(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記細胞画像と、前記核波形データの波形と、の一方の位置を、他方の位置に応じて調整する位置調整を実行し、位置調整後に、前記細胞画像と、前記核波形データの波形とを重ねて表示するよう前記表示部を制御する、請求項1に記載の細胞分析装置。
前記制御部は、前記細胞画像と、前記核波形データの波形と、の一方のサイズを、他方のサイズに応じて調整するサイズ調整を実行し、サイズ調整後に、前記細胞画像と、前記核波形データの波形とを重ねて表示するよう前記表示部を制御する、請求項1または2に記載の細胞分析装置。
前記制御部は、前記細胞画像に前記核波形データの波形が重ねられた組を複数一覧表示するよう前記表示部を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
前記細胞波形データの特徴を反映する特徴パラメータは、前記細胞波形のパルス幅またはピーク値であり、前記核波形データの特徴を反映する特徴パラメータは、前記核波形の面積またはピーク値である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の細胞分析装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の細胞分析装置の実施の形態を詳細に説明する。
[細胞分析装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る細胞分析装置10の斜視説明図である。この細胞分析装置10は、患者から採取した子宮頸部の上皮細胞を含む測定試料をフローセルに流し、このフローセルを流れる測定試料にレーザ光を照射し、測定試料からの光(前方散乱光、側方蛍光等)を検出・分析することで、前記細胞に癌細胞や異型細胞(以下、これらを「異常細胞」ともいう)が含まれているか否かを判断するのに用いられる。具体的には、子宮頸部の上皮細胞を用いて子宮頸癌をスクリーニングするのに用いられる。細胞分析装置10は、試料の測定等を行う装置本体12と、この装置本体12に接続され、測定結果の分析等を行うシステム制御部13とを備えている。
【0028】
図2に示されるように、細胞分析装置10の装置本体12は、測定試料から細胞や核のサイズ等の情報を検出するための光学検出部3と、信号処理回路4と、測定制御部16と、モータ、アクチュエータ、バルブ等の駆動部17と、各種センサ18と、細胞の画像を撮像する撮像部26とを備えている。信号処理回路4は、光学検出部3の出力をプリアンプ(図示せず)により増幅したものに対して増幅処理やフィルタ処理等を行うアナログ信号処理回路と、アナログ信号処理回路の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、デジタル信号に対して所定の波形処理を行うデジタル信号処理回路とを備えている。また、測定制御部16がセンサ18の信号を処理しつつ駆動部17の動作を制御することにより、測定試料の吸引や測定が行われる。子宮頸癌をスクリーニングする場合、測定試料としては、患者(被験者)の子宮頸部から採取した細胞(上皮細胞)に遠心(濃縮)、希釈、攪拌、PI染色等の公知の処理を施して調製されたものを用いることができる。調製された測定試料は試験管に収容され、装置本体12のピペット(図示せず)下方位置に設置され、ピペットにより吸引されてシース液とともにフローセルに供給され、フローセルにおいて試料流が形成される。前記PI染色は、色素を含んでいる蛍光染色液であるヨウ化プロピジウム(PI)により行われる。PI染色では核に選択的に染色が施されるため、核からの蛍光が検出可能となる。
【0029】
[測定制御部の構成]
測定制御部16は、マイクロプロセッサ20、記憶部21、I/Oコントローラ22、センサ信号処理部23、駆動部制御ドライバ24、及び外部通信コントローラ25等を備えている。記憶部21は、ROM、RAM等からなり、ROMには、駆動部17を制御するための制御プログラム、及び、制御プログラムの実行に必要なデータが格納されている。マイクロプロセッサ20は、制御プログラムをRAMにロードし、又はROMから直接実行することが可能である。
【0030】
マイクロプロセッサ20には、センサ18からの信号がセンサ信号処理部23及びI/Oコントローラ22を通じて伝達される。マイクロプロセッサ20は、制御プログラムを実行することにより、センサ18からの信号に応じて、I/Oコントローラ22及び駆動部制御ドライバ24を介して駆動部17を制御することができる。
【0031】
マイクロプロセッサ20が処理したデータや、マイクロプロセッサ20の処理に必要なデータは、外部通信コントローラ25を介してシステム制御部13等の外部装置との間で送受信される。
【0032】
[システム制御部の構成]
図3は、システム制御部13のブロック図である。システム制御部13は、パーソナルコンピュータ等からなり、本体27と、表示部28と、入力部29とから主に構成されている。本体27は、CPU27aと、ROM27bと、RAM27cと、ハードディスク27dと、読出装置27eと、I/Oインターフェース27fと、画像出力インターフェース27gと、から主に構成されている。これらの要素の間は、バス27hによって通信可能に接続されている。
【0033】
