特許第6014595号(P6014595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6014595
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月25日
(54)【発明の名称】球形液晶レーザー装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/207 20060101AFI20161011BHJP
   H01S 3/083 20060101ALI20161011BHJP
【FI】
   H01S3/207
   H01S3/083
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-538097(P2013-538097)
(86)(22)【出願日】2011年11月8日
(65)【公表番号】特表2013-542615(P2013-542615A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】EP2011005607
(87)【国際公開番号】WO2012062450
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2014年5月19日
(31)【優先権主張番号】P-201000377
(32)【優先日】2010年11月10日
(33)【優先権主張国】SI
(73)【特許権者】
【識別番号】513114342
【氏名又は名称】インスティテュート ヨージェフ ステファン
(74)【代理人】
【識別番号】110000866
【氏名又は名称】特許業務法人三澤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イゴール ムシェヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】マティアジュ フマル
【審査官】 百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0017834(US,A1)
【文献】 国際公開第00/046578(WO,A1)
【文献】 特開2005−112945(JP,A)
【文献】 特開平06−005991(JP,A)
【文献】 特開2007−027702(JP,A)
【文献】 特表2005−533892(JP,A)
【文献】 特開2007−019447(JP,A)
【文献】 KASANO et al.,Electrically tunable waveguide laser based on ferroelectric liquid crystal,Applied Physics Letters,米国,American Institute of Physics,2003年 6月 9日,Vol.82, No.23,p.4026-p.4028
【文献】 MATSUI et al.,Electro-tunable laser action in a dye-doped nematic liquid crystal waveguide under holographic excitation,Applied Physics Letters,米国,American Institute of Physics,2003年 7月21日,Vol.83, No.3,p.422-p.424
【文献】 BLINOV ,Simple voltage tunable liquid crystal laser,Applied Physics Letters,米国,American Institute of Physics,2007年 3月27日,Vol.90,p.131103
【文献】 JUODKAZIS,Morphology-dependent resonant laser emission of dye-doped ellipsoidal microcavity,Journal of Applied Physics,米国,American Institute of Physics,2002年 2月 1日,Vol.91, No.3,p.916-p.921
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00−3/30
IEEE Xplore
Scitation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キラル相を形成する液晶の液滴によって形成され、
前記液滴は、外部光によって励起されたときにレーザー光を放出する活性レーザー媒体を含み、
前記液滴中に、光学的に異なる同心層(1)が形成され、前記レーザー光の反射器として動作し、
前記液滴の屈折率は、前記同心層により前記液滴中の放射方向に変調される、液晶のレーザー装置。
【請求項2】
前記液滴内の液晶が重合される請求項1に記載のレーザー装置。
【請求項3】
前記液滴は球形である、請求項1又は2に記載のレーザー装置。
