(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面が樹脂でコーティングされている金属板からなる第1および第2の部材同士を、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子と、可塑剤とを含み、前記粒子が前記可塑剤中に分散され、かつ、前記可塑剤の一部で前記粒子が膨潤して、前記粒子が部分的に隣接しているが合一していない樹脂組成物で構成される樹脂シートを介して接合する接合方法であり、
前記第1の部材の辺と前記第2の部材の辺とを対向配置して形成された接合部を覆うように、前記樹脂シートを配置する第1の工程と、
前記樹脂シートを加熱することで溶融させたのち固化させることにより、前記樹脂シートを介して、前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する第2の工程とを有することを特徴とする接合方法。
前記第1の部材および前記第2の部材は、それぞれ、前記底部同士の接合部および前記立ち上がり面同士の接合部の少なくとも一部に、その厚さが薄くなっている溝部を備えている請求項3に記載の接合方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の接合方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の接合方法を説明するのに先立って、本発明の接合方法を適用して得られる、表面が樹脂で被覆(コーティング)された第1および第2の部材(金属板)同士が接合された接合体について説明する。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、接合体の第1実施形態を示す斜視図、
図2は、
図1に示す接合体の分解斜視図、
図3は、
図1に示す接合体を、躯体に配置した状態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、
図1、2、3中の上側を「上」、下側を「下」とする。
接合体1は、
図1、2に示すように、第1の部材10と、第2の部材20と、成形体(樹脂シート)30とを有し、成形体30を介して、第1の部材10と第2の部材20とが接合されたものである。
この接合体1は、屋上やベランダのような躯体が有する床部と壁部との境界部付近に配置され、床部と壁部とを接合体1とともに樹脂シート(防水シート)を用いて覆うことで、躯体に防水を施すシート防水構造に用いられるものである。
より具体的には、接合体1は、
図3に示すように、床部510と、床部510から立設した第1の壁部520と、床部510から立設し、第1の壁部520と交差して配置された第2の壁部530とを有する躯体500において、床部510と第1の壁部520と第2の壁部530との境界部(角部)付近上に配置されて用いられる。すなわち、接合体1は、躯体(シート防水構造)500上を流れる水(液体)が屈曲する位置に配置して用いられる。
【0011】
以下、この接合体1を構成する各部材について詳述する。
なお、第1の部材10と第2の部材20とは、互いに対称な形状を有しているため、以下では、第1の部材10を例にして説明する。
第1の部材10は、表面が樹脂で被覆(コーティング)されている金属板からなり、底部11と、立ち上がり面12と、目地内部平面13と、目地内部立ち上がり面14とを有している。
【0012】
底部11は、
図1、2の上側から見た平面視で、第1の辺15と、第2の辺16と、第3の辺17と、第4の辺18とで囲まれ、第1の辺15および第2の辺16をそれぞれ上底および下底とし、第3の辺17および第4の辺18を脚とする台形状をなしている。
また、第3の辺17は、第1の辺15に対して直交し、第4の辺18は、第1の辺15に対してほぼ45°となるように交差して設けられている。
また、底部11は、平部110と、この平部110に傾斜して設けられた傾斜部111とを有しており、接合体1を躯体500内に配置する際には、傾斜部111が床部510に設けられた凹み部(溝)511に対応するように配置される。したがって、シート防水構造では、防水シートにより接合体1が覆われ、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体(水)が流れることとなる。
【0013】
立ち上がり面12は、底部11の縁部、より詳しくは第1の辺15から立設しており、第1の辺15と同じ長さを長辺とする長方形状をなしている。
また、目地内部平面13は、立ち上がり面12上端から底部11と反対側に突出しており、第1の辺15と同じ長さを長辺とする長方形状をなしている。
さらに、目地内部立ち上がり面14は、目地内部平面13の底部11と反対側から突出しており、第1の辺15と同じ長さを長辺とする長方形状をなしている。
この立ち上がり面12と目地内部平面13とにより、底部11と反対側に、空間120が形成され、接合体1を躯体500内に配置する際には、この空間120内に、第1の壁部520に設けられた突出部521が挿入される。そして、目地内部平面13と目地内部立ち上がり面14とにより係合部が形成され、この係合部が突出部521の上端に係合するようにして、接合体1が躯体500内に配置される。
【0014】
また、第4の辺18の途中には、第4の辺18から突出する立板19が設けられており、この立板19は、本実施形態では、カシメにより底部11に固定されている。
かかる構成の第1の部材10は、第2の部材20と、第4の辺18に対して、ほぼ線対称な形状をなしている。
したがって、第4の辺18は、第1の辺15に対してほぼ45°となるように交差するように設けられていることから、
図1、2に示すように、第1の部材10の第4の辺18と、第2の部材20の第4の辺18とを対向配置することで、第1の部材10の立ち上がり面12と、第2の部材20の立ち上がり面12とが直交するように配置される。本実施形態では、この状態で、第1の部材10と、第2の部材20とが、成形体30を介して接合されている。
また、目地内部平面13および目地内部立ち上がり面14は、それぞれ、第1の辺15と同じ長さを長辺とする長方形状をなしている。そのため、第1の部材10の立ち上がり面12と、第2の部材20の立ち上がり面12とが直交するように配置させると、第1の部材10の目地内部平面13と、第2の部材20の目地内部平面13との第4の辺18側の端部間において第1の欠損部130が形成されている。さらに、第1の部材10の目地内部立ち上がり面14と、第2の部材20の目地内部立ち上がり面14との第4の辺18側の端部間において第2の欠損部131が形成されている。
【0015】
また、第1の部材10および第2の部材20は、それぞれ、上記の通り、表面が樹脂で被覆(コーティング)されている金属板で構成される。このように、樹脂で被覆することで、金属板の腐食を確実に防止することができる。