CPU27aは、ROM27bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM27cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM27bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU27aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が格納されている。RAM27cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM27cは、ROM27b及びハードディスク27dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU27aの作業領域として利用される。
【0034】
ハードディスク27dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU27aに実行させるための種々のコンピュータプログラム273d及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。例えば、ハードディスク27dには、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザーインターフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。また、ハードディスク27dは、後述する波形データを記憶する波形データ記憶部271dと後述する細胞画像を記憶する細胞画像記憶部272dとを含む。
【0035】
また、ハードディスク27dには、細胞分析装置10の測定制御部16への測定オーダ(動作命令)の送信、装置本体12で測定した測定結果の受信及び処理、処理した分析結果の表示等を行う操作プログラムがインストールされている。この操作プログラムは、前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0036】
読出装置27eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。I/Oインターフェース27fは、例えば、USB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。I/Oインターフェース27fには、キーボード及びマウスからなる入力部29が接続されており、ユーザーが入力部29を操作することにより、パーソナルコンピュータにデータを入力することが可能である。また、I/Oインターフェース27fは、装置本体12と接続されており、装置本体12との間でデータ等の送受信を行うことが可能である。
【0037】
画像出力インターフェース27gは、LCD又はCRT等で構成された表示部28に接続されており、CPU27aから与えられた画像データに応じた映像信号や波形データに応じた波形信号を表示部28に出力するようになっている。表示部28は、入力された映像信号や波形信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0038】
[光学検出部及び撮像部の構成]
図4は、光学検出部3及び撮像部26の構成を示す図である。この光学検出部3は、半導体レーザからなる光源53を備え、この光源53から放射されたレーザ光は、レンズ系52を経てフローセル51を流れる測定試料に集光する。このレーザ光により測定試料中の細胞から生じた前方散乱光は、対物レンズ54及びフィルタ57を経てフォトダイオード(受光部)55に検出される。なお、レンズ系52は、コリメータレンズ、シリンダーレンズ、コンデンサーレンズ等を含むレンズ群から構成されている。
【0039】
さらに、細胞から生じた側方蛍光及び側方散乱光は、フローセル51の側方に配置された対物レンズ56を経てダイクロイックミラー61に入射する。そして、このダイクロイックミラー61を反射した側方蛍光及び側方散乱光がダイクロイックミラー62に入射する。なお、本実施の形態では、細胞の核を染めるために、赤色の染料と緑色の染料とを用いた二重染色が行われている。
【0040】
ダイクロイックミラー62を透過した側方蛍光は、さらにダイクロイックミラー70に入射し、赤蛍光と緑蛍光とに分光され、このうちダイクロイックミラー70を透過した赤蛍光はフィルタ63aを経てフォトマルチプライヤ59aによって検出され、ダイクロイックミラー70を反射した緑蛍光は、フィルタ63bを経てフォトマルチプライヤ59bによって検出される。また、ダイクロイックミラー62を反射した側方散乱光は、フィルタ64を経てフォトマルチプライヤ58によって検出される。
【0041】
フォトダイオード55、フォトマルチプライヤ58、フォトマルチプライヤ59a及びフォトマルチプライヤ59bは、検出した光を電気信号に変換し、それぞれ、前方散乱光信号、側方散乱光信号、側方赤蛍光信号及び側方緑蛍光信号を出力する。これらの信号は、図示しないプリアンプにより増幅された後、前述した信号処理回路4(
図2参照)に送られる。
【0042】
前記各信号に、信号処理回路4でA/D変換処理やフィルタ処理等の信号処理が施され、前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)、側方赤蛍光データ(SRFL)及び側方緑蛍光データ(SGFL)といった波形データや、これらの波形データの特徴を反映する後述の特徴パラメータは、マイクロプロセッサ20によって、外部通信コントローラ25を介して前述したシステム制御部13へ送られ、ハードディスク27dに記憶される。ハードディスク27dに記憶される前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)、側方赤蛍光データ(SRFL)及び側方緑蛍光データ(SGFL)の各波形データは、レーザが照射されるフローセル中の所定の検出領域を細胞が通過する際の、細胞からの前方散乱光、側方散乱光、側方赤蛍光、及び側方緑蛍光の強度を示す数値を、一定時間間隔で集めたデータである。つまり、ハードディスク27dに記憶される前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)、側方赤蛍光データ(SRFL)及び側方緑蛍光データ(SGFL)の各波形データは、検出される光の強度の経時変化を示すデータである。
