り移るときに、その荷重が集中することになるので、それに耐えうるように車輪24が2個ずつそれぞれ取り付けられている。
【0024】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の各車輪24がこの上に乗って走行するレール24aがクリーンルーム11の出入口に設けられたパスボックス室12から隣設する外部のパレット4の待機箇所13まで敷設されている。レール24aはパスボックス室12と隣設する外部のパレット4の待機箇所13の境界の扉12bが取り付けられる一部の区間は除かれている。なお、クリーンルーム11の出入口とバスボックス室12との境界部分にも扉12aが設けられている。
【0025】
レール24aの両端には車輪止めが設けられているが、このうち、パスボックス室12と隣設する外部側のレール24aの端部には、車輪ストッパー24bが取り付けられていて、500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aを積載した移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2がパスボックス室12の外部に暴走するのが防がれている。
【0026】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、レール24a上を走行することで、500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aを積載した状態で蛇行したり進路を外れて走行するのが防がれている。移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、クリーンルーム11の出入口に設けられたパスボックス室12と隣設する外部のパレット4の待機箇所13との間に敷設されたレール24aの上を走行して、その区間を自在に往復移動する構造になっている。
【0027】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のパレット4寄り側となる前部側の側枠2aの上部にはフレコン袋aを検知するセンサー25が設けられている。センサー25は例えば光電スイッチが使用され、発射された光が対面側の側枠2aの上部に設けた反射板で反射して戻ってくるか否かで、フレコン袋aの有無が検出される。
【0028】
コンベア3は、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2を通じて載せ換えられるフレコン袋aを載せるパレット4がその上に載置されもので、パスボックス室12に設置されている。コンベア3はその上に空のパレット4を載せた状態で、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の内側空間21に収まる高さ及び横幅になっている。
【0029】
コンベア3は、前後方向に延設された左右の側枠3a、各側枠2aの下部の前後側に上下向きに設けられた縦枠3bから、枠体が構成されている。前後の縦枠3bは側枠3aを支持している。また、前後左右の4箇所に設けられた各縦枠3bの下部には例えばアジャストボルトが下向きに取り付けられ、アジャストボルトの下端が床面に着地することで、コンベア3は床面に支持されている。コンベア3の上部中央にはその前後方向にローラーコンベア31が複数配置されている。各ローラーコンベア31はその両端側がコンベア3の上部中央の両側に前後方向に向けて延設された左右の軸受け桁にそれぞれ回転自在に軸支されている。
【0030】
左右の各側枠3aの前後両端側には、スプロケット3cがそれぞれ軸支されている。このうちの一方側の左右のスプロケット3cは左右幅方向に横設されたコンベア駆動シャフト3dで連動連結され、コンベア駆動シャフト3dはギヤモータに連動連結されている。各側枠3aの前後のスプロケット3cには無端状のコンベアチェーン3eが長円形状に回装して張設されている。
【0031】
各側枠3aの上部側にはチェーンガイドレール3fが前後方向に取り付けられていて、コンベアチェーン3eの上側はこのチェーンガイドレール3fに沿って前後方向に循環移動する。この左右のコンベアチェーン3eにパレット4の両端側の下面が支持され、コンベアチェーン3eがチェーンガイドレール3fに沿って前後方向に移動することで、パレット4はコンベア3上を前後方向に移動する。
【0032】
コンベア3の上記移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2寄りの端部には、パレット4の一端部4aが当接して止まるための固定ストッパー32が設けられている。この固定ストッパー32と向き合う反対側のコンベア3の途中には、上下に旋回する可動ストッパー33が設けられている。可動ストッパー33はパレット4の一端部4aの反対側の他端部4bを押圧して、パレット4の一端部4aを固定ストッパー32に押し付ける機能を果たす。
【0033】