金属板としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼板、鉄板のような鋼板、アルミ板、銅板等が挙げられるが、鋼板であるのが好ましい。これにより、第1の部材10および第2の部材20を優れた強度を有するものとすることができる。
また、金属板の厚さは、特に限定されないが、0.1mm以上、3mm以下程度であるのが好ましく、0.3mm以上、2.5mm以下程度であるのがより好ましい。
【0016】
樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニルのような塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、ポリ塩化ビニルであるのが好ましい。ポリ塩化ビニルは、溶剤溶着性や熱融着性に優れるため、金属板の腐食をより確実に防止することができる。
また、樹脂により金属板を被覆する厚さは、特に限定されないが、0.03mm以上、2mm以下程度であるのが好ましく、0.1mm以上、0.7mm以下程度であるのがより好ましい。
【0017】
成形体(樹脂シート)30は、2つの部材である第1の部材10と第2の部材20とを接合した接合部140を覆うように用いられるものであり、この接合部140に対応した形状をなしている。
本実施形態では、成形体30は、第1の部材10と第2の部材20とにおいて、第4の辺18同士が対向配置された底部11同士の接合部141の形状に対応した第1の部分31と、立ち上がり面12同士の接合部142の形状に対応した第2の部分32とを有している。
成形体30を、このように接合部140(接合部141および接合部142)の形状に対応した、第1の部分31および第2の部分32を有するものとすることで、成形体30により、第1の部材10と第2の部材20とを接合部140において確実に接合することができる。
【0018】
また、本実施形態では、第1の部材10と第2の部材20とにおいて、目地内部平面13同士の接合部142(第4の辺18)側の端部間において第1の欠損部130が形成され、目地内部立ち上がり面14同士の接合部142(第4の辺18)側の端部間において第2の欠損部131が形成されているが、成形体30は、これらの欠損部130、131を補う部分を有している。
すなわち、成形体30が有する第3の部分33により、第1の欠損部130を覆い、第4の部分34により第2の欠損部131を覆うように構成されている。かかる構成とすることで、接合体1を躯体500内に配置した際に、雨水等の液体が欠損部130、131を介して、床部510側に浸入してしまうのを的確に抑制または防止することができる。
上記のような形状をなす成形体30は、
図1に示すように第1の部材10と第2の部材20とを接合した状態、すなわち、成形体30を加熱することで、第1の部材10および第2の部材20に接合させた後では、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とによる均一相で構成される。
【0019】
これに対して、成形体30を第1の部材10と第2の部材20とに接合する前、すなわち、成形体30を加熱する前では、成形体30は、これとは異なる形態をなしている。
すなわち、加熱する前の成形体30は、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子と、可塑剤とを含むものであり、さらに、粒子が可塑剤中に分散され、かつ、可塑剤の一部で粒子が膨潤している樹脂組成物で構成されるものとなっている。このような樹脂組成物中において、可塑剤中に分散する粒子は、部分的に隣接しているものも存在するが、互いに合一(合体)していない状態をなしている。
成形体30として、かかる樹脂組成物で構成されるものを用いることにより、後述する接合体の製造方法(本発明の接合方法)において、人の手を介することなく成形体30を加熱した際に、成形体30を収縮させることなく、溶融させることができる。そのため、成形体30を溶融させた後に、冷却して固化させたときに、得られる固化物は、成形体30とほぼ同様の形状を有した状態となる。したがって、成形体30を均一に加熱するという単純な作業で、成形体30により、第1の部材と第2の部材とを接合することができるようになる。
【0020】
このような樹脂組成物(成形体30)は、塩化ビニル系樹脂を主材料として構成される粒子と、可塑剤とを含むプラスチゾル組成物から得ることができる。具体的には、かかるプラスチゾル組成物を加熱することにより、可塑剤を粒子が吸収(取り込む)することで、膨潤(肥大化)するが、その詳細については後に説明する。
【0021】
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルを含む重合体、すなわちオリゴマー、プレポリマーおよびポリマーであれば特に限定されないが、例えば、塩化ビニルの単量重合体、または塩化ビニルと、酢酸ビニル、エチレン、もしくはプロピレン等との共重合体、およびこれらの2種以上の重合体の混合物等が挙げられる。
【0022】
また、可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、DOP(ジオクチルフタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、DIBP(ジイソブチルフタレート)、DHP(ジヘプチルフタレート)のようなフタル酸エステル系可塑剤、DOA(ジ−2−エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)、DOS(ジ−2−エチルヘキシルセバセート)のような脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、エチレングリコールのベンゾエート類のような芳香族カルボン酸エステル系可塑剤、およびTOTM(トリオクチルトリメリテート)のようなトリメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのものを可塑剤として用いることで、成形体30の加熱により、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子に可塑剤を確実に吸収させることができる。すなわち、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子に対する可塑剤としての機能を確実に発揮させることができる。
【0023】