【0043】
なお、光源53として、前記半導体レーザに代えてガスレーザを用いることもできるが、低コスト、小型、且つ低消費電力である点で半導体レーザを採用するのが好ましい。半導体レーザの採用により製品コストを低減させるとともに、装置の小型化及び省電力化を図ることができる。本実施の形態では、ビームを狭く絞ることに有利な波長の短い青色半導体レーザを用いている。青色半導体レーザは、PI等の蛍光励起波長に対しても有効である。なお、半導体レーザのうち、低コスト且つ長寿命であり、メーカーからの供給が安定している赤色半導体レーザを用いてもよい。
【0044】
また、本実施の形態では、光学検出部3に加えて撮像部26が設けられている。この撮像部26は、
図4に示されるように、パルスレーザからなる光源66とCCDカメラ65とを備えており、パルスレーザ66からのレーザ光はレンズ系60を経てフローセル51に入射し、さらに対物レンズ56及びダイクロイックミラー61を透過してカメラ65に結像する。パルスレーザ66は、後述するように特徴パラメータに基づき判定されるタイミングで発光してカメラ65による撮像を可能にする。
【0045】
図2に示されるように、カメラ65によって撮像された細胞の画像は、マイクロプロセッサ20によって、外部通信コントローラ25を介してシステム制御部13へ送られる。そして、細胞の画像は、システム制御部13において、画像に写っている細胞の前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)、及び側方赤蛍光データ(SRFL)に基づいて求められた特徴パラメータに対応づけてハードディスク27dの細胞画像記憶部272dに記憶される。
【0046】
[特徴パラメータの内容]
本実施の形態では、前述した前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)及び側方赤蛍光データ(SRFL)の特徴を反映する種々の特徴パラメータを信号処理回路4による信号処理で取得し、それらの特徴パラメータを用いて、細胞の分析を行うことができる。以下、代表的な特徴パラメータについて説明する。
【0047】
<分析に使用する特徴パラメータ>
本実施の形態では、信号処理回路4が、フォトダイオード55から出力された前方散乱光信号に信号処理を施して前方散乱光データを得る。そして、信号処理回路4は、粒子の大きさを反映した複数の特徴パラメータとして、得られた前方散乱光データから生成される前方散乱光の信号波形のパルス幅(FSCW)と、前方散乱光の信号波形のピーク値(FSCP)とを取得する。また、本実施の形態では、信号処理回路4が、フォトマルチプライヤ59aから出力された側方赤蛍光信号に信号処理を施して側方赤蛍光データを得る。そして、信号処理回路4は、細胞のDNA量を反映した複数の特徴パラメータとして、得られた側方赤蛍光データから生成される赤蛍光の面積(RFLA)と、側方赤蛍光の信号波形のピーク値とを取得する。前方散乱光の信号波形のパルス幅(FSCW)、前方散乱光の信号波形のピーク値(FSCP)、赤蛍光の面積(RFLA)、及び赤蛍光の信号波形のピーク値については後述する。
【0048】
図5(a)は単一の細胞(非凝集細胞)C1の説明図であり、
図5(b)は細胞C1の信号波形を示す図である。
図5(b)に示されるように、前方散乱光の信号波形のピーク値(FSCP)は、検出された前方散乱光の最大強度(図中のFSCP)を表す。また、前方散乱光の信号波形のパルス幅(FSCW)は、ベースライン(BaseLine
2)より大きい強度を有する前方散乱光の信号波形の幅を表す。
【0049】
赤蛍光の信号波形のピーク値は、検出された赤蛍光の最大強度を表す。赤蛍光の蛍光信号のパルスの面積(蛍光量)(RFLA)は、ベースラインと蛍光信号波形とで囲まれた部分の面積を表す。信号処理回路4は、フォトマルチプライヤ59aから出力された赤蛍光信号から、特徴パラメータとして分析対象細胞の核のDNA量を反映した値である赤蛍光信号のパルスの面積(蛍光量)(RFLA)を取得する。
【0050】
[細胞分析処理]
次に、
図6を参照しつつ、本実施の形態に係る細胞分析装置を用いた細胞分析処理で実行される、システム制御部13のCPU27aと装置本体12のマイクロプロセッサ20の制御について説明する。
【0051】
まず、システム制御部13の電源が入れられると、システム制御部13のCPU27aは、システム制御部13に格納されているコンピュータプログラムの初期化を行う(ステップS101)。次に、CPU27aは、使用者(オペレータ)からの測定指示を受け付けたか否かを判断し(ステップS102)、測定指示を受け付けた場合(YES)には、I/Oインターフェース27fを介して、測定開始信号を装置本体12に送信する(ステップS103)。
【0052】
システム制御部13から送信された測定開始信号が装置本体12のマイクロプロセッサ20によって受信されると(ステップS201)、装置本体12において、試験管に収容された測定試料がピペットにより吸引されて
