特許第6014588号(P6014588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014588
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】液体混合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/26 20060101AFI20161011BHJP
   G01N 30/34 20060101ALI20161011BHJP
   B01D 15/16 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   G01N30/26 E
   G01N30/26 A
   G01N30/34 E
   B01D15/16
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-516523(P2013-516523)
(86)(22)【出願日】2011年5月5日
(65)【公表番号】特表2013-529781(P2013-529781A)
(43)【公表日】2013年7月22日
(86)【国際出願番号】SE2011050563
(87)【国際公開番号】WO2011162666
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2014年5月1日
(31)【優先権主張番号】1050668-1
(32)【優先日】2010年6月23日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ,キャタリン
(72)【発明者】
【氏名】ベルグ,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ブランク,トービヨン
(72)【発明者】
【氏名】キャレダノ,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】エクストロム,カール
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,トーマス・エム
(72)【発明者】
【氏名】リンガ,ヤン−エリック
(72)【発明者】
【氏名】ノードボルグ,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゴ,グスタフ
(72)【発明者】
【氏名】サンドグレン,ヘンリック
【審査官】 渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−506968(JP,A)
【文献】 米国特許第06224778(US,B1)
【文献】 特開2006−119945(JP,A)
【文献】 特表2004−530221(JP,A)
【文献】 特表2007−525501(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/083104(WO,A1)
【文献】 特表2007−500852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 − 30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の性質の所定値及び第2の性質の所定値を含む所定の特性を有する混合液体流を製造する方法であって、
a)各々が第1の性質の異なる第1の値を有する1種以上の液体流の第1の組を用意する工程と、
b)各々が第1の性質の異なる第2の値を有する1種以上の液体流の第2の組を用意する工程と、
c)溶媒の1種以上の液体流の第3の組を用意する工程と、
d)所定の特性を有する混合液体流を得るための第1の組、第2の組及び第3の組の液体流の混合比に関する処方を用意する工程と、
e)上記処方に従って、用意された液体流を合わせる工程と、
f)上記処方に従うフローフィードバックにより液体流を制御する工程と、
g)得られた混合液体流の性質を測定しながら混合液体流の第1の性質及び第2の性質がそれぞれの所定値に調節されるように第1及び第2の組の液体流の少なくとも一方並びに第3の組の1種以上の液体流を変化させることにより、異なる液体流を微調節する工程と
を含んでおり、第1及び第2の性質がpH及び導電率から選択される、方法。
【請求項2】
混合液体流が緩衝剤であって、第1の組の各液体流が1種以上の塩基性緩衝成分を含有し、かつ第2の組の液体流の各液体流が1種以上の酸性緩衝成分を含有している、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第1の性質がpHであり、第2の性質が導電率であって、請求項1の工程e)において、第1及び第2の組の液体流の少なくとも一方を変化させてpH及び導電率をそれらの所定値に調節する、請求項記載の方法。
【請求項4】
混合液体流の所定の特性が少なくとも第3の性質の所定値を含み、前記方法が、各々が1種以上の添加剤を含有する第4の組の液体流を用意し、第4の組の液体流を第1、第2及び第3の組の液体流と合わせ、第4の組の1種以上の液体流を調整して少なくとも第3の性質をその所定値に調節する、請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
第1の性質がpHであり、第2の性質が導電率であり、第3の性質が添加剤濃度、導電率及び吸光度から選択される、請求項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体混合物の調製に関し、より具体的には既定の特性を有する緩衝剤流のような混合液体流の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業プロセスでは、組成及び/又はpH、イオン強度、粘度、密度等のような他の特性が正確に知られている液体を得ることが重要である。さらに、液体の組成が各瞬間に正確に知られ制御されるべきであるだけでなく、正確で制御された様式で経時的に変化するべきでもあることが稀ではない。
