(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例におけるM2Mシステムの構成を説明する図である。
図1の例では、複数のセンタと通信端末間が複数の公衆回線(キャリア通信網)のいずれかを介して接続され、通信端末とセンサ端末間は無線回線で接続されるシステムの例を示している。通信端末とセンサ端末は、一体化している場合もある。
【0012】
図1に示す例では、無線区間105には3つのセンサ端末と2つの通信端末が通信可能な状態となっている。センサ端末106−a〜106−cは無線区間105を介して、通信端末104−a〜104−bのいずれかに接続できる。
【0013】
一方、通信端末104−a〜104−bは、複数の通信キャリアの通信網(Aキャリア通信網、Bキャリア通信網)103−a〜103−bのいずれかを介して、インターネット107を経由してセンタと接続する。本実施例のM2Mシステムは、通信端末やセンサ端末がシステムに初期接続時に接続するセンタ(Initialセンタ:以下、INITセンタと称す)と、通信端末やセンサ端末がINITセンタに初期接続し、INITセンタで認証処理を行った後にINITセンタによって端末の接続先として割当てられる複数の情報収集用センタ(Data Collect&Controlセンタ:以下、DCCセンタと称す)を有する。INITセンタ101とDCCセンタ102−a〜102−bは、インターネット107を介して相互にデータ通信が可能な状態となっている。INITセンタとDCCセンタは、互いに通信端末やセンサ端末の稼動状況や各センタの稼動状況等、必要なデータを連携する。
【0014】
センサ端末106−a〜106−cは、無線通信により無線区間を介して通信端末104−a〜104−bを経由してINITセンタ101やDCCセンタ102−a〜102−bと通信可能である。センサ端末106−a〜106−cと通信端末104−a〜104−b間はメッシュ構成であり、通信端末104−a〜104−bとDCCセンタ102−a〜102−b間もメッシュ構成である。センサ端末106−a〜106−cは、どの通信端末104−a〜104−bを経由してどのDCCセンタ102−a〜102−bに接続するかは、以下の実施例で具体的に説明するように、自動的に決定される。
【0015】
本実施例においては、通信端末、センサ端末は共にINITセンタへの接続に必要な通信経路情報(スタティックルート情報、例えばINITセンタの接続先アドレス情報)を工場出荷時に不揮発性メモリに格納しておく。そして、まずINITセンタに接続・端末認証後にINITセンタが通信端末、センサ端末の接続先DCCセンタ、通信経路を決定して、DCCセンタへの接続に必要な情報を通信端末、センサ端末に送信する。更に、経由する通信端末へセンサ端末情報がDCCセンタから通知される。
以下の実施例においては、通信端末またはセンサ端末が、M2Mシステムへの初期接続時にINITセンタへまず接続して端末認証処理の後、INITセンタがセンサ端末および通信端末の接続先DCCセンタ、通信経路を決定して、センサ端末、通信端末が、INITセンタかたDCCセンタへの接続に必要な情報を受け取り、DCCセンタに接続してDCCセンタにセンサ情報を送信できる状態になることを、ネットワーク参入と称して説明する場合がある。
【0016】
INITセンタ101には、通信端末やセンサ端末がネットワーク参入するために必要な認証処理を行う認証サーバ110を具備する。認証方法の一例としては、それぞれの端末が持つMACアドレス等、個体を識別する識別子を活用する方法がある。
【0017】
図2は、本発明の一実施例における通信端末の構成を説明するブロック図である。
図2は、通信端末104−aの一例を示すブロック図である。なお、通信端末104−bは通信端末104−aと同様の構成であるので、説明は省略する。
【0018】
通信端末104−aは、演算を行うプロセッサ11と、初期ファームウェア13や初期構成定義14、最新ファームウェア15、最新構成定義16、その他データやプログラムを保持する不揮発性メモリ12と、INITセンタから通知される接続先DCCセンタ情報18、その他データやプログラムを一時的に保持する揮発性メモリ17、Aキャリア通信網103−aと通信を行う公衆回線通信部19、無線区間105と通信を行う無線区間通信部20、ユーザからの入力や画面表示などを行う入出力部21と、公衆回線通信部19にて送受信する通信パケットをカウントする機能を有する公衆回線パケットカウンタ22で構成される。公衆回線通信部19もしくは無線区間通信部20にはハード的にGPSを備えている場合もある。
