特許第6014559号(P6014559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014559インフレータの取付構造及びエアバッグ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014559
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】インフレータの取付構造及びエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/217 20110101AFI20161011BHJP
【FI】
   B60R21/217
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-159866(P2013-159866)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-30328(P2015-30328A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】306009581
【氏名又は名称】タカタ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002901
【氏名又は名称】株式会社ダイセル
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】安部 和宏
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和隆
(72)【発明者】
【氏名】山崎 征幸
【審査官】 鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−291075(JP,A)
【文献】 特開2011−131729(JP,A)
【文献】 特開2009−45949(JP,A)
【文献】 特開平10−264753(JP,A)
【文献】 特開2001−10435(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3015716(JP,U)
【文献】 特開平8−40175(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3023845(JP,U)
【文献】 特開2013−107484(JP,A)
【文献】 特開2004−3777(JP,A)
【文献】 実開昭58−54451(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/217
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略円柱状に形成されて側面に凸部が設けられた、ガスを発生するエアバッグ装置用インフレータを保持部材に取り付け固定する取付構造であって、
前記凸部に対応した形状に形成された第1の円筒部と、該第1の円筒部から径方向外側に向けて延在する第1のフランジ部と、を有し、前記凸部の軸方向一方側から前記インフレータに圧入される第1のフランジ部材と、
前記凸部に対応した形状に形成された第2の円筒部と、該第2の円筒部から径方向外側に向けて延在する第2のフランジ部と、を有し、前記凸部の軸方向他方側から前記インフレータに圧入される第2のフランジ部材と、
を備え、
前記第1のフランジ部材は、前記保持部材にボルト固定されるのに用いられる固定部を有し、かつ、
前記第2のフランジ部材は、前記第1のフランジ部材が前記保持部材にボルト固定された際に該第1のフランジ部材と該保持部材との間に挟持されることを特徴とするインフレータの取付構造。
【請求項2】
前記固定部は、前記第1のフランジ部材のフランジ面と一体に形成されたボルト部材であることを特徴とする請求項1記載のインフレータの取付構造。
【請求項3】
前記固定部は、前記第1のフランジ部材のフランジ面に空いたボルト穴であり、
前記第1のフランジ部材は、前記ボルト穴に挿入されたボルトにより前記保持部材にボルト固定されることを特徴とする請求項1記載のインフレータの取付構造。
【請求項4】
前記第1のフランジ部材は、前記インフレータの発生するガスにより膨張するエアバッグを前記保持部材に支持するバッグリングとして機能することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のインフレータの取付構造。
【請求項5】
前記保持部材は、前記インフレータを挿入可能な挿入口が設けられる板状のリテーナであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のインフレータの取付構造。
【請求項6】
前記保持部材は、前記インフレータを挿入可能な挿入口が設けられる板状のリテーナと、前記インフレータの発生するガスにより膨張するエアバッグを前記リテーナに固定するバッグリングと、を有し、
前記第1のフランジ部材は、前記固定部にて前記リテーナに前記バッグリングと共にボルト固定され、かつ、
前記第2のフランジ部材は、前記第1のフランジ部材が前記リテーナにボルト固定された際に該第1のフランジ部材と前記バッグリングとの間に挟持されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載のインフレータの取付構造。
【請求項7】
前記第1及び第2のフランジ部材並びに前記凸部はそれぞれ、該第1及び第2のフランジ部材の前記インフレータへの圧入後に該第1及び第2のフランジ部材のうち少なくとも一方の軸方向端部と該凸部の軸方向端部との間に軸方向隙間が形成されるように構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載のインフレータの取付構造。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項記載のインフレータの取付構造を有するエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフレータの取付構造及びエアバッグ装置に係り、特に、エアバッグ装置に用いられるガスを発生するインフレータの取付構造、及び、そのエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取り付け固定用のフランジを有しないインフレータを保持するエアバッグ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグ装置は、ガスを発生する円柱状のインフレータと、ベース部材としてのリテーナと、インフレータの発生するガスにより膨張するエアバッグと、エアバッグの開口周縁部をリテーナに固定するためのバッグリングと、を備えている。バッグリングは、インフレータの軸方向端面を支持する円筒部と、その円筒部から径方向へ向けて延在するフランジ部と、を有している。
【0003】
上記のエアバッグ装置の一例として、バッグリングのフランジ部は先端が径方向に向けて屈曲可能な爪部を複数有していると共に、エアバッグ及びリテーナはそれぞれバッグリングの爪部に対応して軸方向に貫通する貫通穴を複数有している。かかる構造において、バッグリング、エアバッグ、及びリテーナは、バッグリングのフランジ部の各爪部がエアバッグ及びリテーナの貫通穴に挿入された後にその先端が軸中心方向に向けて屈曲されることにより、インフレータを保持しつつ互いに一体となるように固定される(図4及び図5など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4560881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の如く、バッグリング、エアバッグ、及びリテーナを組み合わせた後にバッグリングのフランジ部に設けた爪部を屈曲させることにより互いの固定を行う構造では、インフレータを保持・取り付け固定するのに、バッグリング、エアバッグ、及びリテーナの組み合わせ後に上記の爪部を屈曲させるための工程や装置が必要となり、部材同士の組み付け性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、インフレータのリテーナへの取り付け固定を簡易に行うことが可能なインフレータの取付構造及びエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、略円柱状に形成されて側面に凸部が設けられた、ガスを発生するエアバッグ装置用インフレータを保持部材に取り付け固定する取付構造であって、前記凸部に対応した形状に形成された第1の円筒部と、該第1の円筒部から径方向外側に向けて延在する第1のフランジ部と、を有し、前記凸部の軸方向一方側から前記インフレータに圧入される第1のフランジ部材と、前記凸部に対応した形状に形成された第2の円筒部と、該第2の円筒部から径方向外側に向けて延在する第2のフランジ部と、を有し、前記凸部の軸方向他方側から前記インフレータに圧入される第2のフランジ部材と、を備え、前記第1のフランジ部材は、前記保持部材にボルト固定されるのに用いられる固定部を有し、かつ、前記第2のフランジ部材は、前記第1のフランジ部材が前記保持部材にボルト固定された際に該第1のフランジ部材と該保持部材との間に挟持されるインフレータの取付構造により達成される。