【0003】
かかる液体を得るには、通常、2種以上の液体を互いに混合又はブレンドする。この際、通例混合システム、通常は現場混合システムを使用するが、このシステムではアイソクラチック(均一濃度)及び勾配のある(段階的勾配及び直線勾配)両方の混合様式が提供され得る。
【0004】
液体の組成が最も重要である1つの応用は、特定のpH及び場合によっては特定のイオン強度も有する緩衝剤を利用する液体クロマトグラフィーの分野であり、溶離液のpHとイオン強度はイオン交換樹脂のようなクロマトグラフィーでのタンパク質分離の選択性を制御する最も重要な2つのパラメーターである。もう1つ別のかかる応用はろ過である。
【0005】
所望の液体組成物のオンライン送出のための混合システムは通例2つの異なる手法に基づいている。すなわち、(i)測定された液体パラメーターのセンサーフィードバック制御を使用して、所望の組成を与える液体成分の割合を設定するか、又は、(ii)所望の液体組成を得るための液体成分の混合比に対するレシピ又は処方を見積もり、その後それぞれの流量のフィードバックによって制御することによりこれらの割合を維持するというフローフィードバック制御である。
【0006】
最初に述べた手法の一例は米国特許出願公開第2008/0279038号に開示されており、連続操作モードを用いて3つの液体、すなわち供給液体並びに第1及び第2の調節液体をブレンドするための混合システムが記載されている。供給液体は例えば水であり、調節液体はそれぞれ濃厚塩溶液とアルコールであり得る。これらの液体は再循環ループ内で混合される。再循環された溶液の導電率が、系のバルブとポンプを制御するシステム制御装置と連通する導電率センサーによって検知される。近赤外(NIR)センサーがアルコール濃度を検出する。目標の導電率とアルコール濃度レベルが達成されたら、ループの出力がプロセスに送られる。濃厚塩溶液及びアルコールの添加速度は導電率センサーとNIRセンサーからのフィードバック制御に基づき続ける。
【0007】
液体をブレンドするための異なる手法は、通例適当なアルゴリズムを用いて既定の特性を有する所望の液体混合物を得るために液体をブレンドする正確な相対的成分割合又は比を決定し、次に計量システムによりいろいろな液体を所定の比で供給することによって液体混合物流れを生成させることである。
【0008】
「液体パラメーター制御」ではなく「フローフィードバック制御」を利用する上述の第2の手法の一例が米国特許第6221250号に開示されており、そこでは液体クロマトグラフィーのための装置が、1種以上の緩衝剤化学種、酸又は塩基、場合により塩、及び溶媒の溶離液をクロマトグラフィー分離デバイス中に供給することができるオンライン計量デバイスを含んでいる。この計量デバイスは、Debye−Hueckel式の近似を使用することにより、所与の塩濃度における選択されたpHの溶離液を得るのに必要とされる成分の相対的割合を計算する。これは、液体混合物におけるpHとイオン強度の相互関係を考慮するようにいろいろな成分を同時に変化させる反復手順によって達成される。
【0009】
より高濃度の緩衝剤及び/又は塩の使用を可能にするこの方法の開発が国際公開第2009/131524号に開示されている。ここでは、Debye−Hueckelの式を用いて相対的成分割合を制御するミキサー制御装置が提供され、Debye−Hueckel式中のイオンサイズαは液体混合物のイオン強度に寄与する全ての化学種の重み付き平均イオンサイズとして決定され、各々の化学種のイオン強度が重み付けパラメーターとして使用される。好ましくはコンピューターで実行されるこの改良された方法においては、最初に正確な組成を計算し、次に液体混合物、通例緩衝剤を単一の工程で調製する。一実施形態では、緩衝剤の定義はインラインで連続的に得られる。
【0010】
しかしながら、成分割合の計算に基づく上述の方法の欠点は、使用のときに原液の正確な濃度及び/又はその他の特性を知らなければならないということである。この欠陥は、少なくとも2種の異なる成分原液を互いに混合する国際出願公開第WO2011/037530号に開示されている方法によって治癒される。この方法は、各々の原液の流れの中で、その原液に対する選択された特性値に関連する少なくとも1つの特性を別々に検知することにより1以上の原液に対する選択された特性値を決定し、この決定された1以上の特性値に基づいて、所望の混合液体流を与える混合比で原液流を混合する工程を含んでいる。
【0011】
本発明の目的は、検知された液体パラメーターを介するフィードバック制御に基づく最初に述べた手法に従って、場合によりフロー計量フィードバック制御に基づく第2の方法の手法と一緒に使用し得、またコンピューターで実行されるように都合よく自動化され得る、既定の特性を有する緩衝剤のような液体混合物流を調製するための、代わりの、そして幾つかの点では改良された方法を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6221250号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的及びその他の目的並びに利点は、少なくとも3種の異なる液体流を混合することにより、所望の特性を有する混合液体流、通例緩衝剤流を用意するという、本発明の液体混合方法により達成され、ここで2種(以上)の液体は、ある所望の特性の異なる値を有し、その割合はその所望の特性を得るように変化させる。例えば、所定の緩衝剤濃度及びpHを有し、並びに場合により導電率及び/又は塩濃度も有する、又はpH及び導電率を有する緩衝剤流が、緩衝成分、溶媒(通例水)、及び場合により塩の流れを混合することにより得られる。