【0019】
プロセッサ11は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ11は、最新ファームウェア15とその設定情報である最新構成定義16に従って動作する。初期ファームウェア等、他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ11は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0020】
不揮発性メモリ12の一例としては、不揮発性半導体、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体を示す。
【0021】
通信端末104−aの無線区間通信部20は無線区間105を経由して、無線回線によりセンサ端末A〜センサ端末C(106−a〜106−c)と接続する。
無線区間通信部20のINITセンタ接続用通信IDを使った通信は必要に応じてゲートウェイされ、公衆回線通信部19を介してINITセンタ101へ、同様にDCCセンタ接続用通信IDを使った通信は公衆回線通信部19を介してDCCセンタ102−a〜102−bへ接続することになる。
【0022】
不揮発性メモリ12内初期構成定義14や最新構成定義16には無線区間通信用INITセンタ接続用通信ID、INITセンタ接続用識別子(IPアドレスやドメイン名等)が書き込まれているが、無線区間通信用DCCセンタ接続用通信IDやDCCセンタ接続用識別子は書き込まれていない。揮発性メモリ17の接続先DCCセンタ情報18はINITセンタにて認証後、INITセンタから配信され、DCCセンタ接続用通信IDやDCCセンタ接続用識別子(IPアドレスやドメイン名等)が書き込まれる。これら情報を揮発性メモリに格納することで、仮に通信端末が盗難され、内部プログラムを解析されたとしてもDCCセンタに関する情報は電源OFFによって消去されるためセキュリティー向上の効果がある。
【0023】
公衆回線パケットカウンタ22は公衆回線通信部19の通信パケットをカウントし、必要に応じて接続するDCCセンタへ通知、もしくはDCCセンタからの問合せに答える機能を有する。通信端末104−aから送られた通信パケットのカウント値は接続するDCCセンタ内の稼動管理サーバ115−aの通信端末別通信パケット管理部99(
図12を用いて後述する)に一旦蓄積され、INITセンタ101内ルート情報管理サーバ111の公衆回線コスト情報データテーブル58(
図5を用いて後述する)に登録される。ルート情報管理サーバ111は、このカウント値から当月の使用量を割り出し、従量課金に基づいた残り使用可能な通信パケットを算出し、ネットワーク参入ルート管理部56(
図4を用いて後述する)へ情報提供する。
【0024】
図3は、本発明の一実施例におけるセンサ端末の構成を説明するブロック図である。
図3は、センサ端末106−aの一例を示すブロック図である。なお、センサ端末106−b、106−cは通信端末106−aと同様の構成であるため、説明は省略する。
センサ端末106−aは、演算を行うプロセッサ31と、初期ファームウェア33や初期構成定義34、最新ファームウェア35、最新構成定義36、その他データやプログラムを保持する不揮発性メモリ32と、INITセンタ104から通知される接続先DCCセンタ情報38やその他データやプログラムを一時的に保持する揮発性メモリ37、無線区間105と通信を行う無線区間通信部39、必要に応じた情報を取得するセンサ部40、ユーザからの入力や画面表示などを行う入出力部41で構成される。なおセンサ部40はDCCセンタにて収集するデータの情報源であり、
図3のようなセンサ端末内部に搭載するとは限らない。必要に応じて外部の情報源と接続する場合も有り得る。その場合センサ端末106−aとセンサの接続として想定されるインターフェースとしてはシリアル接続や2線式接続が一般的である。無線区間通信部39にはハード的にGPSを備えている場合もある。
【0025】
プロセッサ31は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ31は、最新ファームウェア35とその設定情報である最新構成定義36に従って動作する。初期ファームウェア等他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ31は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0026】
