特許第6014581号(P6014581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6014581インターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、積層セラミックコンデンサ用インターポーザ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014581
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】インターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、積層セラミックコンデンサ用インターポーザ
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/06 20060101AFI20161011BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20161011BHJP
   H01G 4/232 20060101ALI20161011BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H01G1/035 E
   H01G4/30 301Z
   H01G4/30 301B
   H01G4/12 352
   H05K1/18 T
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-268352(P2013-268352)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-179583(P2014-179583A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年8月26日
(31)【優先権主張番号】特願2013-28821(P2013-28821)
(32)【優先日】2013年2月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石川 和也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信弘
(72)【発明者】
【氏名】石原 秀男
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 勝之助
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−204572(JP,A)
【文献】 特開2004−134430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/06
H01G 4/232
H01G 4/30
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミックコンデンサにインターポーザが取り付けられたインターポーザ付き積層セラミックコンデンサであって、
(1)前記積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極層を相互非接触で内蔵した略直方体形状の誘電体チップと、前記誘電体チップの相対する端面及び該端面と隣接する4側面の一部を覆うように設けられ、且つ、前記4側面の一部を覆う部分が4つの略矩形状側面を有する2つの外部電極を備え、前記複数の内部電極層の一部の端が前記2つの外部電極の一方に接続され、且つ、他部の端が前記2つの外部電極の他方に接続された構造を有しており、
(2)前記インターポーザは、略矩形板状の絶縁基板と、前記絶縁基板の厚さ方向の一面に前記2つの外部電極それぞれの1つの略矩形状側面と向き合うように設けられた略矩形状の2つの第1導体パッドと、前記絶縁基板の厚さ方向の他面に前記2つの第1導体パッドそれぞれと向き合うように設けられた2つの第2導体パッドと、前記2つの第1導体パッドの一方の外縁と前記2つの第2導体パッドの一方の外縁よりも内側において前記絶縁基板にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つ以上の一方側の導体ビア、並びに、前記2つの第1導体パッドの他方の外縁と前記2つの第2導体パッドの他方の外縁より
も内側において前記絶縁基板にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つ以上の他方側の導体ビアを備え、前記2つの第1導体パッドの一方と前記2つの第2導体パッドの一方が前記1つ以上の一方側の導体ビアを介して接続され、且つ、前記2つの第1導体パッドの他方と前記2つの第2導体パッドの他方が前記1つ以上の他方側の導体ビアを介して接続された構造を有しており、
(3)前記インターポーザの前記2つの第1導体パッドそれぞれの表面には前記積層セラミックコンデンサの前記2つの外部電極それぞれの1つの略矩形状側面がハンダを介して接合されており、
(4)前記1つ以上の一方側の導体ビアは前記2つの第1導体パッドの一方の表面と前記2つの第2導体パッドの一方の表面で開口する貫通孔を内側に有し、且つ、前記1つ以上の他方側の導体ビアは前記2つの第1導体パッドの他方の表面と前記2つの第2導体パッドの他方の表面で開口する貫通孔を内側に有しており、
(5)前記1つ以上の一方側の導体ビアの貫通孔における前記2つの第2導体パッドの一方の表面側と、前記1つ以上の他方側の導体ビアの貫通孔における前記2つの第2導体パッドの他方の表面側には、前記ハンダが充填されていない空隙が存在している、
ことを特徴とするインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記インターポーザの前記2つの第1導体パッドの最大外側端間距離を規定する方向を長さ方向としたとき、前記2つの第1導体パッドの最大外側端間距離と前記絶縁基板の長さが、最大外側端間距離≦絶縁基板の長さの寸法関係を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記インターポーザの前記2つの第1導体パッドの最大外側端間距離と前記積層セラミックコンデンサの前記2つの外部電極の端面間距離が、最大外側端間距離≦外部電極の端面間距離の寸法関係を有している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記インターポーザの前記2つの第2導体パッドの最大外側端間距離を規定する方向を長さ方向としたとき、前記2つの第2導体パッドの最大外側端間距離と前記絶縁基板の長さが、最大外側端間距離≦絶縁基板の長さの寸法関係を有している、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサにインターポーザが取り付けられたインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと、積層セラミックコンデンサを基板等に実装する際に用いられる積層セラミックコンデンサ用インターポーザに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの上面図、図2図1に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの一部破断の側面図、図3図1及び図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す一部破断の側面図である。
【0003】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図1及び図2における左右方向寸法を長さと言い、図1における上下方向寸法を幅と言い、図2における上下方向寸法を高さと言う。
【0004】
図1及び図2に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ100とインターポーザ200と両者を接合するハンダSOLとから成る(例えば、下記特許文献1を参照)。
【0005】
コンデンサ100は、図1及び図2に示したように、複数の内部電極層(図示省略)をその高さ方向に相互非接触で内蔵した略直方体形状の誘電体チップ101と、誘電体チップ101の相対する端面(長さ方向端面)及び該端面と隣接する4側面の一部を覆うように設けられ、且つ、4側面の一部を覆う部分が4つの略矩形状側面を有する2つの外部電極102を備え、複数の内部電極層の一部(例えば上から奇数番目)の端が2つの外部電極102の一方に接続され、且つ、他部(例えば上から偶数番目)の端が2つの外部電極102の他方に接続された構造を有している。
【0006】