また、かかる樹脂組成物(成形体30)には、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子と、可塑剤との他、充填材、安定剤、安定助剤、溶媒、紫外線吸収剤、難燃剤、繊維強化剤、着色剤、滑剤等を添加するようにしてもよい。
なお、充填材としては、例えば、酸化チタン、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
安定剤としては、例えば、グリシン亜鉛等が挙げられ、この場合の安定助剤としては、例えば、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸トリキシリル(TXP)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルヘキシル・ジフェニルのような有機リン酸エステル等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、キシレン、トルエンおよびイソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0024】
以上のような成形体(樹脂シート)30は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1]まず、上述した塩化ビニル系樹脂で構成される樹脂および可塑剤、さらにはその他の成分を用意し、これらを、ミキサー等を用いて常温でそれぞれ均一に混合してプラスチゾル組成物(混合物)を得る。
可塑剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、40重量部以上、80重量部以下であるのが好ましく、50重量部以上、70重量部以下であるのがより好ましい。含有量が前記下限値未満であると、可塑剤の種類によっては、得られる成形体30に充分な柔軟性を付与することができないおそれがある。また、含有量が前記上限値を超えると、可塑剤の種類によっては、得られる成形体30の伸びが大きくなり過ぎ、第1の部材と第2の部材とを成形体30によりに強固に固定することができないおそれがある。
なお、充填材を含有する場合、その含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、3重量部以上、15重量部以下であるのが好ましく、5重量部以上、10重量部以下であるのがより好ましい。
さらに、安定剤および安定助剤を含有する場合、安定剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上、5重量部以下であるのが好ましく、0.5重量部以上、3重量部以下であるのがより好ましく、安定助剤の含有量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1重量部以上、10重量部以下であるのが好ましく、3重量部以上、7重量部以下であるのがより好ましい。
【0025】
また、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子の平均粒径は、0.05μm以上、10μm以下程度であるのが好ましく、0.1μm以上、5μm以下程度であるのがより好ましい。これにより、可塑剤中に分散する粒子の大きさが適切な範囲のものとなるため、次工程[2]において、プラスチゾル組成物を加熱した際に、可塑剤を粒子が吸収して膨潤したとしても、互いに隣り合う粒子が、隣接することがあっても合一することを的確に抑制または防止することができる。
さらに、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子の形状は、球状のものであるのが好ましいが、その他、例えば、顆粒状(複数の球状体が連結したもの)、ペレット状(塊状)、ブロック状(例えば、多孔質体)等とすることもできる。なお、粒子を球状とすることにより、1つの粒子に対して、可塑剤をより均一に吸収させることができる。
【0026】
[2]次に、得られたプラスチゾル組成物(混合物)をミキサー等から所定の容器に移し、その後、予め用意した成形体30の形状に対応した金型を容器内のプラスチゾル組成物内に浸漬した後に、金型を引き上げ、金型に付着したプラスチゾル組成物を固化させる。
これにより、成形体30を得ることができる。
なお、成形体30を得るには、例えば、金型自体を加熱しておくことでもよいし、プラスチゾル組成物を直接加熱していてもよく、プラスチゾル組成物が加熱されることで成形体30が加工できれば特に限定されるものではない。
上記のようにプラスチゾル組成物を加熱することにより、可塑剤を粒子が吸収(取り込む)することで、粒子が膨潤(肥大化)した樹脂組成物が得られる。
【0027】
ここで、本発明では、このような樹脂組成物中において、粒子が可塑剤中に分散され、かつ、可塑剤の一部で粒子が膨潤している。すなわち、可塑剤中に分散している粒子中に可塑剤の一部が含浸している。そして、可塑剤中に分散する粒子は、部分的に隣接しているものも存在するが、互いに合一(合体)していない状態をなしている。
【0028】
通常、プラスチゾル組成物を加熱すると、可塑剤を粒子が吸収することに起因して、粒子の膨潤が進行し、隣り合う粒子同士が隣接、さらには合一ことで粒子界面が失われ、最終的には塩化ビニル系樹脂と可塑剤とによる均一相が形成される。
これに対して、本発明では、プラスチゾル組成物の加熱を、上記のように、粒子が部分的に隣接しているものも存在するが、互いに合一(合体)していない状態で停止して樹脂組成物を得ている。
【0029】
かかる樹脂組成物で構成される成形体30を、後述する接合体の製造方法(本発明の接合方法)において、第1の部材と第2の部材との接合に用いることで、人の手を介することなく成形体30を加熱した際に、成形体30を収縮させることなく、溶融させることができる。そのため、成形体30を溶融させた後に、冷却して固化させたときには、得られる固化物を、成形体30とほぼ同様の形状を有するものとすることができる。したがって、成形体30を均一に加熱するという単純な作業で、得られる固化物により、第1の部材と第2の部材とを接合することができるようになる。
プラスチゾル組成物を加熱する温度は、プラスチゾル組成物の構成材料によって若干異なるが、120℃以上、220℃以下程度であるのが好ましく、180℃以上、200℃以下程度であるのがより好ましい。
また、プラスチゾル組成物を加熱する時間は、プラスチゾル組成物の構成材料によって若干異なるが、0.01時間以上、5時間以下程度であるのが好ましく、1時間以上、3時間以下程度であるのがより好ましい。
プラスチゾル組成物を加熱する条件を上記のように設定することにより、可塑剤を吸収した粒子を、部分的には隣接しているが、互いに合一していない状態により確実にすることができる。
【0030】