センサ端末106−aの各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、不揮発性メモリ32に格納される。不揮発性メモリ32の一例としては、不揮発性半導体、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体を示す。
【0027】
センサ端末106−aの無線区間通信部39は、無線区間105を経由し、無線回線で通信端末A〜通信端末B(104−a〜104−b)と接続する。
【0028】
通信端末と同様にセンサ端末106−aは、初期設置後はINITセンタ接続用通信IDを使い、INITセンタ101での認証後、INITセンタ101よりDCCセンタ接続用の通信ID(DCCセンタ接続用通信ID)を割り当てられる。センサ端末はこれら2種類の無線区間用通信IDはどちらかひとつで稼動し、状況に応じて切り替える。
不揮発性メモリ32内初期構成定義34には無線区間通信用INITセンタ接続用通信ID、INITセンタ接続用識別子(IPアドレスやドメイン名等)が書き込まれているが、無線区間通信用DCCセンタ接続用通信IDやDCCセンタ接続用識別子は書き込まれていない。揮発性メモリ37の接続先DCCセンタ情報38はINITセンタにて認証後、INITセンタから配信され、DCCセンタ接続用通信IDとDCCセンタ接続用識別子(IPアドレスやドメイン名等)が書き込まれる。これら情報を揮発性メモリに格納することで、仮に通信端末が盗難され、内部プログラムを解析されたとしてもDCCセンタに関する情報は電源OFFによって消去されるためセキュリティー向上の効果がある。
【0029】
図4は、本発明の一実施例におけるINITセンタのルート情報管理サーバの構成を説明するブロック図である。
【0030】
ルート情報管理サーバ111は、他のINITセンタ101内の全体稼動管理サーバ112、ユーザ情報管理サーバ113と連携して、通信端末104−a〜104−bやセンサ端末106−a〜106−cの収容先DCCセンタを決定する機能を持つ。
ルート情報管理サーバ111は、演算を行うプロセッサ51と、データやプログラムを保持するメモリ55と、センタ内もしくはセンタ間、通信端末104−a〜104−bやセンサ端末106−a〜106−cと通信を行う通信部53と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部52と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部54と、を備える。
【0031】
メモリ55には、OS(Operating System)57と、通信端末やセンサ端末の収容先DCCセンタを決定する機能を持つネットワーク参入ルート管理部56と、各通信端末が接続する公衆回線の契約状態や、通信端末の当月使用パケット数、当月使用可能な残パケット数等を管理する公衆回線コスト情報データテーブル58と、これらがプロセッサ51によって実行される。
プロセッサ51は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ51は、ネットワーク参入ルート管理のロジックに従って動作することでネットワーク参入管理部56として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ51は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。 ルート情報管理サーバ111の各機能を実現するプログラム、テーブル等の情報は、記憶部54を構成するストレージサブシステムや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0032】
図5は、INITセンタのルート情報管理サーバが有する公衆回線コスト情報データテーブルの一例を示す図である。
通信端末ID581、通信キャリア名582、通信キャリアとの通信契約種類583、その契約におけるパケット単価584は事前に設定しておく。使用状況585は、通信端末の公衆回線パケットカウンタ22でカウントされた現時点での使用量を格納する。この使用量と回線契約状態から導き出した当月の利用可能なパケット残数が当月残量586となる。使用状況585に格納する通信端末の公衆回線パケットカウンタ22でのカウント値は、頻繁に通信端末に問い合わせで取得するものではなく、後述する経路変更の必要が生じた場合などに、通信端末から取得するものである。また、例えば、通信端末がINITセンタに初期接続した際に端末情報に含めて通知するように設定しておいて、その後のパケット量は、この通信端末を経由してセンサ情報を送信するセンサ端末のデータ送信サイクルと1回に送信するデータ量からINITセンタ側で計算してもよく、そのようにすることで通信端末との通信量を削減することもできる。