図4に示されるフローセル51に供給され、試料流が形成されるように、マイクロプロセッサ20は、センサ18からの信号を処理しつつ駆動部17の動作を制御する(ステップS202)。そして、フローセル51を流れる測定試料中の細胞にレーザ光が照射され、当該細胞からの前方散乱光がフォトダイオード55により検出され、側方散乱光がフォトマルチプライヤ58で検出され、側方赤蛍光がフォトマルチプライヤ59aにより検出され、側方緑蛍光がフォトマルチプライヤ59bにより検出されるようにマイクロプロセッサ20が光学検出部3を制御する(ステップS203)。
【0053】
光学検出部3から出力された前方散乱光信号、側方散乱光信号、蛍光信号は信号処理回路4に送られる。マイクロプロセッサ20は、信号処理回路4で所定の処理が施されることによって得られる前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)及び側方蛍光データ(SFL)を取得し、後述する波形記憶バッファとしての装置本体12の記憶部21に一時的に記憶するとともに、後述する特徴パラメータ演算部としての前記信号処理回路4を介して当該データを用いて前述したような特徴パラメータ(前方散乱光の信号波形のパルス幅、前方散乱光の信号波形のピーク値、赤蛍光の面積、及び側方赤蛍光の信号波形のピーク値)を取得する(ステップS204)。
【0054】
ついで、ステップS205において、測定制御部16のマイクロプロセッサ20によって、ステップS204において取得された特徴パラメータを用いて、波形データ及び特徴パラメータの取込の要否、並びに当該波形データに係る細胞画像の撮像の要否が判定される。本実施の形態では、フローセル51を流れる測定試料に含まれる細胞の画像と、当該細胞からの前方散乱光などの光の受光量に応じて変化する波形データと、前記前方散乱光などの光の波形信号から算出される前記特徴パラメータとが同期して装置内の記憶部21に保存される。なお、癌細胞を判別する場合、当該癌細胞は、一般に細胞のサイズが小さめであり、且つ、核に含まれるDNA量が正常細胞よりも多い。そのため、本実施の形態においては、後述する判定部としてのマイクロプロセッサ20は、ステップS205において、ステップS204において取得された特徴パラメータのうち、前方散乱光のパルス幅(FSCW)と、赤蛍光の面積(RFLA)とを用いて、以下の範囲にある細胞については、波形データ及び特徴パラメータ、並びに細胞画像の撮像が要であると判定する。すなわち、判定部としてのマイクロプロセッサ20は、FSCWの範囲として、細胞の大きさが10μm以上50μm以下の範囲で、且つ、RFLAの範囲として、正常細胞のDNA量の2倍よりも大きい範囲にある細胞については、波形データ及び特徴パラメータ、並びに細胞画像の撮像が要であると判定する。
【0055】
ここで、
図7は、細胞画像の撮像、並びに波形データ及び特徴パラメータの取込を同期させる構成についての説明図である。
前記信号処理回路4においてフィルタ処理やA/D変換処理などの信号処理が施された、前方散乱光、側方散乱光及び側方蛍光の各波形データは、波形記憶バッファとしての記憶部21において一時的に記憶されるとともに、特徴パラメータ演算部としての前記信号処理回路4において、前記波形の特徴を示す特徴パラメータが算出される。
【0056】
具体的に、波形信号に基づき演算された前方散乱光のパルス幅(FSCW)及び赤蛍光の面積(RFLA)は、特徴パラメータ記憶バッファとしての記憶部21において一時的に記憶されるとともに、判定部としてのマイクロプロセッサ20において、波形データ及び特徴パラメータを取り込むか否か、並びに当該波形データ及び特徴パラメータに係る細胞の画像を撮像するか否かについて判定するのに用いられる。判定部は、波形取込判定部、画像撮像判定部及び特徴パラメータ取込判定部を含んでいる。
【0057】
図6に戻り、ステップS205において判定部としてのマイクロプロセッサ20により細胞について、波形データ及び特徴パラメータ、並びに細胞画像の撮像が要であると判定されると、続くステップS206において、特徴パラメータ取込判定部からの制御信号により、特徴パラメータ記憶バッファとしての記憶部21において一時的に記憶されている特徴パラメータが外部通信コントローラ25を介してシステム制御部13に送られる。この際、ステップS205において判定部により判別又は分析したいと判定された細胞の特徴パラメータには管理番号が付されて送信される。また、波形取込判定部からの制御信号により、波形記憶バッファとしての記憶部21において一時的に記憶されている波形データが外部通信コントローラ25を介してシステム制御部13に送られる。この際、ステップS205において判定部により判別又は分析したいと判定された細胞の波形データには、管理番号が付されて送信される。
【0058】
一方、システム制御部13のCPU27aは、装置本体12から前記波形データ及び特徴パラメータを受信したか否かを判断し(ステップS104)、波形データ及び特徴パラメータを受信した場合(YES)には、管理番号の付された当該波形データ及び特徴パラメータをハードディスク27dの波形データ記憶部271dに記憶する(ステップS105)。
【0059】
また、ステップS205において判定部としてのマイクロプロセッサ20により細胞について、波形データ及び特徴パラメータ、並びに細胞画像の撮像が要である(YES)と判定されると、前記ステップS206と並行して、ステップS207において撮像処理が行われる。この撮像処理は、画像撮像判定部が細胞画像の撮像が要と判定すると、画像撮像判定部は、撮像トリガ信号を撮像部26に発することにより行われる。撮像トリガ信号が撮像部26に発せられると、パルスレーザ66が発光し、この発光による照明を利用してフローセル51中の細胞の画像がカメラ65によって取り込まれる。
【0060】