【0008】
また、上記の目的は、上記したインフレータの取付構造を有するエアバッグ装置により達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インフレータの保持部材への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施例であるエアバッグ装置の斜視図である。
図2】本実施例のエアバッグ装置の断面図である。
図3】本実施例のエアバッグ装置の、一部がカットされた斜視図である。
図4】本実施例のエアバッグ装置の分解斜視図である。
図5】本実施例のエアバッグ装置の、一部が分解された斜視図である。
図6】本実施例のエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
図7】本発明の第2実施例であるエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
図8】本発明の第3実施例であるエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
図9】本発明の一変形例であるエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
図10】本発明の一変形例であるエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
図11】本発明の一変形例であるエアバッグ装置の要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明に係るインフレータの取付構造及びエアバッグ装置の具体的な実施の形態について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の第1実施例であるエアバッグ装置10の斜視図を示す。図2は、本実施例のエアバッグ装置10の断面図を示す。図3は、本実施例のエアバッグ装置10の、一部がカットされた斜視図を示す。図4は、本実施例のエアバッグ装置10の分解斜視図を示す。図5は、本実施例のエアバッグ装置10の、一部が分解された斜視図を示す。また、図6は、本実施例のエアバッグ装置10の要部の拡大断面図を示す。
【0013】
本実施例において、エアバッグ装置10は、インフレータ12と、エアバッグ14と、リテーナ16と、フランジ部材18と、を備えている。エアバッグ装置10は、インフレータ12の発生するガスを利用してエアバッグ14を膨張展開する装置であって、そのエアバッグ14の膨張展開によって車両乗員などを保護する装置である。尚、以下、エアバッグ装置10において、エアバッグ14が膨張展開する側を展開側とし、また、その展開側とは反対側を非展開側とする。
【0014】
インフレータ12は、高圧のガスを発生する部材である。インフレータ12は、略円柱状に形成されると共に、その側面に径方向外側へ向けて突出する凸部20が設けられる一方、フランジやボルト,ボルト穴等の取付片を有しないいわゆるフランジレスインフレータである。凸部20は、側面の軸方向中途にその側面全周に亘って設けられている。凸部20は、インフレータ12をリテーナ16側に固定するうえで必要なフランジ部材18を取り付けるために形成されている。
【0015】
インフレータ12の側面には、穴の空いたガス噴出穴22が複数設けられている。ガス噴出穴22は、インフレータ12の側面の、凸部20よりも展開側に配置されていると共に、その側面の周方向に所定角度ごとに形成されている。インフレータ12は、発生したガスをガス噴出穴22から放出する。また、インフレータ12の非展開側の軸方向端面には、外部装置と配線を介して接続するコネクタ(図示せず)が取り付けられている。インフレータ12は、外部装置からコネクタを介して供給されるガス噴射指示に従って、エアバッグ14を膨張展開させるためのガスを発生する。
【0016】
エアバッグ14は、一部に開口24が設けられた袋状の部材であって、その開口24から内部へインフレータ12の発生したガスが供給され充填されることにより膨張展開する。エアバッグ14の開口24は、インフレータ12の外径よりも僅かに大きな径を有するように略円形状に形成されている。
【0017】
エアバッグ14の開口24の周囲には、略円形状に貫通する貫通穴26が複数(例えば4個)設けられている。貫通穴26は、エアバッグ14の開口24の軸中心回りにおいて所定角度(例えば90°)ごとに設けられている。貫通穴26は、エアバッグ14を固定するための後述のボルトが挿通される穴であって、そのボルトの外径と略同じ径或いはその外径よりも僅かに大きな径を有するように形成されている。
【0018】
リテーナ16は、略平面板状に形成された金属又は樹脂からなる部材である。リテーナ16には、インフレータ12を挿入可能な挿入口28が設けられている。挿入口28は、エアバッグ14の開口24の径と略同じ径、すなわち、インフレータ12の外径よりも僅かに大きな径を有するように略円形状に形成されている。
【0019】
リテーナ16の挿入口28の周囲には、略円形状に貫通する貫通穴30が複数(例えば4個)設けられている。貫通穴30は、リテーナ16の挿入口28の軸中心回りにおいて所定角度(例えば90°)ごとに設けられており、上記したエアバッグ14の貫通穴26と同数だけ設けられている。貫通穴30は、リテーナ16にエアバッグ14を固定するための後述のボルトが挿入される穴であって、そのボルトの外径と略同じ径或いはその外径よりも僅かに大きな径を有するように形成されている。
【0020】
フランジ部材18は、インフレータ12をリテーナ16側に固定するうえで必要な、インフレータ12に取り付けられるブラケットである。フランジ部材18は、樹脂又は金属からなる部材である。フランジ部材18は、インフレータ12の展開側に配置されるアッパフランジ部材32と、インフレータ12の非展開側に配置されるロアフランジ部材34と、を有している。アッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34はそれぞれ、インフレータ12に圧入される。
【0021】
アッパフランジ部材32は、インフレータ12を挿入可能な円形の挿入口36と、その挿入口36の回りに円筒状に形成される円筒部38と、その円筒部38の非展開側から径方向外側に向けて延在するように略矩形状に形成されるフランジ部40と、を有している。ロアフランジ部材34は、インフレータ12を挿入可能な円形の挿入口42と、その挿入口42の回りに円筒状に形成される円筒部44と、その円筒部44の展開側から径方向外側に向けて延在するように略円環状に形成されるフランジ部46と、を有している。
【0022】
アッパフランジ部材32において、挿入口36は、インフレータ12の外径と略同じ径を有している。円筒部38は、インフレータ12の展開側の形状に合致する形状に形成されており、具体的には、凸部20の展開側の軸方向端部における段差48に合致する段差50が生じるように形成されている。円筒部38の展開側の軸方向端部は、インフレータ12の凸部20の展開側の軸方向端部を支持可能な形状を有し、インフレータ12がその円筒部38に対して展開側に抜けないように形成されている。
【0023】
円筒部38は、インフレータ12の凸部20の外径に対応する比較的大きな内径を有する大径部38aと、インフレータ12の凸部20よりも軸方向展開側における部位の外径に対応する比較的小さな内径を有する小径部38bと、を有している。円筒部38の小径部38bは、大径部38aよりも軸方向展開側に設けられ、その大径部38aの内径よりも小さな内径を有している。
【0024】