【0033】
図6は、本発明の一実施例におけるINITセンタの全体稼動管理サーバの構成を説明するブロック図である。
全体稼動管理サーバ112は、DCCセンタの稼動管理サーバ115−aで持つ稼動情報を集約し、ルート情報管理サーバ111へ連携する機能と、通信端末104−a〜104−bやセンサ端末のファームウェア(OS)や構成定義を管理する機能を持つ。
全体稼動管理サーバ112は、演算を行うプロセッサ61と、データやプログラムを保持するメモリ65と、センタ内もしくはセンタ間、通信端末やセンサ端末106−a〜106−cと通信を行う通信部63と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部62と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部64と、を備える。
【0034】
メモリ65には、OS67と、全ての通信端末とセンサ端末の稼動情報を集約した端末稼動情報データテーブル66と、全てDCCセンタの稼動情報を集約したDCCセンタ稼動情報データテーブル68と、全ての通信端末104−a〜104−bとセンサ端末106−a〜106−cのファームウェアと構成定義を管理するファームウェア/構成定義管理部69と、これらがプロセッサ61によって実行される。
【0035】
プロセッサ61は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ61は、端末稼動情報をDCCセンタから集約するロジックに従って動作し、端末稼動情報データテーブル66を生成する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ61は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0036】
図7は、INITセンタの全体稼働管理サーバが有する端末稼動情報データテーブルの一例を示す図である。
端末稼働情報データテーブルには、例えば、端末のID661、通信端末かセンサ端末かの端末種別662、設置場所663、各端末の接続先DCCセンタ664、無線区間の電波強度665、センサ端末については接続先の通信端末666、各端末の稼働時間667、通信安定度668、応答時間669が格納されている。設置場所663は通信端末104−a〜104−bで持つGPSもしくはグローバルIPアドレスから判断される設置位置を格納する。通信安定度668は周期的なデータ収集の時欠落なく収集できた割合からINITセンタが算出する。応答時間669はセンタ〜端末間の通信について、応答時間を計測しておいて格納する。
【0037】
図8は、INITセンタの全体稼働管理サーバが有するDCCセンタ稼動情報データテーブルの一例を示す図である。
DCCセンタ稼働情報データテーブルには、例えば、DCCセンタ名(またはアドレス等DCCセンタを一意に特定できる情報)681、DCCセンタの契約回線帯域682、回線平均トラヒック683、回線ピークトラヒック684、DCCセンタのサーバのリソース状況685、メンテナンスの予定日時686を格納する。回線平均トラヒック683や回線ピークトラヒック684はキャリアの通信網などのネットワーク機器等から情報を取得して格納する。各サーバリソース状況685はサーバのCPU・メモリ・ディスクのリソース状況について格納する。
【0038】
図9は、本発明の一実施例におけるINITセンタ内のユーザ情報管理サーバの構成を説明するブロック図である。
ユーザ情報管理サーバ113は、システムに登録されるユーザ情報を管理する機能を持つ。
ユーザ情報管理サーバ113は、演算を行うプロセッサ71と、データやプログラムを保持するメモリ75と、センタ内もしくはセンタ間、通信端末やセンサ端末と通信を行う通信部73と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部72と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部74と、を備える。
メモリ75には、OS77と、システムに登録されるユーザ情報を集約したユーザ情報データテーブル76と、これらがプロセッサ71によって実行される。