一方、インターポーザ200は、図1及び図2に示したように、略矩形板状の絶縁基板201と、絶縁基板201の厚さ方向の一面(上面)に前記2つの外部電極102それぞれの1つの略矩形状側面と向き合うように設けられた略矩形状の2つの第1導体パッド202と、絶縁基板201の厚さ方向の他面(下面)に2つの第1導体パッド202それぞれと向き合うように設けられた略矩形状の2つの第2導体パッド203と、絶縁基板201の長さ方向端面それぞれに設けられた略半円筒状の2つの接続導体204を備え、2つの第1導体パッド202の一方と2つの第2導体パッド203の一方が2つの接続導体204の一方を介して接続され、且つ、2つの第1導体パッド202の他方と2つの第2導体パッド203の他方が2つの接続導体204の他方を介して接続された構造を有している。2つの接続導体204は略半円筒状であるため、各々の内側にはインターポーザ200の高さ方向に延びる凹部205が存在する。
【0007】
図2から分かるように、インターポーザ200の2つの第1導体パッド202それぞれの表面(上面)には、コンデンサ100の2つの外部電極102それぞれの1つの略矩形状側面(下面)がハンダSOLを介して接合されている。
【0008】
図1及び図2に示したインターポーザ付きコンデンサを基板300に実装するときには、基板本体301の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド302それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド203の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド203をハンダSOLを介して基板300の各導体パッド302に接合する(図3を参照)。因みに、基板300の各導体パッド302は、各第2導体パッド203よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0009】
図1及び図2に示したインターポーザ付きコンデンサは、インターポーザ200の絶縁基板201の長さ方向端面それぞれに略半円筒状の2つの接続導体204が在り、各接続導体204の内側にインターポーザ200の高さ方向に延びる凹部205が在るため、図3に示したように、前記熱処理時にクリームハンダ並びにインターポーザ付きコンデンサのハンダSOLが溶融すると、溶融ハンダが各凹部205を通じてコンデンサ100の各外部電極102の端面に濡れ上がり、基板300の各導体パッド302の表面からコンデンサ100の各外部電極102の端面に至るフィレットSOLaが形成される。
【0010】
ところで、図3に示した実装状態においてコンデンサ100への電圧印加、特に交流電圧印加によって誘電体チップ101に電歪現象(誘電体チップ101の長さの減少及び高さの増加(矢印を参照)とその復元の繰り返し)を生じたときに、この電歪現象に伴う反りとその復元が基板201に生じて振動が発生し、この振動によって所謂音鳴きが発生することがある。特に、図3に示したようなフィレットSOLaが形成されている場合には、このフィレットSOLaに基づく引張力(太線矢印を参照)が基板300に作用するために、基板300の反りが増加して前記音鳴きが発生し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012−204572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、電歪現象に伴う音鳴きを抑制できるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと積層セラミックコンデンサ用インターポーザを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサは、積層セラミックコンデンサにインターポーザが取り付けられたインターポーザ付き積層セラミックコンデンサであって、(1)前記積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極層を相互非接触で内蔵した略直方体形状の誘電体チップと、前記誘電体チップの相対する端面及び該端面と隣接する4側面の一部を覆うように設けられ、且つ、前記4側面の一部を覆う部分が4つの略矩形状側面を有する2つの外部電極を備え、前記複数の内部電極層の一部の端が前記2つの外部電極の一方に接続され、且つ、他部の端が前記2つの外部電極の他方に接続された構造を有しており、(2)前記インターポーザは、略矩形板状の絶縁基板と、前記絶縁基板の厚さ方向の一面に前記2つの外部電極それぞれの1つの略矩形状側面と向き合うように設けられた略矩形状の2つの第1導体パッドと、前記絶縁基板の厚さ方向の他面に前記2つの第1導体パッドそれぞれと向き合うように設けられた2つの第2導体パッドと、前記2つの第1導体パッドの一方の外縁と前記2つの第2導体パッドの一方の外縁よりも内側において前記絶縁基板にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つ以上の一方側の導体ビア、並びに、前記2つの第1導体パッドの他方の外縁と前記2つの第2導体パッドの他方の外縁よりも内側において前記絶縁基板にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つ以上の他方側の導体ビアを備え、前記2つの第1導体パッドの一方と前記2つの第2導体パッドの一方が前記1つ以上の一方側の導体ビアを介して接続され、且つ、前記2つの第1導体パッドの他方と前記2つの第2導体パッドの他方が前記1つ以上の他方側の導体ビアを介して接続された構造を有しており、(3)前記インターポーザの前記2つの第1導体パッドそれぞれの表面には前記積層セラミックコンデンサの前記2つの外部電極それぞれの1つの略矩形状側面がハンダを介して接合されており、(4)前記1つ以上の一方側の導体ビアは前記2つの第1導体パッドの一方の表面と前記2つの第2導体パッドの一方の表面で開口する貫通孔を内側に有し、且つ、前記1つ以上の他方側の導体ビアは前記2つの第1導体パッドの他方の表面と前記2つの第2導体パッドの他方の表面で開口する貫通孔を内側に有しており、(5)前記1つ以上の一方側の導体ビアの貫通孔における前記2つの第2導体パッドの一方の表面側と、前記1つ以上の他方側の導体ビアの貫通孔における前記2つの第2導体パッドの他方の表面側には、前記ハンダが充填されていない空隙が存在している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電歪現象に伴う音鳴きを抑制できるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサと積層セラミックコンデンサ用インターポーザを提供することができる。
【0016】
本発明の前記目的及び他の目的と、各目的に応じた特徴と効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は従来のインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの上面図である。
図2図2図1に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの一部破断の側面図である。
図3図3図1及び図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す一部破断の側面図である。
図4図4は本発明の第1実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの上面図である。
図5図5図4に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
図6図6(A)は図4及び図5に示したインターポーザの上面図、図6(B)は図4及び図5に示したインターポーザの下面図である。
図7図7図4及び図5に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す上面図である。
図8図8図4及び図5に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
図9図9は本発明の第2実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
図10図10図9に示したインターポーザの上面図である。
図11図11図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
図12図12は本発明の第3実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
図13図13(A)は図12に示したインターポーザの上面図、図13(B)は図12に示したインターポーザの下面図である。
図14図14図12に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