【0014】
例えば、所望のpH及び緩衝剤濃度を有する緩衝剤流を調製する際の本方法の基本的な特徴は、最初に、初期の予め選択された相互割合の塩基性及び酸性緩衝成分流(通例それぞれの原液濃度)を用いて所望の緩衝剤濃度を有する緩衝剤流を調製し、次に、緩衝成分流を変化させることにより、好ましくは同時に他の1以上の液体流を変化させて緩衝剤濃度を一定に維持することにより、pHを所望のpH値に調節することにある。
【0015】
しかしながら、本発明の方法は、緩衝剤流を調製することに限定されることはなく、様々な他の混合液体流も調製し得る。同様に、所定の1以上の特性はpH及び緩衝剤濃度に限定されない。
【0016】
従って、最も広い態様では、本発明は、以下の工程を含む、第1の性質の所定の値及び第2の性質の所定の値を含む所定の特性を有する混合液体流を調製する方法を提供する。
a)各々が第1の性質の異なる第1の値を有する第1の組の少なくとも1つの液体流を用意し、
b)各々が第1の性質の異なる第2の値を有する第2の組の少なくとも1つの液体流を用意し、
c)第3の組の少なくとも1つの溶媒の液体流を用意し、
d)用意された液体流を合わせ、
e)第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つ並びに第3の組の少なくとも1つの液体流を変化させて、得られる混合液体流における第1の性質及び第2の性質をそれらのそれぞれの所定の値に調節する。
【0017】
上記工程e)において、第1及び第2の組の液体流は逐次又は同時に変化させ得る。
【0018】
第1及び第2の性質は通例pH、導電率、濃度及び吸光度から選択される。
【0019】
第1及び第2の組の液体流の第1の性質は一般に、その性質をもたない液体を除いて液体の真の性質である、すなわちその特性値がゼロではない。
【0020】
本方法の好ましい実施形態では、混合液体流の一定の流量は第3の組の少なくとも1つの液体流の変化によって維持される。
【0021】
溶媒は通例水性液体、好ましくは水であるが、1種以上の有機液体のような別の液体であってもよい。
【0022】
混合液体流は通例緩衝剤流である。この場合、第1の組の各液体流が少なくとも1つの塩基性緩衝成分を含有し、第2の組の液体流の各液体流が少なくとも1つの酸性緩衝成分を含有するか、又はこの逆である。場合により、少なくとも1つの塩基性緩衝成分が強塩基により代えられるか、又は少なくとも1つの酸性緩衝成分が強酸により代えられる。
【0023】
用語緩衝成分は、緩衝する性質を有するあらゆる物質を含めて広い意味で解釈される。液体流は、例えば、緩衝剤混合物を調製するために1つより多くの緩衝成分を含有し得る。当然、緩衝剤混合物も、各々が単一の緩衝成分を含有する2つ以上の液体流を混合することにより調製され得る。
【0024】
緩衝剤流を調製するための本方法の1つの変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度である。このとき、上記方法の工程e)は、第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させてpHをその所定値に調節することを含む。
【0025】
別の変形において、第1の性質はpH以外の性質、通例導電率又は吸光度であり、第2の性質は緩衝剤濃度である。このとき、方法の工程e)は第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させて第1の性質をその所定値に調節することを含む。
【0026】
さらにもう1つ別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度及びpH以外の性質、通例導電率又は吸光度である。このとき、方法の工程e)は第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させてpH及び第2の性質をそれらの所定値に調節することを含む。
【0027】
pHの測定は通例pH計又はセンサーで行われるが、pHはまた間接法によっても決定され得る。代表的なかかる間接法は、2010年12月17日に出願されたスウェーデン特許出願第1051344−8号(その開示内容は援用により本明細書の一部をなす)に記載されているように導電率を測定することを含む。
【0028】
この文献には、弱電解液の各荷電種の平衡濃度を含めて溶液中に存在するいろいろなイオンの正確な濃度を解明し、各荷電種のモル導電率を測定し、対応する導電率を計算し、個々の導電率を全て合計して液体混合物の総導電率を得ることによる緩衝剤のような液体溶液の導電率の予測が記載されている。しかしながら、この記載された導電率予測工程は、溶液の測定された導電率からpHを間接的に決定するのにも使用し得る。pHを測定するための対応するデバイスは、導電率センサーと、測定された導電率から導電率予測工程を逆の計算モードで使用してpHを計算するための手段とを含む。
【0029】
混合液体流の緩衝剤濃度の測定は、導電率を測定するか又は分光法、好ましくは(限定されることはないが)UV若しくはNIR分光法で吸光度を測定することによって行い得る。
【0030】
変形法において、混合液体流の緩衝剤濃度は、緩衝成分(強酸又は塩基を含む)を含有する液体流の流量を測定し、それぞれの液体流の既知(原液)濃度から緩衝剤濃度を計算することによって決定される。
【0031】
別の変形において、緩衝剤濃度の決定は、第1及び第2の組の各液体流について導電率を測定するか又は分光法、好ましくは(限定されることはないが)UV若しくはNIR分光法により吸光度を測定し、いろいろな液体流に対する測定値から混合液体流の緩衝剤濃度を決定することを含む。
【0032】
上記本発明の方法において、第1の組の液体流と第2の組の液体流は、第3の組の液体流と合わせる前に合わせるのが好ましい。