【請求項4】
前記液晶は、前記活性レーザー媒体の放出波長範囲で選択的に反射する、請求項1〜3のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項5】
前記液晶は、ネマティック液晶とキラル不純物又は他のキラル液晶相の混合物であるコレステリック液晶であり、
前記キラル液晶相は、ブルー相、強誘電相、反強誘電スメクティック相、強誘電スメクティック相、軟物質についてのその他のキラル相、又は弓状分子の非キラル分子からなるその他のキラル相である、請求項4に記載のレーザー装置。
【請求項6】
前記レーザー活性媒体は、有機蛍光色素、希土類イオンもしくはその他のイオン、量子ドット、その他の蛍光媒体である、請求項4又は5に記載のレーザー装置。
【請求項7】
前記液晶は、前記液滴の表面(3)から中心(4)に向かう放射方向に延びるらせん構造を形成する、請求項4〜6のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項8】
前記液滴の異なる同心層(1)は、放射方向に進むレーザー光のための選択ミラーとして機能し、球形ブラッグミラーを形成する同心コレステリック層である、請求項1〜7のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項9】
気体、液体、固体その他の種類の液晶、又は真空であってもよい透明な外部媒体(2)に前記液滴は配置され、
前記外部媒体は、前記液滴(3)の内部と外部の間の境界に、前記液滴の表面に平行に前記液晶が並ぶように選択される、請求項1〜8のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項10】
前記液滴の中心に球形の物体(7)又は他の形状の物体が配置され、
前記物体は、気体、液体、前記液滴の前記液晶と反応しない液晶、又は固体から形成される、請求項1〜のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項11】
円筒型誘電体として形成された単一の光導波路(9)が、前記液滴を中央に向かって放射状に貫通し、前記導波路(9)は前記液滴からのレーザー光を取り込む、請求項1〜10のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項12】
前記導波路(9)は、前記液滴全体を貫通する請求項11に記載のレーザー装置。
【請求項13】
前記導波路(9)は、前記レーザー活性媒体を形成するレーザー活性物質からなる物体(7)を含む、請求項12に記載のレーザー装置。
【請求項14】
前記球形の物体(7)又は他の形状の物体は、前記レーザー活性媒体を含む請求項10に記載のレーザー装置。
【請求項15】
前記レーザー活性媒体は、前記液晶に分散している請求項1〜12のいずれかに記載のレーザー装置。
【請求項16】
前記レーザーは、前記レーザー活性媒体の吸収範囲に波長が存在する強い外部光(5)によって励起され、
前記外部光は、1つ又はそれ以上の方向から、前記導波路(9)を通って、前記液滴に到達する、
請求項11〜13のいずれかに記載の前記レーザー装置の操作方法。
【請求項17】
前記レーザー装置によって放出される前記レーザー光の波長は、温度又は外部の電磁場を変更することにより変更される、請求項16に記載の操作方法。
【請求項18】
並進対称、回転対称、角度調節可能な疑似対称、又は並進対称でも回転対称でもない、1次元、2次元、又は3次元ネットワークに、請求項1〜15のいずれかに記載の前記レーザー装置を多く並べた、複数のレーザー装置を含むレーザー装置システム。
【請求項19】
前記外部媒体(2)が液体であるとき、液晶及び外部媒体を機械的に混合することにより、又は液晶が分布している光学的等方性媒体の温度変化、重合又は光重合中に発生する相分離処理によって、前記液滴を形成する請求項1〜15のいずれかに記載の液晶のレーザー装置の製造方法。
【請求項20】
前記レーザーは、前記レーザー活性媒体の吸収範囲に波長が存在する強い外部光(5)によって励起され、
前記外部光は、1つ又はそれ以上の方向から、前記透明な外部媒体(2)を通って、前記液滴に到達する、
請求項9に記載の前記レーザー装置の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザー装置の製造、特に色素レーザー装置製造の分野を対象としたものである。
【背景技術】
【0002】
現在の小型電子回路及び光電子回路の製造のための技術により、微小レーザー装置を効率的に製造することが可能である。ダイオードによる半導体微小レーザー装置が特に良く知られているが、最もよく利用されているからである。帯電されたとき、半導体のP−N接合部付近の薄膜は、光を放出する活性媒体として機能する。
【0003】
このようなレーザー活性領域は、様々な方法によって作成可能な空洞共振器(resonant cavity)内に存在する必要がある。そのような共振器について、主な種類の半導体レーザーとして、ファブリーペロー、DFB及びVCSELがある。
