(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計算環境は、前記物理マシンに接続された前記ボリュームに記憶されているオペレーティングシステムを、前記ネットワークを介して前記物理マシンを起動するネットワークブートの機能を有し、
前記再構築処理部は、
前記複数の物理マシンのうちから、前記情報管理記憶部から取得した前記マシン仕様情報に対応する物理マシンを選択するとともに、前記記憶装置が有する前記複数のボリュームのうちから、前記情報管理記憶部から取得した前記ボリューム識別情報に対応するボリュームを選択し、選択した当該物理マシンと当該ボリュームとを前記ネットワークを介して接続して前記計算環境を再構築し、再構築した前記計算環境を前記ネットワークブートさせる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のマシン管理システム。
物理マシン群が有する複数の物理マシンのうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシンと、複数のボリュームを作成可能な記憶装置に前記構築要求に応じて作成されたボリュームとをネットワークを介して接続した計算環境を管理する管理部を備え、
前記管理部は、
送信された前記計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する前記物理マシンと前記ボリュームとの接続を切断する停止処理部と、
送信された前記計算環境を再構築する再構築要求に応じて、再構築する当該計算環境の利用者を識別する利用者識別情報、前記計算環境に選択された前記物理マシンの仕様を示すマシン仕様情報、及び前記計算環境に対応する前記ボリュームを識別するボリューム識別情報を関連付けて記憶する情報管理記憶部に、再構築する当該計算環境に対応する前記利用者識別情報と関連付けられて記憶されている前記マシン仕様情報及び前記ボリューム識別情報を取得し、取得した前記マシン仕様情報及び前記ボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築する再構築処理部と、
前記マシン仕様情報と、前記マシン仕様情報に対応する前記物理マシンの代替マシンとして、前記計算環境に対応する前記ボリュームに接続可能な物理マシンの仕様を示す代替マシン仕様情報とを対応付けて記憶する代替情報記憶部と
を備え、
前記再構築処理部は、
前記計算環境を再構築する際に、前記情報管理記憶部から取得した前記マシン仕様情報に対応する前記物理マシンが、前記複数の物理マシンのうちから選択できない場合に、取得した前記マシン仕様情報と対応付けて前記代替情報記憶部に記憶されている代替マシン仕様情報に基づいて、前記複数の物理マシンのうちから再構築する当該計算環境の物理マシンを選択する
ことを特徴とする管理サーバ装置。
物理マシン群が有する複数の物理マシンのうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシンと、複数のボリュームを作成可能な記憶装置に前記構築要求に応じて作成されたボリュームとをネットワークを介して接続した計算環境を管理する管理サーバ装置としてのコンピュータに、
停止処理部が、送信された前記計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する前記物理マシンと前記ボリュームとの接続を切断する停止処理ステップと、
再構築処理部が、送信された前記計算環境を再構築する再構築要求に応じて、再構築する当該計算環境の利用者を識別する利用者識別情報、前記計算環境に選択された前記物理マシンの仕様を示すマシン仕様情報、及び前記計算環境に対応する前記ボリュームを識別するボリューム識別情報を関連付けて記憶する情報管理記憶部に、再構築する当該計算環境に対応する前記利用者識別情報と関連付けられて記憶されている前記マシン仕様情報及び前記ボリューム識別情報を取得し、取得した前記マシン仕様情報及び前記ボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築する再構築処理ステップと
を実行させ、
前記管理サーバ装置が、前記マシン仕様情報と、前記マシン仕様情報に対応する前記物理マシンの代替マシンとして、前記計算環境に対応する前記ボリュームに接続可能な物理マシンの仕様を示す代替マシン仕様情報とを対応付けて記憶する代替情報記憶部を備え、
前記再構築処理ステップにおいて、前記再構築処理部が、前記計算環境を再構築する際に、前記情報管理記憶部から取得した前記マシン仕様情報に対応する前記物理マシンが、前記複数の物理マシンのうちから選択できない場合に、取得した前記マシン仕様情報と対応付けて前記代替情報記憶部に記憶されている代替マシン仕様情報に基づいて、前記複数の物理マシンのうちから再構築する当該計算環境の物理マシンを選択する
ことを実行させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態によるマシン管理システムについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるマシン管理システム1の一例を示すブロック図である。
この図において、マシン管理システム1は、物理マシン群2、ストレージ装置3、及び管理サーバ装置4を備えている。また、管理サーバ装置4は、環境構築サーバ40と、情報管理サーバ50とを備えている。
物理マシン群2とストレージ装置3とは、物理マシン−ストレージ間ネットワーク6を介して接続されており、物理マシン群2と、ストレージ装置3と、環境構築サーバ40と、情報管理サーバ50とは、管理用ネットワーク7を介して接続されている。
【0018】
本実施形態におけるマシン管理システム1は、利用者の構築要求に応じた性能の計算環境を、利用者に提供するクラウドシステムである。なお、本実施形態では、物理マシン群2が有する物理マシン20と、ストレージ装置3に確保したディスクボリューム30とを計算環境として利用者に提供する(貸し出す)クラウドシステム(ベアメタルクラウド)の一例として、マシン管理システム1を説明する。なお、
図1に示す例では、マシン管理システム1は、1つの計算環境を利用者に提供する場合を示しているが、マシン管理システム1は、複数の計算環境を各利用者に提供する。
【0019】
物理マシン群2は、複数の物理マシン20を有している。ここで、物理マシン20は、例えば、計算処理部(不図示)を備え、オペレーティングシステム(以下、OSという)を記憶した内蔵ディスクを備えないコンピュータ装置である。物理マシン20は、利用者の様々な要求に対応するため、CPU(Central Processing Unit)や搭載するメモリ容量の異なる複数のスペック(仕様)を用意している。
物理マシン20は、利用者の構築要求に応じて、環境構築サーバ40によって選択されて払い出される。ここでは、物理マシン21は、或る利用者に払い出されたマシンを示している。なお、物理マシン群2が有する任意の物理マシン、又は単に物理マシン群2が備える物理マシンを示す場合には、物理マシン20と称して以下説明する。
【0020】
ストレージ装置3(記憶装置)は、物理マシン20に計算環境用ネットワーク8を介して接続される複数のディスクボリューム30を作成可能な記憶装置である。すなわち、ストレージ装置3は、利用者に貸し出す物理マシン20用のディスクボリューム30を切り出すための記憶装置である。ここで、ディスクボリューム30(ボリューム)は、例えば、利用者の構築要求に応じて、ストレージ装置3に確保されるディスク領域であり、記憶装置の管理単位となる、OSによってフォーマットされた一つながりの連続した記憶領域のことを意味する。なお、計算環境用ネットワーク8は、上述した物理マシン−ストレージ間ネットワーク6の一部である。
ここでは、ディスクボリューム31は、或る利用者に払い出された物理マシン21に対応して確保されたディスクボリュームを示している。なお、ストレージ装置3に確保された任意のディスクボリューム、又は単にストレージ装置3が備えるディスクボリュームを示す場合には、ディスクボリューム30と称して以下説明する。
【0021】
図1に示す例では、物理マシン群2が有する物理マシン21と、ストレージ装置3が有するディスクボリューム30とがCを介して接続され、物理マシン21及びディスクボリューム30を計算環境として、利用者に提供する(貸し出す)場合を示している。利用者は、利用者操作用ネットワーク9を介して利用者端末5と計算環境とを接続し、利用者端末5を用いて、計算環境を利用する。
