【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的及びその他の目的並びに利点は、少なくとも3種の異なる液体流を混合することにより、所望の特性を有する混合液体流、通例緩衝剤流を用意するという、本発明の液体混合方法により達成され、ここで2種(以上)の液体は、ある所望の特性の異なる値を有し、その割合はその所望の特性を得るように変化させる。例えば、所定の緩衝剤濃度及びpHを有し、並びに場合により導電率及び/又は塩濃度も有する、又はpH及び導電率を有する緩衝剤流が、緩衝成分、溶媒(通例水)、及び場合により塩の流れを混合することにより得られる。
【0014】
例えば、所望のpH及び緩衝剤濃度を有する緩衝剤流を調製する際の本方法の基本的な特徴は、最初に、初期の予め選択された相互割合の塩基性及び酸性緩衝成分流(通例それぞれの原液濃度)を用いて所望の緩衝剤濃度を有する緩衝剤流を調製し、次に、緩衝成分流を変化させることにより、好ましくは同時に他の1以上の液体流を変化させて緩衝剤濃度を一定に維持することにより、pHを所望のpH値に調節することにある。
【0015】
しかしながら、本発明の方法は、緩衝剤流を調製することに限定されることはなく、様々な他の混合液体流も調製し得る。同様に、所定の1以上の特性はpH及び緩衝剤濃度に限定されない。
【0016】
従って、最も広い態様では、本発明は、以下の工程を含む、第1の性質の所定の値及び第2の性質の所定の値を含む所定の特性を有する混合液体流を調製する方法を提供する。
a)各々が第1の性質の異なる第1の値を有する第1の組の少なくとも1つの液体流を用意し、
b)各々が第1の性質の異なる第2の値を有する第2の組の少なくとも1つの液体流を用意し、
c)第3の組の少なくとも1つの溶媒の液体流を用意し、
d)用意された液体流を合わせ、
e)第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つ並びに第3の組の少なくとも1つの液体流を変化させて、得られる混合液体流における第1の性質及び第2の性質をそれらのそれぞれの所定の値に調節する。
【0017】
上記工程e)において、第1及び第2の組の液体流は逐次又は同時に変化させ得る。
【0018】
第1及び第2の性質は通例pH、導電率、濃度及び吸光度から選択される。
【0019】
第1及び第2の組の液体流の第1の性質は一般に、その性質をもたない液体を除いて液体の真の性質である、すなわちその特性値がゼロではない。
【0020】
本方法の好ましい実施形態では、混合液体流の一定の流量は第3の組の少なくとも1つの液体流の変化によって維持される。
【0021】
溶媒は通例水性液体、好ましくは水であるが、1種以上の有機液体のような別の液体であってもよい。
【0022】
混合液体流は通例緩衝剤流である。この場合、第1の組の各液体流が少なくとも1つの塩基性緩衝成分を含有し、第2の組の液体流の各液体流が少なくとも1つの酸性緩衝成分を含有するか、又はこの逆である。場合により、少なくとも1つの塩基性緩衝成分が強塩基により代えられるか、又は少なくとも1つの酸性緩衝成分が強酸により代えられる。
【0023】
用語緩衝成分は、緩衝する性質を有するあらゆる物質を含めて広い意味で解釈される。液体流は、例えば、緩衝剤混合物を調製するために1つより多くの緩衝成分を含有し得る。当然、緩衝剤混合物も、各々が単一の緩衝成分を含有する2つ以上の液体流を混合することにより調製され得る。
【0024】
緩衝剤流を調製するための本方法の1つの変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度である。このとき、上記方法の工程e)は、第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させてpHをその所定値に調節することを含む。
【0025】
別の変形において、第1の性質はpH以外の性質、通例導電率又は吸光度であり、第2の性質は緩衝剤濃度である。このとき、方法の工程e)は第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させて第1の性質をその所定値に調節することを含む。
【0026】
さらにもう1つ別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度及びpH以外の性質、通例導電率又は吸光度である。このとき、方法の工程e)は第1及び第2の組の液体流の少なくとも1つを変化させてpH及び第2の性質をそれらの所定値に調節することを含む。
【0027】
pHの測定は通例pH計又はセンサーで行われるが、pHはまた間接法によっても決定され得る。代表的なかかる間接法は、2010年12月17日に出願されたスウェーデン特許出願第1051344−8号(その開示内容は援用により本明細書の一部をなす)に記載されているように導電率を測定することを含む。
【0028】