図15図15は本発明の第4実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
図16図16(A)は図15に示したインターポーザの上面図、図16(B)は図15に示したインターポーザの下面図である。
図17図17図15に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
図18図18は本発明の第5実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
図19図19(A)は図18に示したインターポーザの上面図、図19(B)は図18に示したインターポーザの下面図である。
図20図20図18に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
図21図21(A)及び図21(B)はインターポーザの他の実施形態を示すインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態(図4図8)]
図4は本発明の第1実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの上面図、図5図4に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図、図6(A)は図4及び図5に示したインターポーザの上面図、図6(B)は図4及び図5に示したインターポーザの下面図、図7図4及び図5に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す上面図、図8図4及び図5に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
【0019】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図4及び図5における左右方向寸法を長さと言い、図4における上下方向寸法を幅と言い、図5における上下方向寸法を高さと言う。
【0020】
図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ10とインターポーザ20と両者を接合するハンダSOLとから成る。
【0021】
コンデンサ10は、図4及び図5に示したように、複数(図5では計20)の内部電極層11aをその高さ方向に相互非接触で内蔵した略直方体形状の誘電体チップ11と、誘電体チップ11の相対する端面(長さ方向端面)及び該端面と隣接する4側面の一部を覆うように設けられ、且つ、4側面の一部を覆う部分(側面部12a)が4つの略矩形状側面を有する2つの外部電極12を備え、複数の内部電極層11aの一部(上から奇数番目)の端が2つの外部電極12の一方(左側)に接続され、且つ、他部(上から偶数番目)の端が2つの外部電極12の他方(右側)に接続された構造を有している。図5には、図示の便宜上、内部電極層11aの総数を20としてあるが、実際のコンデンサ10における内部電極層11aの総数は100以上である。このコンデンサ10は全体として長さ>幅=高さの基準寸法を有する略直方体形状を成している。
【0022】
誘電体チップ11はチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、酸化チタン等の誘電体セラミックス、好ましくはε>1000又はクラス2(高誘電率系)の誘電体セラミックスから成り、内部電極層11aの間それぞれに存在する層状部分は略同じ厚さを有している。各内部電極層11aはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属から成り、略同じ厚さ及び上面視形状(略矩形)を有している。各外部電極12は、誘電体チップ11に密着した下地層と下地層の表面に形成された表面層との2層構造、或いは、下地層と表面層との間に少なくとも1つの中間層を有する多層構造を有しており、下地層はニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属から成り、表面層はスズ、パラジウム、金、亜鉛等の金属から成り、中間層は白金、パラジウム、金、銅、ニッケル等の金属から成る。
【0023】
一方、インターポーザ20は、図4図6に示したように、略矩形板状の絶縁基板21と、絶縁基板21の厚さ方向の一面(上面)に前記2つの外部電極12それぞれの1つの略矩形状側面と向き合うように設けられた略矩形状の2つの第1導体パッド22と、絶縁基板21の厚さ方向の他面(下面)に2つの第1導体パッド22それぞれと向き合うように設けられた略矩形状の2つの第2導体パッド23と、2つの第1導体パッド22の一方(左側)の外縁と2つの第2導体パッド23の一方(左側)の外縁よりも内側において絶縁基板21にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つの一方側の導体ビア24、並びに、2つの第1導体パッド23の他方(右側)の外縁と2つの第2導体パッドの他方(右側)の外縁よりも内側において前記絶縁基板にその厚さ方向を貫通するように設けられた1つの他方側の導体ビア24を備え、2つの第1導体パッド22の一方と前記2つの第2導体パッド23の一方が1つの一方側の導体ビア24を介して接続され、且つ、2つの第1導体パッド22の他方と2つの第2導体パッド23の他方が1つの他方側の導体ビア24を介して接続された構造を有している。
【0024】
各導体ビア24は略円筒状を成しており、一方側の導体ビア24は2つの第1導体パッド22の一方(左側)の表面(上面)と2つの第2導体パッド23の一方(左側)の表面(下面)で開口する略円柱状の貫通孔24aを内側に有し、且つ、他方側の導体ビア24は2つの第1導体パッド22の他方(右側)の表面(上面)と2つの第2導体パッド23の他方(右側)の表面(下面)で開口する略円柱状の貫通孔24aを内側に有している。因みに、各第1導体パッド22に略半円形の張り出し部22aが設けられ、且つ、各第2導体パッド23に略半円形の張り出し部23aが設けられているのは、各第1導体パッド22の面積及び各第2導体パッド23の面積を極力増加させずに、各導体ビア24を絶縁基板21の長さ方向中央に近づけて配置するための工夫である。このインターポーザ20は全体として長さ>幅>高さの基準寸法を有する略矩形板状を成している。
【0025】
絶縁基板21は二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素等のセラミックス、或いは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性プラスチック又はこれらに補強フィラーを含有した熱硬化性プラスチックから成る。各第1導体パッド22、各第2導体パッド23及び各導体ビア24はニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属から成り、各第1導体パッド22と各第2導体パッド23は略同じ厚さを有している。
【0026】
図5から分かるように、インターポーザ20の2つの第1導体パッド22それぞれの表面(上面)には、コンデンサ10の2つの外部電極12それぞれの一方の1つの略矩形状側面(下面)がハンダSOLを介して接合されている。また、インターポーザ20の各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第1導体パッド22の表面側(上面側)にはハンダSOLが充填されており、各導体ビア24の貫通孔24aにおける第2導体パッド23の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在している。図5には各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合を略70%としたものを示してあるが、該割合は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22の表面側(上面側)に充填されるハンダSOLの量に応じて変化する。この点については後に説明する。
【0027】
ここで、コンデンサ10及びインターポーザ20の寸法及び両者の寸法関係について説明する。
【0028】
図4及び図5におけるD10は2つの外部電極12の端面間距離(コンデンサ10の長さに相当、後記絶縁基板21の長さL21を規定する方向の距離)を示し、W12は各外部電極12の幅(コンデンサ10の幅に相当)を示し、H10はコンデンサ10の高さを示し、L12aは各外部電極12の側面部12aの長さを示す。一方、図5及び図6におけるL21は絶縁基板21の長さ(インターポーザ20の長さに相当)を示し、W21は絶縁基板21の幅(インターポーザ20の幅に相当)を示し、H20はインターポーザ20の高さを示し、L22は各第1導体パッド22の長さ(張り出し部22aは含まない)を示し、W22は各第1導体パッド22の幅を示し、D22は2つの第1導体パッド22の最大外側端間距離を示し、L23は各第2導体パッド23の長さ(張り出し部23aは含まない)を示し、W23は各第2導体パッド23の幅を示し、D23は2つの第2導体パッド23の最大外側端間距離を示す。