【0022】
また、ディスクボリューム30には、環境構築サーバ40によって、利用者の構築要求に応じたOSが記憶され、物理マシン20は、計算環境用ネットワーク8を介して、ネットワークブートにより、計算環境を起動する。すなわち、本実施形態において、利用者に提供する計算環境は、物理マシン20に接続されたディスクボリューム30に記憶されているOSを、計算環境用ネットワーク8を介して物理マシン20を起動するネットワークブートの機能を有している。
【0023】
情報管理サーバ50は、構築された計算環境の情報、及び構築した計算環境の利用を一時停止(利用中断)ならびに再構築(利用再開)する場合の情報を記憶するサーバ装置である。情報管理サーバ50は、例えば、構築情報記憶部51と、再開情報記憶部52とを備えている。
【0024】
構築情報記憶部51は、利用者の構築要求に応じて環境構築サーバ40が構築した計算環境に関する情報(例えば、利用者識別情報、物理マシン20の仕様情報、ディスクボリューム30の識別情報、OSの種類など)を記憶するとともに、物理マシン群2の未割り当ての物理マシン20に関する情報、及び、ストレージ装置3の未割り当てディスクボリューム30の情報などを記憶する。
【0025】
再開情報記憶部52(情報管理記憶部)は、計算環境の利用者を識別する利用者識別情報と、計算環境に選択された物理マシン20の仕様を示すマシン仕様情報と、計算環境に対応するディスクボリューム30を識別するボリューム識別情報と、計算環境が利用再開されているか否かを示す再開中情報とを関連付けて記憶する。再開情報記憶部52は、計算環境の利用を一時停止(利用中断)、及び再構築(利用再開)する場合に、環境構築サーバ40によって利用される情報を記憶している。ここで、
図2を参照して、再開情報記憶部52が記憶するデータ構成について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態における再開情報記憶部52が記憶するデータ構成の一例を示す図である。
この図において、再開情報記憶部52は、「項番」、「利用者」、「物理マシンのスペック」、「対応するディスクボリューム」、「中断日時」、及び「再開中」を関連付けて記憶する。ここで、「項番」は、計算環境の一時停止(利用中断)及び再構築(利用再開)の処理を管理するための項番を示し、「利用者」は、一時停止した計算環境の利用者を識別する利用者識別情報を示している。また、「物理マシンのスペック」は、計算環境に選択された物理マシン20の仕様(マシン仕様情報)を示し、ここでは、予め定められている物理マシン20の仕様を示す物理マシンのタイプ(種類)を示している。また、「対応するディスクボリューム」は、計算環境(物理マシン20)に対応するディスクボリューム30を識別する識別情報(ボリューム識別情報)を示している。また、「中断日時」は、計算環境を一時停止(利用中断)した日時を示し、「再開中」は、一時停止(利用中断)した計算環境が利用再開されているか否かを示すフラグである。ここでは、「再開中」の値は、利用再開した場合に、“○”の値に変更され、一時停止(利用中断)している場合に、値なし(ヌル)に変更される。
【0027】
例えば、
図2に示す例では、「項番」が“1”の再開情報は、「利用者」が“AAA”を、「物理マシンのスペック」が“type1”を、「対応するディスクボリューム」が“v00000001”を、「中断日時」が“2012/8/27 10:00”を、「再開中」が“○”をそれぞれ示している。この「項番」が“1”の例では、利用者“AAA”の計算環境が“2012/8/27 10:00”に一時停止(利用中断)し、現在は、再開中であることを示している。
また、例えば、「項番」が“2”の再開情報は、「利用者」が“abcd”を、「物理マシンのスペック」が“type1”を、「対応するディスクボリューム」が“v00000002”を、「中断日時」が“2012/8/22 9:00”を、「再開中」が“”(ヌル)をそれぞれ示している。この「項番」が“2”の例では、利用者“abcd”の計算環境が“2012/8/22 9:00”に一時停止(利用中断)し、現在も停止中であることを示している。
【0028】
図1に戻り、環境構築サーバ40は、利用者からの依頼(構築要求)された計算環境の確保、OSのインストール、及び計算環境におけるネットワーク等の基本的な構築を実行する。また、環境構築サーバ40は、利用者からの依頼(停止要求、再構築(再開)要求など)に応じて、計算環境の一時停止(利用中断)、及び再構築(利用再開)の処理を実行する。すなわち、環境構築サーバ40は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシン20と、構築要求に応じてストレージ装置3に作成されたディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続した計算環境を管理する。なお、環境構築サーバ40は、サーバ通信用ネットワーク10を介して外部装置(例えば、利用者端末5)を接続可能である。環境構築サーバ40は、サーバ通信用ネットワーク10を介して送信された、例えば、計算環境の構築要求、計算環境の利用を停止する停止要求、計算環境を再構築(利用再開)する再構築要求(利用再開要求)などに応じて、計算環境を管理する各種処理を実行する。
また、環境構築サーバ40は、計算環境管理部41を備えている。
【0029】
計算環境管理部41(管理部)は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシン20と、複数のディスクボリューム30を作成可能なストレージ装置3に構築要求に応じて作成されたディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続した計算環境を管理する。
また、計算環境管理部41は、構築処理部42と、停止処理部43と、再構築処理部44とを備えている。
【0030】
構築処理部42(環境構築部)は、送信された計算機環境の構築要求に応じて、計算機環境を構築し、利用者に提供する処理(構築処理)を実行する。なお、計算機環境の構築要求は、例えば、利用者によって、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、環境構築サーバ40に送信される。構築処理部42は、計算機環境の構築要求に応じて、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから、少なくともなくとも1つの物理マシン20を選択する。また、構築処理部42は、ストレージ装置3から計算機環境の構築要求に応じて、少なくとも1つのディスクボリューム30を確保し、当該物理マシン20と当該ディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続させる。構築処理部42は、確保したディスクボリューム30に計算機環境の構築要求に応じて、OSを記憶させ(インストールし)、利用者操作用ネットワーク9を利用者端末5から接続可能な状態にして、利用者に計算環境を提供する。構築処理部42は、計算機環境を構築する際に、利用者識別情報、物理マシン20の仕様情報、ディスクボリューム30の識別情報、OSの種類などを関連付けて構築情報記憶部51に記憶させる。
【0031】
停止処理部43は、送信された計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、計算環境を停止する処理(停止処理)を実行する。なお、停止要求は、例えば、利用者によって、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、環境構築サーバ40に送信される。停止処理部43は、停止要求に応じて、利用者によって計算環境と通信される利用者端末5と、計算環境との接続を切断するとともに、利用を停止する当該計算環境に対応する利用者識別情報、マシン仕様情報、及びボリューム識別情報を関連付けて再開情報記憶部52に記憶させる。そして、停止処理部43は、停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する物理マシン20とディスクボリューム30との接続を切断する。なお、ストレージ装置3内のディスクボリューム30は、計算環境を再開する場合を考慮して、記憶されているデータをそのまま維持する。