【0004】
ファブリペロー・レーザー装置(Fabry-Perot laser)は、最も単純であり、現在最も広く使われている。その空洞共振器は、両側および結晶構造に沿ってP−N接合を含む半導体結晶を分割することにより作られる。このような方法により、平行な鏡として機能する、2つの完全に平らで平行な面を作成する。光はP−N接合部に沿って進み、レーザービームとしてダイオードから放出される前に、前述の面を複数回反射する。
【0005】
DFB(Distributed Feedback:分布帰還型)レーザー装置の場合もまた、光は接合部に沿って進む。ここで、ダイオードの両端のミラーは、回折格子をエッチングすることによって作られる。この回折格子は、一次元ブラッグミラーとして知られている屈折率の高低を周期的に有する構造であり、光の干渉によって、レーザー装置が光を放つ特定波長の光を選択的に反射することができる。このような方法によって、レーザーのスペクトル線が狭いことから、ファブリペロー・レーザー装置よりもよい鏡を作ることができる。
【0006】
上述のレーザー装置と異なり、VCSEL(Vertical‐Cavity Surface‐Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザー)はP−N接合部と垂直方向にレーザー光を放出する。この場合、接合部に垂直な方向において共振効果が最大となるように、空洞共振器を作らなければならず、このため、ミラーが接合面にある。
【0007】
高い屈折率と低い屈折率の固体を交互にして、平らな層を交互に堆積することによって、ミラーを作る。その反射に関する(物理的)原理は、DFBレーザーの場合と同様であり、方向と製造方法のみが違うものである。
【0008】
上記の全ての空洞共振器は、一次元光学微小共振器であり、線形微小共振器と呼ばれている。これらは、光波を一方向、すなわち、鏡に対して垂直な方向に制限する。
【0009】
さらに、ウィスパリング・ギャラリー(Whispering-Gallery)微小共振器に基づく、微小レーザー装置の製造方法が知られている。この場合、小さな透明の球体、すなわち液滴(droplet)が、光学共振器のように振る舞う。液滴内の媒体の屈折率が外部の屈折率よりも大きい場合は、その光は境界で全反射して液滴に戻る。このようにして、表面において何度も全反射を繰り返し、また同じ場所に戻ってくるような、光の円軌道を取得する。
【0010】
もし、軌道の長さが、波長の複数倍に等しい場合、共振条件は満たされ、液滴は微小共振器として機能する。通常の場合、共振器内の光源は単に、液滴内に拡散し外部からの光で励起する蛍光塗料である。液滴から発した光のスペクトルは、円共振軌道に対応する共振のピークを有する。液滴がパルスレーザーによって励起され、その染料が誘導放出の効果を持つということは、レーザー動作のためのしきい値を超えるということである。このとき、共振器はシングルモードもしくはマルチモードの光を放出する。
【0011】
参考文献によると、コレステリック(キラル ネマティック)液晶、そしてブルー相液晶に基づいた色素レーザーの製造方法が、しばらく良く知られてきた。レーザー色素をドープしたコレステリック液晶に基づく色素レーザーに関する報告は、Harry Coles and Stephen MorrisのLiquid−Cristal lasers, Nature Photonics,Vol.4,676‐685(2010)によって報告されている。
【0012】
コレステリック液晶に基づく色素レーザーの機能に関する基本原理は、コレステリック相の一次元らせん構造に基づいている。この構造は、自発形成され、この相の特徴をなす。大きな光学異方性、すなわち、コレステリック分子に沿った光の伝播(propagation)とコレステリック分子に交差した光の伝播との比率の違いにより、コレステリック位相内の分子のらせん構造は、光学的媒体を示し、その屈折率は、らせんに沿って周期的に変わる。
【0013】
上記のように、この媒体によって、一次元で、光学的変調構造が自発的に作られ、その周期は100nm〜100μmのオーダーであり、材料の選択もしくは、いくつかの違った材料を混ぜることによって変更もできる。屈折率の一次元変調の結果、らせんに沿った光の伝播の分散関係における光の禁制帯が出現するが、それはフォトニックバンドギャップとも呼ばれている。周波数が禁止周波数帯にある光は、そのような媒体では伝播することができない。
【0014】
その光の周波数(そして間接的にはその光の波長)が禁止分散帯にある場合に、コレステリック液晶に向かう光が、らせん方向に反射することは、そのような物質の特別な特性である。このようにしてコレステリック位相により、一次元(1D)光学結晶を作り出す。そのような1D光学結晶は、スペースを制限するブラッグミラー(Bragg mirrors)としても使用でき、1D光学レーザー共振器を作ることができる。
【0015】