ロアフランジ部材34において、挿入口42は、インフレータ12の外径と略同じ径を有している。円筒部44は、インフレータ12の非展開側の形状に合致する形状に形成されており、具体的には、凸部20の非展開側の軸方向端部における段差52に合致する段差54が生じるように形成されている。円筒部44の非展開側の軸方向端部は、インフレータ12の凸部20の非展開側の軸方向端部を支持可能な形状を有し、インフレータ12がその円筒部38に対して非展開側に抜けないように形成されている。
【0025】
円筒部44は、インフレータ12の凸部20の外径に対応する比較的大きな内径を有する大径部44aと、インフレータ12の凸部20よりも軸方向非展開側における部位の外径に対応する比較的小さな内径を有する小径部44bと、を有している。円筒部44の小径部44bは、大径部44aよりも軸方向非展開側に設けられ、その大径部44aの内径よりも小さな内径を有している。
【0026】
アッパフランジ部材32のフランジ部40とロアフランジ部材34のフランジ部46とは、軸方向において互いに対向する。アッパフランジ部材32のフランジ部40及びロアフランジ部材34のフランジ部46は共に、エアバッグ14の開口24の大きさ及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成されている。アッパフランジ部材32のフランジ部40は、ロアフランジ部材34のフランジ部46に比べて大きな形状(表面積)を有するように形成されている。アッパフランジ部材32のフランジ部40には、ロアフランジ部材34のフランジ部46の形状に合わせた円環状の凹み部56が形成されている。
【0027】
アッパフランジ部材32は、インフレータ12の展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。また、ロアフランジ部材34は、インフレータ12の非展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。アッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34のインフレータ12への圧入は、両者のフランジ部40,46同士が接触してフランジ部40の凹み部56にフランジ部46が嵌るまで行われる。
【0028】
アッパフランジ部材32、ロアフランジ部材34、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、両フランジ部材32,34がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部40,46同士が接した状態で、アッパフランジ部材32の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材34の段差54とインフレータ12の段差52との間に軸方向に空いた隙間58が形成されるように構成される。この隙間58は、各部材の公差などを吸収するために設けられるものである。
【0029】
アッパフランジ部材32のフランジ部40には、軸方向に棒状に延びるボルト60が一体に形成されている。ボルト60は、アッパフランジ部材32のフランジ部40の非展開側の軸方向端面に複数(例えば、その軸方向端面の角部近辺に4つ)設けられている。ボルト60は、アッパフランジ部材32の挿入口36の軸中心回りに所定角度(例えば90°)ごとに設けられている。ボルト60は、リテーナ14の貫通穴26の径及びエアバッグ14の貫通穴30の径と略同じ外径或いはそれらの径よりも僅かに小さな外径を有するように形成されている。
【0030】
本実施例のエアバッグ装置10は、上述した各構造を有するインフレータ12と、エアバッグ14と、リテーナ16と、フランジ部材18と、が互いに組み付けられることにより製造される。
【0031】
具体的には、エアバッグ装置10を製造するうえで、インフレータ12、エアバッグ14、リテーナ16、及びフランジ部材18の各部材をそれぞれ個別に用意した後、まず、インフレータ12にアッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34それぞれを軸方向から圧入する。アッパフランジ部材32の圧入は、インフレータ12の展開側の軸方向から行われると共に、ロアフランジ部材34の圧入は、インフレータ12の非展開側の軸方向から行われる。これらのフランジ部材32,34の圧入は、両者のフランジ部40,46同士が接触してフランジ部40の凹み部56にフランジ部46が嵌るまで行われる。
【0032】
アッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34の円筒部38,44は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部における段差48,52に合致する段差50,54が生じるように形成されている。円筒部38の展開側の軸方向端部及び円筒部44の非展開側の軸方向端部は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部を支持可能な形状を有し、インフレータ12がその円筒部38に対して展開側又は非展開側に抜けないように形成されている。このため、インフレータ12は、フランジ部材18として軸方向に2分割された対をなすアッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34により軸方向双方に抜けないように支持される。
【0033】
次に、フランジ部材32,34が圧入されたインフレータ12をその展開側からエアバッグ14の開口24を通してそのエアバッグ14内に挿入した後、そのインフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材32のフランジ部40のボルト60をエアバッグ14の貫通穴26に挿入してその貫通穴26から外部に突出させる。そして、そのエアバッグ14の貫通穴26から突出させたフランジ部材32のボルト60がリテーナ16の貫通穴30に挿入されてその貫通穴30から突出されるようにリテーナ16を組み合わせる。
【0034】
その後、リテーナ16の貫通穴30から突出させたボルト60にボルト突出側からナットを締め付ける。かかるボルト−ナットの締め付けが行われると、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材32がリテーナ16に取り付け固定される。
【0035】
上記の如く、アッパフランジ部材32の円筒部38は、インフレータ12の形状に合致する形状に形成されている。エアバッグ14の開口24及びリテーナ16の挿入口28は共に、インフレータ12の外径よりも僅かに大きな径を有するように略円形状に形成されている。また、アッパフランジ部材32のフランジ部40は、エアバッグ14の開口24の大きさ及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成されている。
【0036】
このため、上記したアッパフランジ部材32のリテーナ16への固定が行われると、アッパフランジ部材32のフランジ部40とリテーナ16との間にエアバッグ14の開口24の周縁部が挟持された状態が形成される。この際、アッパフランジ部材32は、エアバッグ14の開口24の周縁部をリテーナ16側に支持するバッグリングとして機能する。
【0037】
また上記の如く、ロアフランジ部材34の円筒部44は、インフレータ12の形状に合致する形状に形成されている。また、ロアフランジ部材34のフランジ部46は、エアバッグ14の開口24及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成されている。このため、上記したアッパフランジ部材32のリテーナ16への固定が行われると、アッパフランジ部材32のフランジ部40とリテーナ16との間に、上記したエアバッグ14の挟持と共に、ロアフランジ部材34のフランジ部46が挟持された状態が形成される。この際、ロアフランジ部材34のフランジ部46は、アッパフランジ部材32のフランジ部40の凹み部56に嵌ったまま保持される。
【0038】
かかるエアバッグ装置10の構造においては、上記した各部材の組み合わせ後、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材32のボルト60にナットが締め付けられることにより、そのアッパフランジ部材32がリテーナ16に対して取り付け固定されると共に、ロアフランジ部材34がアッパフランジ部材32とリテーナ16との間における挟持によりそのリテーナ16に対して取り付け固定される。
【0039】