【0029】
コンデンサ10の寸法について述べれば、2つの外部電極12の端面間距離D10は各外部電極12の幅W12よりも大きく、各外部電極12の幅W12とコンデンサ10の高さH10は略同じであり、各外部電極12の側面部12aの長さL12aは2つの外部電極12の端面間距離D10の略1/6〜略1/3の範囲内である。
【0030】
インターポーザ20の寸法について述べれば、各第1導体パッド22の長さL22と各第2導体パッド23の長さL23は略同じであり、各第1導体パッド22の幅W22と各第2導体パッド23の幅W23は略同じであり、2つの第1導体パッド22の最大外側端間距離D22と2つの第2導体パッド23の最大外側端間距離D23は略同じであり、張り出し部22aと張り出し部22bの曲率半径は略同じであり、インターポーザ20を上から見たときの各第1導体パッド22の輪郭位置と各第2導体パッド23の輪郭位置は略一致している。また、2つの第1導体パッド22の最大外側端間距離D22と2つの第2導体パッド23の最大外側端間距離D23は絶縁基板21の長さL21よりも僅かに短く、各第1導体パッド22の幅W22と各第2導体パッド23の幅W23は絶縁基板21の幅W21よりも僅かに狭い。
【0031】
コンデンサ10とインターポーザ20の寸法関係について述べれば、インターポーザ20の2つの第1導体パッド22の最大外側端間距離D22は、コンデンサ10の2つの外部電極12の端面間距離D10と略同じである。また、インターポーザ20の各第1導体パッド22の長さL22と各第2導体パッド23の長さL23は、コンデンサ10の各外部電極12の側面部12aの長さL12aと略同じである。さらに、インターポーザ20の各第1導体パッド22の幅W22と各第2導体パッド23の幅W23は、コンデンサ10の各外部電極12の幅W12と略同じである。
【0032】
参考までにコンデンサ10が2125サイズの場合におけるコンデンサ10とインターポーザ20の寸法の一例を紹介すれば、コンデンサ10の2つの外部電極12の端面間距離D10の基準寸法は2.0mm、各外部電極12の幅W12の基準寸法は1.25mm、コンデンサ10の高さH10の基準寸法は1.25mm、各外部電極12の側面部12aの長さL12aの基準寸法は0.5mmである。一方、インターポーザ20の絶縁基板21の長さL21の基準寸法は2.2mm、絶縁基板21の幅W21の基準寸法は1.45mm、インターポーザ20の高さH20の基準寸法は0.5mm、各第1導体パッド22の長さL22の基準寸法は0.5mm、各第1導体パッド22の幅W22の基準寸法は1.25mm、2つの第1導体パッド22の最大外側端間距離D22の基準寸法は2.0mm、各第2導体パッド23の長さL23の基準寸法は0.5mm、各第2導体パッド23の幅W23の基準寸法は1.25mm、2つの第2導体パッド23の最大外側端間距離D23の基準寸法は2.0mmである。加えて、絶縁基板21の厚さの基準寸法は0.3mm、各第1導体パッド22、各第2導体パッド23及び各導体ビア24の厚さの基準寸法は30〜70μm、各貫通孔24aの口径の基準寸法は0.2〜0.5mmで好ましくは0.25mmである。
【0033】
図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサを作製するときには、インターポーザ20の各第1導体パッド22の表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各外部電極12の1つの略矩形状側面(下面)が接するようにコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20の各第1導体パッド22に接合する。
【0034】
インターポーザ20の各導体ビア24は各第1導体パッド22の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24は各々の内側に貫通孔24aを有しているため、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aにおける第1導体パッド22の表面側(上面側)に取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22の表面側(上面側)にハンダSOLが僅かに充填され、且つ、各貫通孔24aにおける第2導体パッド23の表面側(下面側)にハンダSOLが充填されていない空隙GAが形成される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aにおける第1導体パッド22の表面側(上面側)に取り込むことができるので、該クリームハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止できる。
【0035】
作製後の各導体ビア24の貫通孔24aに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各貫通孔24aの全体積に対して概ね3〜50%の範囲内に収まる。そのため、各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合は概ね50〜97%の範囲内となる。
【0036】
一方、図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサを基板30に実装するときには、基板本体31の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド23の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド23をハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32に接合する(図7及び図8を参照)。因みに、基板30の各導体パッド32は、各第2導体パッド23よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0037】
インターポーザ付きコンデンサのインターポーザ20の各導体ビア24は各第2導体パッド23の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第2導体パッド23の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在しているため(図5を参照)、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aの空隙GAに取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aの空隙GAに取り込むことができるので、該クリームハンダがインターポーザ20の長さ方向端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがインターポーザ20の長さ方向端面を経由してコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止でき、これにより図3に示したようなフィレットSOLaが形成されることを極力回避できる。
【0038】
図8には各貫通孔24aの空隙GA(図5を参照)の全てを埋めるようハンダSOLが充填されているものを示してあるが、作製後の各導体ビア24の空隙GAに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各空隙GAの全体積に対して概ね3〜100%の範囲内に収まる。そのため、100%の場合には図8に示したように各貫通孔24aの空隙GAの全てを埋めるようハンダSOLが充填され、この場合には各貫通孔24に略密に充填されたハンダSOLによって基板30に対するインターポーザ付きコンデンサの接合強度を高められるといった恩恵が得られる。また、100%に満たない場合には各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填されていない空間が残存するが、この場合でもコンデンサ10の各外部電極12と基板30の各導体パッド32との電気的な接続はインターポーザ20の各第1導体パッド22、各導体ビア24及び各第2導体パッド23を通じて的確に行える。
【0039】
つまり、図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサによれば、インターポーザ付きコンデンサをハンダSOLを介して基板30に実装しても図3に示したようなフィレットSOLaは形成され難いため、図7及び図8に示した実装状態においてコンデンサ10への電圧印加、特に交流電圧印加により誘電体チップ11に電歪現象(誘電体チップ11の長さの減少及び高さの増加(図3の矢印を参照)とその復元の繰り返し)を生じた場合でも、フィレットSOLaに基づく引張力(図3の太線矢印を参照)が基板30に作用することを防止して反りを低減でき、この反り低減により基板30に生じる振動を軽減して電歪現象に伴う音鳴きを抑制できる。