ついで、ステップS208において、撮像された細胞の画像データは、外部通信コントローラ25を介してシステム制御部13に送られる。この際、ステップS208において撮像された細胞の画像データには、管理番号が付されて送信される。
なお、ステップS206における両制御信号とステップS207における撮像トリガとは、同期が取れているので、ハードディスク27dに保存される特徴パラメータ、波形データ及び細胞画像は、同一細胞のデータであることが保証される。具体的には、ステップS206において特徴パラメータに付される管理番号、波形データに付される管理番号、及びステップS207において細胞の画像に付される管理番号が同じ番号となる。
【0061】
ついで、システム制御部13のCPU27aは、装置本体12から前記画像データを受信したか否かを判断し(ステップS106)、画像データを受信した場合(YES)には、管理番号の付されたその画像データをハードディスク27dの細胞画像記憶部272dに記憶する(ステップS107)。
【0062】
ついで、装置本体12のマイクロプロセッサ20は、フローセル51における試料の流れが終了したか否かの判断を行い(ステップS209)、終了していると判断する(YES)と、ステップS210へ処理を進め、当該ステップS210において、システム制御部13に終了信号を送信する。
【0063】
ついで、システム制御部13のCPU27aは、ステップS108において、フローセル51の試料流の終了信号を受信したか否かの判断を行い、受信したと判断した場合(YES)は、細胞分析処理を終了する。
【0064】
[表示処理]
本実施の形態では、細胞分析処理が終了した後、図示しない測定結果画面の一覧表示ボタンがユーザによりクリックされると、システム制御部13のCPU27aは、一覧表示画面281を表示部28に表示する表示処理を行う。
図8は本実施の形態に係る一覧表示画面281である。一覧表示画面281には、細胞の画像とこれに対応する波形データを表す波形のグラフ及び標識とが組になった複数の画像282が一覧表示される。具体的には、一覧表示画面281には、縦に4行、横に5列の合計20個の、細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識とが組になった画像282が、1つの画面に一覧表示される。このように、複数の画像282を1画面上に表示することで、細胞判別作業の効率を向上させることができる。ここで、表示部28には、前方散乱光データ(FSC)、側方散乱光データ(SSC)、側方赤蛍光データ(SRFL)及び側方緑蛍光データ(SGFL)といった各波形データが、波形を示すグラフの形式で表示される。
【0065】
図9は、システム制御部13のCPU27aが、表示部28に
図8に示す一覧表示画面281を表示する際の処理フローである。本実施の形態では、細胞の画像及びこれに対応する波形データを表す波形のグラフが組になった画像282を表示部28に表示する。かかる表示をするに際し、観察し易くするために細胞画像と波形データを表す波形のグラフの位置を合わせるとともに、そのサイズが同じになるようにサイズ調整を行っている。
【0066】
まず、システム制御部13のCPU27aは、図示しない測定結果画面の一覧表示ボタンがユーザによりクリックされると、ハードディスク27dに記憶されている全ての細胞画像、及び波形データを取得する(ステップS301)。
【0067】
次に、システム制御部13のCPU27aは、所定の管理番号nが付されている細胞画像について後述する位置検出を行う(ステップS302)。
【0068】
<位置検出>
本実施の形態では、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとを同一画像上において表示するに際し、オペレータが観察し易くするために、前記細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置合わせを行っている。位置合わせを行うために、本実施の形態では、ステップS302において、システム制御部13のCPU27aは、管理番号nが付されている細胞画像中の細胞の位置を検出する位置検出処理を実行している。
【0069】
図10は、ステップS302においてシステム制御部13のCPU27aが細胞画像における細胞の位置を検出する方法を説明する図である。
図10(a)は、パルスレーザ66が発光し、この発光による照明を利用してフローセル51中の細胞をカメラ65によって撮像された細胞画像である。
図10(b)は、Y方向の480のpixelの輝度を加算し、ついで加算された輝度値の和をpixelの数(480)で除した平均輝度のX軸方向の変化を示すグラフである。
図10(c)は、平均輝度から算出した分散値のX軸方向の変化を示すグラフである。
図10(b)及び
図10(c)のX方向における位置とサイズは、
図10(a)に示される画像のX方向における位置とサイズをあわせて縦に並んで描かれている。矩形状の細胞画像の左上隅を原点とし、左右方向をX軸、上下方向をY軸とする座標を想定する。まず、画像の輝度値をY方向に加算し、平均する。具体的に、
図10(a)に示される画像の高さ(Y方向)及び幅(X方向)が、それぞれ480pixel及び640pixelであり、座標(x、y)の輝度をk(x、y)とすると、以下の式(1)により、Y方向の輝度値の和をX方向に沿って算出することができる。
【0071】
また、平均輝度をf(x)とすると、以下の式(2)により、X方向に沿った平均輝度を求めることができる。
【0073】
図10(b)は、Y方向の480のpixelの輝度を加算し、ついで加算された輝度値の和をpixelの数(480)で除した平均輝度のX軸方向の変化を示すグラフである。
【0074】
ついで、前記平均輝度から分散値を計算する。