インフレータ12は、上記の如く、アッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34により軸方向双方に抜けないように支持される。従って、本実施例のエアバッグ装置10の構造によれば、インフレータ12に圧入されるフランジ部材18としてのアッパフランジ部材32とロアフランジ部材34との2部品を用いて、インフレータ12をリテーナ16に対して取り付け固定することができる。
【0040】
かかるインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12に取り付け固定するブラケットとしてのフランジ部材18を、圧入によりそのインフレータ12に取り付けることができる。このため、インフレータ12にブラケットを取り付けるのに溶接を用いることを排除することができ、また、その溶接排除の結果として、インフレータ12の板厚を薄くことができるので、インフレータ12の軽量化並びにエアバッグ装置10を製造するうえでの作業の効率化及び装置の簡素化を図ることができる。
【0041】
また上記したインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、(1)ブラケットとしてのフランジ部材18を軸方向に2分割したうえで、(2)それらのアッパフランジ部材32及びロアフランジ部材34それぞれを互いに異なる軸方向側からインフレータ12に圧入し、(3)そのアッパフランジ部材32をリテーナ16にボルト固定し、(4)そのアッパフランジ部材32のボルト固定時にそのアッパフランジ部材32とリテーナ16との間にロアフランジ部材34を挟持することでそのロアフランジ部材34をリテーナ16に対して固定する。
【0042】
かかる(1)〜(4)の手法においては、インフレータ12のブラケットであるアッパフランジ部材32とロアフランジ部材34とを溶接などで接合することなく、アッパフランジ部材32のフランジ部40とリテーナ16との間にロアフランジ部材34のフランジ部46を挟みつつアッパフランジ部材32をリテーナ16にボルト固定することで、各部材の組み合わせ後にアッパフランジ部材32とロアフランジ部材34との位置関係を固定することができる。このため、インフレータ12をリテーナ16に対して位置決めするためのブラケットとしてのフランジ部材18をインフレータ12に取り付け固定するのに、溶接やボルト締結などの手法を排除することができるので、フランジ部材18のインフレータ12への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0043】
また、上記した(1)〜(4)の手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、各部材の組み合わせ及びその後のボルト締結以外の、例えばフランジ部材18などに設けた爪部の屈曲などの工程を不要とすることができる。このため、インフレータ12をリテーナ16へ取り付け固定するうえでの専用装置や手間は不要であり、部材同士の組み付け性の低下を防止することができる。従って、本実施例によれば、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0044】
また、インフレータ12のリテーナ16への取り付けは、リテーナ16の貫通穴30から突出させたアッパフランジ部材32のボルト60に、リテーナ16に対して方向が定まった非展開側からナットを締めつけることにより実現される。このため、インフレータ12、エアバッグ14、リテーナ16、及びフランジ部材18の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを吸収しつつ各部材同士の組み付けを行うことができる。
【0045】
また、本実施例において、アッパフランジ部材32、ロアフランジ部材34、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、上記の如く、両フランジ部材32,34がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部40,46同士が接した状態で、アッパフランジ部材32の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材34の段差54とインフレータ12の段差52との間に隙間58が形成されるように構成される。
【0046】
かかる隙間設定によれば、その隙間58の大きさ分だけ、インフレータ12、エアバッグ14、リテーナ16、及びフランジ部材18の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを許容することができ、各部材同士の組み付けが適切に行われなくなるのを防止することができ、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を適切に行うことができる。
【0047】
また、本実施例において、アッパフランジ部材32は、径方向外側に向けて延在するフランジ部40を有し、エアバッグ14の開口24の周縁部をリテーナ16側に支持するバッグリングとして機能する。このため、インフレータ12をリテーナ16に取り付けるためのブラケット機能と、エアバッグ14をリテーナ16側に支持するバッグリング機能と、を兼用したアッパフランジ部材32を用いるので、エアバッグ装置10の構成部品の点数や総重量を低減することができる。従って、本実施例によれば、エアバッグ装置10の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0048】
尚、上記の第1実施例においては、リテーナ16が特許請求の範囲に記載した「保持部材」に、円筒部38が特許請求の範囲に記載した「第1の円筒部」に、フランジ部40が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部」に、アッパフランジ部材32が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部材」に、円筒部44が特許請求の範囲に記載した「第2の円筒部」に、フランジ部46が特許請求の範囲に記載した「第2のフランジ部」に、ロアフランジ部材34が特許請求の範囲に記載した「第2のフランジ部材」に、ボルト60が特許請求の範囲に記載した「固定部」及び「ボルト部材」に、それぞれ相当している。
【実施例2】
【0049】
図7は、本発明の第2実施例であるエアバッグ装置100の要部の拡大断面図を示す。尚、図7において、上記図1及び図6と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
【0050】
本実施例において、エアバッグ装置100は、インフレータ12と、エアバッグ102と、リテーナ16と、フランジ部材104と、バッグリング106と、を備えている。エアバッグ装置100は、上記した第1実施例のエアバッグ装置10と異なり、フランジ部材104がバッグリング機能を有さず、フランジ部材104とバッグリング106とが別体で構成されるものである。エアバッグ装置100は、インフレータ12の発生するガスを利用してエアバッグ102を膨張展開する装置であって、そのエアバッグ102の膨張展開によって車両乗員などを保護する装置である。尚、以下、エアバッグ装置100において、エアバッグ102が膨張展開する側を展開側とし、また、その展開側とは反対側を非展開側とする。
【0051】
エアバッグ102は、一部に開口108が設けられた袋状の部材であって、その開口108から内部へインフレータ12の発生したガスが供給され充填されることにより膨張展開する。エアバッグ102の開口108は、インフレータ12の外径よりも僅かに大きな径を有するように略円形状に形成されている。尚、開口108の径は、上記第1実施例の開口24の径よりも大きくてもよい。開口108の周囲には、略円形状に貫通する貫通穴26が複数設けられている。
【0052】
フランジ部材104は、インフレータ12をリテーナ16側に固定するうえで必要な、インフレータ12に取り付けられる樹脂又は金属からなるブラケットである。フランジ部材104は、インフレータ12の展開側に配置されるアッパフランジ部材110と、インフレータ12の非展開側に配置されるロアフランジ部材34と、を有している。アッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34はそれぞれ、インフレータ12に圧入される。
【0053】
アッパフランジ部材110は、挿入口36と、円筒部38と、その円筒部38の非展開側から径方向外側に向けて延在するように略円環状に形成されるフランジ部112と、を有している。尚、フランジ部112には、上記第1実施例のアッパフランジ部材32のフランジ部40とは異なり、ボルト60が形成されない。