可動ストッパー33は不使用時には、コンベア3の上面より下側に回転して後退していて、パレット4がコンベア3の上面を前後に移動する際の障害にならない。可動ストッパー33は、コンベア3の下部に取り付けられたシリンダー33aのロッドが伸縮することで、上下に旋回する構造になっている。図面ではシリンダー33aのロッドが伸長することで、可動ストッパー33は上向きに旋回してパレット4の他端部4bを押圧して、その反対側のパレット4の一端部4aを固定ストッパー32に押し付けるようになっている。
【0034】
また、コンベア3には、パレット4がその上に載っているかを検出するセンサー34が設けられている。センサー34には例えばパレット検出カムが使用される。センサー34のパレット検出カムは、ローラーコンベア31が配置されている中央部分に取り付けられている。このセンサー34のパレット検出カムが取り付けられている箇所にはローラーコンベア31は省略されている。センサー34のパレット検出カムは円弧状に曲げられたカムがローラーコンベア31の上面から上向きに突出していて、パレット4がその上にある場合にはパレット4の下面で押し付けられて下側に曲げられることでパレット4の有無を検出するようになっている。
【0035】
パレット4は500〜1000kg程度の重さのフレコン袋aを直接載せる平台で、フレコン袋aを運ぶ場合にこれを載せる台として一般に使用されている。パレット4の側面には例えばこれを運ぶフォークリフトのフォークが差し込まれる隙間が形成されている。
【0036】
パレット4を載せるコンベア3が設置された待機箇所13には、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のベルトコンベア22上からパレット4上に載せ換えられるフレコン袋aの前面側の上部側を支える前面上部クランプ5と、フレコン袋aの後面側の下部側を支える後面下部クランプ6とが設けられている。
【0037】
前面上部クランプ5及び後面下部クランプ6は、パレット4を載せるコンベア3が設置された待機箇所13の左右側方に設置されたクランプ取付枠7にそれぞれ設けられている。クランプ取付枠7は正面からみて左右対称に設置されていて、左右のクランプ左側取付枠7Lとクランプ右側取付枠7Rとはその上部がクランプ上側連結枠7Uによって連結されている。
【0038】
左右のクランプ左側取付枠7L及びクランプ右側取付枠7Rは、高支柱7aと低支柱7bが前後方向に離れて立設され、低支柱7bの上端には高支柱7aの側面に向けて水平な横桁7cが取り付けられ、低支柱7b寄りの横桁7cの上面から上端が高支柱7aと同じ高さの中支柱7dが上向きに延設され、前後の高支柱7aと中支柱7dとの間の中間部分には上部取付横桁7eと下部取付横桁7fに水平に取り付けられ、低支柱7b寄りの横桁7cの端部と中支柱7dの外側面には水平桁と垂直桁とが直角に連結された隅角桁7gが形成された構造からなっている。
【0039】
前面上部クランプ5は、左右一対の構造からなり、パレット4を載せるコンベア3の左右のクランプ左側取付枠7L及びクランプ右側取付枠7Rの外部側寄りにそれぞれ取り付けられている。左右の各前面上部クランプ5は、高支柱7aと中支柱7dの間に取り付けられた上部取付横桁7eと下部取付横桁7fとに取り付けられて支持されている。
【0040】
前面上部クランプ5は、フレコン袋aの前面側の上部側を直に支えるクランプ板51、クランプ板51が取り付けられたクランプアーム52、クランプアーム52の基端側のアーム軸53、クランプアーム52をフレコン袋a側に向けて可動させるシリンダー54などから構成されている。シリンダー54には例えばエアシリンダーが使用されている。
【0041】
アーム軸53は上下向きに取り付けられ、アーム軸53の上端側は上部取付横桁7eの内側面に取り付けられた上部軸受け53aに支持され、アーム軸53の下端側は下部取付横桁7fの内側面に取り付けられた下部軸受け53bに支持されている。シリンダー54にはシリンダー軸54aが上下向きに取り付けられている。上下向きのシリンダー軸54aの上端側は上部取付横桁7eの下面に軸支されて支持され、シリンダー軸54aの下端側は下部取付横桁7fの上面に軸支されて支持されている。
【0042】
シリンダー54は伸縮するロッドの先端がクランプアーム52に回動自在に連結されている。シリンダー54はロッドが伸長することでクランプアーム52をフレコン袋aの前面側の上部側に向けて可動させて、クランプアーム52に取り付けられたクランプ板51でフレコン袋aの前面側の上部側を支える。
【0043】
後面下部クランプ6は、前記の前面上部クランプ5と同様に左右一対の構造からなり、パレット4を載せるコンベア3の左右のクランプ左側取付枠7L及びクランプ右側取付枠7Rのクリーンルーム11側寄りにそれぞれ取り付けられている。左右の各後面下部クランプ6は、中支柱7dと横桁7cの端部に直角に取り付けられた隅角桁7gの上部横桁と横桁7cとに取り付けられて支持されている。
【0044】
後面下部クランプ6は、フレコン袋aの前面側の上部側を直に支えるクランプ板61、クランプ板61が取り付けられたクランプアーム62、クランプアーム62の基端側のアーム軸63、クランプアーム62をフレコン袋a側に向けて可動させるシリンダー64などから構成されている。シリンダー64には例えばエアシリンダーが使用されている。