この文献には、弱電解液の各荷電種の平衡濃度を含めて溶液中に存在するいろいろなイオンの正確な濃度を解明し、各荷電種のモル導電率を測定し、対応する導電率を計算し、個々の導電率を全て合計して液体混合物の総導電率を得ることによる緩衝剤のような液体溶液の導電率の予測が記載されている。しかしながら、この記載された導電率予測工程は、溶液の測定された導電率からpHを間接的に決定するのにも使用し得る。pHを測定するための対応するデバイスは、導電率センサーと、測定された導電率から導電率予測工程を逆の計算モードで使用してpHを計算するための手段とを含む。
【0029】
混合液体流の緩衝剤濃度の測定は、導電率を測定するか又は分光法、好ましくは(限定されることはないが)UV若しくはNIR分光法で吸光度を測定することによって行い得る。
【0030】
変形法において、混合液体流の緩衝剤濃度は、緩衝成分(強酸又は塩基を含む)を含有する液体流の流量を測定し、それぞれの液体流の既知(原液)濃度から緩衝剤濃度を計算することによって決定される。
【0031】
別の変形において、緩衝剤濃度の決定は、第1及び第2の組の各液体流について導電率を測定するか又は分光法、好ましくは(限定されることはないが)UV若しくはNIR分光法により吸光度を測定し、いろいろな液体流に対する測定値から混合液体流の緩衝剤濃度を決定することを含む。
【0032】
上記本発明の方法において、第1の組の液体流と第2の組の液体流は、第3の組の液体流と合わせる前に合わせるのが好ましい。
【0033】
しかしながら、混合液体流の所望の特性は上述の第1及び第2の性質に加えて1以上のさらなる所望の性質を包含し得、及び/又は、本方法は第4の、及び場合によってはそれ以上の組の液体流の供給を含み得る。
【0034】
この場合、本方法は、各々が少なくとも1つの添加剤を含有する第4の組の液体流を用意し、第4の組の液体流を第1、第2及び第3の組の液体流と合わせ、第4の液体流又は第4の組の流れを調整して少なくとも第3の性質をその1以上の所定値に調節することを含み得る。
【0035】
典型的な添加剤は非緩衝性の塩であるが、場合により洗浄剤のような他の添加剤も用意し得る。
【0036】
第4の液体流を含む本方法の1つの変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度であり、第3の性質は添加剤濃度、好ましくは塩濃度である。
【0037】
別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は緩衝剤濃度であり、第3の性質は導電率又は吸光度である。
【0038】
さらにもう1つ別の変形において、第1の性質はpHであり、第2の性質は導電率であり、第3の性質は添加剤濃度、導電率及び吸光度から選択される。
【0039】
好ましくは、第1及び第2の組の液体流並びに第3の組の液体流は、第4の組の液体流と合わせる前に合わせる。
【0040】
混合液体流のいろいろな所定の特性値を測定及び/又は計算し得る。
【0041】
通例、混合液体流の性質を測定する。
【0042】
本発明の方法を実施する変形は、所定の特性を有する混合液体流を得るための一組のいろいろな液体流の処方を提供し、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0043】
別の変形方法は、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてその性質をそれらの所定値に調節し、必要とされる液体流を決定し、次いでフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0044】
さらに別の変形方法は、所定の特性を有する混合液体流を得るための一組のいろいろな液体流の処方を提供し、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御し、次に、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてそれぞれの性質をそれらの所定値に調節することによりいろいろな液体流を微調節することを含む。
【0045】
さらにもう1つ別の変形方法は、混合液体流の性質を測定しつついろいろな液体流を変化させてそれぞれの性質をそれらの所定値に調節し、所定の特性を有する混合液体流を得るための液体流の処方を決定し(例えばいわゆるアナロジーマシンを使用することにより)、次いで、その処方に従ってフローフィードバックによりいろいろな液体流を制御することを含む。
【0046】
いろいろな液体流は通例ポンプ及び/又はバルブを用いて制御される。
【0047】
本発明の方法において、第1の組の測定された性質は所定の特性を有する混合液体流を得るために使用され得、一方第2の組の測定された性質は検証のために使用され得る。
【0048】