図10(c)は、平均輝度から算出した分散値のX軸方向の変化を示すグラフである。
図10(c)に示したように、平均輝度の分散値のX軸方向の変化のグラフは、
図10(b)に示した平均輝度のX軸方向の変化のグラフより、画像中の細胞のある位置と、細胞の無い位置との差が区別しやすい。そこで本実施の形態では、細胞画像における細胞の位置を検出する際には、算出された分散値を用いている。
【0075】
そして、算出された分散値が所定の閾値(
図10(c)で示される例では、0.05)を超えた範囲を細胞の位置とすることができる。この所定の閾値Thは、大きさが分かっているサンプル細胞を撮像することで予め求めておくことができる。
図10に示される例では、Y軸に平行な線分xaとxbとで区画される範囲に細胞が位置する、としている。具体的に、前記のように想定した座標系において、約345≦x≦約440の範囲に細胞が位置している。
【0076】
<位置調整>
ステップS302において、管理番号nが付されている細胞画像について位置検出が行われると、システム制御部13のCPU27aは、ついで、前記のようにして検出された細胞の位置と、当該細胞の係る波形データを表す波形のグラフ(ステップS301で取得された管理番号nの波形データから生成される波形)の位置を合わせる処理(位置調整処理)を実行する(ステップS303)。
図11(a)は、ステップS303においてシステム制御部13のCPU27aが行う細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置合わせの方法を説明する図である。
位置合わせの前提として、細胞画像と同様に、波形データを表す波形のグラフについてもxy座標系で表示されており、y座標の値が前方散乱光などの受光量(信号強度)に対応している。したがって、波形データを表す波形のグラフは、原点(y座標の値がゼロ)から始まって、y座標の値がゼロで終わる変化を示す。
【0077】
そこで、本実施の形態では、細胞画像中の細胞の左側の位置(
図10に示される例では、線分xaで示される位置)と、当該細胞に係る波形データを表す波形のグラフの原点とを合わせている。これにより、細胞の位置と波形データを表す波形のグラフの位置とが、表示部における左右方向において対応するように調整することができる。
【0078】
<サイズ調整>
前述した位置調整により、細胞の左位置と波形データを表す波形のグラフの原点とを一致させることができるが、細胞画像における細胞幅と波形データを表す波形のグラフの信号幅とは必ずしも一致していない。このため、細胞画像の右位置と波形データを表す波形のグラフの終点(y座標の値がゼロになる位置)とが一致しない場合がある。
そこで、ステップS303において、管理番号nが付されている細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置合わせが実行されると、システム制御部13のCPU27aは、各種の光のうち、例えば前方散乱光の波形データを表す波形のグラフのx軸方向のサイズが細胞幅と一致するように前方散乱光の信号幅を調整(拡大又は縮小)するサイズ調整処理を実行する(ステップS304)。具体的に、
図11(b)に示されるように、太い方の実線で表される、前方散乱光の波形データを表す波形のグラフのy座標の値がゼロで終わるx座標の値が、前記線分xbがX軸と交差する位置と一致するように当該x座標の値を補正する。これにより、波形データを表す波形のグラフの幅と細胞幅とを一致させることができる。
【0079】
本実施の形態では、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置及びサイズを調整するとともに、当該波形データの特徴を示す標識としての色を前記細胞画像及び波形データに重ねて表示している。つまり、ステップS304において、管理番号nが付されている細胞画像と波形データを表す波形のグラフとのサイズ調整が行われると、システム制御部13のCPU27aは、波形データの特徴を示す標識としての色を前記管理番号nが付されている細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示する着色処理を行う(ステップS305)。本実施の形態では、標識としての色で示される波形データの特徴は、波形データを表す波形のグラフのx軸方向のサイズと、波形データを表す波形のグラフのy軸方向のサイズ(波形データの信号強度)とを反映している。波形データの信号強度(y=f(x))とそれに対応する色の濃さとの対応表がハードディスク27dに記憶されている。システム制御部13のCPU27aは、ステップS305において、前記対応表に基づいて、波形データの特徴を示す標識としての色を前記細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示する。
【0080】
ついで、システム制御部13のCPU27aは、ステップS301において取得した全ての細胞画像、及び波形データについてステップS302〜ステップS305の処理が実行された否かを判定する(ステップS306)。ステップS306において、ステップS301において取得した全ての細胞画像、及び波形データについてステップS302〜ステップS305の処理が実行されていないと判定すると、システム制御部13のCPU27aは、ステップS302に処理を戻し、まだ実行されていない管理番号についてステップS302〜ステップS305の処理を実行する。ステップS306において、ステップS301において取得した全ての細胞画像、及び波形データについてステップS302〜ステップS305の処理が実行されたと判定すると、システム制御部13のCPU27aは、