【0045】
アーム軸63は上下向きに取り付けられ、アーム軸63の上端側は隅角桁7gの上部横桁の内側面に取り付けられた上部軸受け63aに支持され、アーム軸63の下端側は横桁7cの内側面に取り付けられた下部軸受け63bに支持されている。シリンダー64にはシリンダー軸64aが上下向きに取り付けられている。上下向きのシリンダー軸64aの上端側は隅角桁7gの上部横桁の下面に軸支されて支持され、シリンダー軸64aの下端側は横桁7cの上面に軸支されて支持されている。
【0046】
シリンダー64は伸縮するロッドの先端がクランプアーム62に回動自在に連結されている。シリンダー64はロッドが伸長することでクランプアーム62をフレコン袋aの後面側の下部側に向けて可動させて、クランプアーム62に取り付けられたクランプ板61でフレコン袋aの後面側の下部側を支える。
【0047】
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく動作について以下説明する。
クリーンルーム11で製造された例えば食品の穀類などの粉粒物のフレコンを袋に充填したフレコン袋aは、図示しないベルトコンベアにより、クリーンルーム11の出入口の近くまで搬送されてくる。図示しないベルトコンベアの終端にはフレコン袋載せ換え装置1の移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2が待機していて、搬送されてきたフレコン袋aは図示しないベルトコンベアの終端からこの移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2に載せ換えられる。
【0048】
図示しないベルトコンベアと移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のコンベアベルト22とは同じ高さにあり、その載せ換えは問題なくスムーズに行われる。載せ換え時には移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のコンベアベルト22は前方側の送り出し側にその上面が循環移動して、コンベアベルト22の後方側にその一部が載ったフレコン袋aは循環移動するコンベアベルト22によって中央部まで移動させられ、センサー25により検知される。
【0049】
センサー25がフレコン袋aを検知すると、モータが駆動し始めて後部側の車輪24がレール24a上を前方に向けて動き出す。それに応じて前部側の車輪24もレール24a上を前方に向けて動き出す。これらの車輪24の動きによって、クリーンルーム11の出入口に設けられたパスボックス室12に待機していた移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、前方のパレット4が待機しているパスボックス室12に隣設する外部の待機箇所13に向かって前進する。パスボックス室12と外部との境界部分に設けられ閉められていた扉12bは、動き出す直前に開かれる。
【0050】
パスボックス室12に隣設する外部の待機箇所13にはコンベア3の上に載せられたパレット4が待機している。パレット4は事前に可動ストッパー33によって、パレット4の他端部4bがパスボックス室12側に向けて押圧され、他端部4bの反対側のパレット4の一端部4aはパスボックス室12側寄りの端部に設けられたコンベア3の固定ストッパー32に押し付けられている。このように、パレット4はその両端部4a、4bが固定ストッパー32と可動ストッパー33との間に挟まれて、コンベア3の上に動かないように固定されている。
【0051】
パレット4に向かって動く移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2には、コンベア3及びその上のパレット4がすっぽりと入る内側空間21が形成されていて、コンベア3及びその上のパレット4は近づいてきた移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の内側空間21に入り始める。つまり、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のコンベアベルト22の下部の内側空間21にコンベア3上に載ったパレット4は相対的に挿入させられる。移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の前部側の車輪24がレール24aの端部の車輪ストッパー24bに当接することで、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は前進が停止する。このとき、パレット4は移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の内側空間21の内部に収まる。
【0052】