このようなコレステリック位相に基づいた特別な種類のブラッグミラーも知られている。すなわち、全く同一のコレステリックミラーからなる一対のミラーを使うときに、その間に誘電性の薄膜層を配置するものである。そのような構造により1D光学レーザー共振器が作り出されるが、その場合のレーザーの機能は、液晶もしくは薄膜誘電層をレーザー色素にドープすることにより実現される。コレステリック液晶に基づく全ての色素レーザーは、正確に定められたコヒーレントなレーザー光を放出する。
【0016】
参考文献において、我々は、空間中の全方向へ均等にコヒーレントなレーザー光を放出する3D球形レーザー装置に関する二つの技術的解決手段を発見した。特許公報(US4.829.537)において、Th. M. Baerは、レーザー活性な固体である物質からなる球形共振器に基づいた、球形レーザーについての技術的解決方法を説明している。
【0017】
球形レーザー共振器は、等方性の球体のような形状であり、レーザー活性物質から作られ、そして薄膜の反射層によって覆われている。球形共振器のレーザー活性物質を、外部の光源を通して励起することができるような全ての光を透過し、同時に、この層は、球形共振器内で生じた自身の電磁発振モードの波長を強力に反射するように、この反射層の光透過率は、なっている。
【0018】
上記登録特許も、ファイバーまたはプリズムを用いるような、外部励起光源への光学結合(optical coupling)及び活性媒体の励起についての様々な方法について説明している。著者は、技術的解決手段の例を提示している。すなわち、ダイオードレーザーによって励起するNd:YAGの微小球である。
【0019】
上記登録公報は明白な課題についての解決策を提供していない。その課題とは、球半径によって決定されるレーザー活性球の電磁発振モードの周波数と、活性媒体(この場合Nd:YAG材料)の特性によって決定される誘導放出の周波数を揃えることである。提案されている球形レーザーの技術的欠点は、共振器の延伸温度の効果である、表面反射器をもつ球形共振器の励起放出の振幅が、広い温度感受性をもつことである。
【0020】
S.S.TownsendとR.LaCombによって作成された特許登録公報(US2006/0227842 A1)は、特許登録公報(US4.829.537)に記載されたものと同様の、球形レーザー技術の実現について説明している。著者は、レーザー活性媒体で満たされた透過的な球面ボールを説明している。球形ボールの内面は、球形ボールが球形光共振器を形成できるように、一部、反射層で覆われている。上記著者は、共振器で満たされたレーザー活性媒体の誘導放出は、外的影響によって誘起されることについて説明している。
【0021】
誘導放出により共振器の損失を解決したとき、我々は分布が均一なレーザー光を放出することができる。その著者はまた技術的解決手段について説明している。すなわち、反射球体をボール(共振器)の中心に配置する一方、外部のボールとボールの中心の球体の間の外殻を形成する空間を、活性媒体で満たすものである。
【0022】
参照文献から我々が習熟している研究として、液晶と、ポリマー分散液晶(Polymer Dispersed Liquid Crystals, 略してPDLCs)と呼ばれる特別な種類の物質を形成する等方性液体との混合についてのものがある。これらを混合した場合、液晶と等方性液体は反応せず、液晶は小さい液滴を形成する混合物から自発的に分離する。ネマティック液晶の場合、液滴内の液晶における分子構造が異なることは分かっており、コレステリック液晶によって形作られる液滴の構造も分かっている。ポリマー内の液晶の小さな液滴の分散は、液晶の液滴が可視光の波長よりも小さいと仮定すると、特徴的な電子光学現象を示す。
【0023】
このような場合、液滴内の分子配列は外部電場の影響下で変化し、このような混合物の薄膜の外観が変化し、この混合物は電界強度が所定値を超えるときに透明となる。これらの論文の報告は、Paul S.Drzaicによる本、「Liquid Crystal Dispersions(World Scientific Publishing Company, Singapore, 1995)」に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
参考文献には、レーザー光の3D光源として利用できる光学3Dブラッグス型微小共振器に、コレステリック液晶の微小液滴を使用した報告はない。
【0025】
本発明の目的は、レーザー光の微小光源の提供であり、また顕微鏡、ディスプレイ技術、ホログラフィ技術に用いられることである。レーザー光の微小光源とはすなわち、光集積回路の処理と、目的物の発光を目的とした光信号の拡散に取り込むことができる、コヒーレントで単色の光源である。上記目的のための光源は、コヒーレントでなければならない。すなわち、単波長の光を発する一方で、光の位相が結合されなければならない。場合によっては、レーザー光源が全ての方向に光を放射し、発した光の波長は、容易に変更することができることが好ましい。他の場合、光源は特定の方向に光を発し、一つ又は複数の導波管で取り込むことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0026】