停止処理部43による停止処理により、計算環境は、一時的に、利用者からマシン管理システム1に返却された状態となる。
【0032】
再構築処理部44は、送信された計算環境を再構築する再構築要求に応じて、計算環境を再構築する処理(再構築処理)を実行する。なお、再構築要求は、例えば、利用者によって、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、環境構築サーバ40に送信される。再構築処理部44は、再構築要求に応じて再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されているマシン仕様情報及びボリューム識別情報を取得し、取得したマシン仕様情報及びボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築(利用再開)する。
【0033】
具体的に、再構築処理部44は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから、再開情報記憶部52から取得したマシン仕様情報に対応する物理マシン20を選択するとともに、ストレージ装置3が有する複数のディスクボリューム30のうちから、再開情報記憶部52から取得したボリューム識別情報に対応するディスクボリューム30を選択する。再構築処理部44は、選択した当該物理マシン20と当該ディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続して計算環境を再構築し、さらに、利用者操作用ネットワーク9を利用者端末5から接続可能な状態する。そして、再構築処理部44は、再構築した計算環境をネットワークブートさせる。
【0034】
また、再構築処理部44は、再構築要求に応じて、再構築した当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されている再開中情報(再開中フラグ)である「再開中」を、再開中であることを示す情報(“○”)に変更する。すなわち、再構築処理部44は、再開中フラグ(「再開中」)をオンにする。
【0035】
例えば、
図2に示す「項番」が“1”に対応する「利用者」の“AAA”が一時中断している自身の計算環境を再開する場合に、再構築処理部44は、「利用者」の“AAA”と関連付けられて、再開情報記憶部52に記憶されている「物理マシンのスペック」の“type1”及び「対応するディスクボリューム」(ボリューム識別情報)の“v00000001”を取得する。再構築処理部44は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから、“type1”に対応する物理マシン20を選択し、ストレージ装置3が有する複数のディスクボリューム30のうちから、“v00000001”に対応するディスクボリューム30を選択する。再構築処理部44は、選択した物理マシン20及びディスクボリューム30を、計算環境用ネットワーク8を介して接続して計算環境を再構築する。さらに、再構築処理部44は、利用者操作用ネットワーク9を利用者端末5から接続可能な状態し、再構築した計算環境をネットワークブートさせる。また、再構築処理部44は、「利用者」の“AAA”に対応する「再開中」を“○”に変更する。
【0036】
次に、本実施形態におけるマシン管理システム1の動作について説明する。
まず、
図3を参照して、本実施形態における計算環境の構築処理について説明する。
<計算環境の構築処理>
図3は、本実施形態における計算環境の構築処理の手順を示すフローチャートである。
この図において、まず、利用者が希望するスペック(仕様)の物理マシン20(CPU、メモリなど)、ディスクボリューム(ディスク容量などのボリューム仕様)、及びOSを指定して計算環境の構築要求を、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して環境構築サーバ40に送信する。
【0037】
この計算環境の構築要求を受けて、環境構築サーバ40の構築処理部42は、利用者から要求されたボリューム仕様に応じてディスクボリューム30を作成する(ステップS101)。構築処理部42は、構築要求に応じて、ストレージ装置3内にディスクボリューム30を作成する。なお、
図1に示す例では、対応するディスクボリューム30として、ディスクボリューム31が作成された例を示している。
【0038】
次に、構築処理部42は、利用者に要求されたスペックの物理マシン20を確保する(ステップS102)。すなわち、構築処理部42は、構築要求に応じて、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから、構築要求のスペックに対応する物理マシンを選択し確保する。なお、
図1に示す例では、複数の物理マシン20のうちの、物理マシン21が選択された例を示している。
【0039】
次に、構築処理部42は、確保した物理マシン20と、作成したディスクボリューム30とを接続する(ステップS103)。すなわち、構築処理部42は、確保した物理マシン20と、作成したディスクボリューム30と計算環境用ネットワーク8を介して接続させる。
【0040】
次に、構築処理部42は、作成したディスクボリューム30に利用者から要求されたOSをインストールする(ステップS104)。すなわち、構築処理部42は、利用者から依頼されたOSを対応するディスクボリューム30に記憶させる。
次に、構築処理部42は、物理マシン20から対応するディスクボリューム30をターゲットとして、OSをネットワークブートする(ステップS105)。すなわち、構築処理部42は、計算環境用ネットワーク8を介してディスクボリューム30に記憶しているOSを物理マシン20からネットワークブートさせて起動させる。
【0041】
次に、構築処理部42は、構築した計算環境のネットワークの設定を行い、計算環境を利用者から操作可能な状態にする(ステップS106)。すなわち、構築処理部42は、構築した計算環境を、利用者操作用ネットワーク9に接続し、利用者操作用ネットワーク9を介して、利用者端末5から操作可能な状態にする。なお、構築処理部42は、計算機環境を構築する際に、利用者識別情報、物理マシン20の仕様情報、ディスクボリューム30の識別情報、OSの種類などを関連付けて構築情報記憶部51に記憶させる。
ステップS106の処理を実行した後、構築処理部42は、計算環境の構築処理を終了する。
【0042】
このように、管理サーバ装置4は、利用者の構築要求に応じて、計算環境を構築し、構築された計算環境が利用者に払い出される。これにより、構築された計算環境は、利用者から操作可能な状態になる。
【0043】
次に、
図4及び
図5を参照して、本実施形態における計算環境の一時停止処理について説明する。
<計算環境の一時停止処理>
図4は、本実施形態における計算環境の一時停止処理の手順を示すフローチャートである。
また、
図5は、本実施形態における計算環境の一時停止処理の手順を説明する図である。なお、
図5において、
図1と同一の構成を示しており、同一の構成に同一の符号を付加している。また、切断処理OP1は、利用者操作用ネットワーク9の切断処理を示し、切断処理OP2は、計算環境用ネットワーク8の切断処理を示している。
また、
図5において、物理マシン21と、対応するディスクボリューム31とが、計算環境を構築している例を示しており、ここでは、物理マシン21と、対応するディスクボリューム31とが接続された計算環境を一時停止する場合について説明する。
【0044】
まず、利用者が払い出されていた計算環境(借りていた計算環境)の利用を一時的に中断し、クラウドシステムに返却したい場合に、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、計算環境の利用を停止する停止要求を環境構築サーバ40に送信する。なお、計算環境を一時的にラウドシステムに返却する場合としては、次の様な場合が考えられる。
例えば、マシンのメンテナンスのために一時的に計算環境を返却する必要が生じた場合、計算環境をしばらく使用していないため計算環境を返却したいが、利用再開の可能性がある場合、及び、他の利用者が一時的に大規模な計算環境の利用を希望しているが、リソースが不足しているため、返却可能な計算環境を一時的に返却させたい場合などが考えられる。
【0045】
