特許第6014533号(P6014533)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014533
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】検体分析システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20161011BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01N35/02 C
   G01N35/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-69962(P2013-69962)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-194348(P2014-194348A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】松尾 葉子
(72)【発明者】
【氏名】奥村 栄次郎
(72)【発明者】
【氏名】正村 美樹夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖志
(72)【発明者】
【氏名】金 大憲
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 史徳
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−220494(JP,A)
【文献】 特開2008−122205(JP,A)
【文献】 特開2005−037162(JP,A)
【文献】 特開2011−075378(JP,A)
【文献】 特表2005−532552(JP,A)
【文献】 特開2007−256084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬が入ったセル槽を有する試薬カートリッジと、
前記試薬カートリッジが収納される収納容器と、
前記試薬カートリッジを保持する保持部と、採取された検体と前記保持部に保持された前記試薬カートリッジの試薬とを用いて複数の測定項目から指示された測定項目に応じて検体分析処理を行う分析部と、画像を表示するための表示部と、検体分析処理に関する画像を前記表示部に表示する表示制御部と、を具備した検体分析装置と
を有する検体分析システムにおいて、
前記試薬カートリッジと前記収納容器と前記表示部に表示される画像とが、測定項目に応じて統一色を有することを特徴とする検体分析システム。
【請求項2】
試薬カートリッジにおいては、セル槽内の試薬を封止する表面またはセル槽が統一色を有することを特徴とする請求項1に記載の検体分析システム。
【請求項3】
収納容器においては、収納容器の少なくとも一面において、収納容器の素材、文字、図形、線分、模様、マークの少なくともいずれかが統一色を有することを特徴とする請求項1または2に記載の検体分析システム。
【請求項4】
前記表示部に表示される画像においては、測定項目を選択操作するための部位が統一色を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検体分析システム。
【請求項5】
前記表示部に表示される画像においては、分析処理結果の表示画像における各測定項目に共通の所要部位が統一色を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検体分析システム。
【請求項6】
更に、試薬カートリッジにおけるセル槽内の試薬の色が統一色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検体分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試薬が入ったセル槽を有する試薬カートリッジ、この試薬カートリッジが収納される収納容器及び検体分析装置を有して構成される検体分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような検体分析システムでは、臨床検体(全血、血漿、血清、唾液、髄液、尿など)と試薬を混合して、目的とする測定項目の分析を行うことが要請されている。このような臨床検体と試薬を用いる場合には、試薬は試薬カートリッジのセル槽に入れられて提供される。また、試薬カートリッジは、試薬カートリッジを収納する収納容器に入れられて梱包されている。
【0003】
検体分析に際しては、測定項目が決定されると、対応する収納容器を取り出し、この収納容器から試薬カートリッジを取り出すことになる。ここまでの過程において、測定項目に応じた収納容器が選択されている必要があり、更に、測定項目に応じた試薬カートリッジが選択されている必要がある。
【0004】
更に、取り出した試薬カートリッジを検体分析装置にセットして、測定項目を選択指示して検体分析装置を稼働させ、結果を得ることになる。このとき、選択指示された測定項目に対し、上記でセットされた試薬カートリッジが対応するものでなければならない。