プロセッサ71は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ71は、ユーザ情報を集約するロジックに従って動作し、ユーザ情報データテーブル76を生成する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ71は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0039】
図10に、INITセンタ内のユーザ情報管理サーバが有するユーザ情報データテーブルの一例を示す。
ユーザ情報データテーブルには、例えば、ユーザ(例えば電力会社等)名またはユーザを一意に特定できる情報761、ユーザが所有する通信端末のID762、ユーザが所有するセンサ端末のID763、データ取得サイクル764、データ種別765、DCCセンタ準備状況の情報766が格納される。
【0040】
図11は、本発明の一実施形態におけるDCCセンタA内のデータ収集サーバの構成を説明するブロック図である。
なお、DCCセンタA102−a内データ収集サーバ114−aとDCCセンタB102−b内のデータ収集サーバ114−bは同様の構成である。
【0041】
データ収集サーバ114−aはセンサ端末106−a〜106−cからのデータを定期的に収集、センサ端末106−a〜106−c及び通信端末104−a〜104−bに対するコマンド発行等の制御、センサ端末106−a〜106−c及び通信端末104−a〜104−bに対するファームウェアや構成定義等の配信を行う機能を持つ。
データ収集サーバ114−aは、演算を行うプロセッサ81と、データやプログラムを保持するメモリ85と、センタ内もしくはセンタ間、通信端末やセンサ端末と通信を行う通信部83と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部82と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部84と、を備える。
【0042】
メモリ85には、OS87と、センサ端末106−a〜106−cや通信端末104−a〜104−bからのセンサ情報、統計情報、運用情報等のデータ収集機能と、センサ端末106−a〜106−cや通信端末104−a〜104−bに対するコマンドを発行する端末制御機能と、センサ端末や通信端末に対するファームウェアや構成定義を配信するデータ配信機能と、これらがプロセッサ81によって実行される。
【0043】
プロセッサ81は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ81は、データ収集管理のロジックに従って動作することでデータ収集管理部86として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ81は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0044】
図12は、本発明の一実施形態におけるDCCセンタ内の稼動管理サーバの構成を説明するブロック図である。
なお、DCCセンタA102−a内の稼動管理サーバ115−aとDCCセンタB102−b内稼動管理サーバ115−bは同様の構成である。
【0045】
稼動管理サーバ115−aはDCCセンタA102−a内サーバやネットワーク装置、回線の稼動に関する管理と、DCCセンタA102−aに収容しているセンサ端末106−a〜106−c及び通信端末104−a〜104−bの管理と、DCCセンタA102−aに収容している通信端末104−a〜104−bの通信パケット数の管理と、を行う機能を持つ。
【0046】
稼動管理サーバ115−aは、演算を行うプロセッサ91と、データやプログラムを保持するメモリ95と、センタ内もしくはセンタ間、通信端末やセンサ端末と通信を行う通信部93と、管理者からの入力や画面表示などを行う入出力部92と、プログラムやデータを格納する不揮発性の記憶部94と、を備える。
【0047】
メモリ95には、OS97と、DCCセンタA102−a内のサーバやネットワーク装置の稼動情報、回線のトラヒック情報等を管理するDCCセンタA稼動管理部96と、通信端末やセンサ端末からの統計情報、運用情報等をデータ収集管理部86を経由して収集、管理を行う端末稼動管理部98と、通信端末の公衆回線に送受信している通信パケット数を収集、管理を行う通信端末別通信パケット管理部99と、これらがプロセッサ91によって実行される。
【0048】