図4において、このような計算環境の停止要求を受けて、環境構築サーバ40の停止処理部43は、まず、返却された計算環境と利用者端末5との接続を切断して操作できない状態にする(ステップS201)。すなわち、停止処理部43は、構築情報記憶部51に記憶されている計算環境のうちの、停止要求に対応する計算環境を抽出し、
図5の切断処理OP1に示しように、抽出した計算環境と利用者端末5との間の利用者操作用ネットワーク9を切断する。これにより、計算環境は、利用者端末5から操作できない状態になる。
【0046】
次に、停止処理部43は、返却された計算環境の「利用者」(利用者識別情報)、「物理マシンのスペック」、「対応するディスクボリューム」等を再開情報記憶部52に記憶させる(ステップS202)。すなわち、停止処理部43は、
図2に示すように、「利用者」(利用者識別情報)、「物理マシンのスペック」(マシン仕様情報)、及び「対応するディスクボリューム」(ボリューム識別情報)を関連付けて再開情報記憶部52に記憶させる。
【0047】
次に、停止処理部43は、返却された物理マシン21と、対応するディスクボリューム31との接続を切断する(ステップS203)。すなわち、停止処理部43は、
図5の切断処理OP2に示しように、構築情報記憶部51に記憶されている停止要求に対応する計算環境の物理マシン21(20)と、ディスクボリューム31(30)との間の計算環境用ネットワーク8を切断する。これにより、物理マシン21は、物理マシン群2に戻され返却された状態になる。また、ディスクボリューム31は、削除されずに、ストレージ装置3の内部に維持される。
ステップS203の処理を実行した後、停止処理部43は、計算環境の一時停止処理を終了する。
【0048】
このように、管理サーバ装置4は、利用者の停止要求に応じて、払い出された計算環境を一時的にクラウドシステムに返却する。
なお、本実施形態において、一時的に返却されたディスクボリューム31に対して、管理サーバ装置4は、非同期にスナップショットによるバックアップを実行してもよい。このように、一時停止中のディスクボリューム31に対して、非同期にバックアップを実行することで、マシン管理システム1は、ディスクボリューム31に対して、稼働中のクラウドシステムに負荷をかけずに整合性の取れたスナップショットを作成することができる。また、整合性の取れたスナップショットが得られることにより、ディスクボリューム31は、現在の状態(現在のディスクボリューム31)を残しつつ、過去の状態に戻すことが可能になる。
【0049】
次に、
図6及び
図7を参照して、本実施形態における計算環境の再開処理について説明する。
<計算環境の再開処理(再構築処理)>
図6は、本実施形態における計算環境の再開処理の手順を示すフローチャートである。
また、
図7は、本実施形態における計算環境の再開処理の手順を説明する図である。なお、
図7において、
図1と同一の構成を示しており、同一の構成に同一の符号を付加している。また、接続処理OP3は、計算環境用ネットワーク8の接続処理を示し、接続処理OP4は、利用者操作用ネットワーク9の接続処理を示している。なお、ここでは、一時停止した計算環境と同一の計算環境を再開する場合について説明する。
【0050】
まず、利用者が払い出されていた計算環境(借りていた計算環境)の利用を再開(再構築)したい場合に、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、計算環境の利用を再開する再開要求(再構築要求)を管理サーバ装置4に送信する。
【0051】
図6において、このような計算環境の再開要求を受けて、管理サーバ装置4は、まず、利用者から再開要求された計算環境の情報を検索し、環境構築サーバ40に対象の計算環境の再構築処理を指示する(ステップS301)。すなわち、管理サーバ装置4は、再開情報記憶部52に記憶されている一時停止中の計算環境のうちから、対象の計算環境を抽出し、環境構築サーバ40に対象の計算環境の再構築処理を指示する。
【0052】
次に、環境構築サーバ40の再構築処理部44は、再開情報記憶部52に記憶されている対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20を確保する(ステップS302)。例えば、再構築処理部44は、対象の計算環境に対応する利用者識別情報に関連付けて再開情報記憶部52に記憶されている物理マシン20の「物理マシンのスペック」に基づいて、物理マシン20を確保する。ここで、確保する物理マシン20は、一時停止前に使用していた同一の物理マシンである必要はなく、物理マシン群2が有する「物理マシンのスペック」と同一仕様の物理マシン20が確保される。なお、
図7に示す例では、再構築処理部44が、物理マシン22を選択して、確保した例を示している。
【0053】
次に、再構築処理部44は、確保した物理マシン22(20)と対応するディスクボリューム31(30)とを接続する(ステップS303)。すなわち、再構築処理部44は、
図7の接続処理OP3に示すように、確保した物理マシン22と、作成したディスクボリューム31と計算環境用ネットワーク8を介して接続させる。
【0054】
次に、再構築処理部44は、物理マシン22から対応するディスクボリューム31をターゲットとして、OSをネットワークブートする(ステップS304)。すなわち、再構築処理部44は、計算環境用ネットワーク8を介してディスクボリューム31に記憶しているOSを物理マシン22からネットワークブートさせて起動させる。
【0055】
次に、再構築処理部44は、再開情報記憶部52の当該再開情報に対して再開中フラグをオンにする(ステップS305)。すなわち、再構築処理部44は、再構築した当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されている再開中情報(再開中フラグ)である「再開中」を、例えば、再開中であることを示す情報(“○”)に変更する。
【0056】
次に、再構築処理部44は、計算環境のネットワークの設定を行い、計算環境を利用者から操作可能な状態にする(ステップS306)。すなわち、再構築処理部44は、
図7の接続処理OP4に示すように、再構築した計算環境を、利用者操作用ネットワーク9に接続し、利用者操作用ネットワーク9を介して、利用者端末5から操作可能な状態にする。
ステップS306の処理を実行した後、再構築処理部44は、計算環境の再開処理を終了する。
【0057】
このように、管理サーバ装置4は、利用者の構築要求に応じて、計算環境を再構築(利用再開)し、再構築された計算環境が利用者に払い出される。これにより、利用再開された計算環境は、利用者から操作可能な状態になる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態におけるマシン管理システム1は、物理マシン群2と、物理マシン20と、管理サーバ装置4と、を備えている。物理マシン群2は、複数の物理マシン20を有し、ストレージ装置3は、物理マシン20に物理マシン−ストレージ間ネットワーク6(計算環境用ネットワーク8)を介して接続される複数のディスクボリューム30を作成可能な記憶装置である。管理サーバ装置4は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシン20と、構築要求に応じてストレージ装置3に作成されたディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続した計算環境を管理する。
また、管理サーバ装置4は、再開情報記憶部52(情報管理記憶部)と、停止処理部43と、再構築処理部44とを備えている。再開情報記憶部52は、計算環境の利用者を識別する利用者識別情報と、計算環境に選択された物理マシン20の仕様を示すマシン仕様情報と、計算環境に対応するボリュームを識別するボリューム識別情報とを関連付けて記憶する。停止処理部43は、送信された計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する物理マシン20とディスクボリューム30との接続を切断する。そして、再構築処理部44は、送信された計算環境を再構築する再構築要求に応じて、再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されているマシン仕様情報及びボリューム識別情報を取得し、取得したマシン仕様情報及びボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築する。