【0005】
しかしながら、従来においては、上記の対応関係の確認は、例えば、収納容器や試薬カートリッジに記載された文字を読むことにより、人手によって行われるものであるから、取り違えが生じる虞がある。また、測定項目を選択指示して検体分析装置を稼働する場合には、試薬カートリッジに付されたバーコードなどによって得られる情報から、選択指示された測定項目に合致した試薬カートリッジがセットされているかを判定することも考えられる。しかしながら、これによれば、測定項目に合致した試薬カートリッジがセットされているか否かを知ることができても、セットした試薬カートリッジが誤ったものであるか、選択指示された測定項目が誤ったものであるかの確認を迅速にすることはできない。
【0006】
上記のような事情に対し、測定モードを選択するための測定モード選択ボタンの色に対応してスタートボタンの色を変更する血液分析装置が知られている。この装置では、複数の測定モード選択ボタンは複数の測定モードに対応しており、それぞれ色が異なるものである。これによれば、測定モードに対応した測定モード選択ボタンを選択すると、スタートボタンの色が変更させるので、モード選択の誤りに起因する誤操作を低減できるとしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4610140号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来例装置では、収納容器、試薬カートリッジ及び測定項目について一貫性のあるチェックを行うことができない。本発明はこのような検体分析システムが有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の測定項目から選択した測定項目の検体分析を行う場合に、選択した収納容器、収納容器から取り出した試薬カートリッジ及び検体分析装置において指示した測定項目が適切であるかを、各段階でチェックすることが可能な検体分析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る検体分析システムは、試薬が入ったセル槽を有する試薬カートリッジと、前記試薬カートリッジが収納される収納容器と、前記試薬カートリッジを保持する保持部と、採取された検体と前記保持部に保持された前記試薬カートリッジの試薬とを用いて複数の測定項目から指示された測定項目に応じて検体分析処理を行う分析部と、画像を表示するための表示部と、検体分析処理に関する画像を前記表示部に表示する表示制御部と、を具備した検体分析装置とを有する検体分析システムにおいて、前記試薬カートリッジと前記収納容器と前記表示部に表示される画像とが、測定項目に応じて統一色を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る検体分析システムでは、試薬カートリッジにおいては、セル槽内の試薬を封止する表面またはセル槽が統一色を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る検体分析システムでは、収納容器においては、収納容器の少なくとも一面において、収納容器の素材、文字、図形、線分、模様、マークの少なくともいずれかが統一色を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る検体分析システムでは、前記表示部に表示される画像においては、測定項目を選択操作するための部位が統一色を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る検体分析システムでは、前記表示部に表示される画像においては、分析処理結果の表示画像における各測定項目に共通の所要部位が統一色を有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る検体分析システムは、更に、試薬カートリッジにおけるセル槽内の試薬の色が統一色であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る検体分析システムは、試薬カートリッジ、収納容器、表示部に表示される検体分析処理に関する画像、が測定項目に応じて統一色を有するので、複数の測定項目から選択した測定項目の検体分析を行う場合に、選択した収納容器、収納容器から取り出した試薬カートリッジ及び検体分析装置の画像において指示した測定項目が適切であるかを、色によって各段階でチェックすることが可能であり、適切な検体分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る検体分析システムの実施形態における構成を示すブロック図。
図2】本発明に係る検体分析システムの実施形態に用いられる試薬カートリッジを示す図であり、(a)が平面図、(b)が斜視図。
図3】本発明に係る検体分析システムの実施形態に用いられる収納容器の上蓋を外した状態を示す斜視図。
図4】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示されるメニュー選択画面の表示例を示す図。