【0033】
しかしながら、混合液体流の所望の特性は上述の第1及び第2の性質に加えて1以上のさらなる所望の性質を包含し得、及び/又は、本方法は第4の、及び場合によってはそれ以上の組の液体流の供給を含み得る。
【0034】
この場合、本方法は、各々が少なくとも1つの添加剤を含有する第4の組の液体流を用意し、第4の組の液体流を第1、第2及び第3の組の液体流と合わせ、第4の液体流又は第4の組の流れを調整して少なくとも第3の性質をその1以上の所定値に調節することを含み得る。
【0035】
典型的な添加剤は非緩衝性の塩であるが、場合により洗浄剤のような他の添加剤も用意し得る。
【0036】
第4の液体流を含む本方法の1つの変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度であり、第3の性質は添加剤濃度、好ましくは塩濃度である。
【0037】
別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度であり、第3の性質は導電率又は吸光度である。
【0038】
さらにもう1つ別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は導電率であり、第3の性質は添加剤濃度、導電率及び吸光度から選択される。
【0039】
好ましくは、第1及び第2の組の液体流並びに第3の組の液体流は、第4の組の液体流と合わせる前に合わせる。
【0040】
混合液体流のいろいろな所定の特性値を測定及び/又は計算し得る。
【0041】
通例、混合液体流の性質を測定する。
【0042】
本発明の方法を実施する変形は、所定の特性を有する混合液体流を得るための一組のいろいろな液体流の処方を提供し、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0043】
別の変形方法は、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてその性質をそれらの所定値に調節し、必要とされる液体流を決定し、次いでフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0044】
さらに別の変形方法は、所定の特性を有する混合液体流を得るための一組のいろいろな液体流の処方を提供し、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御し、次に、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてそれぞれの性質をそれらの所定値に調節することによりいろいろな液体流を微調節することを含む。
【0045】
さらにもう1つ別の変形方法は、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてそれぞれの性質をそれらの所定値に調節し、所定の特性を有する混合液体流を得るための液体流の処方を決定し(例えばいわゆるアナロジーマシンを使用することにより)、次いで、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0046】
いろいろな液体流は通例ポンプ及び/又はバルブを用いて制御される。
【0047】
本発明の方法において、第1の組の測定された性質は所定の特性を有する混合液体流を得るために使用され得、一方第2の組の測定された性質は検証のために使用され得る。
【0048】
本方法の変形において、混合液体流の性質は代わりの性質を測定することにより決定され得る。最初に、その性質及び代わりの性質の一方の測定からのフィードバックにより液体流をその性質の設定点に変化させる。次に、性質及び代わりの性質の他方の測定からのフィードバックにより液体流を設定点に変化させる。一般に、当該性質及び代わりの性質のうち最も速いフィードバックを与える方を最初に使用して迅速に設定点に到達し、次に他方の(より正確な)性質を設定点への微調節のために使用する。
【0049】
本方法は、さらに、第1、第2、第3及び第4の液体流の1つ以上の特性を測定して混合液体流の所望の特性を確実にするのを補助することを含み得る。
【0050】
好ましくは、混合液体流の少なくとも幾つかの所定の特性に対して警報限界を設けて、正しい混合された液体のみが系を出て行くことを可能にする。
【0051】
しかしながら、上述したように、本発明は緩衝剤流の調製に限定されることはなく、他の型の液体混合物又はブレンドも本方法によって調製し得る。一例として、例えば所定の脂肪性を有する様々なタイプのアルコール混合物を調製し得る。その際、上述の第1の組の液体流は第1の脂肪性特性値を有する第1のアルコールからなり得、上述の第2の組の液体流は第2の脂肪性特性値を有するアルコールからなり得、これら2種のアルコールを適正な割合で混合すると所望の脂肪性値のアルコール混合物が得られる。
【0052】
本発明の特定の実施形態では、以下の工程を含む、所定の緩衝剤濃度及び所定のpHを有する緩衝剤流を調製する方法が提供される。
a)原液濃度の塩基性緩衝成分の第1の液体流を用意し、
b)原液濃度の酸性緩衝成分の第2の液体流を用意し、
c)水性液体の第3の液体流を用意し、
d)所定の緩衝剤濃度を有する混合液体流を用意するように選択された割合で液体流を合わせ、
e)第1及び第2の液体流の少なくとも1つを変化させて混合液体流のpHを前記所定のpHに調節しつつ、第3の液体流を変化させることにより所定の緩衝剤濃度を維持する。
【0053】
好ましくは、第1及び第2の液体流を変化させて混合液体流に対する緩衝剤の一定の送出速度を維持し、第3の液体流を変化させることにより混合液体流(すなわち総緩衝剤流)を一定に保つ。
【0054】