【0059】
これにより、停止処理部43が、計算環境の物理マシン20とディスクボリューム30との接続を切断することで、計算環境の一時的に返却し、再構築処理部44が、物理マシン20とディスクボリューム30とを接続することで、計算環境の利用を再開する。そのため、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算環境の一時的な返却及び再開の際に、ディスクボリューム30が記憶するシステム全体をバックアップ、及びリストアする必要がない。よって、本実施形態におけるマシン管理システム1は、クラウドシステム(ベアメタルクラウド)において、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができる。すなわち、本実施形態におけるマシン管理システム1は、クラウドシステム(ベアメタルクラウド)において、一時的な返却及び再開を高速に行うことができる。
【0060】
なお、一般に仮想マシン技術を用いたクラウドシステムである場合には、ファイル形式でのバックアップ及びリストアが可能であるため、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間は短いが、物理マシン20を利用したクラウドシステム(ベアメタルクラウド)では、ファイル形式によるバックアップ及びリストアが不可能であった。そのため、従来の技術では、ベアメタルクラウドの場合、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間が長いという問題があった。これに対し、本実施形態におけるマシン管理システム1は、ベアメタルクラウドにおいて、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができる。
また、本実施形態におけるマシン管理システム1は、物理マシン20を用いて計算環境を構築することが可能であるため、仮想マシンを用いる場合に比べて、計算性能を向上させることができる。したがって、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算性能を向上させつつ、一時的な返却及び再開を高速に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態では、停止処理部43は、停止要求に応じて、利用者によって計算環境と通信される利用者端末5と、計算環境との接続を切断するとともに、利用を停止する当該計算環境に対応する利用者識別情報、マシン仕様情報、及びボリューム識別情報を関連付けて再開情報記憶部52に記憶させる。
これにより、本実施形態におけるマシン管理システム1は、ディスクボリューム30が記憶するシステム全体のバックアップを必要とせずに、簡易な手段により、計算環境を一時停止することができる。また、停止処理部43は、利用を停止する当該計算環境に対応する利用者識別情報、マシン仕様情報、及びボリューム識別情報を関連付けて再開情報記憶部52に記憶させることにより、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算環境の再開の際に、対応する物理マシン20とディスクボリューム30とを簡易な手段により選定することが可能である。これにより、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算環境の再開に要する作業時間を短縮することができる。
【0062】
また、本実施形態では、再開情報記憶部52は、さらに、少なくとも利用者識別情報と関連付けて、利用者識別情報に対応する計算環境が再開されているか否かを示す再開中情報(再開中フラグ)を記憶する。再構築処理部44は、再構築要求に応じて、再構築した当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されている再開中情報(例、「再開中」)を、再開中であることを示す情報(例、“○”)に変更する。
これにより、本実施形態におけるマシン管理システム1は、簡易な手段により、一時停止した後に、再開した計算環境を判別することができる。そのため、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算環境の利用再開した計算環境を管理することができる。
【0063】
また、本実施形態では、計算環境は、物理マシン20に接続されたディスクボリューム30に記憶されているOSを、計算環境用ネットワーク8を介して物理マシン20を起動するネットワークブートの機能を有している。再構築処理部44は、複数の物理マシン20のうちから、再開情報記憶部52から取得したマシン仕様情報(「物理マシンのスペック」)に対応する物理マシン20を選択するとともに、ストレージ装置3が有する複数のディスクボリューム30のうちから、再開情報記憶部52から取得したボリューム識別情報(「対応するディスクボリューム」)に対応するディスクボリューム30を選択する。再構築処理部44は、選択した当該物理マシン20と当該ディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続して計算環境を再構築し、再構築した計算環境をネットワークブートさせる。
すなわち、物理マシン20をネットワークブートすることにより、物理マシン20をディスクレスにし、ディスクボリューム30を物理マシン20と分ける構成にすることが容易になる。そのため、本実施形態におけるマシン管理システム1は、簡易な手段により、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができる。
【0064】
また、本実施形態における管理サーバ装置4は、物理マシン群2が有する複数の物理マシン20のうちから利用者の構築要求に応じて選択された物理マシン20と、複数のディスクボリューム30を作成可能なストレージ装置3に構築要求に応じて作成されたディスクボリューム30とを計算環境用ネットワーク8を介して接続した計算環境を管理する計算環境管理部41(管理部)を備える。そして、計算環境管理部41は、停止処理部43と、再構築処理部44とを備えている。停止処理部43は、送信された計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する物理マシン20とディスクボリューム30との接続を切断する。再構築処理部44は、送信された計算環境を再構築する再構築要求に応じて、再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて再開情報記憶部52に記憶されているマシン仕様情報及びボリューム識別情報を取得し、取得したマシン仕様情報及びボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築する。
これにより、本実施形態における管理サーバ装置4は、マシン管理システム1と同様に、クラウドシステムにおいて、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができる。
【0065】
なお、本実施形態によれば、マシン管理システム1は、物理マシン群2が有する物理マシン20と、ストレージ装置3が有するディスクボリューム30とを組み合わせて計算環境を構築する。上述の実施形態では、一時停止後に、同一の仕様の計算環境を再構築する例を説明したが、物理マシン20又はディスクボリューム30を柔軟に変更して計算環境を再構築することも可能である。例えば、現在利用している計算環境において、計算能力が不足した場合に、マシン管理システム1は、現在利用している計算環境を一時停止し、現在の物理マシン20より計算能力の高い物理マシン20変更して、計算環境を再構築することが可能である。また、マシン管理システム1は、複数の物理マシン20と1つのディスクボリューム30との組み合わせによる計算環境や、1つの物理マシン20と複数のディスクボリューム30との組み合わせによる計算環境など、柔軟な計算環境を構築することができる。例えば、1つのディスクボリューム30に対して、一時的に、複数の物理マシン20を利用した分散処理により大量の演算処理を行う必要が生じた場合などに、マシン管理システム1は、1つのディスクボリューム30に対して、一時的に複数の物理マシン20を割り当てることで対応することができる。