プロセッサ91は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、プロセッサ91は、DCCセンタA稼動管理のロジックに従って動作することでDCCセンタA稼動管理部96として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、プロセッサ91は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。
【0049】
図13は、本発明の一実施例における通信端末のネットワーク参入動作を説明するシーケンス図である。
【0050】
図14は、本発明の一実施例におけるセンサ端末のネットワーク参入動作を説明するシーケンス図である。
【0051】
図13において通信端末は、まず、INITセンタに接続要求を行い、端末情報を送付する(S1301)。INITセンタは、端末認証を行い、参入許可を通信端末に送信する(S1302)。INITセンタは、参入ルートを算出し(S1303)、接続先DCCセンタ情報を通信端末に配信する(S1304)とともに、接続先に選定したDCCセンタAに通信端末が接続することを通知する(S1305)。また、INITセンタは、通信端末が収容するセンサ端末の情報を通信端末に配信する(S1306)。
【0052】
通信端末は、INITセンタから配信された接続先DCCセンタ情報に基づき、DCCセンタへ接続する(S1307)。DCCセンタAは、通信端末に対し、必要なファームウェア、構成定義を配信する(S1308)。通信端末は、受信したファームウェアや構成定義をメモリに格納して、センサ端末からの情報の収集を開始し、収集した情報をDCCセンタに送信する(S1309)。
【0053】
センサ端末のネットワーク参入動作は、
図14に示すように、センサ端末AがINITセンタ接続用通信IDを用いて、通信端末Aを介してまずINITセンタに接続要求を行い、端末情報を送付する(S1401)。INITセンタは、端末認証を行い、参入許可を通信端末Aを経由してセンサ端末Aに送信する(S1402)。INITセンタは、参入ルートを算出し(S1303)、接続先DCCセンタ情報を通信端末Aを経由してセンサ端末Aに配信する(S1403)。INITセンタはまた、接続先に選定したDCCセンタBにセンサ端末Aが接続することを通知する(S1404)。
図14の例では、参入ルート算出において、センサ端末Aは通信端末Bを経由してDCCセンタBに接続するように経路が決定された例を示している。そのため、INITセンタは、通信端末Aを経由してセンサ端末Aに対し、通信端末Bを経由するように、通信端末情報を配信する(S1405)。DCCセンタBは、通信端末Bに対し、センサ端末Aが設即することを通知する(S1406)。センサ端末Aは、INITセンタから配信された接続先DCCセンタ情報に基づき、DCCセンタBへ接続する(S1407)。DCCセンタBは、センサ端末Aに対し通信端末B経由で、必要なファームウェア、構成定義を配信する(S1408)。センサ端末は、受信したファームウェアや構成定義をメモリに格納して、情報の収集を開始し、収集した情報を通信端末B経由でDCCセンタBに送信する(S1409)。 次に、参入ルートの算出処理について説明する。
図15は、本発明の一実施例における参入ルートの算出動作を説明するシーケンス図である。
INITセンタ101のルート情報管理サーバ111のネットワーク参入ルート管理部56は、
図15に示すように、参入ルートの算出に必要な情報を、
図5に示した公衆回線コスト情報データテーブル58、
図7に示した端末稼動情報データテーブル66、
図8に示したDCCセンタ稼動情報データテーブル68、
図10に示したユーザ情報データテーブル76、から入手する。それぞれINITセンタ101内のそれぞれのサーバに情報が集約され、算出条件に組み込まれる。
【0054】
ネットワーク参入ルート管理部56の参入ルート算出時のシーケンスを
図15に一例として示す。S1303がネットワーク参入ルート管理部56のタスクである。S1501〜S1508は算出に必要な情報の確認を実施し、最終的には参入ルート計算S1509で設定しておいた優先度に基づき、ルートが算出される。
【0055】
図5の公衆回線コスト情報データテーブル58については、参入ルート算出には当月残量586を活用する。
図7の端末稼動情報データテーブル66については、参入ルート算出には通信安定度668と応答時間669を活用する。
図8のDCCセンタ稼動情報データテーブル68については、参入ルート算出には回線平均トラヒック683、回線ピークトラヒック684、各サーバリソース状況 (CPU・メモリ・ディスク)685を活用する。