【0040】
また、コンデンサ10の各外部電極12がハンダSOLを介してインターポーザ20の各第1導体パッド22のみに接合され、且つ、インターポーザ20の各第2導体パッド23がハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32のみに接合された構造を実現できるため、誘電体チップ11に電歪現象を生じたときにコンデンサ10から基板30に伝達される応力をコンデンサ10と基板30との間に介在するインターポーザ20によってより的確に緩和して基板30の反りをより的確に低減でき、この反り低減により基板30に生じる振動をより的確に軽減して電歪現象に伴う音鳴きをより確実に抑制できる。
【0041】
[第2実施形態(図9図11)]
図9は本発明の第2実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図、図10図9に示したインターポーザの上面図、図11図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
【0042】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図9及び図10における左右方向寸法を長さと言い、図10における上下方向寸法を幅と言い、図9における上下方向寸法を高さと言う。
【0043】
図9に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ10とインターポーザ20-1と両者を接合するハンダSOLとから成る。このインターポーザ付きコンデンサが図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサ(第1実施形態)と構成を異にするところは、図10に示したように、
・インターポーザ20-1の2つの第1導体パッド22-1の最大外側端間距離D22-1がコ ンデンサ10の2つの外部電極12の端面間距離D10よりも僅かに短くなるように、 各第1導体パッド22-1の長さL22-1をコンデンサ10の各外部電極12の側面部1 2aの長さL12aよりも僅かに短くした点
にある。因みに、各第1導体パッド22-1の幅W22-1は図6(A)に示した幅W22と同じである。
【0044】
図9に示したインターポーザ付きコンデンサを作製するときには、インターポーザ20-1の各第1導体パッド22-1の表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各外部電極12の1つの略矩形状側面(下面)が接するようにコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20-1の各第1導体パッド22-1に接合する。
【0045】
インターポーザ20-1の各導体ビア24は各第1導体パッド22-1の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24は各々の内側に貫通孔24aを有しているため、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-1の表面側(上面側)に取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22-1の表面側(上面側)にハンダSOLが僅かに充填され、且つ、各貫通孔24aにおける第2導体パッド23の表面側(下面側)にハンダSOLが充填されていない空隙GAが形成される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-1の表面側(上面側)に取り込むことができるので、該クリームハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止できる。
【0046】
作製後の各導体ビア24の貫通孔24aに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各貫通孔24aの全体積に対して概ね3〜50%の範囲内に収まる。そのため、各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合は概ね50〜97%の範囲内となる。
【0047】
一方、図9に示したインターポーザ付きコンデンサを基板30に実装するときには、基板本体31の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド23の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド23をハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32に接合する(図11を参照)。因みに、基板30の各導体パッド32は、各第2導体パッド23の下面よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0048】
インターポーザ付きコンデンサのインターポーザ20-1の各導体ビア24は各第2導体パッド23の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第2導体パッド23の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在しているため(図9を参照)、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aの空隙GAに取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aの空隙GAに取り込むことができるので、該クリームハンダがインターポーザ20-1の長さ方向端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがインターポーザ20-1の長さ方向端面を経由してコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止でき、これにより図3に示したようなフィレットSOLaが形成されることを極力回避できる。
【0049】
図11には各貫通孔24aの空隙GA(図9を参照)の全てを埋めるようハンダSOLが充填されているものを示してあるが、作製後の各導体ビア24の空隙GAに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各空隙GAの全体積に対して概ね3〜100%の範囲内に収まる。そのため、100%の場合には図11に示したように各貫通孔24aの空隙GAの全てを埋めるようハンダSOLが充填され、この場合には各貫通孔24に略密に充填されたハンダSOLによって基板30に対するインターポーザ付きコンデンサの接合強度を高められるといった恩恵が得られる。また、100%に満たない場合には各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填されていない空間が残存するが、この場合でもコンデンサ10の各外部電極12と基板30の各導体パッド32との電気的な接続はインターポーザ20-1の各第1導体パッド22-1、各導体ビア24及び各第2導体パッド23を通じて的確に行える。
【0050】
つまり、図9に示したインターポーザ付きコンデンサでも、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0051】
[第3実施形態(図12図14)]
図12は本発明の第3実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図、図13(A)は図12に示したインターポーザの上面図、図13(B)は図12に示したインターポーザの下面図、図14図12に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
【0052】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図12及び図13における左右方向寸法を長さと言い、図13における上下方向寸法を幅と言い、図12における上下方向寸法を高さと言う。
【0053】
図12に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ10とインターポーザ20-2と両者を接合するハンダSOLとから成る。このインターポーザ付きコンデンサが図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサ(第1実施形態)と構成と異にするところは、図13に示したように、