図5】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示されるメニュー選択画面の表示例を示す図。
図6】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示される準備完了画面の表示例を示す図。
図7】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示される測定結果画面の表示例を示す図。
図8】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示される準備完了画面の表示例を示す図。
図9】本発明に係る検体分析システムの実施形態における表示部に表示される測定結果画面の表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下添付図面を参照して、本発明に係る検体分析システムの実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1は、本発明に係る検体分析システムの実施形態における構成を示すブロック図である。実施形態に係る検体分析システムは、検体分析装置10、収納容器50、試薬カートリッジ20を備える。検体分析装置10は、CPUなどにより構成される中央制御部30を有する。
【0018】
検体分析装置10は、検体取込・測定液作成部11、保持部12、測定部13、分析部14、表示制御部15、表示部16、操作入力部17を備える。検体取込・測定液作成部11は、例えば液体を吸引・吐出し、移動できる吸引管などにより構成することができる。この検体取込・測定液作成部11は、検体を検体容器などから吸引して取込み、試薬カートリッジ20のいずれかのセル槽へ吐出して分注し、攪拌混合して測定液を作成するものである。
【0019】
保持部12は、試薬カートリッジ20を保持するものである。測定部13は、検体取込・測定液作成部11によって作成された測定液について測定を行うものである。この測定部13は、光による測定を行うものとして、発光ダイオードなどにより構成される発光部13a、フォトセンサなどにより構成される受光部13bを備えることができる。
【0020】
分析部14は、採取された検体と上記保持部12に保持された試薬カートリッジ20の試薬とを用いて複数の測定項目から指示された測定項目に応じて検体分析処理を行うものである。つまり、測定部13により得られた測定信号に基づき、測定項目に応じて検体分析処理を行う。
【0021】
表示部16は、画像の情報を表示するためのものである。表示部16は、LCDやLEDなどによるディスプレイ装置によって構成することができる。表示制御部15は、分析処理の開始から終了までの所要時に検体分析処理に関する画像を上記表示部16に表示するものである。
【0022】
操作入力部17は、電源をオンオフする電源スイッチを含み、コマンドや各種の情報を入力するためのものである。操作入力部17は、例えばタッチパネル、マウスなどにより構成することができる。
【0023】
前述の通り、保持部12には、試薬カートリッジ20が保持される。この試薬カートリッジ20は、例えば、図2に示すように透光性材料により構成される4槽のセル槽21〜24を備える。第1のセル槽21、第2のセル槽22、第3のセル槽23、第4のセル槽24は、試薬カートリッジ20の長手方向に並べられて結合されている。
【0024】
第1のセル槽21、第2のセル槽22、第3のセル槽23には、それぞれ試薬が所要量入られ、第4のセル槽24は反応槽とされるため、空室とされる。第1のセル槽21、第2のセル槽22、第3のセル槽23、第4のセル槽24は、表面がシール25により封止されている。シール25には、この試薬カートリッジ20に入れられた試薬の情報が例えば二次元バーコードにより印刷される。シール25は、その全てまたは一部が、測定項目に応じた色とされている。勿論、表面のシールに限らず、表面及びまたはセル槽が測定項目に応じた色とされていても良い。また、測定に影響がなければ、試薬を、測定項目に応じた色によって着色しても良い。
【0025】
試薬カートリッジ20は、まとめられて、図3に示すような筐体の収納容器50に収納されている。収納容器50は、上蓋51と下ケース52により構成されている。下ケース52には、上面から下方へ向けて、一つの試薬カートリッジ20が収まる孔が、収納数に対応して穿設されている。下ケース52の上面には、周縁部から僅かに内側の部分に、上側に立ち上がった周壁53が形成されている。上蓋51の内側は、上記周壁53に対応した凹部が穿設されている。このため、下ケース52に上蓋51を被せて押圧すると、下ケース52と上蓋51をしっかりと合体させることができる。
【0026】
上蓋51の表面には、測定項目に応じた色によって、収納されている試薬カートリッジ20の種類を示す名称55が印刷されている。また、販売元の名称56も測定項目に応じた色によって印刷されている。即ち、収納容器50の少なくとも一面において、収納容器の素材、文字、図形、線分、模様、マークの少なくともいずれかが測定項目に対応する統一色を有することができる。