図8に示される一覧表示画面281を表示部28に表示し(ステップS307)、処理を終了する。
【0081】
なお、合計20個の、細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識が組になった画像282のうち、1個の画像282が一覧表示画面281から選択されると、選択された画像282に表示されている細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識の組を含む画面が表示部28に表示される。ここで、
図12(a)、
図12(b)、及び
図12(c)は、一覧表示画面281から選択された画像282に表示されている細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識の組を含む画面が表示部28に表示される際の画面表示の一例を示している。
図12(a)は、細胞の核中のDNA量を反映させる側方赤蛍光の波形データの特徴を示す半透明の赤色だけを細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示した画像が表示されている画面である。
図12(a)において濃い実線で示される側方赤蛍光の信号強度に合わせて、半透明の赤色を細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示している。その際、信号強度の大きさに比例して赤色を濃くするグラデーションが施されている。具体的には、太い破線と細い破線で囲まれるaで示される領域は薄い半透明の赤色で着色されており、信号強度が大きい、細い破線で囲まれるbで示される領域は濃い半透明の赤色で着色されている。その結果、DNAを含む核の場所が、他の領域に比べて濃く着色されている。
このように、細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて色を表示することにより、細胞における核の場所や大きさを容易に判別することができる。
【0082】
前述した
図12(a)では、側方赤蛍光の波形データの特徴を示す標識としての半透明の色を細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示しているが、2つ以上の標識を同時に表示することもできる。
図12(b)及び
図12(c)は、ステップS109における画像表示の他の例を示している。
図12(b)は、細胞質の厚みを反映させる前方散乱光の波形データの特徴を示す半透明の白色だけを細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示した画像が表示されている画面である。
図12(b)において、太い破線で囲まれるcで示される領域が半透明の白色で着色されている。
図12(c)は、細胞の核中のDNA量を反映させる側方赤蛍光の波形データの特徴を示す半透明の赤色と、細胞質の厚みを反映させる前方散乱光の波形データの特徴を示す半透明の白色とを、当該細胞画像及び波形データを表す波形のグラフに重ねて表示した画像が表示されている画面である。
図12(c)において、太い破線と細い破線で囲まれるaで示される領域は薄い半透明の赤色と半透明の白色で着色されており、細い破線で囲まれるbで示される領域は濃い半透明の赤色と半透明の白色で着色されている。
図12(a)及び
図12(b)の画像より、核の場所や大きさ(
図12(a))、及び細胞の場所や大きさ(
図12(b))を判別することができるが、
図12(c)のように、赤色と白色を同時に重ねて表示することで、核の場所や大きさ、及び細胞の場所や大きさを1つの画像から容易に判別することができる。
【0083】
波形データの信号強度に応じた着色は、
図12(a)及び
図12(b)に示されるように波形データの信号強度(y=f(x))に応じて単純に色の濃さを変える以外に、公知のカラーマッピング技術を用いて、種々変更させることができる。
図13は、互いに異なるカラーマップで描画した画像例を示している。
図13(a)〜(c)は、いずれも同じ細胞の画像を示しているが、カラーマップを変えることで、細胞中の核の場所及び大きさの認識のし易さが変化する。
図13(a)では、太い破線と細い破線で囲まれるaで示される領域が青色で着色され、細い破線と細い実線で囲まれるbで示される領域が黄色で着色され、細い破線で囲まれるcで示される領域が赤色で着色されている。
図13(b)では、太い破線と細い破線で囲まれるaで示される領域が赤色で着色され、細い破線と細い実線で囲まれるbで示される領域が黄色で着色され、細い破線で囲まれるcで示される領域が青色で着色されている。
図13(c)では、太い破線と細い破線で囲まれるaで示される領域が灰色で着色され、細い破線と細い実線で囲まれるbで示される領域が赤色で着色され、細い破線で囲まれるcで示される領域が黄色で着色されている。
このように、色自体、及び色の濃淡の変化の程度を種々変更することで、オペレータによる細胞判別を支援することができる。
【0084】
図14は、さらに他の画像表示例を示している。フローセルを用いた細胞分析では、当該フローセルに細胞を流す前準備として、細胞の凝集を防ぐために被験者から採取した細胞を含む試料を攪拌する処置が施されるが、フローセルを流れる試料中に稀に凝集細胞が含まれることがある。例えば、核がほぼ同じ位置にくるように2つの細胞が重なっていると、
図14(b)に示されるように、側方赤蛍光の波形データを表す波形のグラフdは1つの大きな単峰を示していることから、DNA量が多い1つの細胞であるとも考えられる。しかしながら、