このように、本実施形態におけるマシン管理システム1は、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができるので、計算環境の組み換えを行うことが容易になり、自由度の高く、ダイナミックに変更可能な計算環境を提供することができる。
また、本実施形態において、物理マシン20を利用した計算環境を提供する例として説明したが、物理マシン20上にさらに複数の仮想マシンを構築することも可能である。
【0066】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態におけるマシン管理システムについて、図面を参照して説明する。
図8は、第2の実施形態によるマシン管理システム1aの一例を示すブロック図である。
この図において、マシン管理システム1aは、物理マシン群2、ストレージ装置3、及び管理サーバ装置4aを備えている。また、管理サーバ装置4aは、環境構築サーバ40aと、情報管理サーバ50aとを備えている。
物理マシン群2とストレージ装置3とは、物理マシン−ストレージ間ネットワーク6を介して接続されており、物理マシン群2と、ストレージ装置3と、環境構築サーバ40aと、情報管理サーバ50aとは、管理用ネットワーク7を介して接続されている。
【0067】
この図において、マシン管理システム1aは、情報管理サーバ50aが代替情報記憶部53を備えている点、及び、環境構築サーバ40aの再構築処理部44aの処理に代替情報記憶部53に対する制御が追加されている点が、第1の実施形態と異なる。なお、この図において、
図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
本実施形態における情報管理サーバ50aは、例えば、構築情報記憶部51と、再開情報記憶部52と、代替情報記憶部53とを備えている。
なお、物理マシン20は、CPUやメモリ構成、搭載しているデバイスの種類などにより、単純に他のスペックの物理マシン20に代替できない場合がある。このような場合に対応するため、本実施形態では、情報管理サーバ50aが、代替情報記憶部53を備えている。
【0069】
代替情報記憶部53は、マシン仕様情報と、マシン仕様情報に対応する物理マシン20の代替マシンとして、計算環境に対応するディスクボリューム30に接続可能な物理マシン20の仕様を示す代替マシン仕様情報とを対応付けて記憶する。ここで、
図9を参照して、代替情報記憶部53が記憶するデータ構成について説明する。
【0070】
図9は、本実施形態における代替情報記憶部53が記憶するデータ構成の一例を示す図である。
この図において、代替情報記憶部53は、「項番」、「物理マシンのスペック」、及び「代替可能な物理マシンのスペック」を関連付けて記憶する。ここで、「項番」は、物理マシンのスペック(タイプ)を管理するための項番を示し、「物理マシンのスペック」は、一時停止した計算環境の利用者を識別する利用者識別情報を示している。また、「物理マシンのスペック」は、物理マシン20の仕様(マシン仕様情報)を示している。また、「代替可能な物理マシンのスペック」は、「物理マシンのスペック」で示した物理マシンのタイプの代わりに使用可能な物理マシン20の仕様(代替マシン仕様情報)を示している。
【0071】
例えば、
図9に示す例では、「項番」が“1”の代替情報は、「物理マシンのスペック」が“type1”に対して、「代替可能な物理マシンのスペック」が“type2”、及び“type2”であることを示している。
【0072】
図8に戻り、本実施形態における環境構築サーバ40aは、計算環境管理部41aを備え、計算環境管理部41aは、構築処理部42と、停止処理部43と、再構築処理部44aとを備えている。
再構築処理部44aは、第1の実施形態における再構築処理部44と同様の処理を実施するとともに、計算環境を再構築する際に、再開情報記憶部52から取得したマシン仕様情報、又は取得したマシン仕様情報と対応付けて代替情報記憶部53に記憶されている代替マシン仕様情報に基づいて、複数の物理マシン20のうちから再構築する当該計算環境の物理マシン20を選択する。すなわち、本実施形態では、計算環境を再構築する際に、再開情報記憶部52から取得したマシン仕様情報に一致する物理マシン20が物理マシン群2になかった場合に、再構築処理部44aは、代替情報記憶部53に記憶されている代替マシン仕様情に基づいて、代替の物理マシン20を選択する。
【0073】
次に、本実施形態におけるマシン管理システム1aの動作について説明する。
本実施形態におけるマシン管理システム1aの計算環境の構築処理、及び計算環境の一時停止処理は、第1の実施形態と同様であえるので、ここではその説明を省略する。
ここでは、本実施形態におけるマシン管理システム1aの計算環境の再開処理(再構築処理)について説明する。
【0074】
図10は、本実施形態における計算環境の再開処理の手順を示すフローチャートである。
まず、利用者が払い出されていた計算環境(借りていた計算環境)の利用を再開(再構築)したい場合に、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、計算環境の利用を再開する再開要求(再構築要求)を管理サーバ装置4aに送信する。
【0075】
図10において、このような計算環境の再開要求を受けて、管理サーバ装置4aは、まず、利用者から再開要求された計算環境の情報を検索し、環境構築サーバ40aに対象の計算環境の再構築処理を指示する(ステップS401)。すなわち、管理サーバ装置4aは、再開情報記憶部52に記憶されている一時停止中の計算環境のうちから、対象の計算環境を抽出し、環境構築サーバ40aに対象の計算環境の再構築処理を指示する。
【0076】
次に、環境構築サーバ40aの再構築処理部44aは、対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20があるか否かを判定する(ステップS402)。再構築処理部44aは、物理マシン群2が有する未使用(未割り当て)の物理マシン20のうちに、対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20があるか否かを判定する。再構築処理部44aは、対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20がある場合(ステップS402:YES)に、処理をステップS403に進める。また、再構築処理部44aは、対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20がない場合(ステップS402:NO)に、処理をステップS408に進める。
【0077】
ステップS403からステップS407の処理は、
図6に示す第1の実施形態におけるステップS302からステップS306の処理と同様である。
【0078】
また、ステップS408において、再構築処理部44aは、代替可能なスペックの物理マシン20があるか否かを判定する。すなわち、再構築処理部44aは、対象の計算環境に対応する物理マシン20のスペックと関連づけて代替情報記憶部53に記憶されている代替物理マシンのスペックを取得し、物理マシン群2が有する未使用(未割り当て)の物理マシン20のうちに、取得したスペックの物理マシン20があるか否かを判定する。例えば、対象の計算環境に対応する物理マシン20のスペックが、“type1”である場合、再構築処理部44aは、
図9に示すように、代替物理マシンのスペックとして“type2”及び“type3”を代替情報記憶部53か取得する。再構築処理部44aは、物理マシン群2が有する未使用(未割り当て)の物理マシン20のうちに、取得した“type2”及び“type3”の物理マシン20があるか否かを判定する。
再構築処理部44aは、物理マシン群2に代替の物理マシン20がある場合(ステップS408:YES)に処理をステップS409に進める。また、再構築処理部44aは、物理マシン群2に代替の物理マシン20がない場合(ステップS408:NO)に計算環境の再構築処理を中止し、処理を終了する。
【0079】
ステップS409において、再構築処理部44aは、代替物理マシンを確保する。すなわち、再構築処理部44aは、代替物理マシンを計算環境の物理マシン20として確保し、処理をステップS404に進める。
ステップS404以降の処理は、上述したように、