【0054】
アッパフランジ部材110のフランジ部112とロアフランジ部材34のフランジ部46とは、軸方向において互いに対向する。アッパフランジ部材110のフランジ部112及びロアフランジ部材34のフランジ部46は共に、エアバッグ102の開口108の大きさ及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成されている。アッパフランジ部材110のフランジ部112は、ロアフランジ部材34のフランジ部46に比べて大きな形状(表面積)を有するように形成されている。アッパフランジ部材110のフランジ部112には、ロアフランジ部材34のフランジ部46の形状に合わせた円環状の凹み部56が形成されている。
【0055】
アッパフランジ部材110のフランジ部112には、略円形状に貫通する貫通穴114が複数(例えば4個)設けられている。貫通穴114は、軸中心回りにおいて所定角度(例えば90°)ごとに設けられており、上記したエアバッグ102の貫通穴26及びリテーナ16の貫通穴30と同数だけ設けられている。貫通穴114は、リテーナ16にインフレータ12及びアッパフランジ部材110を固定するための後述のボルトが挿入される穴であって、そのボルトの外径と略同じ径或いはその外径よりも僅かに大きな径を有するように形成されている。
【0056】
アッパフランジ部材110は、インフレータ12の展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。また、ロアフランジ部材34は、インフレータ12の非展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。アッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34のインフレータ12への圧入は、両者のフランジ部112,46同士が接触してフランジ部110の凹み部56にフランジ部46が嵌るまで行われる。
【0057】
アッパフランジ部材110、ロアフランジ部材34、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、両フランジ部材110,34がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部112,46同士が接した状態で、アッパフランジ部材112の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材34の段差54とインフレータ12の段差52との間に軸方向に空いた隙間58が形成されるように構成される。
【0058】
バッグリング106は、エアバッグ102の開口108の周縁部をリテーナ16の展開側の軸方向端面に取り付けて支持する金属製又は樹脂製の部材である。バッグリング106は、円環状に形成されている。バッグリング106は、インフレータ12を挿入可能な挿入口120と、円環状に形成された円環部122と、からなる。挿入口120は、インフレータ12の外径よりも大きくかつエアバッグ102の開口108の径と略同じ径を有するように形成されている。バッグリング106は、エアバッグ102の開口108からその内部に挿入されることでエアバッグ102内に収容される。
【0059】
バッグリング106の円環部122には、ボルト124が一体に形成されている。ボルト124は、バッグリング106の円環部122の非展開側の軸方向端面からその非展開側の軸方向へ棒状に延びている。ボルト124は、バッグリング106の挿入口120の軸中心回りに所定角度(例えば90°)ごとに設けられており、円環部122に複数(例えば、4つ)設けられている。ボルト124は、リテーナ16の貫通穴30の径、エアバッグ102の貫通穴26の径、アッパフランジ部材110の貫通穴114の径と略同じ外径或いはそれらの径よりも僅かに小さな外径を有するように形成されている。
【0060】
本実施例のエアバッグ装置100は、上述した各構造を有するインフレータ12と、エアバッグ102と、リテーナ16と、フランジ部材104と、バッグリング106と、が互いに組み付けられることにより製造される。
【0061】
具体的には、エアバッグ装置100を製造するうえで、インフレータ12、エアバッグ102、リテーナ16、フランジ部材104、及びバッグリング106の各部材をそれぞれ個別に用意した後、まず、インフレータ12にアッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34それぞれを軸方向から圧入する。アッパフランジ部材110の圧入は、インフレータ12の展開側の軸方向から行われると共に、ロアフランジ部材34の圧入は、インフレータ12の非展開側の軸方向から行われる。これらのフランジ部材110,34の圧入は、両者のフランジ部112,46同士が接触してフランジ部112の凹み部56にフランジ部46が嵌るまで行われる。
【0062】
アッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34の円筒部38,44は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部における段差48,52に合致する段差50,54が生じるように形成されている。円筒部38の展開側の軸方向端部及び円筒部44の非展開側の軸方向端部は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部を支持可能な形状を有し、インフレータ12がその円筒部38に対して展開側又は非展開側に抜けないように形成されている。このため、インフレータ12は、フランジ部材104として軸方向に2分割された対をなすアッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34により軸方向双方に抜けないように支持される。
【0063】
次に、バッグリング106をエアバッグ102の開口108を通してそのエアバッグ102内に挿入した後、そのバッグリング106のボルト124をエアバッグ102の貫通穴26に挿入してその貫通穴26から外部に突出させる。そして、フランジ部材110,34が圧入されたインフレータ12を、アッパフランジ部材110のフランジ部112の貫通穴114にエアバッグ102の貫通穴26から突出させたバッグリング106のボルト124が挿入されるように、インフレータ12の展開側からエアバッグ102の開口108に挿入して組み合わせる。更に、リテーナ16を、そのリテーナ16の挿入口28にインフレータ12が挿入されると共に、そのリテーナの貫通穴30にエアバッグ102の貫通穴26及びアッパフランジ部材110の貫通穴114から突出させたバッグリング106のボルト124が挿入されるように、組み合わせる。
【0064】
その後、リテーナ16の貫通穴30から突出させたボルト124にボルト突出側からナットを締め付ける。かかるボルト−ナットの締め付けが行われると、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材110がボルト締結によりリテーナ16に対して取り付け固定されると共に、インフレータ12に圧入されたロアフランジ部材34がフランジ部46におけるアッパフランジ部材110のフランジ部112とリテーナ16との間の挟持によりリテーナ16に対して取り付け固定される。
【0065】
インフレータ12は、上記の如く、アッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34により軸方向双方に抜けないように支持される。従って、本実施例のエアバッグ装置100の構造によれば、インフレータ12に圧入されるフランジ部材104としてのアッパフランジ部材110とロアフランジ部材34との2部品を用いて、インフレータ12をリテーナ16に対して取り付け固定することができる。
【0066】
かかるインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12に取り付け固定するブラケットとしてのフランジ部材104を、圧入によりそのインフレータ12に取り付けることができる。このため、インフレータ12にブラケットを取り付けるのに溶接を用いることを排除することができ、また、その溶接排除の結果として、インフレータ12の板厚を薄くことができるので、インフレータ12の軽量化並びにエアバッグ装置100を製造するうえでの作業の効率化及び装置の簡素化を図ることができる。
【0067】