なお、プラスチゾル組成物を加熱すると、可塑剤を粒子が吸収することに起因して、その粘度が高くなるが、前述のような条件での加熱により、プラスチゾル組成物の粘度は、好ましくは1×10
1Pa・s以上、1×10
4Pa・s以下程度に設定され、より好ましくは1×10
2Pa・s以上、1×10
4Pa・s以下程度に設定される。これにより、粒子による可塑剤の吸収の程度を適切な範囲に設定することができるため、得られる樹脂組成物を、より確実に、粒子が可塑剤中に分散され、かつ、可塑剤の一部で前記粒子が膨潤しているものとすることができる。
また、前記工程[1]において、プラスチゾル組成物中における可塑剤の含有量をA[重量部]としたとき、本工程[2]で得られる成形体(樹脂組成物)中において、粒子の膨潤に寄与していない可塑剤の含有量、すなわち粒子を分散させている可塑剤の含有量は、(0.6〜0.95)×A[重量部]程度であるのが好ましく、(0.75〜0.9)×A[重量部]程度であるのがより好ましい。かかる関係を満足することにより、可塑剤を吸収した粒子を、部分的には隣接しているが、互いに合一していない状態により確実にすることができる。
【0031】
得られた成形体30の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上、5mm以下程度であるのが好ましく、0.3mm以上、2mm以下程度であるのがより好ましい。これにより、接合すべき第1の部材と第2の部材とを、成形体30により確実に接合することができる。
なお、成形体30の厚さは、金型をプラスチゾル組成物内に浸漬する時間、プラスチゾル組成物内に浸漬する際の金型の温度等を適宜設定することにより、所望の大きさに設定することができる。
また、成形体30の引張強さ(JIS K 6251に規定)は、好ましくは0.001MPa以上、8MPa以下に設定され、より好ましくは0.01MPa以上、7Mpa以下に設定される。引張強さがかかる範囲内の成形体30では、取り扱いが容易にでき作業性がよく、加工性も良好である。
以上のような工程を経ることで、成形体(樹脂シート)30を得ることができる。
【0032】
次に、上述した成形体30を用いた接合体1の製造方法(本発明の接合方法)について説明する。
接合体1の製造方法は、表面が樹脂で被覆(コーティング)されている金属板からなる第1および第2の部材10、20同士を、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子と、可塑剤とを含み、前記粒子が前記可塑剤中に分散され、かつ、前記可塑剤の一部で前記粒子が膨潤している樹脂組成物で構成される成形体(樹脂シート)30を介して接合する方法であり、第1の部材10と第2の部材20とを接合する接合部140に、成形体30を配置する第1の工程と、成形体30を加熱することで溶融させたのち固化させることにより、成形体30を介して、第1の部材10と第2の部材20とを接合する第2の工程とを有する。
【0033】
以下、この接合体1の製造方法について詳述する。
[A]まず、第1の部材10および第2の部材20を用意する。
これら第1および第2の部材10、20は、それぞれ、これらの展開図に相当する表面が樹脂で被覆(コーティング)された平板状をなす金属板を用意し、底部11、立ち上がり面12、目地内部平面13および目地内部立ち上がり面14がそれぞれ形成されるように、これらを屈曲させることにより得ることができる。
[B]次に、第1の部材10と第2の部材20とを仮止する。
まず、第1の部材10および第2の部材20の双方について、底部11の第4の辺18側の縁部に貫通孔115を形成する。
次いで、同様に貫通孔115を備える立板19を用意し、第1の部材10と第2の部材20とを、第4の辺18同士が対向するように配置した状態で、立板19に対して、第1の部材10および第2の部材20を、それぞれ、貫通孔115を介してカシメることで、第1の部材10と第2の部材20とを仮止する。
上記のように仮止することにより、第1および第2の部材10、20の立ち上がり面12同士が直交するように第1の部材10と第2の部材20とが配置された状態となる。
なお、立板19を用いた第1の部材10と第2の部材20との仮止は、カシメの他、ボルト、接着、溶着等により行うようにしてもよい。
また、第1の部材10と第2の部材20とを仮止する本工程[B]は、第1の部材10および第2の部材20の大きさ、形状および構成材料の種類等によっては、省略することもできる。
【0034】
[C]次に、仮止した第1の部材10と第2の部材20との接合部140に、成形体30を配置する(第1の工程)。
すなわち、本実施形態では、成形体30の第1の部分31、第2の部分32、第3の部分33および第4の部分34が、それぞれ、底部11同士の接合部141、立ち上がり面12同士の接合部142、第1の欠損部130および第2の欠損部131に対応するように、成形体30を第1の部材10と第2の部材20との境界部付近に配置する。
換言すれば、底部11同士の接合部141、立ち上がり面12同士の接合部142、第1の欠損部130および第2の欠損部131にそれぞれ対応した形状をなしている、第1の部分31、第2の部分32、第3の部分33および第4の部分34を有する成形体30を接合部140に配置する。
なお、本実施形態にように、第1および第2の欠損部130、131に対応するように、それぞれ、成形体30の第3の部分33および第4の部分34を配置する構成とすることで、次工程[D]で得られる接合体1において、第3の部分33および第4の部分34により、第1および第2の欠損部130、131を補うことができる。
【0035】
[D]次に、成形体30を接合部140に配置した状態で、成形体30を加熱することで溶融させたのち固化させる。
これにより、固化した成形体30を介して、第1の部材10と第2の部材20とが接合される。
【0036】
ここで、上述の通り、成形体30は、塩化ビニル系樹脂で構成される粒子と、可塑剤とを含むものであり、さらに、粒子が可塑剤中に分散され、かつ、塑剤の一部で粒子が膨潤している樹脂組成物で構成されるものである。このような樹脂組成物中において、可塑剤中に分散する粒子は、部分的に隣接しているものも存在するが、互いに合一(合体)していない状態をなしている。
かかる構成をなす成形体30では、その内部応力が小さいものとなっているため、本工程[D]において、成形体30を接合部140に配置した状態で加熱したとき、すなわち、人の手を介することなく成形体30を加熱したときに、成形体30を収縮させることなく、溶融させることができる。
したがって、成形体30を溶融させた後に、固化させた際には、得られる固化物は、溶融前の成形体30とほぼ同様の形状を有した状態となる。よって、成形体30を均一に加熱するという単純な作業で、固化後の成形体30により、第1の部材10と第2の部材20とを接合することができる。