図6に示す第1の実施形態におけるステップS303からステップS306の処理と同様である。
【0080】
以上説明したように、本実施形態におけるマシン管理システム1aは、さらに、代替情報記憶部53を備えている。代替情報記憶部53は、マシン仕様情報と、マシン仕様情報に対応する物理マシン20の代替マシンとして、計算環境に対応するディスクボリューム30に接続可能な物理マシン20の仕様を示す代替マシン仕様情報とを対応付けて記憶する。そして、再構築処理部44aは、計算環境を再構築する際に、再開情報記憶部52から取得したマシン仕様情報、又は取得したマシン仕様情報と対応付けて代替情報記憶部53に記憶されている代替マシン仕様情報に基づいて、複数の物理マシン20のうちから再構築する当該計算環境の物理マシン20を選択する。
これにより、本実施形態におけるマシン管理システム1aは、物理マシン群2に再構築する計算環境に対応するスペックの物理マシン20が存在しない場合であっても、スペックの異なる代替の物理マシン20を利用して、柔軟に計算環境を再構築することができる。
【0081】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態におけるマシン管理システムについて、図面を参照して説明する。
図11は、第3の実施形態によるマシン管理システム1bの一例を示すブロック図である。
この図において、マシン管理システム1bは、物理マシン群2、ストレージ装置3、及び管理サーバ装置4bを備えている。また、管理サーバ装置4bは、環境構築サーバ40bと、情報管理サーバ50bとを備えている。
【0082】
物理マシン群2とストレージ装置3とは、物理マシン−ストレージ間ネットワーク6を介して接続されており、物理マシン群2と、ストレージ装置3と、環境構築サーバ40bと、情報管理サーバ50bとは、管理用ネットワーク7を介して接続されている。
【0083】
本実施形態におけるマシン管理システム1bは、情報管理サーバ50bが再開情報記憶部52を用いずに、構築情報記憶部51bを用いて、第1の実施形態と同様の処理を実現する場合の一例を示している。なお、本実施形態において、構築情報記憶部51bは、情報管理記憶部に対応する。
この図において、情報管理サーバ50bが再開情報記憶部52を備えずに、構築情報記憶部51bを備える点、環境構築サーバ40bの停止処理部43bの処理、及び再構築処理部44bの処理が、第1の実施形態とは異なる。なお、この図において、
図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
本実施形態における情報管理サーバ50bは、例えば、構築情報記憶部51bを備えている。
構築情報記憶部51b(情報管理記憶部)は、利用者の構築要求に応じて環境構築サーバ40bが構築した計算環境に関する情報を記憶する。構築情報記憶部51bは、例えば、利用者識別情報と、マシン仕様情報と、計算環境に対応するボリューム識別情報とを関連付けて記憶している。ここで、
図12を参照して、構築情報記憶部51bのデータ構成について説明する。
【0085】
図12は、本実施形態における構築情報記憶部51bのデータ構成の一例を示す構成図である。
この図において、構築情報記憶部51bは、「項番」、「利用者」、「物理マシンのスペック」、「対応するディスクボリューム」、「OS情報」、・・・、「構築日時」、及び「停止中」を関連付けて記憶する。ここで、「項番」は、計算環境を管理するための項番を示し、「利用者」は、計算環境の利用者を識別する利用者識別情報を示している。また、「物理マシンのスペック」は、計算環境に選択された物理マシン20の仕様(マシン仕様情報)を示している。また、「対応するディスクボリューム」は、計算環境(物理マシン20)に対応するディスクボリューム30を識別する識別情報(ボリューム識別情報)を示している。また、「OS情報」は、ディスクボリューム30にインストールするOSの種類を示している。また、「構築日時」は、計算環境を構築した日時を示し、「停止中」は、計算環境が一時停止(利用中断)されているか否かを示すフラグである。ここでは、「停止中」の値は、利用を停止した場合に、“○”の値に変更され、利用されている(利用再開されている)場合に、値なし(ヌル)に変更される。
【0086】
例えば、
図12に示す例では、「項番」が“1”の構築情報は、「利用者」が“AAA”を、「物理マシンのスペック」が“type1”を、「対応するディスクボリューム」が“v00000001”を、「OS情報」が“OS1”を、「構築日時」が“2012/4/1 10:00”を、「停止中」が“○”をそれぞれ示している。この「項番」が“1”の例では、利用者“AAA”の計算環境が“2012/4/1 10:00”に構築され、現在は、一時停止中であることを示している。
【0087】
図11に戻り、本実施形態における環境構築サーバ40bは、計算環境管理部41bを備え、計算環境管理部41bは、構築処理部42と、停止処理部43bと、再構築処理部44bとを備えている。
【0088】
停止処理部43bは、送信された計算環境の利用を停止する停止要求に応じて、計算環境を停止する処理(停止処理)を実行する。停止処理部43bは、停止要求に応じて、利用者によって計算環境と通信される利用者端末5と、計算環境との接続を切断する。停止処理部43bは、停止要求に応じて、利用者によって計算環境と通信される利用者端末5と、利用を停止する当該計算環境との接続を切断するとともに、利用を停止する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報(停止中フラグ)である「停止中」を、停止中であることを示す情報(“○”)に変更する。すなわち、停止処理部43bは、停止中フラグ(「停止中」)をオンにする。そして、停止処理部43bは、停止要求に応じて、停止する当該計算環境に対応する物理マシン20とディスクボリューム30との接続を切断する。なお、ストレージ装置3内のディスクボリューム30は、計算環境を再開する場合を考慮して、記憶されているデータをそのまま維持する。
停止処理部43bによる停止処理により、計算環境は、一時的に、利用者からマシン管理システム1bに返却された状態となる。
【0089】
再構築処理部44bは、送信された計算環境を再構築する再構築要求に応じて、計算環境を再構築する処理(再構築処理)を実行する。再構築処理部44bは、再構築要求に応じて再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されているマシン仕様情報及びボリューム識別情報を取得し、取得したマシン仕様情報及びボリューム識別情報に基づいて、当該計算環境を再構築(利用再開)する。また、再構築処理部44bは、再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報を、稼働中であることを示す情報(“”(ヌル))に変更する。
【0090】
次に、本実施形態におけるマシン管理システム1bの動作について説明する。
本実施形態におけるマシン管理システム1bの計算環境の構築処理は、第1の実施形態と同様であえるので、ここではその説明を省略する。
ここでは、本実施形態におけるマシン管理システム1bの計算環境の一時停止処理、及び計算環境の再開処理(再構築処理)について説明する。
【0091】
<計算環境の一時停止処理>
図13は、本実施形態における計算環境の一時停止処理の手順を示すフローチャートである。
まず、利用者が払い出されていた計算環境(借りていた計算環境)の利用を一時的に中断し、クラウドシステムに返却したい場合に、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、計算環境の利用を停止する停止要求を環境構築サーバ40bに送信する。
【0092】
図13において、このような計算環境の停止要求を受けて、環境構築サーバ40bの停止処理部43bは、まず、返却された計算環境と利用者端末5との接続を切断して操作できない状態にする(ステップS501)。すなわち、停止処理部43bは、構築情報記憶部51bに記憶されている計算環境のうちの、停止要求に対応する計算環境を抽出し抽出した計算環境と利用者端末5との間の利用者操作用ネットワーク9を切断する。これにより、計算環境は、利用者端末5から操作できない状態になる。
【0093】