目的は、請求項1に記載の液晶レーザーによって達成される。このレーザーにおける有利な実施態様は、従属項の対象であるか、または後続部分の記述によって開示される。
【0027】
提案されるレーザー光の光源は、一つ又はそれ以上のキラル液晶の液滴を含む。液晶の各液滴は、必ずしも球形である必要はないが、球形であることが望ましく、実施形態の一つの中には、個体(材料)、ポリマーもしくは、外部への液晶分子の移動をさせないその他の材料の薄膜が含まれる。
【0028】
他の実施形態において、液晶と混ざらない材料で外部が満たされて、液晶の境界が明確に形成されるとき、液晶液滴は、その表面に不浸透性層がなくてもよい。液晶液滴の外部は、気体、液体、固体もしくはその他の種類の液晶で満たされてもよく、または真空でもよい。液滴の内部は、レーザー活性媒体が添加されたキラル液晶で満たされている。液滴内の液晶は、重合もできる。液晶液滴の殻の内部表面、もしくは液晶と外側間の境界は、表面上において、液晶分子が表面に平行して配列されるような方法で作製される。
【0029】
対称性と球形の外表面に平行に配列した液晶分子によって、液滴内部の液晶は、キラル液晶の通常の特性である、らせん状に配列する。このらせん構造は、放射方向にある誘電テンソルの主軸を周期的に様々な方向に導き、放射方向の液滴における光学的特性の層別化を引き起こす。
【0030】
キラル液晶液滴の中心では、点欠陥になる可能性があり、液滴の中心から表面にかけての欠陥線になりうる。しかしながらまた、液滴の中心を球状の物体で満たしてもよく、中心が液晶液滴の中央にある異なった形の物体によって満たしてもよい。液滴の中心を満たす球形の物体は、液晶と混合しない気体、液体又は固体でできている。液滴の液晶と混ざらない他の種類の液晶からつくってもよい。球状の物体を中心に配置したので、レーザー活性材料を液滴の中心に配置することができる。液滴の中心に配置し、レージングパラメータに影響を与えるような、他の物質の選択肢もある。従って、レージングの管理は、この方法によって達成される。
【0031】
液滴は、放射方向に配列されるらせん構造をもつ液晶と、その特性が光の誘導放出であるレーザー活性添加媒体とを含み、この液滴に外部の光源から照射する。液滴内部(好ましくはその液滴の中心)において、レーザー活性媒体(特にレーザー色素)の分布が不均一な場合、光をあてるのはその液滴の一部だけでよい。
【0032】
レーザー活性媒体は、液晶内部で分散する可能性があり、又は液滴に別の方法で含まれる可能性がある。損失を上回る光の誘導放出の超過分が、励起光束の所定の密度レベルを上回って得られることにより、発光が起こる。液滴内で屈折率が放射変調(the radial modulation)することにより、液滴の中心から来て反射により戻っていく光に対して、ブラッグス反射が起こる。
【0033】
したがって、液晶のらせん構造は放射型ブラッグスミラーとして機能し、その一方で液滴は放射型光学共振器として機能する。その共振器の電磁界における自己共振周波数は、キラル液晶のらせん周期と液晶内部の光の伝搬速度によって定義される。
【0034】
レーザー放出のしきい値を超えることにより、光が発し、立体角全体にわたり均一に広がる。我々は、放出された光を光導波路に取り入れることができ、光導波路は、液滴を放射方向に中心へと貫通する誘電体によって形成される。導波路は、液晶液滴全体を貫通することもできる。多くの液晶レーザーは、2次元又は3次元ネットワークで構成され、この場合、空間又は平面に統合されたレーザー光の光源を形成する。
【0035】
以下において、下記の図において示される提案されたレーザーに関し、いくつかの実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明についての基本的な球形液晶レーザー装置。
図2】球形液晶レーザー装置内のコレステリック液晶分子のらせん配列。
図3】液晶液滴の中心に物体を加えた球形液晶レーザー装置。
図4】薄い障壁によって液晶液滴を外部媒体から分けた球形液晶レーザー装置。
図5】液晶液滴の中心に物体を加え、障壁により液晶液滴を外部媒体から分けた、球形液晶レーザー装置。
図6】光導波路が液晶液滴に挿入された球形液晶レーザー装置。
図7】光導波路が液晶液滴に挿入され、液晶液滴の中心に物体を加えた球形液晶レーザー装置。
図8】光導波路が液晶液滴に挿入され、障壁により液晶液滴を外部媒体から分けた、球形液晶レーザー装置。
図9】光導波路が液晶液滴に挿入され、障壁により液晶液滴を外部媒体から分け、液晶液滴の中心に物体を加えた球形液晶レーザー装置。
図10】挿入された光導波路が、対称な軸に沿って球形レーザー装置を貫通する球形液晶レーザー装置。
図11】挿入された光導波路が、対称な軸に沿って球形レーザー装置を貫通し、レーザー活性物質から作られた物体が加えられ、導波路内で液晶液滴の中心に配置された球形液晶レーザー装置。