【0037】
また、成形体30の加熱は、如何なる方法によっても行うことができるが、雰囲気を加熱するのが好ましい。これにより、成形体30を均一に加熱することができるため、固化後の成形体30に厚みムラ等が生じるのを的確に抑制または防止することができることから、成形体30により均一に第1の部材10と第2の部材20とを接合することができる。
さらに、成形体30の加熱は、常圧下であってもよいが、雰囲気の減圧下で行うのが好ましい。これにより、気泡等が残存した状態で、固化後の成形体30により、第1の部材と第2の部材とが接合されるのを防止することができるため、第1の部材と第2の部材とをより強固に接合することができる。
【0038】
なお、上記のような雰囲気の加熱および雰囲気の減圧は、成形体30が接合部140に配置された状態の第1および第2の部材10、20を、チャンバー内に収納し、雰囲気を加熱しつつ減圧することで容易に行うことができる。
また、雰囲気の温度は、140℃以上、250℃以下程度であるのが好ましく、160℃以上、230℃以下程度であるのがより好ましい。
さらに、加熱する時間は、3分以上、30分以下程度であるのが好ましく、5分以上、20分以下程度であるのがより好ましい。
成形体30を加熱する条件を、上記のように設定することにより、成形体30を収縮させることなく、確実に溶融させることができる。
【0039】
なお、成形体30の加熱の際には、第1の欠損部130および第2の欠損部131に対応する位置に、これらの形状に対応する当型を配置させた(挿入した)状態とするのが好ましい。これにより、第1の欠損部130および第2の欠損部131に対応する位置に、第3の部分33および第4の部分34を確実に形成することができる。
また、溶融させたのちの成形体30の固化は、通常、溶融した成形体30を冷却することで行われるが、この冷却は、放冷であってもよいし、冷風等を吹きかけて強制的に冷却するようにしてもよい。
以上のような工程を経ることで、接合体1が製造される。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明の接合方法を適用して得られる接合体の第2実施形態について説明する。
図4は、接合体の第2実施形態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、
図4中の上側を「上」、下側を「下」とする。
以下、第2実施形態の接合体1について、前記第1実施形態の接合体1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0041】
図4に示す接合体1では、成形体30による第1の部材10と第2の部材20との接合方法が異なること以外は、
図1に示す接合体1と同様である。
すなわち、第2実施形態の接合体1では、接合部140において、第1および第2の部材10、20の第4の辺18側の縁部に対応する位置に目地テープ40が位置するように、成形体30と、第1および第2の部材10、20との間に目地テープ40が介在している。
接合体1をかかる構成のものとすることで、第1および第2の部材10、20の第4の辺18側の縁部に対応する位置では、成形体30と、第1および第2の部材10、20とは接合していない。
したがって、第1の部材10と、第2の部材20との上下方向に対するズレが許容されるようになる。そのため、接合体1にヒトによる荷重が加わったり、地震等により躯体500が振動したりしても、これらに起因する負荷を接合体1により吸収することができる。そのため、接合体1の破損を確実に防止することができる。
【0042】
なお、成形体30と、第1および第2の部材10、20との間に目地テープ40を介在させる方法としては、接合体1の製造方法において、第1および第2の部材10、20上に成形体30を配置するのに先立って、成形体30に目地テープ40を貼付するようにしてもよいし、第1および第2の部材10、20に目地テープ40を貼付するようにしてもよい。
また、このような第2実施形態の接合体1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0043】
<第3実施形態>
次に、本発明の接合方法を適用して得られる接合体の第3実施形態について説明する。
図5は、接合体の第3実施形態を示す斜視図、
図6は、
図5に示す接合体の分解斜視図である。なお、以下の説明では、
図5、6中の上側を「上」、下側を「下」とする。
以下、第3実施形態の接合体1について、前記第1実施形態の接合体1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0044】
図5に示す接合体1では、第1の部材10と第2の部材20とを成形体30で接合する接合部140における、第1の部材10および第2の部材20の構成が異なること以外は、
図1に示す接合体1と同様である。
すなわち、第3実施形態の接合体1では、第1の部材10と第2の部材20とは、それぞれ、接合部140の少なくとも一部に、その厚さが薄くなっている溝部185を備えている。
より具体的には、傾斜部111において、成形体30で覆われる接合部141の一部に溝部181が設けられ、本実施形態では、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30で傾斜部111を覆うように接合した際には、この溝部181が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部181が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域に位置する傾斜部111の上面とにより、連続した平坦面が形成される。このように、連続した平坦面を形成することができるため、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この液体が流れる領域に段差が形成されないことから、液体を堰き止めることなく、円滑にその流れる方向に移動させることができる。
さらに、立ち上がり面12において、成形体30で覆われる接合部142の一部に、溝部182が設けられ、本実施形態では、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30で立ち上がり面12を覆うように接合した際には、この溝部182が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部182が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域の立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面が形成される。したがって、成形体30で覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この際、液体が流れる流路の側面となる立ち上がり面12をも、段差が形成されることなく、連続した平坦面で構成することができる。そのため、側面における液体の滞留を生じさせることなく、液体をより円滑にその流れる方向に移動させることができる。