図10のユーザ情報データテーブル76については、参入ルート算出にはデータ取得サイクル764を活用する。
【0056】
本実施例では、センサ端末が、通信端末を経由して、DCCセンタにセンサ情報を送信する構成を例にとって説明しているため、具体的には、ルートとしては、下記のルートが存在する。
(1)通信端末が、DCCセンタと通信端末自身の管理、制御情報を送受信するためのルート
(2)センサ端末が、センサ情報およびセンサ端末の管理、制御情報を送受信するためのルート。
【0057】
例えば、センサ端末Aが、通信端末Aを経由してセンサ情報を送信している場合、通信端末Aの(1)のルートおよび接続先DCCセンタと、センサ端末Aの(2)のルートおよび接続先DCCセンタは、別々のDCCセンタでもよい。また、通信端末Aに複数のセンサ端末A、Bが接続されている場合には、センサ端末A,Bが、同じ通信端末Aを経由し、別々のルートで別々のDCCセンタに接続することもある。
上記(1)および(2)のルートは、(1)については(i)通信端末の情報(設置先情報等)、(ii)INITセンタが管理する前記テーブルの情報にもとづき、(2)については、(i)通信端末の情報(設置先情報等)、(ii)INITセンタが管理する前記テーブルの情報、(iii)センサ端末の情報(通信端末との電波強度など)に基づき、予め基準として参照する情報に優先度を付けておいて、優先度の高い情報の値に応じて、通信経路(どの通信端末を経由するか、どのキャリアの通信網を経由するか)および接続先のDCCセンタを選択する。通信経路の選択と、DCCセンタの選択に用いる情報の優先度は、それぞれ設定可能である。
【0058】
センサ端末について、接続先のDCCセンタの選択と、ルートの選択は、独立して選択してもよいし、順序性を設けて選択してもよく、また、順序性を設けてかつ先に選択した結果と関連づけて他方の選択をおこなってもよい。
【0059】
図16および
図17に、ルート選択のイメージを示す。
無線区間105に接続する全ての通信端末及びセンサ端末は、INITセンタ101への接続を行う場合は、予め端末の不揮発性メモリの初期構成定義に格納されたINITセンタ接続用通信IDを用いてINITセンタ101へ接続する。INITセンタ接続用通信IDの一例としては、Wi−Fiの場合はSSID、Zigbeeの場合はPAN−IDのような通信IDのある固定値を使用する。
【0060】
INITセンタ101で認証後、INITセンタ101より接続する通信端末情報の一部としてDCCセンタ接続用の通信ID(DCCセンタ接続用通信ID)が割り当てられる。
【0061】
図16に示す例では、通信端末A104−aと通信端末B104−bは共通のINITセンタ接続用通信IDが常に使用可能な状態にある。
センサ端末B106−bはINITセンタに接続、認証が完了し、INITセンタから通知されたDCCセンタA接続用通信IDを用いて、通信端末A104−aを経由してDCCセンタAに接続している(161)。同様にセンサ端末C106−cはDCCセンタB接続用通信IDを用いて通信端末B104−bを経由してDCCセンタB102−bに接続している(162)。センサ端末A106−aはDCCセンタとは接続前の初期接続段階であり、INITセンタへの接続をINITセンタ接続用通信IDを使い、通信端末A104−aを介してしてINITセンタへ通信を行っている状態(INITセンタへの通信163)である。この状態は
図14のシーケンスS1401〜S1403、S1405である。
【0062】
図17は、
図16の状態から、センサ端末A106−aの認証が完了し、INITセンタから、接続先として、DCCセンタB接続用通信IDを通知され、また、通信経路として、通信端末B104−bを経由する通信経路を指定されて、INITセンタから通知されたDCCセンタB接続用通信IDを使用し、通信端末B104−bを経由し、DCCセンタB102−bへ通信している状態を示している。この状態は
図14 S1407〜以降である。
各通信キャリアA〜B103−a〜103−bはインターネット107を経由してそれぞれのセンタに接続する例を示したが、プライベートネットワークやWANなどで構成してもよい。
【0063】
図18は、本発明の一実施例におけるセンサ端末または通信端末のファームウェアまたは構成定義の更新処理時の動作について説明するシーケンス図である。