図12】二次元ネットワーク上に配列された、多数の球形液晶レーザー装置。
図13】三次元ネットワーク上に配列された、多数の球形液晶レーザー装置。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本件の実施例すべてに対して共通とされる基本的な球形液晶レーザー装置を模式的に示したものである。球形レーザーは、液滴を次のような形状にすることからなっている。すなわち、らせん状に配列した液晶1を、透明な外部媒体2に配置し、その2つの要素の間を光学的に透明な境界3とする。表面張力により、コレステリック液晶の液滴は、外部の液体内に完璧な球形の液滴として形成される。
【0038】
液滴のサイズは、数nm〜100μmの幅であることが好ましい。液滴は、液晶と外部の液体媒体の機械的混合によって、または広く知られた手法の相分離によって形成することができる。相分離は、液晶液滴が分布している支持光学的等方性媒体の、重合または光重合中に起こる。
【0039】
外部の物質と液滴内部との境界を形成することにより、境界3の液晶分子は、液滴と外部との境界面に平行な方向に、自ら自発的に並ぶ。このようにして、液滴内の液晶は、コレスティカル液晶において一般的であるらせん構造1のように自ら並ぶ。このような構造は、液滴の中心4で終わり、液晶のらせん構造は、液滴の表面から液滴の中心への放射方向に配列される。
【0040】
コレステリック液晶は、純粋なコレステリック、又はネマティック液晶とキラルの不純物もしくは他のキラルの混合物からなる。すなわち、ブルー相等のらせん液晶相、強誘電スメクティック相、反強誘電スメティック、又は強誘電スメクティック相及び同様のキラル相の軟物質である。
【0041】
コレステリック液晶により、重合可能な物質を形成できる。つまり重合の後に液滴が球状の固体になるということである。球形レーザー装置内の光学増幅器として動作するコレステリック液晶内で、活性媒体が分散される。活性媒体は有機蛍光色素、希土類イオンもしくは他のイオン、又は量子ドットもしくは他の蛍光媒体からなる。
【0042】
図2は、液晶レーザー内の液晶分子1の配向を模式的に示したものである。液滴表面の液晶分子1の配向は、その(液滴)表面に平行である。液晶の対掌性(chirality)は、液晶分子の放射方向のねじれを起こす。ねじれることで、このようにして液滴内の液晶のこうした構造の光学的性質を決定づける。
【0043】
放射状にらせん配置することにより、放射方向にある誘電テンソルの主軸の方向が周期的に変化し、それにより液滴の光学的特性を放射方向に効果的に層形成していく。単純な物理的概念を用いることで、液滴の中心から外部との境界への距離に従って、高い屈折率と低い屈折率が交互に置き換わるような層の配列と、誘電テンソルのらせん配列が、類似していることを説明できる。
【0044】
したがって、液滴内の液晶は、自発的に配列化することにより、玉ねぎ型光学構造を形成し、その屈折率は液滴の中心から外端に向かう距離にしたがって周期的に変わる。放射方向に進行するときに光学構造による干渉によって、一定間隔の波長の光が、液滴の中心と表面の方向に向かって、前後に反射される。このようにして、液滴内の液晶の構造は、放射状、球形で対称の3Dブラックス反射器として形成される、光学共振器として機能する。
【0045】
3Dブラッグス反射器の光学的特徴は、コレステリック相もしくは他のキラル相のらせん周期によって定義される。これは、特定の種類の液晶か、他の物質と液晶との混合物かを選択することにより決定される。光子のギャップの第1又は第2の端部が、使用された活性媒体の最大放出領域内にあるように、コレステリックらせんの周期を選択する。
【0046】
液晶液滴は、光学増幅器として機能する物質を含み、ラジアルブラッグス微小共振器を形成する光学的構造を有するように作られるので、液晶液滴は、レーザー活性媒体が外部の光源6からの光5によって、照らせれ、そして励起された場合に、レーザー光を放出できる。このときの外部光源の波長は、活性媒体による吸収範囲内になければならない。光源は、パルスレーザーまたはフラッシュからなる。
【0047】
外部光刺激のピークパワーがしきい値を超えたとき、刺激されたレーザー放出がその損失を上回るように、液滴はレーザー光の放出を始める。レーザー装置は、全方向にそのような光を放出する。放出された光は、一つ又はそれ以上のレーザーラインを形成し、その波長は液晶のらせん周期によって決定される。温度の変更によって、らせんの長さを変更することができ、このようにしてレーザーによって放出された光の波長に影響を与える。放出されたレーザー光の波長を変えるのと同様の効果は、液滴内の液晶構造に影響を与える外部の電磁界によって達成される。
【0048】
以下の項目では、提案した球形液晶レーザー装置についての異なる実施例について説明する。図3は、液晶液滴の中心に物体7を加えた球形液晶レーザー装置の第2の実施例を示す。この物体は、球形その他幾何学的に正しい形状であればよく、完全に対称でなくてもよい。その物体は、固体からなるものであってもよく、又は互いに反応しない、液滴内の結晶とは異なる液晶からなるものであってもよい。液晶と反応しない等方性の液体からなるものであってもよく、気泡でもよい。