このような第3実施形態の接合体1によっても、前記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
また、本実施形態における接合体1の製造方法では、前記第1実施形態で説明した工程[A]において、接合部140に溝部185が形成された第1の部材10および第2の部材20を用意した後、工程[D]において、成形体30を接合部140に配置した状態で、成形体30を加熱することで溶融させたのち、冷却することで固化させることにより固化した成形体30を介して、第1の部材10と第2の部材20とが接合される。この際、接合部140の溝部185が形成されていない領域では、成形体30が接合されることにより、段差が形成されるが、接合部140の溝部185が形成されている領域では、成形体30の厚さが溝部185の深さとほぼ等しく設定されているため、段差が形成されない。そのため、溝部185が形成されている領域に位置する成形体30の上面と、溝部185が形成されていない領域に位置する第1および第2の部材10、20の上面とにより連続する平坦面が形成される。したがって、溝部185が形成されている領域に、雨水等の液体が流れてきたとしても、液体を堰き止めることなく、円滑にその流れる方向に移動させることができるようになる。
なお、本実施形態では、底部11および立ち上がり面12の接合部140に対応する位置の一部に、溝部185を形成する場合について説明したが、このように一部に形成する場合に限らず、底部11および立ち上がり面12の接合部140に対応する位置のほぼ全部に溝部185を形成するようにしてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、溝部185の深さを、成形体30の厚さとほぼ一致させて、溝部185が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部185が設けられていない領域に位置する底部11または立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面を形成する場合について説明したが、かかる場合に限定されず、溝部185の深さは、溝部185が形成されていない領域よりも、その厚さが薄くなっていればよい。かかる構成とすれば、溝部185が形成された領域に、成形体30が接合されたとしても、この成形体30の貼付により形成される段差の高さを低くすることができる。そのため、この段差による液体の堰き止めを低減させることができ、その結果、液体をその流れる方向に移動させることができる。
さらに、溝部185の深さが、成形体30の厚さよりも深い場合には、溝部185と、成形体30との間に、平面視形状が溝部185の形状に対応した補強部材を介在させるようにしてもよい。このような補強部材を介在させることで、溝部185が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部185が設けられていない領域に位置する底部11または立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面を形成することができる。
【0047】
また、本実施形態では、1つの成形体30で接合部140を覆うことで第1の部材10と第2の部材20とを接合する場合について説明したが、例えば、2つ(複数)の成形体を用いて接合部140を覆うようにしてもよい。この際に、例えば、接合部140の一部において、2つの成形体が重なり、この重なる部分が溝部185と一致する場合には、溝部185の深さを、2つの成形体の合計の厚さとほぼ一致させるようにするのが好ましい。かかる構成とすることによっても、溝部185が設けられた領域に位置する成形体の上面と、溝部185が設けられていない領域に位置する底部11または立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面を形成することができる。
【0048】
<第4実施形態>
次に、本発明の接合方法を適用して得られる接合体の第4実施形態について説明する。
図7は、本発明の接合体の第4実施形態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、
図7中の上側を「上」、下側を「下」とする。
以下、第4実施形態の接合体1’について、前記第3実施形態の接合体1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0049】
本実施形態では、接合体1’は、躯体の角部において、床部から立設する第1の壁部と、床部から立設する第2の壁部とが、前記第3実施形態において説明した角部から突き出るようにして、直角に交差して設けられた突出し部付近上に配置して用いられる。すなわち、接合体1’は、躯体500上を流れる水が屈曲する位置に配置して用いられる。
本実施形態では、底部11は、
図7の上側から見た平面視で、第1の辺15と、第2の辺16と、第3の辺17と、第4の辺18とで囲まれ、第1の辺15および第2の辺16を上底および下底とし、第3の辺17および第4の辺18を脚とする台形状をなしている。
【0050】
また、第3の辺17は、第1の辺15に対して直交し、第4の辺18は、第1の辺15に対してほぼ135°となるように交差して設けられている。
かかる構成の第1の部材10’は、第2の部材20’と、第4の辺18に対して、ほぼ線対称な形状をなしている。
したがって、第4の辺18は、第1の辺15に対してほぼ135°となるように交差して設けられていることから、
図7に示すように、第1の部材10’の第4の辺18と、第2の部材20’の第4の辺18とを対向配置させることで、第1の部材10’の立ち上がり面12と、第2の部材20’の立ち上がり面12とのなす角度が、底部11が突出して設けられている側で270°となることから、第1の部材10’の立ち上がり面12と、第2の部材20’の立ち上がり面12とが直交するように配置される。接合体1’は、本実施形態では、この状態で、第1の部材10’と、第2の部材20’とが、成形体30を介して接合されており、この接合体1’が床部から立設する第1の壁部と、床部から立設する第2の壁部とが、直角に交差して設けられた突出し部付近上に配置して用いられる。