INITセンタ101は、に接続要求/端末情報送付(S1301もしくはS1401)してきた通信端末104−aもしくはセンサ端末106−cのファームウェアまたは構成定義を含む端末情報の通知を受け(S1801)内容を確認し、ネットワーク参入ルート管理部56へファームウェア/構成定義の配信要否を通知する(S1802)。この配信が必要な場合、通常のデータ収集以上にトラヒックが掛かる為、参入ルート算出(S1303)では、トラヒックやサーバ稼動に余力があるDCCセンタの選択、公衆回線で当月の使用状況からもっとも余力のある回線の選択等を行う。この算出処理は、ファームウェア/構成定義の配信要の場合には、DCCセンタ選択の基準とする情報の優先度を、DCCセンタのサーバリソース状況や、回線平均トラヒック、回線ピークトラヒックを高くしておき、また、通信経路の選択については、公衆回線の当月残量の優先度を高くしておくことで選択可能である。
【0064】
参入先DCCを決定した後、ファームウェア/構成定義管理部69とデータ収集管理部86へ通知する(S1803,S1804)。通知を受けたファームウェア/構成定義管理部69は配信すべきデータをデータ配信管理部89へ通知(S1806)し、対象の端末がDCCセンタに参入した後にデータ配信管理部89より配信を行う(S1808)。 配信完了後、端末は初期動作状態となり再びINITセンタへ接続要求をすることになる。この場合ファームウェア/構成定義バージョンは最新となっているため、S132の配信データ有無通知は配信データなしとなり、参入ルート算出も通常のデータ収集の場合の算出ロジックで参入先DCCセンタを算出することとなる。
【0065】
図19は、本発明の一実施例におけるルートの再算出の動作について説明するシーケンス図である。
ルートの再算出は、ネットワーク参入ルート算出に必要な情報が変更となった場合に行われる。参入ルートの算出に必要な情報は複数あるが、どの情報がどのくらい変化したらルートの再算出を行うかを、各情報について閾値を設定しておくことでルート再算出の頻度を制御可能である。
【0066】
図19のS1901ないしS1905に示すように、各情報について、変更量の閾値を設定しておき、閾値を超える変更があった場合は変更をネットワーク参入ルート管理部56に通知し、ネットワーク参入ルート管理部56は参入ルートの再計算を行う。ルートの再算出の結果、収容先DCCセンタが変更となった通信端末やセンサ端末に対しては、リセット等によるコマンド実行をすることで、再度INITセンタへ接続させ、INITセンタが新しい通信経路および収容先であるDCCセンタの情報を通知することで、通信経路および接続先DCCセンタの変更が可能となる。
参入ルートの再算出を行うための条件として、
図8のDCCセンタ稼働情報テーブルのメンテナンス情報686も含まれており、DCCセンタのシステムメンテナンスが行われる時間に先だって、参入ルート計算を行い、収容先変更となることを判断して、メンテナンス予定のDCCセンタに接続中の全ての通信端末およびセンサ端末に対して、リセット等によるコマンド実行をすることで、他のDCCセンタへの振替を行うことができ、メンテナンスによる通信断を防止することができる。この参入ルートの再算出は、メンテナンス時に適用される他、データ収集サイクルの変更、最新のファームウェア/構成定義の更新の時に利用される機能である。
【0067】
以上の実施例において説明した計算機等の構成、処理部及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0068】
また、本実施例で例示した種々のソフトウェアは、電磁的、電子的及び光学式等の種々の記録媒体(例えば、非一時的な記憶媒体)に格納可能であり、インターネット等の通信網を通じて、コンピュータにダウンロード可能である。
【0069】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0070】
また、各通信キャリアが(103−a〜103−b)が提供する通信網は、例えば、3G−LTE(3GPP Long Term Evolution)や、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のモバイル回線や、ISDN、光回線等種別は問わない。
【0071】
また、無線区間105は近距離無線通信機能によって構成される。近距離無線通信としては、WiFi(Wireless Fidelity)や、WiFi DirectあるいはBluetooth(登録商標)などのIP(Internet Protocol)を採用したものや、Zigbee(登録商標)等の非IPでの通信可能なものを、無線区間105として共通で採用する。