また上記したインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、(1)ブラケットとしてのフランジ部材104を軸方向に2分割したうえで、(2)それらのアッパフランジ部材110及びロアフランジ部材34それぞれを互いに異なる軸方向からインフレータ12に圧入し、(3)エアバッグ102内に収容したバッグリング106のボルト124をエアバッグ102の貫通穴26から外部に突出させ、(4)そのバッグリング106及びアッパフランジ部材110をリテーナ16にボルト固定し、(5)そのアッパフランジ部材110のボルト固定時にそのアッパフランジ部材110とリテーナ16との間にロアフランジ部材34を挟持することでそのロアフランジ部材34をリテーナ16に対して固定する。
【0068】
かかる(1)〜(5)の手法においては、インフレータ12のブラケットであるアッパフランジ部材110とロアフランジ部材34とを溶接などで接合することなく、アッパフランジ部材110のフランジ部112とリテーナ16との間にロアフランジ部材34のフランジ部46を挟みつつアッパフランジ部材110をリテーナ16にボルト固定することで、各部材の組み合わせ後にアッパフランジ部材110とロアフランジ部材34との位置関係を固定することができる。このため、インフレータ12をリテーナ16に対して位置決めするためのブラケットとしてのフランジ部材104をインフレータ12に取り付け固定するのに、溶接やボルト締結などの手法を排除することができるので、フランジ部材104のインフレータ12への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0069】
また、上記した(1)〜(5)の手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、各部材の組み合わせ及びその後のボルト締結以外の、例えばフランジ部材18などに設けた爪部の屈曲などの工程を不要とすることができる。このため、インフレータ12をリテーナ16へ取り付け固定するうえでの専用装置や手間は不要であり、部材同士の組み付け性の低下を防止することができる。従って、本実施例によれば、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0070】
また、インフレータ12のリテーナ16への取り付けは、リテーナ16の貫通穴30から突出させたバッグリング106のボルト124にリテーナ16に対して方向が定まった非展開側からナットを締めつけることにより実現される。このボルト−ナットの締め付けは、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材110を挟みつつ行われる。このため、インフレータ12、エアバッグ102、リテーナ16、フランジ部材104、及びバッグリング106の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを吸収しつつ各部材同士の組み付けを行うことができる。
【0071】
また、本実施例において、アッパフランジ部材110、ロアフランジ部材34、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、上記の如く、両フランジ部材110,34がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部112,46同士が接した状態で、アッパフランジ部材110の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材34の段差54とインフレータ12の段差52との間に隙間58が形成されるように構成される。
【0072】
かかる隙間設定によれば、その隙間58の大きさ分だけ、インフレータ12、エアバッグ102、リテーナ16、フランジ部材104、及びバッグリング106の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを許容することができ、各部材同士の組み付けが適切に行われなくなるのを防止することができ、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を適切に行うことができる。
【0073】
尚、上記の第2実施例においては、フランジ部112が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部」に、アッパフランジ部材110が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部材」に、貫通穴114が特許請求の範囲に記載した「固定部」及び「ボルト穴」に、それぞれ相当している。
【実施例3】
【0074】
図8は、本発明の第3実施例であるエアバッグ装置200の要部の拡大断面図を示す。尚、図8において、上記図1及び図6と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
【0075】
本実施例において、エアバッグ装置200は、インフレータ12と、エアバッグ202と、リテーナ16と、フランジ部材204と、バッグリング206と、を備えている。エアバッグ装置200は、上記した第1実施例のエアバッグ装置10と異なり、フランジ部材204がバッグリング機能を有さず、フランジ部材204とバッグリング206とが別体で構成されるものである。エアバッグ装置200は、インフレータ12の発生するガスを利用してエアバッグ202を膨張展開する装置であって、そのエアバッグ202の膨張展開によって車両乗員などを保護する装置である。尚、以下、エアバッグ装置200において、エアバッグ202が膨張展開する側を展開側とし、また、その展開側とは反対側を非展開側とする。
【0076】
エアバッグ202は、一部に開口208が設けられた袋状の部材であって、その開口208から内部へインフレータ12の発生したガスが供給され充填されることにより膨張展開する。エアバッグ202の開口208は、インフレータ12の外径よりも僅かに大きな径を有するように略円形状に形成されている。尚、開口208の径は、上記第1実施例の開口24の径よりも大きくてもよい。開口208の周囲には、略円形状に貫通する貫通穴26が複数設けられている。
【0077】
フランジ部材204は、インフレータ12をリテーナ16側に固定するうえで必要な、インフレータ12に取り付けられる樹脂又は金属からなるブラケットである。フランジ部材204は、インフレータ12の展開側に配置されるアッパフランジ部材210と、インフレータ12の非展開側に配置されるロアフランジ部材212と、を有している。アッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212はそれぞれ、インフレータ12に圧入される。
【0078】
アッパフランジ部材210は、挿入口36と、円筒部38と、その円筒部38の非展開側から径方向外側に向けて延在するように略円環状に形成されるフランジ部214と、を有している。ロアフランジ部材212は、挿入口42と、円筒部44と、その円筒部44の展開側から径方向外側に向けて延在するように略円環状に形成されるフランジ部216と、を有している。尚、フランジ部214,216には共に、上記第1実施例のアッパフランジ部材32のフランジ部40とは異なり、ボルト60が形成されない。
【0079】
アッパフランジ部材210のフランジ部214とロアフランジ部材212のフランジ部216とは、軸方向において互いに対向する。アッパフランジ部材210のフランジ部214は、上記した第1実施例におけるアッパフランジ部材32のフランジ部40及びロアフランジ部材34のフランジ部46とは異なり、ロアフランジ部材212のフランジ部216に比べて大きな形状(表面積)を有するように形成されている。
【0080】
具体的には、アッパフランジ部材210のフランジ部214は、エアバッグ202の開口208の大きさ及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも小さな形状を有するように形成されている。一方、ロアフランジ部材212のフランジ部216は、エアバッグ202の開口208の大きさ及びリテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成されている。ロアフランジ部材212のフランジ部216には、アッパフランジ部材210のフランジ部214の形状に合わせた円環状の凹み部218が形成されている。
【0081】