移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2がパレット4上方に到着して停止すると、パスボックス室12に隣設する外部の待機箇所13に設けられている前面上部クランプ5及び後面下部クランプ6が駆動し始める。左右の各前面上部クランプ5のシリンダー54のロッドが伸長し、ロッドの先端が連結されているクランプアーム52は移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のコンベアベルト22の上に載せられているフレコン袋aの前面側の上部側に向かって、アーム軸53を回動中心としてその先端側が可動する。クランプアーム52の先端側にはクランプ板51が取り付けられており、このクランプ板51の表面がフレコン袋aの前面側の上部側に当接して、フレコン袋aの前面側の上部側を支える。
【0053】
同様に、左右の各後面下部クランプ6のシリンダー64のロッドが伸長し、ロッドの先端が連結されているクランプアーム62は移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2のコンベアベルト22の上に載せられているフレコン袋aの後面側の下部側に向かって、アーム軸63を回動中心としてその先端側が可動する。クランプアーム62の先端側にはクランプ板61が取り付けられており、このクランプ板61の表面がフレコン袋aの後面側の下部側に当接して、フレコン袋aの後面側の下部側を支える。
【0054】
フレコン袋aを左右の各前面上部クランプ5及び後面下部クランプ6で支えると、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2はモータが逆回転し始めて後部側の車輪24がレール24a上を後方に向けて動き出す。それに応じて前部側の車輪24もレール24a上を後方に向けて動き出す。これらの車輪24の動きによって、外部の待機箇所13にいる移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2は、後方のパスボックス室12の出入口に向かって後退し始める。つまり、移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2をパレット4上方から離れる後方に向けて移動させる。
【0055】
この移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の動きと同時に、ギヤモータ22dを駆動させて、コンベアベルト22の上面側を移動方向と逆向きの前方回りに循環移動させる。移動式フレコン袋載せ換えベルトコンベア2の後方への移動速度と、コンベアベルト22の上面側の移動速度は同一で、その移動方向が互いに逆向きであるため、コンベアベルト22上のフレコン袋aはパレット3の上方位置で何れの方向に移動せずに相対的にその位置に維持されることになる。その間にフレコン袋aはコンベアベルト22の先端側に向けて移動してコンベアベルト22の先端側に向けて送り出される。
【0056】
ところで、フレコン袋aが送り出されるコンベアベルト22の先端の前方には、循環移動するコンベアベルト22とは独立していて非駆動型のフリーに正逆回転する複数の傾斜スライド用ローラー23が、前方に向けて斜め下向きに設けられている。また、フレコン袋aの前面側の上部側を支える前面上部クランプ5が、フレコン袋aの重心位置が未だコンベアベルト22の上にあるときにはフレコン袋aの前面側の上部側を支えて、フレコン袋a全体が前方側に傾くのを防いでいる。
【0057】
フレコン袋aがコンベアベルト22の先端に送り出されて、フレコン袋aの重心位置がコンベアベルト22から離れてその前方側に移動すると、フレコン袋aの全体には前方に向けてモーメントが作用し始める。このとき、フレコン袋aの前面側の上部側を支える前面上部クランプ5は少し後退し、フレコン袋aは全体として前方に向けて少し傾き、フレコン袋aの底面は傾斜して設けられたフリーの状態の傾斜スライド用ローラー23の上にスムーズに載り移る。
【0058】
そして、フレコン袋aの底面は傾斜スライド用ローラー23の上を移動して、コンベアベルト22の下側から現れた段差のあるパレット4の上面にフレコン袋aの底面の前端が最初にスムーズに着地し、前端以降の底面が順次連続的に着地を続けて、500〜1000kg程度の重さのあるフレコン袋aは、破損することなくコンベアベルト22の段差分をスムーズに降下して、パレット4の上面に着地して、載せ換え作業は完了する。
【0059】
このようにして、フレコン袋aの前面側の上部側を支える前面上部クランプ5及びフレコン袋aの後面側の下部側を支える後面下部クランプ6と、コンベアベルト22の先端側の前方に斜め下向きに設けられた複数の傾斜スライド用ローラー23を利用して、これらの協働によって、コンベアベルト22の上面とパレット4の上面との段差を緩和しながらコンベアベルト22上の重たいフレコン袋aをパレット4上に載せ換えることができる。
【0060】
なお、この発明は上記発明を実施するための形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。