・インターポーザ20-2の2つの第1導体パッド22-2の最大外側端間距離D22-2が絶 縁基板21の長さL21と略同じになるように、各第1導体パッド22-2の長さL22 -2をコンデンサ10の各外部電極12の側面部12aの長さL12aよりも僅かに長く した点
・インターポーザ20-2の2つの第2導体パッド23-2の最大外側端間距離D23-2が絶 縁基板21の長さL21と略同じになるように、各第2導体パッド23-2の長さL23 -2をコンデンサ10の各外部電極12の側面部12aの長さL12aよりも僅かに長く した点
にある。因みに、各第1導体パッド22-2の幅W22-2は図6(A)に示した幅W22と同じであり、各第2導体パッド23-2の幅W23-2は図6(B)に示した幅W23と同じである。
【0054】
図12に示したインターポーザ付きコンデンサを作製するときには、インターポーザ20-2の各第1導体パッド22-2の表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布したクリームハンダに各外部電極12の1つの略矩形状側面(下面)が接するようにコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20-2の各第1導体パッド22-2に接合する。
【0055】
インターポーザ20-2の各導体ビア24は各第1導体パッド22-2の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24は各々の内側に貫通孔24aを有しているため、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-2の表面側(上面側)に取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22-2の表面側(上面側)にハンダSOLが僅かに充填され、且つ、各貫通孔24aにおける第2導体パッド23-2の表面側(下面側)にハンダSOLが充填されていない空隙GAが形成される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-2の表面側(上面側)に取り込むことができるので、該クリームハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止できる。
【0056】
作製後の各導体ビア24の貫通孔24aに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各貫通孔24aの全体積に対して概ね3〜50%の範囲内に収まる。そのため、各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合は概ね50〜97%の範囲内となる。
【0057】
一方、図12に示したインターポーザ付きコンデンサを基板30に実装するときには、基板本体31の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド23-2の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド23-2をハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32に接合する(図14を参照)。因みに、基板30の各導体パッド32は、各第2導体パッド23-2の下面よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0058】
インターポーザ付きコンデンサのインターポーザ20-2の各導体ビア24は各第2導体パッド23-2の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第2導体パッド23-2の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在しているため(図12を参照)、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aの空隙GAに取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aの空隙GAに取り込むことができるので、該クリームハンダがインターポーザ20-2の長さ方向端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがインターポーザ20-2の長さ方向端面を経由してコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止でき、これにより図3に示したようなフィレットSOLaが形成されることを極力回避できる。
【0059】
図14には各貫通孔24aの空隙GA(図12を参照)の全てを埋めるようハンダSOLが充填されているものを示してあるが、作製後の各導体ビア24の空隙GAに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各空隙GAの全体積に対して概ね3〜100%の範囲内に収まる。そのため、100%の場合には図14に示したように各貫通孔24aの空隙GAの全てを埋めるようハンダSOLが充填され、この場合には各貫通孔24に略密に充填されたハンダSOLによって基板30に対するインターポーザ付きコンデンサの接合強度を高められるといった恩恵が得られる。また、100%に満たない場合には各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填されていない空間が残存するが、この場合でもコンデンサ10の各外部電極12と基板30の各導体パッド32との電気的な接続はインターポーザ20-2の各第1導体パッド22-2、各導体ビア24及び各第2導体パッド23-2を通じて的確に行える。
【0060】
つまり、図12に示したインターポーザ付きコンデンサでも、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
に行える。
【0061】
[第4実施形態(図15図17)]
図15は本発明の第4実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図、図16(A)は図15に示したインターポーザの上面図、図16(B)は図15に示したインターポーザの下面図、図17図15に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
【0062】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図15及び図16における左右方向寸法を長さと言い、図16における上下方向寸法を幅と言い、図15における上下方向寸法を高さと言う。
【0063】
図15に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ10とインターポーザ20-3と両者を接合するハンダSOLとから成る。このインターポーザ付きコンデンサが図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサ(第1実施形態)と構成を異にするとことは、図16に示したように、
・インターポーザ20-3の各導体ビア24を外側にずらして、各第1導体パッド22-3か ら略半円形の張り出し部22a(図6(A)を参照)を除外すると共に各第2導体パッ ド23-3から略半円形の張り出し部23a(図6(B)を参照)を除外した点
にある。因みに、各第1導体パッド22-3の長さL22-3及び幅W22-3は図6(A)に示した長さL22及び幅W22と同じであり、2つの第1導体パッド22-3の最大外側端間距離D22-3は図6(A)に示した最大外側端間距離D22と同じであり、各第2導体パッド23-3の長さL23-3及び幅W23-3は図6(B)に示した長さL23及び幅W23と同じであり、2つの第2導体パッド23-3の最大外側端間距離D23-3は図6(B)に示した最大外側端間距離D23と同じである。
【0064】
図15に示したインターポーザ付きコンデンサを作製するときには、インターポーザ20-3の各第1導体パッド22-3の表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各外部電極12の1つの略矩形状側面(下面)が接するようにコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20-3の各第1導体パッド22-3に接合する。
【0065】