ロアフランジ部材212のフランジ部216には、略円形状に貫通する貫通穴220が複数(例えば4個)設けられている。貫通穴220は、軸中心回りにおいて所定角度(例えば90°)ごとに設けられており、上記したエアバッグ202の貫通穴26及びリテーナ16の貫通穴30と同数だけ設けられている。貫通穴220は、リテーナ16にインフレータ12及びロアフランジ部材212を固定するための後述のボルトが挿入される穴であって、そのボルトの外径と略同じ径或いはその外径よりも僅かに大きな径を有するように形成されている。
【0082】
アッパフランジ部材210は、インフレータ12の展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。また、ロアフランジ部材212は、インフレータ12の非展開側の軸方向からそのインフレータ12に圧入されることによりそのインフレータ12に取り付け固定される。アッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212のインフレータ12への圧入は、両者のフランジ部214,216同士が接触してフランジ部216の凹み部218にフランジ部214が嵌るまで行われる。
【0083】
アッパフランジ部材210、ロアフランジ部材212、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、両フランジ部材210,212がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部214,216同士が接した状態で、アッパフランジ部材210の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材212の段差54とインフレータ12の段差52との間に軸方向に空いた隙間58が形成されるように構成される。
【0084】
バッグリング206は、エアバッグ202の開口208の周縁部をリテーナ16の展開側の軸方向端面に取り付けて支持する金属製又は樹脂製の部材である。バッグリング206は、円環状に形成されている。バッグリング206は、エアバッグ202の開口208からその内部に挿入されることでエアバッグ202内に収容される。バッグリング206は、インフレータ12を挿入可能な挿入口230と、軸方向に向いた面を有するフランジ部232と、からなる。
【0085】
挿入口230は、インフレータ12の外径よりも大きくかつエアバッグ202の開口208の径及びアッパフランジ部材210のフランジ部214の外径よりも小さな径を有するように形成されている。フランジ部232には、屈曲部234及びボルト236が一体に形成されている。
【0086】
屈曲部234は、フランジ部232の径方向内端部に設けられている。屈曲部234は、フランジ部232の本体の径方向内端から非展開側の軸方向に向けて延在すると共に、更に、非展開側の軸方向端から径方向内側に向けて延在するように形成されている。バッグリング206は、エアバッグ202の開口208の周縁部をリテーナ16に支持するバッグリング機能を有すると共に、屈曲部234がアッパフランジ部材210のフランジ部214に当接することによりアッパフランジ部材210をリテーナ16側に固定する機能を有する。
【0087】
ボルト236は、バッグリング206のフランジ部232の非展開側の軸方向端面からその非展開側の軸方向へ棒状に延びている。ボルト236は、バッグリング206の挿入口230の軸中心回りに所定角度(例えば90°)ごとに設けられており、フランジ部232に複数(例えば、4つ)設けられている。ボルト236は、リテーナ16の貫通穴30の径、エアバッグ202の貫通穴26の径、ロアフランジ部材212の貫通穴220の径と略同じ外径或いはそれらの径よりも僅かに小さな外径を有するように形成されている。
【0088】
本実施例のエアバッグ装置200は、上述した各構造を有するインフレータ12と、エアバッグ202と、リテーナ16と、フランジ部材204と、バッグリング206と、が互いに組み付けられることにより製造される。
【0089】
具体的には、エアバッグ装置200を製造するうえで、インフレータ12、エアバッグ202、リテーナ16、フランジ部材204、及びバッグリング206の各部材をそれぞれ個別に用意した後、まず、インフレータ12にアッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212それぞれを軸方向から圧入する。アッパフランジ部材210の圧入は、インフレータ12の展開側の軸方向から行われると共に、ロアフランジ部材212の圧入は、インフレータ12の非展開側の軸方向から行われる。これらのフランジ部材210,212の圧入は、両者のフランジ部214,216同士が接触してフランジ部216の凹み部218にフランジ部214が嵌るまで行われる。
【0090】
アッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212の円筒部38,44は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部における段差48,52に合致する段差50,54が生じるように形成されている。円筒部38の展開側の軸方向端部及び円筒部44の非展開側の軸方向端部は共に、インフレータ12の凸部20の軸方向端部を支持可能な形状を有し、インフレータ12がその円筒部38に対して展開側又は非展開側に抜けないように形成されている。このため、インフレータ12は、フランジ部材204として軸方向に2分割された対をなすアッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212により軸方向双方に抜けないように支持される。
【0091】
次に、バッグリング206をエアバッグ202の開口208を通してそのエアバッグ202内に挿入した後、そのバッグリング206のボルト236をエアバッグ202の貫通穴26に挿入してその貫通穴26から外部に突出させる。そして、リテーナ16を、そのリテーナの貫通穴30にエアバッグ202の貫通穴26から突出させたバッグリング206のボルト236が挿入されるように、組み合わせる。更に、フランジ部材210,212が圧入されたインフレータ12を、ロアフランジ部材212のフランジ部216の貫通穴220にエアバッグ202の貫通穴26及びリテーナ16の貫通穴30から突出させたバッグリング206のボルト236が挿入されるように、インフレータ12の展開側からバッグリング206の挿入口230及びエアバッグ202の開口208に挿入して組み合わせる。
【0092】
その後、ロアフランジ部材212の貫通穴220から突出させたボルト236にボルト突出側からナットを締め付ける。かかるボルト−ナットの締め付けが行われると、インフレータ12に圧入されたロアフランジ部材212がボルト締結によりリテーナ16に対して取り付け固定されると共に、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材210がフランジ部214におけるバッグリング206の屈曲部234とロアフランジ部材212のフランジ部216との間の挟持によりリテーナ16に対して取り付け固定される。
【0093】
インフレータ12は、上記の如く、アッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212により軸方向双方に抜けないように支持される。従って、本実施例のエアバッグ装置200の構造によれば、インフレータ12に圧入されるフランジ部材204としてのアッパフランジ部材210とロアフランジ部材212との2部品を用いて、インフレータ12をリテーナ16に対して取り付け固定することができる。
【0094】
かかるインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12に取り付け固定するブラケットとしてのフランジ部材204を、圧入によりそのインフレータ12に取り付けることができる。このため、インフレータ12にブラケットを取り付けるのに溶接を用いることを排除することができ、また、その溶接排除の結果として、インフレータ12の板厚を薄くことができるので、インフレータ12の軽量化並びにエアバッグ装置200を製造するうえでの作業の効率化及び装置の簡素化を図ることができる。
【0095】
また上記したインフレータ12をリテーナ16に取り付け固定する構造・手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、(1)ブラケットとしてのフランジ部材204を軸方向に2分割したうえで、(2)それらのアッパフランジ部材210及びロアフランジ部材212それぞれを互いに異なる軸方向からインフレータ12に圧入し、(3)エアバッグ202内に収容したバッグリング206のボルト236をエアバッグ202の貫通穴26から外部に突出させ、(4)そのバッグリング106及びロアフランジ部材212をリテーナ16にボルト固定し、(5)そのロアフランジ部材212のボルト固定時にそのロアフランジ部材212とバッグリング206との間にアッパフランジ部材210を挟持することでそのアッパフランジ部材210をリテーナ16に対して固定する。