【0027】
表示制御部15によって表示部16に表示される画像においては、測定項目を選択操作するための部位が統一色を有するなど、上記試薬カートリッジ20と上記収納容器50と上記表示部16に表示される画像とが、測定項目に応じて統一色を有することができる。
【0028】
以下、測定項目が「CRP」と「HbA1c」の2種類である場合の例を説明する。ここで、「CRP」はC反応性蛋白であり、「HbA1c」はヘモグロビン・エイワンシーである。測定項目「CRP」に対応する色は「青色」に統一する。また、測定項目「HbA1c」に対応する色は「赤色」に統一する。
【0029】
従って、測定項目が「CRP」の場合には、「青色」が用いられている収納容器50を冷蔵庫などの保管場所から取り出し、測定項目が「HbA1c」の場合には、「赤色」が用いられている収納容器50を冷蔵庫などの保管場所から取り出す。次に、測定項目が「CRP」の場合には、収納容器50から試薬カートリッジ20を取り出し、収納容器50と同じ「青色」が用いられているかを確かめることができる。また、測定項目が「HbA1c」の場合には、収納容器50から試薬カートリッジ20を取り出し、収納容器50と同じ「赤色」が用いられているかを確かめることができる。
【0030】
以上のようにして測定項目に対応する試薬カートリッジ20を確実に取り出すことができる。そこで、検体分析装置10の操作入力部17において電源スイッチを操作し、電源を投入する。すると、中央制御部30はこれを受けて、表示制御部15を制御して表示部16にホーム画面を表示させる。
【0031】
このとき表示部16に表示されるホームのメニュー選択画面は、図4に示すようである。即ち、測定項目「CRP」を選択するボタン41には「青色」の下地色が用いられおり、測定項目「HbA1c」を選択するボタン42には「赤色」の下地色が用いられている。
【0032】
そこで、上記で取り出しておいた試薬カートリッジ20を、検体分析装置10の保持部12へセットすることになる。所定の操作により保持部12への扉を開けて試薬カートリッジ20を、保持部12へセットし、扉を閉じる。すると、保持部12が移動し、測定部13に位置付けられ、シール25に印刷された二次元バーコードが図示しない読取部により読み取られる。
【0033】
読み取った情報により中央制御部30は表示制御部15を制御し、測定項目を判定し、試薬カートリッジ20のセットを確認するカートリッジマーク43を、判定結果に対応する測定項目のボタンに近接させて表示させる。図5は、判定結果が測定項目「CRP」であるために、ボタン41に近接させてカートリッジマーク43が表示されている。これにより、測定項目に対応して正しい試薬カートリッジ20がセットされたことを確認することができる。
【0034】
そこで、測定項目を選択するボタンを操作することになる。ここでは、測定項目「CRP」のボタン41を操作すると、図6に示すような準備完了画面が表示される。この画面において、測定項目について準備完了を示す文字列表示部44の下に、測定項目に対応する色(ここでは「青色」)のバー45を表示する。この画面において最終的に選択した測定項目を色により確認することができる。
【0035】
上記図6に示された画面を見ながら、所要の入力を行い、選択した測定項目が正しければ、画面に表示された「OK」ボタンを操作することになる。これを受けて検体分析が開示され、分析結果が得られると中央制御部30の制御下で表示制御部15により図7に示すような測定結果画面が表示される。この画面において、測定項目について測定結果を示す文字列表示部46の下に、測定項目に対応する色(ここでは「青色」)のバー47を表示する。このように、測定結果についても選択した測定項目を色により確認することができる。
【0036】
図8には、図6に対応する画面であり、測定項目が「HbA1c」である場合に表示される画面を示す。測定項目について準備完了を示す文字列表示部44の下に、測定項目に対応する色(ここでは「赤色」)のバー45が表示される。図9には、図7対応する画面であり、測定項目が「HbA1c」である場合に表示される画面を示す。測定項目について測定結果を示す文字列表示部46の下に、測定項目に対応する色(ここでは「赤色」)のバー47が表示される。
【0037】
このように、画面に表示されるバー45、47の色によって測定項目を確認することができ、複数の測定項目から選択した測定項目の検体分析を行う場合に、選択した収納容器50、収納容器50から取り出した試薬カートリッジ20及び検体分析装置10において指示した測定項目が適切であるかを、各段階でチェックすることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 検体分析装置
11 検体取込・測定液作成部
12 保持部
13 測定部
13a 発光部
13b 受光部
14 分析部
15 表示制御部
16 表示部
17 操作入力部
20 試薬カートリッジ
30 中央制御部
50 収納容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9