かかる構成の接合体1’においても、傾斜部111における第4の辺18側の縁部には、成形体30で覆われる接合部141に対応する位置の一部に、溝部181が設けられ、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30を、傾斜部111を覆うように貼付した際には、この溝部181が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部181が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域に位置する傾斜部111の上面とにより、連続した平坦面が形成される。このように、連続した平坦面を形成することができるため、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この液体が流れる領域に段差が形成されないことから、液体を堰き止めることなく、円滑にその流れる方向に移動させることができる。
【0051】
また、立ち上がり面12の一方の短辺側の縁部には、成形体30で覆われる接合部142に対応する位置の一部に、溝部182が設けられ、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30を、立ち上がり面12を覆うように貼付した際には、この溝部182が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部182が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域の立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面が形成される。したがって、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この際、液体が流れる流路の側面となる立ち上がり面12をも、段差が形成されることなく、連続した平坦面で構成することができるため、側面における液体の滞留を生じさせることなく、液体をより円滑にその流れる方向に移動させることができる。
【0052】
<第5実施形態>
次に、本発明の接合方法を適用して得られる接合体の第5実施形態について説明する。
図8は、本発明の接合体の第5実施形態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、
図8中の上側を「上」、下側を「下」とする。
以下、第5実施形態の接合体1”について、前記第3実施形態の接合体1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、接合体1”は、躯体の床部から立設する第1の壁部(または第2の壁部)の中央部付近において、第1の壁部に沿うように設けられた凹み部に、床部の中央部側から合流するように設けられた凹み部が合流する合流部付近上に配置して用いられる。すなわち、接合体1”は、躯体500上を流れる水が合流する位置に配置して用いられる。
この接合体1”では、第1の部材10”は、前記第3実施形態で説明した第1の部材10が2つ連結されたような構成をなし、また、第2の部材20”は、前記第3実施形態で説明した第2の部材20が2つ連結されたような構成をなしている。
すなわち、第2の部材20”は、前記第3実施形態で説明した第2の部材20が有する第1の辺15が一直線状をなすように、2つの第2の部材20を、第4の辺18を互いに近接(対向)させた状態で、
図8中に示す想像線において、連結したような構成となっている。
【0054】
また、第1の部材10”は、前記第3実施形態で説明した第1の部材10における立ち上がり面12、目地内部平面13および目地内部立ち上がり面14の形成が省略され、これらの形成が省略された2つの第1の部材10が有する第1の辺15を対向させた状態で、
図8中に示す想像線(第1の辺15)において、連結したような構成となっている。
本実施形態においても、第1の部材10”が有する2つの底部11は、
図8の上側から見た平面視で、第1の辺15と、第2の辺16と、第3の辺17と、第4の辺18とで囲まれ、第1の辺15および第2の辺16を上底および下底とし、第3の辺17および第4の辺18を脚とする台形状をなしている。さらに、第2の部材20”が有する2つの底部11も、
図8の上側から見た平面視で、第1の辺15と、第2の辺16と、第3の辺17と、第4の辺18とで囲まれ、第1の辺15および第2の辺16を上底および下底とし、第3の辺17および第4の辺18を脚とする台形状をなしている。
【0055】
また、第1および第2の部材10”、20”の双方において、各底部11が備える第3の辺17は、第1の辺15に対して直交し、第4の辺18は、第1の辺15に対してほぼ45°となるように交差して設けられている。
したがって、第2の部材20”において、対向する2つの第4の辺18同士の間には空間が形成されるが、この空間における2つの第4の辺18がなす角度は、ほぼ90°となっている。また、第1の部材10”において、対向する2つの第4の辺18同士の間には底部11が位置し、この底部11における2つの第4の辺18がなす角度は、ほぼ90°となっている。
そのため、この空間に第1の部材10”を、第1および第2の部材10”、20”が有する各第4の辺18同士が互いに接するようにして、配置することで、形成される接合体1”を、第1の部材10”における2つの傾斜部111で形成された流路(溝部)が、第2の部材20”における傾斜部111と立ち上がり面12とで形成された流路(溝部)に対して合流するような構成のものとすることができる。
接合体1”は、この状態で、第1の部材10と、第2の部材20とが、成形体30を介して接合されており、この接合体1”が、第1の壁部に沿うように設けられた凹み部に、床部の中央部側から合流するように設けられた凹み部が合流する合流部付近上に配置して用いられる。
【0056】
かかる構成の接合体1”においても、傾斜部111における第4の辺18側の縁部には、成形体30で覆われる接合部141に対応する位置の一部に、溝部181が設けられ、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30を、傾斜部111を覆うように貼付した際には、この溝部181が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部181が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域に位置する傾斜部111の上面とにより、連続した平坦面が形成される。このように、連続した平坦面を形成することができるため、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この液体が流れる領域に段差が形成されないことから、液体を堰き止めることなく、円滑にその流れる方向に移動させることができる。