方法の上記実施形態の変形において、所望の緩衝剤流は所定の濃度の塩も有する。この場合、本方法は、さらに、方法の上記工程d)とe)の間に、原液濃度の塩を含有する第4の液体流を用意し、第4の液体流を第1、第2及び第3の流れと合わせて前記混合液体流を用意し、第4の液体流の割合を調整して混合液体流内に前記所定の塩濃度を得つつ、第3の液体流を変化させることにより混合液体流を一定に維持する工程を含む。
【0055】
本方法の上記実施形態の別の変形において、所望の緩衝剤流は塩を含み、所定の導電率を有する。この場合、本方法は、さらに、方法上記工程d)とe)の間に、原液濃度の塩を含有する第4の液体流を用意し、第4の液体流を第1、第2及び第3の液体流と合わせて前記混合液体流を用意し、第4の液体流の割合を調整して混合液体流の前記所定の導電率を得つつ、第3の液体流を変化させることにより混合液体流を一定に維持する工程を含む。
【0056】
本方法のさらにもう1つ別の変形において、所望の緩衝剤流は所定のpHを有するが、緩衝剤濃度ではなく所定の導電率を有する。この場合、本方法は、初期緩衝剤濃度を選択し、所定のpHと導電率が得られるように混合液体のpH並びに導電率を調節することを含む。このpHと導電率の調節は逐次(場合によっては繰り返し)又は同時に行い得る。
【0057】
具体的には、かかる変形は以下の工程を含む。
a)原液濃度の塩基性緩衝成分の第1の液体流を用意し、
b)原液濃度の酸性緩衝成分の第2の液体流を用意し、
c)水性流体の第3の液体流を用意し、
d)選択された初期緩衝剤濃度を有する混合液体流を用意するように選択された割合で液体流を合わせ、
e)第1及び第2の液体流の少なくとも1つを逐次又は同時に変化させて、混合液体流のpHを前記所定のpHに調節すると共に混合液体流の導電率を前記所定の導電率に調節する。
【0058】
本方法はコンピューターのような電子データ処理装置で実行されるソフトウェアによって都合よく実施し得る。かかるソフトウェアは、記録媒体、読み取り専用メモリー、又は電気若しくは光学ケーブルを介して若しくは無線若しくはその他の手段により伝送し得る電気若しくは光学信号を始めとする適切なコンピューター読み取り可能媒体によってコンピューターに提供し得る。
【0059】
従って、本発明の別の態様は、上述の変形方法のいずれか1つの方法ステップをコンピューターに実行させるための使用取扱説明書を含むコンピュータープログラム製品に関する。
【0060】
その他の好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0061】
本発明、並びにそのさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによってより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1図1は、本発明の方法に使用し得る液体混合システムの概略図である。
図2図2は、100mMクエン酸緩衝剤(pH3.5)の調製のための原液の混合中の、それぞれ全流量、pH、及び導電率の変化を示す一組のグラフである。
図3図3は、2つの異なる方策を用いた塩勾配の調製のための混合操作中のプロセスパラメーターの変化を示す2つの図解である。
図4図4は、それぞれ一定の緩衝剤濃度(上図)及びpH勾配(下図)を用いた混合操作中のプロセスパラメーターの変化を示す2つの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
上述したように、本発明は、所定の特性を有する混合液体流を作成するための改良された方法に関する。通例混合液体流は、例えば既定の緩衝剤濃度及びpHを有し、場合により導電率及び/又は塩濃度も有するか、又は既定のpH及び導電率を有する、殊にクロマトグラフィー及びろ過のような工業プロセスにおける緩衝剤のインライン送出のための緩衝剤液体流である。簡潔に述べると、かかる緩衝剤流を調製するために、例えば、最初に、初期の計算された割合の原液濃度の緩衝成分流及び水性流を使用して、既定の緩衝剤濃度を有する液体流を設定する。その後、必要であれば、別の流れにより塩を加え、既定の緩衝剤濃度は、水性流を調整して総緩衝剤流を一定に保つことにより維持する。最後に、相互の緩衝成分流の割合を調整しつつ、他の液体流又は流れを調整して既定の緩衝剤濃度を維持することにより、緩衝剤流のpHを既定のpHに調節する。
【0064】
フローフィードバック制御型の混合システムのようにいろいろな緩衝成分の混合比をユーザーが提供する代わりに、最終の比は系が定常状態に達したとき自動的に得られ、混合比は代わりに系から読み取ることができ、これにより必要とされる場合緩衝剤混合物を既定のpH、緩衝剤濃度及び導電率(又は塩濃度)にする。このようにして、混合物中に塩が使用されている場合でも、正確な緩衝剤濃度が得られる。
【0065】
より具体的には、以下に記載されるように、質量保存の法則の式を用いて、緩衝成分が減少した(又は一定に保たれている)とき、制御するpHセンサーからの信号に応じて他の緩衝成分の1つに対応する流れをどのくらい増大するべきか計算する。
【0066】
本方法は均一濃度及び勾配緩衝剤混合物を含めて緩衝剤液体流のような様々な目的の混合液体流の調製に広く応用可能であるが、以下の詳細な説明は、単なる例として、いかなる限定の意味もないが、主として、液体混合物のpH及び/又はイオン強度が特に重要である液体クロマトグラフィー及びろ過の分野に関する。本発明をさらに説明する前に、本発明で特に重要な3つのパラメーター、すなわちpH、導電率及び緩衝剤濃度についてまず一般的に述べる。
【0067】
pH及びpH制御
pH値は溶液の酸性の程度を表し、水素イオン(すなわちプロトン)の活量の負の対数として定義される。殆どの生物学的過程はpHの変化の影響を受けるが、その理由はpHが分子レベル及び分子の立体構造における相互作用に影響を及ぼすからである。同じ理由で、pHの変化は、例えばモノクローナル抗体のような生物医薬の生産においてクロマトグラフィープロセスを制御するのに使用することができる。一例として、pHはモノクローナル抗体とプロテインAクロマトグラフィー媒体との相互作用に関する重大なパラメーターである。