【0049】
上述の説明によると、物体は、光を様々な方法で集めることができる様々な物質からつくることができることは明らかである。なお、レーザー活性物質、光周波数の非線形増幅のための物質、強誘電もしくは強磁性の物質からなるものであってもよい。この物体は、図1の実施例1に示す場合に液晶の配向性に構造上の欠点が存在していた、液晶液滴の中心部の小さな範囲を満たす。しかしながら、第2の実施例では、液滴の中心を除く残りの部分の液晶構造は、実施例1と同じである。
【0050】
図4は球形液晶レーザーの第3の実施例を示す。ここで液晶液滴は、薄い障壁8によって外部の媒体と分離されている。障壁は、外部の媒体を液滴内部の液晶から分離する機能を持ち、PDLC技術により知られている液晶液滴をコーティングする化学的工程によって作られる。障壁8は、透明であり、液晶分子1又は外部媒体2を浸透させない。
【0051】
図5は、第2と第3の実施例を組み合わせた第4の実施例を示す。ここでも、この液晶は、外部媒体をコレステリック液晶1から分離する障壁8の内部に保持される。物体7は、液滴の中心に配置される。レーザー活性媒体は、液晶内や液滴の中心に配置された物体内に分布する。レーザー活性媒体は、光源6からくる外部の光5によって照射される。
【0052】
図6は、第1の実施例を基にした、光導波路9がコレステリック液晶液滴1に挿入されている場合の第5の実施例を示す。この場合、レーザー活性媒体は液晶1全体に分布しており、光源6から来る光5によって、所定の角度で照射される。球形レーザー装置の中心からくる光は、光導波路に取り込まれて誘導される。
【0053】
図7は、実施例2と実施例5を組み合わせた実施例6を示す。ここで導波路9は液滴に挿入され、光の取り込み、入力、又は出力を行う。誘電体7は、液滴の中心に配置され、レーザー活性媒体や、他の方法で共振器の電界に影響を与える他の物質を含む。レーザー活性媒体は、液滴1内の液晶全体に分布する。レーザー活性媒体を光源6からの光5で励起し、液滴の中心(すなわち共振器)でレーザーによって生成された光を取り込み、レーザーから導波路9により導く。
【0054】
図8は、第3の実施例と第5の実施例を組み合わせた、球形レーザーの第7実施例について示す。ここでの液晶液滴は、薄い障壁8によって、外部媒体2から分離されている。障壁8の機能は、殻の中の液晶から外部媒体を分離することである。光導波路9は、コレステリック液滴1に挿入されている。
【0055】
図9は、第6の実施例と第7の実施例を組み合わせた球形レーザーの第8実施例について示す。液晶液滴は、薄い障壁8によって、外部媒体2から分離されている。障壁8の機能は、殻の中の液晶から外部媒体を分離することである。光導波路9は、コレステリック液滴1に挿入されている。誘電体7は、液滴の中心に配置され、レーザー活性媒体や、いくつかの他の方法で、共振器の電界に関わる他の媒体を含む。レーザー活性媒体はまた、液滴1の内部の液晶全体にわたって分布している。
【0056】
図10は、挿入された光導波路が対称な軸に沿って球形レーザーを貫通する場合の第9の実施例を示す。レーザー活性媒体は、液晶1全体にわたって分布している。光源6から励起光を送ることにより光の励起が起こる。球形レーザー装置からのレーザー光を取り込むとき、球形ブラッグスミラーからの共鳴反射によって、光導波路に取り込んで通過し、レーザー装置を出る。
【0057】
図11は、挿入された光導波路が球形レーザーを対称軸に沿って貫通する場合の、第10の実施例を示す。レーザー活性媒体は液滴の中心に配置された小さい物体上に分布する。この物体は、幾何学的に正しい形状を持ち、好ましくは小さな球形、または導波路の軸に平行な軸上の円筒形である。この物体は、何らかの特別な対称形をもたなくてもよい。
【0058】
そのように構成された物質は、レーザー活性という特性に加えて、電磁波の周波数の非線形増幅特性をも持つことにより、強誘電性、強磁性を示し、超常磁性も有する。励起光5を光源6から導波路9に沿ってレーザー活性媒体7に送ることにより、光を励起する。球形レーザー装置からレーザー光を取り込むとき、球形ブラッグス反射器による共鳴反射によって、光導波路に取り込まれて通過し、レーザー装置を離れる。
【0059】
図12は、二次元ネットワーク上に配列された、いくつかの球形液晶レーザーを示す。液晶レーザーは、外部媒体内においては面に配置されることにより、対称もしくは疑似的に対称となりうる正しく2次元のネットワークが、その幾何学的な重心によって形成される。ここの液晶レーザー装置は、上述の実施例1から10のより実現できる。そのようなレーザー装置の構造は、面上に統合されたレーザー光源の組として機能する。しかしながら、この分野の専門家であれば、球形レーザーを面上に統合する必要はない場合があることを理解している。そのような場合、それらは面上に無作為に配置される。
【0060】