本方法の変形において、混合液体流の性質は代わりの性質を測定することにより決定され得る。最初に、その性質及び代わりの性質の一方の測定からのフィードバックにより液体流をその性質の設定点に変化させる。次に、性質及び代わりの性質の他方の測定からのフィードバックにより液体流を設定点に変化させる。一般に、当該性質及び代わりの性質のうち最も速いフィードバックを与える方を最初に使用して迅速に設定点に到達し、次に他方の(より正確な)性質を設定点への微調節のために使用する。
【0049】
本方法は、さらに、第1、第2、第3及び第4の液体流の1つ以上の特性を測定して混合液体流の所望の特性を確実にするのを補助することを含み得る。
【0050】
好ましくは、混合液体流の少なくとも幾つかの所定の特性に対して警報限界を設けて、正しい混合された液体のみが系を出て行くことを可能にする。
【0051】
しかしながら、上述したように、本発明は緩衝剤流の調製に限定されることはなく、他の型の液体混合物又はブレンドも本方法によって調製し得る。一例として、例えば所定の脂肪性を有する様々なタイプのアルコール混合物を調製し得る。その際、上述の第1の組の液体流は第1の脂肪性特性値を有する第1のアルコールからなり得、上述の第2の組の液体流は第2の脂肪性特性値を有するアルコールからなり得、これら2種のアルコールを適正な割合で混合すると所望の脂肪性値のアルコール混合物が得られる。
【0052】
本発明の特定の実施形態では、以下の工程を含む、所定の緩衝剤濃度及び所定のpHを有する緩衝剤流を調製する方法が提供される。
a)原液濃度の塩基性緩衝成分の第1の液体流を用意し、
b)原液濃度の酸性緩衝成分の第2の液体流を用意し、
c)水性液体の第3の液体流を用意し、
d)所定の緩衝剤濃度を有する混合液体流を用意するように選択された割合で液体流を合わせ、
e)第1及び第2の液体流の少なくとも1つを変化させて混合液体流のpHを前記所定のpHに調節しつつ、第3の液体流を変化させることにより所定の緩衝剤濃度を維持する。
【0053】
好ましくは、第1及び第2の液体流を変化させて混合液体流に対する緩衝剤の一定の送出速度を維持し、第3の液体流を変化させることにより混合液体流(すなわち総緩衝剤流)を一定に保つ。
【0054】
方法の上記実施形態の変形において、所望の緩衝剤流は所定の濃度の塩も有する。この場合、本方法は、さらに、方法の上記工程d)とe)の間に、原液濃度の塩を含有する第4の液体流を用意し、第4の液体流を第1、第2及び第3の流れと合わせて前記混合液体流を用意し、第4の液体流の割合を調整して混合液体流内に前記所定の塩濃度を得つつ、第3の液体流を変化させることにより混合液体流を一定に維持する工程を含む。
【0055】
本方法の上記実施形態の別の変形において、所望の緩衝剤流は塩を含み、所定の導電率を有する。この場合、本方法は、さらに、方法上記工程d)とe)の間に、原液濃度の塩を含有する第4の液体流を用意し、第4の液体流を第1、第2及び第3の液体流と合わせて前記混合液体流を用意し、第4の液体流の割合を調整して混合液体流の前記所定の導電率を得つつ、第3の液体流を変化させることにより混合液体流を一定に維持する工程を含む。
【0056】
本方法のさらにもう1つ別の変形において、所望の緩衝剤流は所定のpHを有するが、緩衝剤濃度ではなく所定の導電率を有する。この場合、本方法は、初期緩衝剤濃度を選択し、所定のpHと導電率が得られるように混合液体のpH並びに導電率を調節することを含む。このpHと導電率の調節は逐次(場合によっては繰り返し)又は同時に行い得る。
【0057】
具体的には、かかる変形は以下の工程を含む。
a)原液濃度の塩基性緩衝成分の第1の液体流を用意し、
b)原液濃度の酸性緩衝成分の第2の液体流を用意し、
c)水性流体の第3の液体流を用意し、
d)選択された初期緩衝剤濃度を有する混合液体流を用意するように選択された割合で液体流を合わせ、
e)第1及び第2の液体流の少なくとも1つを逐次又は同時に変化させて、混合液体流のpHを前記所定のpHに調節すると共に混合液体流の導電率を前記所定の導電率に調節する。
【0058】
本方法はコンピューターのような電子データ処理装置で実行されるソフトウェアによって都合よく実施し得る。かかるソフトウェアは、記録媒体、読み取り専用メモリー、又は電気若しくは光学ケーブルを介して若しくは無線若しくはその他の手段により伝送し得る電気若しくは光学信号を始めとする適切なコンピューター読み取り可能媒体によってコンピューターに提供し得る。
【0059】
従って、本発明の別の態様は、上述の変形方法のいずれか1つの方法ステップをコンピューターに実行させるための使用取扱説明書を含むコンピュータープログラム製品に関する。
【0060】
その他の好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0061】
本発明、並びにそのさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによってより完全に理解されるであろう。