【0068】
pH制御の鍵は緩衝剤である。緩衝剤は水素イオンを受容又は供与することができる一種の分子である。たくさんのかかる分子を溶液に添加することによって、水素又はヒドロキシルイオンの量の関数としてpH変化の速度を効果的に低下させることによりpH制御を達成することができる。この「緩衝能」は緩衝剤濃度に比例する。また、2つの異なるプロトン化状態の緩衝剤分子を慎重に組み合わせることによってpHを制御することも可能である。巨視的な化学試薬は電気的に中性でなければならないので、緩衝剤として働くものは適当な量の対イオンの存在により強制的に異なるプロトン化状態をとらされることができる。これは、例えば、「弱酸」を対応する弱塩基と合わせることによって得ることができる。環境又は人の安全性の理由から、弱酸を強塩基(例えばNaOH)と、又は弱塩基を強酸(例えばHCl)と合わせるのが好ましい。
【0069】
緩衝剤物質に対して鍵となるパラメーターは、50%の緩衝剤分子が各々2つの異なるプロトン化状態にあるpH値であるそのpKa値である。リン酸塩及びクエン酸塩のような幾つかの緩衝剤物質は幾つかのpKa値を有する(多プロトン性緩衝剤)。ある物質のpKa値は、例えば緩衝剤溶液に塩を添加することにより導電率が増大すると劇的にシフトすることができる。いろいろな塩濃度におけるいろいろな緩衝剤系に対するかかるシフトの大きさに関する知識は正確なpH制御に使用することができる。
【0070】
導電率
緩衝剤物質は弱電解質であるので、濃度の関数として導電率を関連付けることができる簡単なモデルはない。緩衝剤の導電率に対する寄与は、いろいろなプロトン化過程に対応するいろいろな成分から生じる。異なる状態の正確な割合は平衡に依存し、従ってpH等と共に変化する。導電率に対する重要な寄与は強電解質、例えば殊により高い塩濃度でのNa+及びCl-イオンに由来する。導電率(又はイオン強度)は分子間の相互作用にも影響を及ぼすことができ、従って殊にイオン交換クロマトグラフィー又は疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いる生物医薬の生産に関するクロマトグラフィープロセスを制御するのに使用することができるので、導電率の制御は重要である。NaCl又はNa2SO4のような塩を添加することは、溶液の導電率を増大する費用効果的な方法である。導電率はまた、導電率と溶液の濃度との関係が些細でないとしても、溶液の濃度の良好な尺度である。例えば経験的に得られるこの関係の知識は、濃度又は原液が正確であるか否かを決定するのに使用することができる。
【0071】
緩衝剤濃度
緩衝剤濃度は、主に2つの主要な理由により重要である。主な理由は、緩衝能が緩衝剤濃度に比例する状況に関連している。緩衝剤組成に対する緩衝能の依存性を理解することは、精製中緩衝能が低過ぎる緩衝剤を使用するとプロセスの頑強性が低くなり収率が悪くなり得るので、最も重要である。特定の系の緩衝能はそれ自体が主に2つの要因に対して敏感である。緩衝剤物質のpKa値がそれらの内の1つであり、他方は緩衝剤濃度である。大雑把に言って、pHはpKa値の付近の対称的な間隔で安定である。しかしながら、良好な緩衝能を有する間隔の幅は緩衝剤濃度に依存性であり、緩衝剤濃度が高いほどその間隔が広くなるという関係がある。間隔の真の中心であるいわゆるpKa’値は殆ど常に、理想的な場合である無限希釈に内挿された表にまとめられたpKa値からシフトしている。良好な緩衝能の必要条件は通常下限を緩衝剤濃度に設定している。緩衝剤濃度に対する上限は通常溶液中の緩衝剤が多過ぎる場合の望ましくない効果によって設定される。これらの効果の1つは高過ぎる導電率であり得る。しかしながら、その他の場合、緩衝剤濃度の第2の用途又は重要さにつながる高い導電率が望ましいこともあり、すなわち幾つかの用途では緩衝性の塩を用いて非緩衝性の塩を使用することなく導電率を高いレベルに調節することが適当であり得る。
【0072】
ここで本発明に戻って、以下に、本発明に従ってpH及び導電率のフィードバック制御を用いる所望の緩衝剤流の調製について、本発明の方法に従って、例えばクロマトグラフィーに使用するための、既定の緩衝剤濃度、pH及び場合により導電率又は塩濃度を有する緩衝剤を調製するのに使用することができる混合システム又は装置の実施形態を図解形式で示す図1を参照して記載する。
【0073】
酸性緩衝成分B1の原液の流れが導管1を介して供給され、塩基性緩衝成分B2の原液流が導管2を介して供給される。導管1及び2は第1の接合点3で接続される。
【0074】
水(WFI−注射用の水)は導管4を介して供給され、必要とされる場合は塩溶液が導管5を介して供給される。導管4及び5は第2の接合点6で接続される。
【0075】
第1及び第2の接合点3及び6はそれぞれの導管8及び9を介して第3の接合点7で接続され、これは次に緩衝剤送出導管10に接続される。導管10はpHセンサー11及び導電率センサー12を備えている。
【0076】
破線13で示されている任意の1以上の導管を介して、1以上の添加剤、例えば、洗浄剤、有機溶媒(例えばDMSO)、等を添加し得る。
【0077】
図1の記号q1、q2、q3、q4及びqnは、それぞれ、B1、B2、塩溶液、WFI、及び添加剤(ある場合)の流量(例えばL/h)、或いは全流量のうちの割合(例えば%)を表す。
【0078】
系はさらに、ポンプ及び流量計(図には示してない)、並びに場合により1以上の追加のセンサーを含んでいる。
【0079】
上述したように、本発明の方法を実施するための図1に示した装置又は系は単なる例であって、変化し得ることに留意されたい。
【0080】