図14(a)の細胞画像を見ると、2つの細胞が重なっていることが容易に分かる。このように、波形データを表す波形のグラフと画像とを組み合わせることで、波形データを表す波形のグラフだけでは分かりにくい細胞の判別も容易に且つ高精度に行うことができる。
【0085】
図15は、細胞画像だけでは核の位置が判別しにくいが、波形データを表す波形のグラフを組み合わせると、核の位置が容易に判別できる例を説明する図である。フローセルを用いた細胞分析を行う場合、フローセル中の細胞を所定のピントに合わせてカメラで撮影すると、フローセルの中心を流れている細胞と、フローセルの壁面近くを流れる細胞とで、ピントがずれてしまうことがある。そのため、
図15(a)の細胞画像のように、撮影した細胞の画像がぼやけて核の位置が判別しにくくなってしまうことがある。しかしながら、
図15(b)の波形データを表す波形のグラフを見ると、核の位置が容易に分かる。
図15(b)において、太い実線が側方赤蛍光の波形データを表す波形のグラフである。このように、波形データを表す波形のグラフと画像とを組み合わせることで、細胞画像だけでは分かりにくい細胞の判別も容易に且つ高精度に行うことができる。
【0086】
〔その他の変形例〕
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前述した実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0087】
例えば、前述した実施の形態では、複数の細胞画像と、当該細胞の波形データを表す波形のグラフ及び当該波形データの特徴を示す標識としての色との組を一覧表示する場合について説明したが、
図12(a)、
図12(b)、及び
図12(c)に示されるように、表示部に1つの細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識との組を表示させることもできる。
【0088】
また、前述した実施の形態では、細胞画像と波形データを表す波形のグラフ及び標識とを同一画面に表示しているが、細胞画像と、波形データを表す波形のグラフ及び標識とを別の画面に表示させることも可能である。同一の画面に表示したほうが、対比させながら判別することができるが、別々に表示する場合は、細胞画像などを大きく表示させることができるという利点がある。
【0089】
また、前述した実施の形態では、波形データを表す波形のグラフをずらすことで、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置調整を行っているが、逆に、細胞画像の方をずらすことで、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとの位置調整を行うこともできる。
【0090】
また、前述した実施の形態では、波形データを表す波形のグラフの幅を拡大又は縮小することで、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとのサイズ調整を行っているが、逆に、細胞画像の方を拡大又は縮小することで、細胞画像と波形データを表す波形のグラフとのサイズ調整を行うこともできる。
【0091】
また、前述した実施の形態では、細胞画像、波形データを表す波形のグラフ、及び当該波形データの特徴を示す標識としての色を1つの画面に表示しているが、波形データを表す波形のグラフと標識は、いずれか一方だけを表示させることも可能である。
【0092】
また、前述した実施の形態では、波形データの特徴を示す標識として、色を例示しているが、かかる色以外に、例えば円形の図形などで代表される細胞の模式図を標識として用いることもできる。具体的に、細胞の大きさを表す前方散乱光強度を半径として1つ目の円を描き、細胞の核の大きさを表す蛍光強度を半径として二つ目の円を、前記一つ目の円と同心に描くことで、細胞の模式図のような二重の円を描くことができる。これを、細胞画像とともに表示する、波形データの特徴を示す標識として表示することができる。
【0093】
また、前述した実施の形態では、被検者から採取された測定試料中に子宮頸部の癌・異型細胞が存在するか否かを判定しているが、本発明の細胞分析装置は、これに限定されるものではなく、口腔細胞、膀胱や咽頭等他の上皮細胞の癌・異型細胞、さらには臓器の癌・異型細胞が、被検者から採取された測定試料中に所定数以上存在するか否か判定するために用いることができる。
【0094】
また、前述した実施の形態では、波形データを記憶する波形データ記憶部271dと細胞画像を記憶する細胞画像記憶部272dとが一つのハードディスク27dに含まれる構成について述べたが、本発明はこれに限らない。波形データ記憶部271dと細胞画像記憶部272dとがそれぞれ別の記憶装置で構成されてもよい。
【0095】
また、前述した実施の形態では、細胞の核の位置を反映可能な波形データの特徴として、蛍光信号の強度に応じて色にグラデーションを施した構成について述べたが、本発明はこれに限らない。本発明は、細胞の核の位置を反映可能な波形データの特徴として、蛍光信号の強度が所定の値以上である範囲に色が表示される構成としてもよい。
【0096】
また、前述した実施の形態では、細胞質の厚み(細胞の大きさ)を反映可能な波形データの特徴として、散乱光信号の強度に応じて色にグラデーションを施した構成について述べたが、本発明はこれに限らない。本発明は、細胞の大きさを反映可能な波形データの特徴として、散乱光信号の強度が所定の値以上である範囲に色が表示される構成としてもよい。
【0097】
また、前述した実施の形態では、データの波形を表すグラフが折れ線グラフ状に表示される構成について述べたが、本発明はこれに限らない。本発明は、データの波形を表すグラフが、ヒストグラム状に表示されてもよい。