【0096】
かかる(1)〜(5)の手法においては、インフレータ12のブラケットであるアッパフランジ部材210とロアフランジ部材212とを溶接などで接合することなく、ロアフランジ部材212のフランジ部216とバッグリング206の屈曲部234との間にアッパフランジ部材210のフランジ部214を挟みつつロアフランジ部材212をリテーナ16にボルト固定することで、各部材の組み合わせ後にアッパフランジ部材210とロアフランジ部材212との位置関係を固定することができる。このため、インフレータ12をリテーナ16に対して位置決めするためのブラケットとしてのフランジ部材204をインフレータ12に取り付け固定するのに、溶接やボルト締結などの手法を排除することができるので、フランジ部材204のインフレータ12への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0097】
また、上記した(1)〜(5)の手法においては、インフレータ12をリテーナ16に取り付け固定するのに、各部材の組み合わせ及びその後のボルト締結以外の、例えばフランジ部材18などに設けた爪部の屈曲などの工程を不要とすることができる。このため、インフレータ12をリテーナ16へ取り付け固定するうえでの専用装置や手間は不要であり、部材同士の組み付け性の低下を防止することができる。従って、本実施例によれば、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を簡易に行うことができる。
【0098】
また、インフレータ12のリテーナ16への取り付けは、リテーナ16の貫通穴30から突出させたバッグリング206のボルト236にリテーナ16に対して方向が定まった非展開側からナットを締めつけることにより実現される。このボルト−ナットの締め付けは、インフレータ12に圧入されたロアフランジ部材212を挟みつつ行われる。このため、インフレータ12、エアバッグ202、リテーナ16、フランジ部材204、及びバッグリング206の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを吸収しつつ各部材同士の組み付けを行うことができる。
【0099】
また、本実施例において、アッパフランジ部材210、ロアフランジ部材212、及びインフレータ12の凸部20はそれぞれ、上記の如く、両フランジ部材210,212がインフレータ12に圧入されてそのフランジ部214,216同士が接した状態で、アッパフランジ部材210の段差50とインフレータ12の段差48との間、又は、ロアフランジ部材212の段差54とインフレータ12の段差52との間に隙間58が形成されるように構成される。
【0100】
かかる隙間設定によれば、その隙間58の大きさ分だけ、インフレータ12、エアバッグ202、リテーナ16、フランジ部材204、及びバッグリング206の各部材それぞれの製造で生じる公差及びその各部材の組み付けばらつきを許容することができ、各部材同士の組み付けが適切に行われなくなるのを防止することができ、インフレータ12のリテーナ16への取り付け固定を適切に行うことができる。
【0101】
尚、上記の第3実施例においては、円筒部44が特許請求の範囲に記載した「第1の円筒部」に、フランジ部216が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部」に、ロアフランジ部材212が特許請求の範囲に記載した「第1のフランジ部材」に、円筒部38が特許請求の範囲に記載した「第2の円筒部」に、フランジ部214が特許請求の範囲に記載した「第2のフランジ部」に、アッパフランジ部材210が特許請求の範囲に記載した「第2のフランジ部材」に、貫通穴220が特許請求の範囲に記載した「固定部」及び「ボルト穴」に、それぞれ相当している。
【0102】
ところで、上記の第3実施例においては、インフレータ12に圧入されたアッパフランジ部材210をリテーナ16に対して取り付け固定するのに、そのアッパフランジ部材210のフランジ部214をバッグリング206の屈曲部234とロアフランジ部材212のフランジ部216との間に挟持させることとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、図9に示すエアバッグ装置300の如く、アッパフランジ部材210のフランジ部214をリテーナ16とロアフランジ部材212のフランジ部216との間に挟持させることとしてもよい。
【0103】
かかる変形例において、バッグリング302は、上記第2実施例のバッグリング206から屈曲部234を除去したものとされる。また、リテーナ16の挿入口28の径は第2実施例のものよりも小さくされ、具体的には、アッパフランジ部材210のフランジ部214は、リテーナ16の挿入口28の大きさよりも大きな形状を有するように形成される。かかる変形例の構造によれば、アッパフランジ部材210のフランジ部214をリテーナ16とロアフランジ部材212のフランジ部216との間に挟持することでそのアッパフランジ部材210をリテーナ16に対して取り付け固定することができるので、上記第3実施例のものと同様の効果を得ることができる。
【0104】
また、上記の第1〜第3実施例においては、対をなすフランジ部材のうちフランジ部の形状が小さい、挟持によりリテーナ16に対して固定されるフランジ部材34,210のフランジ部46,214に、軸方向に向けて突起する突起部を設けていない。
【0105】
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、図10に示す如く、そのフランジ部46,214に展開側の軸方向に向けて突起する位置規制用の突起部400を設けることとしてもよい。この突起部400は、フランジ部46,214において軸中心回りに全周に亘って連続して設けられてもよいし、その軸中心回りの一部だけに設けられてもよい。また、かかる突起部400がフランジ部材34,210のフランジ部46,214に設けられた場合、他方のフランジ部材32,110,212のフランジ部40,112,216にその突起部400に対応した凹み部402を設ける。
【0106】
かかる変形例によれば、フランジ部材34,210のフランジ部46,214の突起部400がフランジ部材32,110,212のフランジ部40,112,216の凹み部402に嵌ることで、フランジ部材34,210がフランジ部材32,110,212やリテーナ16に対して径方向にガタツクのを抑えることができ、また、フランジ部材34,210を位置規制することができる。
【0107】
また、図11に示す如く、上記のフランジ部46,214に展開側の軸方向に向けて突起する突起部500を設けることとしてもよい。この突起部500は、フランジ部46,214において軸中心回りの一部だけに設けられ、針状に形成されるものであればよい。かかる変形例によれば、各部材の組み立て後、突起部500がフランジ部材32,110,212のフランジ部40,112,216の非展開側の軸方向端面に点又は線で接触されるので、フランジ部材34,210とフランジ部材32,110,212との相対移動に伴う異音の発生や部材の破損を抑制することができる。
【0108】
また、上記の第1〜第3実施例においては、ボルト60,124,236をアッパフランジ部材32やバッグリング106,206に一体に形成することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、アッパフランジ部材32やバッグリング106,206とは別体でボルトを構成することとしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10,100,200 エアバッグ装置
12 インフレータ
14,102,202 エアバッグ
16 リテーナ
18,104,204 フランジ部材
20 凸部
32,110,210 アッパフランジ部材
34,212 ロアフランジ部材
38,44 円筒部
40,46,112,214,216 フランジ部
58 隙間
60,124,236 ボルト
106,206 バッグリング
114,220 貫通穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11