次に、停止処理部43bは、返却された計算環境に対応する構築情報記憶部51bの停止中フラグ(「停止中」)をオンにする(ステップS502)。すなわち、停止処理部43bは、一時停止した当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報(停止中フラグ)である「停止中」を、例えば、停止中であることを示す情報(“○”)に変更する。
【0094】
次に、停止処理部43bは、返却された物理マシン21と、対応するディスクボリューム30との接続を切断する(ステップS503)。すなわち、停止処理部43bは、構築情報記憶部51bに記憶されている停止要求に対応する計算環境の物理マシン20と、ディスクボリューム30との間の計算環境用ネットワーク8を切断する。これにより、物理マシン20は、物理マシン群2に戻され返却された状態になる。また、ディスクボリューム30は、削除されずに、ストレージ装置3の内部に維持される。
ステップS503の処理を実行した後、停止処理部43bは、計算環境の一時停止処理を終了する。
【0095】
このように、管理サーバ装置4bは、利用者の停止要求に応じて、払い出された計算環境を一時的にクラウドシステムに返却する。
【0096】
<計算環境の再開処理(再構築処理)>
図14は、本実施形態における計算環境の再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0097】
まず、利用者が払い出されていた計算環境(借りていた計算環境)の利用を再開(再構築)したい場合に、例えば、利用者端末5からサーバ通信用ネットワーク10を介して、計算環境の利用を再開する再開要求(再構築要求)を管理サーバ装置4bに送信する。
【0098】
図14において、このような計算環境の再開要求を受けて、管理サーバ装置4bは、まず、利用者から再開要求された計算環境の情報を検索し、環境構築サーバ40bに対象の計算環境の再構築処理を指示する(ステップS601)。すなわち、管理サーバ装置4bは、構築情報記憶部51bに記憶されている一時停止中の計算環境のうちから、対象の計算環境を抽出し、環境構築サーバ40bに対象の計算環境の再構築処理を指示する。
【0099】
次に、環境構築サーバ40bの再構築処理部44bは、構築情報記憶部51bに記憶されている対象の計算環境に対応するスペックの物理マシン20を確保する(ステップS602)。例えば、再構築処理部44bは、対象の計算環境に対応する利用者識別情報に関連付けて構築情報記憶部51bに記憶されている物理マシン20の「物理マシンのスペック」に基づいて、物理マシン20を確保する。ここで、確保する物理マシン20は、一時停止前に使用していた同一の物理マシン20である必要はなく、物理マシン群2が有する「物理マシンのスペック」と同一仕様の物理マシン20が確保される。
【0100】
次に、再構築処理部44bは、確保した物理マシン20と対応するディスクボリューム30とを接続する(ステップS603)。
次に、再構築処理部44bは、物理マシン20から対応するディスクボリューム30をターゲットとして、OSをネットワークブートする(ステップS604)。すなわち、再構築処理部44bは、計算環境用ネットワーク8を介してディスクボリューム30に記憶しているOSを物理マシン20からネットワークブートさせて起動させる。
【0101】
次に、再構築処理部44bは、構築情報記憶部51bの当該再開情報に対して停止中フラグをオフにする(ステップS605)。すなわち、再構築処理部44bは、再構築した当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報(停止中フラグ)である「停止中」を、例えば、再開中であることを示す情報(“”(ヌル))に変更する。
【0102】
次に、再構築処理部44bは、計算環境のネットワークの設定を行い、計算環境を利用者から操作可能な状態にする(ステップS606)。すなわち、再構築処理部44bは、再構築した計算環境を、利用者操作用ネットワーク9に接続し、利用者操作用ネットワーク9を介して、利用者端末5から操作可能な状態にする。
ステップS606の処理を実行した後、再構築処理部44bは、計算環境の再開処理を終了する。
【0103】
このように、管理サーバ装置4bは、利用者の構築要求に応じて、計算環境を再構築(利用再開)し、再構築された計算環境が利用者に払い出される。これにより、利用再開された計算環境は、利用者から操作可能な状態になる。
【0104】
以上説明したように、本実施形態におけるマシン管理システム1bは、構築情報記憶部51b(情報管理記憶部)が、少なくとも利用者識別情報と関連付けて、利用者識別情報に対応する計算環境が停止されているか否かを示す停止中情報(停止中フラグ)を記憶する。管理サーバ装置4bは、構築処理部42(環境構築部)と、停止処理部43bと、再構築処理部44bとを備えている。構築処理部42は、送信された計算環境の構築要求に応じて、計算環境を構築するとともに、構築した当該計算環境に対応する利用者識別情報、仕様情報、及びボリューム識別情報を関連付けて構築情報記憶部51bに記憶させる。また、停止処理部43bは、停止要求に応じて、利用者によって計算環境と通信される利用者端末5と、利用を停止する当該計算環境との接続を切断するとともに、利用を停止する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報(例「停止中」)を、停止中であることを示す情報(例、“○”)に変更する。そして、再構築処理部44bは、再構築要求に応じて、計算環境を再構築するともに、再構築する当該計算環境に対応する利用者識別情報と関連付けられて構築情報記憶部51bに記憶されている停止中情報(例「停止中」)を、稼働中であることを示す情報(例、“”)に変更する。
これにより、本実施形態におけるマシン管理システム1bは、再開情報記憶部52を備えずに、第1の実施形態と同様に、クラウドシステムにおいて、計算環境の一時的な返却及び再開に要する作業時間を短縮することができる。すなわち、本実施形態におけるマシン管理システム1bは、クラウドシステムにおいて、一時的な返却及び再開を高速に行うことができる。
【0105】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、管理サーバ装置4(4a、4b)は、環境構築サーバ40(40a、40b)と、情報管理サーバ50(50a、50b)とを備える構成にしたが、環境構築サーバ40(40a、40b)及び情報管理サーバ50(50a、50b)を1つのサーバ装置により実現してもよい。すなわち、情報管理サーバ50(50a、50b)が備える記憶部の全て又は一部を、環境構築サーバ40(40a、40b)が備えてもよい。また、マシン管理システム1(1a、1b)は、情報管理サーバ50(50a、50b)を、管理サーバ装置4(4a、4b)の外部のサーバ装置に備える形態でもよいし、情報管理サーバ50が備える記憶部の全て又は一部を、管理サーバ装置4(4a、4b)の外部のサーバ装置に備える形態であってもよい。
【0106】
また、上記の各実施形態において、計算環境の構築処理、一時停止処理、及び再構築処理の要求を、一例として、利用者端末5から送信する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、利用者から依頼書などにより各種処理を依頼された管理担当者が、管理用端末などのクライアント端末から管理サーバ装置4(4a、4b)に対して要求を送信してもよい。
【0107】
また、上記の各実施形態において、利用の停止処理について、再利用を考慮した一時停止処理について説明したが、管理サーバ装置4(4a、4b)は、利用者の要求により、計算環境の利用を終了する処理を実行してもよい。この場合、管理サーバ装置4(4a、4b)は、ディスクボリューム30のデータを消去し、ディスクボリューム30をストレージ装置3に戻す処理を実行する。
【0108】
なお、本発明におけるマシン管理システム1(1a、1b)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したマシン管理システム1(1a、1b)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にマシン管理システム1(1a、1b)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0109】
また、上述した機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。