上に概説した系により、例えば、特定の緩衝剤濃度C及び特定の塩濃度を有する既定のpHの緩衝剤が、塩溶液(塩)並びに酸B1及び塩基B2溶液の原液があれば自動的に調製され得る。緩衝成分B1及びB2は対応する酸/塩基緩衝性物質対であり得るか、又はその一方が強酸又は塩基であり、他方が緩衝性物質であり得る。緩衝成分B1又はB2はまた2つ以上の成分の混合物であってもよい。
【0081】
この液体混合システムを使用して作製し得る代表的な緩衝剤として、二、三の例を挙げると、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、トリス及びビス−トリス緩衝剤、混合酢酸塩/リン酸塩緩衝剤、並びに混合酢酸塩/ギ酸塩/リン酸塩緩衝剤がある。例えば混合酢酸塩/ギ酸塩/リン酸塩緩衝剤を調製するには、酸性の成分B1は例えばHClであり得、塩基性成分B2は例えば酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム及びリン酸ナトリウムの混合物であり得る。
【0082】
また、全流量qTは既知で一定であると仮定されている。塩は緩衝剤でないとしても、イオン強度の変化は緩衝性物質のpKa値をシフトさせ得ることが考慮に入れられている。
【0083】
通例使用される非緩衝性の塩には、例えば、塩化ナトリウム及び塩化カルシウムがある。
【0084】
ここで、所望の緩衝剤の調製のための上に概説した系を使用する方策について、下記表1に記載するような、緩衝剤のユーザーにより望まれる規格に応じた4つの異なる仮定の設定又はケースに従って処理しなければならない最大3つの連続した工程(ステップ)を単なる例として使用して説明する。
【0085】
【表1】
この区分を使用して、この手順のステップは以下に従って定義される。
【0086】
以下、図1の導電率センサー12により測定される導電率の値は「Cond」とし、pHセンサー11により測定されるpHの値は「pH」として表す。
【0087】
ステップ1 全てのケース
B1及びB2に対する初期の割合(パーセント)を以下のように計算する。Cは緩衝剤濃度であり、q1〜q4はそれぞれB1、B2、塩、及びWFIの流量又はパーセントを表す。
【0088】
上の表1に示されているように、緩衝剤濃度Cはケース1、3及び4では規定されているが、ケース2は緩衝剤濃度に対する規定がない。従って後者のケースでは、ステップ1で適切な初期緩衝剤濃度、例えば50mMを選択する。
【0089】
B1=弱酸、B2=弱塩基の場合、
q1=(C*0.5)/(原液濃度B1)*100
q2=(C*0.5)/(原液濃度B2)*100
B1=強酸、B2=弱塩基の場合、
q1=0
q2=100*C/(原液濃度B2)
B1=弱酸、B2=強塩基の場合、
q1=100*C/(原液濃度B1)
q2=0
パーセント塩(q3)を0に、パーセントWFI(q4)をq4=100−q1−q2−q3(%の場合)、q4=qT−q1−q2−q3(流量の場合、以下ワークフロー中同じ)に設定する。ここで、qTは全流量である。この全流量要件は残りのプロセスで保たれる。
【0090】
添加剤の液体流(又は複数の流れ)qnが図1の導管13を介して添加される場合、各々のかかる添加剤流は塩と同じように処理される。
【0091】
上記のように計算された設定を使用することにより、緩衝剤濃度は既に初めから正確であり、例えば弱酸−弱塩基の場合各々の原液B1及びB2に由来する0.5Cであることが容易に分かる。
【0092】
しかしながら、上に示した設定は単なる代表例であり、変化し得る。好ましくは、B1/B2の割合は目的とする既定のpH値の付近のpHが提供されるように計算される。
【0093】
上記設定で系の作動を開始する。
【0094】
ステップ2 ケース1
q3を調節するために、導電率センサー12(図1)により検知される導電率を使用して開始する。Condが目標より低ければq3を増大し、Condが目標を越えていればq3を減少する。
【0095】
q1とq2の両方を一定に保つ。
【0096】
q4はq4=100−q1−q2−q3で与えられる。
【0097】
ケース2
ステップ2をとばす。
【0098】
ケース3
ステップ2をとばす。
【0099】
ケース4
q3=100*(塩濃度)/(塩原液濃度)を設定する(濃度がM又は%で与えられるか否かとは独立)。
【0100】
q1とq2は一定に保つ。
【0101】
q4=100−q1−q2−q3。
【0102】
ステップ3、ケース2を除く全てのケース
pHを用いて開始して、最終pHの規定が満たされるまで図1の接合点3で割合を調節する。
【0103】
B1=弱酸、B2=弱塩基の場合、
pHが目標より高ければq1を増大し、pHが目標より低ければ減少する。
q2=(100*C−(原液濃度B1)*q1)/(原液濃度B2)。
【0104】
B1=強酸、B2=弱塩基の場合
pHが目標より高ければq1を増大し、pHが目標より低ければ減少する。
【0105】
B1=弱酸、B2=強塩基の場合、
pHが目標より高ければq2を減少し、pHが目標より低ければ増大する。
【0106】
q4=100−q1−q2−q3。
【0107】
このようにして、
(q1/100)*(原液濃度B1)+(q2/100)*(原液濃度B2)=C
で与えられる総緩衝剤濃度を一定に保つ。
【0108】
ステップ3 ケース2 (選択肢1)のみ
Abs(pH−目標)>=εの場合
「ε」は小さい値であり、通例約0.02のpH単位以下である。
【0109】
B1=弱酸、B2=弱塩基のとき、
pHが目標より高ければq1を増大し、pHが目標より低ければ減少する。
q1はΔqで変化する。
q2は−Δq*(原液濃度B1)/(原液濃度B2)で変化する。
【0110】
B1=強酸、B2=弱塩基のとき、
pHが目標より高ければq1を増大し、pHが目標より低ければ減少する。
q2は一定に保つ。
【0111】
B1=弱酸、B2=強塩基のとき、
q1は一定に保ち、
pHが目標より高ければq2を減少し、pHが目標より低ければ増大する。