【0057】
また、立ち上がり面12の中央部には、成形体30で覆われる接合部142に対応する位置の一部に、溝部182が設けられ、その深さが成形体30の厚さとほぼ一致するように設定されている。そのため、成形体30を、立ち上がり面12を覆うように貼付した際には、この溝部182が設けられている位置では、段差が形成されず、溝部182が設けられた領域に位置する成形体30の上面と、溝部181が設けられていない領域の立ち上がり面12の上面とにより、連続した平坦面が形成される。したがって、防水シートで覆われた傾斜部111に、雨水等の液体が流れることとなるが、この際、液体が流れる流路の側面となる立ち上がり面12をも、段差が形成されることなく、連続した平坦面で構成することができるため、側面における液体の滞留を生じさせることなく、液体をより円滑にその流れる方向に移動させることができる。
なお、各実施形態では、上記のような構成の第1の部材10と第2の部材20とを接合部140の形状に対応した成形体30を用いて接合する場合について説明したが、かかる場合に限定されず、接合すべき第1の部材および第2の部材の形状によっては、前記樹脂組成物をシート状に形成してなる樹脂シートを用いて第1の部材と第2の部材とを接合するようにしてもよい。
【0058】
以上、本発明の接合方法について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の接合方法において、必要に応じて、1以上の任意の目的の工程を追加してもよい。
また、前記各実施形態では、本発明の接合方法を、2つの部材同士を成形体を介して接合して接合体を得る際に適用する場合を一例に説明したが、かかる場合に限定されず、例えば、本発明の接合方法を、3つや、4つのように3つ以上の部材同士が成形体を介して接合されている接合体を得る際に適用するようにしてもよい。なお、この場合、1つの接合部に対応した形状をなす1つの成形体を用いて部材同士を接合してもよいし、2つ以上の接合部に対応した形状をなす1つの成形体を用いて部材同士を接合するようにしてもよい。
【0059】
さらに、上記のように3つ以上の部材同士を、樹脂シートを介して接合する場合には、例えば、第1および第2の部材が有する底部の第3の辺17に他の部材が接合されることとなる。そのため、前記底部の第3の辺17側の縁部における樹脂シートで覆われる接合部に対応する位置の一部に溝部を設けるようにしてもよい。
また、本発明の接合方法が適用される部材は、上記のような形状をなすものに限らず、如何なる形状をなすものであってもよく、例えば、平板状をなすものであってもよい。すなわち、かかる接合方法では、2つの平板状をなす部材同士を、成形体を介して接合することで接合体が形成される。
【実施例】
【0060】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
なお、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
1.樹脂シートの製造
[実施例]
まず、塩化ビニルの単量重合体で構成される粒子(平均粒径1μm)と、可塑剤としてのDOP(ジアルキルフタレート(C10−13))とを、それぞれ用意し、粒子100重量部に対して可塑剤50重量部の混合比でこれらを、ミキサーを用いて25℃で均一に混合することでプラスチゾル組成物を得た。
次に、プラスチゾル組成物を、ロールを用いて200℃、5分加熱・混練した後、シート状に形成し、その後、冷却することで実施例の樹脂シートを得た。
[比較例]
粒子として、塩化ビニルの単量重合体で構成される樹脂シート(重合度1300)を用意した。
【0061】
2.樹脂シートの評価
2−1.樹脂シートの引張強さの評価
実施例および比較例の樹脂シートについて、引張強さ試験(JIS K 6251に規定)を準拠して、以下のようにして、樹脂シートの引張強さを求めた。
すなわち、まず、実施例および比較例で得られた樹脂シートについて、それぞれ、
図9に示すように、打ち抜き刃を用いて打ち抜くことで、平行部分幅5mm、初期の標線間距離(つかみ具間距離)60mmのダンベル状試験片を4つずつ用意した。なお、樹脂シートの打ち抜きは、樹脂シートの延伸方向に対して平行な方向と、垂直な方向についてそれぞれ2回行うことで、ダンベル状試験片を得ることとした。
次に、各ダンベル状試験片について、それぞれ、初期の厚さを測定した後、オートグラフ精密万能試験機(島津製作所社製、オートクラブ AGS−J)を用いて、試験片を切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を測定した。
そして、各ダンベル状試験片について、測定された最大の引張力を、初期断面積で除することにより、各ダンベル状試験片の引張強さを求めた。さらに、実施例および比較例について、それぞれ、4つのダンベル状試験片の引張強さの平均値を求めることで、実施例および比較例の樹脂シートの引張強さを得た。
その結果、実施例の樹脂シートの引張強さは、3MPaとなっており、取り扱いが容易であり、作業性がよく、加工性も良好であったが、これに対して、比較例の樹脂シートの引張強さは13MPaとなっていた。
【0062】
2−2.樹脂シートを用いて得られた接合体の評価
実施例および比較例の樹脂シートを用いて、平板状をなす2つの部材を、以下のようにして、接合することで接合体を得た。
すなわち、平板状をなす部材として、縦50mm×横50mm×平均厚さ0.5mmのステンレス鋼板の表面に、平均厚さ0.4mmのポリ塩化ビニルが被覆されたものを4つ用意した。
次いで、2つの平板状をなす部材を、これらが有する一辺同士が対向するように配置したのち、これら対向する一辺側の縁部を覆うように、縦50mm×横10mmの大きさとした実施例の樹脂シートを配置した。その後、この樹脂シートをチャンバー内で200℃×10分の条件で加熱して溶融させたのち固化させることで、2つの平板状をなす部材同士が樹脂シートを介して接合された実施例の接合体を得た。
次いで、樹脂シートとして、実施例の樹脂シートに代えて比較例の樹脂シートを用いたこと以外は、前記と同様にして、比較例の接合体を得た。
【0063】
以上のようにして得られた、実施例および比較例の接合体について、それぞれ、目視にて観察したところ、実施例の接合体では、溶融・固化後の樹脂シートが溶融前の樹脂シートとほぼ同様の形状・大きさを有しており、収縮することなく、良好に2つの部材同士が樹脂シートを介して接合されていた。これに対して、比較例の接合体では、溶融・固化後の樹脂シートが収縮しており、これに起因して、2つの部材同士を良好に接合することができず、接合体に対して少しの負荷を掛けただけで、2つの部材から樹脂シートが剥離してしまう結果となった。