インターポーザ20-3の各導体ビア24は各第1導体パッド22-3の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24は各々の内側に貫通孔24aを有しているため、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-3の表面側(上面側)に取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22-3の表面側(上面側)にハンダSOLが僅かに充填され、且つ、各貫通孔24aにおける第2導体パッド23-3の表面側(下面側)にハンダSOLが充填されていない空隙GAが形成される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-3の表面側(上面側)に取り込むことができるので、該クリームハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止できる。
【0066】
作製後の各導体ビア24の貫通孔24aに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各貫通孔24aの全体積に対して概ね3〜50%の範囲内に収まる。そのため、各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合は概ね50〜97%の範囲内となる。
【0067】
一方、図15に示したインターポーザ付きコンデンサを基板30に実装するときには、基板本体31の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド23-3の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド23-3をハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32に接合する(図17を参照)。因みに、基板30の各導体パッド32は、各第2導体パッド23-3の下面よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0068】
インターポーザ付きコンデンサのインターポーザ20-3の各導体ビア24は各第2導体パッド23-3の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第2導体パッド23-3の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在しているため(図15を参照)、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aの空隙GAに取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aの空隙GAに取り込むことができるので、該クリームハンダがインターポーザ20-3の長さ方向端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがインターポーザ20-3の長さ方向端面を経由してコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止でき、これにより図3に示したようなフィレットSOLaが形成されることを極力回避できる。
【0069】
図17には各貫通孔24aの空隙GA(図15を参照)の全てを埋めるようハンダSOLが充填されているものを示してあるが、作製後の各導体ビア24の空隙GAに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各空隙GAの全体積に対して概ね3〜100%の範囲内に収まる。そのため、100%の場合には図17に示したように各貫通孔24aの空隙GAの全てを埋めるようハンダSOLが充填され、この場合には各貫通孔24に略密に充填されたハンダSOLによって基板30に対するインターポーザ付きコンデンサの接合強度を高められるといった恩恵が得られる。また、100%に満たない場合には各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填されていない空間が残存するが、この場合でもコンデンサ10の各外部電極12と基板30の各導体パッド32との電気的な接続はインターポーザ20-3の各第1導体パッド22-3、各導体ビア24及び各第2導体パッド23-3を通じて的確に行える。
【0070】
つまり、図15に示したインターポーザ付きコンデンサでも、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0071】
[第5実施形態(図18図20)]
図18は本発明の第5実施形態であるインターポーザ付き積層セラミックコンデンサの縦断面図、図19(A)は図18に示したインターポーザの上面図、図19(B)は図18に示したインターポーザの下面図、図20図18に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサを基板に実装した状態を示す縦断面図である。
【0072】
尚、本欄の説明では、記述の便宜上、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサを単にインターポーザ付きコンデンサと言い、積層セラミックコンデンサを単にコンデンサと言う。また、図18及び図19における左右方向寸法を長さと言い、図19における上下方向寸法を幅と言い、図18における上下方向寸法を高さと言う。
【0073】
図18に示したインターポーザ付きコンデンサは、コンデンサ10とインターポーザ20-4と両者を接合するハンダSOLとから成る。このインターポーザ付きコンデンサが図4及び図5に示したインターポーザ付きコンデンサ(第1実施形態)と構成を異にするとことは、図19に示したように、
・インターポーザ20-4の各第1導体パッド22-4の長さL22-4と各第2導体パッド2 3-4の長さL23-4を長くして、各第1導体パッド22-4から略半円形の張り出し部2 2a(図6(A)を参照)を除外すると共に各第2導体パッド23-4から略半円形の張 り出し部23a(図6(B)を参照)を除外した点
にある。因みに、各第1導体パッド22-4の幅W22-4は図6(A)に示した幅W22と同じであり、2つの第1導体パッド22-4の最大外側端間距離D22-4は図6(A)に示した最大外側端間距離D22と同じであり、各第2導体パッド23-4の幅W23-4は図6(B)に示した幅W23と同じであり、2つの第2導体パッド23-4の最大外側端間距離D23-4は図6(B)に示した最大外側端間距離D23と同じである。
【0074】
図18に示したインターポーザ付きコンデンサを作製するときには、インターポーザ20-4の各第1導体パッド22-4の表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各外部電極12の1つの略矩形状側面(下面)が接するようにコンデンサ10を搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各外部電極12をハンダSOLを介してインターポーザ20-4の各第1導体パッド22-4に接合する。
【0075】
インターポーザ20-4の各導体ビア24は各第1導体パッド22-4の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24は各々の内側に貫通孔24aを有しているため、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-4の表面側(上面側)に取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aにおける各第1導体パッド22-4の表面側(上面側)にハンダSOLが僅かに充填され、且つ、各貫通孔24aにおける第2導体パッド23-4の表面側(下面側)にハンダSOLが充填されていない空隙GAが形成される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aにおける第1導体パッド22-4の表面側(上面側)に取り込むことができるので、該クリームハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止できる。
【0076】
作製後の各導体ビア24の貫通孔24aに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各貫通孔24aの全体積に対して概ね3〜50%の範囲内に収まる。そのため、各貫通孔24aの全体積に対して空隙GAが占める割合は概ね50〜97%の範囲内となる。
【0077】
一方、図18に示したインターポーザ付きコンデンサを基板30に実装するときには、基板本体31の表面(上面)に設けられた2つの導体パッド32それぞれの表面(上面)にクリームハンダを塗布し、塗布されたクリームハンダに各第2導体パッド23-4の表面(下面)が接するようにインターポーザ付きコンデンサを搭載した後、リフローハンダ付け法等の熱処理によってクリームハンダを一旦溶融してから硬化させ、各第2導体パッド23-4をハンダSOLを介して基板30の各導体パッド32に接合する(図20を参照)。因みに、基板30の各導体パッド32は、各第2導体パッド23-4の下面よりも僅かに大きな略矩形状輪郭を有している。