【0112】
q4=100−q1−q2−q3。
【0113】
Abs(pH−目標)<εの場合
導電率センサー12(図1)により検知される導電率を使用して、図1の第3の接合点7で、最終導電率の規定が満たされるまで割合を調節する。
【0114】
B1=弱酸、B2=弱塩基のとき、
q1はΔqで変化、
q2はΔq*(原液濃度B1)/(原液濃度B2)で変化する。
【0115】
B1=強酸、B2=弱塩基のとき、
q1は一定に保ち、
q2はΔqで変化する。
【0116】
B1=弱酸、B2=強塩基のとき、
q1はΔqで変化し、
q2は一定に保つ。
【0117】
q4=100−q1−q2−q3。
【0118】
この選択肢において、pHと導電率の調節手順は同時に行われるのではなく、一度に1つであることに留意されたい。
【0119】
ステップ3 ケース2 (選択肢2)のみ
pHと導電率を以下のように同時に調節して、例えばそれぞれΔpH及びΔCondによって、目的とする値と実際の値との差をならす。
【0120】
ΔqpHはpH調節のためのB1及びB2のそれぞれの変化であり、
Δqcは導電率調節のためのB1及びB2のそれぞれの変化であり、
x=(原液濃度B1)/(原液濃度B2)
B1=弱酸、B2=弱塩基の場合(4つのケース)
【0121】
【表2】
B1=強酸、B1=弱塩基、又はB1=弱酸、B1=強塩基の場合、
弱酸(又は塩基)を一定に保ち、強塩基(又は酸)を変化させることにより、pHを調節する。
【0122】
上記のことから明らかなように、pH調節は緩衝剤濃度を変化させない。
【0123】
クロマトグラフィーシステムについて上記したように緩衝剤の調製の制御では、クロマトグラフィーシステムがあればこれを制御するのに使用されるソフトウェアを使用し得る。代表的なかかるソフトウェアはUnicorn・制御システム(GE Healthcare Bio−Sciences AB、Uppsala、Sweden)であり、これは、制御システムの一体部分であるコンピューターグラフユーザーインターフェース付き制御装置及びI/Oインターフェースに基づいている。
【実施例】
【0124】
実施例1
pH及び導電率フィードバック系による緩衝剤の試験
基本的に図1に示されているものに対応する液体混合システムを用いて、下記表2に示す3つの緩衝剤混合物A3、C3及びP6の液体流を調製した。調製された緩衝剤の流量、導電率及びpHを連続的にモニターした。
【0125】
【表3】
緩衝剤C3の実験の結果を図2に示し、以下に記載する。図2で、上の曲線は混合流量、中央の曲線はpH、下の曲線は導電率である。
【0126】
図2を参照して、以下の結果が得られた。
流量400L/h:389−411L/h、平均399.9L/h
pH3.45−3.54、平均3.50
導電率5.24−5.84mS/cm、平均5.53mS/cm
平衡に至るまでの時間:流量1.6min、pH4.9min、Cond4.9min。
【0127】
図2のグラフから明らかなように、目的とするpHと導電率の安定な緩衝剤流を生成する効率的な混合が短時間で得られた。
【0128】
流れに対して得られた終値と、上で用いたレシピから得られる比を比較して下記表3に示す。
【0129】
【表4】
上の結果から明らかなように、インラインpH値は期待された値と優れた一致を示したが、オフライン値は有意に高かった(インラインpH測定値の誤差による)。
【0130】
pH及び導電率フィードバック実験に対するフローフィードバック混合比の比較を下記表4に示す。
【0131】
【表5】
表4から、これら2つのpH値がそんなに変わらない場合にはこれらの比も非常に似通っており、すなわちこの系が平衡方程式の組の類似のソルバーとして働いていたことも分かる。
【0132】
実施例2
処方tイオン of 緩衝剤
基本的に図1に示されているものに対応する液体混合システムを、本発明の方法に従う緩衝剤の処方に用いた。結果を図3及び4に示す。
【0133】
対応する酸/塩基の濃縮物、並びに塩及びWFIを使用して、同じ組の濃縮物から異なる緩衝剤を順に処方した。原液濃度を考慮したアルゴリズムを使用して、フローフィードバック(図3、下図)を用いて正しいpHと濃度を達成するためのレシピを決定した。代わりの手法として、フローフィードバックをpHフィードバックと組み合わせ(図3の上図、及び図4の上図)、pHフィードバックを導電率フィードバックと組み合わせた(図4、下図)。後者の選択は原液濃度のより大きい変化を可能にする。
【0134】
図3を参照して、20mMクエン酸塩、pH3.5、0−1MのNaCl、それぞれ流量400L/h(上図)及び300(下図)L/hを用いて塩勾配を調製した。2つの異なる方策を使用した。上図は、塩基(流量は曲線)及び酸(曲線)に対するpHフィードバックを塩(曲線)及びWFI(曲線)に対するフローフィードバックと組み合わせた。下図は、勾配に沿って連続的に更新されるレシピを全ての成分に対して用いたフローフィードバックである。全流量は曲線、導電率は曲線、pHは曲線に示す。
【0135】
図4を参照して、上図は、工程を通して全流量385、600及び385L/h(曲線e)内の一定の緩衝剤濃度という制約と組み合わせて、20mMクエン酸塩(pH3.5)並びに塩基(曲線a)及び酸(曲線b)に対するフローフィードバックを用いたいろいろなパラメーターの変化を示す。曲線は導電率、曲線はpHである。
【0136】
下図は、20mMクエン酸塩(pH3.5−5.9)及び流量500L/hでpH及び導電率フィードバックを用いたpH勾配の適用を示す。
【0137】
本発明は上記の好ましい実施形態に限定されない。様々な選択肢、修正及び等価物を使用し得る。従って、上記実施形態は、後記特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を制限するものと解してはならない。
図1
図2
図3
図4