図13は、大数の球形液晶レーザーを3次元ネットワーク上に配置する場合を示す。液晶レーザー装置は、外部媒体においては、平面におくことにより、対称、疑似的に対称、もしくは対称でない三次元ネットワークを形成する。個々の液晶レーザー装置は、上記実施例1〜10のいくつかで実現できる。そのようなレーザー装置の構造は、面上に統合されたレーザー光源の組として機能する。しかしながら、この分野の専門家は、球形レーザーを空間上に統合する必要がない場合があることを理解している。そのような場合、求刑レーザー装置は、面上に無作為に配置される。
【0061】
蛍光色素ドープコレステリック液晶混合物について2つの例を後述する。
1)S‐811キラル不純物(Merck)の25.5重量%を、MLC‐7023液晶(Merck)に加える。混合物は加熱して等方相とし、通常は数分混ぜて均質化する。そして、0.2重量%の液光色素、7−ジエチルアミノ−3、4−ベンゾフェノキサジン−2−オン(ナイルレッド)を混合物に加え、加熱して等方相とし、均一になるまで、通常は数分間混ぜる。均一化後、色素ドープキラルネマティック液晶は、いくつかの固体残留色素粒子を取り除くために遠心分離される。材料は通常、2、3分、10000rpmで分離され、スピンの半径は通常数センチである。
【0062】
2)26重量%のs‐811キラル不純物(Merck)と0.5重量%のレーザー色素である4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)によるMLC-2132液晶(Merck)
【0063】
双方の場合に3Dマイクロレーザー装置を製造するために、数%の色素ドープコレステリック液晶の混合物を、様々なサイズの小さな液滴を形成するグリセロールと機械的に混合する。特別な混合手順は必要ない。手動でかき混ぜるときであっても、容易に分散するからである。
【0064】
我々の発明に関する球形液晶レーザー装置は液晶液滴であり、その屈折率は局所的に放射方向に依存し、光学的に異なる同心層を形成する。ここに備えられる活性媒体は、好ましくは液晶内に分散し、外部光に励起されたときにレーザー光を発する。このレーザーは、ほぼ球形であり、好ましくは、数nm〜100μmのサイズである。
【0065】
液滴は、活性媒体の放出領域において選択的反射ができるキラル液晶1から構成される。このキラル液晶1は、コレステリック液晶であってもよく、すなわちネマティック液晶と、キラル不純物もしくは他のキラル液晶層、好ましくはブルー相、強誘電体層もしくは軟物質による他のキラル層の混合物である。
【0066】
レーザー活性媒体は、好ましくはキラル液晶内で分散する。活性媒体は有機蛍光色素、希土類イオンまたは他のイオン、量子ドットもしくは他の蛍光体であってもよい。液晶のらせん構造は、液滴の表面3からその中心4に向かって放射方向に配列される。液晶液滴は同心であり、好ましくはコレステリック層を有する。この層は、放射方向に進む光のための選択的ミラーとして機能し、球形のブラッグ共振器を構成するものである。
【0067】
液晶液滴は透明な外部媒体2に配置され、この外部媒体2は気体、液体、固体、その他液晶もしくは真空のいずれであってもよい。外部媒体は、球体表面に平行になるように、液晶分子を外部と内部の境界に配列させる。液晶液滴は、液晶と外部媒体の機械的混合により、もしくは、液晶液滴が分布している支持光学的等方性媒体(supporting optically isotropic medium)の温度変化、重合又は光重合中に発生する相分離処理により作られる。
【0068】
液晶液滴の中心には、液滴の液晶と反応しない気体、液体、または液晶、または固体からなる球体7又は違う形状の物体が存在する可能性がある。レーザー装置からの光は全方向に均一に広がる。放射光は、放射方向に中心へと液滴を貫通する円筒形誘電体である、光導波路内に取り込まれる。
【0069】
導波管9は液晶液滴全体を貫通することもでき、またレーザー活性媒体からなる物体7を含むこともできる。1又はそれ以上の方向から外部媒体2又は導波路9を通過して液滴に到達する、蛍光色素の吸収域内の強力な外部からの光5によって、レーザーは励起される。温度、外部電界、又は外部磁界を変えることによって、らせんの長さを代えることができ、このようにしてレーザー装置によって放出された光の波長を変えることもできる。多くのレーザー光は、1次元、2次元又は3次元ネットワーク上に配置することができ、このネットワークは、並進対称や回転対称、疑似対称(角度調節可能)を示すものであったり、並進対称や回転対称を全く示さないものであったりする。
【0070】
このような球形レーザー装置を製造するときの特性として、液晶と外部媒体の機械的混合により、もしくは液晶液滴が分布している、支持光学的等方性媒体(supporting optically isotropic medium)2の温度変化、重合又は光重合中に発生する相分離処理により、液晶液滴が作られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13