【0078】
インターポーザ付きコンデンサのインターポーザ20-4の各導体ビア24は各第2導体パッド23-4の外縁の内側に位置しており、しかも、各導体ビア24の貫通孔24aにおける各第2導体パッド23-4の表面側(下面側)にはハンダSOLが充填されていない空隙GAが存在しているため(図18を参照)、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部が各貫通孔24aの空隙GAに取り込まれ、これにより作製後は各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填される。要するに、前記搭載時にはクリームハンダの余剰分の少なくとも一部を各貫通孔24aの空隙GAに取り込むことができるので、該クリームハンダがインターポーザ20-4の長さ方向端面側にはみ出る量を低減して、溶融ハンダがインターポーザ20-4の長さ方向端面を経由してコンデンサ10の各外部電極12の端面に濡れ上がることを極力防止でき、これにより図3に示したようなフィレットSOLaが形成されることを極力回避できる。
【0079】
図20には各貫通孔24aの空隙GA(図18を参照)の全てを埋めるようハンダSOLが充填されているものを示してあるが、作製後の各導体ビア24の空隙GAに対するハンダSOLの充填量は、該各貫通孔24aの口径やクリームハンダの塗布量等によって変化するものの、各空隙GAの全体積に対して概ね3〜100%の範囲内に収まる。そのため、100%の場合には図20に示したように各貫通孔24aの空隙GAの全てを埋めるようハンダSOLが充填され、この場合には各貫通孔24に略密に充填されたハンダSOLによって基板30に対するインターポーザ付きコンデンサの接合強度を高められるといった恩恵が得られる。また、100%に満たない場合には各貫通孔24aの空隙GAにハンダSOLが充填されていない空間が残存するが、この場合でもコンデンサ10の各外部電極12と基板30の各導体パッド32との電気的な接続はインターポーザ20-4の各第1導体パッド22-4、各導体ビア24及び各第2導体パッド23-4を通じて的確に行える。
【0080】
つまり、図18に示したインターポーザ付きコンデンサでも、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0081】
[他の実施形態]
(1)前記の[第1実施形態(図4図8)]、[第2実施形態(図9図11)]、[第3実施形態(図12図14)]、[第4実施形態(図15図17)]及び[第5実施形態(図18図20)]では、コンデンサ10として長さ>幅=高さの基準寸法を有するものを示したが、長さ>幅>高さの基準寸法を有するコンデンサを代わりに用いても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0082】
(2)前記の[第1実施形態(図4図8)]、[第2実施形態(図9図11)]、[第3実施形態(図12図14)]、[第4実施形態(図15図17)]及び[第5実施形態(図18図20)]では、インターポーザ20及び20-1〜20-4の各第1導体パッド22及び22-1〜22-4の幅W22及びW22-1〜W22-4、並びに、各第2導体パッド23及び23-2〜23-4の幅W23及びW23-2〜W23-4としてコンデンサ10の各外部電極12の幅W12と略同じものを示したが、各幅W22及びW22-1〜W22-4と各幅W23及びW23-2〜W23-4をコンデンサ10の各外部電極12の幅W12よりも広くしても、例えば各幅W22及びW22-1〜W22-4と各幅W23及びW23-2〜W23-4を絶縁基板21の幅W21と略同じにしても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0083】
(3)前記の[第1実施形態(図4図8)]、[第2実施形態(図9図11)]、[第3実施形態(図12図14)]、[第4実施形態(図15図17)]及び[第5実施形態(図18図20)]では、インターポーザ20及び20-1〜20-4の各第1導体パッド22及び22-1〜22-4と各第2導体パッド23及び23-2〜23-4を1つの導体ビア24を用いて接続したものを示したが、絶縁基板21にその厚さ方向を貫通するように2つ以上の導体ビア24を設けて、各第1導体パッド22及び22-1〜22-4と各第2導体パッド23及び23-2〜23-4を2つ以上の導体ビア24を用いて接続しても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。また、導体ビア24として略円筒状を成しその内側に略円柱状の貫通孔24aを有するものを示したが、導体ビア24の横断面形を楕円や多角形等の非円筒状としても、貫通孔24aの横断面形を楕円や多角形等の非円柱状としても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0084】
(4)前記の[第1実施形態(図4図8)]、[第2実施形態(図9図11)]、[第3実施形態(図12図14)]、[第4実施形態(図15図17)]及び[第5実施形態(図18図20)]では、インターポーザ20及び20-1〜20-4における各導体ビア24を該各導体ビア24の中心が各第1導体パッド22及び22-1〜22-4の長さ方向中央、並びに、各第2導体パッド23及び23-2〜23-4の長さ方向中央よりも絶縁基板21の長さ方向中央に近づくように配置したものを示したが、各導体ビア24が各第1導体パッド22及び22-1〜22-4の外縁と各第2導体パッド23及び23-2〜23-4の外縁の内側に設けられていれば、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0085】
例えば、図21(A)に例示したインターポーザ20-5のように、前記[第1実施形態(図4図8)]で説明したインターポーザ20における各導体ビア24を該各導体ビア24の中心が各第1導体パッド22及び22-1〜22-4の長さ方向中央、並びに、各第2導体パッド23及び23-2〜23-4の長さ方向中央よりも絶縁基板21の長さ方向外側に近づくように配置しても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。また、図21(B)に例示したインターポーザ20-6のように、前記[第1実施形態(図4図8)]で説明したインターポーザ20における各導体ビア24を絶縁基板21の長さ方向中央に極力近づくように配置して、該各導体ビア24がコンデンサ10の各外部電極12aと向き合わないようにしても、前記[第1実施形態(図4図8)]で述べた効果と略同じ効果を得ることができる。
【0086】
以下、インターポーザ20及び20-1〜20-6における各導体ビア24の位置について補足する。先に述べたように、誘電体チップ11に電歪現象を生じたときにコンデンサ10から基板30に伝達される応力は両者の間に介在するインターポーザ20及び20-1〜20-6によって緩和できる。この緩和作用を生じる要因には「伝達距離に基づく減衰」や「伸縮等の変形に基づく減衰」等が挙げられるが、このうちの「伸縮等の変形に基づく減衰」を効果的に発揮させるには、各導体ビア24を絶縁基板21の長さ方向中央に近づくように配置した方が好ましいと言える。
【0087】
詳しく述べれば、各導体ビア24が絶縁基板21の長さ方向外側寄りに配置されている場合、例えば図21(A)に示したインターポーザ20-5の場合には、前記「伸縮等の変形に基づく減衰」が該各導体ビア24によって抑制されることもあり得る。これに対し、各導体ビア24が絶縁基板21の長さ方向中央寄りに配置されている場合、例えば図5図9図12図15図18及び図21(B)に示したインターポーザ20、20-1〜20-4及び20-6の場合、特に図21(B)に示したインターポーザ20-6の場合には、インターポーザ20、20-1〜20-4及び20-6においてコンデンサ10の各外部電極12が向き合う部分に前記「伸縮等の変形に基づく減衰」を効果的に発揮させて、コンデンサ10から基板30に伝達される応力をより一層的確に緩和し、これにより電歪現象に伴う音鳴き抑制に貢献できる。
【符号の説明】
【0088】
10…積層セラミックコンデンサ、11…誘電体チップ、11a…内部電極層、12…外部電極、12a…外部電極の側面部、20,20-1〜20-6…インターポーザ、22,22-1〜22-4…第1導体パッド、23,23-2〜23-4…第2導体パッド、24…導体ビア、24a…貫通孔、SOL…ハンダ、GA…空隙。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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